本日投稿1話目です。
side:倉石博也
ウインターカップの神奈川予選が始まった。
俺達湘北は夏のインターハイで決勝リーグに進んだのもあってシードでの出場。だから俺達の試合は二回戦からだ。
そしてやって来た俺達の試合。相手は所謂弱小校って所で、練習通りに力を発揮出来ればまず負けない。
そんな相手だからか安西先生はこの試合でみっちゃんと赤木を温存すると言った。
……確かにこのぐらいの相手に温存出来ない様じゃ、決勝リーグで海南や翔陽にも勝てないよな。
長瀬さんを始めとして二年生の先輩達は気合いが入ってる。俺と木暮も負けてられないぜ。
そうして始まった試合は蹂躙と形容して過言じゃない試合になった。
先ずPGである長瀬さんの突破を誰も止められない。まぁ、長瀬さんのドリブルはみっちゃん仕込みだからな。そこいらの奴じゃ止められなくても不思議じゃない。
そしてCの猪狩さんも日々赤木とあらそっているからか、並みのCは相手にならないレベルだ。
俺や木暮に他の先輩達も躍動していって、試合は正に完勝といった出来だ。
この勢いで決勝リーグまで突き進むぜ!
◆
side:牧紳一
「流石に三井と赤木は温存か。」
高頭監督の言葉に皆が頷く。
もはや湘北は万年一回戦や二回戦の弱小校でどうにかなる相手じゃない。
「あのPG……長瀬のスピードは厄介だな。それに木暮か。夏もそれなりに撃てていたが更に成長している。三井程じゃないが要警戒の選手だな。」
湘北の最大の売りはロングシュートを戦術として取り入れているところだが、厄介なのは3Pシューターが三井一人じゃないってところだ。
もちろん三井が一番厄介なことに変わりはないが、湘北はその三井一人を抑え込めば勝てる相手ではなくなってきている。
「湘北との試合、鍵はリバウンドになるな……。」
俺が知る中で最高のシューターである三井でも100%3Pシュートを決められるわけじゃない。だいたい40%を少し超えるぐらいだ。まぁ、それでも驚愕する程に高い決定率だし、試合終盤の勝負所ではほぼ確実に決めてくるんだが……。
なにが言いたいかというと、三井でも2回に1回は3Pシュートを外す。その2回に1回のディフェンスリバウンドを制して得点のチャンスに結びつける事が出来れば、湘北との試合の勝利に近付くことが出来る。
つまり高頭監督は兼田さんに赤木とのリバウンド勝負に勝つことを期待しているってわけだ。
兼田さんなら赤木との勝負に勝てる。問題は……俺と三井との勝負だな。
三井は外一辺倒の選手じゃない。中も一流の選手だ。
あいつとの勝負に勝てば、名実共に神奈川ナンバーワンの称号が手に入る。これで燃えなければバスケットマンじゃない。
腹の底から沸き上がる闘志に導かれる様に、俺は湘北ベンチに座る三井に目を向けたのだった。
次の投稿は9:00の予定です。