side:赤木美和
陵南との練習試合に勝った私達はこの勢いでウインターカップも制すぞ!……と行きたいとこなんだけど、残念ながら学生の私達にはその前に期末テストがあるのよねぇ……。
「寿君、ここなんだけど。」
「うん?あぁ、ここはな……。」
というわけで私達湘北高校バスケ部1年生は、こうして剛憲の家に集まって勉強会をしてるってわけ。
大会が近いのにと思うかもしれないけど残念ながら湘北は進学校だからね。期末テスト1週間前から部活動は禁止なのだ。
しかも万が一赤点を取ったら補習を受けて合格しないと、大会に出られなくなっちゃうのよねぇ……。
だからこうして皆で集まって勉強会をしてるってわけ。
そういえば海南とかの強豪校はどんな感じなのかしら?
……まぁ、いっか。今はこうして寿君と肩を寄せあっている時間を堪能しないとね。
「なぁ三井。」
「どうした木暮?」
「いつから美和さんと名前で呼び合う様になったんだ?」
勉強に一区切りがついたから少し休憩していると、不意に木暮君がそんな疑問を投げ掛けてきた。
「インターハイの後だな。」
「もしかして俺達が行かなかったあの時か?」
「あぁ。」
「へぇ……。」
木暮君だけじゃなく剛憲と倉石君までニヤニヤとしている。
別にニヤつくぐらい構わないけど、しっかり援護してよね。
その後、勉強会が終わって一同解散となったんだけど、私はそのまま残って夕食をご馳走になる。
「晴子ちゃん、いよいよ勝負の時が近付いてきたわ。」
「うん、クリスマスだね。」
「そう!クリスマス!女の子としては決して見逃せない一大イベント!晴子ちゃん、そっちの戦況はどうなの?」
私が問い掛けると晴子ちゃんは俯く。
「うぅ……誘うどころかまだ話し掛けることも出来てないよぉ……。」
「それは随分と苦戦してるわね。でも気持ちはわかるわ。私だって寿君を名前で呼べるようになるまで数ヵ月掛かったもの。」
腕を組んでうんうんと頷いていると、頬杖をついた剛憲がため息を吐く。
「ちょっと剛憲!やる気ないの!?」
「俺がいる必要あるか?母さんがいた方がよほどマシだろう。」
そう言って剛憲は叔母さんと選手交代をした。
……まぁいいわ。事があれば私を援護する盟約は交わしているからね。だから今日の所はこの辺で勘弁してあげる。
「それじゃ、先ずは経験豊富な叔母さんからアドバイスを聞きましょう。」
「うん、そうだね。」
「あらあら、経験豊富だなんていやねぇ。けどそうね。私もあの人を捕まえるのにはそれなりに苦労したから、少しはアドバイスが出来るかもしれないわ。」
そこからの叔母さんの話は値千金のものだったわ。
ただ恋愛話を楽しんだ感は否めないけど、それでも確かに私と晴子ちゃんは勇気をもらったわ。
後は……チャンスを見付けたらクリスマスデートに誘うのみよ!
「やるわよ晴子ちゃん!私達の恋を一歩前進させる時が来たわ!」
「わ、私はもう少し今のままでもいいかなぁ~って……。」
「むぅ……仕方ないわね。じゃあ、代わりに私の援護をお願いするわ。」
「うん!それなら私も全力で頑張るよ!」
晴子ちゃんもその勢いで流川にアタック出来ればいいんだけどねぇ。まぁでも、私も散々二の足を踏んだから気持ちはわかるんだけどね。
それはともかく!先ずはウインターカップ神奈川予選突破!そしてその祝勝ムードの勢いで寿君をクリスマスデートに誘う!これよ!完璧だわ!
「そういうわけで剛憲!ウインターカップでは絶対に全国に行くわよ!」
「ふんっ、当然だ。」
さぁ、私の恋の道はこれからよ!
でもその前に……期末テストも頑張らなくちゃね。
これで本日の投稿は終わりです。
また来週お会いしましょう。