side:三井寿
14点リードされて第1Qが終わった。山王勢と諸星の動きは悪くなかった。しっかりと実力を発揮出来ていたと思う。だが、アメリカ代表のメンバーがそれを上回るパフォーマンスを見せたんだ。沢北が何度もスクープショットを決めてなけりゃもっと点差は広がってただろうな。
そして第2Qが始まった。さぁ、牧はどう組み立てる?……って、いきなりご指名かよ。
俺にパスを出した牧がニヤリと笑う。オーケー。期待に応えるぜ。
俺のマッチアップ相手はフィンリーだ。光栄に感じているが試合は別。本気で行くぜ!
ボールを受け取った瞬間、俺は迷わずにキャッチ&シュートで3Pシュートを打った。面を食らったのかフィンリーは跳ばずに振り返るが、スウィッシュでゴールが決まる。
「ナイス」
ポンッと尻を叩いてきた牧に笑い掛ける。
「牧、どんどんボールをくれ。どうやら今日の俺は絶好調みてぇだからな」
「そうか、そりゃアメリカさんが気の毒だな」
アメリカ代表の攻めはオーソドックスにインサイドを中心のようだ。そしてCのシャックにボールが渡ると……。
『バガンッ!』
そんなド派手な音を立ててシャックはダンクを決めたんだが、なんとリングをぶっ壊しちまった。リングを壊した当の本人は壊したリングを手に両肩を竦めている。
(リングクラッシュを生で見れた!く~っ!痺れるぜ!)
ゴールの交換とコートの清掃で一時中断となった俺達は、ベンチで簡易的にミーティングをしていた。
「とんでもないパワーだな。魚住、どうだ?」
「正直に言って厳しいです。あのとんでもないパワーでポジションをあっさりと奪われてしまいます」
二階堂監督の問い掛けに魚住がそう答える。まぁ、仕方ねぇだろうなぁ。なんせフィジカルモンスターの巣窟のNBAでも歴代最強のフィジカルモンスターなのがシャックだ。幾ら魚住でもそう簡単には対処出来ねぇ。
「そうすると外中心で攻めるべきか……。三井、頼むぞ」
「はい!」
「監督、俺も3P打てまっせ」
「俺も俺も」
と、そんな感じで魚住以外が3Pシュートを打てるとアピールしていく。
「そういや今の高校バスケじゃ3Pが流行ってるんだったな」
「まぁ、そこにいるナンバーワンシューターの影響ですね」
そう言って俺を親指で指し示す牧に俺は肩を竦める。
別に今の日本の高校バスケ界の状況を狙っていたわけじゃない。けど、これから先の時代はどんどん3Pシュートの価値が、シューターの価値が見直されていく。
……もしかしたらこの世界はそうならねぇかもしれない。けど、俺にとって3Pシュートはアイデンティティと言っても過言じゃねぇもんだ。だからとことん極めてやる。
いや、3Pシュートだけじゃねぇ。バスケをとことんやり尽くしてやる。選手を引退するその日に、笑って終われるようにな。
「おっ?どうやら再開するようだな。さぁお前ら。出番だ。思いっきり行ってこい!」
「「「はい!」」」
さぁ、試合に集中だ。監督の希望通りに思いっきり行くぜ!
これで本日の投稿は終わりです。
また来週お会いしましょう。