ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物 作:ラルク・シェル
「どうやら、アンタはそこのターゲットと一緒に痛い目に合いたいようね」
フブキはポケットから袋を取り出すと、そのまま袋を開けて中身を地面に撒き始めた。
「なに撒いてんだ?」
「さぁ?ですが、あれはもしや?」
フブキのする事に不思議がる2人だったが、殺せんせーは気づいてた。
地面に撒いてるのは、対先生弾であったのだ。
「あ、あの!」
教室から渚が2人に声をかけた。
「サイタマさん、それからとりあえず殺せんせーにも教えておきますけど、フブキは超能力で念動力が得意なんだ!」
「超能力?」
すると対先生弾と一緒に、周りの石や砂利も空中に浮かび始める。
「喰らいなさい、地獄嵐!!」
そして石と砂利と対先生弾の入った、強烈な旋風が2人を襲った。
「いくらターゲットがマッハ20でも、この対先生弾入り地獄嵐の前には、一瞬で心も身体もズタズタよ。そしてサイタマって奴も、私に楯突くからいけないの「ヒステリーな女って本当に小さいよな?」「ええ、確実にトップの器じゃありませんしね」!!?」
その時、聞き覚えのある声がしたので、後ろを振り向くと2人が立っていた。
「あれくらいの攻撃、先生だったら平気で避けれますよ」
「だそうだ」
するとサイタマが近づいて来た。
「お前…生き残れないヒーローを知っているか?それはまだ強くて悪い奴らがたくさんいて、そいつらに立ち向かうのがヒーローだ。たとえそれが独りになってもな」
「ええ、サイタマさんの言うとおりです。自分より弱い人を手下にして、強くなったつもりみたいですけど、もし手下が今のようにやられたり逃げたりしたらどうするつもりですか?」
「ふざけんじゃねぇぞ!ランキング気にしてるぐらいだったら、お前がヒーローを辞めたらどうなんだ!ヒーロー舐めてんじゃねぇぞ!!」
サイタマと殺せんせーの言葉に、フブキは反論できずにいた。
「…黙れ!お前に私の地位を奪われてたまるか!!」
すると2人の周りの地面が、まるでサンドイッチのようにして2人を挟んだが、サイタマはすんなり拳で破壊し脱出して、殺せんせーもすでに逃げていた。
だが、すぐに対先生弾の別の袋を取り出して、ばら撒いたと同時に弾丸のように飛ばしたが、サイタマには効果がなくて、殺せんせーも軽く避けてしまう。
「なんか…凄い戦いになってるね!」
「俺達が入って来れないな?」
渚達E組は、3人の戦い方が格が違うと改めて思った。
かつて殺せんせーとサイタマの戦いもそうだが、今回の戦いもそれと同じであった。
そしてフブキがサイタマ&殺せんせーに、負けてしまおうとした瞬間、ジェノスが突然割り込んできた。
「ジェノス!?」
「先生!いつのまにか旧校舎に来てしまったのか?」
「アンタは、S級のジェノス!?」
ジェノスの登場にフブキは驚く。
「お前は、フブキだな?先生になんのようだ?」
「先生だと?」
「俺はサイタマの弟子だからな」
「弟子!S級が、B級に弟子だと!」
「なるほど、つまり貴様は先生を新人潰しのターゲットにしたのだな?そして殺せんせーと一緒に先生を潰そうとしたが、返り討ちにあったのだな?」
ジェノスはこの状況を把握していた。
「それで、ジェノスさんは今までなにを?」
「コイツと戦っていたんだ」
彼が目を別の方向に向けると、ソニックが立っていた。
「ソニック?!」
「アナタは、この前の忍者さん?」
「よう、サイタマ。そしてタコ怪人!」
ソニックはサイタマと殺せんせーを、睨みながらも不気味に笑う。
「なにあれ?ヒーロー?」
「いや、あんなヒーロー、僕知らない!?」
「あれって音速のソニック!?」
「ビッチ先生。あの人を知ってるの?」
「裏社会じゃあ有名な奴で、殺し屋は勿論。用心棒や護衛や傭兵までやっている実力者よ!」
イリーナはそれなりに、音速のソニックを知っていたようだが、実際に会うのは始めてであった。
「ジェノス……アイツと戦ってたのか?」
「ええ、でも心配しないでください。あのストーカーを二度と現れないようにしますので」
「バカな奴だな?俺のスピードについて来れないのろまの分際で、よく言うぜ!」
「いや、バカは貴様だ!」
するといつのまにかジェノスは、ソニックの背後に回って攻撃した。
だが、ソニックは避けるが、すぐに新しい攻撃に移った。
この状況を、殺せんせーは把握する。
「なるほど、ジェノスさん。身体のパーツを変えたみたいですね?」
「もしかして、この前のロボットのパーツでも使ったのか?」
そんな2人の勝負に、ジェノスが有利に立って、今まさにソニックに止めを刺そうとした瞬間。
「喰らえ、マシンガンブロっ!!」
突然ソニックの姿が2人になった。
さらに2人だと思ったら、一気に4体になった。
「どうだ!これぞ超高速に加えて特殊歩行術による残像を生む技…名づけて奥義、四影葬!!」
説明しながらジェノスに襲い掛かる。
なんとか避けたりするジェノスだったが、4体のソニックの攻撃に戸惑ってしまう。
[動きが…全然読めない!]
「あははははは!どうした?ならば、死ね!」
[こうなったら、焼却砲の質力を最大に…]
たが、焼却砲を構えたその時。
サイタマが後ろからジェノスの肩を掴んで引かせた。
「先生?!」
「お前、校舎ごと消し飛ぶつもりか?」
「それはいけませんね。生徒に危害を加えることは禁止だって、知っていた筈ですよね?」
注意しながら殺せんせーも前に出始める。
「ソニックは俺とコイツ狙いだろ?しつこいんだよ!」
「なれば、私達で相手をしなくてはなりませんね」
サイタマと殺せんせーが、タッグでソニックの勝負を受けた。
当然ソニックは、緊張はしたが不気味に微笑む。
「そうだ…この時を待っていたぞ。貴様らを葬る溜めに編み出した、究極奥義でな!」
かなり緊迫な状況になり始めて、E組全員も真剣にこの勝負を見続けていた。
「なんか、もの凄い展開になってきたな!」
「てか、あの2人がタッグを組むなんて、どうなるんだ!」
そしてサイタマと殺せんせーがなにやら相談し始めて、しばらくするとサイタマが前に出た。
「なんだ?なにかの作戦会議か?」
「いいから早く来い」
「だったら喰らえ!究極奥義、十影葬!!」
するとソニックは10体の残像を作りながら、一気に襲い掛かって来た。
「必殺マジシリーズ。マジ反復横飛び!!」
しかし、サイタマは超高速の反復横飛びで、ソニックの何倍の残像を生み出した。
「なばっ!?」
驚きのあまり変な声を上げてながら、反復横飛びの衝撃波に吹っ飛んでしまうソニックだったが、いつのまにか後ろに殺せんせーが居た。
「ヌフフフフ。ソニックさん、前に集中しすぎてはなりませんよ?」
「くっ…クソぉぉぉぉぉぉ!!」
対先生コーティングを施した刀で、そのまま襲い掛かった。
すると殺せんせーは両腕に力を込め始める。
「私には自分の身体をボールサイズに縮めて、エネルギーで膜を作って身を守る完全防御形態が使えますが…これはその応用版で触手の一部だけを硬質化して、そのままエネルギーを発射するもので…名づけて、ころせん波!!」
少し語呂が悪い技名だが、そのエネルギー波の威力はたしかに高かった。
「うわっ!なんだこれ!?」
「殺せんせー!いつのまにこんな技を!?」
渚達が殺せんせーの新必殺技の威力に、驚いたり腰を抜かしたりして、ソニックはそのエネルギー波を喰らって、空高く吹っ飛んでしまう。
[バカ……なっ!?]
そして落下してきたソニックを、殺せんせーが素早くキャッチした。
「アナタも相当修行して来たみたいですけど、私もそれなりに進歩しているのを忘れずに」
「おのれ…次……こそは」
ソニックは意識が朦朧としながらも、再戦宣言をしながら気絶する。
「コイツ、本当にしつこいよな?」
呆れるサイタマの隣で、フブキは改めて2人の実力を知る。
[強すぎる…この2人は、完全に次元が違う!]
最初はフブキと戦って、次はソニックとのバトルとなりました。