三井寿は諦めの悪い男   作:ネコガミ

26 / 201
本日は3話投稿します。

次の投稿は9:00の予定です。


第24話『弱小と強豪の差』

side:三井寿

 

 

タイムアウトが終わって試合が再開すると、俺は安西先生の指示通りに全力を出す。

 

土橋さんからパスを貰い、翔陽のGの坂井さんを抜き去りミドルレンジでジャンプシュート。スウィッシュで決まる。

 

ディフェンス。ベンチに下がった倉石に代わって俺が藤真のマークにつく。

 

ドリブル、抜かせない。藤真がパスを出す。インターセプト。

 

転がったボールを拾うとそのまま速攻。フリーで3Pを撃つ。決まった。これで9点差。

 

ボールを持った藤真がじっくりと時間を掛ける。っ!?シュート!?

 

指先に触れた。外れる。

 

「赤木!」

「おう!」

 

赤木がリバウンドを取る。っ!?囲まれた!フォローが早い!

 

ボールを奪われて押し込まれる。11点差。

 

土橋さんがボールを運び俺にパス。クロスオーバーで坂井さんを抜くと、逆サイドの木暮にパスを出す。

 

木暮がフリーで3Pシュート…よしっ!これで8点差。

 

また藤真がじっくりと時間を掛ける。

 

「三井!」

 

石渡さんの声。河本さんがスクリーンを掛けに来てる!?

 

抜かれた。スイッチして石渡さんが藤真につくが、藤真は翔陽のCの阿久井さんにパスを通す。

 

赤木と阿久井さんの勝負。…これで10点差。

 

土橋さんからパスを貰う。フェイクを1つ入れてストレートに抜き赤木にパス。赤木がベビーフックを決めて8点差。

 

翔陽の攻撃。藤真はまた時間を掛ける。時計が進む。

 

藤真が仕掛けて来た。抜かせない。藤真がシュート…っ!?フェイク!?

 

咄嗟に出した手にボールが触れたが、ボールを拾ったのは翔陽の河本さんだった。

 

河本さんが石渡さんを抜いてミドルレンジでシュートを撃つ。

 

外れた。リバウンド…今度は阿久井さんが制して押し込まれる。10点差。

 

10点差と8点差を行き来して時間が過ぎ前半残り10秒。10点差の状態で土橋さんから俺にパスが来る。

 

ボールを持った俺は頭の中でカウントダウンし、残り5秒のところで仕掛ける。

 

坂井さんを抜くと中を通って逆サイドへ抜ける。そして3Pラインの外に出たところで3Pシュート。前半終了のブザーが鳴る。

 

3Pシュートが決まって7点差で折り返し。2桁と1桁で前半を終えるのは大きな差だ。

 

これで後半にも弾みがつくだろ。

 

 

 

 

side:赤木美和

 

 

後半が始まった。

 

点差は7点差。前半の勢いのまま追い付けるかと思ったけど、流石は強豪の翔陽だけあって粘り強かった。

 

後半が始まって5分経ったけど点差は変わらず、互いに得点を積み重ねていっている。

 

三井君が坂井さんを抜く。前半の終盤から何度も見た光景。三井君はミドルレンジからジャンプシュートを撃ってキッチリと決める。

 

5点差になったけど翔陽は慌てずに30秒を目一杯使ってじっくりと攻めてくる。そして得点。また7点差。

 

遠い。とても遠い7点差。

 

後半残り10分のところで三井君が3Pシュートを決めた。これで4点差。直ぐに翔陽に取られ返されたけど6点差で差が少し縮まった。

 

三井君から木暮君にパスが出る。フリーで木暮君が3Pシュート…外れた!剛憲!…オフェンスリバウンドを取られてボールは翔陽に。冷静に決められて点差は8点差に。

 

この時間帯にミスを咎められるのは痛い。でも皆はまだ諦めていない。

 

…三井君の雰囲気が変わった?

 

そこからの三井君のプレーは圧巻だった。

 

バスケットカウントを貰って3点プレーを決めたり、連続で3Pシュートを決めたりしていったの。

 

残り5分のところで3点差まで詰め寄ったけど、その代償として三井君は完全に息が上がってしまっていた。

 

それでも三井君は懸命に走ってボールを受け取ると3Pシュートを決めてみせた。これで同点。追い付いた。

 

息が上がった三井君に代わって石渡さんと交代した倉石君が藤真君のマークについたんだけど、藤真君が阿久井さんにパスを通すと、剛憲が阿久井さんのフェイクに引っ掛かってファウルをしてしまいバスケットカウントを取られてしまったの。

 

その後、阿久井さんにキッチリとフリースローも決められて3点差。

 

残り2分30秒。皆が懸命に走って繋ぐと三井君にボールが渡った。そして三井君が3Pシュートを決めてまた同点に追い付いたの。

 

けど湘北の反撃はここまで。

 

試合も終盤で皆に疲れが見える場面。更に大きくプレッシャーが掛かる場面だからか、湘北メンバーのプレーにいつも以上にミスが増え始めたの。

 

それを翔陽に丁寧に咎められると徐々に点差が広がっていき、試合が終わった時には点差は10点にまで広がっていたわ。

 

そしてこの10点差が響いて私達は得失点差で全国出場を逃してしまったの。

 

こうして私達のインターハイ予選は終わりを迎えたわ。

 

閉会式では三井君がMVP、得点王、ベスト5と数多くの賞を授賞した。これは1年生ではありえないぐらいの快挙ね。

 

でも閉会式が終わっての帰り道。三井君は湘北メンバーの誰よりも悔しそうな表情をしていたのだった。




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