Act1.ハルウララ〜桜咲く〜   作:雪狐

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更新が遅くなり、本当にすみませんm(_ _)m

遅筆ですが、更新をして参りますのでこれからもよろしくお願いします。




ウララと鬼の鼓動

 ウララのメイクデビューの翌日、学園は一部の生徒の間でちょっとした騒ぎが起きていた。

 

 とあるGはその姿を見た瞬間、まるで怪物でも見たかの如く逃げ出した。

 またとあるMは、救いはないのですかぁぁあ!?などと叫び卒倒。

 更にOは、彼女の姿を見た瞬間、食べていた朝食を残してしまった。

 あまり関係ないが、某Mは曲がり角でGと衝突し鼻血を出して泣き出してしまった。

 

 そして騒ぎは学園関係者にも起きていた。

 沖野トレーナーは彼女の姿を見た瞬間、目を見開き口から飴を落とし固まってしまった。

 東条トレーナーは彼女の姿を見た瞬間、まるで長年の友人と出会ったかのように微笑んだ。

 南坂トレーナーは、彼女を見た瞬間にビクリと身体を固くした。

 黒沼トレーナーは、彼女を見た瞬間、ダラダラと汗を流し出した。

 

 燃えるような真っ赤ジャージ姿に、見るものを萎縮させる眼光、後ろ髪をバレッタで固定した姿は、リスティーが鬼と呼ばれ恐れられていた時の姿そのものだった。

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

「ハァ!!ハァ!!ひぃ」

 

 ゴールドシップは走っていた。 とにかく死に物狂いで走っている。

 表情はまるで、怪物から逃げるかの如く酷く怯えていた。

 

「ハァ、ハァ……こ、ここまでくればゴルシちゃん大勝……」

 

 逃げて逃げてやっと辿り着いたスピカの部室、中に入り一息を吐こうと椅子に腰を下ろし息を整えていると後ろから肩を掴まれた。

 瞬間、ゾクリと嫌な汗が流れだした。

 

「捕まえた」

 

 ガチガチと歯が噛み合わないほど震えながら、ゴールドシップが振り向くとそこには鬼が立っていた。

 逃げるか!? 刹那、ゴールドシップの脳内でゴルシ会議が行われる。

 

「逃げるべきだ!!」

 

 智謀のゴルシが逃げるべきだと強く声高に叫ぶ。

 

「もうダメだぁ、終わりだぉ!!」

 

 軍師のゴルシは頭を抱えてうずくまった。

 

「戦うべきだ!!ゴルシちゃんにやってやれない事はない!!」

 

 将軍のゴルシは開戦じゃあー!!と騒ぎ出した。

 

「もう好きにやれよ……アタシは知らん!」

 

 本体ゴルシは考えるのをやめた。

 

 ゴルシ会議、時間にして0.5秒。 ヤケクソになった本体ゴルシは一か八かと将軍ゴルシの案を取り入れる事にし、肩を掴む手を掴み力任せに引っ張ろうとした次の瞬間、首に圧迫感を感じた後、意識がブラックアウトした。

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 

「痛てて……」

 

 ゴールドシップが意識をブラックアウトした後、闘魂注入ビンタで目を覚ますと目の前に鬼がゴールドシップを見下ろすような形で立っていた。

 

「まったく、私の顔を見るなりいきなり逃げ出して何のつもりだ?」

 

 一瞬、見るものを射殺す気か?と言いたくなるほど鋭い目つきのリスティーに、ゴルシは視線を合わせないようにしながら用件を尋ねた。

 

「ゴルシちゃんに何の用があんだよ……」

 

 まぁ、用件はわかっちゃいるけどな……とゴルシは内心で呟いた。

 

「お前の思っている通りだ、ゴールドシップ」

 

 刺すような鋭い視線も怖いが、まるで自分の心を読まれているような感覚が恐ろしくなった。

 

「明日からウララに本気の指導を開始する、なのでゴールドシップ。お前にまたしばらく付き合ってもらうぞ」

 

 まるで断る事は許されないような雰囲気が重苦しくゴルシに纏わりつく。

 

「どうせ……断れないんだろ?」

 

 酷く喉が乾く。 それに、チリチリとまるで火に炙られているかのような感覚さえしてくるような錯覚がする。

 

 しばし沈黙の後、リスティーはゴルシに背を向けた。

 

「明日の放課後、いつのもの場所にて待つ」

 

 一言そう言い残すと、もう興味もない様子で部室を出て行った。

 

「……ハァ……なんで今更、戻ってんだよ」

 

 誰に言うでもなく、ゴルシはリスティーが出て行った扉に向けボヤきを吐いた。

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

 今回、被害に遭っていたのはゴールドシップだけではなかった。

 

 スーパークリークと奈瀬も被害を受けていた。

 突然やってきたリスティーに、クリークとウララの合同トレーニングを持ち掛けられた。

 最初は断ろうとしたが、リスティーのある発言でクリークが目の色を変えて賛同してしまったため、流される形で奈瀬トレーナーは合同トレーニングを受け入れるしか出来なかった。

 

 リスティーが言った言葉、ただシンプルでクリークに対しては衝撃的な提案。

 

「スーパークリーク、君にでちゅねごっこを心ゆくまで楽しめる娘を提供しよう」

 

 リスティーはウララのため、魔王(ママ)をも利用する事にしたのだった。

 

 

 

 

○○○○○○○○○○○○○○○○

 

 

「うわぁぁぁあん、キングちゃん悔しいよぉお!!」

 

 一方その頃、ウララは目を覚ましてからずっと昨日の事が悔しくて堪らず、キングに抱きつき悶えていた。

 

「まったく、ウララさんは仕方ないわね」

 

 まるで母親が子供をあやすように、キングはウララの頭を撫でながら、ずっとウララの話を聞き続けてくれていた。

 

「ハァ……明日から頑張らなきゃ」

 

 

 ウララは知らない。

 リスティーが、鬼と呼ばれていた昔の姿に戻った事を……そして、新たなトレーニングパートナー達の事を。

 

 今までのトレーニングがまるで天国のような優しいものだったと事を。

 

 ウララは、まだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回予告(仮)


遂に始まる楽しい合同トレーニング。
おしゃぶりとガラガラを持ったスーパークリークが、今ウララに襲いかかる。

次回!

ウララとでちゅね戦争
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