ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物 作:ラルク・シェル
カエデと怪堂の前に、怪人連合と名乗る2体の怪人が現れた。
「んで、その怪人連合さんが俺に何か用か?」
「もちろん、君を勧誘するためにだ」
どうやら彼らの目的は怪堂を怪人連合に入らないか誘ってきたのだ。
当然、怪堂は考え出す。
「俺を?」
「ああ、そうさ」
「君は自ら怪人になりたがっているだろう?だったら我らの元にいれば、完璧な怪人になれる…どうだ?」
その勧誘に怪堂は少し考え始める。
「その怪人連合…もし俺が入ったとき、俺とアンタ達にどんなメリットが?」
「ヒーロー協会の壊滅!」
「「っ!?」」
怪人の口から出た言葉に、カエデと怪堂も衝撃を受ける。
「我らにとっても、貴様にとってもヒーロー協会は邪魔な存在だろ?」
「…たしかに初めから、ヒーロー協会を潰すってのが手っ取り早いな…」
「で、どうする?」
そして考えた末に怪堂の出た発言とは
「良いだろ。俺を怪人連合に入れろ!」
「ふっ、その言葉待ってたぞ」
「えっ!ちょっと…危ないよ!」
カエデの声を無視して怪堂は怪人達の仲間になった。
「さてと、次に」
すると今度はカエデに視線を向け始める。
「なっ、なにか!?」
「なにって、こんな所を見られたからには…逃げられると思うな」
そして2体がローブを脱いで本性を現した。
1体はボサボサとした黒髪ロングヘアーに、顔面八割の皮がはがれ両手がハサミの女怪人で、もう1体は黒く蟻とカブトムシと蜘蛛とカミキリムシを合わせたかのような蟲怪人。
「それで、どうする?」
「もちろん貴様を捕らえて、アジトに連れて行くまでさ!!」
襲い掛かったがカエデは懐からボールを取り出した。
「ここで奥田さんと竹林君の協同作品の出番が来るなんて!!」
そのままボールを地面に叩きつけると、そこから強い光と煙が出たので、怪堂と怪人達は思わず目を塞いでしまう。
「なんだこりゃ!?」
「煙幕と閃光弾のミックスか!」
そして光と煙が晴れると、その場にカエデの姿はなかった。
「あの女は何処だ?」
「遠くに入っていない、早く探せ!」
2体は周辺を探し続けた。
そして肝心のカエデはというと。
[なんとか隠れたのは良いけど…どうしよう?]
今木に上って隠れていた。
普段の訓練で身に付けた技術だが、見つかるのは時間の問題だ。
「すぐ殺せんせー…いや、たしか今日ビッチ先生と一緒にサイタマさんのところで夕飯食べるって言ってたから…きっと電源をオフにしてるかも…とりあえず、烏間先生にメールで、渚に電話を」
さっそく烏間にメールを送ると、次に渚へ電話をかけた。
そして渚は自分の部屋でマンガ読んでるときに電話がかかってきた。
「はい、あれ?カエデじゃないか?どうしたの?」
『大変なの!お願い助けて!!』
「え?一体何が…!」
カエデの尋常じゃないほどの慌てように、驚きを見せながらも聞いていた。
『とにかく、西公園に居るから殺せんせーに連絡、きゃっ!!』
「ちょっと!カエデ!!」
しかしその言葉を最後に、カエデの声が聞こえなくなった。
「なんだか知らないけど、大変だ!!」
渚は急いで家を飛び出した。
そして大急ぎで西公園に走って行くけども、その後ろについて行く影がいた。
その頃、烏間はヒーロー協会で今後行なう予定の、殺せんせー暗殺計画の為に、S級ヒーロー童帝の発明を見ていた。
「という訳で、これが僕の発明した兵器の全てだ!かつての師匠、メタルナイト博士とまではいかないけど、かなり強力だよ」
「そうだな、見れば分かる。だが、そのメタルナイトが協力してくれるんだ。かなり戦力がアップするな」
「だけど、あの人はきっと兵器強化が目的だよな?」
童帝が苦笑いした瞬間、突然モニターが何かを反応したかのように音を鳴らした。
「なっ、なんだ!?」
「怪人探索装置のここ掘れワンワン号が、怪人の反応している!」
すぐに童帝はコンピューターを操作し始める。
「人工衛星の障子に目あり号で、場所と位置を割り出して…怪人数の確認と…」
だが、そんな時に烏間の携帯が鳴り始めた。
「なんだ、こんな時に」
そのまま携帯の画面を見ると、烏間は動かなくなってしまった。
「うわっ!怪人の反応が20個も!しかも、人間も1人反応している、きっと連れ去られたかも!」
「もしそれは…うちの生徒かもしれない……」
「なに!?」
烏間が童帝に見せた携帯に出たメールの内容は、(大変!!怪人人間と思う人が怪人連合って集団に入っちゃった!しかも私を誘拐しようとするの!見つかるのはきっと時間の問題!だから、助けて!!)、このようなものだった。
「まさかと思うが…しかし…」
「急いで動けるA級とS級を集めて乗り込もう!!」
「ああ、頼む」
烏間はすぐにワイルドクロウヘルメットを被って準備をする。
さらにその頃、サイタマの住むアパートでは、サイタマとジェノスはもちろん、キング、殺せんせー、イリーナに、なぜかバングとフブキが鍋の周りを囲んでいた。
[[[[[[[今だ!!]]]]]]]
そして鍋が完全に煮えた瞬間、全員が手に持った箸を伸ばして、いっせいに具の奪い合いが始まった。
サイタマは辛うじて白菜を取り、ジェノスも素早くネギを手に入れ、フブキは肉をゲットして、バングも豆腐を多めに取ったが、キングとイリーナはその取り合いに吹っ飛んで、そのまま気絶してしまう。
「貴様…先生の肉を多く取りやがったな?」
「なによ?鍋は平等でしょ?」
「そうそう、みなさん仲良く食べるものですよ!」
「てか、お前が1番取りすぎだろ?というより、猫舌だったのか?」
たしかに殺せんせーのお碗には具がたくさん合って、冷ましながら食べていた。
「ちょっと待てよ……」
「どうしたんですか、サイタマさん?」
「色々と言いたい事があるんだけどさぁ…なんでお前らが鍋喰いに来てんの?大体俺はキングと殺せんせーとイリーナを誘っただけで、お前ら元々呼んでねぇんだよ」
鍋をあんまり食べる事が出来なくなったサイタマが、不機嫌な目でバングとフブキを睨みつける。
「たしかに、バングはともかくなんで貴様までも?」
ジェノスも続いてフブキを睨んだ。
「私はサイタマを絶対にフブキ組に入れさせる為に来てるのよ」
「貴様…まだそんな事を」
「言っとくけど、私は諦めないからね。邪魔するならスクラップにしてやるわ」
「だったらすぐに消し炭にしてやるか!」
今にも2人がバトルを起こそうとしていた。
「待て待て、ここ俺ん家!壊すつもりかよ!」
「そうですよ。近所迷惑になりますし!」
「しかし先生!こんな奴は一度本当に痛い目にあわせたほうが」
「ちょっと!この触手を解きなさいよ!!」
すぐにサイタマと殺せんせーが2人を止めて、バングは今だ気絶しているキングとイリーナを介抱しながらこの様子を見ていた。
「つーーか。なんかまた変な音が聞こえてないか?」
だが、ジェノスを止めている時に、サイタマは外でなにか変な音が聞こえてると言い出した。
「変な音?」
「前から聞こえてくんだよ。デカイ足音みたいな」
「そういえば、聞こえてきますね」
「たしか、この辺りは地下廃工場が多いからのう」
しばらくするとサイタマは外に出ようとした。
「アンタ、どこに?」
「もう近所迷惑だからな。ちょっとこの音の正体を探してくるわ」
「待ってください!私も」
サイタマと殺せんせーはさっそく音の発生源の、地下廃工場に向かった。
カエデが怪人に誘拐されたので、ヒーロー協会とE組とサイタマ&殺せんせーの救出劇が始まります。