呪術師という職業で世界最強!   作:リーグロード

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ランキングにこの小説が入っていたことに驚愕しました。
およそ2017年からこのハーメルンで小説を投稿し続けて、もう4年が経ちました。
オリジナルでは載ったことはありますが、総合で載ったのはこの小説が初めてです。
評価と感想とお気に入り登録をしてくださった皆様には感謝で一杯です。


迷子になる原因の半分は出店の屋台のせいだ!

 オルクス大迷宮は全百層からなると言われる大迷宮で、ここで腕を上げたり、魔物を狩って生計を立てる者は多い。

 

「けど、誰も最奥まで足を運んでないのに、何で百層までって分かるんだろな? もしかして、設定の手抜きかね……」

 

 朝の暖かな日差しを浴びながら、手にはバナナに似た果実を溶かして混ぜたホットミルクを片手に朝の一杯を楽しみ、自身の泊まる宿屋の2階の部屋の窓から、道行く人々を眺めながら独り言を呟く。

 

「う~ん、異世界でも朝の甘い一杯は格別だね。昨日他の皆がこの街に来た事は確認済みだし、早速会いに行くとするか、これも折角だから自慢したいしね」

 

 ピン! と首に着けた黒色のプレートを弾く。これは、少し前にギルドに寄って貰ってきた五条専用の冒険者の証である。

 世界を救う勇者を青から始めるのはマズいし、いきなり金からのスタートは他の冒険者に申し訳が立たないということで、黒からのスタートということになった。

 

 そのまま何か適当な依頼を受けても構わなかったが、今日は皆が迷宮に挑む日だし、合流してこの冒険者プレートを自慢したいから今日は我慢だな。

 

 とりあえず、昨日の宿屋はランクの高い部屋に泊まったし、飯も城で食ったレベルに近いものを頼んでいたから持ってきた金がもうすっからかんに近い状態だ。

 

 もう一人立ちする身だし、迷宮奥のモンスターの素材売って一儲けすっか。

 

 さて、あいつら何処にいるかな? キョロキョロと辺りを散策していると、すぐにお目当ての集団を発見した。

 

「お~、見っけた見っけた! やっぱりあいつらは目立つな!」

 

 ぞろぞろと集団で子供を引き付けてやってくる騎士団が視界に映り込む。その周りには、勇者を一目見ようとこの町の住民がこぞって群がっている。

 それを押しのけて騎士団長のメルドが道を作ってゆく。

 

「くっ、何故こんなに人が集まっている? 今日ここに来るのは内密の筈だが、何処で情報が漏れた?」

 

「あっ、それ多分俺が原因かな?」

 

「はぁ……?」

 

 突然後ろから聞こえてきた声に振り向いてみれば、昨日から行方をくらませていた五条が平然と立っていた。

 だが、一体いつの間に? 周りは人でごった返しており、とても自分に気づかれずに静かに割り込めるような状態じゃない。仮に後ろや上から近づいて来ようとも後ろにいる部下たちや、周りを取り囲んで群がっている住民たちが気づいて声を上げるはずだ。

 勇者一行に万が一の場合が起こらぬようにと厳重な警備が敷かれた王城から音もなく消えたことといい……、やはりこの五条という男は何かほかの勇者と違う。

 

 だが、今ここでそれを考えていても意味はないだろう。ひとまずこの考えは置いておいて──―

 

「五条、この騒動の原因が自分にあるとは一体どういう意味だ?」

 

「ああ、それは昨日皆の訓練の様子を冷やかしに行った時に、偶然明日オルクス大迷宮に行くって聞いたから、一足先にこの町に来たって訳よ。そこで、ついでに冒険者ってのが存在するらしいから登録しに行ったら事の流れでつい口からポロッと……ね♪」

 

 お茶目に口から舌を出して(∀`*ゞ)テヘッっとやっちゃったぜ! みたいに言う五条に、メルドは肩をガクッと落としてなんじゃそりゃっと口に出す。

 

 とりあえず、この騒動の原因は分かったし、さっさとこの野次馬共を散らしてオルクス大迷宮に行かねばと考えていると、五条が後ろに行って驚くクラスメイトたちに冒険者プレートを見せて自慢している。

 

 五条が後ろに行っている間に、部下の1人が近づいてきて耳元で「五条をオルクス大迷宮に連れて行くのですか?」と耳打ちしてくる。

 

 別に、メルド団長は五条を除け者にするつもりはなかった。いかに怪しい人物とはいえ、勇者と共に召喚された者の1人で、最初に見た第一印象はイタズラ好きなガキという感じだった。

 だから、お灸を据える為に自慢の部下の1人をけしかけたのだが、その予想は大きく食い違った。

 実際の五条は、自身を遥かに超える力を持つイタズラっ子だということだ。

 

 おそらく、面倒事は嫌いで人の穴をついてバカにするのが好き。他者の指示に耳を貸さず、自分の思うがままに行動するタイプの人間だ。

 

 これでも、人を見る目はある方だと自負している。あの男は場を引っ搔き回すことはあっても、決して崩壊などはさせない。……いや、そのギリギリを狙って何かしてくるかもしれんが、勇者ならばそれ位どうにかしてもらえねば、今後魔人族と戦う人類の救世主足りえないだろう。

 

 そう考えて部下に五条をこっちに来させるように命令する。

 

「ほいほ~い、呼ばれて来ました五条ちゃ~ん♪」

 

「相変わらず、そのふざけた態度は変わらんな」

 

「当ったり前よ~♪ これは俺のアイデンティティの1つだからね」

 

「そうか……。ところで五条、貴様がわざわざ合流してきたということは、貴様もオルクス大迷宮に挑むということでいいんだな?」

 

「そうだけど、もしかして俺って邪魔? 1人除け者にしてイジメの原因作っちゃう訳?」

 

「別に貴様を除け者にするつもりはない。昨日も貴様にオルクス大迷宮への遠征の話をするつもりだったが、城の何処にも姿が見当たらないと大騒ぎになったんだぞ。それを心配して、愛子殿は城中の人間を使って今も捜索中だ。危うく今回の遠征の話も無かったことになりかけたんだ。今後は何か行動するときは前もって連絡の一つくらい済ませておけ!」

 

「うげっ! マジか……。確かに、今回はちょっと勝手過ぎたかな……。帰ったら後で愛子先生に謝っとこ」

 

 珍しくばつが悪そうに頬をかく五条の姿に、ほぉ……っとメルド団長はあの男にも敵わない存在がいるのだなと感心する。

 あの五条が頭の上がらない愛子という一見すると召喚された勇者達の中で一番の最年少に見えて最年長というチグハグな彼女がそこまでの存在なのだろうか? 

 

 強さ……いや、恐らくは彼女の性格であろうな。教え子とはいえ、血を分けた家族でもない者の為にあそこまで必死になれるあの性格は見ていて悪い気はしない。

 だからこそ、この暴れ馬のような男も彼女には迷惑を掛けたことに罪悪感を感じているのだろう。

 

 そう思うと、五条にも人としての善心があったのだなと、この短い付き合いながらも小さな嬉しさと驚きが生まれる。

 

 いや、案外この騒動は五条にとっていい薬になったのではないだろうか? 集団行動にとって大事な報告・連絡・相談の大切さを今回の件で身に染みてもらえれば、今後は無茶な行動も起こさないだろう。

 

「ふっ、反省したのならいい。愛子殿には後で俺からも口をきいてやろう。そもそも、貴様が抜け出すようなザルな警備をしていたのは我々なのだからな、これが侵入ではなく脱走で良かったが、逆であれば俺の首をいくら差し出してもとても足りないからな」

 

「Oh……! 男前だね団長、そんならお言葉に甘えさせてもらっちゃおうかな!」

 

「はっはっは、全く都合のいい男だ……。その代わり、今後はしっかり考えて行動するようにな!」

 

「OK! わっかりました~♪」

 

 どうやら、オルクス大迷宮前に不安の種は取れたようだな。

 なにぶん、勇者たちにとっては初めての実戦訓練だ。いくら強いと言っても、それは肉体的という意味であって、精神的には見た目通り子供だからな。

 

 万が一があったら立ち直ることのできないトラウマが……下手をすれば死人が出るやもしれん。半端に実力がある分、普通の者よりも下の階層へ潜らなければ訓練になりはしない。

 贅沢な悩みとは理解してはいるが、彼らに求められる結果は非常に高い。多少の危険を自力で回避出来なければ、どっちみち未来の戦争で死ぬだろう。

 やれやれ、大人である俺たちが違う世界の子供たちに世界の命運を託さなくてはならないとはな……。

 

 いや、そのぶん俺たち大人が未だ未熟な彼らを支え導いていかねばなるまい。

 まあ、彼らの中には既に支え導く必要も無い強者もいるようだがな。

 

 後ろでくわぁ~っと欠伸をしながら首にぶら下げた冒険者プレートを一目見ようと群がっている男子たちを軽く扱う五条をチラッっと見ながら目的のオルクス大迷宮を目指して歩き続ける。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~

 

 目の前に佇むオルクス大迷宮を前に、メルド団長から注意事項を言い渡される。

 

「それでは、これよりオルクス大迷宮へと入る。迷宮に挑む前に言っておくが、これは訓練であると同時に実戦である。ふとした気の緩みで大怪我を負った者を俺は数多く知っている。諸君らが強いのはこの2週間で知ってはいるが、その慢心を突いて殺しにかかるのが迷宮だ。各自油断せず気を引き締めるように!」

 

「「「「はい!」」」」

 

 元気よく返事する彼らにふと違和感を覚える。

 

「ん? おい、五条はどうした? さっきまで確かにいた筈だが……」

 

 なんだか嫌な予感がする。そんな予感が正解ですと言わんばかりに、1人の男子が恐る恐る手を挙げる。

 

「あ、あの……」

 

 確かあいつは清水という名前だったな……? なんだ迷宮を前にして腹でも痛くなったのか? だらしのない奴だ。はっはっはっは! 

 

「五条ならさっき『おっ! なんか面白そうな出店やってんじゃん! ちょうど愛子先生にご機嫌取り用の土産を買っていこうかと思ってたし丁度いいや! あっ、お前! 後で俺が買い物に行ってるって皆に伝えといて! じゃね、バイビー♪』って言ってどっか行っちゃいました……」

 

「ぐふっ……!!?」

 

 メルド団長が口から血反吐を吐く。キリキリと痛む胃を押さえて片膝をつく。

 

 あ……あいつ……、さっきの話の件をまるで反省していない。いや、清水に連絡を頼んでいる辺りは反省して……いるのか? 

 なんにせよ、あのバカがいないのは仕方がない。元々、出発前は五条なしで挑む予定だったのだ。

 こうなったら、あいつのことは放って置いて、今はこのメンバーで迷宮に挑むとしよう。

 

「そ、そうか……。後で五条には俺から厳しく……いや、いっそのこと愛子殿も加わってもらい、説教してもらうとしようか」

 

「あ……あの、団長? 大丈夫ですか? 体調が優れなければ、我々だけで勇者様方を案内しますが?」

 

「だ、大丈夫だとも! な~に、この程度のことくらいで俺がどうにかなると思っているのか! よし、では早速オルクス大迷宮に挑むとするか!!!」

 

 がっはっは! と笑いながら迷宮に入っていくメルド団長を見て、今後五条関係の苦労人の1人になりそうだなと全員が心の中で呟いた。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 右手にイカ焼きならぬクラーケン焼きを持ちながら辺りを散策する。

 

「さすがは異世界だな。まさか、イカじゃなくクラーケンを焼いて売ってるなんて。まあ、大きさはイカ以上だけど、味もイカ以上に大雑把だな」

 

 なかなか嚙み切れないクラーケンを食べながら、再び異世界ならではの屋台がないか調べるが、今歩いている場所は屋台なんかがなさそうな裏路地のような場所だ。

 日本みたいに区画がしっかりしているわけではないので、大通りを歩いていても、いつの間にか裏路地に入ってしまったみたいだ。

 

 さっさと出ていきたいところだが、何やらイベント事の騒ぎがする。

 向こうの方から聞こえてくる複数人の怒鳴り声にワクワクしながらスキップ混じりに近づいていく。

 

 その先には、1人の男性を囲んで脅している武装した3人組がいた。

 

「なあ? 返済の期限がもうとっくに過ぎてるんだが、一体いつになったら借金返済してくれるのかな?」

 

「しゃ、借金って、あなたたちがボクを騙して──ぐほっ!」

 

「おっとっと、あんまり失礼な事を言いそうだったから、つい手が出ちまったよ……」

 

「なあ……、いい加減学習しようぜ。テメェがいくら駄々こねようと借りたもんはキッチリと返さなきゃいけねぇ、それはガキでも知ってることだぜ。勿論、訴えても構わねぇが、そんなことしたらどうなるか分かるよな?」

 

「ぐっ……、くっ……!!!」

 

「おいおい、そんな泣くなって。これじゃ俺たちが悪いことしてるみたいだろ?」

 

「げっへっへ、実際悪いことしてるくせによく言うぜ」

 

「だな。お前も運がねぇよ。こんな悪党に目を付けられっちまうんだからな」

 

「「「ぎゃっはっはっはっは!!!」」」

 

 なんだろうか、異世界版の南雲と檜山達がそこにいた。やっぱり、イジメとか犯罪って別の世界でも存在はするんだよな。

 とりあえず、普通に聞こえた感じ、あの脅されて囲まれている男が周りの男達に騙されて借金を負ったってところだな。

 

 ひとまず、ちょっと面白そうだし、ちょっかい掛けたみるとしますか。

 

「こらこら君たち! こんな人目のつかない場所で一体男4人で何やってんだ!? ま、まさか?!」

 

 五条はささぁっと後ろに下がって両手で胸を隠す。それを見て五条が何を考えたのか理解した全員が「違うわバカ!!!」と大声で否定する。

 異世界版の南雲と檜山達も同じ反応を返す。お前らまさかドッペルゲンガーか!? 

 

「ふざけた野郎だ。何しに来たか知んねぇが、そんな舐めた態度をとるガキにはキツイお仕置きが必要だな。おい、お前ら!」

 

「「おう!」」

 

 ポキポキ! と拳を鳴らしながら俺が逃げられないように、取り囲んできた。

 

「お、おい! 待て、あまり無関係な者を巻き込むな。お前らが用があるのはボクだろ!!!」

 

「ふへへへ、随分とお優しいな。だが、こいつは俺たちをバカにした。こちとら舐められたら終わりの商売してんだ。多少痛いめにあって世の中を勉強しといたほうがコイツの為さ」

 

「そういうこった」

 

「お前も後で可愛がってやるから、そこで大人しく待ってろ」

 

 ありゃりゃ、本当にお優しいこと。この状況なら自分だけ黙って逃げても良かったのに。いや、騙されたといわれてるし、こいつらある程度この男の事を知っているのかもしれない。例えば職場だとか住所だとかそういったもの知られていれば、ここで逃げたとしても意味はないし、後で余計に酷いめに会う可能性があるな。

 

「まずはテメェを可愛がってやるよ!」

 

 リーダー格である男が先陣きって殴りかかってきたが、当然のこと、五条には拳は届くことはなく、ただ茫然と立つ五条はつまらなさそうにふぁ~っと欠伸を男の顔目掛けてかます。

 それにキレる男だったが、何発殴ろうが決して当たることのない攻撃に、ようやっと他の2人も動き出したが、どこをどう殴ろうと当たる前に止まってしまう為に、ついには息切れを起こして攻撃の手を止めてしまう。

 

「ぜぇ~、ぜぇ~、ぜぇ~、一体どうなってやがる?」

 

「な、殴っても殴っても当たる前に止まっちまう……」

 

「なにか魔法でも使ってるのか……?」

 

 どうしても当たらない攻撃に疑問を抱くが、学の低く戦闘と呼ぶにはおこがましい格下相手しか戦わないチンピラでは、決して五条の絶対防御の秘密は解けないだろう。

もう充分攻撃のチャンスは与えてやった。次はこちらから動くとしよう。

 

「そっちの攻撃はもう終わった? なら、今度はこっちから仕掛けさせてもらうよ」

 

「ま、ま、待ってくれ! 俺たちが悪かった。この通り許してくれ」

 

 拳を握り構える五条に、勝ち目がないと悟ったリーダー格の男はすぐさま跪き頭を下げる。

 それは、これまで強者に媚びて生きてきた為に、五条が見た目に現れない強者だということを他の2人よりもいち早く察知したからこその土下座であった。

 

 ここまでの成り行きをただ見ているだけだった異世界の南雲ポジションの男はポカーンとしており、あの自分をいつもイジメていた3人組が、見るからに自分よりも歳が下な子供相手に何もできずにやられる様が滑稽過ぎて笑いすら起きなかった。

 

「ん~、まあ、喧嘩売られたけども、俺にとって実害なんて無いし、見逃してあげてもいいよ」

 

「ほ、本当ですか!」

 

「ああ、ただし条件がある」

 

「条件ですか。見逃してくれるなら何なりと!」

 

「そんじゃさ、あそこでさっきまでお前らにイジメられてたあいつに今後一切関わるな」

 

 突然指を指された男は一瞬フリーズした後「ええぇぇ!!!」と声を挙げる。

 

「い、いや、突然そんなこと言われても……。あいつは俺たちに対して借金がありまして」

 

「さっき大声で会話しての普通に聞こえたけど、君たち騙したんだってね」

 

「だ、騙しただなんて人聞きの悪い! あれはただその……」

 

「だ、騙したじゃないか! 借りた金はそのまま返せばいいって話だったのに、いざ返す際にはトイチ*1だって噓ついたじゃないか!」

 

「って、あいつが言ってるけど本当?」

 

「た、確かに言いましたが、契約書にはちゃんとトイチだと書かれて「その契約書だって金を貸した後で力任せに無理矢理書かせたものじゃないか!」……うぐっ! クソ野郎が黙ってやがれ!」

 

 うわ~、こいつ普通に最低野郎だな。

 でも、そんなのれっきとした犯罪だろうに、何故こいつは警察──この世界の時代的には衛兵とかかな? ──に突き出さないのだろうか? 

 

 普通に疑問に思ったので聞いてみることにした。

 そしたら、原因は自分に……否、自分たちにあった。

 

「今は勇者が召喚されたとかで、俺たちみたいな一般人……それも金のない貧乏人の相手をしてくれるほど暇じゃないって……」

 

 悔しそうに拳を握る様は本当に南雲そっくりだ。

 っていうか、こうなった原因って俺たちにあるのかよ!? 

 まあ、確かに衛兵の言い分にも一理ある。今はそう見えないが、現状は人族が魔人族に圧されている状況だ。その切り札たる勇者を守るのは至極当然の事であって、優先順位を間違っていない衛兵は別に悪くはないだろう。

 それにしても可哀想に、そういう不憫なところもますます南雲そっくりだな……。

 そういや、さっきから南雲のそっくりさんで通してたけど、こいつの名前聞いてないな? 

 

「そういや、まだ名前を聞いていなかったか。俺は五条悟。お前は?」

 

「ボクはマルクっていいます」

 

 へぇ、マルクね。流石に名前までそっくりていうわけはねぇか……。

 とりあえずいい奴そうだし、気まぐれで助けてやるとするか。

 

「よし、ならお前らマルクに今後ちょっかいを掛けたり調子に乗った事をしないように! もし破ったら……俺はそういう奴には甘くないからな! 

 

 軽く、されどチンピラたちにとっては怒髪天来のドラゴンに睨みつけられたかのように恐怖に支配される。

 

「分かったなら行け……」

 

「「「は、はい!」」」

 

 チンピラたちは尻に火がついたかのように、この場から去っていく。

 

「お~! やっぱチンピラってこういう逃げるときは速いな」

 

「あ、あの、助けてくれてありがとう」

 

「ん? ああ別に気まぐれで助けただけだし気にすんな」

 

「それでも、こうして助けてもらったし、何かお礼させてください」

 

 頭を下げて礼をさせてくれと言ってくるマルクだが、コイツがこうなっている原因の半分くらいは俺たちの責任でもあるからな。

 とはいえ、お礼をさせて欲しいと頼むなら、是非ともしてもらうとしようじゃないか。

 

「なら、これから迷宮に挑むからさ、荷物持ちが丁度欲しかったんだよね」

 

「それくらいなら!」

 

 パァ!っと目を輝かしたマルクは五条の後ろについて歩き、2人は迷宮を目指して歩く。

 

 

*1
十日で一割




本当ならば、迷宮に入るとこまでやっていきたかったんですが、次回に持ち越した方がよさそうだったのでオリキャラ君が登場したところで切りました。
なんか中途半端で申し訳ありません。

次のIFで五条が飛び込む世界

  • ゼロの使い魔
  • 七つの大罪
  • スレイヤーズ
  • オーバーロード
  • HUNTER×HUNTER
  • 蜘蛛ですが、なにか?
  • この素晴
  • ダンまち
  • 転スラ
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