呪術師という職業で世界最強!   作:リーグロード

15 / 23
この小説を投稿して半年は経つが、まだ15話までしか投稿出来ていない事に不甲斐なさを覚える反面、ここまで人気のでる小説となったことに喜びを覚える今日この頃です。


痕跡集め

 あれから無理矢理にも呪具を装備させられたまま、何十匹にも及ぶ様々な種類の魔物と1対多数の戦闘を幾度も繰り返して行わされた。

 それにより、メグミが着ている服は既にボロボロになり、腕や顔には無数の小さな傷跡が残っており、ダラリとくたびれた様子で五条に背負ってもらっている。

 

「超痛い……」

 

「はっはっは、すねるなすねるな。あれもメグミの実力を正当に評価した結果の修行だよ。実際にメグミは生きて修行をクリアしたし、多少はその包丁の使い方も理解出来たでしょ?」

 

 そう、驚くことにメグミはたった一人で五条の手を借りることなく魔物の群れを討伐することに成功したのだ。

 

 俺、これでも途中で助けを求めるか倒れるかのどっちかだと予想してたんだけどね。

 まさか本当に俺の無茶な修行をクリアするなんてな。

 

 孤児だからスリとか盗みで相手に触れられずに接触する技術はあるだろうなと思ってたけど、こりゃ才能だね。

 

 最初の動きもそうだったけど、2回目の戦いで見せた脱力による自然体の構え。それによる相手への接近の仕方は完璧とよんで差し支えない。

 あれを初戦闘のすぐ後に出来る奴なんて早々いてたまるかよ! 

 

「くっくっく、面白くなってきたな♪」

 

「何笑ってんだよ?」

 

「いやなに、これから先のメグミの人生はバラ色だなって考えてたんだよ」

 

「……絶対噓だろ」

 

 メグミは疑いの表情をしながら五条を睨むが、当の五条は笑いながら誤魔化そうとするが背負われているメグミが耳元で五月蠅いしそんなんで騙されるか! っと冷たい一言で珍しく五条はシュンと落ち込む様を見せる。

 

「ほら、もう迷宮抜けてギルドが見えてきからさ~、そろそろ機嫌直してよ♪」

 

「…………肉食わしてくれたら考えてやる」

 

「OK♪ そんくらいなら腹が破裂するくらい食わしてやんぜ!」

 

 にこやかな笑顔と親指を立ててのグッジョブサインを出して、タダでさえゆるゆるな五条の財布のヒモが更にゆるくなった。

 

 その後は当然というか……まあ、メグミが遠慮容赦なく注文を繰り返すが、たかが子供が満腹になるまでの料理の量などたかが知れている。

 ステーキ2皿にデザートのカットされた果物を食ったらノックダウンとなった。

 

「ぐっ……、もう食えねぇ。あんだけ動きまくったから5皿はいけると思ったのに!?」

 

「無理無理♪ いくら腹が減ってても人間の胃袋には限界ってもんがあるんだよメグミ」

 

 そんな五条が只今食したステーキの皿の数は10枚を超えている。あんな細見の体の何処に肉が消えていってるのかは謎だが、その分飯屋は儲かるので言及はしない。

 

 そうやって食い過ぎでぶっ倒れて機嫌の直ったメグミをツマミにワインとチーズで優雅にディナーの後のまったりタイムを楽しむ。

 

「あれ? 五条いつ帰ってきたの?」

 

 ワインに口をつけていると、入り口からノバラとユウジを連れたマルクがやって来た。

 

「やあマルク♪ いつも急な用事でいなくなって悪いね」

 

 俺はワイン片手にこっちへおいでと手招きする。それに誘われてマルク達が同じ席に腰掛ける。

 近くにいたウェイトレスにステーキの注文をして、今日あったことやメグミの修行の内容なんかを面白おかしくマルク達に話した。

 それを聞いてマルクは怒ったり、ノバラやユウジはこの人でなし! と罵倒されたが、五条は笑って受け流す。

 

 全員が食事を済ませると、満腹で動けなくなったメグミをマルクに託して、五条は再び迷宮に足を踏み入れる。

 

「さて、こっからは迷宮RTAでも始めるとすっか♪」

 

 靴が脱げないようにしっかりと履いていることを確認する為に数回足先を地面に叩いて確かめる。

 

「そんじゃ、まずはベヒモスのとこまで……そうだな、2秒以内に到着するとしますか」

 

 普通なら無茶どころか不可能なことなのだが、そこは世界最強の存在。

 有言実行とばかりに、次の瞬間にはその場から姿が消えており、次に五条が姿を現した場所は目的地であるベヒモスがいた大広間だった。

 

「やっぱ1人の方が俺は動きやすくていいや」

 

 伸び伸びと背伸びしていると、この間と同じように魔法陣が浮かび上がり、そこからベヒモスたちが湧き出てくる。

 

「GULUAAAAAAAA!!!!」

 

「うるせぇよ雑魚がwwwww」

 

 もはや玩具とすら思っていないベヒモスの背に回り込んだ五条はベヒモスの尻に蹴りを叩き込み、サッカーボールのようにトラウムソルジャーたちが湧き出ている場所にシュートする。

 

「ヒュー♪ ナイスシュート! でも、やっぱりシュート用の蹴りじゃデカブツは死なねぇか」

 

 ベヒモスによって下敷きにされたトラウムソルジャーたちは消え去ったが、蹴りを喰らったベヒモスはまだ息があるようで、ピクピクと痙攣はしているが、起き上がって五条を睨み付ける。

 

「おいおい! そんなに熱い視線を向けられても俺様困っちゃうぜ♪」

 

 殺気すら含んだ睨み付けを受けても、いつもの調子を崩すことなくベヒモスに指を向けてふざけた言葉でバカにする。

 そんな五条の態度に苛立つように立ち上がったベヒモスは、自身の持つ最大の攻撃技である角から発射されるエネルギービームの構えにはいるが、コンマ数秒以下の速度による動きをみせなければ──―

 

「俺には決して通用しない♪」

 

「GA──―っ!?」

 

 一瞬のうちにベヒモスの頭の上に移動した五条は、大きく右足を振り上げて、まるで死刑囚の首を切り落とす断罪者の如く、かかと落としの一撃によってベヒモスの首と胴体は真っ二つに切り裂かれた。

 

「さて、必要な部位の素材をちゃっちゃと回収して奈落に行くとしますか」

 

 メグミの武器作成条件として頼まれたベヒモスの素材である角や爪などの武器に出来る物から、皮や毛などの鎧の素材になる物を全て剝ぎ取りし終えると、後ろにある奥へ続く橋ではなく、その下にある奈落へと視線を向けて崖の淵に立つ。

 

「さて、南雲が生きているのか死んでいるのか? 例え死んでたとしても遺品くらいは残ってくれていた方が嬉しいんだけどな」

 

 南雲が生きていないことを何ら疑っていない五条は、そのまま散歩するかのように奈落へと足を踏み入れ落ちていった。

 

 

 

 それから自由落下に身を任せ、数分経ってようやく奈落の底が見えてきた。驚いたことに下には水が流れており、更には遊園地のプールにあるようなウォータースライダーのような地形になっており、運が良ければ落下死は防ぐことができるだろう。

 

「まさか本当に奈落の底に水があるとはね、それもこんな親切設計みたいな地形と一緒にさ。これなら南雲も落下死はしてないかもしれないね」

 

 そのまま一切水に濡れることなく地面に着地した五条は、辺りを散策するつもりで足を踏みだそうとすると、奥からコッチを見つめる赤い光が現れた。

 それはよく見ると、大型犬くらいの大きさの白い狼だった。

 

「おお! メグミの玉犬の候補にしても良さそうな魔物を発見!」

 

 上機嫌で無防備に近づいてくる五条に対して狼の魔物はその牙を剝き出しにして飛びかかると、それを合図に岩陰に隠れていた他の狼の魔物が同時に、襲い掛かって来た。

 

「ありゃ~、俺って餌として見られてる? ……それは、()()()()()()()()

 

 ビクッ!! 

 

 完全に獲物だと思って牙を剥いて飛びかかった相手から本能が危険信号を出す程の強烈なプレッシャーが放たれる。それにより、襲い掛かる途中でブレーキを掛けて立ち止まるが、その距離は既に手を伸ばせば届くほどに近かった。

 

「よ~し、いい子だ。ほれ、お手!」

 

 またも無防備に差し出された手に、獣としての本能か狩る者としてのプライドの板挟みにあった狼の魔物は、数秒悩んだ末にその差し出された手にガブリ! と嚙みついたのだった。

 

 狼の魔物……それも奈落の底に生息するレベルの魔物だから当然だが、その顎の力は凄まじく、並みの剣どころか重厚な鎧ですらその歯形をつけることは容易だろう。

 だが、嚙みついた獲物の手には一向に牙が刺さらず、どれだけ力を込めて嚙みついても、まるで止まったかのように顎が動こうとはしなかった。

 

「よ~し、よし、いい子いい子……なわけねぇだろ!!!」

 

「ぎゃうん!?」

 

 いきなり魔物への態度が豹変した五条の鉄拳により吹っ飛ばされた同族を見て、残りの2匹は即座にお座りのポーズで服従を示した。

 

「よし、お手!」

 

「「ワフッ!」」

 

 さっきの魔物とは違って、差し出された手に従って大人しくお手を実行する。

 こうしてみると、外見以外はただの犬と大差ないように見えるが、これが出来るのは五条のように相手を服従させられるほどの実力者のみで、そうで無ければこんな事は出来ない。

 

「それじゃ、連れていくとするか……。で、早速だけどさ、ここら辺で俺みたいな感じの生き物を見た覚えない?」

 

「「クゥ~ン?」」

 

 五条の言葉が理解できているのか、尋ねられたことに情けない声を上げながら首を傾げて分からないといった様子を見せる。

 

「う~ん、やっぱり最初からそう上手くはいかねぇか」

 

 まいったなといった風に頭をかきながら奈落の底の迷宮内を2匹の二尾狼を従えながら散策する。

 

 その間も上層とは比べられない程の力を持つ魔物が襲い掛かってが、最強である五条を前にその程度の差は誤差のレベルでしかなく、襲い掛かると同時の早さで五条の手によって消し炭に変えられてゆく。

 

「いくら上の階層の魔物より強くったってこの程度じゃまだ俺の敵と呼ぶには相応しくないね」

 

 地面に転がる消し炭となった魔物の死体を踏みつけて先を進む。

 すると、少し先の方で奇妙な洞穴を見つける。それは何とも小さく、小さな子供ならばともかく五条のような大きさならばほふく前進の態勢でなければとても前に進めない狭さだった。

 

「う~ん、とても自然にできたような穴じゃないな? それに──―」

 

 サングラスを外してその穴を観察してみると、この世界に来て見えるようになった呪力とは違う魔力による残滓が僅かながらに漂っているのが見える。

 

「なるほど、壁に錬成で穴をあけて緊急の簡易シェルターを作ったって訳か……」

 

 仕方なしに2匹を後ろに下がらせると、穴に向かって術式を解き放つ。

 

 術式反転【赫】

 

 あのベヒモスをも打倒した途轍もない威力の攻撃が迷宮の壁にぶち当たり、ハジメが作ったであろう穴を更に広げ、五条が余裕で通り抜けられる大きさへと変化させた。

 そうやって無理矢理に穴を広げた為に、辺りには砂塵が舞い上がり、術式の衝突によって発生した音に呼び寄せられた魔物の大群がこっちに向かって走ってくる。

 

「邪魔だな。お前らちょっと巻き込まれないとこまで逃げとけ、これからちょっくらひと暴れすっからさ」

 

 ポキポキと拳を鳴らして戦闘前の軽い準備を済ますと、迫りくる魔物に目を向ける。

 一体一体が国家の軍の総力を上げて対処せねばならないレベルの脅威を秘めた強さを持つのだが、それらの魔物を流し目で確認すると、五条ははぁ~っと溜息を吐いて術式を展開する。

 

 術式反転【赫】によって指先から発生させた衝撃波によって殲滅されてゆく魔物たちを見て、五条の言いつけ通りに全力で逃げた2匹の狼の魔物は五条には決して逆らってはならない絶対の存在だということを本能で理解した。

 

 一瞬で凶悪な魔物の大群を片付けた五条は殺した魔物を一瞥することもなく、先程広げた洞窟に足を運ぶ。

 術式によって広げられたために楽に中に入ることは出来たが、もし仮に洞窟内にハジメがいた場合、確実に術式の威力によって木っ端微塵に吹き飛んで帰らぬ人となっていただろう。

 

「まあ、俺の目でハジメがいないってのは知ってるけどね♪」

 

 せめて何かの手掛かりか遺品でもと思い探りを入れるが、ここでまさかの物を見つけて拾い上げる。

 

「これは……弾丸?」

 

 洞窟の奥にある人一人分ぐらいすっぽりと入る少々大きめな空間に幾つかの弾丸が落ちていた。

 それらはどれも不格好であり不揃いなものも多かったが、中には前の世界と変わらない出来の物も落ちており、更にはあの狼の魔物の毛皮だと思わしき物も地面の隅に放り投げられていた。

 

「こりゃ、マジでハジメのアルティメット化説が有力になってきたな」

 

 ニンマリとした笑顔で拾った弾丸を指で弾いて遊びながら洞窟から外に出る。

 

「「クゥ~ン」」

 

 主人が洞窟から出てきたことに気づいた2匹の狼の魔物は、見た目にそぐわない可愛いらしい声を上げて駆け寄ってくる。

 

「おお、よしよし♪ 言いつけ通りにちゃんと巻き込まれないように逃げてたんだな」

 

 近寄ってきた2匹の頭を優しく撫でてやると、2匹は尻尾を振りながら喜んでいた。

 

「さて、南雲が生きていたのは確認出来たけど……、う~ん、ここら辺に居なさそうということは奥に進んでいったのかな?」

 

 このまますぐに追いついて救出することも容易いが、俺の予想を乗り越えて強くなった南雲がどこまで自分の力で進んで行けるかも気になる。

 

「まあ、助けるか助けないかは明日決めるとすっか」

 

 そう決めた五条は2匹を抱きかかえて、奈落へ落ちてきた場所に戻ると、術式を用いて宙へと飛んでベヒモスが現れるあの大広間の場所へと舞い戻る。

 まあ、お約束というか……、五条がその場に現れると同時に、再びあの魔法陣が出現してベヒモスたちを召喚する。

 

「流石に何度も相手すんのは雑魚とはいえ鬱陶しいな。おっ、そうだ! ちょうどお前らの強さもどの位か正確に知りたかったし、ちょっくらあの雑魚共の相手をしてやれ」

 

 両脇に抱きかかえた2匹にあいつらを倒してこいと命じると、「「ガウ!!」」と威勢のいい返事を上げると獲物へと向かって走りだす。

 まず1匹がベヒモスへと向かい、もう1匹が階段の前に現れたトラウムソルジャーの群れに向かって固有魔法の電撃が炸裂する。

 

「ほう、やっぱりここよりも下の階層の魔物だからか、上の階層の魔物じゃ相手にならないな」

 

 既にトラウムソルジャーの群れは最初の電撃による魔法の一撃で相当数の数がやられた上に、追撃とばかりにその高い身体能力を生かして無双する様はまさに怪物であった。

 一方のベヒモスを相手する狼は、その体格差を生かして縦横無尽に駆け回りながらベヒモスに電撃を当て続ける。

 

「グワン!」

 

「グルァァァァァアアアアア!!」

 

 痛みに悲鳴のような咆哮を上げるベヒモスだが、その巨体を生かした攻撃も簡単に回避され、奥の手である角にエネルギーを蓄えて発射する技を撃とうにも、電撃によるダメージによる怯みで中断されてしまう。

 

 やがて、トラウムソルジャーを撃破し終えたもう1匹が参戦することで2匹の連携によりベヒモスはその命を完全に断たれてしまった。

 

「よ~し、よくやったお前たち」

 

「「ワン!!」」

 

 力尽きて倒れたベヒモスの上に2匹が乗っかると、仕留めた獲物を自慢するかのように前脚で何度か踏みつけ『ワン!』と誇らしそうに鳴いてみせる。

 

 その後はついでだからと頼まれた依頼の部位をちゃっちゃと剝ぎ取って頼まれた2倍の量を納品してやろうと画策する。

 

 そうして一先ず南雲の生存とその証拠となる弾丸を入手した五条は、2匹の仲間となった二尾狼を連れて地上に戻り、宿泊していた宿屋の部屋へと帰還する。

 

 

 




玉犬候補として二尾狼を2匹加入させましたが、これからこいつらが活躍する場面があるのか……あったとしても何年後なのか……。
もっと早く投稿出来るように努力致します。

次のIFで五条が飛び込む世界

  • ゼロの使い魔
  • 七つの大罪
  • スレイヤーズ
  • オーバーロード
  • HUNTER×HUNTER
  • 蜘蛛ですが、なにか?
  • この素晴
  • ダンまち
  • 転スラ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。