side:三井寿
他校の奴等と交流し切磋琢磨をしてきたこの合同合宿も今日が最終日だ。
最終日の今日は全国に挑む海南の壮行会を兼ねた紅白戦が行われる。午前に2回、午後に1回行う。試合時間は公式戦と同じ20分ハーフとかなりハードな内容だ。
午前は湘北と陵南がそれぞれ、午後は湘北と陵南の混合チームが海南と戦う。
紅白戦の1試合目が始まった。
陵南と海南の選手達がコートを駆け巡る。
その中で目を引くのは兼田さんと魚住のマッチアップ。そして海南オフェンス時の牧と池上のマッチアップだ。
2つのマッチアップは共に海南側が優勢だが、陵南側の2人も必死に食らい付いている。
陵南と海南の紅白戦の結果は海南の勝利だ。
1時間後にはうちと海南の紅白戦が始まる。
さて、怪我をしないようにしっかりとアップをしないとな。
◆
side:牧紳一
湘北との紅白戦が始まった。
俺がマッチアップをするのはもちろん三井だ。
ジャンプボールを兼田さんが制してうちの攻撃から。
ボールを持った俺に三井が立ちはだかる。
この合宿中に三井にクロスオーバーを教えてもらったが、完全に物にすることは出来なかった。
だからストレートとクロスオーバーに行く時の差を活かすしかない。
目線でフェイクを入れてから重心をクロスオーバーのものに、そこから切り返してストレートに。
っ!?読まれたか!ならロールターンで中へ!ちっ!これもダメか!
俺は直ぐに意識を切り替えて下村さんにパスを出す。
下村さんから兼田さんに繋がり先制点を獲得し攻守交代。
俺は三井のマークについて、湘北のPGの長瀬さんのマークには下村さんがつく。
長瀬さんのドライブに下村さんが一歩遅れた。長瀬さんから三井にパスが出る。3Pシュートを撃たせない様に距離を詰め気味にディフェンスをする。
この距離を詰め気味でのディフェンスは高頭監督の指示だ。
高頭監督が言うには三井は当たりが出ると止まらなくなるタイプだから、出来る限り3Pシュートのケアをしろと指示された。
だがこう距離を詰め気味にディフェンスをすると三井のドリブルが止められない。
三井が仕掛けてくる。くっ!抜かれた!…っ!?アリウープ!?
三井は兼田さんの先制点のお返しとばかりに、赤木にアリウープでのダンクをさせた。
観戦している連中から歓声が上がる。
この一発で流れを持っていかれたのか前半は湘北が5点リードの状態で終わった。
だが後半残り10分のところで湘北に出たミスをキッカケに流れがうちに来て追い付く。
そして試合が終了するとうちが勝ったんだが、点差は7点とインターハイ予選の決勝リーグの時よりも差が詰まったものとなった。
湘北は強くなっている。
全国大会でなにも収穫が無いまま戻ってくれば、ウインターカップでは湘北に喰われるかもしれない。
そんな危機感が俺達の心を闘争本能で満たしてくれたのだった。
◆
side:赤木美和
合同合宿が終わった。とても収穫の多い合宿だったわね。
技術的な成長もそうだけど、紅白戦で強豪の海南とも渡り合えたことで精神的な成長もしたと思う。
でも…なんか勝ちきれないのよねぇ…。
試合の後半の痺れる場面ではどうしてもミスが増えちゃうわ。これは剛憲もそうで、変わらないのは三井君ぐらい。
やっぱり大舞台の経験が少ないからなんだろうなぁ…。
これから経験を積んでいくしかないわよね。
まぁ、それはそれとして…明日明後日は完全オフ!これは三井君をデートに誘うしかないわ!
「ねぇ、三井君、明日明後日はオフよね?」
「うん?あぁ、そうだな。」
「それでね、よかったらわた、わた、私と、デ…デー……ど、どこか遊びに行かない?」
「遊びにか…そうだな、たまには遊んでリフレッシュするか。」
私は心の中でガッツポーズをする。
「赤木、木暮、倉石、お前達はどうだ?」
私は心の中で崩れ落ちそうになるけど、気合いで踏ん張って剛憲達に断れと念を送る。
「いや、俺達はいい。」
「そうだな。流石にバテたから家でのんびりするよ。」
「俺は修行があるから無理。」
よしっ!よくぞ断ってくれた!ありがとう!
「しかたねぇな。じゃあ美和、2人で遊びに行くか。」
「うん!行こう!ちょうど夏祭りもあるしめっちゃ楽しんじゃおう!」
きたきたきた!ついにきた!三井君との仲が進展する絶好のチャンスが!
このチャンス…絶対にものにするんだから!
さて、帰ったら晴子ちゃんに明日着ていく服を相談しなくちゃ!
これで本日の投稿は終わりです。
また来週お会いしましょう。