ワールドトリガー・TheREDmanHERO 作:怪物怪人怪獣さん
怪獣クラプトンの設定、話の設定はウルトラQ没脚本の上原正三の『oilSOS』をベースにウルトラマン第13話ファイヤーマン第7話、ウルトラマンパワード第10話をベースにしています。京浜工業地帯に並びに石油会社や石油コンビナートに勤める皆様へは大変お見苦しい場面をお見せします。どうかご了承して下さい……
白黒をイメージして見て下さい。
何気に操演怪獣と初バトル。
〔推奨op ウルトラQ〕
〔推奨BGM 前奏曲 Prelude〕
数カ月前、とある石油コンビナートにて
一人の女性科学者が片手サイズの瓶を海に流す……
瓶の中には土が入ってあり、瓶は重さで海に沈み
女性科学者「……これであの浮遊生物は死滅する。」
女性は複雑な顔をしながら、その場から立ち去る
その瓶は、海に沈む底に落ちる直前、
何かの拍子に、瓶の蓋が開き、土が海水を吸い
そしてソレは……石油コンビナートのある場に漂う目に見えなかったソレは……
この出来事と同じ頃、紫色に発光する謎の球体が
、地球の竜ヶ森に落下。辺りこれと言った被害も
なくこの事件は
『お化け屋敷』が森をくまなく調査したが、
竜ヶ森の湖を始め、落下した形跡すら見つ
からず、調査は打ち切らされるのだった
この2つは剣持がレッドマンとなって怪獣と戦い
始めた頃の出来事だった……
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現在……
日本に石油を輸出する石油タンカー。
暗い暗い深夜の海を渡る。
経験豊富の船長と操舵手。冷静に海域をレーダー
で確認する航海士。
操舵手「船長……周囲に霧が出て来ました。」
タンカーを操縦する操舵手からの連絡で、船長は
窓を見て言う。
「ここの周囲の海域は、この時間霧が出て
来るんだ。いつも言っているが気を付けて
動かしてくれよ。」
操舵手「分かりました。船長。」
いつもと変わらない危険が付きまとう仕事……だが重要な仕事でもある。
彼らが運ぶ石油は日本の各工業地帯や発電施設を初め多岐渡る……機械を動かすのに大事な物なのだ。
霧が立ち込める海域に石油タンカーは
明かりを点灯させ、ゆっくりと日本に向かっている彼ら……
その彼らの真下から……何かが……レーダーに反応せずに迫る……
一方この船の食堂では事務部が、コックの格好
をして交代した甲板部員の人達に食事を作って
いる。
食堂でその様子を眺める甲板部員の一人
浜田 寛 31歳。
その浜田の肩を後ろから軽く叩き、浜田は振り返る。
陽気な雰囲気の中年男性が笑みを見せる。
彼は職場の先輩で、仕事のノウハウを教えて貰った恩人だ。
中村「よう、港についたら、近くの居酒屋で一杯どうだ?、」
浜田は嬉しそうな顔をして、
浜田「その時、ごちそうになります。」
中村 大介 32歳。
中村は私物の携帯ラジオで野球の中継を聞きながら、窓の向こうの外側を見る。
中村「相変わらず、濃い霧だな~~」
夜の海に発生する濃霧に浜田は怖いと感じるのだ。
浜田「夜の海は不気味ですね。」
中村「何だ?浜田。お前、海が怖いのか?」
浜田「怖い物を怖いと思って何が悪いんですか?」
不安を表す表情をして中村に声を上げる浜田。
中村「アハハ……悪い悪い。……そうカッカするな。」
中村は窓に映る景色から向き直り
浜田の方に向き謝るが……
浜田「……何だ?」
浜田は中村が見ている霧の向こうの海の
様子を見て何かの大きな触手が窓の向こう
に動く……
中村「どうした?」
浜田「さっき、外に変な物が……」
中村「変な物?」
浜田が見たという変な物がいた窓の方を
見ると……
【ドン!!!!!】
中村「ふぎゃっ、」
浜田「えっ?」
そのまま窓に顔をぶつけ、鼻を痛める
中村と同じく突然、浜田は椅子から
倒れる。
突然、稼働する船の動きが止まる!!
急な衝撃で、食堂にいる人達は床に倒れ厨房の食器や皿が床に落ちて割れる!!コンロに火が着いたまま茹でていた寸胴鍋も倒れて鍋の中身をぶちまける。
調理器具も散乱して、厨房で料理を作る
コックも壁に激突して気絶する!!
中村「何だ!?どうした!?」
船員1「機関長!」
入り口から新入りの船員が慌ただしく走ってきて、
機関長「どうした!?」
船員1「船長が呼んでいます!?」
機関長「船長が!?よし!?機関室の連中は俺に着いてこい!?」
機関員達「「はい!?」」
船員「突然エンジンが止まってしまったようです。無線もレーダーも異常をきたして使えないっと言っております!」
機関長「よし、俺らエンジンを確認
する!?」
突然タンカーが止まる事実に慌てる中村
。
浜田「外に出て見よう。」
食堂から甲板に出ようと通路の方に向かう
二人。
通路を移動していると大型タンカーが尋常
なく激しく揺れる。
浜田「うわっ!?」
中村「浜田!!」
床に倒れそうになった浜田を中村が手を掴み助ける。
浜田「すいません。中村さん。」
中村「嫌、こんな酷い揺れだ。普通に走ってどうにかなる物じゃない。這って進むぞ!!」
浜田「はいっ!?」
大型石油タンカーに波が叩き付けられて二人は這うように何とか甲板に出てと、真夜中の霧に囲まれたタンカーの周りの海から無数の巨大な触手が波と混じって
姿を表し、石油タンカーの積み荷である石油を吸油している。
中村「何だ!?」
浜田「大蛸……」
触手はタンカーの中心に絡み付き、船はミシミシを悲鳴を上げさせ、咄嗟に二人は近くの救命用の浮き輪を
それぞれ付け、
浜田「あああぁーー!!」
中村「うわぁああああーー」中村は海に投げ出される直前
暗い夜の海の中から黄色く光る2つの目を見る。
【どぼん!?】
【ドオン!!!!】
一際激しい揺れで石油タンカーは海に沈没。
多くの乗員が事態の変化に付いてく事が
出来ず、海に投げ出される!!
〔推奨BGM ウルトラQのテーマ〕
ナレーション《石油……今の世界を支える化石
燃料で、その歴史は古く、4世紀の古代中国で
採掘された記録も残る。
人類の文明を支える資源の一つ。
アラブを始め各国で今だに油田は発掘
して、世界各地に輸入されている。今回
紹介するのは、人類の古い歴史の中で、
もし……石油を食べる生き物が存在した
なら、彼らは私達の生活の支える燃料を
奪う恐ろしい存在なのかもしれません。
もし、世界から……地球から……もし石油が無くなってしまったら……私達の文明は維持する事が出来なくなり……滅亡する可能性があるのです……》
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〔レトロな白黒で表現して下さい〕
ファイル10 OIL S.O.S
オイル怪獣クラプトン
登場
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〔推奨BGM 科学特捜隊のテーマ〕
【パシン!】
「勝負あり!!」
三門市の外れの『お化け屋敷』の地下訓練場では、
竹刀が叩く音が響く。剣持はルールブックを片手に、隊員達が激闘をする中、俺は審判を務めていた。
今日はカンフー隊員が楽しみにしていた格闘技大会の日……肝心のカンフーは前の出撃の怪我のリハビリの真っ最中……一番格闘技が強い人が欠席の男チームは必然的に女チームに劣勢を強いられていた……
格闘技大会は、降参するか先に4ポイント制した方が勝つ……暗殺系統の使用は禁止のルールで、後はそれぞれ今日まで鍛えた肉体と覚えた技で、格闘するだけ……
武器は原則に付き………………一人一つまで、
格闘技故に射撃や銃の使用は禁止。
サンダース隊員はサボりロイド隊員は、善戦するもポニー隊員と勝負して敗北。木刀持つ手首を擦りながらハカセは、汗だくになり降参の言葉を口に出す。
ハカセ「参りました……」
へなへなと腰を下ろし、眼鏡柄のハンカチ
で汗を拭く。
ポニー「これで4連勝!!」
嬉しそうに自分が勝利した事を喜ぶ彼女は
アイドル隊員達を始め女性陣の元に駆け
寄る。
ポニー「どうよっ!皆!ボクの剣道四段の腕前は!!」
ジュリー「射撃もそのくらいに頑張って
欲しいわ。」喜ぶポニーに小言を軽く言い
ながら、彼女の頭を優しく撫でる。
ポニー「えへへ。」
アイドル「でも本当に凄いよ!?」
ダイアナ「流石、カンフーと互角に戦え
るウチの切り込み役!!」
女性陣は楽しく会話している余所で
男性陣はお通夜の状態になっていた……
アラシ「手も足も出ないとはまさにこの
事……」武器鉄パイプ
イデ「カンフーがリハビリ中なのが痛い…」武器メリケンサック
グラサン「剣持は瞬殺されたし……」
武器釘バット
「すいません。剣道はそんなに得意じゃなので……」武器木製レイガスト。
(剣持ってもしかして、盾持って射撃した
方が強いんじゃ……)
(根拠のない事を言わない……)
先輩達に平謝りをする剣持。
日頃死と隣り合わせの仕事の為、こういう大会
は手を抜かないと疲れるだけだ。
ハンサム「チャールズ達も参加すれば
いいのに……」武器レイピア。
グラサン「訓練で怪我したくないからやめておくって、たくっ、喧嘩なら負けないのに!!」悔しそうに言うグラサンの発言に、無表情ながら戦慄を覚える剣持
(レッドマンと同じ思考してる人が、元
ヤンキーのグラサン先輩って……)
「次の対戦は、グラサン隊員とポニー隊員
」
ポニー「もう降参する?」
天真爛漫の笑顔で挑発して
グラサン「舐められてたまるかっ!?」
グラサンは釘バットを肩に担ぎ
ポニー隊員に向かって啖呵をきり!
ポニー隊員に一泡吹かせようと、
グラサン隊員は挑むが、敢えなく返り
討ちになる
グラサン「強過ぎだろ……ぐふっ!?」
「勝負あり!!」
竹刀の音が訓練場に響き渡るのだ……
その頃、海上石油プラットホームが、
突然、爆発炎上!!
乗組員は脱出する暇もなく、引火し燃える海上石油プラットホームと共に海に沈み
海上保安庁が直ぐ様出動するも、生存者は
無し……
赤いエイに似た生物が、その光景を遠く
から見つめていた……
此処までくれば、怪獣を探知出来るレッドマン
が怪獣を探知して退治すれば良いと思っている
だろう……
だが……怪獣はまだ…普通のエイとそんな
に大きさは変わらない為、レッドマンは、
普通の海難事故と思っていた……
怪獣は海に潜り姿を消す……
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油田が多いスエズ湾の石油プラットホーム周辺をパトロールしていたアフリカ支部のヒューマファイター1号は、ここ最近の事故に気を付けるよう、外部スピーカーをONにして働いている作業員達に呼び掛ける。
アフリカ支部隊員《現在、各国石油プラットホームに海難事故が多発していております。事故のないようにお願いします……》
いわゆるパトカーで事故防止を呼び掛けをするような物だ。
普通は、石油プラットホームの代表や責任者達を集めて、各仕事の様子を説明して不備がないか……データを貰いたい所だが…怪奇案件でもない普通の事故なら、沿岸警備隊とかに任せた方が良い。アフリカ支部も勿論救助活動はするが、アメリカやパリや日本に比べて、
最新鋭の装備や機材や戦闘機や大型ロボットじゃない為、少し不満だ。
それでも俺はこの仕事はしっかりする。怪獣やら怪奇事件がない事は、良い事だから
ヒューマファイター1号は旋回して、石油プラットホームから離れる
アフリカ支部に戻る
それから3時間後、その石油プラットホームも突然、爆発炎上し、アフリカ支部は、救助活動に大型ロボット ロボー47を出動させるのだった
中古の大型ロボだが100%の状態に整備されて今回は
レスキュー装備をして出動、関係各所と協力して救助活動を続ける。その救助活動をしている中アフリカ支部の
ロボー47のレンジャーパイロットは気付く
パイロット「油が無くなっている!?」
石油プラットホームは爆発炎上をしたが、辺りを火の海にしたわけではない。一部が燃えて爆発して火災を食い止めている間、出動要請で駆け付けて来た。
石油が無傷のタンクもある筈なのにその残りタンクが一つ残らず空っぽになっている事に気付いた。
その事をアフリカ支部に報告したと同じ頃、少しずつこの海難事故が只の事故ではない事を気付き始めるのだ。
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カフェブラックスター2号店
真琴「もしもし~~」
「!!……ここは…」
夜の喫茶店で一人カウンター席に座りながら、うたた寝をしていた剣持。
寝ている剣持を真琴は起こして慌てて周りを見て……
真琴先輩と目と目が合う……
真琴先輩はこちらをじっと見ている。
(!?)
一瞬、黒髪ロングの青目の真琴先輩が銀髪ショートの赤目の別の女性に見えた気がして剣持は両目を片腕で擦り、
(目の錯覚か……)
幻影はイポポの時に、真夜中の遊園地で見た女性に瓜二つだった……両者似てないのに……
真琴「疲れているの?死んだみたく寝ていたし」
「……疲労が溜まっているだけです。お会計お願いします。」
真琴「はいはい。」
野島「はいは一回よ。真琴ちゃん。」
真琴「すいません。先輩。」
ゴリアテとクローヘッドの戦いの傷を空いた時間に自己回復させている剣持。格闘技大会であっさり負けたのも、怪我の悪化を阻止する為、審判を買って出たのも、本調子ではないから……
野島「ありがとうございました!?」
剣持がお店を出た後、
真琴は申し訳なさそうな顔で、
真琴「もう少し寝かせた方が良かったかな~」
この店のマスターの神父は、煙草を吸い
煙を味わいながら、
神父「……今日は客がこねぇな~~」
完全に駄目な店長のやり方だ。
しかし本人は、本業がカフェの店長では
なく、別の職業である為、さして気に
しないのだ。
野島「そういう日もありますよ。」
この野島も、そんな変わり者の店長のやり方を
程々目を瞑ってくれる理解者で
、この人カフェの店長よりバーのマスターの方が
似合うのでは?っと変な事を考えるのは、多分
間違ってはいない。
その時、お店のドアが開き、
野島「いらっしゃいませえぇぇぇ!!」
城戸「……一人です。」
野島(まさかのヤーさんが来た!?)
営業スマイルで相手の顔を見た瞬間、
心の中で慌てる野島。
真琴「お好きな席にどうぞ!一名様ご案内」
額に傷を付けたヤバい雰囲気の男性に
満面の営業スマイルを見せる真琴に
野島は尊敬を覚える。
城戸はふとマスターと視線を合わせてこう思う。
城戸(何だこの喫茶店のマスターは……
どうして神父の格好しているんだ?)
神父(悪魔祓いで色々と対峙する時に
感じる、俺の勘が告げる
……こいつは、かなり強い……何処のヤクザだ。)
カフェブラックスター2号店の店長。
吸血鬼と人間のハーフで、バチカン市国の法皇に仕える
影の秘密結社の一員。
コードネームは、影の狼
武闘派の悪魔祓いでニコチン中毒者
。好きな映画は【コンスタンティン】と
【ブレイド】
最近は細田守監督作品を見ている。
聖書は丸暗記して結構キリスト教側だが実際はお経を唱える方が得意……家は仏教の浄土真宗。
城戸「…ストロベリーパフェを一つ。」
真琴「かしこまりました!店長。ストロベリーパフェを一つ!」
神父「おおう。」
神父(あの強面でストロベリーパフェだと!?こいつ出来る!!何処の組長だろうか……)
神父はボーダーの人に詳しくない等と変な下らない考えを互いにしていた中
真琴(剣持君……大丈夫かな……)
真琴は後輩の事ばかり考えていた。
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その頃ロボット工学研究所……
研究所の職員達は、会議室に集まり、
【パシフィック・リム】を見ていた……
巨大ロボットと怪獣のプロレスファイト
は大変迫力があり、面白いのだ。
ウルトラーVの再開発における問題点、
活動時間や、武装面のヒントに、
【マジンガーZ】作品を始めダイナミック
なロボット作品を上映しながら、
あれこれ談義していた……
科学者1「やっぱりチェルノ・アルファ
の装備を入れようよ。」
科学者2「頭に原子炉でも付けるつもりっ
すか?」
科学者3「クリムゾン・タイフーンの回転
ノコギリのギミックを両手に内蔵しよう。
」
科学者4「接近用のエネルギーソードで、
問題ないだろう。問題は、あの重量の
機体を動かすエネルギー問題だ。」
科学者5「プラズマキャノンは?」
科学者6「何10万㌧の相手に有効的な
ダメージを与えられる程のプラズマ
エネルギーを何処から持って来る?
攻撃用レーザービーム技術も何とか実用化
されて大体2年くらい、穴杯無電子工場の
連中と技術提携でもしない限り難しいぞ、」
アメリカに本社を持つ軍産複合体だが、
専門はあくまでも電子・電気機器の穴杯無
は、ガイスト達がバラキに敗北した事実に
結構、堪えたらしく。
先日、クローヘッドに有効的な攻撃を与え
何とか倒したガイスト達を、また改修しに
こっちにアドバイスを貰いに来た……
【クローヘッドを圧倒した試作ウルトラー
Vのデータを貸して欲しいと……】
勿論答えは……無理だ……
ガイスト達は製造コストが日本のより安い
を前提に開発して運用も単機より複数で
1匹を倒すを基本としている。
日本のロボット技術は海外に負けては
いないが、いかんせん。コストは馬鹿高く
とても量産タイプには向いていない。
むしろこっちはそのコストレベルで
ちゃんと怪獣を倒せるロボットを製造
出来ているから感心しているのに……
武装も内蔵タイプより、外付けで状況に
合わせて持ち替えられるのは羨ましい…
丁寧にお断りの返事を穴杯無電子工場の
人達に返して、
ロボット工学研究所は悩む……
コンセプトと会社や国ごとに当然違う。
対立関係等はないが、
メインフレームや装甲の素材、各電子
回路に内熱機関やOSに色々と問題は多い
それでも、ガーディアンAより強い怪獣がこの先必ず現れる事がわかっている為にも
彼らは、ない頭を集め山済みの問題点に悩ませながら、
会議室の窓から映る
格納庫に購入された中古のロボー47を見る
……
某国で出現したカテゴリー3の怪獣と
激しい戦闘の後、
所々傷だらけで、両腕の先がないロボット
を現地で改修している整備士達。
ウルトラーV以外の試作ロボットのパーツ
をロボー47に調整させながら、
軟鉄装甲以上の硬い素材で製造された
装甲板を整備ロボットを操作しながら
溶接している。
『お化け屋敷』の大型機動兵器の主力の
ガーディアンAも修理最中、戦力は弐式と
鉄山のみ、
有り合わせだが、あのロボー47がピンチヒッターだ。
科学者達は会議を続ける。
何としても、ウルトラロボットを完成させる必要がある!?
暫くして彼らは……
【パシフィック・リム】を見終わった後、
ウルトラーVの動力部分に原子力と同等の
凄い強力なエンジンを試しに搭載して
見る彼ら……
本来の用途とは明らかに違う巨大な
エンジンを小型に改良するのはまた別の話
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三門市 玉狛支部
ボーダー最強の攻撃手の一人。玉狛第1の小南は必死に烏丸が持つトランプの手札を睨む。木崎と宇佐美は既に上がり、陽太郎が何気なく始めたババ抜き。
陽太郎、木崎、宇佐美は順番に一抜けして、勝負は小南と烏丸の一騎討ちとなる。
小南「う~~ん!!」
唸る小南。
烏丸「小南先輩。……そろそろ勝負を
付けましょう。」
至って冷静に小南先輩を観察する烏丸。
小南「上等っ!?」
烏丸が持つ2枚のどちらかがジョーカーだ
。こちらは1枚。
烏丸「さぁ、どうぞ……」
暫く小南は右か左のどちらを取るか迷う。
小南(京介の性格からして右!……否、
私が右を取ると読んで左!……それを
読んでやっぱり右か!!)
烏丸「まだですか?小南先輩。」
小南「まだよっ!?」
彼女は慌てた表情を顔に出しながら、
交互にトランプの札を見る。
小南(右左右左左??やっぱり右!左右
でも左!?右左右左右左右左右左右左!?
どうする!!私!!えぇーいままよ!!)
脳裏に沢山の葛藤をして、目を瞑り烏丸が
持つ一枚のトランプの札取る。
恐る恐る目を開けてトランプの札に描かれ
た物を見る……
小南「なっ!?」
驚愕の表情をする小南。
烏丸「では……」
淡々と勝負を続ける烏丸。
小南「ちょっ!?」
5分後……
玉狛支部の外 夜風に身を晒し熱くなった
心を落ち着かせるが、一向に悔しい思い
が強くなり、口に出す……
小南「もう悔しい……」
悔しい表情をする小南を宇佐美が優しく
フォローする。
宇佐美「後でもう一回するから……落ち着いて……」
小南「栞……」
宇佐美に宥められて
小南「やっぱり悔しい悔しい!!」
駄々っ子見たくする小南は、
本当に悔しかったのだろう……
宇佐美「あははは……」苦笑いして
小南に寄り添う宇佐美。
木崎「宇佐美、小南、晩御飯が出来たぞ。」
宇佐美「じゃあ、先に戻るね。今晩は何かな?」
皆がいる所に戻ろうとする人。
木崎「中華丼だ!?」
陽太郎「おいしいぞ!?」
小南「しゃあない。」
いつまでも塞ぎ込むのも仕方ないから小南も
戻ろうと立ち上がり歩き出そうとするその途中、
小南の足に何かぶつける。
小南「?」
しゃがんで拾って見ると、それは女の子の
人形だ。金髪碧眼の綺麗なフランス人形で
次に思った事は……
「これ?誰の?」
……自分のではないとすると栞ちゃんか?
まさか!?トリマルや、陽太郎の?
いやいや……それはない……
「誰かの落とし物かな……」
もしそうなら交番に届けないと……
木崎「小南。どうした!?」
小南「今行くわ。レイジさん。」
慌てた様子で人形を持って小南は彼らが
いる場所に戻る……
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『お化け屋敷』の作戦司令室
剣持は数日前に渡された操縦マニュアルを自分のデスクの椅子に腰をおろして読む。
『ロボー47』
最近、敵として対峙した大型兵器の操縦方法が細かく書かれており、タイムラグを
始め数々の注意事項や基本システムの運用
の説明を静かに黙読する。
隣に座るグラサン隊員とリリアン隊員も
ロボー47について熱心に勉強をしている
様子をチラッと見て、剣持も真面目に
座学をして構造やら色々学んだ感想は…
(動く棺桶だな……)
(でも結構活躍している量産型だよ。)
身も蓋もない感想だった……
グラサン「こういう事は苦手だ~~」
ハンサム「口より目を通せ。暫くしたら
筆記テストで、その次は実技だぞ。」
軽口を叩く二人の後ろで黙々と勉強を続け
る人がいた。
ダイアナ「…………」
沢山の付箋紙が付いた分厚いマニュアル
を真剣に自分のノートに要点を書き込み
ながら勉強するダイアナ隊員に
リリアン「大丈夫?ダイアナ。」
ダイアナ「ご心配は無用ですわ。ロボット
の操縦の一つくらいわたくしはマスター
して見せます!?」
(こりゃ、軟鉄装甲兵弐式八分九厘より
武装や出来る事が多い分、複雑化された
操縦方法を覚えるのは一苦労だな。)
巨大な人型ロボットは人と同じでも
全部が同じではない。そもそも構造が
違い過ぎる……エルヴィル星人の超機獣
は有翼竜をモチーフに開発量産したが、
人の体内を構成する生命活動に必要な心臓を初め各臓器は勿論。全身を巡る血管や神経、大腸菌を初め赤血球や白血球、人体を支える約206本の骨、思考する脳。栄養や空気を確保する気管や色々と複雑なパズルで綺麗に構成されているのが人体なのだ。
巨大人型ロボット開発する人達は、
人型を開発するに辺り、人型として稼働
出来るのに必要な物を、最低限用意して後は人体にはない武装を内蔵させて
戦闘を前提に開発している。機械と人体の構造が勿論違う為、人体見たく滑らかに
は動かない。
効率よく動きを覚える為の仮想訓練や、
システムの基本のノウハウを頭に入れて
訓練しないと、実戦で只の棺桶に乗る嵌めになる。
そう思うと、ガーディアンAを短期間で
操縦を覚えた諏訪隊長は、才能ある事実を剣持は知る。
暫く真面目に資料を確認し勉強して肩が
軽くこる剣持は自宅に勉強する事を頭に
入れながら、『お化け屋敷』を後にする。
「すいません。今日はもう帰ります。」
ハカセ「お疲れ~~」
墨汁で『闘魂』と書かれた鉢巻を頭に
着けたハカセが言う。
リリアン「お疲れ様~~」
のほほんとしたリリアン隊員の返事を
聞いて剣持は司令室を離れた。
ふと剣持は、ここ最近田端達に顔を見ていない事を思い出し、次の学校がある日彼らに会いに行こうと決心する。
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翌日、剣持が通う三門学校にて
田端達がいる新聞部に顔を出すと……
井上「ネタが………………ない!?」
やけに声を溜めて言うのは井上一平。
田端「いつもの事だろう……」
自分の席に座りPC画面とにらめっこ
するのは部長の田端直人。
吉井「何か……面白いネタ。何処かにありませんかね~~部長。」
オカルト掲示板から色々な話を探す吉井結花。
と部室の外まで聞こえてきた……
その様子を部室のドアを少し気まずい感じで開く
剣持。
「お邪魔します~」
三人は剣持の声に気付き視線を向ける…
田端「おっ、良く来てくれた剣持君。
ようこそ。新聞部へ。」
気さくに田端直人は、剣持の来訪を素直に
喜ぶ。
井上「まっ私物まみれだけど、どうぞ
どうぞ。」
井上はそう愚痴をこぼして剣持の為椅子を
用意する。
吉井「あっ、このガールズバンド。今度近くのライブハウスに出るんだ。前売り
券を購入しないと……」
眼鏡を光らせて嬉しそうな顔で画面を見る
田端「後にしてくれ。吉井さん。」
趣味の世界に飛びかけた吉井を止める田端
部長。
吉井「あっ、」
何かを見つけた表情をする吉井さんに
剣持は尋ねる。
「どうしましたか?」
井上「またガールズバンドのライブの奴
だろ。」
吉井は一瞬ムッとした表情を見せて、
吉井「違いますよ!?また石油コンビナート
で謎の石油が無くなる事件ですよ。」
男3人が吉井が見ているPC画面にしぶしぶ
近づき、
ネットニュースで話題を読んでいる。
【石油盗難の謎。これで3件目。犯人は
誰か!?】
吉井「これは怪奇案件ですよ!?
部長!?」ワクワクした表情で彼らを見て
田端「よし。井上。」
田端は冷静に部員の井上一平君を呼んで、
井上「はい。部長。」
田端「さっそく現場に行って取材して
来い。」まるでベテランのデスクのような
発言をする部長に井上君は
井上「はい!?ってあれ?えぇーー!!」
淡々と言われた事にびっくりする井上。
流石の剣持も、
「まぁまぁ、落ち着いて、もし盗難
事件なら普通に警察の仕事ですよ。高校の
部活動の域を越えるのは、駄目ですよ。」
井上「だよな。」
剣持に同意をふる井上、
「せめて関係各所に取材許可を取るとか
保護者同伴とかでもない限り」
剣持は真面目に言うと部長は、
田端「それだ!?例の黒野さんにお願い
しよう。」
「「えっ!?」」
その時、部室の扉が開き|д゚)チラッと顔を
出すのは、
真琴「呼んだ?あれっ?剣持君。」
ひょっこりと顔を出す真琴先輩に、
剣持が新聞部にいる事に軽く驚きの表情
を見せる。
吉井「あっ、真琴先輩。こんにちは。」
「どうして、先輩がこの辺りに…」
真琴「私がいる美術部がここの近くだから
さ。それよりも、面白い話が、聞こえて
しているね。詳しい話をお願い。」
ニコニコ顔の先輩に、新聞部は事情を話す
。
真琴先輩は近くの椅子に座り、
真琴「成る程ね。…………実を言うと家も
その石油盗難の被害者なんだよ。」
吉井「えっ!?」
田端「本当ですか!?」
真琴「世界中で色々な事業をして利益を得るのが基本のウチだけど、その中の一つに油田も一応持っていて私の義理の兄の所有してる石油タンカーが日本に向かっている途中で、"何か"が原因で破壊されたんだ
。」
部室の空気が少し重い雰囲気になる。
「海難事故……ですか?」
真琴「普通ならね。でも……石油タンカー
が事故を起こしたら中に積まれた石油が
海に流出して、連日テレビニュースに
なるよね。」
田端「そうですね。」
夕焼けが真琴先輩に影を作り、まるで
怪談話をするようににっこり顔が、
却って怖い印象を見せる真琴先輩。
真琴「石油のみがまるで最初からなかった
かのように、空っぽだったんだ。タンカー
の燃料も空っぽ。」
井上「そんな、まるで怪談じゃないか!?
」
…………海上保安庁が救助した時、生存者
は二人。
何か恐ろしい物を見た感じに必死に説明
する甲板部員の一人は、錯乱していて
事情聴取が難しい。
もう一人は、恐怖で震えており、しきり
に「俺は見た……」を繰り返している。
真琴「このままだと財閥の系列の石油会社の社員達も不安がって仕事にならないよ……海底パイプの破裂、オイルタンクの破裂、ここ暫くは事故が多いから、会社の株も下がるし、原産地のサウジアラビアの油田を持つ彼らの信頼を失ってしまうんだよ…」
思ったよりも大事になっているようだ
真琴「そこで、ボーダーとその部署の
『お化け屋敷』に調査依頼をお義兄さんがしてくれるはずだけど……」
剣持は暫く考えて……意を決し、口を開く
「……その会社。社会見学は出来ますか?
」
その言葉に、真琴先輩は嬉しそうな顔を
して、
真琴「調べてくれるの!?」
「普通の事故や盗難事件とは聞いていて
違うみたいですし、あくまでも調査です。
……」
それでもこれは……調査した方が良い
と俺達は思う。
真琴「それでも助かるよ。」
田端「……では詳しい予定を決めよう。」
まるでどこかの会社のプレゼンテー
ションする課長のような振る舞いをする
部長がクリアボードを用意する。
井上「変に格好付けるなよ。」
田端「うるさいぞ。一平。」
吉井「ハイハイ。話がこれ以上に脱線
しない、」
田端「目標は、面白いネタをゲットする
事、これは新聞部の目的。」
「俺は……今回の事故原因を調べる事、
出来る事は限られているが、今回の事故は
全て石油が関連のようだから、その辺りを
調べてみるよ。只……」
流石に海底パイプがある場所を見学出来る
とは思ってはいない。破裂したオイル
タンクの残骸を見てみよう。
「けど許可は『お化け屋敷』の
上の人達がくれるか確認させて下さい。」
剣持は上層部に連絡する。
真琴「私も賢人義兄さんから社会見学の
許可を貰って見るよ。」
真琴先輩も兄に連絡をする。
暫くして、
一の谷博士「うむ。もし只の事故では
ないのこれは我々の仕事だ。」
「では……」
一の谷「なら、私からムラマツ君達に
許可を認可する。心強い味方も私から
送ろう。」
「ありがとうございます。」
俺は、電話相手の一の谷博士にお礼の言葉
を言い。
「こっちは一応、一の谷博士から許可を
貰ったけど、」
真琴「こっちも許可貰った。保護者同伴
前提だけど……」
真琴先輩から見学の日取りが決まり、
剣持は知り合いのボーダーの隊員達に今回の
社会見学の同伴をお願いして見る
普通の事故なら何ら問題ない。普通に
現地に向かい、見学の合間に事故現場を
調べて、その調査記録を信頼出来る頭の
ネジが数本外れた科学者達に提出して
調査結果を貰い。それを黒野先輩達に
渡せば、綺麗に収まる。
普通の事故ならば……
もし"普通"ではない場合、俺は問題ないが
田端さん達や真琴先輩は一般人の為、
俺が傍にいない時に、彼らを守ってくれる
ボディーガードが必要だ。
前回の秋葉原の竹中博士の自宅後でも、
黒野先輩と二人で、何とかエルヴィル星人
とホーンを分断して新聞部を守る事が、
出来た。
一人で出来る事には限りがある……
取り敢えず剣持は知り合いのボーダー隊員
達(一部を除き)に軽く石油会社の社会
見学を調査に同行する理由をメールで記入
して送信………………
正直、この時期はB級ランク戦の為、
参加する余裕がある人は少ないだろう……
と思っている。
ランク戦が無くても三門市の警戒区域の
防衛任務が基本のボーダーの正隊員達、
報酬金が出る訳でもない……
予想通り……複数のメールが予定日が埋ま
ってお断りの返信が幾つも来た……
「…………流石に突然過ぎるか……うん?」
当日は真琴先輩や新聞部達の皆から離れないようにしよう……っと考えていたら…
『佐鳥だよ!OK!OK!その日は空いてるよ
!!一回製油所の社会見学して
見たかったんだよね~~』
ノリノリでサムズアップする佐鳥先輩の顔写真がメールと共に送られる。
(やっぱり三枚目……)
嵐山隊 狙撃手 佐鳥先輩が参加してくれるだけでも皆の安全度は上がる……
『ありがとうございます。』
俺はお礼の返事を佐鳥先輩に送り、
佐鳥『大船に乗った気持ちで任せてよ!?
』
ひょうきん者だが、面倒見が良い先輩で
剣持は安心する。
「……取り敢えず一人確保。」
田端「こっちも、助っ人を呼んで了承は
得たぞ。」
田端部長がノリノリに言う……
「……お巡りさんは辞めといた方が
いいよ。」
流石に、三門市の駐在のお巡りさんを京浜まで
同行させるのは可哀想だろう。
田端「違うよ!?知り合いのボーダーの人に
お願いしたら見学に参加してくれるって
返事がきたんだ。」
「知り合い……志岐さんですか?」
剣持は新聞部の知り合いに依然一緒に秋葉原に
出掛けた那須隊のオペレーターの志岐さんを
予想するが、
田端「あっ、違う人……まっ当日までの
お楽しみだよ。」
何だか罰が悪そうに言う彼らが気になるが……
色々とこっちも個人的に準備する物も
あるし、一旦解散する……
剣持は下駄箱の靴を取りに校舎口に
歩いて行ったら……
香取「………………」
知り合いの後ろ姿を目にする……
彼女は楽しそうに、友達と和気あいあい
と帰る姿を剣持は黙ったまま見つめて、
彼女に気付かれる前に、そそくさと自分
の靴を取り替え、その場から移動した…
剣持はうつむき、違う校舎口から自分の
靴を履き……校門を出る……
本当は後ろから声を掛けて…………
声を掛けてどうするんだ……
また彼女の心を乱すのか……
彼女の日常を壊すな…………
俺が近くにいるだけで、彼女を苦しめる
のなら、俺は……彼女の近くにいない
方が良い……
真琴先輩はリムジンで帰宅して……
新聞部の皆は、それぞれのマウンテン
バイクに乗り、
俺は……そのまま徒歩で帰宅する。
自宅の玄関の扉を開けて、自宅に入る
来客が殆どこない二階の自室の扉を
開ける。
巨大ロボットの操縦方法について沢山
の本が乗った自分の机の椅子に座り、
剣持は博士達から購入した物理の本など、
高校との宿題とは別に自習学習をしていた。
『ロボー47』に乗る為に剣持は必死に
マニュアルに書かれている物を頭に入れる
いつでもレッドマンに変身出来る訳じゃない…
自分で出来る事を増やさないと……
少しでも。
ここ最近購入した機械工学の本を本棚にしまい。
ベッドを占領する工具箱をベッドの下にしまい。
「さて……」
夕陽が自分の部屋の窓に照らして、黙々と勉強する
剣持。
その時、スマホが鳴り始めて剣持はスマホ
を取り応対する。
「もしもし……」
志岐《もしもし…私だよ。剣持君。》
「どうした?何か事件か?」
そう言うと志岐は少し不満そうな声になり
志岐《……怪獣や怪奇案件じゃないと電話
しちゃいけないの……》
今度は寂しそうな声になり、
「……ごめん。完全に今のは俺が悪かった
本当にごめん。」
剣持は反省の言葉を言う……
完全に習慣になってしまっていた。
志岐《まぁ、許そう……映画の無料チケットを
2枚もらったんだ。もし良かったら今度一緒
に観に行かない!?》
まさかの映画のお誘いだ。
「……俺でいいのか?」
志岐《剣持君。映画好きでしょ。東京の墨田区の映画館の奴だけど期限が来月末までだからどうせ無料なら映画館で見た方が良いよ。》
「予定の日を決めよう……」
志岐《じゃあ……この日はどう?》
剣持はカレンダーを見て、
「あぁ。その日なら空いている。その日に
しよう。」
志岐《まっ人知れず世界の為に
頑張っている剣持君にささやかなご褒美を
上げるから、もっと喜んで良いんだよ。》
電話口の彼女は楽しく剣持に話し掛ける
「本当にありがとう……じゃあ、またね。」
彼女と話しをして少し気持ちが軽くなった気がす
る
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
志岐の家
志岐の自室にて……
志岐「フォオオオオオオオオオッ!!」
奇声を叫び自室のベッドにジャンプして、
転がり回る部屋の主は妙なテンションで
両足をバタバタさせ全身で興奮と喜びを
表す。
顔は真っ赤になり、ドキドキが止まらず
枕に顔を押し付けて深呼吸をする。
『ビリリリリン!!ビリリリン!!』
志岐「あっ、ランク戦の対策会議の
時間だ!!」
ドキドキする気持ちを切り替えて、
那須隊長の部屋にもう皆集まっている。
ヘッドホンを付けて、オンライン会議
の準備を手早くする。
最もこっちは皆の顔は見えるけど、
逆に向こうからは私が作った画像しか
見えないのは……私に合わせてくれている
お蔭だから那須隊長達には頭が上がらない
……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
暗い夜の海……
三門市で彼ら彼女らが思い思いの事をしている
間に……日本にソイツは迫って来る……
漁師2「よし!?大量だ。皆、ちょっとは
手伝え。」
「「応!?」」
予め仕掛けた金属の網を引っ張る為、
海の男達が集まる……
ピチピチと跳ねる鰹やマグロを見て……
漁師1「おっ、こりゃまた新鮮だ……
ソイツは近くの漁をしている漁船に
気付かれず近付き無数の伸びる触手が、
船のスクリューを止める。
船長「あっ、また故障か?」
男は仲間達と共に夜の漁をしている……
漁師1「おいおい。また近くの仲間に連絡
か?」
船長「大丈夫だ。こんなのしょっちゅう
だろ。それより今度購入する船はコイツ
より大きいから色々と道具を詰めれるぞ
!?」
楽天的に答える船長に仲間達は喜ぶ。
漁師2「( ´∀`)ハハハハハハそいつは
楽しみだ……」
船長「へへへ、うん?」
明るい話題に笑う船長だがふとっ燃料計
を見ると怪訝な表情をする。
漁師3「どうした?親分。」
中の良い酒飲みの部下が近付き、
船長「見ろ。燃料がみるみる減ってやがる
……」船長は驚愕な表情に代わり
漁師3「( ´∀`)ハハハ。そんな訳ないでしょう
ちゃ~んとディーゼルエンジンに軽油は満タンに………………本当だっ!!」
漁師は操舵室の燃料メーターを凝視して
、遂には……
船長「燃料が……空になった……」
冷静に燃料メーターが0になる様子を黙って
見ている事しか出来なかった。
漁師3「親分!!」
漁師は怖い物を見たように真っ青な顔になり、
異常事態を冷静に対処した船長は漁師達に
喝を入れよう
船長「落ち着け!?港に連絡して、【
ドシン!!!!】何だ!?どうした?」
その時、漁船が激しく揺れる
漁師2「親分!?しっかり運転して下さい
!?」
当然ながら燃料がないから進む事も戻る
事も出来ない……なのに激しく揺れる!
?
漁師達は近くの物にしがみつく事しか
出来ず、この揺れが収まる事を祈るしか
出来なかった……
暫くすると揺れが無くなり……船は安定する…
漁師達は安心したのか、キョロキョロと
辺りを見渡して……真下から来る物を、誰一人も
……反応できなかった
ガラス繊維強化プラスチックの
FRP製(ファイバー・レインフォース
・プラスチック)の軽い漁船では……
「軽量・耐久性・形状の自由度・防錆製
(ぼうせいせい)・通信電波の透過性」
では海から来たソイツの一撃に耐えられ
る訳でもなく……
あっさりと真下の海から出現した巨大な錐
(ドリル)状の一角のによって漁船は、
大破する……
粉々に漁船を破壊したソイツは……
次の食事を求めて……石油がある場所を
目指す……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
社会見学の日…太陽が三門市を照らす時間
待ち合わせ場所で、一番早く到着した
剣持は、【ウルトラQ】の本を片手に、
隠密用の服をしまったリュックを背中に
背負い。合流場所で一人静かに待っていた
調査用にジャンクを始め色々と詰め込んで
荷物が結構重い。
事前に、バイク用の赤のレザースーツと
赤いフード付きのパーカー、赤い目だけ
露出したフェイスマスクに、スポーツ店に
売っていたスキー用の青いゴーグル。
靴は滑り止め用のスポーツシューズを購入
。
市販で用意出来る物は用意する。
(皆まだかな~~)
佐鳥「おーーい。」
特徴的な、そして気が抜けそうな声が
聞こえて、
剣持は声のある方に見る。
チェック柄のジャケットを来た佐鳥さんが、こっちに来た。
佐鳥「待たせな。あれ?他の人は?」
「まだですよ。」
佐鳥「よし。」
「何がよしっですか?アンバランスな目に会っても助けませんよ。」
佐鳥「アンバランスな体験をするの!!」
「普通とは違う超常現象を想定して置いて
下さい。石油会社だから、普通に危ない
場所なんですから、」
佐鳥「……ひょえ~~」
誰かが待ち合わせ場所に来る複数の足音
が聞こえて剣持は目線をその人に向ける。
染井「……」
香取隊の人達が、目の前にいた。
俺の空気が一瞬死んだ……
佐鳥「どうもどうも、今日は宜しくね。」
俺が一瞬、放心状態になったのに佐鳥先輩
がフォローする。
田端「いや~~ゴメンゴメン。ちょっと
迷子の子供を親と再会させるのに遅れ
ちゃった……」
田端達新聞部もこちらに走って来る……
そして剣持と香取隊の間に漂う重い雰囲気に無言
で目そらしする皆。
香取「……華。私、コイツが参加するって
聞いてないのだけど……」
こちらを軽く睨み。そのまま、ジト目で親友を
見る彼女は不機嫌の気持ちを顔に出す。
染井「……言ったら、葉子は来なかったで
しょ。」
若村「……今日は、宜しく頼むな……」
何とか普通の雰囲気に戻そうと若村さんが剣持
に歩みより右手を差し出して、
「……………………」
俺は無言で左手を差し出す。握手をして少し軽く
なったと錯覚しようとするが
香取「……」
不機嫌100%の顔をこちらに向けている彼女の
顔を見て、
「…………」
所詮錯覚は錯覚と自覚させられる。
真琴「おぉ~~い。皆~~」
後ろから真琴先輩の声が聞こえて剣持達は声が
する方向を振り向くと
1台黒い高級リムジンが俺達の前に止まり、
後部座席の窓が開き、
真琴「おはよう。諸君。素晴らしい朝
だね。」
明るい表情で朝のご挨拶をする真琴。
井上「おはようございます。真琴先輩!」
三浦「おはようございます。」
若村「おはよう…………?」
若村さんは何かに気付く。
真琴先輩の横に座る人と視線が会う。
独特な雰囲気をした眼鏡を掛けた青年がこちらに視線を合わせる。
弓場「お前らも、この社会見学に参加するのか……」
若村「!!!弓場さん。」
まさかのボーダーのB級銃手タイマン
最強の弓場隊のメンバーが、リムジンに
乗っていた。
若村「あの……どういった流れで……」
その質問を答えたのは、真琴先輩だ。
真琴「うちの賢人義兄さん。保護者同伴で
まさか弓場さん達を呼ぶなんて……」
どうやら黒野先輩の仕業らしい……
真琴先輩大好き過ぎだろ……
弓場「まっ、黒野の奴も忙しい中、
帯島の訓練相手してくれているから、
おつり代わりだよ。終わったら
『お化け屋敷』にカチコミする予定だから
宜しくな。」
(インテリメガネが殴り込みに来る…)
剣持は脳裏に変なイメージをするが、
外岡「隊長。また、黒野先輩に負けますよ。」
藤丸「アイツ迅に負けないくらいにセコいから
な。」
弓場「黒野の奴、俺とのタイマンだと、
前情報無しで、トリガーを全部替えるから
な。今後は勝つぜ。」
どうやら黒野先輩と弓場さんは……
結構こんな感じの仲らしい……
帯島「ウッス!!今日は宜しくッス!?」
元気良く大声で叫ぶ褐色のおかっぱ
頭の男の子がこちらにご挨拶する。
「宜しくお願いします……」
剣持はぎこちなく挨拶を返す……
彼は……たまに弧月の相手で何度か
ぶった斬った子だ。
危険探知能力の訓練で、目を閉じて、
視覚や聴覚とか頼らず、相手の動きを
察知出来るか……で、結構勝った相手だ
。
三浦「あれ?神田さんは?」
弓場「アイツは、今日は先約の図書館で
勉強だ。俺達だけだと不服か?」
三浦「いえ。」
真琴「さぁ、皆乗って乗って……セバス
。駅までお願い。」
セバス「はい。」
俺達はリムジンに乗り、近くの席に座る
……弓場さんと香取さんの間に……
(捕まった!?滅茶苦茶、会話出来ないゾーンに入った……まだ、若村先輩と三浦先輩の間が一番マシだった……吉井さん。何こっちにサムズアップしているの!?)
片方はほとんど会話した事ない人。反対は、
既に敵認定されたも同然の女友達……
こんな状況で得意の……そもそも僕はそんなに
会話が得意な人間じゃなかったな……
勝手に自爆したコミュ障。
(無心になろ。真の無心を極めるんだ。壁だ。
壁だ。お前は空気の壁になるのだ!?トォリャー!!!!って何処のタイガーマスクだ!?空
気の穴か?ボッチの穴出身か!?)
まるで刑務所に護送される囚人の気分である。
弓場「なァ、お前、「ひゃい!?」確か名前は
剣持だったか?」
「あっはい。剣持です。」
突然声掛けられビクッとする剣持。
威圧感が凄い。怖いでは無く接点が殆どないの
が問題だ。
弓場「お前、今回の社会見学をお願いしたんだって……」
「あっはい…………普通の事故には思えなくて」
弓場「……どうしてそう思った?」
まさかの尋問タイム。彼はホームカミング
のヴァルチャーか?
「……石油タンカーやオイルタンクが壊れ
たら、勿論、大事故ですが、石油が事故
現場に流出する筈なんです。ですが、
真琴先輩が話してくれた。空っぽになって
いると普通とは違う事象が起きている。
…………引火爆発した報告すらない……
だからそれを、確かめる為に今日は社会
見学に行くつもりなんです。」
長々と自分の見解を口にして、
皆静かに聞く。
弓場「……お前の言い分はわかった。
今日は宜しく頼むぞ。」
「はい。」
尋問タイムは終わったみたいだ……
剣持は視線を無視して、読書に集中する。
弓場隊に香取隊。そして佐鳥先輩。
思った以上に大所帯になったが、
剣持は無表情になり、感覚を研ぎ澄まし
本に集中する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
???「あら、貴方達ね。一の谷博士
から連絡が来て迎えに来たわ。」
駅前に一同は到着して、リムジンから
降りていざ駅に入ろうとしたその時、
一同に走ってくる中年女性に皆は気付く。
真琴「あっ、由利子さん。」
真琴先輩は嬉しそうな顔でその女性に
近づき、
???「久しぶりね。真琴ちゃん。」
真琴「2年ぶりですね。」
仲良く再会を喜ぶ話をする二人に剣持
は話し掛ける。
「先輩……その人どちら様ですか?」
真琴はその女性を紹介しようするが、
先に女性の方から名乗り出る
江戸川「フリーカメラマン兼フリー
ジャーナリストの江戸川由利子です。
。一の谷博士の紹介で今回の製油所に
ついて取材をする事になったわ。
今日は皆、宜しくね。」
弓場「こちらこそ宜しくお願いします。」
二人は互い信頼の握手をする。
江戸川「貴方が弓場さんね。賢人君から
話は聞いたわ。剣持君は……」
「俺です…」
ひょっこりと手を上げる。
江戸川「博士から色々と一連の事故関係で
協力して欲しいって念を押されているから
宜しくね。」
「はい……」
井上「剣持、あの人が……心強い味方か
……」
「そうみたい……」
中々元気に満ち満ちた女性だ。
各自自分の荷物を持って駅に入る。
それぞれ定期券や切符を購入して、
駅のホームで乗る電車を待つ。
各自チーム同士で会話する間……俺は
佐鳥先輩と一緒に……無言で電車が来る
を待つ。
佐鳥「最近、どうよ。」
「俺ですか?………………色々ありました
よ。」
インスタントカメラや望遠鏡をリュックに
しまい。
佐鳥「そうか……」
「先輩は?俺が関わっていない間に
女の子にモテましたか?」
佐鳥「全然モテないさ!!嵐山さんや
木虎ちゃんとかファンが増えているのに
俺はからっきしだ……分かるか?
広報の仕事で、タレントさんとか出る番組
嵐山隊長や木虎ちゃんがゲストで現れると
キャーって黄色い声援がスタジオに広がり、
収録終了してサインして下さいとか、握手
して下さいとか言われる嵐山隊メンバーの
中で俺だけ小学生に『おいっ佐鳥!?』
呼び捨てタメ口!!」
「心からお悔やみを申し上げます。」
佐鳥「……もっと格好良くなりてぇ……そしてモテモテになりたい!?」
心からの本音を口に出す佐鳥に、
剣持は真面目な声色になり、
「今日の真琴先輩達の事、本当に……頼みます。」
佐鳥「ああ。任せろ。お前はどうする
つもりだ?」
「ムズムズセンスが、少しずつ強くなって
いるんです。」
佐鳥「え?ムズムズ?」
始めて聞く単語に首を傾げる佐鳥。
佐鳥「風邪気味なのか?」
「そう言う訳では…………個人ランク戦
で色々と凄い人達と何とか戦えるのは、
そのムズムズが害意や悪意……敵意とか
に身の危険を教えてくれるんです。」
佐鳥は彼が言うムズムズはもしやサイド
エフェクト何じゃないかと疑問を持つ。
佐鳥「もしかしてそれって……」
「ヒマラヤで死に掛けたせいなのか……
後、たまに戦闘中……周りの時間が、
ゆっくりに感じるんです。俺以外がスロー
モーションみたいに……」
佐鳥「本当に大丈夫か?」
話せば話す程普通とは違うズレを聞く。
「今の所は……」
剣持はふとホームに貼られている紙を
見る……逃亡中の指名手配犯の張り紙
だ。
指名手配中の男性だ。髪は銀髪。
紫色のコートを着た。クールな印象を
持つ男性だ。
『銃刀法違反、バイク窃盗、住居不法
侵入、暴行、脅迫、殺人』
佐鳥「随分と悪どい奴だな……」
「名前とか、書いてないんだな……」
三門市に潜伏しているらしい……
三浦「物騒だね~~家族にも気を付ける
ように言っておこう。」
張り紙の人相を見て感想を言う三浦。
佐鳥「尚、既に手錠はされている模様
……?1回捕まってんのかコイツ。」
「そんな情報、ニュースでも流れて
なかったぞ。」
警察署から逃亡したなら、何かしら
ニュースとかで三門市に流れる筈なのに、
張り紙を見るまで事実を知らなかった
三浦「どうなっているんだろう……」
佐鳥「手錠しているなら、かなり目立つぞ。」
真琴「何の話しているの?私も混ぜて~~
」
「大した話じゃありませんよ。」
真琴が張り紙を見ようとする前に
電車が来た……
田端「俺らが乗る電車が来たぞ。」
「あぁ。今乗るよ。先輩も早く。」
佐鳥「あっ待ってくれ~~」
肝心な事を聞けずに佐鳥は剣持の後を追う
手荷物を持って佐鳥先輩と一緒に電車に
乗る。
電車に乗るのは……悪くはない。
空いた時間もあって、それぞれ好きに座る
中、俺は突っ立って窓から景色が変わる
様子を見る……
正直、ボーダーの人達と一緒に行動するのは最近
怖い……
いつもの生駒先輩達を始めとした面子なら大丈夫
なのだが、妙にこの面々だと、気が休まらない。
香取さん達とどう接するべきかもわからないし、
弓場隊はそもそも接点が殆どない。
今は窓から変わる景色だけが、心の圧迫
を忘れさせてくれる。
そして少しずつ危険探知能力が反応して
いる……
只……それは俺が知っている怪獣に比べ
て随分と微弱な危険度だが……
今同じ車両にいる香取さんと染井さんとは会話はしていない。
わかっているが……凄く寂しい……
彼女達の日常に災いを持ってきてはいけない、
彼女達の日常を壊してはいけない……
彼らに俺の秘密を話しても行けない……
彼ら彼女らは……ボーダーの皆は俺の中の日常の象徴だから……
染井「…………」
香取「華?」
染井「えっ?ごめんなさい。何の話だった
かしら……」
その人が自分を笑顔にしてくれたから、
…その人達が僕を孤独から救ってくれたから……
……その人達が僕に浴びる程の愛をくれた……
大切だから突き放して守らないといけない…でも
突き放されたその人達の気持ちを考えないように
するのは只の自己満でしかなかった……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
電車を幾つも乗り変えて京浜工業地帯に
向かう一同。
真琴先輩が途中で概要を改めて説明する
頻発するタンカーの沈没や海底パイプの
破損、不審な石油のみ無くなる海難事故
これから向かう製油所は……その事故
現場の一つで、
案内してくれるのは中井所員という名前
の人物らしい…
藤丸「また結構大きいな……」
外岡「ランク戦の工業地帯を連想させる
建物ですね。」
スチームパンクの外観の製油所を見た感想
を述べる弓場隊の二人。
井上「うわぁ、すげっ!?」
持って来たカメラでシャッターをきる
新聞部の井上一平。
剣持も本来の目的の写真を幾つか撮る。
そんな様子を香取隊は黙って見ている。
弓場「オイ!?あんまり人の仕事の邪魔
をするなよ。お前らァ。」
インテリヤンキーの注意勧告にビビる
剣持と田端。この人凄く良い人だけど
((( ;゚Д゚)))怖い!?
田端「すいません。つい……」
「((( ;゚Д゚)))ラジャー」
そうこうしている間に、江戸川さんを
始め真琴と吉井と帯島の三人は、受付
場所に向かい。
帯島「おはようございまッス!?」
元気良く挨拶の言葉を発し、
「すいません。直ぐにそっちに行きます
から……」
と小走りする音が聞こえて……
真琴「予定していた社会見学に
来ました。黒野真琴です。」
江戸川「取材に来た江戸川です。」
製油所の受付に顔を見せる真琴先輩。
すると近くの扉が開き中から受付の
中年女性が現れて、
受付「はい。お待ちしていました。どうぞ。
中井さん。」
受付が近く電話で人を呼ぶと……
20歳後半の男性が姿を現す。
藤丸「おっ、イケメンだ。」
外岡「でも内気な感じですよ。」
中井「今日はまぁ、遠い場所から遠路
はるばると……ようこそ、本日のご案内
をして貰う中井です。」
「「宜しくお願いします((ッス!?))」」
中井「おお。元気がある人達もいるね。
取り敢えず、上から事情は予め聞いている
から、今日見学する場所は事故現場なんだ
よね?」
江戸川「宜しくお願いします。」
真琴「はい。そうです。」
中井「じゃあ、案内するから、僕に付いて
きてね。皆。」
田端達「「はーい。」」
工業地帯の製油所で安全第一のヘルメットを付けたボーダーの皆は、石油がガソリンや灯油に変わる様子を遠くから眺めて写真を取る新聞部の皆、ボーダーの皆も日常で使われているその石油製品の質問等して、中井所員は
しっかりと答える。
尚、そんな中俺は……皆の傍に分身を残して……
幾つ物の製油所の屋上と屋上の間を飛び越えながら
背中のリュックに予め入れていた
赤いレザーライダースーツを人知れず
着用して、赤いフード付きパーカーを
着る。
靴を履き変えて、赤いフェイス・マスクに
スキーゴーグルを装備して
白いグローブを両手に着けて、
事故が会ったという現場に人知れず向かう。
製油所の屋上をトリオン体以上の身体能力
で駆ける。監視カメラや人のルートを
気配を消しながら進み。
破裂しただろうオイルタンクに到着する。
立ち入り禁止のテープが巻かれた現場を
本来の身体能力で着地して、インスタント
カメラで細かい場所を撮る。
(さて……妙な、ムズムズだ。怪獣でも
宇宙人の気配でもない。……だが、
確かに危険探知が動いている。)
(もっと集中しろ。ベム。どう危険なのか?それを感じるんだ……)
肉眼で、これと言った物は無い……
せいぜい破裂したオイルタンクには、
不自然な……ゴムホース1本分の広さの
穴が空いてる事
、それからレッドマン事剣持は、現場を
何度も周りながらカメラを撮る……
(只の普通の事故だったのかな~~)
(そろそろ、皆がここに来る。証拠を
残さず……撤収するか……分身。)
忍者の如く気配を殺して姿を眩ます…
(了解。本体……)
現場に移動している社会見学のメンバー
の中で剣持(分身)は突然苦しそうに
お腹を抑えて周りが少し心配する。
吉井「大丈夫!?剣持君。顔色が悪いよ
。」
三浦「どうしたの?剣持君。」
「お、お腹が……すいません。中井さん。」
中井「はい。」
「近くにトイレってありますか?」
中井「あっ、さっき道に戻った所に所員用
のトイレがありますけど……」
「直ぐに戻ります~~!!」
剣持(分身)は慌てて早足でトイレがある場所に
向かう。
佐鳥「ストレスかな……」
田端「後で胃薬でも飲ませるか……」
苦しそうに走る剣持の後ろ姿を見て
若村「…心配だな……。」
香取「…………そんなに心配なら、
見に行ったらどう?」
慌てて走る剣持の後ろ姿を見て香取は意見を述べ
て……
三浦「僕、ちょっと心配だから見て来るよ。……
麓っ君。後お願い」
若村「おう。」
香取隊の良心が剣持の後に着いていく事にする。
井上「……俺も見て来ようか?」
吉井「一平は事故現場の写真を撮る仕事
があるでしょう。」
井上「そうでした。」
頭の後ろを掻き役割を思い出す。
弓場「……俺が見に行く……」
三浦と弓場の二人が剣持の後を追う。
所員の個室用トイレの中にワープしたレッドマンは、分身を消して隠密用の服装を元のリュックに戻して、着替え終わり……トイレで用を足し流して個室から出る……
「皆が待ってるから戻らないと……」
所員用のお手洗いから出ると近くの休憩用ベンチに三浦と弓場さんが座っていた。
「待ってくれたんですか?すいません。」
三浦は優しく微笑み、
三浦「気にしないで。」
弓場さんは静かにベンチから離れて
弓場「…俺もトイレに行ってくる………」
そう言って弓場さんは一人、所員用お手洗いに静かに向かう……
三浦と二人っきりになる。
香取隊の皆は……根が悪意の奴は一人も
いない。
勿論、ボーダーの皆はいい人達ばかりだ。
隠し事をしている自分が只…嫌な奴だと思うだけそう思うと、剣持はうつむき表情を暗くさせて遂、悪いと思う…
「何か……すいません。こんな場所に付き合わせて……」
皆、予定とか会ったのに……その予定をずらしたりなんだりして、こんな面白く
もない場所に付いてきてもらって……
三浦「……良いよ。気分転換になったし
、ヨーコちゃんもあぁ見えて、製油所の
社会見学に興味津々みたい出し……」
「……そうか、まぁ……三門市にはない物だしな…」
三浦「何か悩みがあるなら相談に乗るよ
……僕達、モテない男の子の会のメンバー
だろ。」
剣持は俯いた視線を上に上げて……
「そうだな……そうだよな…………」
三浦さん。貴方は本当に優しいよ。どうしてモテないんだよ。本当に……
「三浦さんは、どうして今回の社会見学に
参加したんですか?」
参加するとは想定してなかった俺は……
普通に気になったから質問する。
三浦「……華さんが、新聞部の皆に参加して
くれないかって言ってきたんだ。」
「えっ?」
剣持の脳裏に田端部長達の姿が過る。
三浦「普段、彼女から僕達を誘うって
本当に珍しかったから……興味があった
んだ……」
「……そうか……」
(あいつら……気持ちは本当に嬉しいが
……悪いが、今は皆の思い通りになる訳には
行かないんだ。……皆を守る為にも……)
「……ありがとう……」
でも気持ちは確かに伝わったから剣持はお礼の
言葉を感謝の気持ちと共に口ずさむ……
三浦「!?…………うん。こちらこそ、」
三浦はそう剣持に言われて……確信する。
三浦「やっぱり、僕が知ってる剣持君だ……」
と優しく笑うのだった……
「僕の噂、色々と聞いているんですよね。
」
実は近界民。宇宙人が乗り移った別人。
大国からトリガー技術を盗みに来た
スパイとか、特殊訓練を受けた暗殺者
悪の組織によって全身を改造された改造
人間とか、est
……色々とベムが本部で暴れまわっている
為、そういう噂が何時の間か立つように
なった…………幾つかは本当の答えもある
けど……
三浦「まぁね、でも噂は所詮噂だよ。
本人が本当に認めていない言葉なんて、
ゴシップやワイドショーのニュースと
変わらないよ。B級やA級の人達は信じて
いないよ。」
朗らかに笑う三浦を前に、剣持は思い詰め
た表情をして、意を決死て聞く。
「香取さんは……その噂について何か言って
いましたか?」
三浦「???ヨーコちゃんは特に何も言ってないよ?」
「…………そうですか。すいません。忘れて下さい。」
三浦「……気にし過ぎだよ。確かに最近は、少し神経質で心配になったけど、今回の見学は高校でも良く行かない場所だから、表情は何時も通りだけど、工場見学みたいで内心喜んでいるんだから」
「……否、案外つまらないそうな表情で、早くこの時間終わってくれないかな~~って思ってるかも、」
気分屋は、イケイケにならない限り、めんどくさいの一点ばりだからな。
自分の興味を引く物じゃない場合、目に元気が
出ない香取さんの姿がありありと浮かぶ。やる気が完全になくなると酷く語彙力が無くなり屍同然になる。まっその時は、喉から手が出るくらい欲しい物をご褒美として用意すれば勝手に蘇生する
三浦「あっ、確かに考えてるかも、……実を言うと今度のB級ランク戦のマップ選択権で、どれに使用するか
麓っ君達と考えていてね。」
「……でもマップの工業地帯とここの製油所じゃ大分色々違いますよ。」
三浦「まっ、参考に成れればはついでに、
ヨーコちゃんの機嫌を良くすれば良いなぁ
がメインだから……」
「なら、彼女が好きそうな事をやらせれば
機嫌が良くなりますよ。まず俺が近くに
いないのが大前提ですけど、」
軽く自虐的な言葉を出す剣持。
三浦「……正直、僕は剣持君が羨ましいよ
…B級の上位の人達は勿論、A級の人達とも
互角以上に戦っているんだから……怖く
ないの?」
「二宮さんと一対一で戦っていると……
怖い気持ちよりも慣れが出て来ますね。
あれからたまにポイント無しでメイン
トリガー1つで個人で戦っています。」
三浦「えっ?」
大層驚きの表情を見せる三浦さんに剣持
は答える。
「あの人もキツい言い方で誤解されがちですけど、与えられた役割を真剣に応じる……何処にでもいる只……普通の人より、トリオンが多いだけの人なんだから、
俺も……三浦さんが、羨ましいがる事の無い……只の其処らに沢山いる怖がりで臆病者の訓練隊員の一人なんですから………」
三浦「剣持君……」
「三浦さんには、三浦さんの良さがあります。あんまり気を詰めないで下さいね
。今度のランク戦。勝って下さいよ。」
三浦「……うん。頑張るよ……」
三浦がぎこちない笑顔を返すには訳がある。
ランク戦は鈴鳴第1と王子隊が、今度の
相手だから、凄く勝つのが厳しいのが
本音である。
攻撃手4位の村上君に香取が戦うなら、
間違いなく、鈴鳴に分がある。逆に王子隊に挑むのも難しい……単純に、三浦と若村の二人の技量が、
足りな過ぎるのだ。ギリギリ乱戦で何とか二人は倒せてもエースの村上君や王子隊長が巻き返すイメージしかない……
剣持君は謙遜しているが間違いなく上位に食い込める実力を持っている。
そんな剣持を三浦は羨ましいと思うのは
自然の事だろうと剣持を横顔を見ながら考える……
弓場「待たせな……オメェら、」
お手洗いから戻って来た弓場さん。
「いえいえ、」
三人は皆がいる場所に戻った。
三人が戻っている間に、事態は急変していた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM ミステリィ〕
剣持達がトイレ前で会話している間
新聞部メンバーは事故現場に到着して現場
を改めて写真を撮っていた。
田端「やっぱり、只の事故なのか?」
江戸川「私は、関係者に色々と情報を集めてくるわ。」
吉井「私もお手伝いします。部長。また後で……」
二人はこの場から離れて人が多い場所に
行き取材する。
田端「気を付けろよ。」
許可を貰い周囲を井上が撮影している様子
を見て田端はそう考え始めた……
藤丸「何でも、怪獣やら怪奇やらに繋げる
のは悪い癖だぜ。」
弓場隊オペレーターの藤丸ののが、新聞部
をジト目で抗議する。
田端「すいません。」
素直に謝る田淵部長。
藤丸「あー。悪い。お前を個人で責めている訳じゃない。石油だけ空っぽになる妙な超常現象だから科学的な学者でもいれば、もっと詳しい事が解るんじゃないかって話だ。」
田端と外岡達は破裂したオイルタンクの残骸を
見て、
外岡「下に穴を開けて石油を抜くなら、
この大きさなら許容量も滅茶苦茶ですよ。」
田端「それだけじゃない。もしその方法
なら俺達がいるこのオイルタンクを中心に
ここら一帯が漏れた石油で浸水している
から、あちこちで強烈な石油の匂いが今
以上にする筈だ。」
製油所は原油を精製して燃料油等を始め
石油化学製品を造る場所とは独特な匂い
が多い施設だ。
見学メンバーは全員オイルタンクを眺めて
それぞれ思った事を口に出す。
外岡「でも実際はタンク周辺に石油は漏れて無く……」
香取「原因不明の破裂したタンクの残骸に……」
藤丸「中身の膨大な石油は神隠しでも
合ったか行方知れず……ってか?」
若村「まさに……」
田端「ミステリー……」
二人で声をハモらせて、
皆がそれぞれの視点から調査している中
双眼鏡を片手に残骸を良く観察する真琴は
真琴「うん?何あれ?」
若村「どうしましたか?黒野さん。」
真琴は双眼鏡から目を離し
「残骸と残骸の隙間……何か変なの見え
ない?」
染井「その双眼鏡貸して下さい。」
真琴「はい。」
染井「何処の残骸ですか?」
真琴「あの場所……」
染井は真琴から借りた双眼鏡で真琴が
指さして言われた場所を見る……
染井「うん?」
若村「何か見えたんですか華さん?」
染井「赤い……液体かしら……」
染井は冷静に見た感想は、赤い液体だ。
残骸と残骸の隙間に見えるか見えないか
ギリギリの狭さだ。色合いから見て血ではなさそうだが、警察達が見落としても不思議じゃない…
佐鳥「薬品かな?」
佐鳥も自前の双眼鏡でその液体を見る…
真琴「剣持君に採取して調べて貰う?」
若村「取り敢えず、俺は中井所員を呼んでくるよ。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
真琴「あっ、剣持君。」
「ごめん。皆、待たせてしまって。」
弓場「……どうした。オメェら、」
帯島は弓場に小走りで近づき、
帯島「あっ、弓場隊長。丁度聞きたかった
んですけど!?」
弓場「何だ?帯島ァ。」
三人は見学メンバーの所に戻って見ると少し様子が
変な事に気付く。
三浦「あれ?ヨーコちゃんと麓っ君は?」
「外岡先輩と田端部長もいないですよ……」
帯島「それについても説明が……」
「佐鳥先輩。何かあったんですか?」
剣持も近くにいる佐鳥先輩に尋ねる。
佐鳥「それが……案内役の中井所員さん
が何処にもいないんだよ、見てないか?」
帯島「所員用トイレに中井所員さんが
来てませんか?」
「えっ!?」
剣持と三浦、そして弓場の三人は互いに顔を見合せて、
弓場「剣持がトイレにいる時、俺らは、外で待っていたぞ。」
「弓場さんがトイレに行った時も、誰も来てないよ。」
見学の案内する中井所員が、何処かに行ったきり、戻ってないのだ。
藤丸「今、外岡と若村の二人が此処等の作業員に尋ねに回っているし、直ぐに見付かるだろ。」
染井「葉子と田端部長さんも近くを探している最中よ。」
【ーーーッ!?】
「!!!!俺も探して来ます!?」
剣持は慌てて危機探知が反応した所に移動する。
佐鳥「おい!?待て、剣持。一人だと危ないだろ。」
佐鳥も慌てて剣持の後を追いかけようとすると、佐鳥の肩を掴み止める男がいる。
弓場「俺がフォローする。帯島ァ!?」
帯島「はいっ!?弓場隊長!?」
弓場「香取隊の三浦と嵐山隊の佐鳥と一緒に此処の奴の護衛を任せたゾ!?」
帯島は背筋を伸ばして、シャッキとして
帯島「分かりましたッス!?」
大声で返事する。
弓場は剣持の後を追う。
吉井(体育会系だ……格好良いな~~ボーダーって)
一方……
合流場所を予め決めていた場所に四人は集まる。
香取「駄目。誰も見てないって!?」
田端「どうなっているんだ?」
外岡「こっちも駄目だった。」
若村「何処に行ったんだよ。中井さんは……」
四人は合流してそれぞれの聞き込みを報告する。
香取「ちょっと休憩……」
田端「俺も、走り疲れた……」
近くにある段差に座り込む二人。
若村「一応、警備員にも伝えたけど……」
外岡「……そうだな……俺達は此処に
詳しくないからな~~」
自分達に出来る事は出来るだけした……
取り敢えず、四人は社会見学の仲間達の
所に戻ろうと意見をまとめていた所……
作業員「どうゆう事だ!!説明しろ!!」
運転手「だから俺も知らないだって!?」
大きな声が聞こえて、田端と香取はビクッ
とビビる。
田端「何だ!?」
香取「びっくりした……」
怒鳴り声の方を見ていると、少し離れた
距離にいたここの製油所の作業員達が、
タンクローリーの運転手と揉めている。
外岡「仕事にあるあるのトラブルですね。
」
若村「何処も同じだな~~」
他人事に見えない哀愁すら感じる若村に
外岡は優しく肩を叩く。
田端「あれ?あれって剣持?」
香取は田端の声に視線を向けると、剣持は
真剣な表情で、タンクローリーに近づき
調べ始める。
その後ろから弓場さんも走ってくる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM 事件発生〕
「どうしたんですか?」
俺と弓場さんは近くの作業員に事情を聞いて見る
作業員「あの運転手。何でも空っぽのタンク
ローリーを運んで来たんだよ。」
弓場「空っぽ?そんな馬鹿な事あるのか?」
弓場は勿論。剣持も同じ結論になる。
運転手と作業員が口論している間に
剣持はそのタンクローリーに近づき良く観察する。
ガソリンを運ぶタンクローリー
基本タンクの容量は30,000㍑以下
更に内部には4,000㍑以下ごとに間
仕切り板がある。
レギュラーガソリン以外の灯油やハイオク
に軽油を一度に運べるようにするだけだ。
タンクの液漏れを防ぐ為、材質は鋼やアルミ
ニウムで出来ている簡単に凹みや傷は出来ない
素材だ。
弓場「どうした?剣持。」
「何だこりゃあ?」
剣持の視界に捉えたのは小さなミミズの
サイズの触手だ。
タンクローリーのタンクの外から出ている
のだ。
剣持は無言でカメラで蠢くソレを撮る。
【ズズズ……ズズ……ズズズ……】
弓場「?おい。剣持。何か……中に変な
音が聞こえて来ないか?」
「…………」剣持は耳を澄まして給油口
内部に聞こえてくる音を聞く。
「何か……ストローか何かで吸う音にも
聞こえて来ます。」
【ズズ……ズズズ……ズズズ……】
さっきの作業員達はタンク内部が空っぽと行った
【ーーーーッ!?】
「皆さん!?ここから離れて!!」
咄嗟にタンクローリーの給油口から離れる剣持。
突然タンクローリーの給油口を内側から
タンクを破壊した"何か"は物凄い
スピードでタンクの穿ち、
アルミニウムと鋼のタンクが破裂して
破片が幾つも飛び散る!!
作業員達は驚く。
【ーーーーッ!?】
至近距離に何か鋭利な破片を危険探知能力に
反応して、剣持はその場で空中バク転を
決めて幾つも素早く回避する。
弓場「危ねぇ!!皆、伏せろ!?」
弓場さんは近くで口論していた運転手達
をうつ伏せにさせて、頭上をエイのような
"何か"の影が通り過ぎたのを確認。
(速い!?何だ!?)
剣持達の間を通り抜けて近くの
マンホールの蓋を破壊して下水道に飛び
込む!!
弓場「大丈夫か!?剣持。」
「大丈夫です。」
近づき心配してくれる弓場さんに、
剣持は返事を返しながら、
さっき"何か"が自分達を通り抜けようと
した時、速さに驚愕を覚えた剣持とベム。
(速過ぎる……………!?)
剣持はタンクを粉々にする破壊力と
スピードに驚愕して……
ベムは相手の姿が直ぐ近くに会ったのに
関わらず影の形しか確認出来なかった事
を知る。
(あれが、石油泥棒の犯人……随分と俺達
の想像より小さい奴だな……)
田端「おーい。剣持。」
声がある方向を向くと、
若村「大丈夫ですか!?皆さん。」
外岡「隊長。お怪我は?」
騒ぎを聞きつけて、警備員達を引き連れて
こっちに来た三人。
弓場「あぁ、俺は大丈夫だ。」
弓場はそう言って、外岡達を安心させる。
但し視線は只々剣持の方を見ていた。
弓場(……さっきの身のこなし、一体
どんな訓練すりゃ、あんなバランス感覚を
身に付くんだ?あんなのトリオン体でも
避けられなかったぞ。)
自分はまだ距離があったから、うつ伏せで
回避出来たが、剣持は、殆ど至近距離から
回避したのだ。
剣持の噂は弓場隊も色々聞く……勿論、
殆ど信じてはいないが……、
あれを見たら、"普通"とは違う噂に信憑性
があるのも納得する。
身体能力が、明らかに普通の人間より
ずっとある……
そういう確信に近い物を弓場は剣持に感じ
たのだ。
「中井所員さんはこちらには、いらっしゃ
らないようです。」
警備員達に中井所員の姿を見ていないか
聞き込みをして田端達の方に話し合って
いる。
香取「……酷く異常な物を見た……そんな
顔、あなたもするんですね……」
弓場「!?」
近づいて来た香取が剣持の方をチラッと
見て、弓場に話し掛ける。
弓場「……何を知っている。」
弓場は睨むように香取を見るが、
本人は無関心な表情をして、
香取「……知りたくもない……」
そう一言言い捨て、彼女は若村達がいる
所に戻る。
その背中を見た弓場は彼女は剣持の何かを
知っていると直感した。
弓場(後で黒野に尋ねて見るか……)
剣持の交流関係は詳しくないが、黒野なら
剣持のあの身体能力について何か知って
いるだろう。
只……無関心の表情をしてる癖に、香取の
後ろ姿がやけに寂しく見えるのは、
どうしてだろうか……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
あの後警察署で軽い事情聴取を終えて、
外に出た剣持と弓場……
少し疲れた無表情をしながら剣持は弓場さん
に謝る。
「何かすいません……巻き込んでしまって
、」
弓場「いや、気にすんな。ありゃ、普通の
出来事じゃない……それよりも一つ聞いて
良いか?」
「何ですか?」
弓場「香取って、あんなつまらねぇ表情
する奴だったけ、」
「「!?」」
剣持の表情は無表情に変わり、そして顔を下に
下げてうつむきながら言う
「…………違いますよ。香取さんは、気分
屋で喜怒哀楽がはっきりした。
何処にでもいる普通の良い子ですよ。」
弓場「お前……香取と何かあったのか?」
弓場は冷静に剣持について知人や同僚から
どういう人となりかは聞いている。
香取隊と仲が良いC級隊員……
「全部……俺が悪いんですよ。」
拳を無意識に握りしめて、剣持はそう言い
迎えに来た田端達がいる所に走って行く。
まるで、ボーダーを恐れているように……
その背中は香取とは別の意味に酷く寂し
そうにも弓場には見える……
夜21:15
駅のホーム。三門市までの帰りの電車が
来るのを待つ一同。帰り時間なのか、
帰宅する為か色々な人達が集まって
ホームで電車を待っている。
外岡「こんな遅い時間になっても電車が
残ってて助かった……」
藤丸「結局、見学は途中で中止だし、
タンクローリーが破裂して警察に事情聴取
されられたり、散々だったよ。」
弓場「……」
帯島「どうかしましたか?隊長。」
弓場「あっ、気にすんな。それより帯島ァ
お前らァも人が多いからはぐれなよ……」
帯島「はいっス!!」
香取隊も香取隊で、今日は疲れたみたい
だ。
三浦「ヨーコちゃん。お土産買えた?」
若村「あっ、葉子。何処に言っていた
んだ。」
香取「……友達や家族に電話してお土産を
選んでいただけよ。」
両手に持った沢山のお菓子やお土産が
入った紙袋を二人に見せて、彼女はちらりと剣持
の様子を見て何も言う事なくホームのベンチに
座り電車を待つ。
その香取の視線を気付きながらも剣持は無言で
持って来た本を読む
「…………」
佐鳥「大丈夫か?剣持?」
ベンチに無言で本を片手に座る剣持に
話し掛ける佐鳥は心配する。
さっきに比べて口数が前より減った後輩。
【山月記】
高校生の国語授業で読むソレを剣持は
じっと黙読する。
佐鳥(確か主人公の唐の役人の友人が
人食い虎になって再会する話しだよな。)
佐鳥「にしても、何でタンクローリーの
タンクが破裂したんだ?」
話題がないから、自然と昼間の出来事を
口にする佐鳥。
黒野真琴が剣持の隣に座り、じっと剣持を
見て……彼女は言う。
真琴「何か……犯人の姿を見た?」
染井「…………」
そして染井は真琴の横に座り剣持の方を見る。
その質問に剣持はたどたどしく答え始める
。
「……速くて何も見えなかった。ただ…」
真琴「ただ?」
言葉を待つ真琴。
「確証は少ないけど鋭利な一本角……
カジキやイッカクのような物が、そして
海洋生物のエイのような生物が、いた……
そんな気がするんだ……」
真琴「それって……」
真琴は無言で自分のリュックサックから
真っ白なスケッチブックを取り出して、
ボールペンで素早く突然書き始める。
佐鳥「まっ真琴ちゃん!?」
染井(凄い集中力……)
彼女は他の声を全て無視して、真っ白な
スケッチブックに剣持が言った特徴の
生き物を書き続ける。
真琴(私は、これでもウルトラ怪獣には詳しい
……多分、この世界で私以外にウルトラ怪獣に
詳しいのは……『お化け屋敷』の皆でも、まして
や一の谷博士達ウルトラQの住民じゃあない。
剣持君とその剣持君と恐らく一心同体になって
いるレッドマンの彼ら……先端がカジキや
イッカクのような一本角のエイ……かつて私が
購入した彫刻家成田亨画集にあった没怪獣……
名前は……)
静かに書き終えて、スケッチブックに
書かれ生き物を剣持に見せて……
真琴「これから(仮)コイツをクラプトン
と呼ぼう。」
剣持は彼女のスケッチブックをじっと
見て……
「流石、美術部……絵が特徴をしっかりと捉えて
います。」
井上もカメラでその絵を撮る。
井上「まんま、新種のエイだな……」
吉井「石油を吸う生き物なんて聞いた事
ないよ。」
「多分……研究の為に……捕獲する命令が
上から来る気がする……」
そう言い。剣持はため息を吐く。
若村「でも………コイツ滅茶苦茶速いぞ
。マンホールを破壊出来るパワーある
みたい出し……」
「報告書は黒野先輩と隊長達に書く必要が
あるけど、」
佐鳥「報告書か……確かにめんどくさい
よな……」
同調してくれる良い先輩。
真琴「その規格外の速さなら
光線の檻(レーザーケージ)の出番かな?」
「光線の檻(レーザーケージ)??」
佐鳥「そんな物あるの?」
SF小説に出てきそうな物の名前を聞き興味を持つ
佐鳥。
真琴「ウチは何でもはないけど、色々と
とち狂った科学者達のはちゃめちゃな発明品ある
からね。まっ、結局中井所員さんは何処に行った
のやら……サボるような人には見えないし
……」
【キーーーーーン】
染井「……電車が来たようね。」
三門市に帰る為、全員はその電車に
乗り込む。
先に乗っていた人達が電車から出てきて
剣持達は道を譲る……
「うん?」
自分を通り過ぎた男性の顔に見覚えが
あるような……
佐鳥「どうした?早くしないと閉まるぞ。」
「あ、はい。」
(何処かでさっきの男性を見たような
……何処だ?)
モヤモヤした気持ちを抱えたまま、
剣持は電車に乗る。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
あの時本を片手に剣持は、
ホームのベンチに座って悩んでいたのは
真琴先輩が書いた透明怪獣の大きさで、
コンビナートやタンカーの破壊は可能
なのかだ……
昼間見た奴はいわゆる成長期で成熟期ではない。
最近の原因不明海難事故は奴の仕業じゃない……
奴の同族……それも、まだ
成長途中の別の個体だ……
(一匹以外いる……群れか?親子か?)
(気になると言えば…………)
窓ガラスに写る香取隊の皆に剣持は視線を
向ける。
真琴「気になるなら話し掛けてみたら…
」
「えっ!?」
香取さんに意識を向け過ぎて真琴先輩から
声を掛けられたのに気が付かなかった。
真琴「1日中、気にしていたみたいだから
さ、いっそ全部本音を口にした方がお互い
の為じゃない。」
「……そんなんじゃありません。」
真琴「そっ。」
だが剣持は再びチラっと香取隊の方に視線
を向けて哀しそうな表情をする。
真琴「……」
真琴は香取隊の方を流し見てふと気付く
真琴(染井さん……剣持と話したがっているみたい……)
染井さんは香取さん達と何気なく会話をしているのに……
時おり、剣持の方に視線を向ける……
真琴はそれを見て…………
真琴「あの透明生物……宇宙から来たのかなぁ…」
「分かりません……海洋生物に特徴が似て
ますが、新種なら驚きですよ。」
佐鳥「あぁ……発見者の名前とか付く奴ね
。俺も昔、新種のカブトムシを探そうと、
夏休み虫網片手に、野原を駆けまわって
いたな。」
真琴「取れましたか?新種?」
佐鳥「全然、夏休みはセミばかりだったよ。」
話題は自然と透明の存在に移る。
剣持はカメラを見て……
佐鳥「どうした?」
「……怪獣の尻尾らしき物は一応撮った
んですけど……」
真琴「何か問題でもある?」
「やっぱり全体像を撮らないと駄目かも
……」
この写真ではタンクを破裂させた犯人だと
はわかっても、証拠が足りない……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『お化け屋敷』生物学区画
第7研究室。
各自がそれぞれ研究している研究室の
中で大人数が入れる研究室の一つに
彼らは集まっていた。
夜の『お化け屋敷』では警察に事情聴取した
剣持が電話で
報告した奇妙な生物について生物学の
科学者達がそれぞれ意見を出していた。
原田「新種の海洋生物にしては、また変わった
進化をした生き物だね。油を主食にするなんて…
…」
真ん丸眼鏡を掛けたぽっちゃり体系の
原田博士は、すっかり数が減少した
巨大蟻の標本を眺めながら、
ポテチを食べる。
片山「この個体……海洋生物のエイの特徴よりも
浮遊生物の特徴もあるしね。」
茶髪のピンクのカチューシャを頭に付けたサイド
テールの勝ち気な雰囲気を全身に表したライダー
スーツの上に白衣を着用した女性が意見を述べる。
こんな格好をしている彼女も立派なここの研究室
の一員
片山 鶴子
弓原「この個体を改めてクラプトン……っと
コードネームを付けられたようだぞ。」
原田「取り敢えずサンプルが欲しい。絵だけだと
空論のままだ。」
対策にしろ研究用に捕獲にしろ現物があって
初めて成立する。
モニターに繋がっていた作戦指令室にいた
チャールズとホシノも原田と同意見だ。
チャールズ「なら、捕まえますか。
クラプトンとやら……油が好きなら、
次にコイツが現れそうな場所は……」
3Dディスプレイを起動させて製油所の
周辺マップとその地下の下水道を見る
一同。
ホシノ「下水道はあくまでも通路に利用
しているなら……」
ムラマツ「油を指定の場所に配置させて
、忍者部署の特殊刑事達を出動させよう
……」
忍者部署……本物の忍者の事ではなく、
地球の各地からスカウトした特殊な事情
で特殊な能力を持った人達が集まった
部署で、超能力や常人以上の身体能力を
を持った超人達が集まっている。
彼らはそれぞれ自分達に合った特殊な素材を
原料にした戦闘服を着用して、それぞれの
得意武器や小道具を持ち、人知れず悪の
秘密結社達と戦っている。
ナレーション『Xメンやアベンジャーズの
日本版である……それぞれ普段は表の職業
で働いており、事件が発生した時彼ら
彼女らは変身して活動するのだ。』
一の谷「よし、明日、さっそく捕獲作戦
の準備を始めよう。」
「「了解!?」」
だが事態は彼らが想像よりも斜め上に複雑になる
のだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
真夜中の三門市の警戒区域にて、
人が住めない旧市街地に、赤いフード
付きパーカーに赤いライダースーツを
着用し目が露出した赤いフルフェイス
マスクで顔を隠し青いスキーゴーグルで
目を隠す少年が、
風を切り、空を高く跳び、大地を走り
常人を遥かに超えた身体能力で、駆ける
。
「…………」
真琴『いっそ全部本音を口にした方が
お互いの為じゃない……』
頭の中に響く先輩の言葉……
「……わかっているよ。それが正しいって…
でも……」
アスリート選手や体操選手顔負けの
バランス感覚で、狭い路地を通り抜けて
誰かに見られても、今は顔を隠している
から誰かはわからない。
それが少し安心している自分がいる。
普通の人達に混じって身体能力を剣持夢想
と同レベルに下げている日常、
本来のレッドマンになって数分間の怪獣や
宇宙人達との死闘、本来の身体能力で
怪獣と戦っていると、建物が壊れて人が下敷きになって死ぬ……
この姿なら本来の身体能力で動いても、
建物は砂の城のように簡単に崩れたり
しない……
(何か……スパイダーマンみたいだ…)
幾つ物の建物と建物の間を走って跳び超えて
自分の中にあるウサを晴らす……
「……本当の事を皆に言ったら、皆は………」
俺は…………どうしたいんだ?
ゾークロンを倒す?沢山の誰かに
誉められたい?違う!?皆に……笑顔で
今日も明日も過ごしてあげたい……
正義のヒーローになりたかった?違う!?
自分がそんな器じゃない事くらい自分が
知っている!?
ゴリアテはリベンジで、自分の中で、
自分の為にが強い理由だった……
考えてみたら、俺は其処らにいる奴で
たまたまヒマラヤにレッドマンに遭遇した
為に人生を狂わせられただけだ。
レッドマンと出会う事なかったら……
どうせレッドマンは別の誰かに憑依して
誰かが俺の代わりに怪獣と戦って……
その人は俺よりも正義感があって……
色々と立ち回りも上手くて………………
「!!」
世界でたった一人この痛みを誰にも告げる
事なく味わう続けるんだろうな……
「大事な約束事をしても、遅刻したり、怒られ
たり……授業や仕事している最中、眠気に襲われ
たり……」
「何か…ヤダな………………」
この力は普通の人にとっては喜ぶ物
かも知れない……虚弱な人を超人になる
夢のような祝福かもしれない……
でも俺にとっては、只の呪いでしかない
剣持は一人寂しく自室にワープする。
いつまでレッドマンは怪獣と戦えば
いいのか……
その答えは……出ない
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
同時刻 京浜工業地帯の黒野財閥が保有
する製油所の屋上にて、
黒野は自分の黒トリガーを使用して、今日剣持達
が向かった製油所に、人知れず黒い西洋甲冑を身
に付けて音波(ソナー)で石油泥棒を追跡していた
謎の未確認生物の連絡を義妹から受けて、
『お化け屋敷』が捕獲作戦の準備をしている事を
秘密基地で知り黒野は一人、対象を確認する為、
製油所の屋上から飛び降りてマンホールを
開けて下水道に入る……
鼠の群れが自分の気配を感じ散り散りなる
のを見て周囲の音波で空間を反射させて、
対象の存在を見る……
(奴は下水道を隠れ蓑にして地上にある
油を吸収しているのか……)
ディアヴォロス「こっちに来る……」
低い声が下水道の闇の中に響く……
東京と横浜を始め複数の下水道が集まった
この迷路は、ガイラットを始め悪の組織や
怪人に犯罪者達も利用している。
下水道の生活排水の中を楽しそうに泳ぐ
ソレは……高速に移動して、自分の元に
迫るのを音で感じる……
紅の単眼を発光させ、周囲の下水道に赤い
明かりで照らす。
無言で攻撃手トリガーのスコーピオンを
両肘に伸ばして……静かに構える……
(義妹がメールで見せた絵はカジキや
イッカクのような先端が鋭利な槍のような
物を生やした赤いエイだった……さて、
コイツは……)
もうすぐ肉眼で捕捉できる距離だ。
さぁ、姿を見せろ!?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM 未知への挑戦 〕
索敵が殆ど目前になった……その時、
ディアヴォロス「…………何故止まった?」
対象のクラプトンが、後数メートルの距離
で動きを止めたのだ。
(どうする……此方から打って出るか。)
不気味な沈黙が両者の間に流れ……
対象は、回れ右をしてディアヴォロスの
元から離れる動きをし始める。
ディアヴォロス「……!?」
(逃がすか!?)
真後ろから突然無数の触手が飛び出して
ディアヴォロス「!?」
仮面の怪人の全身を拘束する。
一瞬とはいえ身動きを封じられた隙を生物
は逃がさず、自慢の高速移動による刺突を
獲物の喉に向かって放つ!?
ディアヴォロス「シールド!!」
咄嗟にトリオンの六角形の盾を出現させ、
相手の攻撃をずらして防ぐディアヴォロス
ディアヴォロス(コイツ……俺を罠に掛けようと
しやがった!?)
自分の真横を通り過ぎるソレと目と目が
会う。黄色い目で、仮面の怪人を見る
赤い海洋生物エイに近い外見だが、
エイではない!?
拘束した触手をスコーピオンで切り裂き、
ディアヴォロスは反撃に動く!?
ディアヴォロス「!!」
両肘のスコーピオンの刃で切り掛かるが、相手は
素早くその攻撃を見切り生活排水の中に潜り、
回避する。
対象は石油を始めとした油を吸収して
いるなら、身体の中には大量の油が
ある筈だ。
トリオンの射手や銃は本物の銃ではないが、
引火しないとも限らない……
接近して捕まえるにしてもこの速さ!
先端の刺突でディアヴォロスを突き刺そう
と動き回る。
勢いを付け右ストレートで怪獣を捉えて殴り放つが
感じた手応えに驚く怪人。
(コイツ生物の癖に硬い!!)
硬い金属並みの硬度とエイのように柔軟性
を持ち、触手を幾つも使い仮面の怪人の首に巻き
付け、仮面の怪人を引っ張り倒し、
自慢の高速移動で引き摺り廻す。
下水道の生活排水の中、悠々自適に泳ぐ
未確認生物と違い、仮面の怪人は
自分の引き摺る未確認生物のパワーを
脅威と感じ、スコーピオンを左右の足に生やし魚の尾のようにして水中から無理やり脱出、両腰に孤月を出現させて、専門のオプショントリガーを起動させる。
ディアヴォロス「……旋空孤月!!」
空中にて一気に両刀を抜刀させ
トリオンを消費しながら刀身を伸ばし
斬撃を飛ばす!!
クラプトンは先端の一本角で、旋空孤月を
弾く!!これには仮面の怪人も驚愕する
!!
(油断した!?)
ディアヴォロス「エスクード!!」
周囲の壁にトリオンで作った堅牢な盾を
生やし、エスクードに一本角を刺さらせて
身動きを封じ込める。
クラプトン「!!!」
身動きを封じられ抜け出そう必死にもがく
未確認生物に向かって孤月を振り下ろす!!
クラプトン「!!?」
確かな手応えと明確な切り傷を付ける事に成功したが、
それ以上に、コイツの皮膚がやはり硬く孤月の一撃を放っても浅い斬り傷しか付けられなかった……
ディアヴォロス「浅い……なっ、エスクードが!!」
エスクードが赤い体液によってドロドロに
溶かされて、自由となったクラプトンは
更に速度を上げて仮面の怪人を連続攻撃を与える。
ディアヴォロス「!?」
両手の孤月の逆手に持ち替えて、
斬り付けようとするが、クラプトンは
水中からの突進攻撃をして仮面の怪人の
トリオン体にダメージを与える。
埒があかない!!
ディアヴォロス「レイガスト!?」
不人気のレイガストをシールドモードに
して、ヒット&ウェイをする未確認生物の
動きを観察して、突進して来たタイミングを合わせて
「スラスター!」
下水道の壁に向かってクラプトンを
シールドバッシュをして、
加速させ叩きつける。生物は壁に倒れ
こむも、追撃のスコーピオンが届く前に
直ぐ起き上がり、追撃を回避!?旗色が
悪いと察したのか、吸収したガソリン
スタンドのハイオクオイルと赤い体液を
混ぜた液体を仮面の怪人に向かって
吹き付ける。
ディアヴォロス「ちっ!あっ、待て!?」
咄嗟に盾で防ぐが、盾は煙を上げて、視界
防がれてその間に生物は、
再び下水道に生活排水に潜り音波の索敵
範囲から離脱する。
(………………だが、大体の情報は、集まった……逃がしたのは大きいが…)
逃げた獲物の方角を無言で見て、
ディアヴォロスは遭遇した場所に戻り、
切断した未確認生物の触手を回収する
(金属ワイヤー以上に固い皮膚組織に
芋虫やミミズ見たく、ゴムと同じくらい
伸び縮みするコレを構成するのは、何だ?)
これでも色々な生物を遭遇した『お化け
屋敷』の一員。
だが外見は海洋生物だが、今回のは余りに
突然変異な個体に遭遇した場合は、
元のモチーフやあれに近い生物を考える。
ディアヴォロスは地下下水道から製油所に
戻り、
(真琴が、ここの中井所員が行方不明に
なった理由も調べて欲しいと言っていた。)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ピタッ……カツカツカツカツ】
ディアヴォロス「……誰だ!?」
足音が聞こえた……
問題は足音が自分の近くに来るまで、
俺の改造された聴覚が拾えなかった事だ
。
???「改造人間か……この星の技術で
造られた物ではないな。別の次元の
技術か?」
紫色のサングラスを掛けた銀髪の男性が、
姿を見せる。
紫色のボロボロのロングコートを着ており
両腕には『お化け屋敷』でも見たことの
ない複雑な近未来の手錠のような物を
付けていた。
ディアヴォロス「!!!!何者だ。」
この男、俺の姿を一目見て改造人間と
言い当てただけでなく、俺を改造した
のが、別次元の……近界民の技術と
言い当てるなんて……
無言で構えるディアヴォロス。
???「そう警戒するな。っと言っても難しいか?」
ディアヴォロス「誰だ。貴様は……」
???「俺か?只の……無実の罪を掛けら
れた哀れな男さっ、」
ディアヴォロスは男の服装を見て警戒心
を強める。
ディアヴォロス「お前は……危険だ。」
???「………やれやれ…話し合いに
来ただけなのに、またこの国の余罪が
増えそうだ……」
両腕に手錠を嵌めた状態でコートの中を
探り猟銃を取り出す。
???「こんな格好でも、目の前の奴と
戦わないといけないのは、ヒーローの辛い
所だ。掛かってきな!!っと言いたい所
だが、暴力は良くないよな。話し合いを
しよう。」無邪気な笑顔になり男は猟銃を
コートの中にしまう
ディアヴォロスは男を無力化させて
男の身辺を調べようと、接近しよう速度
を上げる!!
只の人間から見たら急に距離を詰められて
驚愕する
???「……あっ…」
一つの風を切る音が、聞こえ次に打撃音が
辺りに響く。
最初の一撃を与えたのは、ディアヴォロス
ではなく、謎の男のカウンターに放った
ターンキック。
正確に仮面の怪人の顔面の芯を捉え蹴り
飛ばす。
背中を製油所の金属の柱に叩きつけられて
柱は凹む仮面の怪人は片膝を地面に付き
仮面の中で驚愕の表情を作る。
ディアヴォロス「馬鹿な……」
???「…………固いな……」
謎の男はその場から突然飛び上がり、
地面から生えたモールクローを回避。
現れたスコーピオンの刃をじっと見て
???「光芒人間?……違うな、体内の見えない
内臓から出るエネルギーをブレード状に硬質化さ
せて足元からの奇襲とはやるな……」
ディアヴォロス「黙れ…」
コイツは何だ?近界民ではないようだが
警戒レベルを上げて、トリオンのキューブ
の通常弾を出現させ、
???「警戒心が強い奴だな……、
あんま現地の人は傷付けたくないんだ。
さっきの蹴りは仕事柄、反射的に動いた
だけで、避けられる速さで蹴ったんだ。
悪かったよ。ゴメンよ。本当に……」
謝罪の言葉を吐く男を無視してトリオンのキューブを放つ
ディアヴォロス「通常弾(アステロイド)!?」
流れ星の如く飛ぶトリオンの弾を見て、
???「綺麗だな……」
素早く身を引き放たれたトリオンの弾の雨を次々と走って回避する。
ディアヴォロス「!!!?」
???「メフィラスやバルタンの戦場を
思い出すぜ。」
ディアヴォロス(何故当たらない……)
立ち回りが異常に上手くディアヴォロスの
攻撃を避けて被弾する事なく自分に接近
する。
???「これ以上やるならこっちも力尽く
で話し合いをさせて貰うぞ。」
両腕が手錠で封じられた状態で、
独特な構えをする謎の男は、
???「…………行くぞ!?」
一瞬で仮面の怪人の懐に飛び込み
両手で拳を握り締めて一気に突き出しを
放つ。
ディアヴォロス「シーッ!!!!」
(異常な速度に、さっきの蹴りに劣らない
破壊力がある拳。)
シールドを出現させるより早く放たれた
一撃は金属と機械の重さのある身体を
あっさりと吹き飛ばし、そのまま空中に
舞い上がる
???「ふん!!」
謎の男は両腕でダブルスレッジハンマーの構えを
して振り下ろすが、
ディアヴォロス「てめぇ!!よくもやって
くれたな。」
片手で放たれた攻撃を受け止めて、全力の水平
蹴りを顔面に浴びせる。
トリオン兵を破壊できる破壊力を持つ蹴り
を普通の人間が喰らえば、グロテスクな
結果になるが、落下していく謎の男は、
空中から地面に着地して口元についた血を
軽く舌で舐めとり仮面の怪人に向かって
笑う。
???「やるな……」
男は近くあった自動車を片足で蹴り飛ばし
、仮面の怪人はスコーピオンで車体を両断
。切断された車はその場で爆発炎上。
爆炎に飲みこまれた怪人を探す男は、
屋上を見る……
仮面の怪人は建物の屋上に着地して、
無言で両腕からスコーピオンを生やし
???「簡単にくたばるなよ!?」
ディアヴォロスは迎え討つ構えをする。
男は僅かに腰を下げて高く跳び上がり
3階以上の高い建物を悠々と跳び込み
仮面の怪人の後ろに着地する。
並外れた身体能力を見てディアヴォロス
は一つの答えを導き出す。
ディアヴォロス「宇宙人(エイリアン)
か!?」
???「正解……」
ディアヴォロス「!!!!」
スコーピオン+スコーピオンを繋げた
マンティスを放つ!
???「曲がる剣か?」
その場で軽く空中回転してマンティスを
初見で回避と同時に接近する。
ディアヴォロス「化け物が!?」
男は恐れる事なく喉元に迫るスコーピオン
を軽々と回避して横転して足払いをして
仮面の怪人
身を低くしてスコーピオンの攻撃を回避
して謎の男は連続蹴りを放つ!
男の両腕を掴み空中にジェット飛行して
飛ぶ仮面の怪人。
???「この!?離せ!?」
ディアヴォロス「わかった…」
空中飛行しながら投げ落とす!!!
謎の男はヒーロー着地をして衝撃を殺し、
仮面の怪人を睨み付ける。
ディアヴォロス「……それヒザに悪いぞ。」
???「ありゃ、銃を落とした……」
男は片手を開くと、落とした銃が一人でに
浮かびブーメランのように高速回転して
ディアヴォロス「ぐおっ!?」
ディアヴォロスの後頭部を直撃させて、
落下させる。
???「悪い……」
手元に戻る猟銃をコートにしまい。接近
する謎の男。
倒れたディアヴォロスは零距離から
トリオンの通常弾を放ち、男を吹き飛ばす
!?
男は衝撃で遥か向こうの金属の壁に
激突するが、直ぐに起き上がり、
???「今のは、普通に効いたぞ。」
余裕のある顔を見せる。
両拳で仮面の怪人を殴る男。
トリオン体の両腕を黒トリガーの戦闘体
に一歩引かずに、力比べをして、
【ミシミシ】
悲鳴を上げるのは仮面の怪人の方だ。
ディアヴォロス(アステロイド!!)
顔面に躊躇なく放ち、更に頭突きをかまし
、
???「ふん!?」
ふらつく男は、逆に頭突きを返して仮面の
怪人を吹き飛ばす。
ディアヴォロス「流石にカチンっときた
ぞ。」
男の背中を掴み投げる。
???「俺もだ!?」
両者本来の目的も忘れて
両者得意の格闘戦に以降、立ち回りが
上手い謎の男が素早く蹴り技を使い更に
重量のあるディアヴォロスを両手で無理
やり持ち上げ地面に叩きつけその場で頭を
踏みつけようとするが、怪人は咄嗟に両足
のジェット噴射を使い飛行して屋上に飛ぶ。
???「逃がすか!?」
軽々と建物の壁を走り屋上に遅れて着地
する男。
ディアヴォロス「埒が空かない。」
蹴り技で応戦するディアヴォロス。
両者一歩引かず
身体の要所要所に不意討ちのスコーピオン
を生やすが、男は全て回避して膝蹴りを
仮面の怪人の頭部にぶつける。
蹴りの一撃が金属の鎧星人並みに重い。
両手を封じられているのにこの強さ、
何よりも……さっきから幾つ連続攻撃を
出しても避けられる…………身体能力以上
にコイツは……コイツは…………
ディアヴォロス「ぐっ!!」
(……ヤツの動体視力が異常過ぎる。)
分が悪い……このままコイツ殺す事が
出来るが、今は……その時ではない!?
ディアヴォロスは超能力テレポートを使い
謎の男から逃げるのだった……
誰もいない製油所の屋上
???「……奴からベムの残留エネルギー
を感じた……奴の近くに必ずベムがいる。
傭兵として宇宙を渡り歩いたベムなら、俺を嵌めた奴についての情報も色々と知っている筈だ。」
その時警察のサイレンが鳴り響き、
???「不味っ!流石に13回も留置所を
破壊したからまた捕まるのは、不味い。」
男は軽々と建物からジャンプして製油所から
去る。
男の名前は……間 罪無(はざま ざいむ)
ヘラクレス座第6星雲人。
もう一つの名前は……イノセンスマン。
腕利きのありとあらゆる武器と兵器の
使い手……レッドマンの偉大なる先輩の
一人であり、
現在……色々あって逃走する逃亡者。
イノセンス……意味は無実、無罪、無邪気
天真爛漫……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
数日前、玉狛支部にてボーダーA級の小南が偶然
見つけたフランス人形は交番に落とし物として届けられるが……それから2日たった後、星輪女学院の校門で小南が持つスマホが鳴り始めて電話に応じる。
小南「え?消えた。」
警察官「そうなんですよ。お嬢さんが手続きをし終えた時、私と仲間がパトロールをして交番を数分空いてる間にね。」
小南「盗まれたってことですか?」
もしかして自分が盗んだと疑われているのか?だが警察官の人は安心させるように言う。
警察官「あっ違う違う。お嬢さんがその後私も署にその事を報告したら東京出身の旅行者の女性が三門市警察署に電話して来てそのフランス人形の持ち主だって電話が会ったんだ……確か名前は……一条貴世美さんって中央図書館の司書をしている女性だ。…………知っているかい?」
小南「いえ、始めて聞く名前です。」
自分の交友関係にそんな女性は聞いた事はない。
東京出身なら尚更だ。
警察官「そうですか。忙しい中電話してすいません。では…」
小南が持っていた電話が切れる。
確認の電話みたいだ。
照屋「どうしたんですか?小南先輩。」
小南「確認の電話。前にフランス人形を拾って
交番に届けたって本部で話したでしょう。
その話。」
那須「そのフランス人形どうして玉狛支部に落ち
ていたのかしら。」
小南「それが謎なのよ。その一条貴世美さんが
玉狛支部の近くにいたのかしら。」場所が場所
だからおかしいのだがこの問題は謎が多いが既に
終わった事として小南は気にしない事にする。
単に一条さんが人形を支部に落として自分が
拾って届けて本人の元に人形が戻った話だ。
小南「じゃあね。」
ボーダーの女性隊員達は、それぞれの道に帰る。
その帰路の途中、小南は綺麗な女性を見かける。
金色のサンダルを履いた女性だ。
その女性は小南の横を素通りする。
自分とは別の道を歩くその女性の後ろ姿を小南は
軽く見る
小南「この辺りの人じゃないわね。観光に来た
旅行者かしら?っといけない!今日は防衛任務が
ある日だ。バス停まで急がないと!?」
一条貴世美「この先にレッドマンが憑依した剣持
夢想がいる。急がなければ…黒き星の勇者が…
地球に向かっている事を…」
彼女は地球と変わらない姿をしているがその正体
は銀河連邦に加盟しているルパーツ星の人間だ。
地球での任務を終えて、一人の人間として地球に
暮らしていたが、数日前、黒き星……ブラック
スターの勇者。
ブラックワンが地球がある方向に向かっている
事に銀河連邦の人間達に教えて貰った。今はまだ
距離があるから接近まで時間はあるが、レッド
マンはその事を知らない為、数人の銀河連邦の
巨大ヒーローが先に地球に向かっている。
宇宙怪獣ボスタングとブラックワンでは危険の
度合いが強すぎる。
彼女はレッドマンの残留エネルギーの気配を探知して
剣持の自宅を目指す。だが剣持本人は既に昨夜のクラプトンと仮面の怪人とイノセンスマンの戦いの調査の為、二宮隊と風間隊で黒野が保有する製油所に向かっていた。
すれ違ってしまったのだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
夕方ボーダー本部にて、風間隊と二宮隊
が黒野の保有する製油所に到着していた。
製油所には複数のパトカーが並び、
ホシノチーフとイデ隊員が警察官と色々と
会話している。
現場には立ち入り禁止の黄色と黒のテープ
を貼られて、ジャンクを片手に俺はぼやく
「……まさか昨日の今日で……また此処に
来るはめになるとは……」
剣持は、辺りを見渡して、一緒に来た
チャールズ隊員とアラシ隊員が複雑な機械を
台車で運ぶのを手伝う。
風間「こっちは、調べ終わった。」
二宮「こっちもだ。」
それぞれ報告して来る中、剣持は尋ねる
「本当に……仮面の怪人が出現したんですか?」
風間「あぁ。トリガーの形跡から、
ボーダーと同じだが、トリオン反応では
本部や支部の職員達と一致した物はない
。」
菊地原「警察に通報した住民からも、黒い
仮面の男の姿を目撃したって聴取は取れた
し確認もした。……まさか実在したんだ。」
「…………信じてなかったんですか!?」
菊地原「信じていたさ、僕以外はね。」
表情を変える事なく淡々と答える菊地原
「ひどっ!?僕のガラスのハートは粉々だ
。」
菊地原「元々、壊れ欠けているから心配
するな。」
風間(うん?今、剣持。僕って言ってなか
ったか?)
一人称は『俺』の筈だが……
歌川(…………至って普通の少年だ。
やっぱり、気にし過ぎか?)
風間隊は最初辺りから剣持の監視をしていた。
だが二宮さんが言っていたように、
別人のような無愛想な機械じみた状態の
剣持を歌川達は知っている。
その時の剣持は、滅茶苦茶強い。
二宮さんと個人ランク戦をして約3割で、
剣持が勝利する所を風間隊は目撃している
二宮さんは「段々俺個人に対した戦術を
確立し始めている……一つも油断出来ない
相手だ。」
尚、佐鳥と生駒が剣持に尋ねた事、
「……人を仲間さえ平気で騙して嘘が異常に
上手く頭が良い、実力はあるのに陰湿で
精神的に追い詰める罠ばかり使う奴に必死に
喰らい付いたら自然とこういう相手と戦う時、
物量とか実力差とか経験とか、意識せず
戦っている。札遊びと同じ、射手が使う
手札が全体的決まっているなら、それに
勝つ戦い方をすれば良い……」との事…
歌川(………………でもあの二宮さん相手に
脅威と思わないのは、流石におかしいよな
。)
通常弾を外して追尾弾で個人戦闘した
二宮さん相手にもギリギリで勝っている。
菊地原(君が言った罠ばかり使う陰湿な奴
とはボーダーの人間なのか?)
まだまだ謎が多い少年。それが剣持夢想。
二宮「……下水道を調べた結果中央を
何かの液体で溶かされたエスクードを発見
した。」
「仮面の怪人は、一体ここで何と戦っていた
んだ。」
辻「それは、目撃した人も見ていなかった
ようだし、警察に急いで連絡するのを優先
したらしい。」
犬飼「案内するよ。足元に気を付けて。」
マンホールからひょっこりと顔を出す
二宮隊の銃手を務める犬飼隊員が手招き
する。
「それじゃ調べて来ます。」
剣持はアラシ隊員とチャールズ隊員の三人
で地下下水道の方に向かい。
金属の梯子を踏む度にカツンカツンと音が鳴り
地下に到着した俺達は辺りを軽く見渡して
中央に穴が空いたエスクードを見つける。
アラシ「少し油の臭いがするな。てかっ
めっちゃ臭い」
鼻をつまみ苦悶の表情をするアラシ。
チャールズ「製油所の地下だからな。
化学製品の工業排水や市の生活排水も
流れるだろうさ。」
チャールズはエスクードにこびりついた
赤い液体を試験管に入れる。
「……うーん。」
犬飼「どう?何か科学捜査でわかった?」
興味津々に犬飼は剣持達に近づき
剣持はジャンクで成分を解析しているが、
チャールズ隊員も妙な表情をする。
チャールズ「液体の成分は生物の胃酸に
近いが、問題はどの種類の生物もこれ程の
胃酸を出す事なんて出来ない。」
犬飼「人工生物?」
それぞれ意見を出して話し合う。
「例の新種の生物の奴かも、」
アラシ「昨日報告したエイに似た生物の
体液か?」
「液体には複数の化学薬品になりそこ
ない成分が出ているのも妙な話だ。
犬飼「……う~~ん。生物の細胞に、
化学薬品のなりそこないねぇ~~エイが
工業廃液に落ちて突然変異したとか?」
犬飼隊員はあくまでも戦闘隊員だから、
科学知識は高校のレベルだ。だから発想もSF寄り
だが意外に答えに近い……
アラシ「普通のエイが工業地帯の工業廃液
の近くまで接近するか?」
犬飼「……うん。ないね。突然変異の前に
亡くなると思うし、」
チャールズ「だけどエイ本人じゃない妙な
生き物は実在する。」
「石油で釣る作戦も、この事件で一旦中止
になったようだし、」
特殊刑事達の『下町の黒獅子』も残念そうな顔をしていたのを思い出す。
強力な超能力を持つ彼は、今回の捕獲作戦に真剣に待機していたのに……
チャールズ「取り敢えず調べられるのは調べよう。犯人がいないのは、残念だけど
」
「了解……」
剣持達は下水道を調べて未確認生物の痕跡を辿るが、これと言った物は発見出来ずに捜査は終わる……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【東京都内で原因不明の石油が無くなる事態に、政府は……未だ原因の説明を発表せず市民は不満の声を上げております。】
近くの電気店のテレビに流れるニュースを
見る二宮隊と風間隊。
犬飼「あ……世間の皆さん怒っているね。まぁ当然かぁ
~~」
予想していたとはいえクラプトンは、製油所から姿を眩まして人知れず、東京のガソリンスタンドやタンクローリーから次々と油を吸収してあちこち油の盗難が発生して東京は大騒ぎだ。
二宮「……石油は今の人類の貴重な化石燃料だ。
もし今回の犯人をこのまま野放しにしていれば、
石油を中心に物価と原油価格が高騰……世界経済
が大きな影響を与える大混乱になるだろう。」
風間「第3次オイルショックだな……」
冷静な表情で淡々と事実を述べる二人。
菊地原「それ……割とヤバいですね。」
事態のヤバさを知り、
剣持は冷静に探知能力でクラプトンを
探すが引っ掛からない。
頼りの能力に反応しないのは……
個体の大きさが、怪獣のサイズじゃない
事……そして、破壊活動がメインではなく
食事と言う生物の基本を行動をしている為
……
アラシ「はい。はい。わかりました。」
アラシ隊員は万能ヘルメットの通信機で
誰かと連絡している。
俺は、アラシ隊員達の方に行き、
「何か進展あった?」
と訪ねる。
アラシ隊員は首を左右に振り、
アラシ「一応東京湾の海域に、シーマリン
とホエール1号で捜索して見るって、」
「そうですか……」
しょんぼりした顔をする剣持。
事態がどんどん大事になっていく現実に
剣持は悔しい気持ちなる。
アラシ「剣持。」
アラシは剣持の肩を優しく叩き明るい笑顔
で安心させるように言う。
アラシ「そんなしょんぼりした顔するな
。ホシは必ず近くにいる。ここから巻き返
すぞ。」
風間「俺達は本部に仮面の怪人の事を報告
しに行く。またな。剣持。」
「あっはい。」
風間さん達と駅で別れて剣持達は東京の極東
科学研究所に向かう。
例の赤い体液を研究所の所長の烈破さんに
詳しい調査をして貰う為だ
俺達が諦める訳にはいかない。
同じ頃、夕方の東京湾の海の中………潜水艦
ホエール1号で海底を調査するのは
サンダースとジュリーとキムの三人。
サンダース「イワシの缶詰めになった
気分だぜ。」
キム「黒野隊員が渡してくれた資料から
見て破壊された海底パイプラインはそこ
よ。」
ジュリー「ソナーに異常はない?」
彼女が操縦を担当して、
サンダースがサポートする。
サンダース「あぁ。問題ないよ。
レーダーも異常無し。」
計器やレーダーとにらめっこしながら
、サンダースは念の為の火器担当も引き
受けている。
キム「調査を続けるわよ。」
サンダース「了解。艦長。」
東京湾の海を調べる『お化け屋敷』
その海の中に巨大な影が人知れず活動して
いるのを彼らはまだ気付いていない。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
日が沈む時間、月が良く見える時間。
剣持達が、極東科学研究所に向かうと
同じく一の谷博士も極東科学研究所に
向かっていた。
一の谷「研究レポートに時間を掛け過ぎてしまった。運転手さん。少し急いでくれ
ないか?」
運転手「分かりました。」
【ドォン!】
その時、車の上に何かが落ちる音が
聞こえ博士は窓を開けて確認する。
黒い甲冑を身に着けた単眼の仮面が
こちらを見つめる。
ディアヴォロス「……一の谷博士だな……」
低い機械音声で名前を呼ばれる。
一の谷「君は仮面の怪人!?」
『お化け屋敷』にも度々報告されている
謎の存在が、今自分の目の前にいる。
ディアヴォロス「……少し疲れているんだ
……俺は…妙な手錠を付けた男に因縁
つけられて……これを受け取れ!!」
一の谷博士に金属製のアタッシュケースを
手渡し
一の谷「これは……」
ディアヴォロス「中身を確認しろ。」
言われた通りケースの蓋を開けて中身を
確認して一の谷博士の表情は驚く。
ディアヴォロス「最近、世界中から石油を
盗む生物の触手の一部だ。あんたらにやる。」
これはまさに渡りに舟だ。
一の谷「何故、私にこれを……」
博士に疑問が生まれる。彼は我々の前に
現れては時にボーダーを襲いボーダーを
助けて、怪獣と戦ったり、目的がわからない。
彼に一体何のメリットがあるのか。
ディアヴォロス「俺には宝の持ち腐れだ。
あんた達ならこの事態を解決出来ると
思った……じゃあな。」
一の谷「待ってくれ!?せめて君の名前を
!」
ディアヴォロス「……知らなくて良い。」
そう言うと彼は跳躍して近くのビルまで
信じられない距離を跳び一の谷博士の車
から去る。
一の谷博士は一度彼の後ろ姿を見て……
一の谷「運転手さん。急ぎましょう。」
車は東京郊外から極東科学研究所に向かう
。
黒野「…グッ………あの紫コートの奴。
次会ったら時には、必ずぶっ飛ばしてやる。」
あちこち痛む身体を抑えて、黒野は自宅に帰る。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ボーダー本部に負けない程巨大な白く四角い建物の
周囲には警備員が沢山配備されているこの場所は極東科学研究所。科学の砦の一つで、ここでは主に防衛用の装備や設備の試験運用実験や各学科に合わせた研究施設がある。
ロボット工学研究所のウルトラーVに
装備されたエネルギーソードやレーザー
光線も勿論。新素材や新元素から分析から開発
された装甲も此処で誕生する。
もっとも組み立てとかのスペースもある
けど、そこは専門のロボット工学研究所
の方が広いし機材が整っている。
剣持は科学センターに行った事はあるがここは始めてだった。
真新しい物に囲まれてついついキョロキョロする剣持。
清潔感のある白い壁に囲まれたねずみ色の
通路を歩き、今回の目的地の生物学と遺伝子
工学の場所を目指す一同。
チャールズ「やっぱりここは楽しいね。」
色々な機材が軍事学科に運び込まれる様子眺めるチャールズ隊員。
アラシ「二人とも仕事で来ているん
だからさ。付いて来てちょうだいよ。」
「はい。すいません。」
白衣を来た科学者や作業服を来た作業員
達を通り過ぎながら、
エレベーターに向かう。
エレベーターに入り目的の階層を移動する
間に俺は窓の外から東京の街並みを眺める
。
「中々に……圧巻の眺めだ。」
チャールズ「だがこの東京の何処かに
クラプトンがいるんだよな。」
アラシ「警察が水道局と連携してクラプトンを
下水道を捜索しているけど、今だに発見の報告は
無く。」
「石油なんて、貧しい地域のド田舎や
無人島を除けば、あちこちにある。」
チャールズ「クラプトンにとっては餌には困らないか」
アラシ「……石油の使用を止めると国民の生活が
成り立たたず、暴動が起きるかもな。」
チャールズ「……ガソリンがないと車も
動かないし飛行機も飛ばない。船も進ま
ない。」
アラシ「太陽光を始めとしたクリーン
エネルギーも地球の70億の生活のほんの
少ししか流通していない。」
剣持はどっと重いため息を吐き
「しかも太陽の光を集めるソーラーパネルの寿命
は約25年から30年で微妙なでも切実な問題も
あるし…………責任感じて来た……」
アラシ「……重みに潰れるな。お前は何も
悪くはない。」
チャールズ「そうそう。巻き返すのは、
俺達の専売特許だよ!?」
【キンコン】
エレベーターが止まり扉が開く。
チャールズ「さてここにも俺の研究室が
あるんだ。そこでコイツを詳しく調べよう
。」
「そうなんですか?」
チャールズ「そう。オーストラリアに3つ
。日本に5つ。こんなんでも俺も博士号を
持った科学者だからね。」
アラシ「さぁ。行こう。」
「へぇ~~」
感心した声を出して生物学の研究エリアに
到着する。何重の分厚い扉が開き。
原田「やぁ。皆?昨日ぶり」
「イヤなんでだよ!?」
そう……『お化け屋敷』の生物学の何時も
博士達が集結していた。
それを見て
ついノリツッコミをしてしまった剣持。
見知った恰幅が良い原田博士はポテチ片手
にマイペースに食べている。
「どうして東京に!?」
原田「いや~~東京のご飯が美味しくて
ね。ついついポテチを買っちゃうんだよ
。」
少し肥満体の身体を見せる彼は、コーラ
を飲んで。
チャールズ「さて、石油泥棒について調べますか。」
一同が集結して情報やデータを共有する
。
生物学のメンバーがごちゃごちゃし始め
た場所で剣持とアラシの二人は専門用語が
飛び交う博士達の研究から少し離れた所
の椅子に黙って座っていたのだ。
気分は病院で診察を待つ人その物……
小声でアラシは言う
アラシ「……剣持。彼らの話分かるか?」
俺は素直に答える。
「もうとっくに俺の分かる所は過ぎたよ…
」
アラシ「……俺もだよ……」
退屈な気持ちを顔に出しながら剣持は
ゆっくりと椅子から立ち上がり
「ちょっと、トイレ。」
アラシ「迷うなよ。」
「迷うかよ。」
と軽口を叩き生物学の研究エリアを出る
。
そして……
「ここ……何処だ。」
トイレまで異様に距離があり、迷路みたく
要り組む通路を歩くと、漸くトイレに
到着。用を済ませて……いざアラシ隊員達
がいる場所に戻ろうと思ったら、…………
道に迷ってしまいました。
「……誰かに聞くしかないのか?」
剣持は近くの通路の扉を軽く叩き。
「すいません。道を聞きたいのですが!?」
…………5分経過。
「駄目か……」
剣持はそれから歩き通路の扉を叩いて
待つが返事がない只の屍のようだ…………
「すいません。道を聞きたいのですが……はぁ~~」
剣持はため息を吐く。
???「どうしたの?」
「わぁ!?」
突然後ろから声を掛けられてびっくりして振り返る剣持。
???「僕の研究室に何か用?」
大人しい雰囲気の同年代の少年がそこに立っていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
茶色のショートカットヘアーの少年は剣持とそんなに歳は離れていなくて、でも白衣をしっかりと着こなしていた。
パスワードを打ち込み扉を開閉して
???「どうぞ。僕の研究室へようこそ
。」
自分の研究室に剣持を招き入れる。
心なし彼は嬉しそうだ。
???「誰かをここに招待するのは始め
てだ。」
部屋はしっかりとした清楚感溢れた普通の研究室だ。いや『お化け屋敷』の皆の研究室がごちゃごちゃしているから余計に整理整頓した印象がある部屋だ。
???「君、剣持夢想でしょ。」
剣持はいきなり名前を言い当てられて驚く。
「俺を知っているのか?」
???「『お化け屋敷』は勿論ここの
関係者は基本は20代前半……だから、
僕みたいな10代の人間はほんの一握り
しかいないから興味会ったんだ。さっそこら変に座ってよ。」
少年博士は自分のデスクの椅子に座り
剣持も薦められた椅子に座る。
???「僕は瑠璃岸 新之助。18歳。」
瑠璃岸 新之助 18歳 専門 生物
大人しく少々引っ込み思案な性格。それが母性本能をくすぐるのか、年上の女性への受けがもの凄く良い反面、同じ年代の者には「なさけない」「しっかりしろ」と言われる。
「俺より2つ年上なんですね。」
瑠璃岸「そっ、小学校の時にハーバード大学に在籍して卒業後は生物学の博士として色々と自分の興味を満たす毎日をしている。」
「小学校の時に大学に……」
いわゆる天才少年って奴だろう剣持は興味を抱いた。
「研究テーマは?」
瑠璃岸「特撮やアメコミのヒーローを科学で再現出来るかだ。勿論。非人道や尊厳を奪うのはNGで、」
「ヒーローを科学で再現出来るか?」
瑠璃岸「そっ、仮面ライダーは改造人間でコレら
はここの所長が、もう研究したから、僕は
アメリカの有名なスーパーヒーローの一人
スパイダーマンを今の研究テーマにしている。
まっ見ていて、」
瑠璃岸博士は引き出しから黒いグローブを
取りだしてソレを両手に付ける。
瑠璃岸「これはマグネット機能付きの作業
手袋を改良した奴。蜘蛛を始め壁や天井に
張り付けて移動出来る生き物と怪獣を
モチーフに僕が完成させた一品さ。」
博士は片手を天井に張り付けてぶら下がる
。
重力に従わず落ちず、ぶら下がり……
残ったもう片手も天井に触れて、
瑠璃岸「後は、これ機能を付けたブーツを
用意すれば壁や天井をスパイダーマンみたい問題なく移動出来る。」
「凄っ!?発表はいつですか?」
瑠璃岸は顔を左右に振り、ぶら下がるのやめる。
瑠璃岸「……残念だけど、日の目を見る機会はないよ。これは…………只のガラクタだよ。」
「えっ?」
嫌な事を思い出したか。表情に陰が生まれ
ながら話す。
瑠璃岸「僕のスポンサーに……子どもの
玩具なんて作るなってどやされたよ。
お陰様で、大きい研究室から追い出され
て、こんな端っこ小さな研究室で一人
黙々とガラクタを弄ったり、自分の研究を
していたよ。ついて来て……」
剣持を何処かに案内する瑠璃杉博士。
黙ってついて行く剣持。
歩きながら瑠璃岸博士……イヤ瑠璃岸さん
は言う……
瑠璃岸「……僕はね。……ヒーローに
憧れているんだ。空を自由に飛び大きな物を持ち上げ目から光線を出して皆を助けるスーパーマン。
サイクロン号に跨がり風と共に現れて
赤いマフラーを靡かせて飛蝗の身体能力で
人類の自由と平和を守る仮面ライダー。
…………ギリシャ神話の英雄ヘラクレスや
アキレス。クラーケンからアンドロメダを
守った勇者ペルセウス。
そういうヒーロー達に憧れているんだ。」
「ヒーロー……」
瑠璃岸「君も子供の夢物語だと思う?」
瑠璃岸は寂しそうな顔で笑う。
「まさか?世の中ある意味ヒーローだらけですよ
。医者に警察官。消防士にサラリーマンそして…
…レッドマン。」
剣持が何気なく言うと、彼は目を輝かせる
。
瑠璃岸「そう!?そうなんだよ!?テレビ
アニメや特撮じゃない。本物のヒーローが地球に
現れたんだ!?」
「…………もしかして、レッドマンが好き
何ですか?」
(だとしたら意外だよ。もの凄く意外過ぎるよ~~)
さっきまでとは反応が偉く変わったから
ビックリした剣持。
瑠璃岸「…………大人は皆、夢なんかより
現実ばかり見る。科学者だから科学的な
根拠がない物は信じない職業病みたいな
物だよ。僕も正直、レッドマンが現れなか
ったら今の研究を辞めようとしていたし、
生きてて全然楽しくなかったら、……一人
ボッチで無人島にいるような気分だったよ。」
同年代や同世代がいない環境で思った以上に辛い
目に会ったようだ。彼の発言でその気持ちは少し
剣持には分かる。
瑠璃岸「ここが物置小屋サイズだけど僕の
実験室。」
所々ボロくこじんまりしたトタンの物置の引き戸
を開ける瑠璃岸さん。
瑠璃岸「レッドマンは目測約80㍍の巨人
で、体重は約6万㌧。」
瑠璃岸「巨大な身体を生かした格闘技で
怪獣と対峙して、手から武器を出現?
あるいは生成して、両手からは必殺技の
光線を放つ。空をとにかく速く高く飛ぶ!
…………ごめん。年が近いのにこう自分
だけが盛り上がって、何時も研究室で一人
で過ごしているから世間の流行りとか
人とのコミュニケーションがわからなくて
…………」
「心配するな。……俺も最近の流行りは
知らないよ。」
剣持は無表情でそう答えると
瑠璃岸「そうか!!」
嬉しそうに返す博士。
実験室内を見ると虫かごのケースが複数
並んでおり中に複数の蜘蛛が糸を生成
していた。
(外国の蜘蛛か?)
(違うよ。ベム。これは……)
この蜘蛛達が糸を生成する光景を一目見た
剣持は、何故かこの糸が俺達の強力な武器
になると瞬時に確証を持つ。
否、確信していたのだ。
俺……僕達に必要な物を見つけたと……
瑠璃岸「スパイダーマンに欠かせないのは蜘蛛の特性。壁や天井を這い回るのも勿論それも大事だけど、やっぱりスパイダーマンには蜘蛛の糸が必要だ。……でっ製作してみたんだ。遺伝子改造したスーパースパイダーを…
……バイオケーブルをね。」
嬉しそうに自慢するように彼はご機嫌に言葉を呟く
《極東科学研究所が開発した遺伝子改良し
た蜘蛛の糸から作られたバイオケーブルは、
あらゆる分野への応用が可能です。》
《小さなチップ一つに約914㍍の
バイオケーブルを収納出来ます……》
「マジか。」
瑠璃岸「絶滅危惧種の蜘蛛を始め、糸を
吐く蚕や芋虫……糸を使う生き物のデータ
をかき集めて糸の成分を複数の特殊な薬剤
を人工で生成出来るか実験をしたんだ。
蜘蛛の糸の原液……ウェブ・リキッドの
分子構造はもうわかっているから複製も
簡単。」
瑠璃岸さんは剣持に開発レポートを渡す
。
「…………極細で軽量、更に鋼鉄ケーブル
の10倍の強度……凄いな!!」
剣持は素直に感心する。
空想のヒーローに憧れた少年が、
空想のヒーローが使う道具を現実で開発
したのだ。
ベムも驚いている。
(素直に凄い……)
瑠璃岸「東京郊外の大ぐも タランチュラ
のデータも入れているから強度は丈夫で
そこらの蜘蛛の糸なんかよりしっかりして
いるよ。只……問題なのは……」
「どうしたんですか?」
瑠璃岸「現在、蜘蛛の糸を発射させる物
を開発してないから、後もっと大事な問題
。」
「教えて下さい。」
瑠璃岸「肝心のスパイダーマン並みの身体
能力と超感覚の反射神経を持った人物は
地球にはいないって話だよ。僕は勿論。
ボーダー達のトリオン体でも足りないんだ
。使いこなせる人がいて初めて生かせる。
」
考えれば簡単な話だ。
確かにニューヨークの摩天楼を振り子
移動をするスパイダーマンだが、その身体
能力も超人レベルで、初めて成立する。
普通の人だと落ちないように気を付けて
移動は出来るが、逆に言えばそのレベルで
蜘蛛糸移動で勢いを付けた余りビルの壁に
激突して怪我をするだろう。
「…………」
無言で蜘蛛が強力な糸を作る光景を眺める
……剣持。
ベムもスパイダーマンの映画を見たから
どういう存在かは知っている。
幾つ物使い道が出来る便利な道具が目の前
にある。応用も効く。この蜘蛛の糸は奴ら
ゾークロンとの戦いに役に立つ物だ。
超能力を持っているが万能ではない。
デメリットもある瞬間移動を始め、
生身で空を飛ぶ訳にも行かない。
車は勿論大型二輪の免許もない。
「博士。」
瑠璃岸「うん?」
「蜘蛛糸を発射する道具。俺に作らせて
くれませんか。」
剣持はこれを見てコイツは使いこなせれば
強力な武器になると何故か確信していた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
瑠璃岸さんとの連絡先を交換して、
俺はアラシ隊員達も元に戻る。
(暫くは徹夜だな。)
(でも……意味のある出会いだった。)
サンプルに蜘蛛の糸を圧縮したチップを
複数貰い。
発射装置開発に使って見る。
まだぼんやりとしたイメージしかないのに
俺は無意識にワクワクしていた。
生物学の研究エリアに戻った剣持。
分厚い自動ドアが開き、
剣持は皆がいる研究室に来ると……
アラシ「剣持。漸く見つかった!!」
アラシ隊員が慌てた様子で剣持に迫る
「ゴメン。少し道に迷ってた。」
アラシ「丁度お前を探していたんだ。」
「どうしたんですか?」
アラシ「一緒に行こう!!地獄に!?」
「………………はっ!?」
満面な笑顔でアラシは言う。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM 大都会 昼と夜~〕
《怪獣解体清掃業》
世界中の各国に現れる怪獣を各軍隊と『お化け
屋敷』達が駆除した場合に発生する避ける事は
できない問題の後始末……
怪獣黎明期は自衛隊や警察軍隊が必死にシャベル
やツルハシ片手に鉱山から鉱石を採掘するように
巨大な怪獣の後始末はまさに地獄その物だった
牛や豚を余裕で越える量の怪獣の死肉を掻き
分ける作業、その死肉を大型トラックに運ぶ作業
未知の体液や血液をポンプ車で吸う作業、
火炎を吐く生き物特有の特殊な内臓袋の不注意に
よる火災!!毒の怪獣の死骸の分泌液による既存
の防護服を溶かし骨をも溶かす二次被害等々。
フグの毒を抜くなんて生ぬるい。未知の研究対象
の宝の山を前にして回収困難に諦める日々、
……腐敗して膨らみ破裂する魚を遥かに増す
スケールで怪獣の解体ノウハウは既存の作業では
難しく、各国や『お化け屋敷』達が頭を抱える
難題だった。
そんな時、ある男達が現れた……
鴉『私の名前は鴉。今日は貴方達が頭を抱える
怪獣処理問題について私から皆様にビジネスを
持ってきました。』
鴉と名乗る謎の男性が『お化け屋敷』パリ本部
に現れた。
ハイエナ、蛆虫、ジャッカル、禿鷹、狼、豹、アライグマ……
怪獣黎明期に突然現れた彼らは、『お化け屋敷』
も知らない未知の防護作業服を纏い。作業服の中に酸素を供給して怪獣処理専門の解体道具を持ち、
短期間で鮮やかに怪獣処理を完了した。
『モンスターズクリーナーセンター』
怪獣の死骸の掃除屋達。彼らは『お化け屋敷』
や各国の代表達から死骸を扱う権利を貰い
捕獲活動等して細胞や体液、内臓等を売り物と
して闇市場で扱っている。
オカルト系サイトで求人募集もされており、
現在は皆、2代目らしい。
『怪獣保護団体』と関係は最悪で、人知れず
日夜裏で命のやり取りをしているらしい。
夜の東京の道路にて街灯が辺りを照らし出され
夜の東京の摩天楼を輝かせる。月の明かりも星の輝きすら不要の日本の首都……その東京を颯爽と駆けるローバー。
アラシ「( ´-ω-)y‐┛~~やれやれ。こりゃ、今まで体験したヤバイ仕事の中で
5本の指に入るな~~」
「誰に言っているんですか。運転に集中して下さい。」
チャールズ「俺も同行する必要ある?」
アラシ「チャールズは考古学と生物学の博士号を持ってるだろ。俺の専門は宇宙だし怪獣の関係には必要なんだよ。諦メロン。」
顔色を悪くしたアラシは言う。
日本には無数の闇の商家が存在しており
裏の事情にも詳しい……
その首都東京には、特に裏マーケットは
多く。悪い奴も利用しているのだ。
チャールズ「無事に生きて帰れるかな~」
アラシ「帰るさ。俺達を待ってくれる人達の元へな。」
「格好付けるなよ。怖いからって~~」
チャールズ「俺には怪獣の刺青なんかしてないよ。」
アラシ「怪獣オタクだろ。」
チャールズ「違うよ。怪獣オタクじゃないよ。」
「二人とも何の話をしている?」
その場所の一つに現在向かっている
ローバーを運転するアラシ隊員の表情は、
妙な決め顔を見せながら、剣持に簡単に
事情を説明する。
今回の未確認生物について怪獣の臓器を万能薬剤として売り裁く闇市を取り纏めるオーナーに話を聞く為剣持達は三人で向かっていた。
「ボーダーの皆は想像もつかないだろうな~~俺らが地下の闇市場に向かっているなんて…」人生何があるかわからない物だ。……本当に……
アラシ「警察もこんなヤバイ所に事情聴取
するはめになるとは……」
警察官は時としてヤバめな所にいる人物に
聞き込みをしないと行けない。
「手掛かりはこのカードのマークねぇ。」
アラシ「このカードのマークがある店が新宿のある通りにあるらしい……」
剣持はブラックライトでカードを照らし
照らされた怪獣の髑髏マークを見て、
「ブラックライトで探せって一の谷博士が言っていましたけど、」
夜の新宿のある通りに到着して、ブラックライトで軽くその周りを照らすと、
アラシ「これじゃないか?」
怪獣の髑髏マークに→の矢印が照らされる
……
「車を何処かの駐車場に止めてマークを探しましょう。」
ローバーを近くの公共駐車場に停めて、
ブラックライト片手に片っ端からマークを
探す。
チャールズ「見つけた。こっちだよ二人共。」
チャールズも見つけて二人を呼ぶ。
「……あった。」
アラシ「これか?」
三人人は着実に目的地に進む。
階段を登り、歩道橋を渡り……
ビルの壁を一つずつ確認して、看板にも
あるマークを探して、そして
アラシ「着いたな。」
「でもアラシ隊員……」
二人の目の前にある建物を見て、
「…………ここ病院の近くの只の薬局ですよ。処方箋アリの……」
薬局の入り口の前に三人は立ち止まり
チャールズ「なぁ。二人共?」
アラシ「どうした?チャールズ。」
チャールズ「仮にだけどさ。もし怪獣サンプルが売ってたら購入して良い?」
アラシ「どうぞご勝手に……」
「……チャールズ隊員のポケットマネーで購入出来たらね。」
【ハッピー薬局】
顔が厳ついサングラスをかけた黒服が、
薬局の前にたむろっている。
どう見ても……堅気には見えない……
(コエエエーーーー!!)
剣持も内心かなりびびっている。
アラシ「まっ……取り敢えず入ろうか。」
無言でこちらにガン飛ばす黒服を無視して
三人はお店に入店。
内装は意外に何処にでもある薬局と同じだ。
(俺達が入店したら黒服も入店して来たな
。)
(ベム……僕、緊張してきたよ。)
漢方コーナーがやけに充実しているのを
除くと……
店員「怪獣の骨の粉末をお探しですかな?」
アラシ「えっ?何だって?」
店員「骨の粉末です。」
アラシ「そんなの売ってるのか?」
店員「おや、知らないのですか?お客様もその口
かも思ったのですが……では何をご購入に…?」
チャールズ「それ幾ら?」
怪獣サンプルとして購入するつもりのチャールズ
には残念だけど先に俺達の仕事を優先させて貰お
う。
店員「怪獣の骨の粉末薬の値段は………現在…」
「そんな事より闇市のトップ【鴉】に会いたい。」
俺がそう言うと店員はヤバそうな表情を俺達に
見せて後ろの黒服達に何か合図をして、
後ろの出入口の扉に鍵を複数掛ける。
店員「来い。」
黒服「この奥だ。」
店員「ようこそ、【鴉】の巣へ……」
レジの横の金の招き猫の置物に渡された怪獣の
髑髏マークのカードを当てると、
普通の薬局の白い壁が開閉して、薄緑色か黄色い
液体の中に怪獣の一部が入ったカプセルケース
が沢山並べられた棚が左右に開き道が出来る。
そして俺達は先を歩く。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
闇市場【鴉】の巣。
パッと見は、日本の江戸時代にあった薬問屋だ
チャールズ「何だ ここは!?凄いまるで天国だ!?」
アラシ「ほぇ~~」
博物館を眺める様子で辺りを見渡すアラシ。
「お上りさんか。落ち着けよ。アラシ隊員。チャールズ隊員は後テンション下げて、周りに迷惑だから」
辺りに大小問わず緑色の液体が入ったカプセル
の中に浮かぶのは怪獣の細かい部分だ。
緑色の液体がまんべんなく入ったガラスビンに怪獣の内臓の一部が保存されている。
チャールズ「怪獣のリンパ腺だ!?保存がこんなにも良い!?」
落ち着いて辺りを流し目を見るとあちこちで
仕事する裏の人達の姿を見かける。
チャールズ「何やってる!?怪獣の表皮だ!?しかも無傷の状態の!?」
硬い怪獣の皮膚の表面を工具で磨き上げる姿は
まさに職人って感じだ。
数多くの名前が記載された木造の薬棚に、
調剤室か。
途中で俺達を横切るここの関係者なのか?
バスケットボールサイズの虫を籠に抱えて歩いて行くのが気になるが、
アラシ「怪獣の皮膚についてる寄生虫だ。生きてるの始めて見た……」
チャールズ「普通は怪獣が死ぬと直ぐに死ぬのに…生かしておくのは無理なのに!?」
道行く人達は裏の世界の住民で俺達は避けて歩く
こういう場所で変な事をすれば、命の保証はない。
彼らは彼らのプライドがある。
(馴れてるね、ベム。)
(まぁね。お前くらいの年齢の時に、良く闇市場
をフレイム仮面やコイルマンの三人で興味が
あって色々と見に行っていたからなぁ。)
鴉「私に何の用だ?『お化け屋敷』。」
その声がこのフロアに聞こえた時、作業した全ての人間が声の方向を見る。剣持とアラシは声の主を見た
黒い鴉を模したタキシードを着こなし深緑色の
バイザー・サングラスを掛けた男が、用心棒を複数連れて此方に歩いてくる……
(あれが、怪獣の死骸の臓器を売り物にする闇商人の鴉)
「お前が、鴉か……」
剣持……の身体を憑依したベムは躊躇無く近付く
(ちょっと、ベム!?歳上の人に向かってなんて態度を!!)普段は『お化け屋敷』やボーダーの上層部には丁寧なのに………
【パァン】
剣持の足元に向かって鴉の横にいた黒服のヤクザ者が銃を撃つ。
(ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!)
(わぁ~~懐かしい雰囲気だ。)
用心棒を始め怪獣の死骸を解体作業していた全ての裏の人間仕事達は一斉に銃を引き抜き剣持に向ける。
「…………」
鴉「……ガキ。歳上はもっと敬いな。」
鴉は剣持を見て、余裕な態度に興味を持つ。
周りは全て敵で今も狙われているにも関わらずこの少年に一切の恐怖も感じていないのを……隙も無い……
まるで慣れているかのように余裕な佇まいだ。
剣持が片手を上げて、銃も持った男達が警戒する。
相手の動きを注目して、剣持は謝罪の言葉を発する
「申し訳ありません。鴉さん……」
鴉「………………銃を降ろせ、お前ら、」
裏の職人「しかし鴉様。コイツ!?」
鴉「……俺に二度も同じ事を言わせる気か!?
俺に直に解体されたくないなら銃を降ろして仕事に
戻れアァ!!」
フロアに広がるドスの聞いた声は弓場隊長の比べられない程の怒鳴り声で、その言葉を聞いた作業員達は慌てて
持ち場に戻る。
(歳は20代後半……だが若さに似合わない貫禄とカリスマがあるみたいだ……砂漠の星の闇商人の若旦那を思い出すな……)
(……(失神している剣持夢想))
「聞いてたイメージと違う。」
鴉「どんなイメージをしていてた?」
「怪獣の身体のパーツを保存して売って儲けている男
……」
チャールズ「あぁ。成る程ブラックマーケットの人ね。」
鴉「そのイメージで合ってるよ。闇市場の売人さ。」
「怪獣の身体を良く保存出来ますね。」
純粋な質問だ
鴉「怪獣が死んでから短い時間の内に血中の酸を中和して必要な臓器を手に入れる……知り合いの元獣医が見つけてくれた方法だ。」
アラシ「アジアの怪獣闇市場の黒幕。他の奴らと違い縄張りを大切にする男。」
禿鷹、ジャッカル、蛆虫、ハイエナの連中は日本を含めて何処にでも現れるが、鴉はアジアに出没する怪獣限定に活動している。
鴉「皆、儲けたいから必死なんだよ。ウチも少しグレーだけどな。」
「少し……」
鴉「こういう違法の店でもお客様への信用をなくしたら
やってけないの。俺を信用しなくても良いが、商品は信用しても良い。」
鴉「でっ用は?とっとと応接室に来い……」
3人は鴉に応接室に案内される……
豪華な応接室だ。自分の手に入れた富の表れか怪獣の皮の絨毯がある部屋だ。
動物の剥製も幾つもある。
二人は鴉に会えて感謝の言葉を述べる。
チャールズ「会えて嬉しいよ。」
アラシ「本当に嬉しいよ。」
しかし鴉の若旦那はつまらなそうに、面倒くさそうにこう言い返す。
鴉「ぐずぐずせずとっとと用件を言えェ。用事を言わないと寄生虫と一緒に生きたまま解体するぞォ!?」
アラシ、チャールズ「ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!」
(この人は煽てるタイプじゃないよ。美学と流儀を持った盗賊って感じだ。仕事とお金と信頼と情報にうるさい人だ。こういうのは信用は出来ないけど、利害が一致したら協力してくれるタイプだ。)
ベムは素直な感想を持ち、
「ここ最近の石油を吸収する怪獣について何か心辺りは
ないですか鴉さん?」
近くのテレビのリモコンを勝手に操作してテレビ
の電源を点ける。
鴉「……お前、凄いマイペースだな。もしくは命
知らずか?」呆れの声を出すアジアの怪獣闇市場
の黒幕。元希少動物や絶滅危惧種の密輸と密売を
生業としていた鴉が始めて見るタイプだ。
パッと見普通の子供だが、まるで幾つ物修羅場を
くぐり抜けて来た年上の凄腕の傭兵を相手にする
ようで非常にアンバランスなのだ……
チャールズとアラシは冷や冷やしながらテレビに
視線を向ける
鴉も点いたテレビのニュースを見る……
巷に話題の石油が無くなる話だ。
鴉「これなら知ってるぞ。数ヵ月前、廃油を飲む
プランクトンを浮遊生物研究所の連中に10万円
で売った。」
まさかのいきなりの有力な情報だ。
「誰に売ったか教えてくれませんか?」
鴉「売った商品と購入した連中は教えた……それ以上は
情報料として150万円を出して貰おうか?」
アラシ「なっ!?150万」
鴉「今直ぐお前らに払えるか?」
チャールズ「急に言われても……」
試すように言う鴉に対して俺は小さくため息を吐き
「…………しゃあない。ほい。」
俺は彼の前に150万円の札束を軽く置き、後ろ
の仲間がビックリした表情をするが無視する。
「きっちり150万だ……話してくれ。」
捜査手帳とペンを持ち鴉に尋ねる剣持。
鴉「…………」
鴉は無言で赤い目の黒い烏の模様ノートパソコン
を開きキーボードをカタカタと打ち込み購入者リスト
を俺達に見せる……
鴉「………まず購入者の名前は……」
鴉から購入者の名前に特徴、商品名に自宅の住所
と電話番号や郵便番号にメールアドレスを聞き、
購入した品物は実験に使うといる理由も知る。
廃油を飲むプランクトンは、所謂売れない商品で
、顕微鏡が必要レベルの浮遊生物らしい。
怪獣の寄生虫と違い手に入れて手に入った物
じゃない…
だからこそそんなプランクトンを買った人間達は
印象に残ったらしい……
捜査手帳に細かい情報を記入して、聞き込みを
完了させる。
「これは個人としての質問だけど何で怪獣の臓器の密売を?」
鴉「俺か。怪獣の内臓がどれも高く売れるって事だ。黎明期から二代目に襲名されてから怪獣に関わりわかった事は、」
「わかった事は?」
鴉は剣持に顔を近付き悪役顔負けの笑みを見せて
鴉「怪獣は全身売り物になる。脾臓も肝臓も軟骨も爪や牙でさえな。あの糞ですらな。」
鴉「1立法㍍の糞に含まれる燐が大きな畑一面の肥料になる。」
「へぇ~~」
剣持は関心するように答える。銀河連邦のスカベンジャー達を思い出したのだ。
数千㍍の宇宙怪獣の死骸を掃除する廃品回収業者の彼らは元気にしているだろうか?
鴉のパソコンの画面に記載させている商品リストに気になる物を見つける……
「この『TG細胞』って?」
チャールズ「うん?」
アラシ「どうした?」
チャールズ「何か最近聞いて気がするんだ。」
後ろのチャールズ隊員が首を傾げる?何か変な事を言っただろうか?
鴉「これか?コイツはレッドマンと戦って負けた怪獣トゲラの死骸の収穫した物だ。」
「トゲラ……」ベムは思い出す。水中で自分を追い詰めた爬虫類と恐竜を混ぜた怪獣を……
(!?)
無意識に剣持は意識を覚醒させて拳を握りしめる。
トゲラ…ゾークロン細菌にもがいた刺骨竜怪獣トゲラ。
剣持が対話して心を通わせた怪獣。そして守れなかった
怪獣でもある。
その怪獣の死骸の話をする鴉。
彼らに取っては仕事の話をしているのだろう。
(鴉の名前の通り狡猾で、徒党を組んで行動する
近寄りがたい奴……)
鴉「禿鷹の連中らから購入したトゲラの死骸から
全身の骨と骨についてた肉片だ。もう色んな奴ら
が購入したから現在は品切れの品さ。」
お化け屋敷に取っては名前を付けた程度の怪獣。
「……そうですか……」
アラシ「……」
だが……俺に取っては、忘れられなかった怪獣だ。
わかっていた事だが、怪獣に対する徹底的な殲滅
か保護かは『お化け屋敷』のパリ本部を始め議論
してる話題だ。
怪獣がどんなに良い怪獣でも悪い怪獣でも死ねば
只の死骸になり生物系の怪獣の死骸なら腐敗すれ
ば生態系と土壌に影響ある。そうなる前に
『お化け屋敷』は怪獣サンプルと手に入れる……
今後の為に……だが全ての身体のパーツを保存は
出来ない。必要なサンプルを入手した後は
《怪獣解体清掃業》の彼らの仕事だ。
大きな怪獣の身体の中をバラバラにして必要な臓器を入手する。
思い出のある怪獣が腐り落ちる姿は俺は見たくはない
(これが彼らの普通なんだ……そしてオカシイのは……
この世界で俺だけなんだ……)
自分が周りとは違う、そんな当たり前の事を再確認させ
られた気がした。
その時、応接室の扉にノックの音が鳴り、
鴉「入れ。」
扉がガチャンと開き、サングラスを掛けた男が現れる。
鴉の部下「ボス。香港の連中から電話です。」
その時、彼の電話が鳴り彼は応対する。
鴉《もしもし。俺だ。………香港か。わかった直ぐに準備させる。》
近くの通信機器を操作して作業している人達に通達する
鴉。
鴉《収穫の時間だァ。お前達怪獣の死骸を収穫するぞ!?メインは皮膚と爪と翼だ。ドイツ人が大喜びだ。》
「では失礼します。帰るぞ。アラシ隊員。チャールズ隊員。」
俺達はここでの用事を終えて鴉の巣から去ろうとするが
その主に呼び止められる。
鴉「待ちな?ガキ。お前の名前は?」
目を反らす事は許されない。
俺はアジアの怪獣闇市場の黒幕と向き合い真剣に答える
。
「俺はガキじゃない。俺の名前は……剣持 夢想だ。」
そう名乗り、三人は鴉の巣を後にする。
鴉「剣持 夢想。不思議な奴だな。」
鴉は嬉しそうに笑う。…………
鴉の部下「輸送機の準備が完了しました。」
鴉「野郎共!?香港で仕事だ。」
鴉の部下達「へい!?ボス!?」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
新宿のハンバーガーショップにて、
アラシ「お前完全に闇市場の黒幕に目をつけられたんじゃないか?」
自分を心配してくれる仲間の声に視線を向けて一言。
「…チーズバーガーくらい静かに食べさせてくれ。」
チャールズ「命知らずだね~~剣持。」
テーブル席にてハンバーガーを注文して生きている素晴らしさを実感していた三人。
アラシ「さて、この食事を最後の晩餐にならないように、チキンナゲットを注文しよう。」
「さて俺のポケットマネーで購入した情報を共有して上に報告するのは確定して、次調べる場所は浮遊生物研究所か?」
スマホでどういう研究をしているか軽く調べる剣持。
アラシ「プランクトンに関する研究をしている所だな。
細菌系とは違う。怪獣の皮膚に付いてる寄生虫とも違う
奴の研究をしている所だ。」
説明を読む剣持も同じ反応をする。
チャールズ「そこ、俺の知り合いがいる。」
「マジか。」
チャールズ「アポは明日になるだろうが、手がかりにはなる筈だ。」
アラシ「一歩前進だな。コレ食い終わったら研究所の仮眠室に泊まろうぜ。」
三人は食事を終えて駐車場で止めたローバーに乗り極東科学研究所に戻る中、剣持はムラマツ隊長とエドランド隊長達と一の谷博士に連絡する。
《一の谷博士。報告は以上です。》
腕時計型の通信機器で剣持は鴉が最近現れた怪獣に近いプランクトンを浮遊生物研究所の科学者に売った話を報告する。
一の谷《こちらもその生物の肉片のサンプルを入手して
現在、遺伝子工学や生物学の専門家の総出で解析に回しているよ。明日、その浮遊生物研究所に調査に行って来てくれ
。》
《了解。》
(戻ったら蜘蛛糸発射装置を開発して見るか。)
同時刻……
東京湾の海底にて……ホエール1号はレーダーでは無く
赤外線で周囲の温度で海底を調べていた。
サンダース「怪獣がガソリンや原油を飲み込んでいるなら体内温度に変化がある筈とは考えたなキム。」
キム「中近東の支部の隊員やアフリカ支部のチーフ達の
アドバイスのお陰よ。」
互いに軽口を叩き笑い合う。
ジュリー「二人とも。反応があったわ!?」
ジュリーの言葉で二人は真剣な表情になる。
サンダース「出やがったな。石油泥………棒!」
レーダーセンサーに反応した怪獣の姿が予想より
巨大な姿にビックリするサンダース。
ジュリー「こっちに近付づいてくるわ。」
キム「こちらホエール1号。司令室聞こえますか!?」
慌てて通信機で『お化け屋敷』に連絡するキム。
ジーン《こちら。司令室。どうしましたの?キム!?》イデの代わり通信技師をしているジーンが連絡に応じる!!
キム「東京湾の海底に怪獣を発見。例のクラプトンですが、」
エドランド《どうした?何が会った!?》
サンダースがキムが持っている通信機に近付き
サンダース「怪獣の大きさが、剣持達が報告したサイズよりデカイ!?どんだけ石油や原油を吸収したんだ。」
クラプトンはホエール1号に近付いてくる。自分のテリトリーに餌が来たと思っているのか、
サンダース「とにかく、空から援護要請!?」
極東科学研究所の瑠璃岸の研究室にて、
蜘蛛糸発射装置の製作を瑠璃岸さんと意見を交換している時、
「!!?」
突然、剣持は険しい目付きになり部屋のある方角を見る。
瑠璃岸「どうした。夢想君。」
【ウィーン!ウィーン!ウィーン!ウィーン!】
極東科学研究所に緊急警報が鳴り響き赤いパト
ランプが研究所のあちこちにせり上がり光る。
レッドマンの探知能力に怪獣が反応したんだ。
「すいません。直ぐに戻ります!?」
慌てて研究室から走って出る剣持。研究所の所員
や科学者達があちこち動き回る中、
(サンダース隊員達の方に現れたのか!?)
(急ぐぞ!?身体の中に石油の塊があるなら、
引火爆発は無くてと石油が流出して東京湾が
エライ事になる。)
(いや、ホエール1号の武装だと間違いなく引火するよ!!)
仮眠室に寝ていたアラシとチャールズもビックリ
して飛び起きて隊員服を着用して剣持(分身)と
合流する。
剣持本人は男子トイレの天井から通気孔を通り
研究所の屋上前に移動。
屋上の扉を開けて、風が吹く屋外に出る。
(あの辺りだ!?)
(昨日見た奴に比べて大きさが違い過ぎる!?別個体か!?)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【ウィーン!ウィーン!ウィーン!ウィーン】
マッハビーストが三門市から出動。
(怪獣の気配だ。ベム!?)
(ゾークロンの怪獣じゃないが、行くぞ!?)
自分達が追いかけていた石油泥棒が怪獣サイズに
なって出現したんだ。
緊急警報が鳴り響く中極東科学研究所にいた剣持
にも怪獣の出現を感知して、分身を残して剣持は
東京湾にいる怪獣の元へワープする。
【ザッポン!!】
全身を海水に濡らしながら剣持は叫ぶ!?
「変身!?」
全身を赤く発光させて全身の細胞を活性化させて
本来の姿を変える!!
「「イヤッ!!!!」」
本来のレッド星雲人の勇者の姿となったレッドマン
は怪獣の気配のいる方向に向かう。
同じ頃、潜水艇ホエール1号は真正面から怪獣の
クラプトンの触手に捕まり縛り上げられていた。
正面硬質ガラスの視界には怪獣の腹が押し付けら
れて何も見えない始末だ。
ジュリー「ミサイルで攻撃するとかは?」
サンダース「この距離から撃ったら俺達もお陀仏
だ。全速力で振り切れるか?」
キム「もうやっているけどあの怪物の触手が邪魔
で振り切れないわ!!」
鯨をモチーフにした潜水艇がエイに良く似たプラ
ンクトンの怪物に捕まって少しずつ東京湾から
日本海に引っ張らされていた。レーザーを放つに
しろ。ミサイルを発射するにしてもクラプトンと
の距離が近過ぎて、攻撃した場合に巻き込まれる
現状を思い。更に海底の為に石油を流出する訳に
も行かず、しかも体内の石油が火器で引火する危
険性が何とか策を考える三人。
ジュリー「大変!?クラプトンがホエールの燃料
を吸収しているわ!」燃料メーターを見て仲間に
知らせる。
サンダース「勘弁してくれよ。もう!?」
悪態を付きながら、何とか操縦するが、このまま
だと本当に『イワシの缶詰』になって海底で身動
きも出来ず沈んでしまう。
「「イヤッ!!!!」」
キムはレーダーを見て、
キム「また何かこっちに急接近してる!?」
サンダース「今度は何だよ!?」
次の瞬間ホエール1号が激しく揺れる!!
ガラスから外の景色を覗くと、怪獣が必死に暴れ
回り何か凄い力でホエール1号から引き剥がされ
て行く。
サンダース「レッドマンだ!?」
そしてレッドマンの姿をサンダース達は目撃する。
レッドマンの丸く黄色い両目は光、クラプトンと
戦闘を開始する!
サンダース「今だ!?怪獣から離脱しろ!?」
キム「了解!?」
ホエール1号は東京湾に戻る。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「「イヤッ!?」」
身体の動きが重く攻撃の動作の一つ一つが遅い。
砂を舞い上がらせながらレッドマンは怪獣に接近
して、
「「レッドパンチ!?」」
右手を赤く発光させて殴り掛かるが、クラプトン
は浮上してその攻撃を回避、
「「レッドキック!?」」
今度は高い所まで届くレッドキックを放つが、
クラプトンは逆にレッドマンの足元まで潜水して
蹴りの一撃を回避する。
(野郎!?プランクトンの癖におちょくるとは…)
再度レッドキックを放とうとするが、その前に
クラプトンは触手の伸ばしてレッドマンの軸足に
巻き付けて一気に引っ張り上げて、
「「イヤッ!?」」
(のはっ!?)
レッドマンは海底に倒れてクラプトンがレッド
マンにのし掛かる!?
先端の一角をレッドマンの顔目掛けて放とうと
するが、それをギリギリ首を仰けって回避、逆に
一角を両手で掴み必死にへし折ろうとするが、
(かっ硬い……)レッドマンのパワーがビクともし
ない強硬な一角は再度レッドマン目掛けて狙うが、
距離を利用して膝蹴りをクラプトンの腹に直撃さ
せてから両手を赤く発光させて突き出し!?
「「レッドパンチ!?」」
至近距離から放った攻撃が今度はクリティカル
ヒットしてクラプトンはレッドマンから離れる!
何とかクラプトンを押し退けて一定の距離を取り
間合いを作り
迎え討つ方針に切り替えてレッドマンは起き上が
るが、クラプトンは得意の水中でレッドマンに
高速突進する!?
「「イヤッ!?」」
迎え討つつもりで構えたが、怪獣の動きから直ぐ
に回避行動に入れ替えて先端の一角攻撃を何とか
避ける!?
(速い!?)
余りの速さにレッドマンは驚愕しながらも海中で
クラプトンと戦う。先端の一角に気を付けながら
レッドマンは両手で怪獣の身体を押さえ込み怪獣
の腹目掛けて膝蹴りを放つ!
クラプトン「キュラァラァ!?」
(畳み掛けるぞ!?)
(おう!?)
レッドマンは怪獣の背中を手刀を連続で打ち込み
、追撃の膝蹴りをレッドマンは放ちクラプトン
に確実なダメージを与える!!
苦しそうに呻き怪獣の尻尾に当たる部分がレッド
マンの首と両腕に巻き付き、怪獣はレッドマンを
締め付けてレッドマンを無理やり苦しめる。
「「イヤッ!?」」
締め付けられ苦しむレッドマンは、両腕に力を
入れて逆にクラプトン引っ張り上げて怪獣を海底
の地面に叩きつける!?
海底に積もった浮泥が舞い上がり!?
叩きつけた勢いを利用してレッドマンは怪獣の
尻尾を両手で掴みジャイアントスイングをする。
遠心力で怪獣の触手がレッドマンの両手と首から
引き離し脱出。怪獣との間合い取る。
「「イヤッ」」
海洋生物のエイに似ているが
これではまるでレッドマンサイズのステルス戦闘
機のF-117ナイトホークと対峙しているようだ
。
辺りに衝撃を発生させて突進する怪獣。
突進するクラプトンをレッドマンは無理やり両手
で食い止めるも突進の力が強いのかレッドマンは
押さえられず後ろに転倒してそのまま無理やり
怪獣に引き摺られるレッドマン。
「「イヤッ!!!!」」
(手を離せ!?)
(背中が石やら土砂やらに削れる!?)
砂煙を撒き散らし浮泥が左右に広がり引き摺られ
背中を土砂で削られながらもレッドマンは
怪獣から両手を離して怪獣が通り過ぎるを待ち
直ぐに身体を起き上がらせて両者向かい合いレッドマンは戦闘ポーズで間合いを詰める。
(背中滅茶苦茶痛い!?)
(言ってる場合か!?夢想。次の攻撃が来るぞ。)
クラプトンは触手と尻尾の先端を鋭利に尖らせて
レッドマンに向かって勢い良く伸ばす!?
レッドマンは海底で前転宙返りして触手と尻尾の
刺突攻撃を掻い潜りクラプトンに急接近!?
(海中では奴が有利……)
突進攻撃をする前に、素早くレッドマンは怪獣の
後ろに回り込み無防備な背中に狙いを定めて両肘
を勢い良く落とし怪獣の無防備の背中に目掛けて
渾身のエルボースタンプを繰り出す!!
クラプトン「キュラ~~キュラ~~キュラ~~」
クラプトン(吸油を邪魔する悪い奴はコロス…)
背中からの打撃に思いの他効果があるようで追撃
のアッパーを繰り出そうとしようとするが、その
動作より早くクラプトンは身体の回転させて無数
の触手を鞭のように振る!?
「「イヤッ!?」」
咄嗟にレッドマン両腕でクロスガードさせて身を
守るが、放たれた触手群の一撃は重く、
レッドマンは態勢を崩してしまう。
「「レッドナイフ!?」」
両手に自分の得物を出現させて突進して来た
クラプトンの一角を左のレッドナイフで受け流す。
(後ろ!?)
レッドマンの後ろの砂を舞い上がらせて先端を鋭
利にした尻尾と触手がレッドマンの背後を襲う。
身体の向きを変えて背後から一斉に来た尻尾と
触手を、左右のレッドナイフで、素早く捌く!?
(この尻尾達も一角並み硬くなっていやがる!?)
敵の多様の戦術にレッドマンは翻弄されていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京湾の上空にマッハビーストが到着して、
ホエール1号と『お化け屋敷』のメンバーからの
情報を貰っていた。
ロイド《現在レッドマンはクラプトンと交戦中、
隊長。どうします。急いで来たから魚雷等は積ん
でませんよ。》
アーサー《さてどうした物か……》
ホシノ《こちらホシノ。聞こえるか?ロイド隊員》
ロイド《聞こえています。チーフ。》
ホシノ《あのクラプトンが海洋プランクトンの一
種なら音波ミサイル弾を使用して見てはどう
ですか?》
アーサー《成る程、海洋生物の系列なら音に敏感
になっている筈だ!?ロイド隊員!?》
ロイド《了解!?……怪獣がいるか調べる調査が
目的だったから……クラプトン。勝負はまた今度
な…》
マッハビーストは東京湾にいる怪獣に向かって
音波ミサイル弾を発射!?
「「イヤッ!?」」
レッドマンの全身はクラプトンの触手に拘束され
完全に身動きを封じ込められた……
クラプトンは身動きを完全に封じたレッドマン目掛け
突撃する!?
(ワープまで残り5秒……)
クラプトンがレッドマンに迫る!?
【ドボン!?】
何かが東京湾に落ちた音を聞こえて、次の瞬間、
【キーーーーーーーーーーーーン!!!!!!】
落ちた音の周辺から音波が東京湾に広がる……
波は波紋を作り東京湾の魚は一斉に音から逃げる
当然その音はレッドマンとクラプトンがいる位置
にも届き
クラプトンは突然の不意討ちに怯み
突進するのをやめて必死に東京湾から離れて行く。
クラプトン(覚えていろ……)
レッドマンは周りを見渡して敵の反応が離れた事
実を知る。
辺りを軽く散策して音波を発生させたミサイル弾
頭をレッドマンを見つけて、『お化け屋敷』の
マークを見て
(先輩達に助けて貰ったね。ベム。)
(それ以上にあいつら俺らが助けているだろ。)
クラプトンが去った方向を見て……身も蓋もない
発言をするベム
(あの怪獣は、食欲旺盛で話し合いは通じない
タイプだ。前に一緒に見たろ。人間に遺伝子
組み換えで頭が良くなったサメの奴、黒人の
コックが生き延びたサメ映画。)
(【ディープ・ブルー】だね。知能が高くなった
サメの映画。)
怪獣にも一定の知能の差はある。同じ種族の言語
を発声できる個体や、本能のままに暴れるタイプ
。今回のクラプトンは知能は高いが、本能に逆ら
えないタイプで、急な突然変異にある系統らしい
(明日、浮遊生物研究所に尋ねよう。あの怪獣が
プランクトンでどうして怪獣となったか……)
レッドマンはワープして東京湾から姿を消す。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
香取葉子は、自室のベッドにてタブレットを操作
しながらふと窓を見る。特に夜の三門市の代わり
映えしないが最近、祖父の木造の家を懐かしいと
感じるようになった……
香取(最初はあんなに嫌だったのに……)
前の家は子どもの頃は恥ずかしい気持ちがあった
……どうして自分の家はこんなビンボくさいのか
父親に良く文句を言って事もある。
でも大規模侵攻で倒壊してしまい望む望まず私達
は新しい新居に引っ越す事となった……
香取(家は壊れたけど家族が無事だったからそれで
満足しないと……華は自分の両親さえも……)
香取「うん?」
タブレットで見るのは話題のネットニュースなど
学校とかボーダーで話す雑談系だ。
最近、無我夢中でランク戦に取り組んでいるのだ
が周りに心配されている……まるで何かを恐れて
いるように訓練や防衛任務を組んでいる。
そう……私は恐れている。剣持夢想を、
人間に化けた怪物を…………時間があると考えて
しまうのだ。剣持が私にどう報復してくるか。
ボーダーに報告すれば何とかなるかと考えたが、
剣持の本気を私は知らない…私は正直色々と限界
だ……家族や親友に危害が及ぶかも知れないから
誰にも相談も出来ない……
不安で夜も眠れない……どうしてこうなって
しまったのだろう。
香取「これって……」
ふと話題のニュースでヒマラヤのクレパスで巨大
な氷の広間を発見したらしい……それだけなら
大した話題にもならないけど……怪獣の死体と
レッドマンと同じ人型宇宙人の二人分の死体が
発見された。
一人は天井の氷の氷柱に串刺しされて、もう一人
は片目を鋭利な物で刺し貫かれて絶命している
死体だ。
発見者達は、レッドマンの仲間なんじゃないか
調べる方針らしい。
香取「ヒマラヤ…」
そうだあの日の夜、剣持がヒマラヤに父親の仕事
の手伝いでヒマラヤに行って戻って来たらアイツ
がおかしくなっていたのだ…
香取は忌々しく写真の画像を睨む。
だが睨んでも仕方ないとタブレットから目を離し
香取はベッドに眠っ転がる……そしてふと倒して
いた写真立てに気付きそれを起こして見る。
『香取隊結成3周年』
香取隊のメンバーと剣持がひょっこりと写って
いる写真だ。部隊結成3周年記念写真
真ん中に私、右側に華と麓郎、左に雄太、そして
……
香取「…カメラの方見ずに右側見てるし……」
剣持の奴は、たまたま近くを歩いていたから声を
掛けて一緒に写真撮ったんだけ……本人は部隊の
人じゃないからか、遠慮してひょっこりとしか写
ってないけど、
香取「……私もまたつまらなそうな顔してるな…
……この日付ってランク戦に負けた日だったから
機嫌が悪かったけ……」
満足に笑っているのは、華と雄太の二人だけ、
私はつまらなそうな表情をして麓郎は緊張して変
な感じになってる。
でも……今より何か楽しい時間だった気がする。
顔見知りが漸く入隊して来て、何かワクワクした
そんな大切な時間だった気がする。
香取「あぁ~あ。ヤメヤメ。ゲームしよ。」
時間は止まる事も戻る事も越える事はない。只
決まった時間は前にしか進まないんだ。
それでも、香取は前に進むしかないと自分を無理
くり納得させる。
答えがわからないし、誰かが答えをくれる可能性
もない。自分で自分が納得する答えを見つけるし
かないのだ。
今は……現実を受け入れられなくても……………
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京某所……
江戸川由利子は、2日前ボーダーの少年や少女達
と見て回った製油所の写真を現像していた。
江戸川「これって?」
彼女は一枚の写真に写るクラプトンのなりそこ
ない……プランクトンの突然変異の失敗して死骸
となった物を見る。
江戸川は急いで連絡を取る。自分が頼りにしてい
るあの二人に……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
朝の東京
剣持は学校に事前に連絡して登校出来ないと伝え
てから極東科学研究所の入り口から外に出る。
ホシノチーフと一の谷博士から浮遊生物研究所に
調査に向かうように言われているのだ。
剣持とイデ隊員にチャールズ隊員とアラシ隊員の
4人はローバーに乗りその場所に向かっている。
他の『お化け屋敷』メンバー達は京浜工業地帯の
石油コンビナートに集まっていた。
ホシノ《隊長から命令は、あのクラプトンは水中
で仕留めるようにと言われている。》
通信機から聞こえた内容にアラシは怪訝な表情を
する。
アラシ「あの怪獣の構造はわかったんですか?」
怪獣の癖に逃げ足が速い相手だから
ホシノ《あぁ。サンダース隊員達を襲った時と
そして一の谷博士が調べてくれたお陰様でな。》
イデ「そんで何か分かりましたか?」
運転するイデが聞く。
ローバーは高速道路を走り、目的地の研究所まで
向かう。
ホシノ《あぁ、剣持達が怪獣闇市場で聞いた通り
クラプトンは元々プランクトンが変異した怪獣で
間違いない。更に体内には吸収した原油を貯めて
いてベックやキム達の見解だと精製してガソリン
にしてる様子は動く製油所だ。》
アラシ「そりゃあ、体内温度は凄く高そうだ。」
ホシノ《勿論、引火する危険もな……狙うなら
海上か水中だ。それぞれ調査が終わったら持ち場
についてくれよ。》
チャールズ「了解!?」
連絡を終えてアラシはげんなりした表情で仲間達
を見て、
アラシ「動く爆弾か火薬庫と戦う羽目になるとは
……」
「その内、石の塊とか動く溶岩の怪物とかと戦う
かもな?」
チャールズ「科学も物理法則もあった文じゃない
な!?」
互いに軽口を叩きローバーは進む。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『お化け屋敷』メンバーが浮遊生物研究所に向か
う中、フリーカメラマンの江戸川由利子は長年の
二人の友人を呼び出して浮遊生物研究所に向かう
。
その男性は、行動力のある熱血漢で現在はSF作家
として活動していた。
万丈目 淳。
長年被っていた白いハンディキャップを被り、
数多くの怪奇事件に遭遇した人だ。
万丈目「にしても由利ちゃん。今回は浮遊生物
研究所に取材なんてフリージャーナリストって
珍しい仕事をしているんだな。」
江戸川「カメラマンとして面白い写真を撮って
しまったからね。知り合いの記者仲間からこれか
ら向かう浮遊生物研究所に情報があると聞いたの
よ。」
万丈目「で本音は……」
江戸川「毎日新報に面白い記事のネタを提供出来
ると思った。これで満足?」
???「相変わらず元気だね。由利ちゃん。」
運転する万丈目の隣の助手席に陽気な雰囲気の男
が笑顔で笑う。
万丈目「それよか一平。お前レストランは今日休
業して良いのか?」
戸川一平。おっちょこちょいだが時折り鋭い勘を
働かせるムードメーカー。
戸川「何、先輩。今日は久しぶりにいつもの三人
が揃って出かけているんです。店の事は心配しな
いで下さいね。」
笑顔で場に和ませて言う。
万丈目「あれから皆、色々あったからな。俺もも
う昔みたいに動ける訳じゃない。」
戸川「まっ、20代の元気は怪獣黎明期に注ぎま
したからね。俺ももう子供が二人いるし……」
江戸川「私も一人娘がいるからね。」
万丈目「娘さん。前会った時、カメラマンか記者
になるって言ってたな。」
江戸川「そうなのよ。私の仕事する後ろ姿が格好
良いとかの理由で……」
戸川「二代目は初代の背中を見て憧れるもんだ。」
江戸川「そう言う一平君はどうなのよ。」
戸川「うちは兄の方が反抗期、弟の方は俺みたい
なダメ人間にならないように滅茶苦茶勉強してる
よ。将来は科学者になるだとよ。」
万丈目「?お兄さんの方はSF作家を希望してなか
ったか?」
三人は今日久しぶりに再会はしたがたまに電話で
皆の近況を話すくらいの余裕はあった。
戸川「半年で飽きたって答えましたよ。でもこの
ご時世、怪獣やら怪奇事件やら世界中色々な問題
ある中夢を持つのも大変なのかも知れない……
そんな気がするんですよ。」
万丈目「……俺達が子供の頃描く未来と……今の
子供達が描く未来はこんなにも差があるのは実感
するよ。」
江戸川「はいはい。辛気臭い顔しないで、お二人
さん。取材協力お願いしますよ。今日は研究所の
取材を終えたらそのまま京浜工業の石油コンビ
ナートに取材に行く予定なんだから。」
万丈目「……わかったよ。」
万丈目は長年の愛車コンバーチブルタイプの
スポーツカー運転して目的地に向かう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イデ「着きましたよ。」
アラシ「ここか。」
ローバーを駐車場に停めて4人は降りる。
剣持は近くの入り口にある年季の入った看板にあ
る文字を見て『浮遊生物研究所』に到着した。
アラシ「やけに寂れているな…」
煉瓦を素材にした洋風の建物で壁のあちこちには
ナツヅタの蔓が覆われてある。
「……人の気配がない?留守なのか?」
すると車の音が近く聞こえて剣持達は振り替える
とコンバーチブルのスポーツカーが駐車場に停車
運転していた人を含めて乗っている人達が車から
出て来る。
そのうちの一人は、2日前に会った一の谷博士の
知り合いの江戸川由利子さんだった。
江戸川「あら、君は確か?」
「剣持夢想です。……江戸川さん達こそどうして
こちらに?」
江戸川「写真で数ヶ月前に生物の学会に発表され
た廃油を栄養源にするプランクトンと同じ
個体があの製油所で写真で写るくらいの大きさで
見つけたのよ。」
写真を『お化け屋敷』のメンバーに見せる。
チャールズ「あの鴉が見せたサンプルと同じ奴だ
。」
アラシ「でもあれって顕微鏡で見える生き物だろ
?」
江戸川「その答えをあの研究所に聞きに行くのよ
。」
彼女は指先を浮遊生物研究所に向ける。
戸川「じゃあ、先輩。俺は車を見てます。」
おっちょこちょいな印象の男性は駐車場で待機
するつもりらしいが、
万丈目「何言ってる!?お前も来るんだよ。」
もう一人の男性に引っ張られていて何だか新聞部
の三人を連想させる人達だ。
「あの二人は?」
江戸川「大丈夫。あの二人はやる時はやる人なん
だから……」
そして彼女はそんな二人を信頼している。
イデ「私も何だかお腹が痛くて……あっ熱が。」
アラシ「俺とチャールズが前衛。剣持は後衛で、
彼らを守ってくれ。」
「了解。……やけに静かな施設だ。」
剣持はローバーに積まれたブラックランチャーを
持ち出して……構える。
アラシ「牽制用だからな。」
チャールズ「お邪魔するぜ。」
アラシ「あっ!?」
チャールズ隊員は研究所に入る。続いて万丈目と
アラシ隊員に戸川さんに江戸川さんも研究所に入
り、剣持は後ろを振り向きイデ隊員の言う。
「イデ隊員。置いていきますよ。」
イデ「待ってくれ~私は只の通信技師だよ!」
怖いのか、それとも向いていない事に本気になれ
ていないのかイデ隊員は立ち止まる。
「……俺はそもそも見習い隊員だよ。」
本当は夢想も三門市に居たいのに怪獣が東京や京
浜に出現した今、こうして行きたくもない場所に
足を運んでいるんだ。……あの怪獣が世界中の
石油を吸収してもし更に強くなったらボーダーの
皆も危険だ。
レッドマンから見てもあの怪獣は倒した方が良い
「……俺は先に行きますよ……」
そう言い捨て剣持は先に向かう。
イデ隊員は周りに誰もいなくなった駐車場で一人
心細くなり……
イデ「待って~~置いてかないで~~!?」
剣持の後ろに必死に付いてくる。
剣持達が施設内を歩いて周囲を見回しながら仲間
達の元に向かう……
その内の第1研究室に入ると……実験器具や薬品
があちこちと乱雑しており水槽があった。
研究資料の書類も散らかっていた。
但し……水槽の中には熱帯魚や生物はいなく、
透明度が高い水しか映ってはいなかった。
イデ隊員の後ろから足音が聞こえて二人は警戒し
イデ「!?」
「誰だ!?」
剣持は瞬時に後ろを振り向きブラックランチャー
を構えると……イデ隊員の背後に、一人の女性が
いた。
???「お化け屋敷の皆さんですね……」
小さな声で剣持達を見る女性はここの科学者だ
ろうか?白衣を身に着けて儚げな印象を見せる
女性だ。
???「ここに来た理由は、あのプランクトンに
付いて聞きたいからですか?」
どうやら彼女は俺達が来た理由に心当たりがある
ようだ。
剣持は銃をゆっくりと下に降ろして警戒を解く
「……教えてくれませんか?あのクラプトンの
事を……」
???「……はい。」
彼女の声は隠していた秘密がバレた諦めにも、
この事態を俺達が何とかしてくれると希望にすが
るようにも聞こえた……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…彼女の名前は、高橋凛助手。専門は浮遊生物の
研究を主にしている。
俺達はチャールズ隊員達と集まり彼女の研究室で
彼女からの話を聞く。
高橋「始まりは……数ヶ月前、……レッドマンが
出現した頃まで遡ります。私は……助手としての
地位に満足出来ず博士号を取る為、浮遊生物研究
で新種のプランクトンを学会に発表させる為、
教授達と協力して世界中を探し回り……あの廃油
を飲むプランクトンを発見して研究を始めました
。」
江戸川「例のプランクトン。確か学会で発表した
んですよね。」
高橋「……確かに発表はしました………学会も油
を飲むプランクトンに驚き……良い流れでした…
……」
その時の栄光を思い出したのか明るい表情をする
彼女。
戸川「でもどうしてそれがあんなデッカイ生物に
なったんだ。」
能天気に助手に聞く戸川一平。
高橋は憂いを帯びた表情に変わり話をし始める。
高橋「……研究員の一人が誤ってプランクトンの
入ったガラスのシャーレを割ってしまい。プラン
クトンがその研究員の身体に付着して地下のボイ
ラー室のこぼれた重油にプランクトンが接触して
しまい事態は急変しました……」
彼女は視線を万丈目達から黒い液体……石油に目
を合わせて、恐怖を露にした表情をする……
高橋「重油……いえ石油を栄養源にしたプランク
トンは、顕微鏡無しで肉眼で捉えるくらいの大き
さに成長し、……私達は新発見と喜びました。で
も……そのプランクトンが恐ろしい程の好戦的に
狂暴な性質とは私も研究所の所長達も気付けなか
った……野球ボールサイズになったプランクトン
は、餌である油の味を求め、所長が極東科学研究
所に輸送中、体内に蓄えたオイルを吐き散らして
所長達はそれに気を取られて交通事故で亡くなり
そのプランクトンは逃走。私は……怖くなり、そ
の残りのプランクトン達を石油コンビナートの近
くの海に瓶ごと捨てたのです。」
チャールズ「どうして……俺達『お化け屋敷』に
相談しなかった。君の勝手な行いが、今のあの怪
獣を作り出したんだぞ!」
アラシ「落ち着け、チャールズ。」
チャールズ隊員が珍しく怒っている。
チャールズ隊員の言う通り高橋助手が事前に連絡
してくれれば、あのプランクトンが怪獣になるの
を阻止出来たかも知れない……でもどうして……
どうして……彼女はワザワザ石油コンビナートの
近くの海に浮遊生物を瓶ごと捨てたんだ?
江戸川「どうしてその生物を海に……」
フリージャーナリストの江戸川さんが彼女に取材
する。
高橋「私が捨てた海の近く石油コンビナートは、
近隣の住民達と環境問題で裁判をしていて原因は
……コンビナートから海に流れ込む廃液について
……」
戸川「それならテレビのニュースで見た!?」
アラシ「泥沼の裁判だろ。殺菌処理した廃液を海
に流すな…………」
高橋は目元に涙を溢れさせながら言う。
高橋「私は……あの浮遊生物をそのコンビナート
から流れ込んだ………殺菌処理した廃液が瓶の中
の悪魔を殺すと思い沈めました………」
それは……自分がした罪を懺悔するかのような告
白だった…………この人は自分がした悪い事に…
ずっと罪の意識に苛まれていたんだ。
万丈目「だが現にあの浮遊生物は今も我が物顔で
タンクローリーやガソリンスタンドで油を吸って
いる!?」
江戸川「この写真のプランクトンの死骸を見るに
……」
チャールズ「毒薬のカクテルの廃液に耐性が出来
た個体が異常生長して巨大突然変異体(ミュータン
ト)になった可能性が高い……」
「つまり沢山いる訳ではないんですか?」
チャールズ「君が見た個体とサンダース達が見た
個体じゃサイズに差があり過ぎる……」
万丈目「多分、巨大じゃない方は………輸送中に
逃走した個体だろ。数ヶ月しても後から目撃され
た巨大生物より巨大じゃないのは、突然変異せず
活動しているからだ。」
その時、各通信機から音が鳴り始めて、腕時計型
通信機を操作する。
アラシ「どうしましたか?」
ホシノ《怪獣クラプトンが現れた。場所は東京湾
近海だ。》
アラシ「了解。直ちに現場に急行します。」
アラシは仲間達を見回して、
アラシ「チャールズはここに残ってあのプラン
クトンの弱点がないか調べてくれ。」
チャールズ「わかった!?」
「俺達はどうする!?」
アラシ「怪獣を湾内で攻撃する訳にはいかない。
石油コンビナートを絶対に守るんだ。」
「ちょっと!?熱くなるのは良いけどさ。何処を
担当するか決めてくれよ。」
アラシ「あっ!?」
イデ「では私はチャールズ隊員と……」
アラシ「イデは俺達と一緒に行動だ。」
イデ「あっ……はい。」
「江戸川さん達はどうしますか?」
江戸川「私達はこの後京浜のコンビナートに向か
う予定よ。」
高橋「私はチャールズ隊員と過去の研究資料を調
べて見ます。」
「宜しくお願いします。」
彼女も責任を感じてくれているのか協力的だ。
こうして俺達はチャールズ隊員を浮遊生物研究所
を残して東京湾の石油コンビナートがある
場所に向かう……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
一方……ボーダー本部にも出動要請が出ていた。
風間隊と玉狛第一と三輪隊がヘリコプターで出動
風間「早いな……昨日の今日だぞ。」
ヘリコプターに用意したラジオニュースで怪獣が
東京湾近海に出現して周辺に避難勧告が出された
を聞く風間隊。
菊地原「文明の源を枯渇される前に見つかって助
かったと言った方が良いですかね?」
歌川「どちらにしても今回の作戦は、怪獣を倒す
のじゃなくて市民の避難を手助けする方針みたい
ですから……」
風間「……剣持からの連絡で体内に貯めた石油で
相手は常に高温でヘタな火器だと周辺が大爆発す
る危険性のある動く火薬庫らしい……」
菊地原「うわぁ~~デンジャラス~~」
三上「後、上層部から剣持を一人にさせるなって
言われていますしね。」
三上(国近さんが、やけに剣持君を気になっていた
のが怪しいですけど……)
風間「剣持でも石油コンビナートで変な事はしな
いだろう。ほらっこれもあるしな。」
風間は銀色に光る丸い2つの鎖で繋がれた金属の
輪を見せて
歌川「そ、それ使う必要があります?」
軽くドン引く歌川。
風間「……念の為だ。一見剣持は真面目に奴に
見えるが、行動が読めない事がアイツにはある。」
菊地原「まっ、感情がある時と無表情の2パター
ンありますけどさ。」
三上、歌川(菊地原と風間さんも表情が少ない方な
のは黙っておこう……)
玉狛第一は、
木崎「東京湾か……」
烏丸「珍しいですか?」
木崎「……三門市を出る方が少ないからな。」
烏丸「剣持からの連絡で今度の怪獣は動く爆弾か
爆発直前の火薬庫のような怪獣らしいですよ。」
小南「えっ?そんなのどう戦うつもりよ!?」
烏丸「知らないんですか?小南先輩。怪獣を麻酔
で眠らせて種子島のロケットで打ち上げて宇宙ま
で飛ばしてから太陽の中に怪獣を放り込むんです
……」
小南「えっ?そうなの!?結構大掛かりな事をす
るのね。」
烏丸「最新の巨大宇宙戦特化ロボットと巨大空中
戦艦の連携する手筈です、」
息を吸うように嘘を言う男。それが烏丸京介。
この人世が世なら詐欺師も真っ青な凄い事をしそ
うな隊員である。
小南「知らなかったわ……」納得した表情をする
烏丸「すいません先輩……嘘です。先輩。怪獣一
体倒すのに、そこまで大掛かりな事はしません。」
小南「えっ?………………………………騙したわ
ねぇ!?」
騙されて怒り襲いくる小南の攻撃をヒョッイと
回避する烏丸は通常通りである。
木崎は軽くため息を吐き……ふと窓の景色を見る
のだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ローバーで京浜工業地帯に到着した剣持達はムラ
マツキャップ達と合流。
ホシノ「剣持は地上での援護を頼む。」
「了解。」
「二人共気を付けてね~~」
イデ「うにゃ~~~~」
石油コンビナート近くに待機して置いたマッハビ
ーストに無理やり乗せられて行くイデに剣持は手
を振り、地上に残る。
赤と銀のマッハビーストは搭乗員を乗せると垂直
に上昇して時折、機体が揺れるも東京湾の方に向
かうのだった……
「大丈夫か?何かぎこちないようだが、」
(なるようになるしかない……)
しばらく待機しているとボーダーのヘリコプター
が近くのヘリポートに止まり、彼ら彼女らが降り
てこっちに歩いてくる。
宇佐美「やぁやぁ。剣持君。地底怪獣の時以来だ
ね~~」
笑顔で手を振る玉狛第一のオペレーターが近付い
てくる。
【ーーーッ!?】
(ムズムズセンスが反応している。怪獣に何か動き
があったのか!?)
東京湾の方を振り向く剣持に宇佐美は笑顔で手錠
を掛ける。
宇佐美「これでよし!?」
(あっ!?)
「あっ!?」
宇佐美「よし。これで一安心。」満面な笑顔で……それはもう満面な笑顔で彼女は手錠と剣持を見る。
「………………何してくれるんですか……」
軽く怒りを露にするも寸前に堪えて無表情になる
剣持は自分の両手首に嵌められた手錠を一度見て
宇佐美先輩の方を見る。
宇佐美「だって剣持君。進んで危ない所に行こう
とするからね。あっ鍵は古寺君に預けてるから…
古寺君~~щ(゜▽゜щ)カモン。」
古寺「あっどうも、本日は宜しくお願いします。」
宇佐美さんに呼ばれて三輪隊の狙撃手の一人の
眼鏡を掛けた隊員がこっちに来て挨拶をする。
米屋「よう。剣持。半魚宇宙人の時以来だな。」
フレンドリーに剣持に話し掛ける米屋と真面目に
仕事に来た奈良坂隊員と三輪隊長がこっちにくる
。
三輪「……再会そうそう悪いが今回は大人しくし
てくれ……上層部もお前を心配してくれているん
だ。」
「……良いですけど、これじゃあ何かあったら直
ぐ行動出来ないですよ。」
本当ならこんな手錠は引き千切れるが、問題は
どうして手錠なんかさせられたかだ。
風間「一万度の火炎を吐く地底怪獣の元に向かった妙
な事を二度も起こさない為の処置だ。大人しく古
寺の側にいる事だ……」
宇佐美「とりあえず、作戦の説明をお願いします
。」
剣持はしぶしぶボーダーの人達をローバーに集め
てムラマツ隊長が考案した作戦を説明する。
「怪獣クラプトンは石油を飲んで大きくなるプラ
ンクトンで廃液に耐性を持った個体が突然変異に
なった怪獣です。」
烏丸「……昭和の香りをする怪獣ですね。」
風間「怪獣映画のお約束だな…」
二人程、変な感想を言っているが無視する。
「怪獣は石油を探す探知能力に長けていて、この
京浜工業地帯は中京工業地帯に並ぶ日本の経済を
支える大事な場所です。今回メインは空と海底の
2方面からの同時攻撃を基本として怪獣にガソリ
ン入りのドラム缶で日本近海に誘導して海中で
爆発させる作戦です。」
木崎「工業地帯防衛戦か……」
「現在怪獣は真っ直ぐにこっちに進行してる最中
でこっちも湾内に攻撃して被害が出ないようにす
るのを第一に行動している。」
三輪「今回のボーダーの要請は、被害が起きた場
合のここの作業員達の救助と避難を手伝う事、」
古寺「戦闘は『お化け屋敷』達に任せて僕らは、
このもしもの為の人員ですか……」
小南「流石に前みたいに斬り掛かる訳にもいかな
いし……彼らが水中で怪獣を何とかしてくれるの
を願うしかないわね。」
「取り敢えず、制御室にいるここの工業施設の責
任者に会いにいましょう。」
ボーダーの人達と移動する剣持。左右に人が並び
まるで気分は逮捕された容疑者だ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
海上に複数の紐を固く結んだ黄色いドラム缶を浮
かべさせた海の上空から赤と銀の戦闘機マッハ
ビーストは、怪獣を探す。
怪獣クラプトンは日本に向かっているタンカーの
近くに姿を現して長い尻尾を使いタンカーを真っ
二つに打ち付けて耐えられず破壊。
タンカーは炎に包まれて炎上し海に沈没。藻屑と
化す。
マッハビーストが発見して怪獣の真上を旋回飛行
するも怪獣は海中に潜る。
確かに怪獣クラプトンは出現したが、クラプトン
は石油コンビナートが並ぶ工業地帯を進行方向に
海中に潜り追跡をかわす。
深海魚をモデルにした特殊潜水艦『シーマリン』
には地球科学特捜隊SAFの隊員達協力で怪獣を追
い込むも、素早い動きにやや翻弄されている。
サンダース「すばしっこいぞ!?」
レーダーに映らない怪獣を赤外線サーモグラフィ
ーで探しているが、
操縦しているジュリーも攻撃しようにも怪獣は
素早く泳ぎシーマリンのミサイルを回避して、
海上に浮かぶドラム缶達の方に向かう……
サンダース「こちらサンダース。怪獣が餌に引っ
掛かった!?」
ムラマツ《了解。》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM 戦闘母艦スカイハンター〕
イデ「キャップ!?あれを!?」
マッハビーストを今回初実戦で操縦するのは、
普段は基地で通信連絡を担当するイデ隊員だ。
黄色いドラム缶が浮かぶあるエリアに、赤いエイ
の形に似た怪獣が、海から顔を出す。
クラプトン「「キュラア~~キュラアキュラア!
?」」
オイル怪獣クラプトン
身長70㍍
体重1万2000㌧
京浜工業地帯の工業廃液にて突然変異したプラン
クトン。石油を始め油を常食しており顔の先端に鋭く伸びた一角と長く伸ばした尻尾。尻尾の周りに伸びた触手を武器にタンカーや石油がある場所を狙う。突進攻撃を
得意とするが頭が良い怪獣でオイルを吹き散らしたりして金属を溶かす赤い体液や尻尾や触手を金属並み硬くしたり尻尾には相手を痺れさせる毒針を持っていたりと多種多様な能力を使う恐ろしい怪獣だ。
独特な鳴き声を上げてマッハビーストは怪獣の
頭上を旋回して、怪獣クラプトンは空を飛ぶ戦闘
機を無視して目の前の餌のガソリンが入ったドラ
ム缶を口に次々と流し込む。
ムラマツ「アラシ。イデ。怪獣に出来るだけガソ
リンを食わせろ。私が合図するまで絶対に発砲し
てはいかんぞ。」
イデ「はっ!?わかってます!?」
イデは緊張気味に返事をしてアラシは心配になっ
た。
アラシ(地上戦の経験や訓練はこなした事はあるけど戦闘機での実戦はイデは始めてだからな…)
マッハビーストは怪獣の周りを旋回飛行して怪獣がドラム缶を食べている様子を暫く見る。
ムラマツ「よし!?今だ。攻撃開始!?」
隊長からの合図でイデ隊員はミサイル発射レバー
を引き、マッハビーストからミサイルが発射。
怪獣の背中に直撃して怪獣は怯み、一旦海中に
潜る。
その時、通信機が鳴り、ホシノチーフが応対する
ホシノ「こちらホシノ。どうした?剣持。」
《こちら、剣持。怪獣の体内にはガソリンやら石
油やら引火の危険性のあるのが多いからミサイル
での攻撃には細心の注意を払って下さい!?》
そう言い通信が切れる。
ホシノ「……………怒られてしまったな。」
イデ「チキショー。なんて素早い奴だ。」
怪獣も黙ってやられるつもりはない。
アラシ「あっ!湾内に侵入しました!?」
怪獣は海中から移動して東京湾に侵入。
マッハビーストも日本近海から直ぐに怪獣を追い
かけて舞台は東京湾に移る。
付近の漁船を始めとした船は全て港に停泊させて
東京湾を我が物顔で進むオイル怪獣クラプトン。
イデ「クソ~~」
イデ隊員は焦って東京湾の海中にいる怪獣にミサ
イルを勝手に撃とうとするが、ムラマツ隊長が慌
ててイデを止める!?
ムラマツ「イデ。湾内では絶対に発砲してはいか
んぞ!?」
東京湾から怪獣クラプトンが鳴き声と共に姿を表
して、始めての戦闘機の実戦で緊張していたイデ
は怪獣の姿を見た瞬間、頭の中が真っ白になり、
イデ「はっ!?」
ムラマツ「撃ちゃっいかん!?」
驚きと反射的でミサイル発射のレバーを引き、
咄嗟にムラマツがイデの手を止めた時には既に発
射された後だった。
ムラマツ「しまった!?」
ムラマツ隊長の悲痛の叫びと脳裏に過る最悪な事
態を他所にミサイルは怪獣の背中ではなく顔面に
直撃して爆発。引火は起こらなかったが、怪獣は
怒った……そう怒ってしまったのだ。カンカンに
……それはもうカンカンに…激おこプンプン丸で
怪獣は口から勢い良くオイルを吹き散らして、
石油コンビナートの工業地帯までオイルを飛ばし
運が悪いのかコンビナートにある喫煙所の一つの
中にタバコに火を着ける最中の作業員にそのオイ
ルの雨が振り注ぎ、……引火……タバコに火を着ける最中のその作業員はこの世から直ぐ様ゲットアウトして喫煙所は引火爆発!?爆発と同時に爆炎は広がり周囲の製油所を巻き込みタンクに引火。爆発してタンクの破片が吹き飛び炎が火柱となり、火種が一気に燃え上がり京浜工業地帯は大火災が発生する。
「……わぉ。」
作戦の様子を知る為に外に出ていたボーダーの人
達はその火事が発生する一部始終を石油会社の事
務所の外から見ていたボーダー隊員達と剣持は絶
句しながらも、
菊地原「……出番ですね。」
歌川「……不謹慎だぞ。」
風間「……誰が発砲した?」
言葉に怒りを混ぜて風間隊長は言う。
「……イデさんですね。」
歌川「隊長。」
風間「わかっている。逃げ遅れた作業員達を救出
しに行くぞ。」
「あの俺も。」
剣持も行こうとするが、
小南「あんたは留守番!?」
風間「こっちは俺達が何とかするからここで大人
しくしていろ。」
三輪「奈良坂と古寺はここにいろ。剣持もだ。」
烏丸「三人は、制御室の職員達の傍にいろ。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
各部隊のオペレーター達は部隊と連携する様子と
制御室からひっきりなしに被害の報告の電話が鳴
り響き応対する職員達の様子を見る剣持は何とか
抜け出して変身するタイミングを狙うが、こうも
人が多いと難しい……
(両手の手錠は、俺本来の身体能力で破壊は可能
だ……)
(コントロールにブレがあるけどね。)
数日間、剣持本人の身体能力レベルにセーブする
事はあるけど必要な時はレッドマン本来の身体能
力まで上げれるのは、良い事と捉えるべきか、悪
いと捉えるべきか……
(近くに三輪隊の古寺さんもいるし、うかつな事
はできないに等しい……)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM 神々の闘い〕
ムラマツ「見よ。最悪な事態となった!?あれ程
湾内の攻撃はいかんと注意したのに!?」
紅蓮の炎に真っ赤に燃え上がるコンビナートの様
子を空から目撃する『お化け屋敷』の面々。
イデ「申し訳ありません。いきなり飛び出して来
たのでつい反射的に撃ってしまったんです。」
自分がした事に意気消沈に理由を述べるイデ。
しかし隊長は、隊員の言い訳よりも起きてしまっ
た……更に言うと起こしてしまった事態の収拾を
優先する。
ムラマツ「言い訳は無用だ。一人の過失は科学特
捜隊全員の責任だ。アラシ。イデ。我々の面目に
掛けて怪獣を始末するんだ。これ以上に犠牲は出
せん!?」
怪獣は燃える湾内を泳ぎ石油コンビナートに侵攻
する。
ホシノ「こちらホシノだ。剣持。あぁ。わかった
。怪獣が京浜工業地帯に上陸した。」
怪獣クラプトンは左右のヒレで宙に舞い尻尾と触
手を硬化させてコンビナートのパイプラインを破
壊。先端の鋭く尖った一角で無傷の原油があるタ
ンクを破壊し美味しそうに原油を飲むクラプトン
。文明の源を枯渇させるまで怪獣は止まらない。
ムラマツ「クソ!?腹を狙え!?イデ!?何をぼ
んやりしているんだ!?」
《只今、ロイド隊員とベックチーフが乗ったマッ
ハビースト2号機が現場に到着しました。後、
キャップに腹は避けて攻撃をお願いします。》
ホシノ「引火の危険はこっちもわかっている。」
《火は吐かない怪獣ですけど歩く爆弾と変わらな
いんですからね。液体窒素弾を積んだ2号機が怪獣の
動きを止める手筈です。》
あらかじめ、水中で倒せない場合の別のプランを
一応用意していた。
ムラマツ「撃て。」
ムラマツ隊長の指示でクラプトン右側にマッハビ
ーストのミサイルが発射され、クラプトンに直撃
し爆発するも怪獣は驚異の生命力で石油コンビナ
ートで暴れる。口からオイルあちこちに吹き掛け
て火災の勢いは更にまして、酸素も消費される。
まさに火に油を注ぐを有言実行して辺りは凄い
灼熱地獄となる。
ムラマツ「いっ、いかん。あの製油所の火を我々
の手で消すんだ!?アラシ着陸。」
アラシ「了解!?」
マッハビースト1号機は、剣持達がいる石油会社
の事務所の近くに着陸して、剣持達がいる事務所
向かう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
トリオン体はトリオンを使った攻撃以外に傷つか
ない。身体能力も上がり、普通の炎は爆発でも平
気な物だ。
米屋「ヤベヤベ!?爆発する!?」
4人の作業員を担いで迫る爆炎から脱出する。
三輪がシールドを展開して作業員達を炎から守り
三輪「この辺りの無事な作業員はそれで全員か?」
米屋「そっちは何人助けれた?」
三輪「21人。」
米屋「こっちは19人だ。」
彼らを安全な所に移そうにも火の勢いは凄く、
救出に手間取る。
米屋「他の部隊の連中も大丈夫かな?」
三輪「トリオン体なら平気だ。それよりも急いで
次に向かうぞ。」
作業員の一人がこっち走って来て、
作業員「消防車が来たぞ~~!?」
近くに消防車のサイレンが鳴り響き、
三輪「彼らを消防隊がいる所まで運ぶぞ。」
米屋「皆さん。もう少しだけ頑張って下さい、」
もう一方でも、
風間「化学消防車か……」
軽い脳震盪で気絶した年配の男性を運びながら消
防関係が来た事を知る。
菊地原「よっこらせ。」
若い作業員3人を持ち上げて高所から跳び素早く
移動して一番
下で作業員達を集めている歌川と合流する。
歌川「サンキュー。菊地原。三上から救急車がぞ
くぞくこっちに来ていると連絡があった。」
菊地原「三人とも軽い火傷。命に別状はありま
せん。」
菊地原はサイドエフェクトの強化聴覚で救助対象
の状態を知る事が出来る。
風間も燃える階段は使わずパイプを足場にして高
所から地面に着地して合流する。
風間「怪獣は餌であるオイルを呑気に飲んでいる
ようだ。」
三上《『お化け屋敷』も怪獣より施設の被害を止
める方向です。》
歌川「にしても凄く熱いですね。」
トリオン体で身体中から汗が流れて落ちてもおか
しくないくらい周りの温度も上がっている。
火はまだ燃え上がる。
小南「そりゃあ!?」
大きな声が施設に響き彼女が倒れた瓦礫を持ち上
げ瓦礫の下に倒れていた人を、
小南「鳥丸!?」
烏丸「はい先輩!?」
後輩がすかさず救助者を救助する。
三人の近くで赤い炎が吹き上がるが、
木崎「三人共こっちだ。」
吹き出す炎を木崎のトリオンのシールドでガード
して三人を外に連れ出す。
小南「もぅ!?あちこちで火災が発生してキリが
ないわよ!?」
熱気と高温の灼熱地獄の中を走る玉狛第一は、
烏丸「でも俺達がどうにかしないと、」
木崎「!?京介エスクードだ!?皆、伏せろ!?」
先頭を走っていた木崎が何かに気付き、指示を出
す。
京介「了解!?小南先輩も」
片手を地面に置きエスクードを複数展開してその
木崎と烏丸は後ろに回る。
小南「ちょっと、説明しなさいよ。」
急にエスクードを必要となった理由を聞こうとす
る小南。
木崎「タンクが爆発する。」
その直後近くの原油がまんべんなく詰まったタン
クが引火爆発して、
周囲の音は一瞬消えて爆発!?視界を爆発の炎一
色に変えて、小南は綺麗に吹っ飛ぶ!?
小南「必ず後で合流するわよ~~~~!?」
烏丸「小南先輩は大丈夫です。先にこの人を安全
な所に、」
自分のやるべき事を優先する烏丸。
分断されたが、心配はしていない。
烏丸「この火災どんどん広がっています。」
木崎「そうだな。」
今は何とかなっているが、このままの勢いだと、
被害を食い止める事が難しくなる。
二人はちらっと怪獣クラプトンの方を見て、
木崎「怪獣も自分の周りのタンクは引火させない
ように立ち回っているようだが、炎で身動きを止
められているようだ。」
烏丸「せめて雨でも降ってくれたら少しは火の勢
いが消えるのに……」
木崎「雨乞いの儀をやるより走るぞ。宇佐美。
マップが数分間に変わる。火が来にくいエリアを
教えてくれ。」
宇佐美《了解!?地形が随時変わって忙しいけど
頑張るよ~~小南は左の通路を使って、そこはま
だ大丈夫だから、レイジさん達は真っ直ぐ進んで
右の施設を通って走ってね。》
近くから炎が火柱を上げるのを一度振り向き確認
して視界を戻して走る三人。
玉狛第一「「了解!?」」
それぞれが奮戦するも火の勢いは落ち着く事なく
増す。燃え広がり続ける炎の中、ボーダーは必死
に火災現場から巻き込まれた作業員達を助ける。
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慌ただしい空気が事態の悪さを物語る状況。
この石油会社の関係者が被害の状況を確認してい
るが、その人の顔色を見ると芳しくないようだ。
その様子を部屋の端で眺める剣持達
古寺「奈良坂さん。」
奈良坂「この状況で俺達が出来る事は少ないぞ。」
トリオン体で隊長達の救助活動を手伝っても、
灼熱地獄の工業地帯をどうにかする事は、ボーダ
ーでは難しい……専門の消防達でさえ火の勢いに
悪戦苦闘しているのに……
複数の足音が聞こえて三人は扉の方に視線を向け
る。扉は開き開けた人達を見て剣持は言う。
「皆さん……」
ムラマツ隊長を始めとしたメンバーが並ぶ中、
イデ隊員の真っ青な顔色を見て、どう声をかけた
ら良いのかわからない……
古寺「……どの人がイデ隊員ですか?」
見学会不参加の三輪隊の古寺が小声で剣持に聞く
「……あの真っ青な顔色で思い詰めた顔をした人
です。」
奈良坂「……彼の実戦経験は?」
奈良坂さんも小声で剣持に聞く。
「……今回が戦闘機の初陣だったらしいです……
訓練では悪くはなかったんですけど……」
三輪隊の狙撃手二人はイデ隊員を見て、
奈良坂「自分を追い詰めなきゃ良いが……」
古寺「失敗してしまった事よりこの状況をどう終
結出来るか……それが大事ですよ。」
会社の幹部「火は既に2号タンクに燃え移ってい
るんだぞ!?化学消防車を総動員しても間に合わ
ないんだ!?」
幹部の叫びが事態の悪さを教えている。
石油会社の社長「君。県内の消防隊を全部呼ぶん
だ!?東京からも応援を頼め!?良いな。」
専務「社長……2号タンクはもう…手の施しよう
がありません。」泣きそうな声で社長に報告する
専務に社長はこの事態を引き起こした『お化け屋
敷』に詰め寄る。
社長「君。湾内では怪物に発砲しない計画だった
そうじゃないか!?」
社長「この事態を一体どうしてくれるんだ!!こ
の製油所には何十万リッターと原油があるんだ!
!もしも全滅したら……我が社は…」
怒鳴る声も途方くれる悲しみを混ぜた声になり、
ムラマツ「……全て科学特捜隊の責任です。」素直に社長に頭を下げて謝罪の言葉を言うムラマツ隊長
社長「何とかしてくれ頼む!?」
もはや懇願を言う程製油所は追い詰められていた
ムラマツ「火の手から遠い所にオイルを移す事は
出来ませんか?」
アイデアを口に出す隊長だが、そのアイデアを聞
いたこの石油会社の幹部は苛立ちを顔に出しなが
ら答えを言う。
幹部「一個空にするだけで30時間は掛かるんだ
!?とても間に合わん!?」
イデ隊員を横切りながら答えを教えた幹部は、科
学特捜隊に対して文句を言う。
幹部「湾内で発砲したらどんな事になるか素人で
も分かりそうなもんじゃないか!?何が科学特捜
隊だ!?」
(夢想。あの幹部嫌な奴だな。)
(わかって上げてよベム。彼らの仕事場を巻き込まないのが前提なのに、職を失う危険に晒してしま
ったのは僕ら『お化け屋敷』のせいなんだから…
彼らの立場もわかってよ……)
(……そうだな。悪い……)
ベムを軽く諭して自分達の出番はそう遠くない事
を肌で感じる。剣持は気分転換に江戸川さん達の
話をする。
(江戸川さん達は大丈夫かな……)
(京浜工業地帯の何処を取材するかは聞いていな
いが、流石にこの騒ぎなら取材は中止だし、安全
な所にいるだろう……)
しかし彼らはアンバランスゾーンの住民。剣持達
の予想なんかお構い無しに、燃える京浜工業地帯
にいた……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
十数分前……万丈目達も剣持達がいる石油会社に
到着したが、既に作戦は始まっており、取材は断
られた……
万丈目「まっ運がなかったって事で諦める事だな
。」
江戸川を諭すように言う万丈目。しかし彼女は、
少し距離を離れていたが、怪獣の出現の鳴き声を
聞き関係者以外立ち入り禁止の扉を壊して原油が
詰まった巨大なタンクに備え付けられた階段に登
る。
戸川「待ってよ。由里ちゃん。」
慌てて一平が走る彼女の後を追う。
万丈目「ったく仕事熱心だね~~」
万丈目は近くの自分の車に残って石油タンクの上
で怪獣の姿を必死に写真を撮る彼女を見て、
昔も今も変わらない友人にふと懐かしい気持ちを
思い出すのだ……
万丈目(時代と共に色々変わっても変わらない物も
あるんだな……)
現在……
江戸川「誰か助けて~~」
戸川「助けてくれよ~~」
辺りは炎がメラメラと火の海と化した石油タンク
の上から二人は叫ぶ
江戸川由里子と戸川一平
最初は怪獣が海から姿を現す姿を写真に撮るつも
りで高い所に上がったのだ。
クラプトンの姿をカメラのシャッターに捉えて、
降りようとしたら怪獣はオイルを吹き出し、引火
あちこちに火災や爆発が発生して二人が降りれな
くなったのだ……
万丈目「待ってろ!?今助けを呼んでくる!?」
あの高さのタンクの上から二人を助けるには梯子
車かヘリコプターが必要だ。
しかし彼らのピンチは続く。
万丈目が念のために石油タンクから離れて自分の
車を停めていたが、その近くマンホールから無数
の触手が伸びて別の小型クラプトンが姿を現す。
戸川「もう一匹現れた!?」
大声で叫ぶ戸川のその言葉に万丈目は驚き、
万丈目「何処に現れた!?」
戸川「先輩の車の近くのマンホールから!?」
慌てて後ろを振り返る万丈目。
身体に傷がついた小型クラプトンは、海から現れた個
体に比べて大分に小さいが……それでも只の一般
人の自分達にとっては充分過ぎる脅威には違いな
い。
小型クラプトンは万丈目の車のガソリンを吸収して、
触手で車を横転させる。
万丈目「チキショー。よくも俺の車を!?」
怪獣クラプトンは由里子と一平がいる石油タンク
に触手を伸ばし、二人は悲鳴の叫びを上げる。
江戸川「きゃあああああ~~」
戸川の右腕を掴み悲鳴を上げる由里子。
戸川「先輩~~助けて下さい~~」
迫るクラプトンにビビる一平。
万丈目は何とか怪物を二人から引き離す方法は
ないか?必死に周りを見る。
万丈目「どうしたら……うん?あれは……」
燃える炎が立ち込める場所で、万丈目はそこにあ
る1台のタンクローリーを見つける。
戸川「先輩~~早く何とかして下さい~~」
情けない声を上げる一平。石油タンクにゆっくりとクラプトンが迫る。
万丈目は決心してそのタンクローリーの元に急ぎ走る。
タンクローリーの近くの炎を掻い潜り開きっぱなしドアを見てキーが差してある事を確認。この時座席には導火線が置いてあり。これは使えると考える。
万丈目「よし。キーは差しっぱだ。うん?」
導火線を利用してタンクローリーを爆発させる事を考え付く万丈目は直ぐに導火線を持ちタンクローリーに巻き付ける。
目的地を埋め立て地に指定して長さや強度に問題ないか確認して導火線を伸ばし
万丈目「準備完了!?」
万丈目はタンクローリーのドアを閉じてキーを操作してタンクローリーのエンジンを掛ける!
クラプトン「!!」
そのエンジン音が周囲に聞こえクラプトンは動くタンクローリーに気付く
クラクションを鳴らして万丈目は叫ぶ。
万丈目「かかってこい怪物!?」
「「!?」」
クラクションの音の挑発が効いたのかクラプトンは石油タンクの上に
いる二人を無視して万丈目が運転するタンクロー
リーの方に迫る。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
イデ「!?」
何かを決意したイデは皆の元へ離れ走り出す。
アラシ「イデ!?」
「俺が追います!?」
剣持はイデ隊員を追いかけようと駆け出すが、
奈良坂「お前は大人しくしていろ。」
奈良坂と古寺が剣持を止める。
「大人しくする事なんて俺は出来ません!?」
古寺「手錠したまま行くつもりですか?」
「そうです!?」
奈良坂「これはA級部隊の隊員として命令しているんだ
冷静になれ、剣持。今のお前はトリオン体でもない只の生身だ。ヘタをすると命の危険があるんだぞ。」
勝手な独断行動をしようとする剣持に奈良坂は強く言う。剣持をこの部屋で後方支援にしたのは今回の任務で剣持はトリガーの使用許可が降りなかった為で、身の安全の為後方支援の役割を与えてボーダー上層部も剣持を素直に心配しているのだ。
剣持(ベム)は基本命令に忠実な方だ。その言葉に一瞬冷静になるが、剣持(本人)は違う。無表情の仮面など捨て真剣な表情でA級隊員と向き合って
「そんなの関係ない!?」
奈良坂「!?」
宇佐美「ちょっと!?」
堂々とした剣持の命令無視にオペレーターも驚く。
そう言い剣持は手錠をしたまま走り部屋を後にする。
古寺「剣持君!?僕がフォローします!?」
三上「古寺さんも。」
古寺も急いで剣持の後を追う。
奈良坂(何だ……さっきの違和感……)
確かに奈良坂は剣持の事には詳しくない。
だが二宮が言っていたように二重人格も嘘ではないかも知れない……理論派の奈良坂は目の前で見た剣持の一面に疑問が生まれたのだ。
奈良坂(思えば、監視任務の時の突然の自宅からの外出。そしてその先に宇宙人との遭遇…………偶然ではないのか?…………剣持はあの場に宇宙人がいるとわかっていたから外出したのか……)
奈良坂の洞察力は高く普段の剣持の言動や行動が本人の性格と噛み合わない事に薄々気付き初める。
さっきの剣持との会話は、変な事だが本人の言動と行動が自然と噛み合ったように違和感がなかったのだ。
その為、今までの剣持の言動などに奈良坂は違和感を覚え始める。
奈良坂自身……その答えが、まさか宇宙人が剣持の身体に乗っ取り肉体を操っているとは予想も出来なくても仕方がない……
消防士「社長!?第6号7号タンクも引火!?消火液も役に立ちません!?このままでは全滅です。」
慌ててた様子で現状を報告する消防士に、社長や専務達は真っ青な顔になる。
奈良坂は迷う。三輪隊長から指示を仰いだ方が良いのは
間違いないのだが、咄嗟の判断でどうにかなる訳でもないんだ。
月見「奈良坂君。古寺君だけだと心配だから二人のカバーをお願い。」
自分の隊のオペレーターが自分に鶴の一声を言う。
奈良坂「了解……」
奈良坂は古寺達の後を追う。
そして奈良坂達が見えなくなった後に月見は言う。
月見「……剣持君って聞いてた年齢の割に大人びたイメージ通りの子だと思ったら案外年相応な一面もあるのね。何か……安心したわ。」
三上「……国近さんが見た剣持君の気になる一面ってさっきのような事なのかな……」
太刀川隊のオペレーター国近は目の前でゾークロン達を倒す際の一切の躊躇無しに相手の命を奪う行動と明らかに自分達より実力がある青い騎士のエルヴィル隊長を相手に自分を逃がした事……余りにも自分の命を大切にしない事を国近は気になっていたのだ。
その根幹に剣持夢想は皆と知り合う前からヒマラヤで死んでいる為、自分の命に躊躇がない……危険な傾向とは誰も気付かない……
一度物理的に殺された人間が生きた人間を優先したとは誰も考えないし……誰も想像できる筈がない……
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マッハビースト2号機がクラプトンに接近して液体窒素弾を発射しようするが怪獣はオイルを吹きマッハビーストはソレを回避する。
燃える炎の上を飛ぶマッハビーストとクラプトン。
先端の一角をロイドは機体を傾けて怪獣と交差。
ロイド「プランクトンにしては厄介過ぎるだろ!?」
不満を口に出しながらもドッグファイトする両者
後ろを取られないように立ち回る、
マッハビーストは後ろがジェット噴射口の為、オイルが直撃したらそのまま引火爆発する危険がある。
その時ベックチーフのヘルメット型通信機が鳴り
ベック「こちらベック。今手が離せない状況よ。」
チャールズ《離さなくても良いから聞いてくれ!?
浮遊生物研究所でクラプトンについての研究資料
調べた結果『ポリドーム液』に弱い事がわかったぜ。》
ロイド「そりゃあ朗報だ。でもそんなの積んでないぞ。チャールズ。」いつもの軽口のやりとりを省略してこの状況を打破の会話をする二人。
チャールズ《だと思って今、ローバーに高橋助手を乗せて極東科学研究所の科学者達にポリドーム液の積んだロケット弾は用意して貰って来た。現在作戦地域に合流の最中……以上だよ。》
ロイド「……アイツ到着予想時間言わずに切りやがった……」
ベック「取り敢えずこれ以上被害を抑えなくちゃ。」
仲間からの切り札が来る前にコンビナートが無くなるのだけは阻止しないと、
消える事なく燃え続ける石油コンビナートで作業
員や消防士達があちこちで走る。その中をイデは走る。
どんなに消火しても火の勢いは止まらず吸う空気も熱い。
「イデ隊員~~何処にいるんですか!?」
剣持も無数の声や炎の音を始め沢山の音が聞こえる中でイデ隊員を探す。
古寺「剣持君~~ちょっと止まって!?」後ろで必死に追いかけて来る古寺に気付き剣持は走るのを止める。
しかし急に剣持が立ち止まる為、古寺は剣持の背中にぶつかり反動で倒れる。
古寺「うだっ!?」
倒れた古寺を剣持はぎこちなく助けて、
無表情で「大丈夫ですか?」と訪ねる。
古寺「うん。」
剣持は古寺の安否確認をしてから本来の目的の
イデ隊員を探す為右往左往に走る作業員達や消防士の人達を見る。
古寺「鍵はいる?」手錠の鍵をポケットから取り出して
剣持に見せる。
「……俺の独断行動ですから手伝うと三輪隊に迷惑がかかりますよ。」
古寺は真面目に剣持の無表情の顔と両手に嵌まった手錠を……そして自分の手元の鍵を見て、無言で剣持の手錠を外す。
剣持は軽く手首を擦りながら……古寺に問う。
「良いんですか?こんな事して、」
古寺「緊急事態でやむを得ず……その両手じゃあ
イデ隊員のお手伝いも出来ないだろ。」
奈良坂《こちら、奈良坂。古寺聞こえているか?》
トリオン体の通信に連絡が入る。
古寺「奈良坂さん。」
片耳を片手で押さえて、応答する古寺。
奈良坂《クラプトンがもう一匹見つけた。》
古寺「なっ、」
驚愕な表情をする古寺に剣持も怪獣の気配を感知
する。その個体は数日前の気配と同じ物だった
(見学する時に遭遇した個体だ。)
「「キュラキュラキュラ~~」」
巨大クラプトンもコンビナートにて猛威を振るう
無数の触手と尻尾を鞭のように振り建物を倒壊させ
古寺「危ない!?」
古寺がシールドを出して倒壊してきた破片を防ぐ。
古寺「無事か剣持君。」
「はい。助かりました。」
剣持はお礼の言葉を言いイデを探す。
作業員「誰か助けてくれ~~」
上の方から声が聞こえて古寺と剣持は周りの建物の方に
視線を向けて探す。
古寺「あの建物だ!?」
古寺はイーグレットを取り出してスコープで見つける。
どうやらさっき降ってきた瓦礫に巻き込まれたようだ。
「あっ、イデ隊員を発見!?」
古寺は建物にいる作業員からイデ隊員の方に視線を移す。
奈良坂《化学消防車のホースを借りて火災の消火を頑張っているが焼け石に水だ。》
(どうする……)
剣持はイデ隊員と作業員を見て迷う。どっちの方に向かうのが正しいのか……冷や汗をかきながら考える
古寺「イデ隊員の方には僕が向かうから剣持君はあの作業員さんを頼む!?」
「なっ、」
古寺「とにかく今は時間がない。1分1秒が生死に関わるんだ!?」
「!!イデ隊員をお願いします!?」
古寺はイデ隊員の方に向かい走り出し。
「ここが入り口か。」
剣持も作業員がいる建物の開いた入り口の中に入
り階段を探して上がる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
次々と吹き掛けるオイルを避けて怪獣に接近。
ロイド「ロックオン完了。」
ベック「液体窒素弾発射!?」
ロイド隊員とベックが怪獣に狙いを定めて液体窒素弾を発射。
クラプトン「「キュラキュラ~~キュラアキュラア~~」」突然の冷気で身体の動きを鈍らせて
クラプトンに直撃して瞬く間に身体を凍り漬けにする。
ロイド「よし!?」
地上から見て怪獣の活動を停止させる事に成功して安心する皆。
後は消火活動や救助活動に集中すれば良いと考える消防隊だが階段を上がる剣持は険しい顔をして真っ白く凍り漬いたクラプトンを近くの窓から見る……
(まだだ……まだ奴は……生きている!?)
剣持は窓から視線を離して助けを求めている作業員の元に急ぐ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そして剣持の予想は当たる。
クラプトンは体内の吸収した油を燃焼させ発熱、
全身に張り付いた氷を溶かして破壊活動を再開する
ベック「何て奴なの!?」
自分自身の体内の石油を引火爆発する危険を考えずに怪獣にベックは驚愕な表情で見る。
ロイド「どうしますか?ベックチーフ。」
用意した液体窒素弾は、各支部にも常備した強力な弾丸で今回の作戦の切り札のつもりで用意した物だが相手の燃焼力を甘く見ていたようだ。
部下のピンチを見かねてエドランド隊長も出撃する。
但しマッハビーストは全て出撃したしてある為余り物のジェットホバー9で出撃。
エドランド「これ以上好きにはさせないぞ!?かかってこい!?この化け物め!?」
果敢にも怪獣の背中上部を攻撃して、クラプトンの注意を自分の方に向けるが、空中旋回から
怪獣クラプトンは口からオイルを吹きジェットホバー9は低空飛行で華麗に回避するも、それは囮で本命は尻尾による攻撃で見事にジェットホバーにかすり、
エドランド「うわぁああああああああ!?」
隊長が乗ったホバー9は東京湾に墜落する。
小南「あの人何しに来たのよ~~!?」
まさかの墜落を目撃した小南は有らぬ限りの大声を燃える空に向かって叫ぶ!?
尚東京湾に墜落したホバー9にはSAFのシーマリン号が救援に向かうようだ。
一方 古寺はイデ隊員を見つけるが、こんな事態にしてしまった責任を感じたイデは激しい勢いの炎を一人で消火しようと踏ん張るも、火は勢いを弱まる事なく増すばかり、
古寺「イデ隊員。ここはもう駄目です。」
イデ「でも……」
月見《古寺君。近くのタンク熱が膨張……直に爆発するわ!?》
オペレーターの連絡でそこから退避するように言われ
必死で消火活動するが熱気の凄さに怯むイデ隊員を助けようとする時、近くオイルタンクが爆発。
古寺は咄嗟にイデ隊員の前に出て庇うも衝撃波で二人は
イデ「うっ…………」
吹き飛び、ぶっ飛んだ先でイデ隊員は頭を打ち気絶する。
古寺「イデ隊員!?」
慌てて気絶したイデに駆け寄る古寺。
奈良坂「揺らすな。古寺。」
奈良坂も古寺の元に走って来て気絶したイデ隊員の身体をゆっくりと持ち上げる。
奈良坂「古寺はゆっくり両足を持て。ゆっくりだ。」
古寺と奈良坂は二人がかりでイデを持ち上げその場から退避する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「大丈夫ですか?直ぐ助けますから……」
倒れている作業員の上にある瓦礫を持ち上げようとするが、持ち上がらない……
(あれ?力が……)
(馬鹿か!?お前の力だけでそんなサイズの瓦礫を持ち上がる訳ないだろう……)
「ふんぬ!?」
小南「何やっての!?」
「見てわからないんですか。下のこの人の上にある瓦礫を持ち上げようとしているんですよ。」
小南「手伝うわよ。…ほい。」
何時の間にか何故か小南さんが近くに現れて瓦礫を両手であっさりと持ち上げ、持ち上がる物を失った剣持は勢い良く床に倒れて顎を打つ。
「あっイテテ……助けてくれてありがとうございます。」顎を抑えて起き上がる剣持。
小南「大丈夫?」
「大丈夫です……ソレより小南さんはどうしてここに……」
剣持は作業員を立ち上がらせて、どうして小南がいるのか聞く。
小南「古寺隊員から月見さん経由で栞さんに教えてもらったのよ。さっ、ととっと移動するわよ。」
小南は作業員の肩を組み。
小南「私の後ろについてきて……」
そう言い彼女は移動し始める。
俺はその彼女の後を……追いかけず別の通路を
走る!!
レッドマンに変身する為に……暫く走りと誰もいない部屋に剣持は入り、燃えるとある部屋で、「「変身!?」」と叫ぶ。
剣持の全身が赤く光に眩しく発光して剣持夢想の全身の細胞が活性化して変化し巨大化する。
しかしその細胞変化は、凄まじい激痛が発する。
まさしく……それは『これは効くぜ~~』と叫ぶ連中と
『せめて最後のご奉公を……』のあのエキスを飲む奴ら並みの覚悟を毎回しないといけないのだ。
(このネタ知っている人はワールドトリガーで何人いるんだろ~~)
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い久しぶり痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い熱い痛い熱い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!?)
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い後でボーダーの皆に叱られるのは痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い確定だ!?痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い熱い!?痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!?)
(痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛いあああぁぁァァーーーーーー!!)
ピカピカーーン!!デーン!!!!
「「イヤッー!!」」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM W.l.N.R 出撃せよ〕
空に燃える炎が迫る程大火災の京浜工業地帯に、赤い眩い光と共にレッドマンは80㍍の大きさで建物を壊して出現する。
(建物を無闇に壊すな!?建物の中や下にまだ人が
居たらどうするんだ!?)剣持は怒る
クラプトンは突然現れたレッドマンに警戒する。
その知らせは『お化け屋敷』とボーダー達にも伝わる。
宇佐美《嘘っ!?レッドマン!?》
玉狛第一も風間隊と三輪隊も突然現れたレッドマンをそれぞれの方向から見る。
「「レッドファイト!!」」
レッドマンはファイティングポーズを構えてオイル怪獣クラプトンに向かって走り出す!?
クラプトン「「キュラキュラア~~キュラキュラアキュラア!!」」
前回と違い地上戦をするレッドマン。
真っ直ぐ突進するクラプトンの一角を姿勢を低くして避けたが怪獣はレッドマンの片腕に触手を伸ばして引っ張り、力比べをする。そして怪獣は尻尾を鞭のように振り上げレッドマンの身体に叩き付ける。
「「イヤッ!」」
クラプトンの猛攻に耐えながらもクラプトンの触手を引っ張り上げて地面に叩き落とす!?
怪獣の無防備な背中に追撃しようと攻撃するレッドマンだが怪獣は直ぐに飛び上がりレッドマンは自慢の腕力で怪獣の触手をブチブチと音を立てて引き千切る。
クラプトンは千切れた触手を直ぐに生やして、
レッドマンめがけて突進攻撃をする。敵めがけて猛突進し、レッドマンを後ろに撥ね飛ばして、レッドマンは
倒れかけて建物に背中ぶつけ建物に亀裂が走り窓ガラスは割れ急いでレッドマンは態勢を整える。
クラプトンはもう一度レッドマンめがけ突進。レッドマンはタイミングを合わせて身体を素早く横転してその突進攻撃を避けてクラプトンの腹に肘を打ち込み両者の間に炎が燃え上がる。
炎があちこちに燃えるコンビナートで両者激しくぶつかりレッドマンは建物をこれ以上被害が出ないよう怪獣に連続チョップを浴びせながら戦う場所を東京湾に決める。怪獣の凪ぎ払う尻尾を何度直撃しダメージを負うもレッドマンは素早く怪獣クラプトンの両端を両手で掴み動きを止めてすかさず右膝蹴りクラプトンの腹に浴びせて東京湾に向かって放り投げる。
海に叩き付けられてクラプトンを追い東京湾に身体を沈めるレッドマン!?波しぶきが飛び散り東京湾を戦い場に移す
「「レッドチョップ!?」」
迫るクラプトン先端の鋭い一角を紙一重に回避して手刀を繰り出すレッドマン。
怪獣の顔面に連続攻撃を打ち込み再び怪獣の両端を掴み
ハイキックを腹に打ち込むもクラプトンの尻尾と触手に
絡め取りレッドマンは東京湾に倒れ込みクラプトンは自由になる。直ぐ浮上してクラプトンの触手を引っ張り急接近して右手を赤く発光させ
「「レッドパンチ!?」」
無防備のクラプトンの腹にぶちこむ!?
レッドマンの猛攻にクラプトンも苦しむ!?
レッドマンは怪獣の両端を掴み両腕で持ち上げ海に叩き付ける。再び持ち上げで海に叩き落とす!?
だが怪獣も負けてはいない。
クラプトン「「キュラキュラ~~」」
隙を付きレッドマンの背中に硬化させた尻尾を刺して、
効果は直ぐに表れる
(何だ?身体が……痺れ始めて……)
動きが鈍くなるレッドマン。海に怪獣を叩き付けようとするも投げられず東京湾に沈む。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
小南「あれ?剣持は?」
烏丸「一緒じゃないんですか?」
小南は皆と合流するも、剣持が後ろにいない事に気付き、
ホシノ達は剣持を捜索する。
ホシノ《引き続き剣持の捜索してくれ、徹底的に捜索するんだ。》ホシノが連絡すると、
チャールズ《デリバリーのポリドーム液のロケット弾を持って来たよ。》
烏丸「それで効果はあるんですか?」
チャールズ《一応、奴さんの皮膚組織を分解出来るのは確認済みだ。的は70㍍の1万㌧の赤エイそっくりのプランクトンか……》
ホシノ《よし。チャールズは射程距離から攻撃してくれ。何発ある?》
チャールズ《一発だけだよ。》
まさかの一発だけに
小南「ちょっと!?大丈夫なの!?」
チャールズ《時間がなかったの!?俺だって本当はもっと欲しいよ。でも的をデカイんだ。何とか当たるだろ。》
陽気な返事を返すチャールズ。
奈良坂「俺がやろうか?」
チャールズ《ロケットランチャー射った事あるのか?なら安心して任せるけどさ。》
奈良坂「……」
木崎「彼に任せよう……俺達は作業員を安全な場所に避難させる任務がある。」
奈良坂「分かりました……」
小南「剣持の奴。本当に何処にいるのよ。」
自分達がさっきいた建物はレッドマンが出現した際に建物は内部から倒壊して瓦礫と化している。
烏丸「取り敢えずあの周辺をもう一度探しましょう。」
玉狛第一は姿を見えない剣持を探す為に走る。
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「「イヤッ……」」
身体が痺れて自由が効かないレッドマンはクラプトンの無数の触手が首に巻き付かれて締め上げられて苦しむ。
クラプトン「「キュラキュラキュラ~~」」
吸油を二度も邪魔されてクラプトンもレッドマンの息の根を止めようと触手に力を入れる。
前回同様の戦法だが、前回と違い今のレッドマンに振りほどく力が出ない今、怪獣に確実に追い込まれていた……
チャールズ「さて見せ場だ。」
その近くを海岸沿いにローバーが停車してチャールズは
用意したポリドーム液が詰まったロケット弾をロケットランチャーに装填して運転席から構える。
ロイド《的が大きいからって外すなよ。チャールズ。》
チャールズ「なら怪獣の注意を引いてくれ。アイツ左右に身体を揺らして狙いが狙えないよ。」
ロイド《了解。さぁ愉快な油大好き怪獣。相手になるぞ。》
チャールズ「エドランド隊長みたいにしくじるなよ。」
笑いながら言う。さっきの返事のつもりだが、
ロイド《心配するな。俺を信じろ》
軍事訓練経験者のロイドはあっさりと答えて通信
を切るのだ。
チャールズ「……凄い自信だ。」
思わず口から呆れた声が出てしまう程。
適度なリラックスは終わり、
マッハビースト2号機はクラプトンの頭上を旋回して、
ロイド「目標照準確認よし。発射。」
操縦桿の横にあるミサイル発射レバーを引き、
マッハビースト2号機からミサイルが発射され怪獣の顔面に綺麗に吸い込まれるように直撃する。
クラプトン「「キュラ~~キュラ~~」」
のたうち回りお腹を晒す。
チャールズ「どうも、お届け物です。」
ロケットランチャーからポリドーム液のロケット弾が怪獣のお腹に命中する。
チャールズ「よし!?当たった。……的が大きくて助かった…」
腹の皮膚組織がポリドーム液の効果で分解され始めて内部に蓄えたオイルが漏れ出す。
クラプトン「「キュラキュラ~~」」
悲鳴を上げて苦しむクラプトン。触手を締める力も無くなりレッドマンの拘束も解かれる。
(痺れが解けた……そろそろ決めるぞ。夢想。)
(あぁ。)
「「イヤッ!?」」
身体の痺れが無くなったレッドマンは素早く前転して横転しクラプトンの右側のヒレを両腕で掴み。一気に力を込めて怪獣の身体をブーメランのように放り投げる。
クラプトンは身体全体を回転させてレッドマンを刺し貫き為突進する。
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〔推奨BGM ウルトラマンパワードメインテーマ〕
今までで一番強力な突進を放つクラプトンに、レッドマンは全身を赤く光らせ衝撃波すら発生する突進を両腕で受け怪獣の動きを止める。迫るクラプトンの必殺の螺旋一角は、首をずらして紙一重に回避。無防備の怪獣の顔面をレッドマンは連続エルボースタンプで殴打。追撃に
レッドマンは両腕に力を限界まで込めて、クラプトンの一角を掴み、
「「レッドチョップ!?」」
手刀の構えと共に身体全体を勢い良く腕を振り一角を狙い振り下ろす。
【バキッ!!】
音と共に怪獣クラプトンの一角はレッドマンに叩き折られ、勢いが無くなったクラプトンは燃える京浜工業地帯に突っ込もうとする。
(させないぞ!?)
「「イヤッ!?」」
燃える建物にオイルが漏れたクラプトンが接触したら、この辺りが大爆発が起きる危険性を考えたレッドマンは
弱体化したクラプトンの巨体を右手で掴み、一気に500m上空まで放り投げる大技。ジャイアントスローでクラプトンを上空に飛ばして、
全身を赤く発光させ上空に投げられたクラプトンに向け
真下からレッドマンは両腕を交差して
「「レッドサンダー!!」」
トドメのレッドサンダーを放つ。
光線は500m打ち上げられたクラプトンに直撃して空中爆発する。
海岸沿いからその光景を見た高橋助手は喜ぶ。
高橋「レッドマンがやりましたわ。」
チャールズ「俺達の援護のおかげでね。」
ドヤ顔をするチャールズ。
(さて……後は消火活動だけだな。)
(手から水でも放射するのか?)
(いや、もっと効率的な技で解決する。ふっん!?)
レッドマンは身体の向きを変えて燃える工業地帯を視界に捉えて両腕を×状に交差して組み両腕を広げる。
静かに念力で石油コンビナートの炎を全て見えない超能力で打ち消して消火させる。
火災の念力消火を終えレッドマンはその身を赤く発光してボーダー達の前から姿を消すのだった……
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巨大クラプトンとレッドマンの闘いとは他所に、
小型クラプトンと万丈目達の闘いも終わろうとしていた。
音を立ててタンクローリーの上に乗るクラプトン。
万丈目「餌にかかったな。」
ゆっくりアクセルを踏む万丈目。急にスピードを上げるとクラプトンがびっくりして逃げる為、慎重に、タンクローリーは進む。目的地は3キロ先の埋め立て地だ。
クラプトンは中にあるガソリンを吸う為車体を溶かす赤い体液を出し始める。バックミラーからその様子を見た万丈目は焦り
万丈目「こりゃあ。急がないと不味い!?てっうおっ!?」
クラプトンの無数の触手が車体に侵入してくる。
万丈目の首に触手が巻き付かれるが、無理やり触手を振りほどきタンクローリーの窓ガラスに叩かれヒビが入り見え難くなるも、ハンドルはしっかりと持ちタンクローリーを動かして、目的地の埋め立て地に到着する。
この埋め立て地は前に星空航空に勤めた時、空から一平
と見ていた場所だ。
クラプトンは餌のオイルに夢中で離れるつもりはない。
車の運転席の方のドアクラプトンの触手が叩きまくり変形して開かない。
万丈目はシートベルトを外して直ぐ様、助手席から飛鳥の如く脱出する!?
クラプトンが乗ったタンクローリーは埋め立て地に落下
と同時にタンクローリーに向けられた導火線に向け万丈目は持っていたライターで点火。導火線に火が放たれて、小型クラプトンはタンクローリーもろとも爆発。
爆炎に巻き込まれないように走る万丈目。
クラプトンの身体が炎上したを確認して
万丈目は急いでその場を後にする。
一平と由里子は消防署の人達が無事救助して、三人は無事合流。
万丈目「……疲れた……こっちはもういい歳なのに……」
腰を下ろし疲れた顔で答える。
戸川「お疲れ様です。先輩。」
自分も危ない目にあったのに万丈目を気遣う一平に、
万丈目「…………俺の車は、レッカーが必要だな。」
二人はクラプトンに横転された万丈目の自動車を見て、
万丈目「はぁ~~」
今日の出来事を思い出してため息をゆっくりと吐く。
万丈目「……由里ちゃんは?」
戸川「浮遊生物研究所からこちらに来た高橋助手に取材してますよ。」
万丈目「元気だな~~帰りはタクシーだぞ。」
まぁ、工業廃液による突然変異したプランクトン。
考え方によってはあの生き物も人間に翻弄された被害者なのかも知れない……
アンバランスゾーンの住民は知恵と勇気で、あらゆる困難に立ち向かっていくのだ。
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「お~い。」
無表情で手を振りボーダー隊員やお化け屋敷達の
メンバーの元に走る剣持。
アラシ「剣持。無事だったのか!?この野郎。」
小南「何処に行っていたのよ!?こっちは必死に探していたのに……」
はっきりと怒る小南先輩に、剣持は素直に謝る。
「……す、すいません。」
余りの剣幕に、烏丸先輩が仲介に入る。
烏丸「先輩。剣持も反省してようですし、もう良いでしょう。」
小南「ふん!?」
小南は剣持に怒り表情のまま後ろを向きその場を離れる。
「すいません。烏丸先輩。木崎先輩」
木崎「……小南はそれだけお前を心配していたんだ。それはわかってやってくれ。もしお前に何かあったら、近くいたのに何も出来なかったと、小南が自分を責めてしまうからな。」
「はい……」
(こんな事なら分身を用意するべきだった……)
現在分身は、例の蜘蛛糸発射装置開発に勤しんでいた
。
(聞こえるか?本体。)
(!?)
(たった今……蜘蛛糸発射装置の試作機は完成した
ぞ。自宅にて訓練している。改善点は沢山あるが、結構楽しいぞ。以上。)
分身からの報告に剣持は喜ぶ。
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〔推奨BGM 光の戦士〕
古寺「ここに寝かせましょう。」
気絶したイデ隊員を消防車の横に寝かせて、
ムラマツ「イデ!?しっかりするんだ!?」
ムラマツ隊長達もイデに駆け寄る。
イデ「キャップ……自分は……科学特捜隊失格であります。……今日限り……退職させてもらいます。」
ムラマツ「何を言っているんだイデ。君は我々の仲間だ!?君は立派な科学特捜隊の一員だ!?」
今回はイデだけの責任ではない。最悪の事態にはなったが、レッドマンや消防にボーダーの全員で事態の収拾にあたったんだ。
イデ「キャップ……暫く自分は基地で大人しくしています。ガク……」
そう言い彼は再び気絶した。
アラシ「たく。しょうがないな。もう~」
一方 東京湾にて、シーマリン号が船体下部から銀の2つのマジックハンドを伸ばし、ホバー9の救助活動をしていた。
エドランド「乗せてくれるか?」
サンダース「……給料上げてくれますか?」
キム「こらっ!」叱るキム。
サンダース「冗談だよ。それよか足元気を付けて下さいね。隊長。」
海底から浮上したシーマリン号にて、
サンダース「それよか隊長。ジャックとジーンは俺達がこんな大変な事件を担当してる間、何処に行っているんですか?」
エドランド「……最近、三門市にて蜂のハイテクコスチュームを来た謎の男が、三門市のあちこち現れて凶悪な犯罪者達の命を奪っている。二人はその捜査の手伝いだ。現場には何時も、蜂の顔を模したマスクをシンボルにしたカードが置いてかれている。カードにはこう書かれている。『スカルホーネットマン』っと……」
サンダース「スカルホーネットマン?通り魔ですかね?」
エドランド「さぁな。だがいかに凶悪な犯罪者でも私的な理由で殺されるいわれない。」
レッドマンとして、一つの事件は解決した剣持。
人間の文明に翻弄されたプランクトン。
剣持は、何気なく石油コンビナートを見て……
静かに三門市に戻るのだ。
『次回のワールドトリガーThe REDman HEROは、東京奥多摩ニュータウンのとあるマンションの地中の奥深くにて数億年間眠っていた硬態怪獣!?長き眠りから目を覚まし地面を砕き地上に姿を表す。
しかし!?無理な在地造成影響で怪獣の背中の甲羅にはマンションが建設されてしまい。そのマンションを背負ったまま破壊活動を開始する。マンションに取り残された少女と剣持達。うかつにボーダーも『お化け屋敷』も攻撃出来ない。暴れる怪獣!?出番だ軟鉄装甲兵!?
総天然色!?大スペクタクル!?
次回……『永遠の冬眠』