三井寿は諦めの悪い男   作:ネコガミ

137 / 201
第129話『高校三年目の始まりと新入部員達』

SIDE:三井寿

 

 

 アメリカでの親善試合を終えてしばらく、俺は3年へと進級し新入部員入部の時期を迎えていた。

 

「なーっはっはっはっ!この男桜木!目指すは全国制覇のぉーみ!てめぇら、ついてきやがれ!」

 

 無事に受験に成功した桜木が入部。そしてその桜木と付き合っている赤木の妹の晴子もマネージャーとして入部している。他に注目すべき入部部員は俺の中学時代の後輩達と……。

 

「富ヶ丘中の流川楓……よろしく…っす」

 

 この流川だな。まぁ、ちっとコミュニケーション能力が低そうだが、桜木との差からそう感じる面もあるだろうしな。

 

 新入部員も加えて始まった練習。もともと練習に参加していた桜木は問題なくついてこれているが……他の連中は息が上がっちまっているな。

 

 ゲーム形式の練習が始まると流川が生き生きとしだす。……うん、1年として見りゃ技術はある。フィジカルも悪くねぇ。けどそれらを高校バスケで活かしきるだけのスタミナがねぇってところだな。

 

「リバウンドは俺が制す!」

 

 おぉ~、桜木も張り切ってるな。今じゃゴール下だけでなくミドルレンジでもシュートを決められるようになった桜木はPFとして戦力に数えられる。スタミナやリバウンダーとしての実力を考えりゃ、現状では流川以上にうちの戦力になるだろうな。

 

「……キャプテン、1on1、お願いします」

「あぁ、いいぜ」

 

 通常の練習が終わって居残り練習。そこで流川が1on1を頼んできたので受けるが……。

 

「……っ!?」

「ほらどうした?足が止まってるぜ?」

 

 スラッシャーとして見れば悪い選手じゃないが、ゲーム形式での練習を見た限りではこいつはとにかくパスを出さない。去年のインハイで見た沢北並みにな。

 

 チームを活かすってほどじゃなくても、周りを使うって程度には意識出来りゃいいんだが……まぁ、それはこいつ次第か。

 

 ドリブルとシュートの二択からパスも含めた三択じゃ比べものにならないぐらい変わってくる。オフェンスもディフェンスもな。それに気付けばパスが楽しくなる。こいつ気付けばいいんだが……。

 

「よしっ、今日はここまでだ」

「……うすっ……ありがとう、ございました……」

 

 息も絶え絶えな流川を尻目に1on1を振り返る。バックステップからの3Pシュートが良く決まったな。親善試合で感覚を掴んでから以前と比べて格段に決定率が上がっている。今じゃ俺のシグネチャームーヴと言っても過言じゃないぐらいに気に入っているムーブだ。

 

 スラッシャーの流川にリバウンダーの桜木……湘北に足りないピースが揃ったな。

 

「じゃ、帰るか」

「うんっ!帰ろ~♪」

 

 そう言って笑顔の美和と共に家路に着くのだった。




これで本日の投稿は終わりです。

また来週お会いしましょう。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。