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しばらく私はウララが落ち着くまで抱きしめ頭を無言で撫で続けた。
ようやくウララから漏れる嗚咽が止まったのを確認した後、名残惜しいが撫でるのをやめ顔を覗き込むと、ウララはどこか気恥ずかしそうな表情をしていた。
「トレーナー、さん……あの、またお洋服汚しちゃって……ごめんなさい」
昨日に続き、今日もウララの鼻水と涙で服はベッショリと汚れてしまった。私は一切気にしていないが……ウララは気にしているようだった。
「構わんよ、私達トレーナーは君達の汗や涙を含めて抱き締めるのが仕事なのだから」
フッと笑みを浮かべ、上目遣いで見てくるウララの頭を撫でてやると、安心したのか目を細め小さくエヘヘっと笑った。
んっ〜!!可愛いなぁ!ゴホン、いかんいかん……どうもウララに対しては甘くなってしまうな。
彼女にはやはり笑顔が似合う、ウララが笑えばこちらまで不思議と嬉しくなってしまう。まったく、こんなに可愛い子を苦しめおって……許さんぞ、あのクズ無能者め。
「あ、あの……トレーナー、さん」
私がクズ無能者への怒りボルテージを上げていると、ウララが声を掛けてきた。
「あー、すまない。なんだ?」
今はウララだけに集中しようと決め、気持ちを切り替えウララへ返事をした。すると、ウララは耳をピコッピコッと動かしながら少し顔を赤らめなが、抱き締めている手を離して欲しいと言った。
「すまない!」
流石に抱き締め過ぎたかな? 馴れ馴れしくし過ぎてしまった……彼女まだ前のクズトレーナーのせいでトレーナーに対して苦手意識を持っているかも知れないのに……空気を読めなかったな、と私は内心かなり反省してしまった。
「あのね、違うの。あの、ね……抱き締めてくれるのは嬉しいんだけど、ウララはダメな子だから……トレーナーに抱き締めてもらえるほど成長できてない、から……その……」
ハァ……本当に健気な子だ。この程度のコミニケーションは当たり前のレベルなのだが……前のクズゴミ無能者のせいですっかり彼女は甘える事を忘れてしまっているようだ。
私は余計にウララが可愛く見えてきた。身体以上に心に大きな傷を負っているはずだろうに、甘えたいのに甘える事に臆病になっているんだろう。
「馬鹿者……このくらい、いつでもしていいんだぞ」
私はそんなウララが愛しくて堪らなくなり、先程よりも強く抱きしめた。
「あ……んっ……本当に、いいの?甘えていいの?」
ウララの声は震えている、まだ戸惑いがあるのだろう。まだ前のクズゴミ無能者の鎖が残っている、だから私はもう一度強くウララを抱き締め言ってやった。
「あぁ、いつでも甘えてこい!お前の……ハルウララのトレーナーはこの桜井リスティーだ、私が全て受け止めてやる!だから……全力でこい!」
そう全てだ、全て受け止めてやる。私が、私こそがハルウララのトレーナーなんだ。もう離すものか、泣かせるものか、散らせるものか。
強く強く抱き締め、今一度、私は己に誓いを立てた。
私の想いが伝わったのか、ウララも強く私を抱き締め返してきた。そして、一層強く抱き締める力が強まった次の瞬間、強い風が吹き満開の桜吹雪が舞い散るイメージが見えたような気がした。
「ありがとうトレーナー!私、全力で頑張る!」
先程とは違う、強い強いウララの声音がする。ゆっくりと彼女を抱き締める手を離しウララの顔を見た瞬間、私は今までに感じた事のない感覚に襲われた。
桜が咲いていた。ウララの瞳に美しく燃えるような桜の花が咲いていた。
「美しい……」
目が離せなかった。 そしてこの時、初めて私は本当のハルウララに出会えた気がした。
【次回予告のようなモノ】
ついに復活したハルウララ、そして彼女に魅入られたリスティートレーナー。
次回、ハルウララの夢!!
「トレーナー、私!○○○○!!」
次回もよろしくお願いしますo(*・∀・)