本日投稿1話目です。
side:赤木美和
ついに迎えた運命の日、私は待ち合わせ時間の3時間前からてんやわんやの大騒ぎをしていた。
「晴子ちゃん、本当にこの服で大丈夫かな?」
「大丈夫だよ美和お従姉ちゃん!バッチリ決まってるから!」
そんな感じで騒いでいると剛憲が欠伸をしながら2階から下りてきた。
「お兄ちゃん、美和お従姉ちゃん完璧だよね?」
「うん?大丈夫だろう。それより、待ち合わせ時間は昼じゃなかったのか?まだ3時間はあるぞ。」
「3時間しかないの!この後は美容院行ったりして忙しいんだから!」
「…理解出来ん。」
頭を抱えながらため息を吐く剛憲だけど、ため息を吐きたいのはこっちよ。
女性の準備は時間が掛かって当たり前でしょうが。
「それじゃ行ってくるから。朗報を期待してて。」
「「「行ってらっしゃ~い。」」」
晴子ちゃんにおばさん、そしてわざわざ実家から駆け付けてきたお母さんに見送られ、私は意気揚々と美容院に向かったのだった。
◆
side:赤木美和
美容院で髪型とメイクをバッチリ決めた私は1時間前には待ち合わせ場所に向かったんだけど、待っている間の緊張が尋常じゃないほどに凄いわ。
(落ち着いて…落ち着くのよ美和…って、落ち着けるわけないでしょーが!)
ハッキリ言って中学2年の時の女子バスケ県大会決勝よりも緊張してるわ。
あの時は足首の怪我の事もあって開き直ってたからなぁ…。
これは無理、絶対に無理!どうあがいても開き直れない!
だって当たって砕けられるわけないでしょ!当たって成功したいのよこっちは!
うぅ~……今何分前?後30分かぁ……って、三井君もう来た!
夏らしい薄着で歩いてくる三井君なんだけど、そんな三井君に暑気でやられたメス犬共が声を掛けていやがるわ。
「三井君!こっちこっち!」
軽くピョンピョン跳ねながら三井君に手を振る。
すると三井君の視線が逸れた瞬間にメス犬共が、舌打ちでもするかの如く顔を歪めたわ。
ふふん、三井君は私とデートするの。ごめん遊ばせ。
「悪いな美和、待たせたか?」
「ううん、全然待ってないよ!」
くぅー!これよこれ!このやり取り!もうどこから見てもカップルでしょ!恋人でしょ!
よっしゃあ!今日で決めるわよ!告白……はともかく、名前呼びをして一歩前進よ!
その後、私は三井君と軽くお昼を食べてから買い物に行ったりして楽しんでいく。
そして日が暮れた頃、私と三井君は夏祭りが行われている場所に向かった。
2人でかき氷を食べたり焼きそばを食べたり…なんか食べてばっかりね?
まぁ、時間的にお腹が空く頃だし仕方ないか。
そして日が完全に落ちて夜になった頃、私は三井君と2人で並んで花火を見上げていた。
「綺麗だねぇ。」
「あぁ、そうだな。」
チラリと三井君の横顔を見る。
剛憲の紹介で会った時と比べて少し身長が伸びたかな?
そんなことを考えて気を紛らわしているけど、うるさいぐらいに胸がドキドキしている。
「ね、ねぇ、三井君、お願いがあるんだけど。」
「うん?なんだ?」
声が詰まる。言葉が出てこない。
あぁーもう!こんなの私らしくない!行くのよ、美和!
「あ、あのね、な…名前で呼んでも、い…いいかな?」
「なんだそんなことか。別に構わねぇぜ。」
……よしっ!よぉし!一歩前進!一歩前進よ美和!
「そ、そっか、ありがとう…ひ、寿君。」
「おう、こっちこそいつもありがとな、美和。」
晴子ちゃん、おばさん、お母さん…私やったよ!一歩前進したよ!
よしっ!この勢いで告白!……はちょっと、まだ心の準備が必要かな~なんて…ね?
と、とにかく一歩前進よ!ついに名前呼びが出来たんだから!恋人になるのも時間の問題だわ。
おめでとう私!ありがとう私!
今日はこの幸せな気持ちのまま、時間一杯まで三井君とのデートを楽しむぞー!
次の投稿は9:00の予定です。