三井寿は諦めの悪い男   作:ネコガミ

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今話のエセ関西弁……どうかご容赦を。


第145話『陵南の新世代』

side:相田彦一

 

 

 わいが陵南に入ってから最初の大会、春の県大会は最高の結果で終わった。そんで少し経った今日は恒例やっちゅう湘北との練習試合の日や。

 

「安西先生、今年もよろしくお願いします」

「えぇ、こちらこそ」

 

 普段の練習じゃ鬼か思うほど厳しい田岡監督やけど、今日はなんや大人しい感じやな。せやけどそれも挨拶してる今だけやろ。練習試合が始まればいつも通りやろなぁ。

 

「今日は2試合行う。1試合目は3年生抜きだ」

 

 監督が言うには夏以降の新チームの運用を想定したらしいわ。せやけどうちは魚住さん達3年生の他にも仙道さん、福田さん、植草さんのスタメンも見学とのこと。2試合目に出した方がいい経験が積めるっちゅうことやな。

 

「さぁ、要チェックや!」

 

 1試合目が始まった。湘北との試合はいつも以上に要チェックやで。なんせわいが心の中で師匠と呼んでる人が2人もおるんやからな。

 

 1人は湘北の正PGの安田さん、そしてもう1人が今試合に出てる同じくPGの宮城さんや。

 

 わいは背が低い。これはハッキリ言ってバスケじゃ不利な要素や。けど師匠の御二人はその不利をものともせずに活躍してはる。もうわいには全てのプレーが参考になってメモを書く手が止まらんわ。

 

「おっ?」

 

 パスで捌かずに自らドリブルで仕掛けた宮城さん。その宮城さんは中まで切り込むとハンドフェイクでうちのCを空ジャンプさせたわ。

 

(今のフェイクはどこに引っ掛かる要素があったんや?)

 

 目に焼き付けた宮城さんの動きをノートに箇条書きにしていく。

 

(……キモはボールハンドリングやろか?それともジャンプフェイク?わからん。後で誰かに協力してもらって確かめなな)

 

 ノートに『要確認』と追記して目と思考をコート上に戻す。

 

(おっ?今度は流川君を使うんか。……うん、流川君は凄いには凄いけど、わいの参考にはならんわな)

 

 身長、運動能力、技術、どれをとっても全く参考にならへん。わいに無いモノだらけやからなぁ

 

(……それにしても湘北はメンバーが揃っとるなぁ。スコアラーの流川君、控えながら正PG以上の運動能力を持った宮城さん、湘北名物の飛び道具を受け継いだシューターの東さんと、夏以降も十分に戦えるだけの戦力がおるわぁ)

 

 もちろんうちも仙道さんや福田さんといった全国レベルの選手がおるから決して負けてへん。負けてへんけど、魚住さんの存在が大きすぎるんよ。

 

(監督の夏以降の新チームプランはラン&ガン。仙道さんと福田さんの2人のスコアラーを中心にした点の取り合いを考えてるみたいやけど、2人の負担が大きいのがネックなんよなぁ)

 

 まぁ三井さん達3年生4人がスタメンで、その4人が抜ける湘北に比べればうちはまだマシなんやろなぁ……マシなんやろか?

 

(おっと、そろそろアップを始めんとあかんわ)

 

 今日の練習試合、嬉しいことにわいの出番もあるんや。まぁ1試合目の後半だけなんやけどな。

 

(とはいえ使ってもらえるのはありがたいことや……)

 

 正直に言ってわいの運動能力は大したもんやない。というか高校バスケのレベルやと後半だけでも走りきれるかわからへん。もっともっと練習せな、練習試合ですら使ってもらえんくなるかもしれんわ。

 

(後半にチームを組むメンバーのデータは頭に入っとる。後は騙し騙しやって湘北メンバーのデータを集めて対応するしかあらへんな。スタミナ切れで頭が回らんくならんとええんやけど……)

 

 公式戦やないけどわいにとっては立派な高校バスケデビューや。気張ってくでぇ。




これで本日の投稿は終わりです。

また来週お会いしましょう。
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