ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物 作:ラルク・シェル
怪人連合基地。
組織のボス、サイコスはヒーロー組が基地の各出入り口に近づいている事に気づく。
「なるほど…我らの存在に気付いたのね!」
すぐにサイコスは、メンバーに持たせた無線に呼びかける。
「我が怪人連合の同士諸君!この基地に賊が潜入使用としている。そこで各場所に向かい撃退するのだ!」
それを聞いたメンバーは、さっそく各位置に向かった。だが、シザーガールにはこんな指令を出す。
「ただし、シザーガール。お前は人質を見張りなさい…奴は殺せんせーを招き入れる駒だからな」
『分かってる』
シザーガールへの通信が終わるとサイコスは再び玉座に座った。
その頃、怪堂は与えられた部屋で、ベッドに寝転びながらサイコスが言った事について考えていた。
[怪人とは、人間を捨てた存在。故に人間の心を完全ら捨てるためには、1000人程の人間を殺すことか……]
しかし怪堂は納得してない様子。
[そんなんで怪人になれるのなら、とっくになっているもんだろ?第一、人を殺さなくても怪人は相手に恐怖の印象を与えれば十分じゃねぇのか…]
これまで怪堂はこんな考えで、人を殺さずに暴れ続けていた。そして一緒に連れてこられたカエデの事を気になり始める。
すぐに部屋を出てサイコスの元に向かう。着くとそのまま扉を開けた。
「おや?怪堂くん、なにか?」
「別に…ただ聞きたい事があるんだけどよ?その殺せんせーって奴を誘き出す為に使うの女…」
「あの子がなにか?」
「もし取引に成功したらどうするんだ?解放するのか?」
その質問に対して、サイコスから出た答えはというと。
「もちろん、殺しますよ」
「なっ、なんだと…!」
そんなサイコスの発言に、怪堂は驚いてしまう。
「ちょっと待て、なんで殺すんだよ?!普通、取引に使うんだから生かすんだろ!?」
「だから言ったでしょ?怪人は人を超えて捨てた存在だと。ならば、殺すのが本来の事」
「でも、そんな事したら奴は裏切るんじゃあ?」
「分かってる。だから、新しい人質用意するまで」
「新しい……人質?」
サイコスは説明をし続ける。
「とりあえず。奴には人質は解放したと嘘を言って安心させて、その後また別の人質を使って脅して、また殺して新しい人質を用意させる。これこそが怪人としてのやり方よ」
なんとも外道な脅し方であった。
しかしそれを聞いた怪堂は黙り込むと口を開いた。
「成る程な…よ~~~く、分かったぜ」
怪堂は部屋に置いてあった椅子を持ち上げると、そのままサイコスに向かって投げつけた。だが、椅子はまるで時が止まったかのように、サイコスの目の前で停止した。
「君、何の真似だね?」
「はっきり分かったんだ。アンタらは俺が求めていた怪人じゃあねぇってな!」
「じゃない?」
「そうさ!そんな簡単に人を殺すなんて、ただの殺人鬼なもんだろう!!」
そのまま怪堂は拳を構えながら突進してきた。
「愚か者が!!」
「うおっ!?」
サイコスが叫んだ瞬間、突然怪堂の重力が強くなり始めた。
体が重くなって怪堂は思うように動けずに居た。
「こ…これは!?」
「念動力による重力潰しさ。私はエスパーだからね」
「なん…だと…!ふざけた……マネを!!」
「静かにしなさい!」
そしてさらに重力を上げて怪堂を地面にめり込ませるほど潰し気絶させた。
「全く…まだ人間の心が残っているようね?」
サイコスは残念そうに怪堂を見ながらも、念力で浮かして彼の部屋に送り返した。
「さてと…さぁ、来なさい!ヒーロー協会共!!」
丁度その頃、烏間とタツマキ達ヒーロー組は、それぞれ童帝が調べてくれた、怪人連合基地へ通じる箇所に到着した。そして各所に着いたヒーロー達は、童帝からの連絡を受けていた。
「良い?今回の目的は、人質の奪還だ!これから突入するのは怪人の巣窟で、しかも怪人人間のいる可能性も高い!だけど、あくまでも人質救出を最優先するんだ!分かったね?」
「「「「「「OK!」」」」」」
全員の呼びかけと同時に各場所の基地へのルートに突入し、それぞれ基地内部に潜入する。
まず閃光のフラッシュが通路を進んでいると、2体の怪人と出くわした。両方とも新幹線とジェット機を合わせたロボットのような怪人だった。
「兄貴、コイツみたいだよ?侵入者は」
「そうだな。しかも高速戦士と呼ばれた閃光のフラッシュだぜ」
緑色のボディをした怪人が兄貴と呼ぶ青いボディの怪人に尋ねると、返事をした途端に2体の背中のジェットエンジンが火を噴き。さらに両足の車輪を走らせてフラッシュの周りを囲むように回る。
「残念だったな!お前がスピード自慢かもしれないが、俺達レックー&ゴークス兄弟が相手だからな!」
「そうさ!いくら貴様でも俺達のスピードに着いて来れる筈がない!このまま嬲り殺されるのがオチだから…」
しかし、レックー&ゴークスが自慢している間に、いつのまにかフラッシュが刀を抜いた瞬間2体はバラバラになっていた。
「スピードはたしかに速いようだが、自慢する暇があるなら攻撃をするものだろうに…」
捨て台詞を言いながらフラッシュは先に進んだ。
その頃、童帝はタブレットで状況などを調べながら歩いていた。
「え~~~と…まずAルートに閃光のフラッシュ、Bルートはイケメン仮面アマイマスク、Cルートはアトミック侍、Dはその弟子のイアイアンとオカマイタチとブシドリル、Eは金属バット、Fが超合金クロビカリ、Gがぷりぷりプリズナー、Hは豚神、Iはゾンビマン、Jが戦慄のタツマキ、Kはワイルドクロウ、そして僕がMルートと」
確認すると目の前にまるで不死鳥のような姿で、腹部に人間の顔がある怪人が現れた。
「俺は不死鳥の着ぐるみを着て、脱げなくなったまま怪人になったフィニックス男!その実力は、災害レベル鬼を軽く超えてあるのだ!この怪人連合も駆け足に過ぎない。奴らを屈服させて世界に君臨するのだ!!」
怪人フィニックス男が長々と自慢してから童帝に襲い掛かって来た。
「喰らえ!クチバシ攻撃!」
「長い……」
童帝の一言と共に、彼の背負ったランドセルから武器が搭載されたアームがたくさん出てきて。
「え?ぐぎゃあああああああああ!!!」
そのままアームの一斉攻撃で瞬殺された。
さらにアマイマスクの前にメガネとハートを合わせたかのような女の怪人が現れた。
「私は愛の怪人メガミメガネ。アナタも私の愛の奴隷にしてあげるわよ♪」
メガミメガネからハート型のビームが発射されてアマイマスクに命中した。
「これでアナタも、私の愛の奴隷よ♪一生私のために働き!!」
しかしアマイマスクは何事もなかったかのように、メガミメガネの顔面を掴んだまま壁に叩き付けた。
「なぜ僕が怪人に惚れなきゃならないんだ?」
「ま…まさか!アナタはイケメン…仮面……!」
「さっさと死ね」
そしてそのまま首をへし折った。
金属バットも怪人と死闘を繰り広げていた。
「おらっ!」
「くっ!」
今、金属バットが戦っている相手はラフレシアに蜘蛛のような脚が生えた怪人だった。
「ぐはははは!まさか、このラフレシオン様相手にここまでやるとはな!」
「当ったり前だろうが!テメェみてぇな植物野郎に負けると思ってんのか!!」
「ならこの業をどう防ぐ!」
するとラフレシオンから突然異臭が漂った。
「ん…なんだこの変な臭いは?」
なんとも嫌な臭いなので鼻を掴もうとしたが、すでに遅かった。
「うっ!?」
突然、立っているのがやっとと言う感じに、金属バットの意識が朦朧となった。
「どうだ!この私の体から発する香りにはさまざまな効力を持つのだ!たとえば、今貴様に放っている催眠香だ!どうだ手も足も出まい!!」
笑いながらラフレシオンは、蔦を使って金属バットを痛めつけた。なんとか反撃しようとする金属バッドだが、催眠香の効果で思うように動けずにいた。
「さぁ、このまま死ね!!」
このまま止めを刺そうとした瞬間、金属バットが自分の額を愛用のバッドでガンと叩いた。
「なにっ!?」
驚くラフレシオンだったが金属バットは額から血を流しながらもスッキリした顔になる。
「ふ~~~スッキリしたぜ」
「ばっ、バカな!私の催眠香がそんな事で!?」
「うるせぇよ…良いか、何事も気合で何とかなんだよ!!」
そのまま金属バットは愛用のバットでラフレシオンを叩き割って倒し先に進んだ。
丁度その頃、サイタマ&殺せんせーも怪人連合の内部を探検していた。
「本当に驚きだな?こんな所があるなんて」
「たしかに、まさに悪の秘密基地って奴ですね」
「ああ、もしかしたら怪人が出たりして?」
のん気に会話していると、2人の目の前に全身が黒い巨大な災害レベル・竜の、怪物犬デカポチが唸り声を出しながら現れた。
「怪人じゃなくて怪物が現れましたね?」
「それも強そうだな?」
「ぐおおおおおおお!!」
するとデカポチが声を上げながらも、口から破壊光線を発射した。軽く避ける2人だけども、デカポチはサイタマに狙いをつけると突進してきた。
「おっと、そうはさせませんよ?」
「ぐっ!?」
しかし殺せんせーの触手がデカポチの全身を縛って動きを封じた。そしてサイタマがジャンプすると
「全く、夜は静かに。はい、おすわり!」
サイタマのドロップキックが決まって、デカポチはそのまま気を失ってしまった。
「たく、どんな躾をしてるんだ?」
「というか、これはどう見ても侵入者対策ですね?」
「それもそうだな?」
サイタマ&殺せんせーの行進は続いていた。
今回登場した怪人も一部を除いて、原作の怪人をモデルにしました。次回は他のヒーローとE組チームの活躍です。