三井寿は諦めの悪い男   作:ネコガミ

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第115話『2年目ウインターカップ開幕』

side:三井寿

 

 

 ウインターカップが始まった。俺達は第2シードなので2回戦から。そして2回戦が始まるとPGに宮城、Gに内村、Cに角田、SGに東、Fに八木の1年で構成したメンバーが躍動していく。

 

 特に目立っているのは宮城と角田だな。

 

 宮城は安田という明確なライバルがいる。角田は1つ年下の桜木っていう急成長をしている男を知っている。2人は自分の目指すべき方向性を確かにして日々の練習に励んできた。その結果が今現れている。

 

 安田はパスを軸に展開を作るPG……つまり味方を動かして展開を作るPGだ。対して宮城は牧の様なドリブルで展開を作っていくPGを……自分が動いて展開を作るPGを目指している。

 

 このコンセプトの違いは共にメリットがあるが、チームに求められる意識が全く違ってくる。なのでスタメンに採用されるかどうかはチームのメンバーの状況や監督の好みで変わってくるだろう。

 

 例えば海南だとどのチームが相手でもドリブル突破で展開を打破出来る選手は現状では牧ぐらいのものだ。だからこそ牧は不動のスタメンを勝ち取っているとも言える。

 

 対してうちの場合はドリブル突破出来る選手として俺がいる。なので相対的に宮城のドリブル突破の価値が下がってしまっているのが現状だ。

 

 うちに俺以外のスコアラーが1人いれば、俺をSGにして宮城を軸にラン&ガンをするっていう選択肢もないではないんだが……それでも安田のあの強かさは魅力的なんだよな。まぁ、宮城には腐らず諦めず頑張って貰うしかないだろう。

 

 角田の方は順調に成長をしてきている。赤木の様なパワータイプのCではなく、兼田さんの様なテクニックタイプのCとしてな。

 

 リバウンドだけを見れば赤木や桜木の方が上だが、それ以外の面も合わせれば……1年後には十分に湘北のゴール下を任せられる男になっているだろう。

 

 さて、前半が終わって17点差か。思ったより差が開いてないが、1年だけでこれなら十分だろう。さぁ、後半も頑張れよ、お前ら。

 

 

 

 

side:宮城リョータ

 

 

「カク!」

「おう!」

 

 中のカクにパスを通して得点を重ね点差を広げる。まだ諦めないのは敵ながら称賛ものだな。

 

 マッチアップしている相手のPG……名前はなんだったか?いけね、忘れちまった。

 

 そんなことを考えていたら不意を突かれてドリブルで仕掛けられた。危ねっ!?危うく抜かれるところだったぜ。

 

 もしこれが三井さんや牧さんだったら、あるいは仙道辺りにも確実に抜かれてたな。油断大敵だぜ。

 

 しっかりディフェンスをしてターンオーバーになった瞬間に速攻を決めて自身で得点。ベンチにいるヤスを指差す。するとヤスはサムズアップして喜んだ。

 

(正PGになった余裕……じゃねぇな。心から喜んでやがる)

 

 チームが勝てばそれでいい。そう本気で思える奴が何人いる?スポーツを始めとした勝負は自分が出て、勝った時が一番面白いもんだ。けど希にヤスみたいな奴もいる。

 

 ヤスはダチだ。だからこそ負けられねぇ。諦めて譲っちまったら、そこで対等なダチじゃなくなっちまう。

 

(だからよヤス……俺は絶対に諦めねぇぜ。今大会は仕方ねぇが、次は俺が正PGの座を取る!)

 

 その後、手を緩めず攻め続け圧勝した俺達は3回戦に駒を進めたのだった。




これで本日の投稿は終わりです。

また来週お会いしましょう。
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