ワンパンマン&暗殺教室 一撃男VS超生物   作:ラルク・シェル

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今回は前回の番外編同様で、暗殺教室のキャラを主役にしましたが、今度のはE組以外である3人にしています。


番外編5

榊原蓮の場合

 

 

それは五英傑の榊原蓮が町で歩いてた時。

 

「え~~~全員来られないなんて?」

 

榊原は学秀達との待ち合わせにしていたが、どうやら4人共用事で来られずに居た。

 

「仕方ない、帰るか」

 

帰ろうとしたその時、榊原はベンチに座っている一見少女と間違えるほどの女、S級ヒーロー戦慄のタツマキがいる事に気付いた。

 

「あれって、S級の戦慄のタツマキじゃあ…なんであそこに?」

 

榊原は不思議に思い始めるが、しばらくすると考えると、そのままタツマキに近づいていった。

 

「すみませんが、そこのお嬢さん!」

「え?」

 

いつもとおりのキザな態度でタツマキに声をかける榊原だった。

 

「なによアンタは?」

「いきなり声をかけたことは失礼しました。僕は榊原蓮というものです。君は確かヒーローの戦慄のタツマキさんですよね?」

「そう…んで、なに?」

 

榊原のナンパ口調や態度に、タツマキがうっとうしい眼差しをする。

 

「いえいえ、ただ先程から誰かを待っているみたいだったから」

「別に、ちょっと妹を待っているんだけど…」

 

すると突然タツマキの携帯が鳴ったのですぐにかけた。

 

「もしもし?あっ、フブキ!どうしたの?随分とおそっ、え?別な予定が入った?なによ!早く言ってよね!!」

 

なにやら不機嫌になりながら電話を切った。

 

「一体、なにが?」

「集会とかで行けなくなったって!全く、自分勝手なんだから!!」

 

怒りながらも帰ろうとしたが、その時榊原が彼女の腕を掴む。

 

「なに?」

「いや…もしよろしかったら、僕と時間を潰しませんか?」

「はぁ?」

「だって、僕も君も色々と予定が狂ったから暇でしょ?だったら一緒に」

 

いつもとおりの爽やかな笑顔を見せると、タツマキは少し引いてしまうが、このまま帰るのもつまらないので

 

「奢りだったら良いわよ?」

「もちろんですよ♪では、行きましょう」

 

こうして榊原とタツマキがデートをする事になった訳だが、2人が歩く姿はまるで兄妹のように見える。

しばらくするとタツマキはゲームセンターの前に止まる。

 

「ん?どうしたんだい?」

 

声をかけてみたが、タツマキはクレーンゲームのクマのぬいぐるみを見つめていた。

 

「欲しいのかい?」

「別に!欲しくないわよ!」

 

否定するタツマキだったけど、すぐに榊原がクレーンゲームに100円を入れると、アームを操ってそのぬいぐるみを取った。

 

「はい、リトルレディ」

 

そのままタツマキに渡したが、本人は少し不機嫌になる。

 

「いらないわよ!子ども扱いして…」

「そうですか。では、これは僕が」

「でも、せっかくだから貰ってあげるわよ」

 

言いながらもぬいぐるみを貰うタツマキであった。

 

「それでは、行きましょうか?」

 

2人のショッピングが再開した。

それからタツマキが洋服店で色んな服の試着をしたり、下着売り場で店員にお子様下着を進められて、キレそうになったところを榊原に止められたりした。

その後、榊原に荷物運びをさせて、クレープやたい焼きを奢ってもらったりと、タツマキはとても楽しんでいた。

そしてしばらくしたら2人はオープンカフェで一休みするが、榊原はもうボロボロだった。

 

「全く、荷物運びだけでだらしない!」

「すみませんが、僕が疲れてるのは、ちょっとお金が…」

 

だが、実際彼がボロボロなのは予想以上にお金を使ったので、榊原の財布は空っぽ寸前だった。

 

「しょうがないわね。ここは私が奢るわ」

「レディにそんなマネをさせるのはいけないけども…ありがとうございます」

 

頭を深く下げてお礼を言う榊原だった。

カフェを出た2人は、なぜか公園に到着した。

 

「さてと、ここまで付き合ってくれてありがとう」

「こちらこそ…S級ヒーローと一緒にいられるなんて、光栄です」

「ふ~~~ん。じゃあ、これをあげるね」

「え?」

 

近づいて顔を近づけたタツマキは榊原の右の頬にキスをした。

当然、榊原は固まってしまう。

 

「もしよかったら、またどこかに行きましょう!これ私の番号とメールアドレスだから!」

 

榊原の携帯に自分の携帯の番号やアドレスを入れると、ぬいぐるみを抱いて荷物と一緒に宙に浮いて、そのままどこかに飛んでいくタツマキだった。

その様子を見届けた榊原は、少し笑いながら公園を出てどこかに電話し始める。

 

「やぁ、用事終わった?それで凄い話があるんだけど聞いてくれる?」

 

こうして榊原とタツマキの不思議な話が終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鷹岡明の場合。

 

 

臭蓋獄。

手に負えない犯罪者を収容する特別な監獄であり、今そこに大量の囚人が送られていた。

それはヒーロー協会で集められた裏社会の住人の内、刑務所から脱獄した囚人達であり、怪堂から受けた怪我が完治して、その半分が臭蓋獄に送られる事になった。

 

「全く、なんでこんなに脱獄されてんだよ」

「本当だぜ。しかもその1人は元防衛省らしいぜ」

 

そして囚人の中には眼帯を付けられて、前よりも顔の傷が増えた鷹岡明の姿も。

当然、彼も脱獄犯なので一緒にぶち込まれるのだった。

 

「ほら、ここがテメェらの終着点だよ」

 

到着したのは鋼鉄製の大きな扉、ここが臭蓋獄への入り口であった。

その頃、この監獄のボスであるS級ヒーローぷりぷりプリズナーは、自分の部屋というより牢の掃除したり飾り付けをやっていた。

 

「準備万端!待っててね、鷹岡ちゃん♪」

 

ぷりぷりプリズナーはポケットから鷹岡の写真を見て、そのまま口付けをし始める。

それから鋼鉄の扉が開かれると、鷹岡達は中に入ると扉が閉められた。

 

「クソっ!なんで俺達がこんな所に!」

「こんな事なら、ヒーロー協会に行かなきゃ良かったぜ!!」

 

鷹岡を除いて他の脱獄犯達は、こんな事なら脱獄しなきゃ良かったと後悔し始めて、ここの囚人達は不気味な笑みを見せて近づく。

 

「ウェルカム~~~♪ようこそ地獄へ♪」

「此処に来たからには、たっぷりと楽しんで貰おうか?」

「まずは先輩に対しての、礼儀を教えなきゃな♪」

 

すると1人の囚人が鷹岡に近づいて来た。

 

「アンタか?元防衛省所属の脱獄囚だって?せっかく逃げたのに残念だな?」

 

馬鹿笑いする囚人に対して、鷹岡は何かをブツブツ言い出した。

 

「…笑……だ……誰…」

「はぁ?なに言って、あが!」

 

その時、鷹岡が囚人の1人の頭を掴むと、そのまま強く投げつける。

当然他の囚人が驚いて、鷹岡に睨みつける。

 

「テメェ、いきなりなにを!」

「俺をバカにして笑う奴は誰だってんだよ!!」

 

そのまま鷹岡は狂ったかのように暴れ始めて、囚人を殴ったりぶん投げたりとし続けた。

 

「俺を…この俺をバカにし続けて!誰も、俺の本当の強さを!!」

 

鷹岡は二度も渚に負けた上に、重戦車フンドシに瞬殺されて、挙句に怪堂にボコボコにされてしまって、精神がかなり不安定になっていたので、ついに何かが爆発して暴れだしてしまった。

そして次々と囚人がやられていた。

 

「コイツ、手に負えねぇよ!」

「どうすりゃいいんだよ!!」

「ちょっと、騒がしいな!」

 

囚人が諦めかけていたその時、鷹岡の前にぷりぷりプリズナーが現れた。

 

「良いか?ここに来たからには、ボスである俺の作ったルールに従ってもらう。ここでは受刑者みんなは仲良くするんだ!」

「上等だ!だったらテメェを殺して俺が此処のボスになってやる!!そしてこんな所を脱獄して、烏間のクソ野郎とE組のガキ共はもちろん、今まで馬鹿にした連中を皆殺しだ!!」

 

完全に狂気に飲み込まれた鷹岡は、ぷりぷりプリズナーを襲い掛かって来た。

 

「しょうがない。少しお仕置きしてやるか」

 

ぷりぷりプリズナーも正気をなくして暴走する鷹岡に立ち向かっていく。

それから3日が経った。

 

「じゃあ、鷹岡ちゃん。行って来るから、また暴れるなよ?」

「……はい」

 

ぷりぷりプリズナーが声をかけた先に、かつてぽっちゃり兼ガッチリ体格が、ガリガリに酷く痩せて、髪も白く生気のなくなった顔になって、隅っこで体育座りする鷹岡の姿。

一体ぷりぷりプリズナーになにをされたか不明だが、もう完全に鷹岡は廃人化していた。

 

「は~~~結局ボスには逃げられなかったな」

「こりゃ、仮に出所してもあの調子だな?」

「それどころか、きっと寝たきりだな」

 

ほかの囚人が気の毒そうにため息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ロヴロ・ブロフスキの場合。

 

 

ある夜の日。

殺し屋屋のロヴロ・ブロフスキは日本の街を歩いていた。

 

「全く、イリーナには困ったものだな」

 

E組の指導に来ていてイリーナの態度に呆れていた。

 

「とりあえず、一杯飲もうかな?」

 

ロヴロは目の前の居酒屋に入っていった。

 

「いらっしゃいませ♪カウンターへどうぞ!」

「ありがとう」

 

店員に進められてカウンターに座って、お絞りで手を拭いたりしてると

 

「ほぅ、随分と懐かしい顔だな?」

「んん?なっ!?」

「久しいな。ロヴロ」

「バング!?」

 

隣の席を振り向くと、S級ヒーローシルバーファング改めバングが座ってた。

かつて2人が若かった時、当時ロヴロが現役でしかも名の通った殺し屋だった頃。ある要人の暗殺を頼まれていたのだが、その時バイトでその要人の護衛をやっていたバングに、無残にもやられてしまった過去があった。

その為、ロヴロにとってバングはちょっとしたトラウマであった。

 

「バング。なんでお前が!」

「わしだって飲みたい時はあるんじゃよ」

「おいバング、誰だそいつは?」

 

するとバングの隣に座る老人が声をかけた。

 

「いや、昔のちょっとした知り合いさ。そうだ初めてだったな?コイツはわしの兄貴のボンブだ」

「なるほど、アンタだったか?昔バングにやられた殺し屋って?」

「それは言わないでくれないか!?」

 

ロヴロはこの場から立ち去ろうとしたけども、すぐにバングに腕を捕まれてしまう。

 

「せっかくだしな、一緒に飲もうぜ?」

「うう…」

 

結局嫌々ながらも、ロヴロはバングとボンブと合い席になって、酒と料理を頼んだりした。

 

「初めは驚いたよ。アンタがまさかヒーロー協会でヒーローになったとはなぁ。しかもS級」

「まぁな。ところでお前さん、たしか殺し屋の人材派遣をやっているようだがどうだ?」

「それなりに、たまに俺自ら仕事に行くこともあるが…がんばっているよ」

「本当にお前らって、危ない橋渡っているなぁ?」

 

ボンブは2人が進んでいる道を呆れていた。

 

「そういえば、お前だったよな?ターゲット暗殺用の殺し屋を日本政府に紹介してるって?」

「ああ、そうだ」

「ターゲットって、お前がこの前言ってた怪人の事か?」

 

じつはバングはついボンブに殺せんせーの事を話していた。

 

「お前、あれは秘密だって!」

「すまないなぁ、お兄ちゃんがどうしても知りたいって言ってたから」

「おいおい、まるでワシのせいみたいじゃないか!」

「だってそうだろ?」

 

素直に返事をするバングに、ボンブは少し黙ってしまう。

 

「全く、アンタはあの時から変わってないな?」

「そうか?お前も同じじゃないのか?」

「いや、俺だって衰えながらもがんばっているぜ!」

 

するとロヴロは氷を投げて、その隙に素早く箸で刺そうとしたが、バングの方は氷を交わして箸を指2本で掴むと、そのまま彼の首元に刺すかのように指を構えた。

ちなみにその氷は、ボンブが見事にキャッチしていた。

 

「たしかに腕は鈍っていないようだが、ワシの方が上のようじゃな?」

「ああ、さすがS級ヒーローだな?俺と違って衰えを感じない」

「おいおい、店で暴れるなよな!」

 

余裕の笑みを見せるバングと、少し冷や汗を出すロヴロに、ボンブがそんな2人を叱る。

 

「さてと、俺はもう行く」

「え?帰るのか?」

「まぁな。それじゃあな!」

「おぅ!またな」

 

ロヴロは居酒屋から出て夜の街を歩くのだった。




榊原蓮と戦慄のタツマキが不思議なデートをしたり、鷹岡がぷりぷりプリズナーのおもちゃにされたり、さらにロヴロが居酒屋でシルバーファング改めバングと再会したりとどうですか?

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