side:三井寿
「よし、寝てる奴等を起こせ」
「「「はいっ!」」」
俺の指示に従って1年達が動く。豊玉との試合後、次の試合まで結構な時間があったので一度旅館まで戻って休憩。その間に昼食と雑誌のインタビューに応えたんだが、豊玉との試合に出た奴等は精根尽きたのか汗を流した後に昼寝をしていた。
なのでこうして起こしてるんだが……中々起きねぇな。
「俺の眠りを妨げる者は何人たりとも許さん」
「流川君!ギブギブ!」
「フンガーッ!」
「桜木君!ちょっ、まっ、痛ッ!?」
流川がヘッドロックを、桜木が頭突きをそれぞれ起こそうとしてる奴にかましている。その光景にため息が出そうだぜ。
「あぁ、もう起こさなくていい。どうやら陵南の試合と俺達の試合の見学をしなくていいみたいだからな」
「陵南?」
「試合?っとーーーう!」
眠そうな眼を擦りながら移動の準備をする流川と、ガバッと凄い勢いで準備を済ませる桜木。本当にため息が出るぜ。
試合会場に移動すると桜木と流川が自販機で缶コーヒーを買っていた。桜木は微糖の流川はカフェオレのようだ。
「ハーハッハッハッ!桜木ふっかーーーつ!」
「眠い……」
それにしても桜木の体力は凄いな。流川だけじゃなく東や宮城達も眠そうにしてるのに、桜木1人だけ元気でいるんだからな。
「桜木君、無理しちゃダメだよ?」
「ありがとうございます晴子さん!ですがこの桜木!もう完全復活です!」
流石に完全復活はないだろ……。まぁ晴子に任せておけばいいか。
席に座ったところで間もなく準決勝第一試合である陵南の試合が始まった。
陵南のメンバーはほとんどが準々決勝もガッツリと出場している。だから確実に疲労があるはずなんだが……。
「崩れないわね」
「あぁ」
美和の言葉に頷く。疲労があるはずの陵南が崩れない。いや、むしろ疲労で余計な力みが抜けているから動きがいい。
それにあの顔付き……ここまで全国大会を勝ち上がってきたからだろう。自信に満ちている。それらが合わさった結果、プレーの1つ1つに余裕があるように見え、相手チームを攻守に渡って上回っていく。
「……決まったな」
「うん、そうね」
前半終了時点で陵南が24点のリード。陵南は全国大会の準決勝とは思えない程の力の差を見せたのだった。
◆
side:魚住純
今日2試合目とあって流石に疲れを感じる。だがまだ動ける。
厳しくて吐いても走ってきた。厳しくて泣いても走ってきた。この程度で足が止まる程俺は……俺達は柔じゃない。
「お前達、まだ走れるな?」
「「「はい!」」」
「よし、勝ってこい」
「「「おぉ!」」」
後半が始まっても俺達は走った。走り続けた。まだ足が動く。これまでの練習が嘘じゃなかったと確信し自信となる。
走って、走って、走り続けて今日2回目の40分が過ぎると、俺達はダブルスコアに近い点差をつけて勝利していた。
「三井よ、湘北よ、先に決勝戦の舞台で待ってるぞ」
これで本日の投稿は終わりです。
また来週お会いしましょう。