ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物 作:ラルク・シェル
今回はE組の仕返し篇で、もしそこに怪人が乱入したら。
番外編1
雨の日のオープンカフェもある喫茶店。外のテラスにそれぞれの席に座る客がいた。1つは中学生ぐらいの男女2人と、もう1つは老夫婦であった。
じつはこの老夫婦は変装した渚でカエデで殺せんせーが企画して、仲間と一緒に隣の席の男女・土屋果穂と、瀬尾智也に仕返しを考えていた。
「昨日のあいつとい、今日のこの爺さん婆さんとい。君って変な奴を集める才能あるんじゃないの?」
「ちょっと、そんな訳ないでしょ?」
2人は笑いながら会話を続ける。
[全然気づいてないね?]
[ええ、これから始まる復讐に気づかないで]
渚とカエデは携帯のメールを見て作戦を実行しようとした。
が、突然店の中からガシャンと、食器が割れる音が聞こえた。
「「ん?」」
「なんだ?うるさいな?」
「全く、一体何?」
4人は思わず店内を見てみた。
なんと店内にはヤカン・急須・湯のみの姿をした、3人の怪人が暴れていた。
[かっ、怪人?!]
「ひぃぃぃぃぃ!!怪人だ!?」
「てっ、なに私の後ろに隠れてるの!!」
智也は情けなく逃げ出すように果穂の後ろに隠れて怯えてた。
「おい、そこ!?」
「「「「げっ!?」」」」
ヤカン怪人は外に居る4人の前に出た。
「外にもいたのか?ほら、中に来いよ」
「「ひぃぃぃぃぃ!!」」
「渚・・・・・・・・・どうする?」
「どうするって・・・・・・・・」
そしてヤカン怪人は4人を無理やり店の中に入れる。
その頃、喫茶店の向かいにある家では、殺せんせー達がその様子を見ていた。
「なんか、大変な事になっちゃったよ!?」
「う~~~~~ん。怪人とは予想外でしたね・・・・・・・・・・」
さすがの殺せんせーもこれは考えていなかった。
それから喫茶店の中では、マスターや店員や他の客はもちろん、果穂と智也と変装した渚&カエデも人質にされた。
「俺達はお茶3兄弟!」
「日本人の貴様らが、コーヒーや紅茶と西洋な物を飲みやがって!」
「俺達が貴様等に日本茶の素晴らしさを叩き込んでやる!」
3人の怪人はかなり個人的なことを宣言した。
「でも・・・・・・・好みは人それぞれだから?」
「なんだ貴様!我々より長く生きられた高齢者なのに、日本茶の素晴らしさを忘れたのでも言うのか!!」
「うわっ!?」
急須怪人が渚の服を掴んで怒鳴る。
[本当は僕、中3なんだけど・・・・・・・・・・・]
渚は心の中で呟くと、急須怪人は服を離した。
「とにかく、俺達は日本茶に命を懸けたりするんだ。分かったか!?」
「あっ、あの・・・・・・・・・」
「ん?」
すると果穂は湯飲み怪人に声をかける。
「じつは私、根っからの日本茶派なのです。ついでに羊羹も♪」
この場から助かる為に、果穂は少し苦しい嘘をついた。
「え?だったらなんで喫茶店に?」
だが湯飲み怪人はその嘘を信じてしまっていた。
「じつはここに来たのは、単に雨宿りなんです」
「おいっ!何嘘ついてんだよ!?俺を招待する為に来たはずだろ!?とっておきの場所だって何回も来てるだろ!?」
「ちょっと!空気を読みなさいよ!」
智也は嘘をついた果穂に声をかけるので、すぐさま果穂は彼の口を塞ぐが遅すぎた。
「「「なに嘘だと!?」」」
「「ひぃ!!」」
3怪人が湯気が出るほど、身体を熱くしながら怒った。
「貴様・・・・・・・お茶好きと嘘をついたな・・・・・・・・・・許せん!!」
「「うわぁぁ!?」」
するとヤカン怪人が口から熱湯を噴射して、それが智也は果穂に命中する。
「「熱ぁぁぁぁぁぁ!!!」」
2人は熱湯で転げまわってしまい、思わず渚とカエデは自業自得だが気の毒に感じた。
「今のは火傷しない程度だが、次はそうは行かんぞ!!」
3怪人の目が本気であり、渚とカエデ以外のみんなは怯えてしまう。
「どうしよう?やっぱり殺せんせーに!?」
「無理だよ茅野。だって携帯は取られちゃったから」
2人はこのピンチを、なんとか打破できないか考えていた。
その頃、買い物帰りのサイタマだが
[やっべーーーーー!トイレ行きてぇ!!]
トイレが近い状態になっていた。
[こんな事ならジェノスに買い物頼めば良かった!でも、もう後悔しても遅いしなぁ]
少し早歩きになるけど、アパートまではまだ遠かった。
[こんな雨だしやっても気づかないけど、ダメだ!人としては絶対に!でも民家でトイレ借りるのもあれだし・・・・・・・・・・ん?]
すると立てこもってる喫茶店を見つける。
「・・・・・・・・・・・・もう我慢出来ん!あそこで借りよう!」
そのまま早歩きで喫茶店に入った。
「「「ん?」」」
「「えっ!?」」
「なんだテメェは!?」
突然現れたサイタマに、ヤカン・急須・湯のみの3怪人は襲い掛かったが
「どけ!邪魔だ!!」
「がはっ!?」
「ごはっ!?」
「うがっ!?」
サイタマの一撃パンチで3怪人は倒され、そのままトイレに入った。
「ふ~~~~~~スッキリ♪」
そしてトイレを済ましたサイタマは喫茶店を出た。
「なにあの人・・・・・・・・・・」
「怪人倒しちゃったけど、ヒーローなのかな?」
思わず渚と他の人達はその様子に呆然となってしまう。
だがしばらくすると
「アンタ!さっきはよくも私を盾にして逃げようとしてたわね!?」
「うるさい!お前だって日本茶派って嘘ついてたろ!!」
「なんですって!?大体アンタ、散々怯えてこの弱虫内弁慶!」
「テメェこそ、自分だけ助かる為に色目使いやがって!この性格ブス女!」
果穂と智也は自分だけ助かろうとしたことで、醜く口論と抓り合って髪も引っ張り合って喧嘩をしてしまう。
周りの客や店員の視線に気づかずに。
「ここは・・・・・・・・・・」
「うん、逃げようか」
そして渚とカエデは奪われた携帯を持って、お金を払ってこの場から逃げた。
少しだけ遠くに来ると、殺せんせー達が待っていてくれた。
「2人とも!無事でよかったね!」
「心配してくれてありがとう。なんかトイレを借りに来た人が、怪人をやっつけたの」
「え?トイレを?」
渚とカエデは変装を解いて、今までの出来事を話した。
「でも折角の作戦が台無しになっちゃったね」
「まぁまぁ、じつは少し近くまで来て様子を見ましたが、結果的に2人には相当屈辱を受けた事ですしね」
「たしかに・・・・・・・・・・・2人とも自分だけ助かろうと、盾にしたり嘘ついたりしてましたからね」
渚とカエデはさっきまでの事を改めて思い出していた。
果穂と智也の2人が自分達より強い相手に怯えて、逃げようとしたり誤魔化したりして、その後は醜い醜態を晒してしまうという態度の変わりように。
「なんか、ありがとな。俺にここまで」
陽斗は申し訳なさそうにお礼を言う。
「今回はちょっと狂いましたが、人はそれぞれ強い弱いは、目で見れないところにあるものです。それを暗殺を通して学んだ君は、この先弱者を簡単にさげすむ事がない筈ですからね」
「・・・・・・・・・・ありがとう、殺せんせー」
殺せんせーの言葉に感動する陽斗であったが
「じゃあ、これから他校の女子とメシ食いに行って来るから!!」
と他に彼女がいた陽斗を全員は、目を点にして呆れ果ててしまった。
それから果穂と智也は自分達の喧嘩が、周りに見られてる事に気づいて、そのまま逃げるように店を出た。
果穂と智也にはこんな感じで屈辱を受ける事になりました。
また番外編をやりますので、お楽しみに。