三井寿は諦めの悪い男   作:ネコガミ

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本日も1話の投稿です。


第70話『2年目春の県大会準決勝、湘北対陵南』

side:三井寿

 

 

春の県大会は順調にベスト4まで勝ち進んでいき、神奈川の四強が順当に勝ち残った。

 

準決勝は俺達湘北と陵南、そして翔陽と海南の組み合わせで、それぞれ勝った方と決勝が行われる。

 

さて先ずは俺達の試合だな。俺は整列した陵南のメンバーに目を向ける。

 

魚住に池上、そして今3年でPGの橋下さんは既に顔馴染みだが、残りのメンバーがまだ1年の仙道ともう一人の男だ。

 

この男は美和が調べたところによると福田という奴らしい。

 

ポジションはPFで、ディフェンスは下手だがとにかくガムシャラにゴールを狙うスコアラーなんだとか。

 

なるほど、陵南に不在だったエースと、そのエースを支えるスコアラー……その二つの候補が揃ったわけか。

 

これは今後の陵南にはより一層の注意が必要そうだぜ。

 

さぁ、試合開始だ。

 

赤木と魚住のジャンプボールは互角。こうして見ると魚住は一年前とは別人の様に成長しているな。実績はともかく、実力だけならもう全国クラスだぜ。

 

こぼれたボールを長瀬さんが素早く拾い、開幕は俺達湘北の攻めから始まる。

 

俺のマークには仙道がついた。

 

……陵南で一番ディフェンスが上手い池上じゃなく仙道を俺につけるか。

 

田岡監督の思惑は実戦での俺を経験させて、仙道のレベルアップを図ろうってんだろな。

 

いいぜ。牧への発破にもなるだろうしな!

 

長瀬さんにボールを要求し受け取った俺は仙道と対峙する。

 

……去年の冬に見た時よりはマシになってるが、まだまだ隙だらけだな。

 

先ずは小細工抜きにストレートに真っ向から抜きに行く。

 

完全に抜け出すと身体を捩じ込み仙道を抑えつつ中へ。

 

フォローに来た魚住とも真っ向勝負でレイアップに行く。

 

……流石だな魚住。ブロックできっちりシュートコースを閉めてるぜ。

 

ダブルクラッチで空中で魚住のブロックを避けてゴールを決める。先ずは先制点だな。

 

近くにいた赤木と拳を合わせると、声を上げてチームを盛り上げながら自陣に戻っていくのだった。

 

 

 

 

side:仙道彰

 

 

いや、相変わらず凄いわ。ストレートに来るかクロスに来るか全然わかんねぇでやんの。

 

「すみません、魚住さん」

「気にするな。まだ試合は始まったばかりだ。取られた分だけ取り返せばいい」

 

そう言って魚住さんは俺の頭にポンッと軽く手を置いたが、言うは易しってやつだよなぁ。

 

けど、だからこそ面白い。

 

橋下さんからパスを貰って三井さんとマッチアップする。

 

こうして対峙してみると改めて実感する。三井さんは俺や福田と違ってディフェンスも一級品だと。

 

(どうやれば抜けるかわかんねぇな。なら、やってみるしかないか!)

 

とりあえずはさっきのお返しとばかりにストレートに行ってみる。けどダメ。完全に抑えられた。

 

一度離れて仕切り直す。今度はストレートをフェイクにクロスへ……っ!?これもダメか!

 

もう一度離れて仕切り直す……っ!?スティール!?

 

仕切り直しで気を入れ直そうとした瞬間、三井さんにボールを奪われた。

 

(狙われた?うん、三井さんなら狙ってやられても不思議じゃないな)

 

そう自分の中で納得している間に、三井さんは速攻を掛けて冷静にレイアップを決めた。

 

「そう簡単に抜かせねぇよ」

 

ゴールを決めて自陣に戻ろうとする三井さんがそう言ってくると、俺の中で闘志が熱く燃え上がる。

 

「いいや、この試合中に三井さんを抜いてみせますよ」

「おう、やれるもんならやってみろ」

 

神奈川に来てよかった。改めてそう思うと、俺は全力で試合を楽しんでいくのだった。




これで本日の投稿は終わりです。

天才仙道もまだ1年目の春なので成長していてもこんな感じでございます。

来週の投稿は今週3回目のワクチンをキメてくるのでお休みさせていただきます。

5月8日にまたお会いしましょう。
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