side:宮城リョータ
「っし!」
よっしゃ!宮益さん……いや、敵チームだからあえて宮益って呼ばせて貰うが、これで2回目の3Pシュートのブロック成功だぜ。
ハッキリ言って宮益は1on1なら大した相手じゃない。けどこの人はチーム戦になると途端に厄介な相手になる。
ルックアップ。この人はよくこれをする。状況の確認をしてるんだろうが、これが海南の誰かが宮益のフォローに来てるんじゃないかって思わせてくるフェイクになる。だから一瞬身構えちまうんだが……。
「っ!?」
するとこうしてこの人が動き出した時に一歩遅れちまう。けど俺なら振り切られてフリーにはしない。そのぐらい俺と宮益の速さには差がある……って。
「三井さん!」
くそっ、宮益が動き出したのは牧のフォローのためかよ!
そう思った次の瞬間、目の前で信じられない光景が起きた。
宮益が三井さんにスクリーンを掛けようとしたその刹那、三井さんは身体を少し後ろに倒したんだ。
そして宮益の身体に当たったと思ったらその反動を利用して牧の鋭いアタックに反応して抜かせなかった。
……マジかよこの人。どんなバスケセンスしてやがるんだ。
思わず見惚れちまった。だからこの失態は必然なんだろうな。
三井さんを抜けなかった牧はパスを出した。俺がボールウォッチャーになってフリーになった宮益に。
「あっ」
我ながら間抜けな声が出た。そして不思議な事にこんなバカなミスをやらかした時には多少の無茶なシュートも決まっちまうもんだ。
だから当然の様に宮益の3Pシュートは決まった。
「くそっ!」
バカか俺は!こんな間抜けな事をしてるから正PGになれねぇんだろうが!
そう思ったら誰かにバシッと尻を叩かれた。
「……三井さん?」
「目は覚めたか?」
「はいっ!」
「ならよし。プレーで挽回しろ」
バシバシと顔を張って気合いを入れ直す。
「さっきのミス……絶対に取り返すぜ!」
◆
side:宮益
また3Pシュートが入った。これで何本目だっけ?まぁ2回もシュートブロックされちゃってるから、気を付けないとな。
「宮、いい調子だな」
「うん、こんな感触は初めてだよ」
打てば入る……と言ったら大袈裟かもしれないけど、なんか今日はそんな感じなんだ。三井はいつもこういう感じなのかな?
「わかってると思うが、ブロックされたからってひよるなよ」
「あぁ」
俺は海南バスケ部の部員の中でも下から数えた方が早いぐらい足が遅いし、高くも跳べない。
そんな俺に出来るのはチームのために走ること。そしてチャンスが来たら迷わずにシュートを打つことだけだ。
「さぁ1本!止めるぞ!」
「「「おぉ!」」」
宮城はハッキリ言って俺よりも上手くて速い選手だ。けど俺は格上とのマッチアップには慣れてる。いつものことだ。
だから……いつも通りに走るだけだ!
これで本日の投稿は終わりです。
また来週お会いしましょう。