ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物 作:ラルク・シェル
ヒーロー協会で怪堂阿含という少年が名乗りを上げた頃、バングはE組に拳法を教えていた。
「君の武器は、その素早さだから、もっと磨きを上げるといいな」
「ありがとうございます!」
まず木村正義の素早さを褒めたり。
「君は元々運動は苦手のようだが、少しでも体力を着けるのを忘れないような」
「・・・・・・・・はい。なんとか努力します」
竹林考太郎にアドバイスをしたり。
「君は・・・・・・・・こんなにふくよかながらもいいセンスだ」
「バカにしないでね!だって私は動けるデブだから♪」
原寿美鈴はつい自慢し始める。
しばらくすると磯貝に目を向ける。
「君!」
「はい?」
「こんなに若いのに、中々いい腕してるな?わしの弟子とは大違いに」
「それはありがとうございます!」
「どうだ?わしの弟子にならないか?君だったらすぐに流水岩砕拳をマスターできそうだが?」
バングは磯貝の動きを気に入ったのか、弟子にならないかと勧誘してきた。
「バングさん、気持ちは嬉しいけど俺ん家貧乏だから、学費や弟と妹と母との生活費で一杯一杯なので無理ですよ」
「そうか、残念だな・・・・・・・センスあったのに」
「でも、誘ってくれるのは嬉しいので、考えて見ます」
磯貝は丁寧にバングの誘いを断った。
「君達」
「あ?なんだよじいさん」
バングは次に寺坂と拓也と吉田ら3人に声をかける。
「ちょっと立ってくれないか?」
「はぁ?たくなんだか?」
3人は仕方なく立ち上がると、バングが腰や間接を見たり、少し触ったりさらには。
「ちょっと失礼」
「え?あ痛たたたたたた!?」
寺坂の腰を無理やり曲げての前屈をさせる。
「おい、ジジイ!何してんだよ!?」
「すまんすまん。しかし3人共、体力はあるようだが少し身体は硬いな?ストレッチぐらいした方が良いかも知れんぞ?」
「うるせぇ、余計なお世話だ!」
寺坂は恥ずかしそうに顔を赤くして怒鳴りつける。
するとバングの後ろに誰かがこっそりと近づいていた。
「おっと!」
「うわっ!?」
だが素早くバングが、近づいた者の後ろに回りこんで、そのまま彼の腕を押さえたまま、首の辺りに手刀の構えをする。
「酷いなぁ・・・・・ちょっとイタズラするつもりだったのに?」
「レモン汁入りのスプレーで、どんなイタズラを?」
イタズラを仕掛けようとした犯人は、当然のように赤羽であった。
バングは赤羽のイタズラに、少し呆れたりする。
「おや?」
するとバングは真面目に訓練しながら、周りと協調する渚の姿を見る。
[あの少年・・・・・・・なんとも面白い能力を持ってる]
バングは渚の暗殺者としての才能と、素質を見抜いていた。
「なぁ、学校終わったらまたキングの所行こうぜ♪」
「うん!行く!」
「では、先生も行きますか♪」
「なんだ?お前もゲームやりたいのか?」
「それもありますが、生徒の安全を守るのも仕事ですからね」
ここではそんな平和な時間を過ぎていた。
その頃、ヒーロー協会では。
「ちょうど良いや!どうだ?ここにいる奴ら全員で、俺と勝負しろ!!」
謎の少年怪堂が、ホールの全員に喧嘩を吹っかけた。
「は?なんだよアイツ?」
「頭おかしいだろ?」
「つーーーか、なんでこんなガキがいるんだよ?」
だが、ならず者達は呆れたり笑ったりする。
「君、いきなり何わけの分からない事を言ってるんだ?ここは喧嘩をする所じゃないよ?」
「なんだよ?ヒーロー協会の奴らって臆病な奴しか居ないのか?」
怪堂は笑いながら、シッチを挑発し続ける。
「全く、悪いが彼を追い出してくれないか?」
「分かりました。私がなんとかしましょう」
テジナーマンが怪堂の前に立つと、シルクハットからロープを取り出す。
「悪いが、大人しくしてろよな!」
そのロープが蛇のような動きで、怪堂に飛び掛ってきた。
しかし素早くかわして、テジナーマンに近づく。
[早い!]
「アンタ、遅ぇな!」
「がはっ!?」
そのまま怪堂が膝蹴りをしてテジナーマンを倒す。
だが、フンドシが拳を振りかざし。
「重戦車パンチ!!」
必殺パンチが決まったに見えたが。
「なにっ!?」
しかしこの場には怪堂の姿が見れなくなる。
「上だよ上」
「なっ!?ごふっ!?」
すでに怪堂はフンドシの頭上に居て、そのままフンドシの頭を掴んで強く床に叩きつける。
「貴様、もう許さん!消し炭にはさせないが、一生消えない火傷を負え!」
するとブルーファイヤーが手から青い炎を発射した。
「おっと!コイツは危ないな!?」
余裕な笑みで炎を避けると、ブルーファイヤーの背後に回って。
「よっこらしょ!」
「なっ!やめ、ぐふっ!?」
見事なバックドロップが決まる。
「やっぱ、仕込んでたんだな?」
さらにブルーファイヤーの両手に仕込んでた、小型の強力火炎放射器をもぎ取る。
「中々やるなぁ、あの小僧!」
「良いぞ!そのままこの本部を乗っ取れよ!!」
他の犯罪者達はヒーローを倒しまくる怪堂に声援を上げたが。
「はぁ?なに調子のいい事を?てめぇらはここで死ぬんだよ?」
「なんだと!」
「テメェ!一体どう言うつもりだ!」
「お前は、こっち側じゃねぇのか!?」
その暴言に周りが苛立ちを見せる。
「さっきも言ったが、俺は怪人を目指してんだよ?あっち側とかこっち側なんて、関係ないのが怪人よ!」
「生意気言ってんじゃねぇぞ!?」
「上等だ!先に俺がぶっ殺してやるよ!!」
ギャーギャー騒ぎ立つ中、先にスモッグが前に立った。
「たく、しょうがない。しばらく動けねぇようにしてやるよ!」
するとスモッグは麻酔ガスのスプレーを噴きつけようとしたが、素早く腕を掴まれるとそのままへし折った。
「っ!?きさ・・・・・ぐぉ!?」
さらに怪堂の飛び蹴りも喰らってしまって、スモッグはやられてしまう。
「スモッグ!?」
「おのれ!」
続いて超握力のグリップが相手をする事になる。
掴みに来るグリップの手を避けたりかわしたりする怪堂は、そのまま大きく振りかぶって殴りかかった。
[バカな奴だぬ。一生その手を使い物にならなくしてやるぬ!]
グリップは殴りかかる怪堂の拳を右手で掴み、その持ち前の握力で粉砕しようとした。
だが、パンチの勢いは止まらずに掴まれた手ごと顔面に直撃。
[コイツ・・・・俺に拳を掴まれたまま、殴ってきたぬ!?]
本人も信じられないまま、グリップは数メートルぶっ飛ばされる。
そして右手の骨も砕けてしまう。
「さぁ、次は?」
まるで獲物を探す獣の目で、辺りを見回して。
「良し、お前だ!」
ガストロをターゲットに決める。
「クソ・・・・・・まさかこんなにも、不味い仕事になるなんて、本当にガッカリだぜ!!」
ガストロはしゃぶってた銃を、怪堂に向けるので周りのならず者は、思わず怪堂から離れたりする。
「小僧。強いってのは認めてやるが、おいたが過ぎたようだな?」
「忠告する前にさっさと撃てよ?」
「全く、本当に不味い仕事だ!」
ガストロが叫んで彼の右足を、掠る程度にぶっ放した。
しかし怪堂は驚く事も恐怖もせずに、ガストロに近づいてくる。
[おいおい!コイツは本当に人間かよ!?]
ガストロは次第にビビリ始め、手元が震えてしまう。
「ほら、撃てよ」
どんどん近づいてくる怪堂に、ガストロは恐怖のあまり手の震えが止まらず。
「来るな・・・・・来るなあぁぁ!!」
叫びながら引き金を引いた。
しかし、いつのまにかすでに怪堂が近くに居て、ガストロの腕を掴んで、銃口を天井に向けていた。
「恐怖で手元が狂って周りも見えてなきゃ、銃なんてまともに使うはずないだろ?」
「そりゃ・・・・・どうも・・・・・」
「ふんっ!」
「ごふっ!?」
そのままガストロに回し蹴りを喰らわせた。
「さてと、次は?」
「ヤバイ!だが俺だって!」
「遅い!」
「うっ!?」
すぐさまレッドアイも銃を構えたが、すぐに瞬殺されてしまう。
「おっさんも立てよ。どうせ目覚めてんだろ?」
「よく・・・・・気づいたな!」
鷹岡が鼻血と額から血を流して、後頭部を押さえて少しふらつきながら立ち上がった。
「おいガキ!さっきから随分と生意気言ってんじゃないか?」
「うるせぇよ。見掛け倒しの隻眼のおっさん」
「んだと?この・・・・・・・ガキがああぁぁぁぁぁぁ!!」
怪堂の挑発に鷹岡が完全にキレて、拳を振りかざし襲ってきた。
「がはっ!」
だが、怪堂のパンチが早く鷹岡の腹部に食い込んで、そのまま彼の姿勢は崩れた。
「そして、足がガラ空きだ!」
「ぐおぁぁぁ!!」
さらにそのまま鷹岡の足を思いっきり蹴り付けて折る。
[このガキ!烏間以上のパワーとスピードを持っていやがる!しかも戦いが喧嘩レベルの分、渚のガキやE組共より動きが読めない!?]
元々防衛省の軍人である鷹岡は、烏間の方が遥かに戦闘力が上だが、それでも強くて洞察力や観察力もある。しかし怪堂の素人ともいうべき戦い方と、その予想以上の戦闘力に驚愕してしまう。
「とりあえず、死なねぇ程度にタコ殴りだ!」
「ぐおっ!ぐはっ!止め!がはっ!!」
そのまま鷹岡の顔面を何十発もぶん殴り、歯が10本ほど折れて顎や頬の骨が砕けて、完全に顔の形が歪んだ酷い状態になった。
「さぁ?次の相手は?」
「上等だ!!」
「テメェみてぇなガキ、俺が殺してやる!」
「袋叩きだ!!」
いっせいにならず者達が怪堂に襲い掛かって来た。
だが、逆に返り討ちに合ってしまっていた。
「緊急事態!緊急事態!中央多目的ホールで、うわっ!?」
すぐさまシッチが助けを呼ぼうとしたが、しかしぶっ飛ばされたならず者、激突して気絶してしまう。
その頃、サイタマは殺せんせーと渚と一緒、キングの家でゲームをしていた。
「にゅにゅにゅにゅ!キングさん、少し手加減を!?」
「それは無理!」
「あはははは!お前、ほんと弱ぇなぁ?」
「がんばってね!」
渚に応援に答えるべく、必死にリモコンを操作し続ける殺せんせー。
だがしばらくすると、なぜか殺せんせーは自分の触手に絡まってしまう事態になってしまった。
「ちょっとちょっと、どうしたんですか!?」
「すみません。殺せんせーってテンパりやすいんですよ」
「めんどくさい弱点だな?」
「というより、助けてください!?」
そんな殺せんせーの弱点にサイタマは呆れてしまう。
それから、ヒーロー協会ホールで、シッチが目を覚ます。
「う・・・・・・・さっきまでいったい、うわぁ!!?」
そこでシッチが目にしたのは、ボロボロにやられて全滅した犯罪者と、全身返り血を浴びた怪堂の姿。
「んじゃ、俺はここで失礼するよ♪さすがにS級相手じゃあ荷が重いからな」
怪堂は相手の服で自分の顔についた血を拭いて、そのままホールから出た。
シッチはしばらく固まっていたが、すぐに我に戻ってもう一度助けを呼んだ。
「先程はちょっとトラブルに合いましたが、中央多目的ホールでの乱闘で、重傷者が多数!すぐに医療班を!そして誰も本部から出さないように!」
その頃、怪堂だが警備員と居住しているヒーローを薙ぎ払いながら、すんなりと本部から出た途端。
「はぁはぁ!少し・・・・・・・疲れたな。まぁ、怪人になる為ならこれ位の疲れなんて屁でもないがな」
かなり疲労しながらもヒーロー協会本部を後にした。
怪堂阿含の強さにヒーローはもちろん、ガストロや鷹岡達は見事にやられました。