Act1.ハルウララ〜桜咲く〜   作:雪狐

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毎日お気に入りが着々と増えてて、本当に嬉しいです。
読んでくださる皆さん、これからもよろしくお願いします(^人^)

前回の予告内容を変更しております。


ウララとG

「あ、桜井さん。ちょうどよかった」

 

 食事のあと、虹ウララを介抱し保健室へと送り終えた後、トレーナー控え室に向かっていた途中、たづなさんに呼び止められた。

 どうやら彼女は、リスティーの事を探していたらしく、同性でも見惚れるような笑顔を浮かべながら寄ってくる。

 

「何か用かな?」

 

 一刻でも早く今後のウララのトレーニングの計画案を作りたいのだが……と、内心は思いながらも足を止め要件を聞く事にした。

 

「頼まれていた部室の件ですけど……現在は空きの部室が無いので理事長が部室を増築なさるそうなので、しばらくの間はご不便をお掛けするんですけれど、用具室を使ってほしいとのことです」

 

 そう、リスティーはウララのトレーナーとして手続きをした際、部室の申請をしていた。 案の定、空き部室は無かったようだが、まさか新たに増築してくれるとは思っていなかったため、リスティーは内心驚いていた。

 

「それはありがたい、理事長に私が礼を言っていたと伝えておいてくれるかい」

 

 さすが理事長だな、仕事が早い。 と、リスティーが感心した。

 

「えぇ、お伝えしておきますね。あ、それとウララさんの前トレーナーへの対応は本当に提出して頂いた書類の通りでよろしいんですか?と、理事長がお聞きでした」

 

 用具室の使用許可証をリスティーに手渡したあと、たづなは思い出したばかりに、ウララの前トレーナーへの事を切り出した。

 

「あぁ、あの通りで構わない。理事長に、よろしくお願いしますと言っておいてくれ」

 

「わかりました……ウララさんへのケア、よろしくお願いします」

 

 たづなは思う所があるようではあったがそれ以上は言わず、ウララへのケアの事だけを告げた。

 その後、使用許可証の提出期限のなどの話をしてから、たづなと別れた。

 

 

○○○○○○○○○○

 

 たづなと別れトレーナー控え室に帰る道すがら、リスティーは理事長とのやり取りを思い返していた。

 ウララの夢を聞き、ウララを本気で育てようと決心した日。 ウララと別れた後、リスティーはウララの報告書をまとめると理事長へ会いに行った。

 そして、あの無能者がウララに対しての仕打ちを報告書に纏めた報告書を提出したのだった。 

 報告書を読んだ理事長は怒りを露わにし、すぐにウララの前トレーナーを解雇すると騒ぎ出したのだった。 しかし、リスティーはそれを止めた。

 理事長はまさかリスティーが解雇処分に異論を唱えるとは思っていなかったようで、ひどくビックリしていた。

 

 確かにあの無能者をクビにしてもらうのは容易い、しかしそれでは生温いとリスティーは判断した。

 あの無能者はウララを育てる価値のないモノ扱いをしていた。 そんな無能者に、ウララの力を見せつけてやりたいと思ったからだった。

 

 リスティーは理事長に解雇ではなく、減俸と厳しい再教育指導処分を求めた。

 ウララが夢を叶えたその時こそ、あの無能者にお前の目は節穴でトレーナーとして三流なのだと知らしめるためにも、あの無能者にトレセン学園を去られては困るのだ。

 

 話を聞いた理事長は複雑な顔をしたものの、リスティーの要求を聞き入れてくれたのだった。

 

 

 

 

○○○○○○○○○

 

 

 あれから20日程が経った。相変わらずウララは練習後にはグッタリと倒れ込み動けなくはなるものの嘔○(虹色)はしなくなっていた。

 

 練習場のベンチに座りながら、リスティーは思い悩んでいた。

 基礎体力も順調に上がってはきているが、まだ足りないとリスティーは思っていた。

 確かに基礎体力は上がった、しかしまだまだ他のウマ娘達に比べると圧倒的に成長の度合いが追いついていないのである。

 どうするべきか……。 リスティーは悩んだ、そろそろデビューもさせないといけないが、今のままでは勝つことは不可能……そろそろ新しいトレーニングを考えなければ……。

 何かないかと思い悩んでいる所に、あるウマ娘の姿が目についた。 その瞬間、リスティーは閃いた。

 

「……思いついたぞ、新しいトレーニング!!」

 

 勢いよくベンチから立ち上がると、新たなトレーニングの相手として協力を頼むべく目についたウマ娘に向かい駆け出していた。

 

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○

 

 

 いつものようにウララが用具室で着替え、集合場所の練習場に着くとジャージ姿のリスティーともうとは別にもう1人待っていた。

 トレーナーと一緒に居たのは……ウララはまだ面識のないウマ娘だった。

 逃げられないようにだろうか、見知らぬウマ娘はガッチリとリスティーに手を掴まれており、その表情は死んだ魚の様な目をして虚空を見つめている。

 

「トレーナー、その人誰なの?」

 

 ウララがそう尋ねるとリスティーは不敵な笑みを浮かべながら、隣にいるウマ娘を引っ張った。

 

「新しいトレーニングのパートナーだ、ほら自己紹介しろ」 

 

 リスティーに促され、初対面のウマ娘は口を開いた。

 

「私はお前のトレーナーに無理矢理拉致された哀れでキュートなゴールドシップだ……ってか、もう逃げないから手ぇ離せよー」

 

 それはそれは、渋い顔での自己紹介だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




Gの正体はゴールドシップでした。
次回は新しいトレーニングが始まります。

次回予告(仮)

基礎能力向上を図るべく、新たなトレーニングの相手に連れてこられたゴルシ。
はたして新しいトレーニングとはなんなのか。

次回
黄金の不沈艦はウララを逃がさない(予定)
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