ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物   作:ラルク・シェル

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誰よりも強いから

烏間がアマイマスクに助けられていた頃、フブキの話は続けられていた。

 

「たしかに…よく考えたら、いきなりS級になったジェノスさんはともかく、A級上位が一度もS級になれない一番の理由って」

「アマイマスクさんがずっと1位のままって事ね」

 

こうしてE組のほとんどが、プロヒーロー達の事情に納得していた。

アマイマスクを超えられるヒーローが存在していない事に。

 

「世の中にはいるのよ。超えられる事の出来ない、強さを持った化け物がね」

「その例が、まさしくこの2人だね」

 

赤羽がマンガを読んでいるサイタマと、いつのまにかいやらしい目でフブキの胸を見つめる殺せんせーに指を刺した。

 

「でもコイツやこのセクハラ怪人が強いのは分かったけど、アマイマスクや姉のタツマキはもちろん!人類最強のキングにS級トップのブラストといった化け物が存在しているのを分かっているの!!」

「別に、俺そんなの全然興味ないから…それからアンタの配下になる気もねぇし」

「だそうですよ。そもそもこれは個人が決める事ですので、アナタが決める立場ではないはず」

 

すんなりと言いながらマンガを読むサイタマに、フブキは呆れながらも勧誘し続けた。

 

「随分と強がっているみたいだけど、アナタは上には行けないわね。せっかく私の傘下に「サイタマ氏、いるの?」

 

その時、いきなり誰かがE組の教室に入ってきた。それはキングであった。

 

「えっ!?」

「うそっ!?」

「あれってキングさん?!」

「なんでキングさんが!」

「へ~~~」

 

当然、E組全員は一応S級のキングの登場に全員は驚いて混乱してしまう。

だが、キングはスタスタとサイタマに近づく。

 

「サイタマ氏、もしかして俺のゲーム機勝手に持ってった?」

「ああ、面白そうなソフトだったから、つい…」

 

どうやらここの来たのは、サイタマからゲーム機を返してもらいに来ただけらしい。

 

「ほら、ゴメンな…勝手に持ってて」

「いや別に、それでまた今日もゲームしに来る?殺せんせーや渚くんも一緒に」

「「「「「えっ!!?」」」」」

「あっ!!」

 

ついキングの口から出た言葉に、全員の視線はいっせいに、サイタマと殺せんせーと渚に向けた。

仮にもS級のキングと知り合いになったのだから無理ない。

 

「渚!キングさんと知り合いになったの!?」

「うん、ちょっとしたゲーム友達として…」

 

渚はどうやって話せば良いのか分からなくなってきた。

 

「まぁ、話せば長いかもしれませんけど、私達キングさんとはゲーム友達になりまして…」

「それがどういう事だよ!てか、話し短いし!!」

 

殺せんせーのグダグダな説明で、混乱し始めた。

 

「先生、いったいキングと?」

「別に…普通に友達になっただけだよな」

「そうだよ」

 

サイタマも適当に説明したりする。

 

「そんな事より、今日もゲームやりに来る?」

「今日はいいよ。スーパーで買い物しなくちゃ」

「僕も勉強があるし」

「私は少し採点が終えたら、すぐに来ますので、今度こそ負けませんよ!」

 

周り全員が会話している4人の姿を見てると、全く違う世界になっていると実感していた。

 

「渚…なんだか遠い存在に」

「そもそも、なんであのハゲはタコと仲良くなってんだよ?」

 

フブキもこの状況に混乱しているところ、ジェノスが声をかけてきた。

 

「先生はな…最初は俺に興味もなかった。そして誰とも組まないし対立もしない。さらにはランキングも気にしない…なぜだか分かるか?」

「それは……」

「簡単だ。先生は……誰よりも強いから!」

 

その言葉にフブキは心に何かを感じていた。

サイタマという存在に。

その頃、ヒーロー協会では会議をやっていた。

 

「それでは、この2人のヒーローネームは、これで決まりでよろしいですな?」

「「「「「異議なし!!」」」」」

「ではまず、ジェノスくんは鬼サイボーグで、サイタマくんはハゲマントで」

 

どうやらサイタマとジェノスのヒーローネームを決める会議であった。

 

「先程、烏間さん改めワイルドクロウも、アマイマスクの助けもあって、原始人兄弟を撃破したそうです」

「ほぅ、さすがアマイマスクだ!ワイルドクロウも防衛省一の実力者だけの事はある」

 

さらに烏間とアマイマスクの話題に変わった。

 

「では、続いて超怪人、殺せんせーの対策に」

 

しかし、すぐに殺せんせー対策会議に移ったりする。

だが、この会議に納得しない人物がいた。

 

[クソっ!なぜ怪堂ってガキの課題が出てこないんだ!?A級と同レベルの犯罪者を、たった1人で全滅させたんだぞ!!]

 

シッチは昨日の事件の話が、たった10分で終わった事に、納得がいかなかった。

 

[だが焦るな!こっちには姿を見せないブラストと、タツマキとシルバーファングとキングに、そしてアマイマスクがいるんだ!]

 

なんとか自分に言い聞かせながらも会議に参加した。

 

「じつは、政府から聞いた話だが…なんでも世界各国でターゲット抹殺の最終プロジェクトが始まっているらしいがな?」

「それなら私も知っている。どうやら超技術による計画だそうだな?」

「だったら我々も負けていられませんな」

 

そして上層部全員も顔を見合わせて、ヒーロー協会もまだがんばれるって闘志を燃やす。

 

「今こそ、S級全員からA級の上位と協同による、ターゲット暗殺計画を始める時だ!」

「もちろん!今まで非協力的だったメタルナイトに、なんとかこの計画に協力して貰い…ワイルドクロウからも、これまでのE組及び派遣殺し屋達の暗殺記憶も手に入れたんだ!!」

「我らヒーロー協会の底力をみせてやる!!」

 

彼らも殺せんせー暗殺に、本格始動し始めていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして放課後。

とある空き地に信太と長助のコンビが、シッチに警戒された怪人を目指す少年、怪堂に絡まれていた。

 

「なっ、なんだよお前は!?」

「俺達に、なにかようかよ!」

 

少し怯えながら尋ねる2人に対して、怪堂は不気味に笑い出す。

 

「別に…ただヒーローを呼んでくれたらいいなぁって?」

「「え?」」

「だから、早くヒーローを呼べって言ってんだろうが!!」

「「ぐっ!!」

 

そのまま2人の顔を掴んで脅迫し始める。

 

「待て!!」

「ん?」

 

するとどこからか呼びかける声がしたので振り向くと

 

「正義の自転車乗り、無免ライダー参上!!」

 

無免ライダーが自転車から降りながら名乗った。

 

「無免ライダーだ!」

「本当だ!」

「ほぅ」

 

怪堂は2人の顔を離すと、すぐさま無免ライダーに駆け寄った。

 

「助けてくださいよ!」

「アイツが、僕達を無理やり!」

「分かってる、俺に任せろ!」

 

信太と長助を落着かせながら、戦闘体制になろうとしたとき。

 

「ちょっと待ちな!」

「え?」

 

さらにどこからか他にもヒーローが現れた。

 

「アイツみたいだな、兄貴?」

「そうらしいぜ。弟」

 

それはタンクトップタイガーとタンクトップブラックホール。

 

「このスティンガーが来たからには、もう安心だぜ!」

「本当にこの少年なのか?」

 

スティンガーとイナズマックス。

 

「たしかにそうだ。俺の携帯にも奴の顔が載ってある」

「なるほど、見るからに危険だ…」

「やってやる!やってやるぞ!!」

「俺だって、あれからトレーニングしたんだ!」

 

蛇咬拳のスネックとジェットナイスガイとブンブンマンとオールバックマン。

 

「でも、こんなに来る必要はない気が?」

「それでも多い方が良い」

「我が黒の刃で切り裂く!」

 

赤マフに院卒にダークネスブレイド。

 

「ここで誰よりも手柄を上げるぞ!!」

「そんな事分かってるさ」

 

十字キーと喪服サスペンサー。

 

「たとえ相手が1人で少年でも、油断は禁物ですよね?」

「同然に決まってんだろ?」

「うむ」

「俺達の力を見せてやる」

 

バネヒゲと黄金ボールとヘビィコングと雷光ゲンジ。

 

「アイツがヒーローになったから、手柄を上げてやら!」

「あっ!D組の信太と長助?」

「俺達でやつを倒して目立ってやるぜ!」

「拙者達の底力、知らしめる時!!」

 

さらにタンクトップソルジャーとパーカーゴーグルとスーパースターTとカブキサイクロと、A級B級C級ヒーローが集まっていた。

 

「みんな、なんで?」

「当たり前だろ?お前だけかっこつけてたまるかよ!」

「それに、相手は100人近い犯罪者を倒した奴だ!気を抜くなよ!!」

 

ヒーロー全員は武器や拳などを構えたりしてると、怪堂はさっきよりも不気味に笑う。

 

「これだよ。俺が求めていたのは…これだ!!」

 

大笑いしながら怪堂はヒーロー達に襲い掛かって来た。




今までワンパンマンに登場しオリジナルのも含んだ、22人のヒーローが登場します。

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