side:とある雑誌記者
それではよろしくお願いします。
『あっ、もう始まってるんすか?よろしくお願いします』
では先ずは自己紹介からお願いします。
『山王工業の河田雅史っす。ポジションはC』
準決勝の相手は神奈川の湘北高校になりましたね。
『そうっすね』
その湘北高校で注目している選手はいますか?
『三井です』
三井というと三井寿君?
『はい、その三井です』
三井君のどういったところに注目していますか?
『全部です』
もう少し具体的に答えていただけると助かります。
『……ドリブル、パス、シュート、ディフェンスも含めてバスケに必要なもん全部が凄いです。準決勝はあいつをどうするかが勝負の鍵になる……ってのがうちの見解です』
彼をどうするか……沢北君とのマッチアップは?
『まぁ、一応沢北はうちのエースですから、あるかと。けど、個人的に沢北じゃあ三井を抑え切れないと思ってます』
それは何故かと聞いても?
『技術や体力もですが、それ以上に経験が足らんです』
王者山王のエースとして十分に経験を積んできたとは思いますが?
『それが問題なんですよ。神奈川でライバル達と鎬を削りあってきた三井。対して沢北はうちのエースとして経験を積んできちゃ来ましたが……苦戦ってもんをほとんど経験してきていない』
そこが不安要素だと?
『はい……こんなもんでいいっすか?』
ありがとうございました。
よろしくお願いします。
『あ、はい、よろしくお願いします』
先ずは自己紹介をお願いします。
『山王工業2年の沢北栄治です。ポジションはGF(ガードフォワード)です』
準決勝の相手は湘北高校となりましたが、注目している選手はいますか?
『三井さんです』
どういったところに注目しているんですか?
『全部ですね』
……もう少し具体的に答えていただけると助かります。
『去年の選抜で勝負したんですが、その時になにも出来ませんでした』
去年というと沢北君はまだ高校1年生。そう考えるとその結果も仕方ないのでは?
『……そんな言い訳が通用しないぐらいコテンパンにされたんですよ』
失礼しました。それでは今回の試合での自信のほうは?
『ぶっちゃけるとキツイです。でもそれ以上に楽しみですね』
ありがとうございました。
『ありがとうございました』
堂本監督、よろしくお願いします。
『はい、よろしくお願いします』
準決勝の相手は湘北高校になりましたがどう見ていますか?
『来るべき相手が来た……といったところですね』
湘北高校の勝利を予想していたと?
『はい。とはいっても、もう少し苦戦して戦力を消耗することを予想していましたがね』
その予想外の要因は?
『湘北1年の桜木君と流川君です。まだ1年であのポテンシャルは非常に脅威ですよ。もっとも準々決勝の活躍を見るにうちとの試合には出ないか、出ても万全の状態ではない。その点では運がいいと思います』
湘北との試合、その自信の程は?
『……山王のバスケをするだけです』
ありがとうございました。
『ありがとうございました』
◆
side:三人称
「山王のバスケをするだけか……」
記者としての勘か経験か、とある雑誌記者は堂本の声色に緊張を感じ取っていた。
「絶対王者故の重圧……いや、湘北高校がそれほどの強敵ってところか。もっと早く湘北に注目しときゃよかったぜ」
サラサラとメモ帳に何かを記帳していく記者。記帳を終えて一息吐くと首を回し鳴らす。
「さて、湘北のところに取材に行ってる相棒はどんな塩梅かねぇ?」
そう言いながらポケットから煙草を取り出した記者は、喫煙スペースへと足を進めるのだった。
これで本日の投稿は終わりです。
また来週お会いしましょう。