三井寿は諦めの悪い男   作:ネコガミ

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第141話『意識過剰』

side:三井寿

 

 

 陵南との試合序盤、試合展開は半ば予想通り。その予想通りは流川に関してだ。仙道に振り回されて四苦八苦してるぜ。

 

 そして予想外のことは赤木と桜木のことだ。赤木は明らかに魚住を意識している。むしろ意識し過ぎている。周りが全くと言っていいほどに見えてねぇ。桜木に関してはいい方面に予想外だ。魚住を相手に半分はリバウンドを取れている。いや、この場合は赤木をほぼ完全に抑えながらリバウンドで桜木と五分に渡り合っている魚住が凄いというべきだな。

 

 そんな感じでコート上で両チームが鎬を削ってるんだが、徐々に陵南に点差を広げられていって前半も半分を過ぎようといていた。そろそろ選手交代をするなりタイムアウトを取るなりした方がいいと思うが……。と思っていたら安西先生は俺と倉石と角田にアップの指示を出した。

 

(角田を出すってことは赤木を下げるのか……)

 

 まぁ今の赤木は一度下げて頭を冷やした方がいいだろうな。そして倉石を入れることで桜木と角田の三人でインサイドを……ってとこか。それでも魚住の相手は厳しいと思う。本当にとんでもない選手に成長したもんだぜ。

 

 前半残り7分半、ここで安西先生は選手交代をした。木暮と流川は素直に下がってきたが、赤木は交代の指示が信じられないのか呆然として立ち尽くしていた。

 

「赤木!交代だ!」

「……おう」

 

 俯きながらコートの外に出た赤木が気になるが試合に出る以上はそっちに集中だ。さぁ、こっから逆転しねぇとな。

 

「待ってましたよ、三井さん」

「おう、待たせたな仙道」

 

 コートに入るとウキウキした様子の仙道が俺の近くに来る。

 

「さぁ、今日こそは一本。いや、二本でも三本でも取らせてもらいますよ」

「はは、そう簡単にはやらせねぇよ」

 

 とはいえ仙道も随分と上手くなってきてるからな。流石にもう完封なんてのは難しいだろう。だからといって簡単にはやらせねぇけどな。

 

 

 

 

side:仙道彰

 

 

 流川も1年にしちゃ悪くなかったが、やっぱり湘北とやるなら三井さんとマッチアップしないと面白くないよな。

 

 植草からパスをもらいマッチアップ。さて、先ずは小細工抜きで行ってみるか。

 

 フェイク無しにストレートに。抜けない。一度下がって仕切り直し。目線でフェイク。クロスに。これもダメ。レッグスルーでリズムを切りバックステップ。3Pシュート。危ねっ!?

 

 危うくブロックされるとこだったがなんとか3Pシュート成功。感覚的に3Pが入ったのは偶然だな。

 

「やられたぜ」

「ははっ、まぁ3Pが入ったのは偶然ですけどね」

「偶然でいいのさ。結果が出たんなら後はそれを必然になるように練習すりゃいい」

 

 ……うん、確かに。今の感覚を忘れないようにしとくか。後で彦一にチェックノートを見せてもらうか。

 

「さて、お返しをしねぇとな」

 

 そう言った三井さんの圧力が増した。……緊張と興奮で笑えてくる。

 

「やらせませんよ」

「おう、止めてみろ」

 

 魚住さんすみません。三井さんは全力でなんとかしますんでゴール下は任せました。福田も得点頼むぜ。こっちは余裕が無くなりそうなんでな。




これで本日の投稿は終わりです。

また来週お会いしましょう。
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