Act1.ハルウララ〜桜咲く〜   作:雪狐

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更新が大変遅れ、21年内の更新ができず、本当にすみません。

今年もACT.ハルウララをよろしくお願いしますm(_ _)m

新しく、私とタマモクロス?の日常。を書き始めましたので、よろしければ、アチラもよろしくお願いします。


ハルウララと黄金船

「ひっ、あぅー!?」

 

 まだ練習が始まってから30分も経っていないのに、ウララは既にボロボロになっていた。

 

 ゴルシとの練習や、食事の改善、リスティーとのマンツーマントレーニングで、前よりは確実に体力がついてきているはずなのだが……。

 本気のゴルシとの鬼ごっこトレーニングは、今までのトレーニングは遊びだったのだと、ウララは心底思った。

 

 前なら、ある程度はゴルシの動きが見えていたし、僅かにはだが反応する事もできていた。

 しかし、今日は一切反応すらできていない。 ドスッドスッっという足音が聞こえたと思ったら、まるで車にでも当たられたような衝撃が体を襲い、吹き飛ばされてしまうのだ。

 

 既に体は擦り傷や土でボロボロになっている。 いつもなら、リスティーが一旦休憩をしようと提案してくれるのだが、今日は一切、口を開かず黙ってウララとゴルシを見ているだけだった。

 

 経験した事のない痛み、疲労、恐怖にウララは泣きそうになった。

 もう何度目なのか、吹き飛ばされ立ち上がれずにいるウララをゴルシは無表情で見下ろしている。

 いつもならニヤっと不敵な笑みを見せて、大丈夫か? っとウララを引き起こしてくれるが、今日は一切の手助けや手加減をしてはくれなかった。

 

「起きろ、次やんぞ」

 

 まるで感情が無い作り物ように冷めた顔でウララに起きるよう催促するゴルシにウララは泣きそうになりながらも立ち上がり、スタート位置まで戻る。

 

 その後も、圧倒的な力の差でウララは吹き飛ばされ続けた。 

 辛い、痛い、もう止めたい、という気持ちがウララの心の中で混ざり合いぐちゃぐちゃになった。

 しかし、一番強くウララの心を叩いたのは悔しいという気持ちだった、あんなに頑張っていたのにまるで成長していない自分が悔しくて悔しくて堪らなくなった。

 

 ゴルシとの差、これは純粋に才能だけでは無いのだとウララは思う。

 確かに体格差や才能の差はあるだろう。 しかし、一番劣っているのは気持ちと努力の差なのだと気付かされた。

 

 本気で勝ちたいと思う気持ちが足りていない……っと言われているようで、ウララは心にズシリとした痛みを感じた。

 

 もう、やめようかな……。

 こんなに痛くて、辛い事したくないなぁ。

 

 心の中にたくさんの弱虫が産まれ、ウララはこのまま倒れて寝てしまおう、諦めようかなと思い顔を伏せたまま動けずに葛藤していた。

 

「ハルウララ!!」

 

 そんな時、今まで黙って見ていたリスティーが大きな声でウララの名前を叫んだ。

 その声に反応し、ウララはビクッと大きく震えた後、顔を上げリスティーの方を見た。

 

「立ちなさい!」

 

 掛けられたのは厳しい言葉だった、しかしウララは気づいた。

 リスティーの組んだ腕がブルブルと震え、握っている部分が力の入れ過ぎで真っ赤になっているのを。

 

「っう……ぅ、うう!!」

 

 頑張れ!頑張れ!ウララ!! 自分で自分を鼓舞し、ウララはゆっくりと立ち上がる。

 

 辛いのはウララだけじゃない、トレーナーもゴルシちゃんも辛いんだ!

立たなきゃ! もう、負けるのは嫌だぁ!!

 

 立ち上がったウララの瞳は爛々と強い光を帯びていた。

 

 後日、ゴルシは語った。

 あの日、ハルウララは本物になった、と。

 

 




次回

ハルウララと成長の鼓動〜でちゅねの悪魔とトレーニング〜
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