三井寿は諦めの悪い男   作:ネコガミ

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第168話『開戦!愛和学院!』

side:三井寿

 

 

 全ての1回戦が終わり2回戦が始まる。俺達の相手は愛和学院だ。愛和学院の特徴を一言で言えばワンマンチームだな。

 

 エースである諸星を中心にしたチーム作りをしている愛和学院は牧を中心にした海南と似ているところがある。海南との違いは海南は牧がチームを引っ張っていくのに対して愛和学院はチームのエースである諸星をチーム全体でバックアップしていくところにある。

 

 チームコンセプトとしてはエースにボールを集めて得点効率を上げる……というものなんだろう。まぁ、それがかなり極端なんだが、こういったチームの形は有りだと思う。プロスポーツの世界でもあるチームの形だからな。

 

 例えばサッカーだと『戦術はロ〇ウド』が有名か?NBAだとバスケの神様の彼がボールを持つと彼と逆サイドにチームメンバーが寄って彼が1on1をやりやすい形を取るなんて戦術をやっていたこともあるぐらいだ。

 

 試合開始前に諸星と目が合う。すると諸星は右手で俺を指差した。どうやら今日の試合で俺を御指名のようだな。

 

 さぁ試合開始だ。ジャンプボールを赤木が制しうちのオフェンスから。俺にボールが回ってくると諸星がマッチアップしてくる。

 

「さぁ、勝負といこうぜ三井」

「おう」

 

 先ずは小手調べ。目線とハンドフェイクでストレート側に揺さぶりクロスオーバー。きっちり抜き去りフリーでミドルシュートを沈めて先制。試合前のお返しとばかりに諸星を指差す。今度はお前の番だぞと意思を込めて。

 

 

 

 

side:諸星大

 

 

(やべぇな、止められる気がしねぇ……)

 

 たった1回。1回クロスオーバーで抜かれただけだ。それなのにあれは止められないと思ってしまった。

 

(どうすっか……)

 

 あらかじめクロス側に身体を寄せておいてストレートに抜かせるか?あるいはクロス側に意識の比重を置いておくか……まぁ、試合の中で色々と試していくしかないだろうな。

 

「それはともかく、お返しをしないとな」

 

 返す俺達のオフェンス。俺がボールを持つとチームメイト達が俺と逆サイドに寄り始める。すると俺の周囲のスペースがぽっかりと空き絶好の1on1スペースが出来上がった。いつもの俺達のバスケの形だ。

 

 ジャブステップで三井の反応を伺う。……わかっちゃいたが隙がねぇな。

 

「……フッ!」

 

 ストレートに仕掛ける。当然のように三井はついてくる。寄りかかるように身体を当てるが押し込めない。

 

(思ったより身体も強い!?牧かよ!)

 

 中への切り込みを諦めて外をぐるりと回りポジションを仕掛け前の位置まで戻す。仕切り直しだ。

 

(ターンオーバーまで14秒。考えてる時間もないか)

 

 ハンドサインを出す。それを見たチームメイト達が動き出すと同時に仕掛ける。

 

 クロスに仕掛け身体を当てると同時にロール。ストレートに抜きに行く。

 

(まぁ、お前ならついてこられるよな三井!)

 

 ゴールへの意思を見せつけるように目線はゴールへ。その状態でビハインドパスでボールをチームメイトに送る。すると視界の端に三井の驚く表情が映った。

 

「やるな」

「お互いにな」

 

 三井の称賛の言葉に笑みを返す。まぁこのぐらいやれないと愛和学院でエースは張れないってな。

 

「さぁ、一本止めるぞ!」

「「「おう!」」」

 

 正直に言って三井を止められる気がしないが弱音は吐けない。エースは辛いぜ。




これで本日の投稿は終わりです。

アニメ風な副題はありかな?

また来週お会いしましょう。
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