Act1.ハルウララ〜桜咲く〜   作:雪狐

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体調を崩しており、更新が遅くなりすみません。

お気に入りが700を超えました!ありがとうございます(*゚∀゚*)
今後もよろしくお願いしますo(*・∀・)ノ

タイトルにAct1と付け足しました。実はもう何人かを主人公にしたモノを書きたいと思い立ち、タイトルの修正を致しました。
Act2の主人公は……分かるでしょうか?(ヒントは下にあります)

追記

ナイスネイチャ4/16 33歳の誕生おめでとうございます!!
フォ━━━ヽ(゚Д゚)ノ━━━!!!


鬼の桜井再び

 ウララの夢を聞き、決意を確かめた後、私はウララと別れ自室へと直帰した。

 部屋の中は引っ越しをする予定だった為、ほぼ全ての荷物は段ボールへと収めているので、部屋はスッキリとなっている。

 

「まさかあの子にあんな夢があったとは、な……」

 

 ベッドに倒れ込むようにダイブし、先程のウララとのやり取りを思い出しながら目を瞑りながら今後の事を考える。

 

 正直、今のウララでは有馬記念制覇どころか参加すら厳しいだろう……スピード、スタミナその他も最低値である。

 有馬記念を目指すならば、ファンの力がいる。 ファンを得るためには結果が必要だ……GⅠ、GⅡ、GⅢで勝たなければ道は開けない。

 

「ふぅ……しかしまずはデビュー戦を済ませないとな」

 

 前の無能者がウララを放置していた為、ウララはまだデビュー戦が決まっていなかった。 すぐにでもデビューをさせたい、が……今のウララでは勝てないだろう。 いや、間違いなく勝てない。

 

「先ずは基礎体力を底上げするか……しかし、普通のやり方じゃ時間が足りない……だが、やるしかない……むぅ」

 

 ブツブツと独り言が漏れ出る。 そして脳裏に昔、自分の練習に耐えれず去っていったウマ娘達の顔が浮かぶ。

 

――私は貴女の人形じゃない!! 私は楽しく走っていたいのに!! こんなに辛いだけの指導なんて望んでない!!

 

 脳裏に浮かぶ彼女達は皆、私への憎しみを露わにしている。

 私はただ、彼女達に勝てる力を与えてあげたいだけだった。

 しかし、彼女達にはそれがただの厳しいトレーニングを課し喜ぶ鬼トレーナーとしか見えなかったのだろう。

 事実、私の指導を最後までやりきった子は4人しかいないしな……。

 本当にいいのか? 迷いが私を苛む。 しかし、あの時のウララの真剣な顔が蘇る。 強い光を帯びたあの瞳が浮かぶ。

 

「……えぇい!何を考えているんだ私!」

 

 なんとだらしない! 腹を括ろうと決めたではないか! あの子と夢を叶えようと決めたではないかと再度、気持ちを引き締め直した。

 

「恐るな桜井リスティー!!フンッ!!」

 

 再度、喝を入れた後、私は処分する物と殴り書きされた段ボールの箱を開いた。

 

「もう二度と使うまいと思っていたんだが、な……」

 

 段ボールの中には、真っ赤なジャージや指導に必要な道具が入っている。 トレセン学園を去ると決めたあの日に、決別した道具達。

 不思議と、よく使い込まれた道具達が輝いているように見える。 それはまるでもっと役目を果たしたいと問い掛けてくるかのような錯覚がした。

 

「よし……心機一転始めるか!」

 

 心機一転、リスティーは気合を入れ直した。

 

 

 

************

 

 

 リスティーと別れた後、ウララは内から溢れ出そうな嬉しさに心を躍らせていた。

 明日は朝が早いので早く寝ないといけないと分かっているのに、気持ちが昂って眠れずにいる。 そしてついつい、今日のやり取りを思い出しながら耳をピコピコと動かしてしまう。

 

 昔、有馬記念で勝ちたいと話した事がある。 すると、話を聞いていた人達はみんな、ウララちゃんは夢が大きくていいね、と笑った。

 まるでウララが冗談で言っているとでも思ったのか、それとも……。 だから、ずっと胸の奥深くに留めてた。

 でも、トレセン学園に受かって、初めて出会ったトレーナーに嬉しくつい言ってしまった。

 すると、前のトレーナーさんは心底不快そうな顔をして言った。

 

 君が有馬記念? 無理無理、君じゃ参加すらできないよ。 くだらない夢なんか見てないでさ、現実を見なよ? って笑われた。

 

 悔しかった。 言い返したかった……でも、何も言えなかった。 ウララの夢はそんなにおかしいのかな……って、ウララは真面目に夢を話しちゃダメなのかな? って。

 だから、もう夢を話さないって決めていたのに。 新しいトレーナーの、あの真っ直ぐにウララだけを見てくれる、信じれるって感じた。 だから、話してみた。

 トレーナーは笑わなかった。 その代わりビックリしたように椅子から勢いよく立ち上がってウララを真っ直ぐに見つめてくれた。

 初めてだった、ウララの夢を笑わない人。 トレーナーはしばらくの間、真剣な表情をして何か考え込んじゃうような顔をしてた。

 

 ウララは内心ビクビクしてた、もしかしたら……あんまりにも無謀な夢に呆れちゃって、ウララのトレーナーを辞めたいって考えているんじゃないかって。

 怖くなった、また前のトレーナーみたいに無関心にされるのではないか? だから、慌てて否定した。

 ダメダメだ! 折角、こんなウララのトレーナーを引き受けてくれたのに、迷惑かけちゃダメだ。

 

 でも、トレーナーは思いかけない行動を取った。 いきなり両頬をとっても大きい音がする程に叩いた。

 ウララがビックリしてると、トレーナーは真剣な眼差しで本気なんだな? って聞いてきた。

 一瞬、何を言われたのわからなかったけど、すぐに理解した。 トレーナーは私が本気なのかを知りたいんだって、だからウララは本気だよ! って答えたら、またトレーナーは真剣な表情で考え込んじゃった。

 

 少しだけの沈黙があった後、トレーナーは目を閉じたまま、有馬記念制覇は重いぞ? って口を開いた。

 真剣なトレーナーの声、初めてウララの夢を聞いても笑わないで考えてくれた人。

 自分でも気づかないうちに、もう諦めたくない!! って叫ぶように言った。

 トレーナーは目を閉じたまま、優しい声音で楽しく走ってほしい、楽しく走らせてあげたいって言った。 その声音は本当に優しげで、本当にウララを大切にしてくれるって思える声だった。

 トレーナーはゆっくりと目を開け、とても冷たい顔をしながら、ウララの覚悟を再度聞いてきた。

 

 ビクリと心の底から震えるような気がした。 怖い、怖い。

 体が、心が震える、でもトレーナーの瞳が一瞬だけど潤んだようにみえた。

 きっと厳しく話すのは、ウララに対して真剣だからだろうって思った。

 だから、ギュッと手に力を入れて自分の気持ちを伝えた。

 

 真っ直ぐにトレーナーの瞳を見つめる、トレーナーもウララの瞳を真っ直ぐに見つめてくる。 そして、トレーナーは小さく微笑んだ後、すぐに表情を引き締め明日から朝と夕方に練習だと言ってくれた。

 

 初めてウララだけを見てくれるトレーナーに出会えた事が嬉しくて、明日は朝5時から練習だというのにウララは眠れず。

 

「キングちゃん、眠れないよ〜!」

 

っと同室のキングに笑顔で話すのだった。

 

 

 

 

 

 

 




次回から本格的に桜井トレーナーとハルウララのトレーニングが始まります(予定)

次回予告(仮)

ついに始まる鬼の桜井によるトレーニング。 果たしてウララは耐える事ができるのか!?


同時上映(いつかやりたい)
かっとばせぇー、マックイーン!!


Act2.R
Act3.O
Act4.G
Act final.H.R.O.G
(の予定です)
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