三井寿は諦めの悪い男   作:ネコガミ

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第131話『桜木花道の公式戦デビュー』

side:三井寿

 

 

 春の県大会が始まった。うちはシードだから2回戦からだ。

 

 その2回戦、俺達3年と安田のスタメン組はベンチスタート。そして1年と2年の混合メンバーがスタメンだ。

 

 俺達3年はインターハイが終わったら全員引退する。それで今から新チームの事も考えて控えメンバーを積極的に起用していっているわけだな。

 

 試合が始まるとスタメンで出ている桜木が躍動する。開始直後のワンプレーは固さがあったが、その後は誰よりも足を動かしインサイドからミドルレンジで大暴れだ。

 

 そんな桜木に続くように宮城達も活躍をしていく。その中でも目立つのはやっぱり流川だな。1年離れした技術。得点への執念。将来が楽しみなやつだが、1試合を通してパフォーマンスを継続出来るスタミナはまだ無い。それでもスコアラーとしてはかなり優秀なやつだから、この調子が続いていけば海南や陵南との試合でも出番があるかもな。

 

 2回戦は俺達3年の出番はなく勝利。続く3回戦でも桜木の躍動が続く。バスケ経験1年程とは思えない運動能力はまだ未熟な攻防の技術を補ってあまりある価値がある。特にあいつのリバウンド能力は俺や木暮みたいなシューターにとっては心強い限りだ。

 

 

 

 

side:桜木花道

 

 

 初めての公式戦。始めはちょっとやっちまったが、後はいつも通りに動けたぜ。

 

「見ててくれましたか晴子さん!」

「うん!見てたよ花道君!かっこよかった!」

「そ、そうすかぁ?」

 

 晴子さんの称賛の声に照れる。

 

 晴子さんを送っての帰り道、頭に浮かぶのは今日の試合のことだ。

 

 練習試合とは全く違った。敵味方関係なくある緊張感。見に来てくれてた観客の熱狂。いいプレーを出来た時のどよめきや称賛の声。思い出すだけで直ぐにコートに立ちたくなる。

 

 帰り道、ふとストリートバスケのゴールがある場所が目に入ったんだが、そこには流川がいた。

 

「……よう」

「……てめぇか」

 

 今日の試合、こいつはすげぇ点を取ってた。けど1回もパスを出しやがらなかった。

 

 別に今日のパスを出さなかったのは悪いとは思わねぇ。こいつを止められるやつがいなかったからな。けどこれから先の試合はどうだ?仙道や牧が相手でもこいつはパスを出さねぇのか?もしそうなったら試合に負けるかもしれねぇ。そう思うとこいつのすかした顔がやけに腹が立つ。

 

「今のてめぇじゃ仙道や牧に勝てねぇ」

「うん?誰だそいつら」

「神奈川でみっちーの次にうめぇやつらだ」

「……そうかよ」

 

 ちっ、こいつのこの顔……余計なことを言っちまったか?まぁ流石にあいつらが相手なら安西のオヤジもこいつをベンチに引っ込めるだろ。

 

 さて、次の試合も出れっかな?

 

 その後、流川に背を向けた俺は試合での疲労を心地よく感じながら家に帰ったのだった。




これで本日の投稿は終わりです。

また来週お会いしましょう。
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