ゴールドシップとの3年間   作:あぬびすびすこ

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 アプリのウマ娘でのレース出走は全部ファン数で権利が決まるのですごい弱肉強食な感じがしますね。

※お昼に間違えて投稿しました。内容は同じです。先に読んだ方々、すぐ消しちゃってすみませんでした。


43、準決勝抽選会

「見事! 1着で勝ち上がったこと、嬉しく思うぞ! 次のレースも期待している!」

 

 ゴールドシップのレース後、ウィナーズサークルにて理事長から激励の言葉を受けた。

 最後のレースということもあり、次のレースに向けてのインタビューに答えるためにいるとのこと。

 何故阪神なのかというと、ゴールドシップを見に来たという。

 

「理事会で苦労をかけたからな。一目見ようと、足を運んだということだ!」

「すばらしいレースでしたね! 思わず大きな声を上げてしまいました」

 

 口に手を当てて、少し恥ずかしそうに笑うたづなさん。

 先ほどのアツいレースを楽しんでくれて何よりだ。ドロップキックを受けた胸をさすりながら笑顔で感謝を口にする。

 

「で、では次に理事長からのお言葉を! り、りじちょーう!」

 

 俺がゴールドシップのインタビュー中に席を外して話に行ってしまったため、暴走を止められないようだった。

 楽しそうに演歌を歌ってブレイクダンスする彼女に声をかけてインタビュー台から引きずり下ろす。

 

「おい何すんだトレーナー! ゴルシちゃんサンバを止めんじゃねー!」

 

 演歌とブレイクダンスを合わせてサンバになるか! 嫌がる彼女を必死に抑えていると、理事長が慌てて台の上に上った。

 

「諸君! 本日行われたレース、見事なものだった!」

「明日も予選は続くが、一足先に準決勝へと進む権利を手に入れたこと! とても嬉しく思う!」

「素晴らしいレースを期待しているぞ!」

 

 わーっはっは! と笑う理事長の姿は、他のレース場でも流れている。

 次のレース場はどこになるのか。距離はどうなるのか。

 楽しみに待つとしよう。

 

 

 

 

 

   ◆ ◆ ◆

 

 

 

 

 

 URAファイナルズの予選が全て終わってから数日後。

 レース場及び枠番の抽選会場に俺たちはいる。

 

「おいトレーナー、ラーメンがねーぞ! ゴルシちゃんが作るしかないみてーだな!」

 

 走り出そうとするゴールドシップの肩を掴み、落ち着かせる。

 そもそも今はドレスを着ているんだから走るのはやめなさい。

 赤いドレスを着た彼女は高身長ということもあって非常に美しかった。行動はいつも通りだが。

 

「ラーメンあってもいいじゃねーか。パスタはあんだからよー。にんじんみそラーメン作ろうぜー」

「あはは……いつでも変わらないですね」

「にんじんみそ……」

 

 ぶーぶー不満をこぼすゴールドシップに、一緒にいた桐生院トレーナーは苦笑い。

 ハッピーミークも白いドレスを着て隣に立っているが、いつも通りぼんやりとしている。こっちも変わらないようだ。

 

「あ! ゴールドシップじゃん!」

「あん? テイオーじゃねーか」

「私もいますわ」

 

 話しかけてきたのはテイオーとマックイーンだ。2人ともシックなドレスを着ており、いつもと違う雰囲気がある。

 復活を果たしてレースに参加するとは聞いていたが……URAファイナルズに出走していたのか!

 準決勝、出るんだな。そう言うと、テイオーはふふんと誇らしげに胸を張る。

 

「復帰してすぐに1着とっちゃうなんて、流石はテイオー様だよね!」

「あまり調子に乗りすぎてはいけませんわよ?」

「マックイーンだって勝った時はしゃいでたじゃん!」

「そ、そんなことありません!」

 

 復帰後にGⅠ同様のメンバーが集まるURAファイナルズで勝ち抜いているのは、実際流石としか言いようがない。

 素晴らしい才能と不屈の努力。どちらも持っているのがこの2人だ。

 本当に凄いよ、と褒めるともっと言ってほしいとテイオーはさらに胸を張った。

 

「マックイーンもすげーがんばったみてーだな!」

「ええ。脚にもう不安はありません。以前のように走れ――」

「ダイエット!」

「そっちですの!? いえ、体重管理も確かにがんばりましたけれども!」

 

 顔を赤くしてお腹をおさえるマックイーン。

 いつも通りのやり取りだなぁ、とつい笑ってしまった。

 

「もう! トレーナーさんも笑い事ではありません! ゴールドシップさんを止めてください!」

「おいおい、このゴールドシップ様を止められると思ってんのかー? うっし! 止めてみろ、トレぴっぴ!」

 

 来い! とファイティングポーズをとるゴールドシップに、じゃんけんで負けたら1週間その帽子かぶっちゃダメねと言って手を出す。

 すると、何!? と後ろにのけぞってひどく驚いていた。

 

「やるじゃねーかトレーナー……アタシの命の次の次の次、じーちゃんからもらった小指の爪ぐれーに大切なボディパーツを取り上げようとはな……」

「おじいちゃんの爪ってそんなに大事?」

「この前出かけた時は、違う帽子をかぶっていたはずですが……」

 

 真剣な顔で何を出そうか考えているゴールドシップに、テイオーとマックイーンからツッコミが入る。

 この前のクリスマスに私服で出かけた時はニット帽をかぶっていたし、その時にもウマ娘用の帽子を買っていたはずだが……。

 彼女にしかわからないこだわりがあるんだろうと思っていると、会場内に理事長が入ってきた。

 

「抽選! 次に出走するレース場を決めるぞ!」

 

 そう言ってスクリーンを扇子で差すと、『東京・第1レース・芝2,000m』と大きく映し出される。

 続いて理事長の前に箱が置かれると、その中に手を入れて紙を1枚取り出す。

 それを開いて見せると、記者たちが一斉にカメラのシャッターを切り始める。

 

「決定! 1人目はナリタタイシン! 続いて……」

 

 理事長が改めて手を入れ、紙を取り出す。

 まずはどのレース場の何レースに誰が出るのかが決定し、その後に枠番の抽選となる。

 

 真剣にじゃんけんを考えているゴールドシップをよそに、次々と決定していく。

 ライバル同士でレースが一緒になって火花を散らす娘、強いウマ娘と当たり笑みを見せる娘、名前が呼ばれずに不安でいる娘。

 様々な反応がある中、東京レース場の最後のレースとなった。

 

「東京、第12レースだ! 距離は2,400m! 1人目を発表する!」

 

 理事長が箱に手を突っ込み、紙を1枚取り出す。そして、それを広げた。

 

「出走! 1人目はトウカイテイオー!」

「おっと! ボクの得意なレースになっちゃうね!」

 

 ニシシ、と笑うテイオー。テイオーがぶっちぎりで勝った日本ダービーと同じ距離、レース場だ。

 同条件のジャパンカップでも重バ場なのにもかかわらず勝ち切っているため、テイオーに合っているのだろう。

 

「続いて出走するのはウイニングチケットだ!」

「アタシだー! ダービーと同じだぁー! うおおおおーーー!! ダアアァーービイィーーー!」

「うるっさ……」

 

 続いてウイニングチケット。こちらもダービーウマ娘だ。

 ゴールドシップとは少し違うが、チケットもロングスパートをするウマ娘。しかも非常に勝負強く、ゴール前でさらに伸びるパワーを持つ。

 中距離路線で活躍しているため、テイオー同様好条件だろう。

 

「次はミホノブルボンだ!」

「オーダー確認。ミホノブルボン、出走します」

 

 よく坂路併走でお世話になっているミホノブルボン。ブルボンもダービーウマ娘、しかも逃げで勝った娘だ。

 先頭を1度も譲らずにダービーを勝つ。これはとんでもないことだ。ケガから復帰してもこの走りは変わらず、重賞を荒らしまわっていると聞いた。

 短い距離で強いウマ娘だが、努力で中距離以上も走れる力を手に入れている。スタミナ切れは期待できない。

 

「次! メジロマックイーン!」

「芝の2,400ですか……いいでしょう。勝負ですわ、テイオー」

「……負けて泣いちゃっても知らないから」

 

 静かに闘志を燃やしてテイオーと見つめ合うメジロマックイーン。

 マックイーンはステイヤーだと思われているが、東京レース場で走った秋の天皇賞でも強さを見せつけている。強気で行きすぎて降着になってはいたが……。

 距離は長めの2,400mだ。彼女にとっても条件は合っている。これはすごいレースになりそうだ。

 

 順々にメンバーが紹介されていく。

 そして、東京レース場最後の1人となった。理事長が紙を引き抜き、こちらへと見せてくる。

 

「決定! 最後はゴールドシップだ!」

「トレーナーいくぜ! じゃんけんポうがあああああーーー!」

「え、ナニナニどうしたの!?」

「ゴールドシップさん!?」

 

 ここでゴールドシップか! 驚きとゴールドシップのじゃんけんで、反射的にチョキを出した。

 すると、こちらに勢いよく体ごと手を出してきたらしく、俺の指がゴールドシップの目に突き刺さってしまった。

 準決勝はかなり厳しくなるなと思いながら、テイオーとマックイーン2人と協力して暴れるゴールドシップを抑えるのであった。




 準決勝は、東京芝2,400m左。ダービーウマ娘+マックイーンです。
 ゴールドシップ的には厳しい条件ですね。切れ味のある脚をもったウマ娘が有利ではありますが果たして……。
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