三井寿は諦めの悪い男   作:ネコガミ

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第139話『野猿と赤毛猿』

side:三井寿

 

 

 前半5分が過ぎたところで流川と海南の1年の清田がベンチに下がった。代わりにうちは桜木が、海南は2年の神をコートに送り出す。

 

 更にうちは倉石の代わりに木暮をコートに入れることで、両チーム共にシューターが複数人コートにいる状況になった。

 

 そしてそういった状況で輝くのが桜木のリバウンドだ。

 

「ふんがっ!」

 

 3Pシュートを戦術に取り入れたチーム同士の試合。必然的に3Pシュートが多くなる。そのこぼれ球を桜木が尽く拾う。そうするとオフェンス機会が増えるうちが点数を重ねていき点差が広がる。

 

 そんな状況を打破しようと牧が自ら仕掛けてくることもあるが、それは俺が止める。前半が終わると24点差でうちがリードしていた。

 

「前半はとても素晴らしい出来でした。後半も油断せずこの勢いで攻め抜きましょう」

「「「はい!」」」

 

「桜木君」

「むっ?」

「後半、海南はおそらく清田君を君にぶつけてくるでしょう」

 

 安西先生がそう言うと桜木は首を傾げる。

 

「確か前半の最初にみっちーとマッチアップした奴か?」

「ええ。彼は君と同じくフィジカルに優れたタイプの選手です。もしかすると君のブロックの上からダンクを叩き込んでくるかもしれませんね」

「上等だ。ゴリ直伝のハエ叩きで返り討ちにしてやるぜ」

 

 そして始まった後半。早速といった感じに清田と桜木のマッチアップを見ることが出来たが、安西先生の危惧が当たり清田は桜木のブロックの上からダンクを叩き込んでみせた。

 

 いや、驚いた。前半でマッチアップした時はそもそもゴール下まで行かせなかったから見られてなかったんだが、こうして見ると清田のフィジカル……そのポテンシャルの高さに驚くぜ。

 

「面白いだろ?」

「あぁ」

 

 牧の問い掛けに素直に頷く。

 

「調子に乗りやすいのが玉に瑕だがな」

「それは桜木も同じだ」

 

 俺達は顔を見合わせると同時に肩を竦めたのだった。

 

 

 

 

side:桜木花道

 

 

「おのれ野猿……」

「ハッハッハッ、決めてやったぜ!……って誰が野猿だ!この赤毛猿!」

 

 安西の親父に注意されていたから警戒はしてた。けどこいつにはその上を行かれた。悔しさで拳を握り締める。

 

「次はぜってー止めてやる!」

「次もぜってー決めてやる!」

 

 そして巡ってきた次の機会。今度はきっちりブロックを決めて弾き返してやった。

 

「んなっはっはっはっ!どーだ!?」

「くっそー、この馬鹿力め……」

 

 確かにこいつは速いし高く跳べる。けどゴリとかと比べたらパワーはねぇし、みっちーや流川ほど上手くねぇ。止められる。

 

「もうてめーにはゴールを決めさせねぇ」

「いーや、何度でも決めてやる。そして試合も逆転だ!」

 

 その後、俺は何度も野猿とぶつかり合った。試合は俺達の勝ち。そして野猿との勝負は勝率7割ってとこだ。けど、それでも何度かしてやられた場面がある。もっともっと上手くならねぇとな。




これで本日の投稿は終わりです。

また来週お会いしましょう。
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