ワールドトリガー・TheREDmanHERO 作:怪物怪人怪獣さん
〔推奨OP 聖闘士星矢ハーデス 冥王ハーデス十二宮編 地球ぎ〕
銀河連邦の円谷ヒーロー達とPSアジトシリーズの巨大ヒーロー達が、各それぞれの場所で星空を眺めるイメージで、
とある夕焼けの時間……
日本の首都東京……高層ビルが幾つも建ち並び、道行く
自動車と人達はまるで働き蟻の如く動き。その人達には生活があり日本の経済と社会を支える為に動く彼らの日常を突如予期せぬ自然の猛威が襲いかかる。
【ドッドッドッドッドッ】
突然の東京で地震が発生して辺りが軽く揺れる。
歩いていた大勢も地震に足を止めて……1分も満たない時間で揺れは収まり彼らは何ごともなかったかのように
歩くのを再開する。
テレビやラジオでは軽く地震速報のテロップが出るも、
大したこともない震度2で、直ぐに皆興味を無くし、他の事に集中する……
同じ時刻 奥多摩ニュータウンの住宅街にて、東京の都心に比べ震度4の為、住宅街にある密集している経営団地のマンションの一室で引っ越し作業の荷造りをしている考古学者の青年の部屋の中も地震の影響で考古学の研究資料の紙の束の下敷きになっていた。
西川「痛たた……」
紙の束の山から起き上がり身体を軽くほぐして散らかる
紙の資料を見てため息を吐く青年。
大きな家具を始めとした物は先に同僚の手伝いで新居に移してもらって後は旅行カバンに無理やり仕舞えば何とかなるくらいの物しかない。
青年は窓からマンションの外の景色を見る。
自分が今いるマンションと同じ高さの高層マンションが幾つの並ぶ夕焼け時……近くに見える老朽化が進んだマンションの一部にここ数日間に起きた地震のせいでそのマンションには亀裂やヒビが見える
西川「今日も地震があった……」
西川は真剣な表情でニュータウンの住宅街を眺める。
簡素な折り畳み式の机にあるここ暫く地震が発生
した記録をヒゲを疎らに生やした青年は書いていた。
地震の発生条件は複数のプレートが接触して発生するが
日曜日以外に6日間……1日決まった時間で地震が発生するのを流石におかしい……そう思い数ヶ月……流石の僕も愛用のビン底眼鏡を10を軽く失い。最早日課になっている地震発生記録を記入しながら考える。
西川「地震が発生する前後に、何かが地震を誘発させる事が起きているはずだ……おや?これは」
日記にも今日の地震についての見解を記載する西川、
この西川は、剣持夢想のお父さんの考古学の研究の助手をしていた人物で剣持と親しい間柄の人なのだ。
そんな西川は本の山を片付けていると剣持教授の資料が床に落ちる。
西川「教授……」それは生前、世界各地にある古代生物についての資料集だ。民謡や伝承の生物の噂とかもまとめてある資料で、古代怪獣ゴメスやリトラについても調査している。
西川「飛竜伝説……学名ラプトロス」
普通の恐竜にしては巨大過ぎる大きさの化石で頭部の後ろに伸びた鋭い角、どの始祖鳥や翼竜の特徴でもある前脚が翼になる特徴がこの化石には無く前脚とは別に背中の左右に蝙蝠のような翼がある竜のような化石の調査記録だ。
ヒマラヤの調査を終えた後にする更なる調査をする予定が、今は立ち消えた物だ。
西川「待てよ。教授には二人のお子さんがいて確か一人は今も三門市にいるんだったな。」
教授の葬式に参加した時に色々と葬式の準備をしていた高校生の少年を思い出し、
教授の調査資料を自分が持っていても仕方がないと思った西川は、この資料を教授の息子に渡そうと考える。
西川「……ついでに資料整理も手伝って貰おうかな?」
ナレーション《過密都市、東京……僅かに残った緑さえも、冷たい鉄の塊と、灰色のコンクリートが埋め尽くして行く。土の温もりはなく、冷え冷えのアスファルトの石畳がどこまでも続く。》
ナレーション《アンバランスゾーン。
この世界では、大自然が、われわれ人類の予測不能な不思議な現象を起こす。
今まさに、ここ、奥多摩ニュータウンでも、その何かが起ころうとしていた。》
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〔推奨BGM 咆哮する破壊者〕
何処かの地底……光が差さない暗闇の地底に2つの光る
眼を持つ怪獣は目の前の土の壁に視線を向けて考えていた。
本来なら食えない筈の土を常に食べ……幾つの刻が過ぎたのか……地上の光を見ずに何れくらいの刻が経ったのか……怪獣は暴れたかった……動きたかった……
「「ギャオオオオオォォォォォォン!?」」
吠える怪獣は土の天井を……否、空を……地上を………大地を欲する!?
ファイル11 永遠の冬眠
硬態怪獣ビルガメラー
登場
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〔推奨BGM 地には平和を〕
翌日 土曜日 三門市から離れた山奥の開けた場所にて
【ガチャン。ガチャン。ガチャン。】
巨大な鉄の塊が稼働音と共に大地を歩く。『お化け屋敷』の大型兵器の一つ。軟鉄装甲兵弐式八分九厘(ナンテツソウコウヘイ2シキ8ブ9リン)。
三門市の外れの黒野の屋敷周辺を闊歩する弐式を
剣持はアスレチック野外特訓場の高い場所からリモコンを持って操縦していた。時には右腕を伸ばし右ストレートをさせて、左拳を振る首を左右に振り上半身を横に動かしたり等動作に問題はないかの確認も兼ねて
「……大分動きがスムーズになっているな。うん?あれは……」
弐式を操作して横蹴り等をして訓練を途中で止める。
剣持は新操作プロポのレバーやらボタンが増えた完熟操作訓練をしている最中、近くの来客用の小型格納庫の一つが開閉するのに気付く。
太刀川「えいっ!?ふんっ!?ていやっ!?何だこのモールモッド。滅茶苦茶俺の動きに反応してきてる!?楽しい~~トイヤっ!?」
無数の木と木の打撃音が森に響く。
「壊さないで下さいよ。また作るの大変なんですから、」
太刀川「ほいっ!?ふん!?心配しなくてもわかってるよ!?木製の弧月で壊さないよ。」
太刀川「ん?ストップ。」
アスレチック野外特訓場にて木製の孤月を素早く振り木製のモールモッド相手に生身の戦闘訓練していたジャージ姿の太刀川も片手で待ったの合図を出すと木製モールモッドも攻撃を止め、大人しく待機状態になる。
太刀川は近くに置いていた白いタオルで汗を拭き空から飛んでくる1機のセスナを眺める。
太刀川「剣持?あれは何だ?」
セスナ機はそのまま『お化け屋敷』の小型格納庫に着陸
「『お化け屋敷』の関係者ですかね……」
弐式に視線を戻した剣持はセスナに興味を直ぐに無くし
太刀川「見に行って見るか?」
逆に太刀川さんは興味津々のご様子だ。
「訓練は良いんですか?後、大学のレポートとかも」
太刀川はゲッとした表情になり、
太刀川「風間さん達みたいな事を言うなよ。せっかくお前の仕事の手伝いを建前にサボりに来たのに……」
風間「ほぅ。それはこちらに来た甲斐があると言う物だ……」
太刀川「……へっ?」
風間「剣持。太刀川はボーダー本部にて大切な勉強があるから先に戻らせるぞ。後は出水と国近が手伝いをするぞ。」
「分かりました。」
太刀川「剣持~~。俺を!?俺を助けてくれ~~」
「頑張って下さい~~」
悲痛の叫び声を上げて太刀川さんは風間さんに捕まり、
風間さんに引き摺られて行く太刀川さんに手を振る剣持。
「でっ何見ているんですか?」剣持は視線を変えて後ろを振り向くと、
アスレチック訓練場で訓練しているのは太刀川さん以外にもいた。
国近「剣持君を見ているんだよ。」
さっきから剣持が巨大ロボットをリモコン操縦しているのを太刀川隊のオペレーターは黙って見ていたのだ。
国近「剣持君てっテレビゲームとかする?」
「ゲームは息抜きに結構しますよ。」
自宅にある無数のゲームソフト。『モンスターファーム2』のレアモンスター集めは……諦めている。
国近「そっかどんなゲー……おっわ!?」
【ドッドッドッドッドッ】
アスレチック野外特訓場のツリートレッキングにてジャージ姿で運動していた国近だが突然山全体が激しく揺れ始める。
国近「うひゃ~~揺~れ~る~~」突然の揺れにびっくりしてロープにしがみつき何人にもぶれる国近さん。
(うん……地震か……)
冷静に近くにある以前グラサン隊員が用意したバーにあふ木製カウンターに置いてある地震計測器を確認して震度3の地震発生を知る
何人にもぶれる国近「落ちる~~」
「ロープを離さない限り大丈夫ですよ。」
大人用の本格的なツリートレッキングの為、結構な高さがあるが、ロープはしっかりとした素材を選んだし、国近さんには念のために高所作業用の安全帯を付けた。
揺れはやがて収まり、彼女はゆっくりと地面を目指して降りて来る。
ぶれが消え一人に戻る国近「死ぬかと思った……」
涙目になりながら彼女は地面に腰を下ろし、剣持は彼女の安全帯を外す。
「高い所にいると地震が来た時びっくりしますよね。」
国近「ここの地下の乱開発が地盤に影響与えているんじゃない~~」
足元の地面を軽く見て言う国近さん。
「黒野先輩曰く三門市で一番マシな場所を選んだつもりらしいですよ。」
国近「それでも市街地から外れの僻地とはね。」
国近は地震の話を軽く切り上げて持ってきた私物のリュックから携帯ゲームを取り出して遊び始める。
剣持は特に注意する事もなく弐式の操作に戻ろうとすると
鹿野「よっ操縦訓練やってるね。剣持君。」
後ろから声をかけられて剣持と国近は振り向く。
国近「あっ鹿野博士~~」
鹿野「どもども鹿野です。」
白衣を来たマイペースの博士が歩いてくる。
「操作に今のところ問題はありませんね。」
鹿野「そりゃあ良かったね。」
楽な姿勢でカウンターの椅子に座る鹿野博士。
鹿野「所でさ……剣持君に質問何だけど、」
「何でしょうか?」
鹿野「メカとかロボットとか好き?」
「?」
質問の意図が分からないんだが?
鹿野「あっいや別に深い意味とか変な質問じゃないよ。ちょっと興味あるのかな~って質問。」
【ガチャン。ガチャン。ガチャン。】
「まぁ。いいですけど……俺は戦闘機の資格もないし自動車免許とかもない。そんな俺でもここで役に立つと言ったら……大型兵器の運用くらいしかなかったんですよ。」リモコン操作で、弐式は右腕を軽く伸ばして暫く動くのを止めると森に空に飛ぶ鳩や鳥達が足休めの場所として群がるのだ。
「メカやロボットに……そりゃ興味はありますけど……何でそんな質問をするんですか?」
個人的に言うと興味はあるが積極的に大好きと言われると微妙なラインだ。ロボー47、ウルトラーV、そしてゴリアテプライム……どれもレッドマンの敵として前に現れた連中で、固い装甲。内蔵された武装に痛い目を見たのだから……でも特撮映画やハリウッドのSF映画のスーパーマシン(【STAR WARS】の宇宙船やらゴジラシリーズに出る対怪獣兵器とかアイアンマンは好きだ。だってフィクションだから……)には興味がある。
鹿野「今度さ。予定が出来たら一緒にロボット工学研究所に行かないか?」
国近「何そこ?」
ゲームを途中に博士の言葉に反応する国近。
「弐式のような巨大ロボットや製造工場のロボットとかの研究をしている研究所ですよ。俺も名前だけなら知っています。」
作戦指令室やら大型格納庫やら度々と聞いた名前だ。
巨大ロボットが複数格納出来る研究所で、敵となったウルトラーVが盗難された施設だ。
鹿野「この前、そこの研究所のテストレンジャーパイロットが入院してね。代わりのロボットのテストしてくれる親切な人を集めてるの。」
「…………それ、もしかして巨大ロボットですか?」
鹿野「うん。」
「リモコン操作の?」
鹿野博士は首を左右に振り笑顔で言う。
鹿野「中で直接操縦するタイプ……」
国近「お~~アニメや漫画の王道ロボットだ。」
感心するように彼女は声を上げる。
「他に声掛けた人はいますか?」
鹿野「とりあえず、今日退院したカンフー隊員といつものハカセ、グラサン、ハンサム、ポニー、アイドル、ダイアナ、リリアン隊長の大型兵器に乗るメンバーと黒野隊員には声を掛けたよ。」
取り敢えず一人で知らない所でポツンといるわけではないんだ。それだけでも安心を覚えた剣持。
国近「私も参加して見ようか~~」
興味があるのか彼女はそう言う。
「……もし正規のパイロットになったら、怪獣やら巨大生物と命懸けのバトルをするはめになりますよ。ゲームと違ってやり直しは出来ないんですからね。」
もし太刀川隊オペレーターを怪獣騒ぎで怪我させたら、
普通に大問題になるな。安全性はどうなっているんだぁとか……
国近「それは困るよ~」
「適材適所で国近さんは今の仕事で充分皆の役に立っていますから、危ない目に進んで行く必要はない。」
鹿野「でっ試しに工学研究所の運用テストに参加する?」
「……拒否権は無さそうですね。」
鹿野「乗るのは最新の新品ロボットだ。」
「その研究所に行く日は?」
鹿野「この日に何か予定はある?」
メモ帳に書いてある情報を見て、この日は特にしなくては行けない用事がないのを確認して
「ありません。」
と淡々と答える。
鹿野「まっ製油所で見学した時みたく気軽にしとけば良いから。」
「…………どうして製油所の事を知っているんですか?」
鹿野「うん?黒野の義妹さんが格納庫に遊びに来た時に話していたんだよ。」
油断も隙もないな。あの義兄に負けずあの人は……
鹿野「じゃあ、その日はお願いね。」
言いたい事だけ言って鹿野博士は基地の方に帰って行く。
国近「相変わらず……マイペースだけど何考えているか分からない博士だね~~」
「あの人に限った話ではありませんよ。ここにいる科学者は一部を除き変人ばかりだ。」
国近「でもあの人は悪い人じゃないよ。」
「そういうの分かる物ですか?」
剣持は国近の方を向いて、
国近「私に近い物を感じるからねぇ~~」
「……あの今さらの質問なんですけど、何で国近先輩は今日ここに来たんですか?」
国近「えへへ~たまには身体を動かして健康に気を付けないといけないと思ってね。」
「……テレビゲーム没収でもされたんですか?」
剣持の一言で国近先輩の動きがピタッと止まる。
この人の説明もそう多くはない。
かつて染井さんと何気なくA級部隊のお話をしていた時に染井さんに聞いた事がある。国近先輩の基本はお菓子を食う。寝る。ゲームで遊ぶ。絵に書いただらだらな生活サイクルを持っていると………面識を持ったのは、見学会以降だし……そんなインドアタイプの彼女がアウトドアの真似をするなんて……
国近「ズバッと言うねぇ~~」
涙を流しながらゾンビみたく危機迫る国近さんの首締めを剣持は身体能力フルのアクロバットな動きで避ける!?
国近「何で避けるの!?ってか凄い空中回転」
「いや、だって……」
空中回転して華麗に着地する剣持は、国近の再度の体当たりに今度は避けもせずに達人の動きで往なす!?
国近「何で往なすの!?」
「甘んじて受ける理由もありませんからね。」
この国近先輩は……ボーダー以前に僕の高校の先輩だ……
国近「テストの成績が悪くて今さんから全てのゲームを魔封波で封印されてしまったんだよ~~およよ~~」
(およよ~~って可愛いな……この先輩。)
国近「次のテストで悪かったら、売りに出すって……」「さて操作プロポの完熟訓練を続けるか……」
視線を弐式の方に向き直して弐式をファイティングポーズさせ大きく拳を振り一人シャドウボクシングをさせる
国近「私を見殺しにするの!?」
「人聞きの悪い事言わないで下さい!?テストで良い点を取れば済む話しでしょ。」
国近「それが出来たら苦労しないよ~~今さんもたまには自分自身の力でテスト勉強した方が良いんじゃないかって言って協力してくれないんだよ~~およよ~~」
涙をちょちょ切らせ彼女は事情を説明する。
「…………頑張って下さいね。」
国近「神も仏もいないのか~~およよ~~」((/ω・\)チラッ
後ろから感じる視線を無視しようと決め…………
国近「およよ~~」
「はぁ……………………図書館で勉強しますか?」
しぶしぶ完熟訓練を切り上げる剣持。国近先輩はボーダーのA級1位の部隊のオペレーターだ。
国近「やった~~手伝ってくれるの!?」花のようなふんわりとした背景に満面な笑顔を見せる先輩。
「英語と数学と理系なら……歴史や古典現国は期待しないで下さいよ。」
国近「直ぐ行こう!?」
「……待って、そもそも俺、1年で先輩は3年でしょ。
自習勉強はしますけど、流石に3年の範囲は勉強してませんよ。」
国近「ガーン!?」
この世の終わりを顔で真っ白になる国近先輩。
「あっ待て……3年の知り合いならいますよ。」
剣持の一言で顔色が戻る国近先輩。
国近「本当?」
「黒野真琴先輩。学年は国近先輩と同じなの忘れてた。」
それからどうしたかと言うと……
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執事のセバスさんから真琴先輩が自室で勉強しているのを聞いて剣持と国近は歩く。
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一方その頃……地下基地内部通路にて
出水「えっ?剣持ってスポンサーの要望でここの
配属になったんですか?」
チャールズ「俺も最近、黒野から聞いたんだ。最
初はあんた達A級か?フリーのB級かって思ってい
たんだけどさ。」
出水は秘密基地の作戦指令室にて資料を資料室に
運ぶと言う剣持の仕事を代わりにしていた。
出水「でもそんな話、上から聞いてないんですが
」
ロイド「ここって一応ボーダーの新部署として設立許可が降りたから、ボーダー隊員がいないとおかしいって奴だよ。」分厚い紙束を厳重に保管するロイド。
暗証番号を細かく打ち込みロックする。
出水「でも剣持って目立った活躍もなければ、何処かの部隊に所属経験も無いし戦闘記録もそんなに良くないんですよ。それこそ後方支援とかオペレーターの方が良いって言われるくらいですよ。」見学会の後C級隊員の訓練の様子をログで剣持夢想を見つけたが、動きは普通だったし、
チャールズ「何で選ばれたんだろうな?」
ロイド「まっ今は、しっかり頑張って色々と任務をこなしているよ。」
剣持と一緒に任務をする度に成長を間近に見て感慨深くなる。
チャールズ「たまに姿を消す事があるけどな。」
出水「剣持を指名したスポンサーねぇ……」
ボーダーには幾つもスポンサーがある。自分の部隊のお荷物の唯我のも勿論だが、無名同然の剣持を指名したスポンサー……
出水「やっぱり、黒野なのか?」
ロイド「まだまだ仕事はあるよ。これを指令室にいるベックチーフに届けてくれ。」
出水「わかりました。」
出水は渡された資料を作戦指令室に運ぶ。
ジャック「やぁ。皆。」
膨大な地下の厳重な資料室にジャック隊員が歩いて来る
チャールズ「おう。ジャック。例の捜査に進展は?」
ジャック「……犯人は被害者を全て刺殺と同時に例の農薬を使って毒殺をしているよ。」
ロイド「例の農薬?」
ジャック「例の巨大蟻達の死体から検出された農薬と同じ奴だ。犯人は蜂になりきるのを余程好きらしい。」
ロイド「スカルホーネットマン。それに……既に使用が禁止された農薬『オルガノ・クロラインPCB』を食べた蟻を食べる巨大生物……これって偶然か?」
ゴリアテの時から使用禁止になった農薬のルートが情報部も調べているが、今だ発見出来ず、
ジャック「それをこれから調べるんだよ。」
チャールズ「何処に禁止になった農薬を作っている化学工場か密造所がある筈だ。そのルートも調べる必要をあるな。」
クラプトンとか新手の怪獣が現れない間は、捜査や調査に集中出来る。
出水隊員に渡した資料もまだ調べていない全国の化学工場や化学会社の資料だ。
蟻を食べた巨大生物も何処かに潜んでいる。
単体ならともかく時間を掛ければ増える個体かも知れない……
資料室が酷く冷えた感じがするのは、気のせいだと思いたい。
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チタン合金製の真琴の部屋のドアの前にいた二人
「……扉がバージョンアップしている……」
国近「そうなの?」
「前は普通の木製の……マホガニーの高級そうな扉だったのに……壊したけど……」
国近「扉壊したの!?」
「詳しくは第5話をチェック!?」
国近「誰に教えているの!?」
扉の前にいつまでも変な寸劇をする訳にはいかず取り敢えず金属ドアをノックする。
黒野真琴がドアの隙間から顔を出す。
真琴「あっ珍しい~剣持君じゃん。遊びに来たの~~」
「いえ自習勉強の誘いです」
真琴は驚いた表情をして満面な笑みを作り、
真琴「何何?お姉さんに分からない所を相談にしに来たの?」
「はい。彼女が」剣持は一歩引き国近を前に立たせて
国近「やぁやぁ。黒野さん。おはよう。」
真琴「えっ?アホの国近さんじゃん。へぇ……」
真琴先輩は国近さんの顔を見て満面な笑みを消し
むしろ不機嫌な表情になり、そしてその表情も消える。
(志岐さんも言っていたけど……真琴先輩はたまに表情が消えて両目が見開かれている時は、怖い感じになるんだよな。)
国近「今度のテスト勉強で分からない所があるから教えに来ました……」素直に事情を説明する国近先輩
真琴「ボーダーの人に教えてもらったら良い」
何で特に親しくもない同学年のクラスメイトの勉強を教えなきゃ行けないのか?っと目で語る真琴先輩。
国近「そんな~~御慈悲を!?御慈悲を下さい~~」
「と言っておいでですが?」
涙目に泣くA級1位のオペレーターと無表情の後輩の二人に真琴は軽くため息を吐き
真琴「はぁ~。取り敢えずに中に入って?」
国近「お邪魔します。」
「失礼します。」
俺と国近先輩は真琴の部屋に入るのだ。
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国近「ほぇ~~」
真琴先輩の部屋に入るのは二回目だ。
一回目はイポポの時にドアを壊して大規模侵攻の
地獄絵図の絵と対面されて滅茶苦茶トラウマになりかけたっけ……絵が旨い人が、そういう絵を描くと絵の雰囲気と言うか作者の込めた熱や感情と言う物が絵から現れるから二度目は耐性は尽くよな……剣持は不安を顔に出さず部屋を見ると……彼女の心境の変化を表して部屋の内装や家具も変わっていた事に剣持は内心呆気を取られた。
「先輩?」
国近、真琴「何?」
二人ともこちらの方に反応する。
「あっ、真琴先輩。」
真琴「ほいほい。」
トマトジュースをストローで吸うのをやめてオフィス用の椅子で身体を向き直す。
「前の部屋にあった大量の絵はしまったんですか?」
国近「絵とかこの部屋に飾ってあったの?」
剣持の言葉に真琴は申し訳なさそうな顔をして、
真琴「……ごめんね。その大量の例の絵は全部燃えるゴミに出したんだ。」
彼女は申し訳ない表情から憑き物が落ちたニコッと吹っ切れた笑顔となり答える。そして剣持も理解した。
(………………彼女は過去の自分を越えたんだ。)
その彼女の一言で真琴先輩は彼女自身の過去との決着を付けたんだ。彼女はちゃんと向き合い前に進んだ……僕と違い…
国近「この絵の子達は誰ですか?」
あのオドロオドロしい絵は全てなくなり、代わりに一枚の絵が額縁に飾られていた。
すみわたる青空の元、高い建物に黒い?マフラーを首に巻いた銀髪の少年と、集合写真のように
赤い髪の男の子を真ん中に、濃い緑色の髪の黒い眼鏡を掛けたややオタク気配を感じる眼鏡男子。黒い服を着た怪しい4人組。それに……真琴先輩とその隣にいる白いショートカットヘアーの紫色の服を着た女の子。
(俺、この4人組知ってるぞ。夢想。)
(この白い髪の女の子もだ。ベム。)
夢想は数日前、真琴先輩の姿がこの絵に描かれた女の子にダブって見えたのを思い出した。目の錯覚だと片付けようとしたら、この絵にしっかりとした姿で描かれている……
一方、ベムもハイパーエージェントの4人組の連中が絵に描かれている事に疑問を考える。
4人組は現実世界で干渉は難しい。電脳世界……コンピューターワールドなら兎も角、簡単に現実には形作るはそれ相応なエネルギーと切っ掛けがない限り難しいのに……どうなっている……
真琴「もう~~描いた人の前で描いた絵をじろじろ見るなんて少し恥ずかしいよ~~」不意討ち様に耳元に声を掛けられる剣持。
「あっすいません!?この絵のテーマがわからなくて、結構時間経過しましたか?」
慌てて振り返る剣持。ニコニコしている真琴先輩。
国近は既に勉強道具を折り畳みテーブルに乗せて勉強を始めている。
真琴「さて……とっとと国近さんのテスト勉強を終わらせて、自由時間と洒落混みますか。」
ひびの入った眼鏡を掛けて、国近さんに向き合う真琴先輩。剣持もその横に座る。横に座る瞬間真琴の視線は一瞬あの描かれた絵と剣持を見ていた……
真琴「まずは……」
数分後……真琴の部屋
国近「ふぅ……やりきった……」
「まだ10分しか経過してないですよ。」テーブルに置かれた時計を見て淡々と無表情に答える剣持。
真琴「予想以上に教えるのが難し過ぎる……」
テーブルに突っ伏す死んだ魚の目をする真琴先輩
真琴自身教える事に慣れてはいないが、それでもこりゃ酷い……ヒャドがマヒャド並みに酷い……そしてあの学校には同じレベルの知能指数の連中もいる事を知ると素直にボーダーは大丈夫か?っと1市民として心配になる。
国近「////えへへへ~~」本人は照れているが……
真琴(やり方を変えよう……甘さは捨てる物……)
真琴「剣持君!?」
「国近さん。おやつは抜きですよ。」
用意されたどら焼きを没収する剣持。
無表情に無が増して能面みたいな表情をする剣持。
国近「お代官様~~」
目の前でおやつを没収され涙目になる国近さん。
真琴「これは、自由時間を捨てて私も本気にならないといけないな……はぁあああ!?」
気合いを入れて怪獣を作る時の表情をする黒野真琴。
国近「お手柔らかに……」
真琴、剣持「「無理だな……」」
ガチで怪獣と闘う表情をする剣持。ガチで怪獣について語る表情をする真琴。
国近「えっ??二人共、目が血走って怖いよ。ああああ~~あじゃぱ~~~~~~~~」ピカーン!!
数時間後……
そして国近さんは三門市の空の光になった……
国近「私は死にません~~」
真っ白に燃え尽き死んだ目になって叩き込んだ知識に意識を飲み込まれかけている国近さん。
真琴「やるね。剣持君。」
「先輩こそ」
互いに視線を合わせ無言で友情のハイタッチ!?
真琴「明日も来るように……」
国近「えっ?明日もあるの!?」
コンティニューで復活する国近さん
真琴「私が後輩のお願いで勉強を教えるんだよ。生半可な状態なんて付け焼き刃同然!?その性根すら叩き直して何処に出ても恥ずかしくないスーパーオペレーターにして上げる!?」
途中で育成ゲーム感覚で楽しくなって来て国近さんのテスト期間のスケジュールを決める!?
国近「ひゃ~~」そのテスト期間のスケジュール内容を見て真っ青な顔になる国近さん。
国近「剣持君~~」
すかさず助けを求める国近さん。
「大好きなゲームが今さんに売りに出されない為と考えればやる気が出てくる筈です。」
国近「私からゲームを取ったら、何が残るの!?ただのふんわりな美人な先輩要素しか残らないでしょ。」
流石に可哀想と思った剣持は……
「…………先輩。鞭は此処まで、次は飴で休ませましょう。」
真琴先輩は小さくため息を吐き、肩を軽く慣らし
真琴「仕方ないな~~さっ自由時間としますか。」
テレビゲームをスタンバイして、おやつを用意。
国近「二人共~~大好きだよ~~」
笑顔と涙をぐちゃぐちゃ表情で迫る国近。
そして二人は顔を見合せて抱きしめようと迫る国近を華麗に受け流す。
国近「だから何で受け流すの!?」
「すいません。軽い職業病で…」抱き付こうとする怪獣と力比べして投げ技を繰り出す癖があるベム。
真琴「そこまで私達仲良くないでしょ。」
ゴミを見るような目で淡々と事実を答える真琴先輩。
国近「遠いよ!?こんなに近くにいるのに心の距離が果てしなく遠いよ!?」
恋愛ゲームやギャルゲーで好感度がもし見えるなら、
剣持夢想の好感度は現在20。
黒野真琴の好感度は-1万。尚これ程低いのは彼女と勉強会をしてオペレーターとしては優秀なのにゲームを理由にテスト勉強に剣持君を利用した事への個人的な恨みもある。剣持君が国近さんをフォローする度に、国近への好感度は下がる……
国近「でっ何のゲームするの?」水を得た魚のようにワクワクが止まらない表情をする国近。
真琴「まっ無難に対戦ゲームで良い?」
国近への好感度は低いがゲームに関してはこの二人何だかんだ仲が良い。
『怪獣コロシアム15』
国近「おっ!?知らないゲームだ。」
幅広いジャンルのゲームをした彼女が興味津々に見る。
それぞれ操作する怪獣を選び。
国近「どれにしようかな~~」
真琴「好きな怪獣を選びな!?ぶちのめす。」
国近「ふふふ。返り討ちにしてやる~~」
互いに操作する怪獣を選んで……
真琴「フィールドは?」
国近「無難に市街地Aで良いよ。」
【市街地A……高層建築のビルが建ち並ぶステージ】
その時の剣持のスマホの電話の音が鳴り、
「!すいません。ちょっと……」
剣持は立ち上がりドアの方に向かう。
国近「早く戻っておいでよ~~」
テレビから視線を外して剣持の方に見る国近。
空を飛ぶ翼のない怪獣をそれぞれ選んだ為にビルを壊してステージに出現する2匹。
【レディー……ファイ!?】
真琴「余所見とは余裕だね。」
国近「あっ狡い!?」
真琴「バーナドドンは前脚が無いけどリーチ無視の爆破攻撃を出せる!?」
シシマイに似たフォルムの千荊万刺怪獣バーナドドンを真琴は操作して
光の輪を飛ばして広範囲爆撃を放つ。高層ビルが吹き飛ばし遮蔽物を減らす。
国近「でもこの怪獣あちこちにワープ出来るよ。」
人に似た二足歩行タイプのあちこちに昆虫のデザインがある油断大敵怪獣グレージョムで距離を詰める国近。
二人に断りの言葉を言い一旦部屋の外に出る剣持。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
(登録してない電話番号だ。)
「もしもし……剣持です。」
部屋の外の通路の窓の側で電話に出る剣持。
???「もしもし。夢想君。覚えているかな。剣持教授の助手をしていた西川だ。」
「あっ。西川助手。お久しぶりです。」
電話相手は父さんの仕事の助手の西川さんだ。
主に父さんの考古学について色々と手伝ってくれている人で二人の葬式の時も参加してくれたっけ。
西川「実は、近々今の部屋から引っ越しをする事になって私物を整理していると君のお父さんの研究資料が見つかったんだ。」
「父さんの研究資料ですか?」
西川「私が持っていても仕方ないし、夢想君。君が良かったらこのお父さんの資料を貰ってくれないか?」
「はい。受け取りに向かいます。そちらのご住所を教えて下さい。」
西川「あぁ。場所は奥多摩ニュータウンの……」
通話を終了して窓に背もたれして上を見る。
父さんの資料……純粋に興味がある。父さんの仕事は度々手伝った事はあるけど、研究テーマまでは詳しくない。あの頃は、色々と燻っていたから視野が狭く…今はある程度心に余裕がある夢想は、この話をお受けした。
(……父さんの研究の事、もっと知りたい……)
家族と満足に遊び連れてって貰った事のない家庭に産まれて家にいる時間より仕事先の大学や世界各地の遺跡や秘境の調査に向かう父の後ろ姿を見て育った……
父さんは余り自分の事を話さない人でもあるし、不器用な人でもあった……授業参観や保護者会や三者面談や運動会の行事に欠席ばかりだった……俺は寂しくて、周りの親子や家族を羨んで……でも仕方ないと無理やり納得しようとして
香取『あんた一人。もし良かったウチの家族とご飯食べる?』
孤独で寂しくて泣きそうになった一人の僕に声を掛けたのは……
「!?」
目を見開き現実の景色を見る。
小学4年の運動会の休憩時間の時を思い出して意識を覚醒させる。
国近「あっ。気付いた~?」
「……国近…先輩。」
国近「どうしたの?酷く無表情だけど、何か…あった?」
「あっ…」
口に出そうになる。何か心の奥底にある物を言葉と共に
「何でも……ありません。」
でも言葉が上手く纏まらず何時もの調子に戻る。
国近「……………冴えない顔なのに…君は実に不思議な人だよ。」
彼女は俺をじーと見回してそう言った。
「不思議ですか?」
国近「円盤で皆が拐われた時、正直言って凄く怖かったんだ……何をされるんだろうって君より年上とか関係なくみっともなく太刀川さんや出水君達の名前を叫んでさ。」
「…………」
国近「言葉の分からない。文化も分からない。何を考えているかも分からない宇宙人が沢山いる中で嫌なイメージばかり頭に思い浮かんでさ。震えて……だから……」
少し顔を赤く染めた国近は剣持と向き合い言う。
国近「剣持君が私を助けに来て……凄くびっくりした。
色々と君に関する噂は聞いているけど、私が思っていた以上に君は凄くて……強くて……格好良かったよ……」
「…………俺は…」
皆を騙している。本当はもうこの世にはいなくて、パリを始め世界中の建物壊して……この姿は偽りで……
国近「だから……だからこそあの騎士に似た宇宙人から私を逃がそうと無茶した君を、私は叱るよ。」
「えっ?」
国近「……もう二度とあんな無茶は辞めて……」
真剣な、何時も雰囲気を消した彼女と向き合う。
国近「…もしアイツから逃げられなかったらどうしたの?トリオン体でもない生身で内臓一つでも攻撃を食らったら死んでいたかも知れないんだよ。手足が切断されたら一生不自由に生活する事になるんだよ。」
彼女は涙を目から流していた。
国近「パリの闘いが終わった瓦礫の前で震えているくらいなら大人しく居ようよ。死んだらおしまいなんだから!?」
彼女は純粋に俺の安否を心配してくれたんだ。
その気持ちは本当に伝わっている。伝わっているけど……
「ごめんなさい……」
無表情ではなく心から…申し訳ない表情をした剣持は国近に頭を下げて、
「……それは出来ないんだ。」
拒絶の言葉を言う……
国近「どうして……」
「訳は……言えない……でも無茶しないと切り開けない道がある。だから……国近先輩の言葉も気持ちも心から伝わっているけど、それは出来ません……」
国近「私、剣持君は争い事や戦いが嫌いなの分かるよ。でも戦う場所に剣持君が居たらいつか本当に死んじゃうよ。」
「それでも……ここで身を引けば、全てが上手く纏まるなんて甘い考えは思っていないよ。身を引く資格すら…逃げる事すら…その選択肢を選ぶ権利すら……僕にはない。」
燃えるパリ。上空高くいるのに聞こえる人々の悲鳴、瓦礫と怪我人……今日死ぬ必要がなかった人々の突然の死……それを未然に防ぐが僕には出来なかった…
「僕に出来る事は……僕が選ぶ事が出来る選択肢は……いつ終わるかも知れない戦いの狭間で鼓動が止まる最後の瞬間まで戦い続ける阿修羅地獄のみ……だからごめんなさい。」
国近「でも!?」
後輩の……ボーダーでも此処まで覚悟が決まった少年の言葉は重く、でも……背中を押す事なんて出来ない。
だって……後輩は……剣持君は未来を見ていない。
真琴「剣持君。もう夜になるから、国近さんを帰した方が良いわよね。」
国近の後ろからいつの間にか立っていた真琴先輩は、そう答える。
「確かにもう少しで夜になります。変な通り魔の目撃もありますから。」
元の無表情に戻る剣持。
国近「黒野ちゃん。」
真琴「セバス。」
セバス「はい。真琴お嬢様。」傍にいた執事のセバスが現れて
真琴「基地にいる出水君と国近さんを自宅を送ってくれる。」
セバス「畏まりました。こちらに……」
国近「はい……」
後輩の並々成らぬ言葉を聞き、意気消沈な表情で国近はセバスの後ろを歩く。
その二人の背中を真琴と剣持は無言で見つめたまま彼女は口を開く。
真琴「貴方の言葉……悩んで迷って、その上でさっきの言葉を出したんだよね。」
「はい……」
真琴「ボーダーの皆や、『お化け屋敷』の科学特別機動捜査隊の皆は嫌い?」
「大好きですよ……心から……彼ら彼女らの為なら命も惜しくないくらいに……」
剣持は即答した。僕にとってはボーダーの皆も家族同然だから……
真琴「だったら、無理に答えを出す事が正しい訳じゃないんだよね。」
「…………」
真琴「……国近さん。剣持君がバリバリの背水の陣な覚悟で、ストレス感じて意気消沈になっているよ。」
後ろ姿からどんよりな雰囲気を出す彼女。
真琴「皆が大好きなら……ちゃんと歩みよりもしないと国近さんの髪の色をストレスでマリーアントワネット見たく白髪にするつもり?」
「それは……」
真琴「男なら、女の子を曇らせるんじゃなくてお日さま見たく晴れ晴れにして見なさい!?はい!?直ぐ行く。」
真琴先輩を尻を蹴り飛ばされて、剣持は国近の後を追う
黒野真琴の国近への好感度-20
真琴(あぁ~~怪獣、三門市にこないかな~~)
真琴は真琴で、剣持と遊ぶ時間を奪った国近が嫌いである。そしてゲームで、国近が操作する1954年版ゴジラに、落花流水怪獣ブルバインが負けたのもある。
※SSSS.DYNAZENONの怪獣達はこの次元ではゴジラ映画に登場した怪獣として存在している。
感情兵器怪獣シリーズでキングギドラやバラゴンやら東宝怪獣と平成ゴジラシリーズに共演している。
例 超ゴジラ対ブルバイン対ダガーラ対改造ガイガン。
キャッチコピーは、『地球最強の怪獣達よ!?勝手に闘え!?』
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夕方の時間
高級リムジンの車内には出水は既に乗っていた。
出水「何処に行っていたんだよ。探したぞ。」
国近「ごめんなさい。」
出水「何かあったか?」
「国近さん!?」
国近「!?」
出水「おっ、剣持じゃん。」
国近は慌てて振り替える。
無表情だが何かを必死に葛藤してだが何かを決めて彼は国近に言う。
「最初は家族を守る為にボーダーに入隊しました。」
国近「……」
「でも家族を失い……俺の中にぽっかりと穴が空いた。
その穴は絶対に塞がる事はない……でも、俺には大切な
……ボーダーで出会った人達がいるんです。失いたくない。大切な人達……」
「俺は……もし自分に何か出来るのに、しなかったら……それで悪い事が起きたなら……自分のせいだと…」
国近「…………」
「動かない時に……動かなかったら、後悔するから……
だから、俺は…皆の笑顔と当たり前の何気ない日常を守りたいから……だから自分より実力のある相手に挑めるし……戦えるんです。」
国近「……剣持君……。」
「……今はわからなくても……俺にはこんな面倒くさい生き方しか出来ないって……いつ日か国近先輩達にわかったら、」
「……あんな生き方しか出来なかった俺の訳を……」
「……これが……俺がこの道を進むと決めた誓いだから……だから……先輩を哀しませてすいません!?」
剣持は無表情だが国近に頭を勢い良く下げる。
国近「そ、そんな。頭を上げてよ。何も知らない私も少し無茶した剣持君を心配して叱っただけなんだから!?」頭を下げた剣持を国近は慌てて上げさせる。
出水(国近が剣持を叱った……珍しいな。)
基本国近は人を叱らないタイプだ。
そのふんわりおっとりした国近が剣持を叱った事実に出水は珍しいと思ったのだ。
出水(誓いか……)
どうも剣持の言う戦う存在は俺達が想像するのとかなりズレがある気がする。溝と説明したら分かり安いのか?
怪獣とか怪奇案件を担当する部署にいるとは言えあそこまで覚悟を決めた重い言葉を発する事がボーダーの内何人が出来るだろうか……
出水(何か……意識の差を感じる……)
未だに謎が多く聞いても本当の答えを返ってこない。
「国近先輩を悲しませたのは、俺の責任です。」
国近「剣持君~~」
あたふたする国近に出水は助け船をだす。
出水「まっ剣持も色々と考えてるんだ。良くわからないが先輩なら後輩を信じて上げようぜ。」
国近「……剣持君。無茶はしないでよ。」
彼女は心配そうな顔をするが、
「……考えるより先に身体が動かない限り無茶はしませんよ。」
無表情から精一杯の安心させる笑顔を剣持は作り
国近「わかったよ。今度一緒に対戦ゲームでもしようね。」
真琴「今日教えた所はしっかりと暗記に復習するように……」真琴先輩も見送りに来た。
国近「うん。わかった。」
真琴「今度は勝つ!?」
国近「ふふふ……首を洗って待っておきたまえ~~」
そう笑顔で答えて二人を乗せたリムジンが動き出す。
リムジンが消えてから剣持は真琴に言う。
「フォローすいません。慣れてなくて」
真琴「まっ剣持君にしては及第点だね。」
「……にしても随分国近先輩と親しくなりましたね。」
最初の頃と比べて距離感が縮まった気がする。
真琴「……女の子同士には色々あるのよ。」
「そうですか……」
男の俺にはわからない領域の話だ。
彼女は屋敷の方に振り返り歩く。
真琴「近々……何処か行くの?」
どうやら先輩は俺の電話のやり取りの一部を聞いていたようだ
別に隠すような事でもないから話す。
「ええ。少し個人的な用事で奥多摩ニュータウンまで出かけるつもりです。」
真琴「そう。……………………今夜は基地に顔出すの?」
「完熟訓練の途中で尋ねてきましたから、弐式を大型格納庫に戻してから帰宅します。」
真琴「わかった。じゃあね。」
剣持は操作プロポを持ち弐式を格納庫まで歩かせる為黒野の屋敷から離れる。
真琴(念のため志岐ちゃん達に連絡するか……剣持君が奥多摩ニュータウンに向かう事…)
スマホを取り出して志岐にメールする。
ポニー「あっ、真琴ちゃん。元気?」
後ろから声が聞こえて振り返ると作業服を着用したポニー隊員の姿を現す。
真琴「あっ。ポニーさん。何してるんですか?」
ポニー「前の戦闘で墜落してジェットホバー9の修理が無事終了したからその報告を関係各所に向かう所。」
作業用の帽子を被り天真爛漫に笑う。
真琴「そうですか。」
ポニー「それじゃボクは急いでるから。あぁ~今度の休暇は何処かに出掛けるか。」
人生の大半を地球の平和の為に費やすと言われるこの仕事たまのポニーはたまの趣味のプチ旅行でも考える。
そしてポニーは、それから数時間後、志岐小夜子と染井華に奥多摩ニュータウンに行きたいから同行を頼まれる。
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夜の大型格納庫内……
伴「おっ剣持~~」
整備員達が弐式を格納庫にしまう作業を見ている
と知り合いの整備士と再会する剣持。
「あっ……伴さん。」
この人の名前伴秀樹。お化け屋敷の整備員の一人で洋服店に働いている門倉香さんとお付き合いしている男性。良く怪獣案件で帰ってきたローバーやらマッハビーストやらホバー9やら修理してくれる有難い人だ。
伴「弐式の操作の完熟訓練か?」
「えぇ。でも途中で切り上げました。」
伴「ほぅ~~珍しい。」
伴は剣持の勉強や訓練をしている様子を良く見ている方で、途中で切り上げるとは思わなかったらしい。
「……少しボーダーの先輩の手伝いを……」
伴「まっ……たまには良いんじゃないか?」
「えっ?」
伴「……君は…本当はここにいるより、年が近い同世代の人達がいるボーダー本部にいた方が良いんだけどね。」
「あっ……」
伴「あっ、誤解しないでくれ。君も足手纏いと見ている訳じゃないよ。」
慌てて剣持をフォローする伴。
伴「俺達大人が君のような少年達の力を借りないと行けない自分が悔しくてね。」
顔を申し訳なさそうに俯く伴。
「伴さん。でも怪獣やら怪奇案件やらで三門市や日本を守ってきたのは貴方達『お化け屋敷』でしょ。」
ボーダーは異次元からの侵略者の近界民を相手にする専門家だ。必要になったから……そうなっただけで……
(……僕もボーダーに入隊してなかったら、違う道があったのかな……)
近藤「お~~い。伴。ちょっと手伝ってくれ!?」
遠くから近藤整備班長の声が聞こえて、
伴「あっはい!?只今!?じゃあな。剣持。」
伴さんは、向こうに走っていった。
「はい……」
(………………国近さんにはあぁ言う事を言ったけど……本当は……怪獣達なんかに関わりたくなくて……)
剣持は顔を下にしてトボトボと歩き
俺は弐式の操作プロポを保管室に仕舞う。
もし自分の代わりにやってくれる存在がいるなら自分は普通の当たり前の何処にでもいる存在に戻れるのだろうか……
悩みを抱えたまま基地を後にしてバスに乗り、
三門市の住宅街へ剣持は自宅に帰宅しようと道に歩いていると……
(うん?……何だ?この気配は………)
自分の家の前に地球人に近いが、地球人ではない気配を探知する剣持。自宅まで走り自宅の前にいる暗い人影にベムは冷静に近付く。そして相手もこちらに気付き初めて近付いている。
(この気配はルパーツ星人か……)
一条「……剣持夢想さんですね。」
一人の女性がいた。知り合いでもない只の一度も会った事のない女性だ。
「…俺の前に一体何のようだ。わざわざ人の家の前にいて……」
一条「上がって宜しいでしょうか?」
「……招こう。」
ベムは剣持の肉体を操作してこの女性を自宅に入れる。
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「お茶をどうぞ。」
一条「ありがとう……」
剣持は自宅の広間の来客用テーブルにお茶を置き。
彼女はそれを飲む。
「要件は?」
ゆっくりとお茶を飲み干すのを待ち、剣持も椅子に座る。
一条「………銀河連邦から報告があったのです。」
「宇宙怪獣でも襲来するのか?」
(そんな季節に発生する台風みたいに……)
一条「黒き星の勇者が地球に向かっています。」
彼女のたった一言で、…面倒くさそうな表情をしていた
剣持の……ベムの雰囲気が険しい物に変わる。
この部屋その物の空気が酷く重苦しい空気に変わり剣持の目付きが鋭くなる。
「確かか?」
一条「はい。黒い光を発する球体が、太陽系に向かっていると銀河連邦から連絡があったのです。」
「……奴が今日明日に来る訳ではないんだろ。あんたがわざわざ俺を訪ねる時間はあったんだ。」
一条「はい。でも確実に地球に向かっています。そう遠くない時、ブラックワンは貴方に会いに来るでしょう。」
(ブラックワン?)
(後で簡単に説明するから今は黙ってくれ。夢想。)
何時もと違う雰囲気を見せるベム。
「…………わかった。報告してくれて感謝する。」
一条「では。」
彼女は椅子から立ち上がり玄関に向かおうとする。
「ルパーツ星人の君から見た俺の評価はどうだ?」
一条「…」
彼女の動きが止まる。
一条「…………正直にもうしても?」
「その意見が聞きたい……」
一条「……ルパーツ星で聞いていたよりも予想よりもずっと普通の感じです。それだけ地球に馴染んでいると良いますか…」
「悪名なら結構あちこちで貰っている方だがな。」
一条「銀河連邦に加盟した星の人達が通う銀河連邦軍の養成学校では首席だったとか……」
(…………)
「確かに長い歴史ある軍学校始まって以来の優秀な成績を叩き込んだ生徒だったが、色々合って中退して、今はご覧の通りの何処にでもいる民間の傭兵さ。…………先輩達も地球に来るのか?」
銀河連邦に加盟した星には俺のレッド星雲人のように巨大怪獣に立ち向かえる宇宙人達も当然存在する。
彼らは銀河連邦警察養成学校に通い訓練をして学校卒業後、各星に発生する紛争の調停役や交渉役をして宇宙の平和を守る仕事をしている。
時にはその星の防衛軍と協力して星間連合の侵略を食い止める等幅広い活動もする。
…………最も俺個人故郷は銀河連邦の加盟した星の人間だが警察ではなく只の民間協力の傭兵。
宇宙警備隊の大隊長をしているあの野郎とは違い、俺は宇宙の平和なんかよりも自分の失った名誉挽回の為に戦う…………そう考えていたのに……
一条「はい。情報部からブラックワン討伐の為にハリケーンマスクとフレイム仮面とプリズムファイターの三人が、先に地球に先行していると……」
それを聞きベムは軽くため息を吐き、
「ブラックワンが動くなら側近の奴も着いてくるだろ。アイツは硬いし面倒。それにブラックワンの奴が地球に接近する目的が不明だ。アイツ見た目真っ黒の格好の癖に性格はめっちゃ真面目で良いからな。……そこが気持ち悪い所なんだけど……後他二人はともかく……キングオブ委員長……否、プリズムファイターがいるからなんやかんやで何とかなるだろう……」
警察養成学校時代の問題児の先輩と同期の奴が地球人に迷惑を掛けないか心配だがキングオブ委員長がいるなら何とかなるだろう…………知らんけど
一条「地球の生活はどうですか?」
「……故郷のレッド星雲の星に比べて産業技術も工業技術も低い……至って原始的な文明ばかり田舎の田舎の星だ。」
一条「……そうですか。」
「でも、その分………美しい緑や青い海に人の優しさ……暖かい気持ちに囲まれた星でも……あるかもしれない……」
一条「色々な人間がこの星にはいます。良い人も悪い人も……」
「ここにいる度に、何か……俺の中にある何かが変わって行く……そう感じているんだ。」
彼女はゆっくりと剣持の方を向き言う。
一条「私はこの星が大好きです。まだまだ問題は多い星でもありますが、この美しい地球の素晴らしさをもっと理解出来る宇宙人達がいれば良いのですけど……」
「宇宙は光と闇も果てしない悠久とも言える程長い戦いをしている。調和と混沌……一介の俺なんかじゃどうにもならない物が……」
一条「貴方にも、きっと地球でかけがえのない宝物が出来ますよ。」
「だと良いが……」
そう言い彼女は自宅から去っていった……
誰もいない自宅で静かに広間のテレビに点けてテレビを見る剣持とベム。
「……自分の事ですら向き合う事なく逃げている俺に……」
地球人の歳で22歳になったベムは故郷の連中に興味はない。そこにはもう何もないからだ。強いて故郷と呼べる物があるならそれは…………銀河連邦の首都の星だろう。あの星で過ごした時間は、故郷に比べて随分と救われた時間だった……境遇もあって何もかも良かった訳ではなかったがそれでも……本当の仲間や友達はレッド星雲ではなく首都の星で出来た。
(ねぇ。ベム。)
(何だよ。人が珍しく感傷に浸っているのに……空気を読めよ。)
(君が自分の過去の話をしてくれたらね。)
剣持も興味があるのだ。彼が何故この道を進むと決めたのか。その理由を……
(……時が来たら……語ってやるよ。今はゾークロンとネクスト・シングの怪獣達を地球から守らないと行けないだろう。)
(でもブラックワンって?)
(……俺故郷レッド星雲のレッドスター……宇宙の番人を気取った星の近くに暗黒星雲R星と悪の星ブラックスターがあるんだ。両者の星の間には中立の立場を持つ友好的な種族が多いブルースターがあり、色々な条約と協定故にお互いの星を攻撃してはならないルールがある。レッドスターが銀河連邦、ブラックスターは星間連合にそれぞれ加盟して……互いの星を攻撃出来ない代わりに…………傭兵として他の星の戦争等に積極的介入している。その悪の星最強の称号を持つ存在がブラックワン。立ち塞がる敵を全て倒し悪の美学を愛するカリスマ……強大な怪獣使いの力を持つ剣の達人だ。)
(剣の達人……)
(俺がナイフやら短槍使うに対して奴は魔剣、妖刀、死刃と呼ばれる三つの剣を使いこなして戦う。バリバリの近接特化タイプに見えて狙撃手顔負けの遠距離からの斬裂狙撃技や射手や銃手が絶句する程の中距離の追尾能力付きの速射に連射技。複数の超能力を持ち幾つもの魔法も使える(魔法!?魔法が宇宙に存在しているの!?てか存在していたの!?)うるさい。とにかく……滅茶苦茶ヤバい敵だ。弱い者達には手を出す事はせず、無益な殺生は好まず、相手の防衛軍の戦意喪失をさせて降伏か殲滅を決めさせる時間を用意したり……仕事はキッチリと完了させる傭兵業界で一番有名な奴なんだよ。)
(…………ヤバい敵なの?)
弱い者達手を出す事はせず、無益を殺生を好まず、相手の戦意を折り降伏を促す。…………想像よりもクリーンなイメージが出てきた。
(その人。口は悪い?)
(いや、育ちがしっかりしているがボンボンじゃない。無法者の集団の荒くれ共を傭兵達をブラックワンの人徳でまとまっている若さと勢いのある連中で、その人柄で他の星の勢力の兵士も積極的に登用して引き抜きもされて、星間連合の中で一番名が売れている傭兵会社だ。)
(詳しいね…………)
(…………地球に来る前はよく銀河連邦と星間連合の戦いでブラックワン達の足止め役をやっていたからな。互いに傭兵だが……宿命のライバルって奴だろう。)
椅子に凭れかかる剣持。
(奴が傭兵団を率いず、単独で地球に……)
ベムはその時を軽く思い出す……
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回想……
今から昔…… 地球から遠く離れた広大の宇宙……
その広大な宇宙の数えるの大変な数の銀河系の一つの星
『惑星オーラー』にて……ヘルガイアの星間連合の怪獣使いの部隊を中心に宇宙怪獣の大群を使い一つの惑星を侵攻していた。
当然、銀河連邦も宇宙怪獣の大群の迎撃に出陣。それぞれに所属する傭兵達も任務と依頼の為に動く。
この前線防衛基地が、突破されば、円形で作られた防衛網に穴が出来る……
激しい光弾の空襲の雨に混じって青い無数の球体が地表に落下。
『『ギャオオオオオオオオン!?』』
青い無数の球体はその姿を変えて宇宙怪獣ベムラーの群れが姿を表す。
宇宙怪獣ベムラー
出身地 M35星
身長50㍍
体重2万5千㌧
そしてもう一方から宇宙怪獣エレキング達も姿を表す。
宇宙怪獣エレキング
出身地ピット星
身長53㍍
体重1万5千㌧
オーラー防衛軍の兵士『一匹たりとも基地に近づけるな!?射て~~!?』
防衛軍の基地周辺に設置された固定レーザー砲台が稼働してベムラーの大群に向かって攻撃を開始する。
ベムラー達も口から貯めた青色熱光線を放つ。
エレキングも口から黄色い三日月型の放電光線を連射する
光線と光弾が飛び交う。ベムラーの光線は固定レーザー砲台が直撃して爆発して四散する。だがそれと同時にレーザー光弾が怪獣ベムラーに連続に直撃して鱗のような皮膚を貫き体内から焼かれてその個体は力尽き倒れる。
それでも怪獣ベムラー達は前進する。元々性質は狂暴な個体であるベムラーは今回の侵攻の切り込みに相応しい怪獣だった。
だがその怪獣達の侵攻を止める存在がいる。
ベムラー達の真上から青い雷が地表に落下して、ベムラー達の侵攻を止める。稲妻が周囲に帯電させて。怪獣達は近づけない。
?????『ベム。この怪獣達……腕が鳴るな。どちらが多く倒せるか競争をするか?』
その銅線を全身に巻いたような外見の巨人は、
片手に金属製のハンマーを持ちベムラー達を見て喧嘩がしたくてウズウズしているようだ。
『真面目にやれ。』
俺はこの時、惑星オーラー防衛軍の援護として派遣された銀河連邦のメンバーの中にかつて通っていた学校の同期と再会した。
?????『ほいほい。もう少しは感動の再会を感じるとかないのか?真剣に楽しもう。』
両手に電気を集めながらそれを金属製のハンマーに集める。
『下らない……戦いを楽しむ物ではない。只の作業だ。俺は下の宇宙怪獣共を相手にする。変な遊びはするなよ……』ジト目で隣に立つ知り合いを見る。1万年近く
コイツの何気ないイタズラに翻弄されて来た故の釘を刺す。実地試験の時に星を救う為に隣の奴はその災害を食い止める為に山を5つ都市3つを破壊したして生態系を滅茶苦茶にしてその星を救った事がある。勿論その責任で暫く懲罰房に入れられた。何故コイツを退学させなかったと……今でも思う。
?????『相変わらず……淡々としているな。もっと自分を出してこうぜ。』
積極的に同期はベムに話掛けてくれているも当人は、同期の話に然したる感情を表す事なく防衛軍の指揮官から
航空部隊の援護要請の連絡を貰い。
『防衛軍の航空部隊がボスタングの群れに追われているぞ。』遠距離技がないレッドマンが上を見て言う。
コイルマン『ならその上はこの俺、エレキートンの王の息子のコイルマンに任せろ。』自信満々に豪語する同期。
流石は同期……自分の役割をしっかりと理解して行動する。
コイルマン
止まぬ激しい雷と寒く厳しい吹雪が吹き荒れ永久氷壁がある雪原の出身地 電磁惑星エレキートンの星人でその星の王子であり電磁惑星の最強の永久氷壁を砕く程の怪力を持つと謳われる戦士。
普通の体型で有りながら知り合いの宇宙人の中で一番の怪力を持っているだけじゃなく。近接格闘技術も高く
エレキートンの住民特有の電気操作も得意としており、
電気が弱い水棲生物は勿論。機械系統の怪獣やら星人やらに無類の強さを誇る。只……性格は難点……極めて粗暴で喧嘩っ早く傲慢な一面を持っていて、問題を何でも戦いで早期解決する悪い所を持っている。勿論良い所もある自分の駄目な所や過ちや間違った所があると深く反省する潔い所を持っているし、裏表ない大雑把っさ豪快さを持つ単純な性格で、全てに優秀だが協調性の欠片もない自分の生き方に冷めたベム。真面目で自分の熱血と正義を信じるフレイム仮面。大雑把に豪快に傲慢に喧嘩っ早く戦い好きだがその単純な性格故に素朴な疑問を口にする等して人の心や本質を見抜く慧眼を持っている。そしてどんな不利な状況でも自分らしさを失わない強さを持っている……
今の自分の人生に大きな影響を与えた友人……親友と言う物かもしれない……
『……なるべく惑星オーラーの物や建物は壊すなよ。』
コイルマン『任せろ!?』
『…………凄く心配だ。この傲慢電磁波人間……』
コイルマン『エレクトロ~~!!!?』
そう叫びソイツは高く惑星オーラーの空を飛び。オーラー防衛軍戦闘機部隊と激しい戦闘をしている宇宙エイのボスタングに、電撃を込めて放つ牽制技『エレキスラッシュ光線』を連続発射してボスタングを体内から感電させ別の群れに対して怪力+電撃の『コイルパンチ』で
墜落させて他の個体の群れに向かって【バチバチバチ】
コイルマン『コイルハンマースマッシュブレイカー!!!!』両手を組み合わせ電撃を放出し鈍器のハンマーに匹敵する程の打撃技を複数のボスタングに叩きつける。
肝心の武器である愛用のハンマーは地表に置いてきぼり。
空に稲妻が縦横無尽に走り視界がチカチカする様子を地表から見て
『……相変わらずの目立ちたがり屋め……U-40の力の賢者か……』
軽くため息を吐くも鞭のように振りまわされたベムラーの首を回避して自分を囲むベムラー達は吼える。
『『ギャオオオオン!?』』
四肢にエネルギーを貯めてベムラー達に突っ込み、
『レッドキック!?レッドパンチ!?レッドチョップ!?』地表ではレッドマンがベムラー達相手に孤軍奮闘。既にレッドマンはベムラー達のほとんどを一人で倒して残りの個体に向かって接近、激しく連続噛み付き攻撃で迫る敵と首を激しく振りまわしレッドマンに攻撃するベムラーに向かってレッドマンは怪獣を掴み持ち上げて頭から地表に叩きつける。
遠くにいたベムラーの口からペイル熱線が遠距離から発射され地表に叩きつけたベムラーとレッドマンに直撃。
怯むレッドマンは直ぐ様、足元で起き上がろうするベムラーに近付き
【ゴキッ!?】
ベムラーの首を足でへし折り仕留めて、遠距離にいるベムラーに向かって
『レッドアロー!?イヤッ!?』
【フォン!!ヒューーーーーードスッ!?】
真紅の短槍を宇宙怪獣ベムラーの一角に向け投擲するレッドマン。無数に飛び交う光線や光弾をレッドアローは潜り抜け宇宙怪獣ベムラーの胴体を狙い貫き、仕留める。
『レッドアロー!!』
レッドアローが墓碑のように怪獣の身体に刺さりベムの前後から突進して迫る二匹の宇宙怪獣に向かって二本のレッドアローを両手で持ち構え左手は前に噛み付こう迫る怪獣に対応して……右手のレッドアローを逆手に持ち変え後ろから来た怪獣に…同時に前後の怪獣仕留める。
『!?』
仕留めた安心より背後から迫る危機を察知して素早く姿勢を下げて何かの一撃を避け直ぐに何も無い筈の場所を回し蹴りを打ち込む、
『忍者怪獣サータンか!?厄介なっ!?』
確かな手応えと共に透明化が解けて姿を表す忍者怪獣サータン。
投げたレッドアローを拾い気絶したサータンの頭部に突き刺す、
『何匹いやがる!?』
さっきとは別のサータンの長い鼻がレッドマンの首に巻き付き、強く締めつける。
首を締められながらも敵に近づき膝蹴りを相手の腹に打ち込み怯ませ所で
『レッドナイフ!?』
両手からレッドナイフを出してサータンの長い鼻を切断して追撃に残った片手のレッドナイフでサータンの首を落とす。
更に40㍍のレッドマンに対抗して怪獣使い達は50㍍の宇宙怪獣キングザイガーと50㍍宇宙大蛇スネークキングが襲い掛かる。
宇宙怪獣キングザイガー
身長50㍍ 体重2万8000㌧
宇宙大蛇スネークキング
身長50㍍ 体重2万㌧
『ミラーマン司令が言っていた強豪宇宙怪獣か!?』
巨大ヒーロー2『行くぞ!?キングザイガー!?』
勇敢か無謀にも仲間の巨大ヒーローが三人がかりでキングザイガーに挑むもキングザイガーに軽く足払われ
ヒーローは素早く飛び蹴りを放つも強固な皮膚の前に弾き返され、二人がかりで押し出しをするも止まらず……
巨大ヒーロー3『それぞれの必殺光線を合わせるぞ!!』
【トゥビー!!ピロピローピー!!ザー!!】
三人同時の必殺技のカラフルな光線をキングザイガーは真正面から受けて軽く爆発するも一瞬怪獣はびっくりするも大したダメージは負う事なく暴れる。
巨大ヒーロー2『効いていないだと!?』
驚愕な声を上げ驚くヒーロー達。
巨大ヒーロー1『怯むな!?畳み掛けるんだ!?』
再度立ち向かう巨大ヒーロー達。
『地獄の使者』の異名を持つ強豪怪獣のハサミのような二本爪で放たれた一撃によって殴り飛ばされて蹴り飛ばされ叩きつかれ背中を踏まれ大したダメージも与えず敗退する。
(勝てる奴もそう多くないんだよな。ウルトラ兄弟ですら単独では負けるレベルなのに……)
ミラーマン(デザインは初期の銀と青を基調としたメカニカルで無表情なマスク)から『宇宙全体でも、勝てる者はいない』と言われるレベルだ。
そのキングザイガーはレッドマンを獲物として狙い定めて鋭い眼光を放つ。
(上等っ!?)
『レッドファイト!?』
怪獣キングザイガーの両目から破壊光線が発射されレッドマンは身体を転がしてその攻撃を回避。
レッドマンはキングザイガーに突進を仕掛けるもキングザイガーはすかさず頭突きで逆にレッドマンを跳ね飛ばす。
(ぐへっ!?)
『イヤッ!?』
跳ね飛ばされたレッドマンは再度キングザイガーに接近してキングザイガーを両腕で持ち上げて投げ飛ばす。
地面に伏したキングザイガーに向かってレッドマンは馬乗りをして怪獣の後ろから素早く連続レッドチョップを直撃させてダメージを与えるも、怪獣は起き上がり後ろに倒れるレッドマン。突進して来るキングザイガーに向かって拳にパワーを込めて迎撃態勢をする。迫る怪獣に
レッドパンチで顎を殴りつけダウンさせ再び首を掴み投げ技をしようとするもキングザイガーのハサミの連続パンチを食らい。
『『ギャオオオオン!?』』
レッドマンは怯み地面に倒れるも追撃で凪ぎ払うように来た怪獣の尻尾の攻撃を両腕で防ぎきり直ぐに距離を取る。だがもう一体の敵、
後ろから触手を伸ばすスネークキングを裏拳を打ち込み
スネークキングに勢いを付けドロップキックを叩きつけ転倒させて追撃をしようとするも、キングザイガーの強力な尻尾の一撃をまともに食らいレッドマンは倒れる。
起き上がろうとするレッドマンに向かってすかさずキングザイガーは強力ドロップキックを放ちレッドマンを蹴り飛ばす。星の岩場を崩しながら倒れるレッドマン。
(司令の言っていた通り強い……)
キングザイガーの本領はたぐいまれた生命力と知能の高さ……相手の油断を誘う為なら死んだフリすらして相手の視力を奪う狡猾さを持った怪獣だ。
防衛軍『奴らから基地を守れ!?主砲発射!?』
この星の防衛軍の最新の宇宙戦艦の主砲から光線が放たれて、キングザイガーとスネークキングに直撃、怪獣は耐えらず肉体が分解される。
その威力に銀河連邦の士気は上がるが、直ぐに絶望が迫る……怪獣使い達を取って置きの宇宙大怪獣を送り込む。
最新の宇宙戦艦はこのまま星間連合の主力を狙おうとするが、恐怖に満ちた悲鳴が各通信機器に聞こえてくる。
銀河連邦の兵士『『ベムスターだ!?』』
突然の連絡に何人かの銀河連邦の兵士達やこの星の防衛軍の軍人達は上を見る。
宇宙大怪獣ベムスター。最近別の次元の宇宙から目撃された鳥とヒトデを混ぜたような姿をした五角形の星を中心にした怪獣。星間連合がその怪獣の能力に目を付けて飼育していてここ最近あちこちの銀河系でその姿を目撃された怪獣だ。
防衛軍の戦艦の連絡員『『奴に接近された!?艦のエネルギーが全て吸収される!?救援を!?』』
レッドマンも上を見る……怪獣ベムスターの恐ろしい所は光線を始めとしたエネルギー原を腹の五角形の口で吸収する所だ。あのウルトラマンの数多の敵を倒した必殺技であるスペシウム光線すら食べる程の貪欲差、
最新の宇宙戦艦もその例外ではない。
ベムスターに接近されたその宇宙戦艦は動力原が停止して墜落。戦場のど真ん中に堕ちて撃沈する。あの壊れ方では下にいた兵士達も乗っていた乗員達も誰も助かりはしないだろう。
銀河連邦の兵士『怪獣使い達は何処だ?探せ!?』
飛び交う宇宙戦闘機の部隊が怪獣使い達を探す。
宇宙大怪獣ベムスターはそれだけ脅威なのだ。
『…………』
レッドマンも気配を集中し探知するが、こういう戦場で怪獣使い達は視界が一望出来る場所に集まっている傾向はあるが、その気配を感じさせないようにするほどの大きな気配をレッドマンは探知する。怪獣使い達を倒せば、使役する怪獣達は野良に戻り、戦況がこちらが有利になる。
『!?』
(何だ!?この攻撃的な闇の気配は!?)
……沢山の敵味方が入り乱れる戦場の中に、一振りの黒紫の刀が星の膨大な大地を削る。ベムはギリギリで回避
その星の強固なハイテク技術で構築された200㍍の高さの壁を一撃で斬り裂き、防衛基地の一部の施設を破壊する!?その威力は宇宙戦艦の砲撃なんかと比べられない程の破壊力を持っていた……
(!?)
??????CV鹿賀丈史『こんな戦い。無駄に双方の血が流れるだけだ。』
たった一言の言葉がこの場にいた全ての物の息を飲んだ……禍々しい黒いエネルギーを纏わせたその姿は……
両腕の銀のグローブの指先には短く鋭い爪が伸びており、両足のブーツの足の爪先が鋭く尖り、①銀の胸部プロテクターの左右の両肩衣は斜めの開き先端は尖り①(ハカイダーの両肩をイメージに近い武士の正装の裃)後は黒いボディ、そして黒い邪悪とクール雰囲気を持つ②鋭く三又に尖った頭部(電光超人グリッドマンの悪役カーンデシファーと同じ奴)額に紫に輝く正八面体のクリスタル……③銀の独特な口に鋭い顎(ウルトラマンAの異次元超人ヤプールの口元を抑え気味にした感じ……ヤプールの上の二本の牙のような部分は銀の独特な口にくっ付いたようにして牙のようなラインにしている。)
黒く光り変幻自在に硬度と強度を変える高周波マント……④赤黒く光る吊り上がった両目(ウルトラマンのニセウルトラマンのあの目付き)
ブラックスター人の特徴を持って現れた。
ブラックワン『……無駄な殺生は私の悪の美学に反するが……』
堂々とした佇まいでマントを翻し戦場に現れた黒き星の勇者……ブラックワンとその背後に並ぶ5人の宇宙人達。
防衛軍指揮官『ブラックスターの勇者だ!?討ち取れ!?』
防衛軍の兵士『ブラック・ミスト最強の死神のアインへリアル5勇士もいるぞ!?』
最強の魔導勇者、空の軍神の異名を持つ紫色を主体に薄紫とオレンジの鎧を纏った宇宙人がすかさず前に出て……
???『ブラックワン様。ここはこの私達にお任せ下さい。』
アインへリアル5勇士
ブラックワンに忠誠を尽くす5人のエリートによる超獣闘士(ハイパーゾアブラックファイター)達、5人共ブラックワンが用意した鎧の装鉄鋼(メタルブレスト)を全身に装備しており、戦場で敵に回すなと言われている精鋭で、ブラックワンが各星からスカウトした実力者だ。そしてサイボーグ格闘士の為、それぞれサイボーグである。
ブラックワン『お前達の手はわずらせはしない。ここは私が行こう。』
????『分かりました。我が主よ。』
青と銀と黄金と黒の四色を合わせた鎧を纏った5勇士最強の高周波剣の使い手がブラックワンへ道を開ける。それに続き他の者達も道を開ける。
地球の人間と同じ大きさで現れたその傭兵にこぞって迫る銀河連邦の戦士達……
ブラックワン『……降り掛かる火の粉は払うに越した事はない……フンっ!?』
背中に差した両刃の身の丈程のある巨大な黒魔剣の拘束を解きブラックワンは両手に持ち構える。
そして全身の力で振るい横一閃の凪ぎ払い……かなり距離を離れていた40㍍のレッドマンは本能的に防御の構えをする。
魔剣のたったの一振りで銀河連邦と防衛軍が紙のように宙に舞い上がり、付近にいた怪獣達の身体がバラバラになる。その肉片と乗り物の破片が雨のように降り注ぐ中……
ブラックワン『……やはり魔剣では友軍の被害に合うな。……魔剣は盾として使った方が……うん?』
背中に魔剣を拘束させながら感じる視線の元にブラックワンは破片が降り注ぐ中見つける。その若き赤き星の勇者の存在……
ブラックワン『うん?あの顔は……ほぅ。』
『…………』
互いに視線を交える両者。二人の傭兵がこうして邂逅する。
???『噂に聞くレッドスターの裏切り者の息子か……』
白いと赤色の鎧を纏った双頭の白蛇王??『俺は、勝手に暴れさせて貰うぞ。』好戦的な笑みと共に独断行動をする仲間に対してリーダーは真面目な顔で
???『勝手にしろ。ザジ』
と言い、
ザジ『後宜しく。ガバン。ケスノーチ。ジェリコ。ゴメル。』
仲間の名前を言い終えると白い蛇のような光を発して戦場を移動していった。
5勇士一の剣の使い手にして高速戦闘と俊敏性を持つ妖剣士。黄金の蟷螂の異名のイカルス星人のジェリコ。
仮面で顔を隠す5勇士一の荒くれ者。異形のバルタン星人のザジ。外見はバルタン星人Jr.
バルタン星人の特徴である両腕ハサミの失い。顔もフレイム仮面の必殺技で大火傷を負い。凶悪な怪獣の仮面を着けている。
???『私達は私達の仕事をしましょう。』
黄金の仮面付きのフードとローブを纏ったメフィラス星人のゴメル。
ガバン『……そうだな。我々も我々の役割をしよう。我々に仇なす銀河連邦とその味方をする連中に我らアインへリアル5勇士の恐ろしさを存分にな。』
バット星人のガバン、イカルス星人のジェリコ、ゴーロン星人のケスノーチ、さっき勝手に独断行動をしたバルタン星人のザジ。顔と姿を極力見せないメフィラス星人のゴメル。
ジェリコとゴメルは瞬間移動で姿を消して敵軍のど真ん中に姿を表す。
ゴメル『さて、聞かせもらいますか。私に貴方方の魂の断末魔を……』
別方向でも無数の黄金の光輪が味方達の身体をバラバラに切断する。
ジェリコ『斬らせて貰うぞ!?ショウワッ!?』
人斬りの両目が殺意と殺気を周囲にばらまかせて、高速に移動して鍵爪の鋭い爪で相手の命を次々と奪う。更に高周波の剣を抜刀して、敵陣に切り込みを掛ける。
ガバン『全く……どいつもこいつも……自軍の守りを疎かにするとは。』呆れた声と共に黒焦げた敵の死体を投げすてる。バット星人の周囲には体内から焦がされた無数の死体の山が出来ている。
ケスノーチ『ガバンは敵陣に挑まないのか?』
ケスノーチは巨大なハンマーを振るい降ろし迫る敵陣を吹き飛ばす。
ガバン『ふっ、あの基地が落ちるのも時間の問題だ。俺達全員が出る必要はない。ブラックワン様が動き出したのだ、』
ガバンの全身に内蔵した生体熱線砲をから赤い強力な熱線が発射されて敵陣を貫く。
ケスノーチ『違うまい。』
ケスノーチはそう言いつつレッドマンの方を見る。
銀河連邦の噂の傭兵が我らの主にどれくらいまで戦えるか宇宙猿人ゴーロン星人のケスノーチは個人として興味があったのだ。
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全身を黒と紫に発光させぐんぐんカットで巨大化するブラックワン
『!!!?』
同じ大きさになったブラックワンとレッドマン……
その存在を視界に捉えた瞬間、俺はレッドナイフを両手に持ち他の怪獣達や宇宙人に目もくれず奴目掛け斬り掛かる。
倒れ伏す敵軍に目もくれず真っ直ぐに自分に迫る赤い光を見て
ブラックワン『面白い…………付近の全怪獣使い部隊に連絡しろ。ここは私が斬り込もう。』側近にそう伝えて、
正面から堂々と迎え討つつもりだ。
赤い光となったレッドマンにブラックワンは身体の何処からでも生やせる重さのない黒く光る死刃を両腕から生やし……黒い光となってレッドマンとぶつかる!?
赤と黒の光がぶつかり合い、周囲は目映い光に包まれる
光が収まると、両者の刃はぶつかり離れる……
ブラックワン『…………』
『………………』
互いに構えて再び接近する両者。
素早くレッドナイフを振るうも、ブラックワンの頭部に直撃する前にブラックワンは姿を消す。
『!?』
ブラックワン『こちらだ。』
『!?』
背後から声が聞こえて再度接近するもブラックワンは魔法を使い距離を離す。
『瞬間移動魔法……』
ブラックワン『……その姿……レッドスターの勇者か……ここで出会えたのも何かの縁。』
瞬間移動魔法でレッドマンの背後に現れてレッドマンは連続でブラックワンに斬り掛かるも、その都度瞬間移動魔法で距離を離してブラックワンの声に少し怒りを混ぜる。
ブラックワン『少々……血の気が多いな。それに若い………余り好まない戦法だが仕方がない……』
『何をごちゃごちゃと喋ってやがる!?』
ブラックワンの高周波マントが伸び蝙蝠の翼のような形になりレッドマンの首目掛けて迫る
『イヤッ!!』
レッドナイフを両手に持ちその一撃を受け止める。
ブラックワン『……やはりその姿…この若さでその技量……お前が銀河連邦の傭兵達で頭角を現し始めた男……お前がベムか。私も名を名乗ろう。私の名前はブラックワン。』
互いに視線を向き合わせながらベムはブラックスターの勇者の存在を記憶から引き出す。中退した学校のOBの先輩達が言っていたヘルガイアのお抱えの最強の傭兵団のリーダーの名前を……
『……聞いた事のある名前だ……星間連合に侵略され支配された連中達が唯一その徳と名を讃える者。』
レッドマンのレッドナイフとブラックワンの高周波マントがぶつかり合い鍔ぜり合いをする両者。
ブラックワン『……本当に……一度会って見たかった……』
『理由はどうあれこうして出会えた……』
ブラックワン『……そういう事ではないぞ。逆賊の勇者の子よ。』
『!!?』
怒りに飲みこまれるベムと冷静にベムを見るブラックワン。
鍔ぜり合いをやめて、ブラックワンは後ろ回し蹴りを放つもレッドマンは上半身を下げて避ける。
ブラックワンは自身の高周波マントを元に戻して、素手でレッドマンの攻撃を次々と往なす。攻撃を往なされて
レッドマンの集中力を切れそうになるが、
ブラックワン『集中しろ!?油断は死に繋がる物だ。』
レッドマンを叱るようにブラックワンは言い。
『お前は何様だよ!?』
まさか敵に叱られるとは思ってもみなかった。
ブラックワン『足元から死の刃が迫るぞ。』ブラックワンは自分の片足を地面に踏みしめて、
『うおっ!?』
(沢山の危険が地面の下から来る!?)
地面から黒く光る死刃の波が生えて来てレッドマンは飛行して迫る刃の津波を避ける。
ブラックワン『私ばかり見てて大丈夫か…………』
ブラックワンは腰の妖刀を引き抜き刀身を深紅に光らせ横に振り遠方から斬裂撃を放つ!?
『なっ!?』
深紅の斬撃波は、防衛基地に直撃!?
その余波は凄まじくレッドマンは防衛軍の巨大な壁に叩きつけられる。
『イヤッ!?』
コイルマン『ベム!?どけっ!?鳥野郎!?』
コイルマンは宇宙大怪獣ベムスターを相手に奮戦している。
ベムスター顎を殴り飛ばし、地表に置いてきぼりにした
ハンマーを手元に引き寄せて掴み。稲妻がハンマーに集まりコイルマンは叫ぶ!?
コイルマン『野郎っ!?その身体バラバラにしてやるぜ!?コイルハンマースパーク!!!』
瞬く間にコイルハンマーを光らせてベムスターに投擲、ベムスターの身体を瞬く間にバラバラにして
コイルマン『よし。直ぐに向かうぞ!?我が友よ!?』
『俺より、防衛軍の援護をしろ!?惑星オーラーの人達を見捨てる気か!?』
コイルマン『くっ、わかった!?死ぬなよ!?』
コイルマンはベムの元に向かわず防衛軍達の防衛に向かう。
何とか立ち上がるもレッドマンの身体には尋常ではないダメージを負おう。そのせいで巨大化も解けて等身大の大きさまで下がる。
ブラックワン『……』
ブラックワンは自身の巨大化を何故か解き、等身大の大きさになる。
ブラックワンは瞬間移動の魔法で倒れているレッドマンに近付き……
ブラックワン『もう終わりか?赤き星の勇者よ。私の知っいる赤き勇者の力はそんな物か?』
『くそっ!?何て出鱈目な剣だよ。』
ブラックワン『……数多の星の技術者達を集め開発したブラックスターの勇者だけ持つ事を許された三つ神機……動きは素早くなくなるもその分余りある圧倒的な硬度を持つ希少な鉱石と素材をふんだんに使い造った合金により誕生した大きく分厚い長く太く両手剣、三つの中では一番の攻撃力と防御力を誇りその一撃は重く…状況に応じて複数の武器の(斧、双剣、ドリル、蛇腹剣)形態を持ち…ブラックスターの数多の敵を屠った魔剣。
幾つもの敵を倒す度に刀身は研ぎ澄まされ今ではその刀から放たれた斬撃は如何なる遠く離れた距離にある物すら斬り裂く妖刀。
身体の何処からでも出し入れ自由の変幻自在で魔剣の足りない防御範囲すら守る。隙間無き攻防一対の死刃。
お前の目の前にいる敵の武器だ。』
無理やりレッドマンは立ち上がり構える。
『まだだよ!?』
ブラックワン『……そうこなくってはな。』
そう奴は楽しそうに嬉しそうに言い構える。
レッドマンとブラックワンは互いに走り出して蹴り技を
繰り出す。すかさず横蹴りを放つもブラックワンに肘で受け止められ右手のレッドパンチを打ち込むが、ブラックワンも右手のブラックフィストで腕をぶつけ防ぎ、左手の攻撃も同様のやり方で止める
(やはり……この男…強い!?)
『てやっ!?』
ブラックワンはレッドマンの両拳の攻撃を弾き出し、無防備な腹に向かって掌打を打ち込む!?
『イヤッ!!』
痛みに耐えられず腹を抑えて片膝を付くレッドマン。
だが直ぐ様目の前ブラックワンを睨み付ける。
自然体でレッドマンに近付き嬉しい感情を隠さない。
ブラックワン『……闘志は消えてないようだな。だが甘やかすつもりはない。ハァッ!?』
ブラックワンはレッドマンの顔を目掛けてハイキックを打ち込むもレッドマンは冷静にさっきのブラックワンの動きを思い出して両腕でその蹴りの一撃を弾き返し、
追撃のブラックフィストを避けて、攻守の流れを変える
『イヤッ!!』
ブラックワン『!!』
互いの右腕がぶつけ合い。周囲に衝撃波が発生!?
周辺にある人も物も吹き飛ばす。
『レッドキック!?』
『ヌオッ!?』
ブラックワンの背中に蹴りを叩き付けてブラックワンを
吹き飛ばす。
(勝てる。コイツに……お抱えの最強傭兵団の長に……)
相手の動きを良く見てどう闘えば良いか考える。
高低差のある場所に落ちたブラックワンは空中回転から地面に着地して上にいるレッドマンに向かって後ろ回し蹴りを放つも、レッドマンもブラックワンがいる場所に
移動……怒涛の猛攻を繰り出すレッドマン。
ブラックワンの腹にレッドキック。顔面にレッドパンチを殴り付け渾身の力を込めた回し蹴りで、ブラックワンは地面に転がりながら倒れる。
ブラックワン(相手と自分の実力差を誤解しているな……やはりまだ若い……闘争で……己をごまかしている憐れな勇者だ……戦争がなければ生きていけない……実に度しがたい……)
ブラックワンはレッドマンの両親の事件を傭兵の噂話から色々と知っていてレッドスターでのベムの立場を知っているも敵として立ち塞がる為に彼に同情はしない。
ブラックワン(お前に私は越えられない……絶対にな……己の本当の心すら己自身で欺く者に……私は負けない!?)
ゆっくりと起き上がり身体に着いた土を払い。余裕綽々とレッドマンを見てブラックワンはその身を黒と紫の光を纏わせて威圧感を上げる。
ブラックワン『…………互いに小手調べは終わったな。武器を使え!?ベム。ここからは剣士としてお相手願おう……死刃!?』
『減らず口を叩くな!!?』
黒く光る死刃を長い剣の形状で右手に生やして……レッドマンに迫る。
ブラックワン(今の言葉すら…本当のお前ではない……己の罪と向き合って贖罪でこの道に進んだ事が正しいと考えているお前の選択肢は大間違いな事を教えてやる!?)
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『レッドナイフ!?』
両手からレッドナイフを出して持つレッドマン
ブラックワン『ダッ!?』
ブラックワンは空中高く飛行してレッドマンに斬り掛かる。
その一撃をギリギリで避けたレッドマンはすかさず二本のレッドナイフを振るうもリーチの長い死刃に弾き返されて、回避に撤する。
ブラックワンが突き技を放つチャンスを狙うも!?
(ヤバい!?)
死刃が1秒も満たない速度で右手を覆うように形状を変えて強固な籠手に変わる。
『変幻自在に程があるだろ!?』
ブラックワン『その気になればナノレベルの細い糸にもなれる。工業用のロボットアームにもなれる。』
レッドナイフをその籠手となった死刃に斬り付けるも火花が散るだけで籠手としての強度が高いのかレッドマンが逆にその籠手に殴り倒され追撃の蹴りをマトモに食らいレッドマンは壁に追い込まれる。
籠手化を解き再び長い剣の形状になる死刃。
迫るその斬撃を回避して、レッドマンはブラックワンの首に拳を打ち込み、フルパワーの蹴りを放つ。
だが手応えは硬い何かに当たった事で攻撃が防がれた事実を知る。
ブラックワン『……己の過去に囚われ人よ。』
『!?』
死刃を円形の大盾の形状に変えてレッドキックを防いだ
ブラックワンはレッドマンを見て憐れみを込めて言う。
ブラックワン『心に悩みと迷いのあるお前は自分自身を知らな過ぎる……』
『俺は俺を良く知っているよ!?何も知らないお前が偉そうな事を言うな!?』
ブラックワン『…………仕方ない。お前に確実な敗北をくれてやろう……死刃の多種多様な技の数々は歴代のブラックスター達が受け継がれていた戦場で生み出した発想力による物……その力と奥義の前に……敗れるが良い!?』
地面を半歩下がらせたブラックワンは全身から死刃を生やし刃が全身を覆い鎧を纏う。隙間無き堅牢な防具を刃で造り出す……
そしてその顔もフルフェイス型の兜で素顔を隠し。
『何でもありだな……その刃。』
最早戦艦とか怪獣を生み出しても驚かないぞ。
ブラックワン『この死刃はこういう事が出来る代わりに
耐久力が三つ神機の中では一番低い……壊せるぞ。』
『その刃……何人壊せたんだよ……』
さっきの蹴りの一撃は結構な威力だったのにヒビの一つも入っていない事実にベムは尋ねる。
ブラックワン『理論上ではな……未だに歴代のブラックスターの勇者の記録でも壊せた猛者や生物や兵器はいない。』
『……そいつはどうも……』
経験、実力、技術、環境、全てが違う両者……家族ではない両者だが……何もかも違うのに……何故だか……両者の本質だけは……自分自身の罪と向き合えない所と温かい希望の光を求め探している気持ちだけは……似てるのだ。
両者構えて走り出して飛び蹴りを同時に放つ!?
赤と黒の光が白くなり、それから暫く闘い…………
ブラックワン『死の刃の海に沈むが良い!?黒津波!?』
攻守を変えながら戦うもレッドマンは、ブラックワンの持つ多種多様な全範囲技の死刃の波から現れる戦術に勝てず完膚無きまで敗北する。
ブラックワン『……不完全燃焼だ…………お前はまず己を知る事だな……本当の愛も知らぬ者に私は倒せはしない……』 生やした全ての死刃を体内に戻してブラックワンは前を歩く。己の傭兵団の今回の仕事は戦闘能力のない怪獣使い達の護衛と基地の破壊。護衛には頼りになる側近に任せて自分は気絶しボロボロになったレッドマンを期待するように言いブラックワンはメインの仕事をする。
ブラックワンはその圧倒的な力で前線防衛基地を破壊。
この星の戦いは多大な犠牲を出しながらも銀河連邦側が勝利した。
だがレッドマンの中で自軍が勝利しても心は晴れなかった。
宇宙は広い……自分より強い奴は沢山見てきた方だが、
あんな奴がいるなんて……レッドマンの中に敗北はしたが、あれに勝ちたいと言う欲求が強く生まれた瞬間でも会った……
その後……幾多の星にてレッドマンとブラックワンは合いまみえる。
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【ピピピピピ……】
晩御飯のカップヌードルの温めたお湯が出来た音にベムは気付き……台所に向かう。その胸に去来する物は一体……
(とっとと今日は飯を食べて風呂入って歯を磨いて寝よう……)
蜘蛛糸発射装置は分身の協力もあって完成したが、もっと改良する必要があるがそれはまた今度だ。
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数日後……『お化け屋敷』の作戦司令室にて
ムラマツ『その日はパリ本部からハヤタ隊員とサコミズ隊員、フジ隊員、アメリカ支部からカイ隊員達が日本に仕事に来日し……同時に我々、お化け屋敷の元に一つの通信連絡が入った。それが事件の始まりだった。』
フジ「キャップ、パリ本部の地震観測装置がまた奥多摩ニュータウンの異常地震を感知しています。」
ホシノ「これから我々は科学センターに向かうつもりです。」
ハヤタ「またか……本部でも調査をお願いされて来日して見たが、やっぱり普通の地震とは違うようだ。」
アラシ「この所毎日じゃないか?」
事件の時に被る万能ヘルメットを布巾で綺麗にするアラシ隊員。
イデ「何だか気になるなぁ、この地震」
フジ隊員の隣で通信された内容を見てイデが首を傾げる
フジ「震度4から5の縦揺れが、局地的に5分程度続くようですり回数は1日3回、決まった時間に起きています。それ以外の地域では、地震は全く観測されていません。」
イデ「それは、おかしいなぁ。」
カイ「ハヤタ。君もこの地震をおかしいと思うか?」
ハヤタ「調べてみる必要がありますね。」
サコミズ「大きな地震……震災の前触れじゃないと良いけど……」
故郷の日本に記録的な震災が起きるかも知れないと心配するサコミズ隊員。
ムラマツ「例え局地的とはいえ、またそこから何か災害が起こるかも知れない。やはり、調査はすべきだ。」
サコミズ「俺とホシノチーフは科学センターにいる岩本博士達からこの地震の詳しいデータを集めに行きます。」
カイ「俺も同行します。」
ホシノチーフとサコミズ隊員とカイ隊員の三人はそれぞれの装備を装着して指令室を後にする。
ハヤタ「地核に何かしら異常が起きているとすれば大変だ。調査をした方が良い」
アラシ「地震の調査なんて気乗りがしないな。剣持お前もそうだろう……あれ?剣持?」
キョロキョロと周りを見回すアラシにジーンとキムは言う。
ジーン「彼なら事前に休暇申請して、今日はいないわよ。」
キム「亡くなったお父さんの仕事の資料を貰いに東京に出かけているんですって。」
アラシ「お父さんの仕事の資料?」
ジャック「有名な考古学の教授でチャールズ達も名前は聞いた事があるだろう。剣持教授の論文。」
チャールズ「あぁ。俺も知ってる日本の考古学の天才の一人さ。」
サンダース「知ってたか?」
ロイド「いいや。」
ムラマツ「剣持の事も良いが仕事の話に戻るぞ。
今回の連続して発生する地震の原因について調査をするんだ。」
イデ「意外に面白い事件かも知れないな。」
フジ「そう?何だか、この地震心配だわ。」
ハヤタ「調査すべきだはないでしょうか、キャップ」
アラシ「でもたかだか地震ですよ。我々が出向く必要はないんじゃないですか?それこそ地震研究者達に任せるとか……」乗り気ではないアラシ隊員。
イデ「そう言うなよ。アラシ君。これも我々の仕事なんだ。」現場に出動しない為、余裕の表情をするイデ。
エドランド「イデ隊員も調査に同行するように…一の谷博士から言われているぞ。」
本日、博士の仕事を手伝う剣持が不在の為、代わりに基地にいるイデを指名する一の谷博士。
実は剣持からイデ隊員がクラプトンの大火災の事を引き摺ってないか名誉挽回の機会を用意して欲しいとエドランド隊長達に直談判したのだ。任務で失敗したなら次の任務で成功させたいと剣持なりのフォローである。
勿論……本人の気持ちは無視して
ここの最高責任者に言われた為、イデは嫌々アラシが綺麗にした万能ヘルメットを装着して
イデ「調査に出発しましょう!」
フジ「原因を突き止めるべきです、キャップ。」
ムラマツ「『お化け屋敷』出動!フジ君は引き続きここで情報を集めてくれ!?」
「「了解!?」」
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〔推奨BGM 大都会 昼と夜〕
奥多摩駅 土曜日
三門市の弓手町駅から幾つの電車を乗り換えて
長く電車に乗って目的地の駅を降り、駅の外に荷物を入れたリュックを背負って出る革ジャケットを着用した私服に黒いサングラスを掛けた剣持は、
目線を目的地がある方向に向け目的の駅の名前を確認する。
「ここか。」
降りる駅が正しい事が分かり西川さんがいる奥多摩ニュータウンへ歩こうとすると
ポニー「おっ剣持じゃん。偶然だね。」
後ろから声を掛けられてふと振り返る。
「そうですね。ここには何のご用で?」
ポニー「たまにはね、ボク達は趣味の遠くの場所を散歩に行くお出かけをしているのさ。」
「そうですか……にしては珍しい組み合わせですね。」
科学特別機動捜査隊の巨大兵器の操縦士(レンジャーパイロット)のポニー隊員とまさかの再会。彼女も休暇を使っているんだろう…………しかしその後ろにいる二人は、俺の良く知っている二人だ。
染井「…偶然ね。」染井は短く言う。
「本当ですね。」サングラス越しに彼女の姿を見る。
まさかの染井華さんとの再会だ。
志岐「散策するなら早くしましょうよ。ポニーさん。」
そして何故ここにいる!?志岐小夜子!?
インドアの極みの君を動かす物がここにあるのか?
この共通点が一見バラバラな彼女ら、目的は只一つ剣持の尾行だ。
ポニーの見解は、秘密主義というか何考えているかわからない剣持の意外な一面が見られるかも知れないと言う野次馬みたい理由。
染井華の見解は、自分なりに今の剣持君の事が知りたいという物だが、その行動力の強さにポニーを巻き込んでしまった為、今は冷静に剣持の観察に徹する。
志岐小夜子の見解は……剣持が一人別の場所に移動した為、何かが起きると確信して二人に同行している。
今回の妙な三人組と遭遇した剣持は無表情だが、
特に怪しむ事なく別れる。
志岐「剣持君はどうしてこんな所に?」
「俺か?俺はここから暫く歩いた奥多摩ニュータウンにいる父さんの仕事の助手さんから父さんの当時の研究資料を貰いにね。」
染井「そうなんだ…お父さんの研究資料を…」
ポニー「殊勝なもんだね~~」
「父さんの事をもっと知りたくて、ここまで来ただけですよ。」
志岐は剣持に近づき……ポニーや染井に聞こえない小声で聞く。
志岐「……怪獣が現れるの?」
「………………地底に大きな気配を感じる。電車を乗り換えながら探知していたが、小康状態に近い……冬眠してるようだが……」
弓手町駅から次の電車の乗り初めた時に、レッドマンの探知能力に怪獣の気配を探知したのだ。
志岐「連中の?」
「違うな……奴らのではない……」
短い会話をする志岐と剣持の後ろ姿を染井は羨ましい気持ちで見ていた。
ポニー「会話に入らなくて良いの?」
その染井にポニーは聞く。
染井「……何を話したら良いのか、わかりません。」
本当は沢山話したい事があるのに……言葉が出ない。
ポニー「……君は優しいね。でもね。」
ポニーは優しく染井の頭を撫でて、言う。
ポニー「……何でも良いんだよ。変にお固く真面目な話しをする必要はない。下らない世間話や天気の話に、皆が当たり前にしてるようなありふれたので言いんだよ。」
染井「でも……私は……」
剣持が入院して見舞いに来た時、あの時の剣持の表情が忘れられない。また彼をあの表情にしてしまうと思うと、
ポニー「……真面目だな~~」再び染井の頭を優しく撫でるポニー。
染井「あっ、すいません。」
染井は染井で余り人に頭を撫でられた事なくて内心びっくりしている。
ポニー「……取り敢えず皆さん。駅前でずっと立っているのも何だし歩きますか。」
「えっ?俺も?」
ポニー「こんな女性ばかりだと変な奴が近づく可能性もあるから護衛ヨロシク。」
「貴方前の格闘技大会で優勝したでしょう。」
無表情で事実を言う剣持。
染井「そうなの?」
志岐「蹂躙されたって聞いたけどホントなんだ。」
「滅茶苦茶強かった……」
ポニー「前衛後衛がいた方が良いでしょ。文句言わない。剣持君は染井さんの後ろを守ってボクは志岐ちゃんをの前を守るから」
「いや、俺用事が……」
ポニー「ゴー。」
志岐「ゴー!?」
「ちょっと!?二人とも速い!?」
一気に二人は前触れもなく走り出して直ぐに後ろ姿が見えなくなる。
染井「……剣持君……私達も行きましょうか。」
「……はい。」
(おい……勘弁してくれ……)
奥多摩ニュータウン方面に走った二人を歩いて追いかけるのだった……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「………………」
染井「………………」
暫く染井さんと一緒に歩く剣持。
染井、剣持((…………気まずい……何か話さないと……))
互いに言葉は交わさず無言でそれぞれ別々に初めて来た奥多摩ニュータウンの町並みを眺め歩く。
時折視線を交わすも直ぐに別方向を見る二人。
その様子はまるでお見合いする二人のイメージに近い………
そしてその二人に離れて建物の影から|д゚)チラッと覗くのは志岐とポニーの二人。
ポニー「あ~~焦れったい。ほれっ手も繋がないのか!?今時の若い二人もんは!?」
この人完全に出歯亀だ。
志岐「むぅ~~。」
志岐は完全に膨れっ面をしてヤキモチを妬いている。
幾ら友達の仲直りを応援しているとは言えそれでも見てて楽しくないのは仕方がないだろ。
ポニー「ハウス。志岐ちゃん。落ち着いて。」
志岐「落ち着いていますよ。」
だが剣持のこれまでの経緯を考えたら今回くらいは染井に譲ろうと志岐は予め決めていた。
志岐(今度剣持君と映画館に行く予定も立てているし、ヤキモチは失礼だよね。)
せっかく染井と剣持の二人で話せるように移動したのに……
肝心の本人達は別々の方向に視線に向けて無言だった……
だがそれは華も剣持もどう話せば良いか悩んでいた……ニュータウンまでの町並みを見ていたのも話の話題になる物を探す為だ。だがその無言も終わる。
染井「あの。」
「何でしょうか?染井さん。」
染井「……最近…仕事の方はどう?」
ありきたりの質問だが染井は剣持に聞く……
「……別に……普通だよ。」
(パリにて宇宙人と戦闘をしたりアメリカの大自然で創られた渓谷で暴走するロボットやら怪獣やらに挟まれたり東京湾でプランクトン相手に海上戦やら水中戦やら……)
「そっちこそ、香取隊の皆は元気?」
染井「……うん。皆元気よ。」
染井(……すっかり会話もしてないのに葉子達を気に掛けているのね……)
お互いつい数日前製油所の見学に会ったはずなのに、殆ど会話せずに別れたから……気になっていたのだ。
暫く二人で歩いて剣持と染井は町並みの景色に違和感を覚える。
染井「奥多摩ニュータウンって集合住宅が密集しているのね。何処を見てもマンションばかり……」
勿論、病院やらお店等も見掛けるが目を引くのはビルのように建ち並ぶマンションの波だ。近くの公園でそのマンションの子ども達が遊具で遊んでいる光景を見る染井。一方剣持は別方面の高層のマンションの入り口でお母さん達や奥様達がマンションの噂話に花を咲かせている様子を眺める。このニュータウンじゃ当たり前の景色なのだろうが……何処か閉鎖的な感じは否めない。
「そういうの前提の都市開発だったし……それに一応、一軒家の住宅街もあるようだけど、何か……密度があるな。」右を何気なく見ても左を見ても隙間減らすように建設された建物ばかり、息苦しさすら感じる。
少し……いやかなり……密集し過ぎだ。
西川助手がいるマンションまでの地図を見て……マンションの数が実に多い……まだ目的の住宅街にも到着してないのに
染井「……幾ら三門市よりもずっと人口が多い過密都市東京でも……ここまでする必要はあるのかしら、」
「……明らかに無理な在地造成だ。多摩ニュータウンの二の舞になるぞ。」
染井「奥多摩ニュータウンと多摩ニュータウンってどう違うの?」
二人は視線を前に向けながら歩き剣持は染井に事前に調べた知識を言う。
「スタジオジブリの【平成狸合戦ぽんぽこ】の映画は観た事はありますか?」
染井「!?」
驚いた雰囲気の染井は剣持と視線を合わせようとすると視線を向けるが剣持は別の景色を見ていた。
何気ない華自身も観た事あるアニメ映画でテレビのロードショーで親友と一緒に観た映画だ。
染井「えぇ。葉子と何回か。」
「……あの映画は変化する狸達を主役に自分達の森や山を人間達から守る映画ですよね。」
染井「そうね……でも皆頑張ったけど結局は、狸達の自然の森や山が無くなり狸達は人間に化けて人間の世界で暮らすしかなくなる結末……」
あの映画は華は苦手だった。
大規模侵攻前は……狸達ではなく人間側の方を意識して見ていた……彼らはこれから住む人達の為に、仕事の為に山や森を崩してマンション等を建てているから、それに……こんな事言うのは変な話しかも知れないが、アニメとは言え動物が二足歩行して人間みたく走ったり、喋ったりするのを子どもの頃の染井華は、酷く可笑しいと思っていたのだ。親友の葉子や同世代の子ども達には当たり前の物が華は理解出来なかった……
ドラえもんやアンパンマンの子ども騙しな設定を当時の
華は、ドライに見ていた。
染井(未来の子守り用猫型ロボットでスペックは明らかに子守り用にしては過剰……食べ物のアンパンが喋って動いて悪と戦うなんて可笑しい……)
勿論、そもそも染井華の家は厳しい家だから基本アニメを見ていない。アニメの疑問に思ってもソレを周りや親には尋ねない。あの自分の両親が素直にその疑問を答えてくれるかは、想像するまでもない。
だからこそ、あの日剣持が何気なく見せてくれた【牙狼
〈GARO〉蒼哭ノ魔竜】の世界に……華の世界は衝撃を受けた…
人に作られ……人に使われ……人に忘れられたモノ達の『約束の地』を舞台に、騎士の青年は、自分の無くした
口は悪いも青年の戦友である膨大な知識を持つ髑髏の指輪、代々から受け継がれた赤鞘の魔戒剣、白い衣を取り戻しながら、『嘆きの牙』を探し出す……幻想的な異世界を舞台にした王道だが、これはアニメではなく実写の特撮。終盤の黄金の狼を模した鎧兜も迫力があって心を奪われた…
絵本のような……見ていた心の底から良かったと思う作品だ。
主人公の騎士の青年以外は人間はいなくて人に縁のあるモノ達と言うのもアンパンマンを初めアニメに出てくる動物さん達に通ずる。
弓の名手キリアに騎士の青年に助けられた青い肌の歌と踊りが大好きなメル。そして……カカシ。
親友の葉子もそうなんだが、剣持君も狭い自分の世界を確実に広げさせた凄い人だ。
さてジブリの平成狸合戦ぽんぽこの話しに戻ると、大規模侵攻後、私は家族と家を失い、それからボーダーに入隊してオペレーターの道を歩み。何気ない日にたまたまロードショーでやっていたのを見ていて……漸く狸達側の気持ちがわかった……あの日住む家と家族を失った自分の境遇は森を伐採され住みかを奪われた狸達と同じになり、小学生の頃見てわからなかった気持ちは漸く理解した。
それでも森を失い仲間達を失い……それでも前に進んで生きようと頑張る狸達は、私は眩しいと思ったのだ。
私はやっぱりあの映画は苦手だ。
見てて切なくなる。どうしようもない大きな力に負けてしまう狸達が、勝った相手の世界で暮らすしかなくなるから……
「染井さん?」
染井「…ごめんなさい。少し映画の事を思い出したわ。」
「大丈夫?」
互いに顔を合わせる事なく言う不思議な会話。
染井「えぇ。それよりも話しの続きをお願い出来る?」
「ここは東京都の多摩ニュータウンと同じように
、1960年代の高度経済成長の日本の東京には出稼ぎを初め田舎や他県から東京に労働にしに来た人達が溢れていた。その住宅不足を補う受け皿の形で誕生した都市開発事業の一つです。」
二人の視線は遠目から見ても老朽化しているだろうとわかる経営マンションが並んでいる。
「しかしそれから約10年後オイルショック、更にそれからバブルが膨れてそしてバブル崩壊等、相次ぐ不況の影響で住む人達の年々の減少と60年代に建設された為、設備や間取りが今と比べて陳腐……マンションの耐久年数による老朽化が発生。」
染井「……」
「当時はブームになった場所も現在は殆ど空き家ばかり……再生計画と称してゴーストタウンとなったマンションの建て替えの現状です。」
染井「地面を掘り崩し自然の山や森を壊した結末にしては……世知辛いわね。」
マンションの建て替えの工事の現場の眺めて歩く二人。
「沢山のマンションが並んでいるけど住んでる人は、そんなに多くはない。」
それでもこれ程のマンションの数は三門市にはない為、流石に圧巻な景色だ。
「怪獣映画のロケ地にも使われた場所らしいですけど……確かに見栄えは良さそうです。」
中央に巨大怪獣が居てその下にあるマンションの位置取り……真琴先輩が喜びそうなシチュエーションだ。
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彼女は突然足を止めた。
「どうしましたか?」
互いに視線を向き合わず、剣持も足を止める。
染井「ねぇ。」
「何でしょうか……」
染井「私達は……私達は……まだ……」
彼女はその時、何かを言おうとした……俺は只その言葉を待った……
「はい……」
両者の間にただならぬ雰囲気が生まれて
二人から少し離れた建物の影にいる二人も染井と剣持の様子を凄い眼力で凝視する。
志岐「……」
ポニー「……あれ?……ちょっと志岐ちゃん。」ポニーは何気なく住宅街の方を見てみると知ってる顔に気付く。
志岐「何ですかポニーさん。今良い所なんですよ。染井さんが剣持君に……」仲直りの瞬間を目撃しようとする二人。
染井「……やっぱり何でもないです。」
話を切る染井。
二人「あーー意気地なし!?FF4の吟遊詩人のギルバートもしくは暗黒騎士のセシルか!?」
二人も二人で勝手に言いたい放題するよ。
染井「二人とも何処まで移動したのかしら……」
「わからん。」
(近くに二人の気配は感じるけど……)
ポニー「お~~い。二人とも、」
染井「あっ、二人とも」
ポニー隊員と志岐さんの二人が剣持達の元に走る。
「どうしたの?そんな顔をして、」
ポニー「驚くなよ。剣持君。ボク達さっき町を歩いていたら……ムラマツ隊長達がいたんだよ。」
「えっ?」
志岐「『お化け屋敷』の人達が付近の住宅街の住民に聴き込みをしているのを見たんです!?」
染井「どういう事……」
「……三人とも、悪いけどお出かけは中止してくれ。」
剣持は真剣な表情になり言う。
ポニー(常に無表情って訳でもないから表情が少ないのかな?)
志岐(いや、あれで結構表情あるからね。見るタイミングを逃しているだけで、)
たまに分身とテレビゲームで遊んでる理解者。
染井「でも…」
目の前で雰囲気が変わった剣持、
「怪奇案件か?はたまた只の調査か……それはまだわからないけど……」
志岐「ここが危険になるかも知れないから……」
事情を知る志岐は冷静に察する。
「そういう事、三門市の方が三人とも土地に詳しいからそれに、いざとなったらボーダーの皆もいるし、」
ポニー「しゃあない。私達はこのまま電車で三門市に帰るけど、剣持君は?まさか隊長の仕事をお手伝い?」
ポニーの本心は、もし一人だったら隊長達の調査の手伝いをしたかったが今はボーダーの二人を連れている為、二人の安全を第一に考えて、三門市に戻る事を選んだ。
「いや、今日はオフでそれに本来の目的である父さんの知り合いの西川さんに会ってきます。」
志岐「本当に大丈夫?」
剣持を心配する志岐。目の前の少年は危険な所を向かうのを止められないのはわかっているけど、心配するくらいは良いだろう……
「俺の悪運の強さは知っているだろ。」
志岐「わかった……何かあった報告お願いね。」
「何で?」
志岐「私B級部隊のオペレーター。君はトリガーが使用禁止のC級の訓練隊員。カースト的に私が上。君は下」
「何だよそれ。」
その何気ない二人の会話を近くで見せられる染井……その胸の奥に感じるモヤモヤは、過去の当たり前にあった筈の関係……
ポニー「大丈夫?」
染井「……はい……。」
小さく返事をするしか出来なかった染井。
「何もなかったら、メールで連絡しますから。」
染井「剣持君……」
剣持と染井達は別行動をする。
二人の視線は交じり合い……
剣持は染井達に背中を向けて……
「では……」
そう短く答えて彼は走りだす。
染井「あっ、「怪我しないようにね~~!!」」
染井は剣持に何かを伝えようとするもその前にポニー隊員の大声でかき消える。
染井……肝心の目的である『私達は今も友達だよね?』を聞ける事なく彼と別れたしまい露骨にドンよりした雰囲気になる染井……
志岐「ドンマイ…」
ポニー「何か食べて帰ろうか……」
失意に打ちのめされた自分を励ましてくれる二人に本当に申し訳がない。
染井「はい。」
ポニー「まっ次があるわよ。諦めないで。」
志岐「お互い緊張していたからさ。もっと友達同士の感じで接した方が……あっ、」
染井「それって……もう…剣持君と私は…他人同然って事ですか……」眼鏡のレンズが反射して彼女は泣きそうな表情になる。
ポニー「こらっ!?志岐ちゃん。」
志岐「ゴメン。そんなつもりはなくて、」
染井と剣持は対話したは言い難い……互いに視線を向き合う事もせず話題も弾むような二人が楽しくなるような話題でもない。結果は散々だ……
只……お互いぎこちなかったが、それが二人の意識の差であり互いの境界線に触れずに対話した結果だ。
染井(あの時と同じ……今度も自分の意志で……触れなければ、真実を知る事は出来ない……親友の葉子の為……剣持君の為……違う。…………これから前を向いて進む私の為に……今の剣持君と真剣に向き合う。)
だからこそ……染井華の中にこの触れてはならない境界線を触れる覚悟が出来た……
そしてその覚悟の結果が後の自分の日常を変える。
染井「……剣持君。」
ふと彼の名前を口に出すもその声は彼の耳には届かない……
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剣持は西川が住むマンションを目指してると同じ
頃……マッハビーストは奥多摩ニュータウンの近く
に垂直着陸して、ムラマツ隊長達は降りてくる。
ムラマツ「まずニュータウンとその周辺の聞き込みを行う。ハヤタ、イデ両隊員はゴミ処理場周辺へ、アラシ隊員は私と住宅街へ向かう。」
ハヤタ「了解。」
ムラマツ「とにかく、何か情報を得なければ…」
アラシ「誰かに話を聞いてみよう」
アラシ「キャップ、あそこの子供に聞いてみましょう。おい、ぼうず!何か変わった事はないか?」
近くいた子供にこの周辺に起きた変わった出来事を尋ねてみるアラシ隊員。
アラシ「何でも良いから、気付いた事を教えてくれないか?」
少年「そう言えば真夜中に、グルルルーと言う声が聞こえるんだ。あれは何かな」
アラシ「グルルルー。キャップ一体何でしょうか?」
ムラマツ「わからん。だが何かの音ではなく声ならこの近辺にその声を出す何かがある筈だ。後で調べて見よう。」
少年「もう行っていい?これから友達の家に遊びに行くんだ。」
アラシ「あぁ。もう良いぞ。」
少年はそう言って去って行く。
ムラマツ「おい。ハヤタ。イデ。」
ゴミ処理場からハヤタ、イデ両隊員が戻ってきた。
イデ「キャップ、大変な事が分かりましたよ!」
ハヤタ「地震はゴミ処理場の焼却処理作業の後で全て起きています。焼却作業は1日3回で日曜は作業していません。地震も日曜にはまったく起きていません。」
ムラマツ「ふむ。……ゴミ処理場か……」
地震と焼却作業……この二つに意外な関連性が生まれてムラマツ達は意見を出し合う。
ハヤタ「その焼却作業自体に何か問題があるんでしょうか?」
アラシ「意外に地震の原因はその作業が発する震動でした、なんていうんじゃないだろうな。」
工場が作業する時に発生する音や機械の振動で遠くの民家や建物が揺れた事故は過去に存在する。
だがそれはそういう条件が全て一致して発生する現象であり、今回と同じケースになるかわからない。
イデ「絶対にこの事件のカギはそこにあるぞ。」
ハヤタ「仮にこの事件に名前を付けるなら?」
イデ「連続奥多摩ニュータウン地震事件で……」
アラシ「……事件名が長いぞ。」
イデ「こりゃ失礼……」
ハヤタ「……もう一度そのゴミ処理場を詳しく調べる必要がありそうです。」
アラシ「そこが原因なのかかもしれないな。」
イデ「結構怪しいですよ。そのゴミ処理場」
ムラマツ「ではハヤタとイデが言ったそのゴミ処理場を全員で調べてみるとしよう。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ゴミ処理場に向かう『お化け屋敷』のメンバーを通行人に紛れて見る剣持。
(どう?)
(地底にいるのは何かいるのは確かのようだ……)
(俺達の出番は必要?)
(ゾークロンの細菌怪獣でもない奴に興味はない。)
今は個人的な用で動いている為怪獣の事は一旦忘れる剣持とベム。
教えられた西川さんが住んでいると言うマンションに確実に歩き向かう剣持。そして……目的地の建物に視線を向けて目の前にある三階建てのマンションを見る。
「ここか…」
赤茶色の年期の入ったマンションが目の前にあり剣持はまず郵便受けを調べる。
(西川さんは三階の左から三番目の部屋か……)
郵便受けにマンションに住んでいる西川の名前を見つけて剣持は階段を昇る。エレベーターもあったが整備点検の最中なのか立ち入り禁止の看板が立ててあった。
階段を一歩ずつ昇る剣持は……父さんの資料がどんな物か興味でワクワクしていた。
普段怪獣やら戦いやらに追われていた剣持はこの時だけは普通の少年みたいな気持ちだった……
三階に到着した剣持は西川さんの名前がある部屋を準備に歩いて探す。
西川さんの隣の部屋の人(スルメイカ男)「あっ、こんにちは。」
「こんにちは…」
何処かに出かけるのかその人と通り過ぎた剣持。
(?スルメでも食べていたのかな?あの人間変な匂いだ。)
(そうやって人を疑うのは良くないよ。ベム。)
奥多摩ニュータウンの路地裏にて、
西川さんの隣の部屋の人は、ガイラットの秘密地下基地に奥多摩支部に到着していた。
秘密組織ガイラット怪人開発部の責任者マッド・デボンゲーの行方は分からなくなり、ガイラット日本支部の内情は混乱を極めていた…………だがその混乱も沈静化する。
幹部怪人の来日だ。
地獄から地獄超人のデススカル将軍が、遥々日本支部に幹部として就任されたのだ。
干されてぐったりした人間サイズの白いスルメイカが喜ぶ
スルメイカ男「これで世界征服が再開出来る。」
スルメイカ男 階級下級怪人 出身地日本海
スルメイカの美味しさを持った怪人。「イカン!」と怒りながら毒墨液を吐いて攻撃するが、スルメ好きの酔っぱらいおやじにはからきし弱い?
基地のエンブレムが光、トップからの作戦が言い渡される。
『奥多摩ニュータウンズタズタ大作戦』
そしてその作戦を実行するのはスルメイカ男に決まった
スルメイカ男「はいっ!?それで……その~~戦闘員の方々は?」
この奥多摩支部は基地に戦闘員は10人。怪人は自分を含めて三人の小規模な支部だ。他の怪人は強化怪人で下級の自分より兵器レベルが一つ高い。
下級怪人兵器レベル1
強化怪人兵器レベル2
新型怪人兵器レベル3
最高怪人兵器レベル4
幹部怪人兵器レベル5
っと言った具合に、怪人にもカースト制度はある。
始まりの怪人であるウオ男はスルメイカ男の同レベルで、生駒さんに負けたデビルマイマイは強化怪人、レッドマンに踏まれて殉職したキャンドルゾンビも強化怪人に分類する。
カナリアピピン「悪いが、スルメイカ男。今回の作戦で戦闘員は出せない。」
全身緑色で可愛いらしいカナリアの頭を持つ人型怪人カナリアピピン。
カナリアピピン。階級強化怪人 出身地オーストラリア
カナリアの可愛さを利用して攻撃を仕掛ける卑怯で狂暴な怪人。仲間のカナリアを呼んで攻撃をさせたり、クチバシで相手をつつく。「ピピッピピピ」と愛らしい声でなく。
スルメイカ男「なっ、俺1人!?」
驚愕したフォントを見せるスルメイカ。
だってこいつぐったりしたスルメイカだから顔がないのっぺらぼうだもん。
カナリアピピン「人員増員は毎回頼んでいるけど、どうしても、奥多摩ニュータウンは団地が殆どだから、他の支部に比べて重要性が低い……変な宗教で怪人達や戦闘員達が謀反してしまってあちこち人材不足だ。」
スルメイカ男「そんな!?俺1人でズタズタ大作戦は無理です!?」
カナリアピピン「だって、ここの守りで俺は出れないし、もう1人は地道に基地で開発した商品を販売して営業で抜けれないし、」
焼き肉屋の店主(ホルモンハート)「へいらっしゃい!?
今日もホルモンが安いよ!?明日もホルモンが安いよ!?」
ホルモンハート。階級強化怪人出身地焼き肉屋ベコちゃん
人間に食べられたウシたちのたましいが集まって出来た
怪人。焼き肉屋を開き、客としてきた人間に特製ホルモンを食べさせて、焼き肉中毒にしようとする。
モツなべ爆弾やハツ爆弾で相手を攻撃する。
スルメイカ男「…………わかりました。」
断れる話でもない為、スルメイカ男はその作戦指令を承諾して……準備の為に西川さんのいるマンションに戻る……その後ろ姿は酷く哀愁すら感じるくらいどよ~んとしていた……
スルメイカ男(どうして俺は……スルメイカの改造人間なんだ。聞いた事ないよ。スルメイカの強みなんて……)現状に不満を持つが、どうにかする術はない。
それでもこの道を進むしかない為怪人は前に進む。
今日が良いことがあると信じて……
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マンモス団地…西川の部屋のベランダ
西川「あのゴミ処理場は歴史ある神社を取り壊して建てた建物なのか……」
マンションの自室の窓から双眼鏡を片手で近くにあるゴミ処理場を見るのを辞めてベランダから戻り机に並べてあるあちこちからかき集めた沢山の地図のコピーを確認する。
自分が越してきた頃には既に神社はなくゴミ処理場があった為、ニュータウンの街並みに違和感を覚えなかったが、ここ最近に発生している謎の地震発生……西川は、
一週間の約6日間……1日3回の地震に剣持の父さんの助手をしていた西川も気になって調べていた。
市役所にて年代順奥多摩ニュータウンの周辺の地図を調べてゴミ処理場が出来る前の年代の地図にある神社の記号を地図に見つけて……地震が発生し始めた頃を思い出す。
もう一度双眼鏡でマンションの外から覗いて見ると何時もと違う物がある事に西川は気付く。
西川「おや?あそこに見えるは株式会社マキビシが開発したとされる万能戦闘機……マッハビーストではないか。」そんな距離もない双眼鏡越しに『お化け屋敷』の主力戦闘機を見て……西川は冷静に、
西川「いよいよ……大変な事が起こりそうな予感。」
【ピンポーン。】
ドアのピンポンが鳴り西川は窓から目を離して玄関の方に向かう。
西川「おっ。剣持君が来たな。」
ドアのロックを解いて、
「久しぶりです。西川さん。」
剣持教授の息子。剣持夢想がやってきた。
西川「久しぶり。夢想君。葬式以来だね……さぁ、上がってくれ。」
そして剣持は靴を脱いで居間までの通路を歩く。
西川「……実は資料整理していた君のお父さんの資料をまとめていたんだが、この所、奥多摩ニュータウンで発生している地震のせいで資料が滅茶苦茶に散らかってね。」
西川の部屋に着くと剣持は一言……
「わぁお…」
地震で揺れ崩れた紙の束が散らかって部屋全体凄い有り様だ。
西川は何処からかちゃぶ台を持ってきて紙コップを用意して大きなペットボトルの飲み物を出す。
西川「長い道のりで本当にすまないな。これどうぞ。」
烏龍茶を紙コップに注ぎ。
「頂きます。」
剣持はちゃぶ台が置けるよう散らかっている紙の資料を整理して近くに置いて正座して烏龍茶を貰う。
西川「それで肝心のお父さんの資料は…」
「この山の何処か何ですね。手伝いますよ。…………にしてもこの奥多摩ニュータウンにも地震って起きるんですね。」呑気に烏龍茶をお代わりする剣持は世間話を話す。
既に結構な年数が経つがニュータウンを建設する際に山や森を崩してマンション群を建てたとは言え、人が住む
なら事前に地盤の調査とかはした筈だ。
西川「そうなんだよ。この所毎回決まった時間に地震が発生しているんだ。」
相当地震に悩んでいるのか西川さんは、愚痴り始めた。
西川「警察や地震研究家や地質学者達も調べたけど、これっといった成果は取れず……僕もビン底眼鏡を幾つ失ったか……」
「決まった時間に地震ですか……地震速報ニュースでも
確かに出てましたね。」
ちゃぶ台を囲み、
西川「だろ。幾らなんでもおかしいから、地震が発生した時期を僕なり違うアプローチで調べて見たんだ。これを見てくれ。」
「違うアプローチ?」
西川「普通の地震と違う事は確かでもこれには何か原因が必ずあると思ってね。奥多摩ニュータウンの完成した頃から図書館で色々と歴史を調べるとあるきっかけらしいのを見つけたんだ。」
机にある奥多摩ニュータウンの各年代の地図をちゃぶ台に載せる西川。
西川「この時期、この地区には歴史ある神社が建てられていてニュータウンには年に数回しか地震は起きていない……でもね。」
剣持にこれ地図から暫く経った年代の地図を渡す西川。
そして剣持も気付く。
「?神社がなくなっていますね。」
西川「マンション群で発生するゴミの処理を迅速にする為にそこの神社を取り壊してゴミ処理場が建設させられたんだ。それから間もなく地震が発生し始めた……」
「神社は……移転したとかは……」
西川「……それからの足取りは掴めていない。地震が毎回起きるこの場所では暮らすのも大変だから、僕は新居を違う所に用意して、こうして引っ越しの準備をしている最中なんだ。」
「そうだったんですか…………わかりました。父の資料を探すついでに手伝います。」
西川は明るい表情を見せ、
西川「本当かい!?」
「二人でやれば直ぐに片付けられますよ。さぁ、始めましょう。」
剣持は近くの紙を拾い始める。
西川「ありがとう。」
西川さんも散らばった考古学の調査資料を拾いトランク
にしまう。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ムラマツ達『お化け屋敷』のメンバーはハヤタとイデが聞き込みをした場所ゴミ処理場に到着した。
ハヤタとアラシはゴミ処理を焼却するシステムを軽く見て確認するとある事に気付く。
アラシ「焼却システムが壊れています。キャップ。」
ムラマツ「?詳しく調べてみよう。」
ハヤタ「誰か間違って入ってなければいいが…」
焼却システム口は大きな燃えるゴミ袋が入れる大きさだ。足を滑らせたりしなければ大丈夫だが投入口が大きく大人も充分入れる。
アラシ「いったいどうして破壊されたんだろう?」
イデ「これも地震のせいなんだろうか?」
壊れたシステムを詳しく調べる二人。そんな二人から少し離れたハヤタは焼却システム内にかすかに声のような
物が聞こえてシステム内の傍で耳をすませる。
ハヤタ「?」
??「えぇ~ん。えぇ~ん。」
ハヤタ「中から何か聞こえませんか?子供の声のようです。」
ハヤタは直ぐにムラマツ達に知らせて、ムラマツ隊長も
システム内に聞こえてくる子供の声を聞き
ムラマツ「ああ、確かに。中を調べてみよう。おい。アラシ、イデ、」
イデ「はい。キャップ。なんですか?」
アラシ「あっ、子供がいたぞ!?」
システム内を三人は見ると1人の女の子が倒れていた。
ムラマツ「………女の子が倒れているぞ。」
ハヤタとイデとアラシの三人は焼却システム内に倒れていた女の子を助け出す。
ハヤタ「お嬢ちゃん、大丈夫かい?」
イデ「こんな所に入ってきて危険だな~」
アラシ達は子供の目線に合わせて、
アラシ「お嬢ちゃん、こんな所で、どうしたんだ?」
里穂「私が飼っていた亀のルミが居なくなったから探しに来たの。そうしたら転んで足をくじいてしまって…それに、奥で変な鳴き声がするから……私、怖くって……」
アラシ「我々、科学特別機動捜査隊が来たからもう安心だよ。キャップ。私がこの子を送って来ます。」
ムラマツ「うむ。頼んだぞ。我々は地下を調べて見る」
我々はさらに焼却システムの奥へ進んだ。
ムラマツ「何があるか分からん。注意して進まなければ…」
地下を調べる為に奥に進むと冷気を感じ始める三人。
ゴミ処理場の地下で焼却システムの停止しているせいかはまだわからない。
ハヤタ「何だか寒いな…気のせいかな?」
イデ「この辺りは、地震の被害が大きいようですね。崩れなきゃいいんですけど」
ハヤタ「キャップ!あそこの壁が崩れているようです。」
イデ「その先に横穴があります。どうやら鍾乳洞になっているようです。」
イデ達は地下の壁の一部が崩れてその先の横穴の奥を軽く見回してムラマツ隊長の元に戻る。
ムラマツ「地震に関係したことが解るかも知れん。注意して調査しなくては……」
ハヤタ「驚いたな……東京の一部の奥多摩のこんなところに鍾乳洞があったなんて…」
イデ「いやはや、自然の脅威だなぁ……こりゃ凄いや。」
三人は地震発生の原因の焼却システムの調査中で発見した鍾乳洞に入る。
ムラマツ「奥に行ってみよう。」
三人は携帯用懐中電灯を取り出し暗闇の鍾乳洞の奥に向かう……
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【電車の運休を見合せして降ります……】
駅のホームにて帰りの電車を待つ三人。
ポニー「キナ臭くなってきたね。」
志岐「もうかれこれ1時間も待っているのに……」
そう彼女達は剣持と別れて三門市に帰ろうと駅まで歩いたのだが、一向に電車に乗れていないのだ。
染井「戻ったよ。」
ポニー「お帰り。どうだった?」
染井「それがどうも運行している車両が線路上で突然停車していて……駅員さん達が連絡しているのに……返事がないみたいで……」
志岐「人身事故では?」
ポニー「……取り敢えず少し様子を見よう。」
ポニーは優しい感じから冷静に……状況を考える。
マッハビーストがある奥多摩ニュータウン。
連続して発生する謎の地震……
そしてボクの勘が言っている……
何か……危険な生き物がこの駅にいる。
無言に耳をすませるポニー。
【ガサガサガサガサガサガサ】
ポニー(大きさは普通の鼠並みの生き物だけど……)
持ってきた折り畳み式警棒をスタンバイさせるポニーは
奥多摩駅に発生している謎の事態にどう動くか悩んでいた。
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〔推奨BGM 異世界への扉M-123B〕
暗闇の鍾乳洞にて……
ゴミ処理場の地下を調べていると横穴が崩れていてその中は鍾乳洞になっていた驚きながらも地震の原因について調査する為に奥に進む科学特別機動捜査隊一同…………今日は季節は春時期にも関わらず季節外れの夏に近い暑さがある気温だったのだが……イデは軽く寒さに震える
イデ「今日は夏に近い暑さだって言うのに、やけに寒いですね。私は凍っちゃいそうですよ」
ムラマツ達もこの鍾乳洞の中の寒さに耐えながら洞窟の冷たさに驚く。
ムラマツ「あぁ。幾ら日の光が射し込まない洞窟とは言え予想より冷える……しかし、」
一同は鍾乳洞を一望出来る高い段差によじ登り、懐中電灯で照らしてその巨大な広さに圧倒された。
ムラマツ「一体、どうしてあの焼却システム内とこの鍾乳洞は繋がっていたのだろう……」
イデ「はい。気になります。」
段差から降りて進む一同。
ハヤタ「まさかこの鍾乳洞、怪獣がつくったんじゃないだろうな。」
足元の岩や石に気を付けながら眺めるハヤタ。
イデ「アラシ達が聞き込みで少年が言っていた変な声の正体は何なんだろう……」
ムラマツ「皆、壁面など注意して調べてくれよ」
「「了解。」」
満足な洞窟調査の道具も持たずに進む一同は細心の注意を払いながら鍾乳洞を歩く。
天然の冷蔵庫に匹敵する冷気を肌に感じながら暫く歩く彼ら……
ハヤタ「何処まで続いているんでしょうか?」
先の見えない暗闇の鍾乳洞を少しずつ照らして進む途中
最初に気付き感じたはイデ隊員だった……
イデ「あれ?キャップ、何だか温かい風が吹いてきたようですよ。」
ムラマツ「……うむ。……確かに」
ハヤタは口に懐中電灯をくわえて念の為にゴミ処理場の地図を開き現在位置の確認を行う。
地下で迷子になった場合……地上に戻れる出入り口までの距離等の役に立つからである。
ハヤタ「ちょうどこの辺りが、ゴミ処理場の真下になります。!!この風は!?」
ムラマツ「…………!?」
イデ「…………まさか!?この温かい風って、」
三人は気付く。我々は調査に焼却システムがある地下施設を調べたが、現在、我々はゴミ処理場地下にはいない。ゴミ処理場を後にしたと思った関係者達は通常業務の再開の為に焼却システムを修理する筈だ。
その間にゴミ処理場の責任者達は壊れた焼却システムを修理業者に修理して貰えば、再稼働を確認して壊れた間に溜まったゴミを焼却システムに入れて燃やすのではと
…………
ムラマツ「ハヤタ隊員!?ゴミ焼却の時間は何時かね!?」緊迫感を隠さず三人は来た道を走って戻る。
ハヤタ「確か、3回目の作業が16時30分です。」
ムラマツ「今の時間は…」
走りながら腕時計でそれぞれ時間を確認して、
ハヤタ「後5分しかありません。早くここを出ましょう!?」
イデ「わぁ、上から岩が!?」
来た道を戻ろうと先に走っていたイデとハヤタの前方に大量の岩が降ってきてその内の幾つか二人に当たる
イデ「痛っ!?」
ハヤタ「アダッ!?」
二人の頭上に野球ボールサイズの岩が落ちて来て直撃、
軽く動きを止める……その姿は次々と降る岩で見えなくなった二人にムラマツは最悪を想定して安否確認をする。
ムラマツ「2人とも大丈夫か!?ハヤタ!?イデ!?」
二人の名前を叫ぶムラマツ。すると落石まみれの場所から二人は返事を出しながら起きる。
ハヤタ「無事です。」
イデ「ハァ…何とか生きてます。」
周辺を落石まみれになったが二人はムラマツに無事の姿を見せる。
ムラマツ「ふぅ……全員怪我がなくてよかった…」
安心した表情で二人に手を貸して助ける隊長。
ムラマツ「殆ど埋まってしまったな…ガレキの間をすり抜けて戻るしかない。」
ハヤタ「それにしても驚いた。」流石に命の危機を感じた表情をするハヤタ。
イデ「ヘルメットがなかったら即死だったよ。フゥ、危ない、危ない、」
科学特別機動捜査隊の隊員の着用する万能ヘルメットは、イカれた軍司科学者が偶然出来た特別素材で造られておりあらゆる事を想定して頭部外傷を防止、軽減する
優れ物だ。
ハヤタは鍾乳洞の上を軽く懐中電灯で照らしながら言う。
ハヤタ「予想を遥かに越えるくらい大分地盤がもろくなっていたんだな。ひどい崩れ方だ。」
イデ「早くこんな所出ましょうよ。」散々な目に会った為に地上に帰りたがるイデ。
そのイデの頭上に再び落ちてくる何か?
イデ「あイタっ!」
ムラマツ「どうした?」
イデ「何かが僕の頭に落ちてきましたよ。全くもう最悪です!?」
怒りの表情をするイデ。
ハヤタ「まっ、ヘルメットのおかげで怪我はなかったんだ。で、今度は何が落ちたんだ?」
イデ「ヘルメット越しだとわからないですよ。どうせまた岩でしょ。………………うん?」
二人はイデの頭に落ちて来た物を見る。イデもその落ちて来た物を鍾乳洞の岩だと思っていたが、それは岩ではなく。
ムラマツ「一体これは何だ?」
〔推奨BGM ウルトラQ 異世界への扉Mー123B〕
それは緑色の六角形の形した奇妙な物だった……
ハヤタ「これが地震の原因と関係あるのだろうか」
イデ「何かの手掛かりになるかも知れない……」
イデは試しに落下物を拾い触って感触を確かめる。
ハヤタ「どうだイデ?」
イデ「こういう調査はベックチーフやチャールズ隊員達の生物学や怪獣学の人達の仕事でしょ。見た所…………どうやら生物の体皮のようです。持って帰って一の谷博士や岩本博士達に渡して調べますか。」
ポジション担当が通信技師のイデはそれを片手に持ち。
イデ「…にしても爬虫類の皮みたいな奴だな。」
拾った体皮をまじまじと見るイデ隊員。
ハヤタ「仮に爬虫類ならかなり大きいサイズだぞ。恐竜程の……」皮膚の欠片で両手サイズなら、この体皮の持ち主は相当の大きさを持った爬虫類だ。
ムラマツ「そうしてくれ。とにかくここを出よう。」
「「了解っ!?」」
横穴に戻ろうとガレキをすり抜けながら戻る三人。
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時間はキャップ達がゴミ処理場を調べる頃に遡る
二人で必要な資料を整理していると15時になり空腹を
覚える剣持。
西川「……そろそろお腹が空いてきたね。」
「そうですね。」
西川は財布からお札を幾つか取り出し、それを剣持に渡す。
西川「ここの近くにコンビニあるからそこで昼食を買って来てくれないか?弁当とか惣菜パンとかで良いから、後、飲み物も……」
「俺がですか?」
西川「僕は資料を整理しているからさ。頼むよ。」
あれやこれやで剣持は西川さんの部屋を出てコンビニを探す。
剣持は暫く歩くがそもそもこの辺りに剣持は詳しくなかった……つまり
「……コンビニは何処だ。」
……見知らぬ場所でさまよっていた剣持。
染井「あっち。」彼女は通行人に紛れながらコンビニへの道を指差しする
「おっ、これはどうも親切にありがとう…………あれっ?」
志岐「やぁ剣持君。また会ったね。」
「……何で二人ともいるんだ。」
染井「三門市に戻ろうにも帰りの電車が停止していて……」
志岐「ポニー隊員が、電車が運行再開したら連絡するって……」
「そっちもそっちで大変だな……」
志岐「剣持君は?お父さんの資料を貰えたの?」
「こっちもこっちで色々と片付けのお手伝いしているの。でっ、コンビニは……」
染井「着いてきて…」
染井さんが案内してくれるようだ。
彼女達に案内されたコンビニに到着して
剣持は近くのコンビニにて昼食を幾つか購入して
いた。
「まさか……電子レンジとか家電を先に新居に持って行くとは……」
台所にコンロとかなかったから可能性はあったけど、冷蔵庫もないからクーラーボックスに氷を入れて飲み物とかを冷やしていたからビックリした。
「二人はお昼はもう食べた?」
剣持は弁当コーナーで購入する弁当やコンビニおにぎりをカゴに沢山詰めながら案内してくれた二人に聞く。
志岐「ううん。まだだよ。にしても沢山購入するね。」コンビニには年上の男性がいる為今回は染井さんの背中に隠れながら答える志岐。
「…………ついでだ。二人の欲しいのも買い物カゴに入れて」
志岐「良いの!?」
喜びの顔と声を出す志岐。
染井「そんな……何だか悪いわよ。」
「案内してくれなかったな。更にさまよっていたからな。その礼だ。」
染井「……剣持君……」
志岐「じゃあ、一番高いお弁当とお菓子の奴で、染井さん。ゴー。」
染井「あっ、ちょっと、志岐さん。」後ろから引っ張られて二人は二人でコンビニ内を歩く。
「ちゃっかりしているよ。………………あれはアラシ?」
ふと店の中から外の方に視線を向ける剣持。
コンビニを横切るように歩く知り合いの姿を見る。
アラシの後ろには小学生くらいの女の子がいた。
「??」
志岐「どうしたの?ワトソン君。」
「ホームズ。あれを見てどう思う?」
志岐は剣持の見ているアラシ隊員と女の子の姿を見て…
志岐「………………凄く……怪しいです。」
「やっぱりな………」無表情で答える剣持。
シャーロックホームズと金田一耕助の格好して二人ともアラシを勝手に怪しんでいる。
染井「失礼でしょ。二人とも……後、剣持君はワトソンでもないわよ。」
呆れた声でそんな二人を注意する染井。
染井「迷子の女の子を家まで送っているだけでしょ。」
簡潔に状況を理解する染井華。
「声を掛ける必要は……無いな。」
三人はその後、会計を済ませてコンビニを出る。
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コンビニの外にて
「二人はこれから駅に戻るのか?」
志岐「それを今確認しているの。もしもしポニー隊員。
運行再開しましたか?」
ポニー《いいや。駅員達が警察の人達を呼んでその停止した車両に向かっているよ。二人とも、近く剣持君は?」
志岐はチラッと剣持君を見て、
志岐「今一緒にコンビニの前にいます。電話代わりましょうか?」
ポニー《……染井さんにも伝えて、二人とも剣持君の傍に離れないで!?》
志岐「えっ?突然なんですか?」
ポニーの方から何かの人の大きな悲鳴が聞こえて志岐と剣持に染井の三人はポニーがいる駅に何かの騒ぎが発生した事実を電話ごしに知る。
ポニー《こっちは、少し厄介なお友達が、あっもう!?
相手してやるよ!?じゃあ、二人共、安全が確保出来たら連絡するよ。掛かって来い!?お化けカマキリ!?》
そう彼女は言いたい事を言い電話が切れる。
志岐「ちょっ!?何カマキリって!?ポニー隊員。ポニー隊員!?」
そう言いたい事だけを言い彼女からの連絡は切れた……
志岐は剣持と染井の方を見て、
「どうやら、ポニーさんは何かトラブルに巻き込まれたようだ。」
染井「冷静ね。」
志岐「助けに言った方が良いんじゃないかな……」
「助けにって、ここにいるのは完全休日スタイルの男と
B級部隊のオペレーターの二人だけだぞ。」
志岐「トリガーは!?」剣持に詰め寄って聞く。
「訓練用だし、そもそも家の自室の机にポツンと置かれているよ。」
志岐「駄目じゃん!?」
「落ち着け、ポニーさんはあぁ見えて状況判断や戦闘の流れを読むのが上手い。只の天真爛漫のボクっ娘じゃないから大丈夫だ。」
染井「取り敢えず私達は……」
剣持は少し考えて……意を決して言う
「……仕方ない。ひとまず安全かわからないが、西川さんのマンションに行こう。ちょっと資料整理を手伝いをして貰うかも知れないけど……」
志岐「西川さんって?」
「年上の男。」
志岐はヒッと軽くビビる。
染井も軽くため息を吐いて……
染井「……そこに行きましょう。志岐さん。」
志岐「もうっ!?何で駅にお化けカマキリ何か出るのよ!?」
と言いたい事を言い彼女も同行を決める。
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場面は鍾乳洞の方に戻る
イデ「あっ!!キャップ、出口が塞がっています。」
イデは驚愕の表情で埋もれた出入り口を見る。
ハヤタ「やはりここも崩れていたか。さっきの崩落で地盤その物に脆くなっている危険性はあったが、」
ハヤタ「何とかしなくては!」
イデ「生き埋めなんてゴメンだ。何とかして出なくちゃ!?」
ムラマツ「電磁レールガンを使えば、ガレキを崩せるかも知れない」
イデ「もう少しで外に出られるのに!?」
ムラマツ「よし、レールガンでガレキを崩そう!?」
一同は射的距離に移動して三人はホルスターから電磁レールガンを引き抜き構えて
ムラマツ「発射。」
ムラマツ隊長の一言で一斉にレールガンから青い光弾が発射され出入り口のガレキに命中。軽く爆発して小さな欠片がヘルメットやジャケットに当たるも三人は鍾乳洞から無事地上に脱出する。
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地上に戻った我々は、戻ってきたアラシ隊員と合流した
ニュータウンのマッハビースト近くにて
こっちに向かって走って来たアラシ。
ハヤタ「何とか外に出られましたね。良かった。」
ハヤタ達も走って合流する。
イデ「地震が起こったときはどうなるかと思っちゃったけど、ああ、良かった」
アラシ「キャップ。大丈夫でしたか?強い地震でしたけど。」
その時何気なくムラマツ隊長はアラシ隊員が送っていた子供の事を思い出していた。さっきの地震は鍾乳洞にいた我々でも酷い目にあったんだ。地上の方でも何か被害にあったかと心配するムラマツ。
ムラマツ「そういえば、アラシの送っていった女の子は大丈夫だっただろうか?」
ハヤタ「さっきの地震で女の子は泣いたりしなかったかな。」
ムラマツ「アラシ隊員、無事送ってくれたか?」
アラシ「ゴミ処理場の近くのマンションでね。両親は留守だったので、取り敢えず亀を探すって約束してきましたよ。」
ハヤタ「亀って何だ?」
アラシ「あの子は、引っ越して来たばかりでまだ友達がいないらしいですね。それで…飼っていた亀を可愛がっていたらしく…………ってその話は、今は置いといて…」
アラシは皆が出てきたゴミ処理場の方にチラッと見て、
アラシ「所で、鍾乳洞の方は?何か調査してわかりましたか?少年が言っていた変な声とか?」
ムラマツ「いや、特に収穫はなかったが、」
イデ「一応、こんな物を回収した……」
イデはアラシに例の鍾乳洞で見つけた緑色の六角形の物を見せる。
アラシ「何だそりゃ?」
イデ「それをこれから詳しく調べるんだ。」
イデは見せた物をしまい。
アラシ「あの女の子も暗い所が、恐い、恐いと思っているから、鍾乳洞に吹く風が薄気味悪く聞こえたんでしょう。」
ハヤタ「そうか……僕の考えは……うん?」
ハヤタなりの意見を述べようとした時、ふと厳しい視線を感じてその方向を見るハヤタ。
突然我々の前に厳しい表情をした男性が現れた。
ハヤタ(この人は…)
男性の身なりから見て神社の神主と同じ格好をしていた為、この男性は神社の神主とわかった。
その厳しい表情をした神主は我々に視線を向けているのではなく我々の今いるマッハビーストから少し離れたゴミ処理場を厳しい視線で睨んでいた。
神主は突然前触れも無しに言う。その声には怒りが込められていた。それも相当の……
神主「この地震は、亀石をどかしたタタリじゃあ!?」
ハヤタ「…?」
アラシ「なんだい、この人は…」
イデ「何かえらく怒っているけど、一体どうしたんだろう」
ムラマツ「何かご存知なんですか?この謎の地震について……」
突然現れた謎の神主。その彼はゴミ処理場と地震の関係者について何か知っているかと思いムラマツは訪ねる。
神主「あのゴミ処理場は、由緒ある亀石神社をつぶして建てたのじゃ。平安の昔にモノノケを封じておった亀石まで捨ておって!それで、化け物が暴れて地震を起こしたのじゃ」
神主はそう言いたい事を言い我々の元を去って行く。
ムラマツ「うーむ。」
ハヤタ「キャップ、それでは本部に戻って、情報を整理しましょう。」
イデ「キャップ、僕はこのサンプルを科学センターの岩本博士達の所で調べて貰いますよ。HEY。そこのイカシたタクシー。」
マッハビーストの近くに通り掛かったタクシーをイデが止め。タクシーの扉が開きイデはタクシーに乗り込む。
イデ「それではまた後で。」
ムラマツ「わかった。」
運転手「どちらまで?」
イデ「◯◯の科学センターまでお願いします。」
イデを乗せたタクシーはマッハビーストから離れて行く。
アラシ「やれやれ、大変な調査だったぜ。なぁイデ……あれっ!?イデは?」
アラシは振り返って見ると何時の間にかいなくなっているイデを慌てて探す。
ハヤタ「ホシノチーフ達にさっきの神主さんが話していた亀石神社の事を調べてもらいましょうか。」
ムラマツ「あぁ。頼む。」
奥多摩ニュータウンの調査を終え、採取した謎の体皮のサンプルを科学センターに向かったイデと別れた後、我々は三門市の地下基地本部へ戻った。
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〔推奨BGM コール・ミー・ニュート〕
東京……科学センターにて
チャールズ「これがニュータウンの地下の鍾乳洞で見つけたサンプルかい。また変な物を発見したね。」
イデ「変な物とはなんだい。変な物とは」
イデが持ち込んだ例のサンプルを直ぐ様、科学センターにいる皆が様々な角度から分析する。
岩本「一の谷博士。どうですか?」
『お化け屋敷』最高責任者の一の谷博士が、ゴム手袋ごしにサンプルを持ち上げて……
一の谷「うむ。一見、岩のように見えるが、実際に持ってみると割と軽いものだな。しかし、」話を止めて博士は近く置いてある金づちでそのサンプルを叩く。
イデ「あっ、壊さないで下さいよ!?」
一の谷博士は笑みを見せて、
「そしてかなりの強度がこのサンプルにはある。本多君。チャールズ隊員。X線CTの準備は?」
本多助手と今回の分析に三門市から来たチャールズ隊員はX線CTの準備をする。
本多「まもなく。」
X線CT事…X線コンピューター断層撮影。
X線でサンプルや化石の標本等を薄く『スライス』した画像を3次元モデルでレンダリングすることにより、標本の内部の骨格だけではなく。その標本の内臓や軟かい組織まで画像で再現できる。この体皮の構造を分析するのに前にチャールズは例のサンプルの切れ端ピンセットで弄り採り顕微鏡で見てみる。
チャールズ「うん?これは……」
イデ「何だよ。勿体ぶらずに教えてくれよ。」
チャールズ「急かさない。急かさない。」
顕微鏡でサンプルの皮膚組織を見て、チャールズはある種類特有の性質を見つけたのだ。
蛇や蜥蜴を初めとした爬虫類が持つ平温動物の性質を……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
奥多摩ニュータウンのマンモス団地の一つにて、
染井「すいません。お邪魔してしまって……」
ちゃぶ台にてそれぞれで購入したお昼ご飯を食べる面々。
西川「いや、剣持君の友人なら信頼出来るし、……にしても駅で騒ぎね……」
志岐「……」白い口マスクとサングラスを装備して黙々と静かに食べている。
「にしても少し買い過ぎたか?昼飯にしてはもう夕方出し、とっとと食って資料整理を終わらせて帰ろ……」
【ーーーッ!?】
(!!?)
剣持の全身から危機探知が反応して剣持は突然、急に立ち上がる。
〔推奨BGM 未知への挑戦〕
無表情から驚愕した表情する剣持。
西川「どうしたんだ!?突然立ち上がって……」
びっくりした表情をする西川さんの声に耳を傾ける事なく。剣持はベランダの方に走って向かい外の景色を見る
染井「……剣持君?」
友人の突然の行動に染井も状況についてこられていない。
志岐「!?」
だが志岐は……志岐のみは剣持の驚いた表情で悟った……
そして……
【バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサ】
染井「何?……鳩?」
最初は三階の高さより高く飛ぶ神社とかにいる鳩が一羽が窓の向こうの外から見えた……やがて二羽、三羽と数を数えるのも忘れるくらい沢山の鳥達は何かを感じとったのか……このマンションより高い…高い空を飛ぶ
奥多摩ニュータウンのマンモス団地周辺の電柱に止まっていた鳥達は一斉に空を飛ぶ!?鳩も雀も燕も…………あの烏達すら空を飛べない雛鳥を巣に残して……一斉に空を飛び何処かに行く……まるでそこにいるのは危険だと言うように……
【ワンワンワンワンワンワンワンワンワンワン】
住宅街の一軒家に買われた犬達は突然、あちこちで狂ったように吠え初め……
鳥達の一斉に逃げるように飛ぶ姿を見る団地に住む人達は不気味な謎の状況に沈黙する。
西川さんの隣の部屋の人(スルメイカ男)「なんや?」
そしてニュータウンに流れる風が止まる……
静寂に包まれるニュータウン。
「……来る…」
染井「えっ?」
たった一言。小さな一言だが、風が止まっていた為その小さな一言は染井の耳に確かに届く。
染井「何が?」
志岐「何処から!?」
染井が聞き返そうとするも志岐は大声で剣持に質問する
状況が緊迫している中で剣持に聞く。
「このマンションの真下から!?」
その言葉が言い終えると同時、このマンション周辺のみが激しく突然揺れ始める。
西川「えっ?三回目がもう終わったのに!?また地震!?」
習慣となったいつもの規則的な地震が変化する。
「違う!?三人共。急いで机やちゃぶ台の下に隠れて!?避難訓練じゃないぞ!?」
染井、志岐「わかった(わ)!?」
剣持は三人に指示を出し、三人はそれぞれ机やちゃぶ台の下に隠れて地震をやり過ごそうとする。
【ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッド】
今まで以上に揺れる地震の為、このマンションにいる人達の大勢は外に逃げる。
西川「うひゃああ~~揺れてます~~」
ちゃぶ台に隠れる西川さんも地震の震動に揺れる。
染井はこの状況が発生してもベランダの外にいる剣持を見ていた。
染井(鳥達や犬達より早く……この危険な事態が来ると剣持君はわかっていたの。)
無表情の彼はそこにいなくて、険しい表情で、素早くマンションの下を見て事態を様子見る剣持の姿を染井は見る。
染井(…………私の知らない剣持君……)
ある意味彼の事を知りたい理由の一つ……自分が知っている一面と知らない一面……
染井(でも、今はそんな事なんかより…………)
染井「剣持君も!?隠れないと…」
剣持君は激しく揺れている状況でその場で両手と両膝を床に着けて必死に踏ん張り、地震をやり過ごそうとしている。
「安全第一のヘルメットでも持ってくれば良かった。後バールとかも、」
そして地震をやり過ごそうとしている私達を突然全員が上に突き上げられる。真下からの衝撃からだとこの時の私達にはわからない事だった。
【ゴン】
志岐「あ痛っ!?」
染井「大丈夫?」
突き上げられて机の引き出しに頭を軽くぶつける志岐。
西川「のわっ!?今度はなんだ?」
「くっ!?」
一瞬で受け身を取る剣持と突き上げられちゃぶ台ごと仰向けに倒れる西川。
受け身を取った剣持は素早くちゃぶ台と西川さんを助けに向かい。
「大人しく隠れていてくれ。」
西川「ありがとう。」
そして揺れが収まるのを待とうする剣持達、
志岐「まだ揺れてるよ。地震って余震はともかくこんなに揺れる物かな!?」
「……地震じゃない……」
染井「それって!?」
染井が更に剣持の話を聞こうとすると
【ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ】
染井「何……」
部屋全体が突き上げられるような音がする。
志岐「剣持君……部屋が上昇してない?」
不安の声を上げる志岐。
「……部屋全体じゃない……」ベランダから外をマンションの駐車場を見る剣持。
マンションの前にある駐車場のアスファルトが次々と亀裂が走り地面が砕け割れる……乗る人のいない自動車達はその砕けた地面の底に転がり落ちていき、
亀裂は円形…否楕円形を形作り……まるで亀の甲羅に広がる。
そして、剣持は確信する。
「皆、右の壁側に固まれ!?マンションが傾く!?」
三人「えっ?」
剣持の一言に誰一人返事を返す暇もなく
一斉に部屋全体の左が高くなり、全員は机やちゃぶ台事、右側の壁に叩き付けられる!!
「「きゃああああああああああああああああああ!!?」」
西川「どはっ~~」
「!!?」
この時剣持は激しく傾く部屋の中を素早く走り
壁に叩き付けられようとする三人を剣持がその身を盾に受け止め、身代わりで壁に叩き付けられて軽く意識を無くして気絶する。
染井「剣持君!?」
友人の声が耳に届くも返事を出せず……
そして巨大な咆哮が地の底から地上へと鳴り響く…………
〔推奨BGM 2500㌧の威容〕
マンションの外をパトロールしていたお巡りさんや近隣に住む人達は見た。
西川さん達いるマンション周辺に亀裂が光走り、その亀裂の隙間から土煙が高く舞い上がり……
三階建てのマンションがガスや水道管を壊しながら持ち上がり緑色の怪獣がアスファルトを壊して奥多摩ニュータウンに現れた。
そしてその様子を3㍍のお化けカマキリを仕留めたポニーも目撃した。
ポニー「怪獣!?皆は!?」
怪獣を見る為に集まった野次馬の中、必死に周囲の人だかりから染井や剣持達を探すポニー。
貴重な春物ジャケットを一枚犠牲にしてカマキリの視界を封じて折り畳み式警棒で仕留めてから、駅の外で騒ぎがあってポニーは騒ぎの起きた場所に走って向かい。
ポニー「なっ!?海亀怪獣!?」
緑色の怪獣は海亀に似た外見をしており、前脚の長く伸びた海亀の前脚に似た爪と後ろ脚の四足歩行でニュータウンのビル街を目指して破壊活動を開始する。
怪獣はゆっくりと前に進み、目の前にあるビルに一旦足を止める。
ゆっくりと右の前脚を振り上げて、ビルに向かって爪を振り下ろす!?
当然、進む先にある建物等は怪獣は前脚の爪で横一文字に倒壊させられバラバラに壊されてそのビルの破片は……足元にいる人や車に雨のように降り注ぐ。
野次馬「「わぁ~~逃げろ~~!?」」
野次馬があちこち逃げ散らばりポニーは人混みに押されながらも、
ポニー「お願い……出て…染井さん……」
祈るような気持ちでポニーは染井に電話を掛けるも返事がこない。
まさか目の前の怪獣の背中の甲羅にくっついたマンションの中に剣持達がいるなんて今のポニーにはわからなくても仕方がなかった……
「「ギェェェェエエエエエエエエエン!!!!」」
怪獣が咆哮を上げる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM大地の鳴動M-5〕
ソイツは暴れる!?外を求めて!?長い間動けなかった故に……固い岩盤を全身を使い激しく揺らす……もう限界だった……決まった時間に鍾乳洞に流れる暖かい風が身動きが取れなかったソイツの四肢に……全身に熱を貰い。日々力を取り戻す。
日の光を求め地上へソイツは地面を砕き地上に姿を表す!?
「「ギェェェェエエエエエエエエエン!!!!」」
硬態怪獣が奥多摩ニュータウンの地下深くから大地を壊して出現!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM ウィー・アー・ザ・レジスタンス〕
同時刻三門市にて
フジ「キャップ。また奥多摩付近で異常地震です。なんだか震動の時間が延びてきている様です。」
フジ隊員の報告にニュータウンから戻ってきた三人の顔が強ばる。
結局、あの広い鍾乳洞を作った存在とは遭遇しなかったムラマツ隊長とハヤタ。しかし……あの神主が言っていた発言が、今回の地震は自然現象ではない事を我々に暗に答えを教えてくれた。
ムラマツ「そうか…………やはりあの奥多摩ニュータウンの地底には何かあるのだな……」
ムラマツ「よし、警戒態勢を強めよう。」
だがベックは冷静に奥多摩ニュータウンに突然怪獣シグナルが出現した事に気付く。
ベック「ムラマツ隊長。怪獣反応が出ました。」
ハヤタ「何だって、怪獣!?」
アラシ「大変だ!?」
ロイド「場所は何処だ!?」
事前に出撃準備を完了するロイドとジュリーにサンダース達。いつ事件が起きても良いように日頃から備えてくれる
同時に、本部に奥多摩警察から連絡が入る。
警察《も、もしもし!?こちら奥多摩警察です!?怪獣が!?亀みたいな怪獣が現れました!?科学特別機動捜査隊の出動をお願いします!!》
ハヤタはその報告に驚く。
アラシ「なにぃ!?じゃあ少年が真夜中で聞いた変な声って……」
ハヤタ「変な声の正体は怪獣だったんだ!?」
ハヤタ「科学センターにいるイデや皆と合流して挟み撃ちにしよう。」
三門市にいる自分達と東京に残った仲間達で怪獣挟み撃ちしようとするがエドランド隊長が止める。
エドランド「否、センターにいる隊員達には先にニュータウンの市民の避難誘導を。ニュータウンのその周辺区域の市民を全員安全な避難所に移すんだ。市街地の真下から出現した為に避難する時間もないはずだ。それから自衛隊とボーダーに援軍要請を。」
ベック「はい。隊長。」
ムラマツ「急ごう。被害が更に大きくなる前に怪獣を食い止めるんだ!?フジ君は本部で情報の収集と分析を頼む。」
アラシ「あの神主が言っていたこともまんざら嘘じゃなかったな。」
フジ「ニュータウンには集合住宅が密集している地域があるわ。団地の中で暴れられたら大惨事になるわ。早く食い止めないと…」
ベックチーフがいる席にアラシは向かい対怪獣用レーダーを見る。
アラシ「奥多摩付近に反応有り。間違いありません。怪獣です!」
ムラマツ「よし、出動する!フジ君。市民の避難が終了させたらサコミズ隊員達を呼び戻してくれ」
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硬態怪獣ビルガメラー
身長70㍍
体重6万5千㌧※背中に背負ったマンションは除いた物。
出身地 奥多摩ニュータウン
数千年前から地中に眠っていたが、その背中のマンションもろとも動き出した。寒さに弱く動きは鈍いが、その反面性格は狂暴である。両腕や両足の一本爪を使い地中
を時速60㎞で地中を掘り進む事が可能。
武器は両腕の前脚の一本爪と何でも噛み砕く強力な顎、ビルを破壊出来る尻尾に化石化した頑丈な甲羅と口から吐く高熱火炎。
身体全体の動きは亀並みでも口やら前脚を振る速度は、驚きの速さである。一本爪でマンションを両断して進み
怪獣は我が物顔でコンクリートのビルと言う名の大木を次々破壊する。長く太い尻尾を振り回してビルを倒壊させ進み足元の道路にある車を後ろ足で踏み潰して破壊し、足元が爆発しても気にもせずに正面の建物を頭突きで貫通させて倒壊させる。
あちこちに火災が起きても、気にしない……
自分が長く土の中にいる間に哺乳類の猿達が文明を築く等、怪獣には関係ない。
古の時代の自分の生き方に従い動くだけだ。
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真っ暗な闇の中……
??「……君。……持君!?…っかり…て!?……剣持君!?」
耳に届く誰かの必死な声で意識を覚醒させて剣持。
「俺は……」
視界を回復させて剣持が見たのは、泣きそうな顔をしていた志岐の姿だ。
志岐「良かった~~気が付いて。」
「志岐さん………皆無事か?…俺はどのくらい気絶していた?ここは……避難所か?」
志岐「落ち着いて……皆、剣持君が受け止めてくれたから怪我とか無くて無事だよ。そんな長く気絶してないよ。10分未満って所……後……ここは避難所じゃないよ。」
状況が良くわからない剣持は志岐に質問し彼女はその質問を順番に答える。
部屋全体が左に傾いた為、せっかく資料整理した書類が雪崩れているから……ここが西川さんの部屋だとわかり
【ドシン!?ドシン!?】
「まさか……」
染井「小夜子ちゃん。剣持君は!?」
志岐「大丈夫!?剣持君起きたよ。」
染井も意識を回復させた剣持に駆け寄る。
「なぁ、部屋全体が動いてないか?」
染井は西川さんが持っている予備の双眼鏡を見せて、
染井「多分、剣持君の想像している通りの状況よ……」
染井はそう言い持っている双眼鏡を剣持に手渡して、
剣持はベランダをさっきとは違いゆっくりと揺れる中を
歩き、外の状況を知る。
双眼鏡で60㍍の高さから発生している事態に、
「…………このマンションを背負って移動しているのか……」
左側を双眼鏡で覗いて見ると、剣持は怪獣の頭部を確認する。
西川「もう駄目だ~~おしまいだ~~」
パニック寸前で西川さんは絶望の表情をする。
志岐「しっしし心配しなななくてももも」
希望のある励ましの言葉を言おうする志岐だが相手が年上の男性の為に……言葉が続かない…………
染井「心配しなくても『お化け屋敷』やボーダーが怪獣を倒してくれるますよ。」
「俺達がいる事を考慮してくれていないならな。」
四人「……………………」
空気が死んだ……
志岐「剣持君……ブラックジョークがジョークになってないよ。」
「すまん。」
その時、四人のスマホに電話が鳴り響き、
一斉に誰からなのかスマホを取り出して確認する。
「城戸司令……」
志岐「那須隊長からだ……」
染井「葉子……」
西川「実家からだ……」
それぞれこんな緊急事態なのに電話に出る。状況によってはこれが最後の会話になるかも知れないからだ。
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三門市、ボーダー本部……
城戸「私だ……剣持君。」
《城戸司令……》
ボーダーの上層部が集まり会議室で会議をしている最中に『お化け屋敷』から怪獣出現の知らせを受けて援護要請を応じてボーダーの合同部隊出動させた後、
城戸「せっかく休日すまないが、単刀直入に説明する。奥多摩ニュータウンの市街地にて出現した怪獣は現在市街地を破壊しながら東京方面に向かっている。直ぐに君も現地にて合流して欲しい。」
一の谷博士の助手代わりで、怪獣の生態を調べる手伝いの役割を与えられている剣持に城戸司令は連絡した。
《現地には既に到着しております。》
鬼怒田「なら、対策本部の位置を教える。ソチラの装備一式も用意してある。」
《……その事で先にお伝えにならないといけない事があります。》
根付「君。事は一刻を争う事態なんだよ!?何を悠長に!?」
城戸は片手を前に出して、根付室長を静かにさせて、
城戸「話してくれ。」
《……テレビに怪獣の姿が映っていますか?》
剣持からの妙な質問。
鬼怒田「生中継で映っているぞ!?」
《……現地には到着していますけど、皆がいる対策本部に合流は出来ません。……その前に移動も出来ません。》
根付「どういうわけかね。瓦礫の山に巻き込まれたのかね?」
《そうではありません。少しびっくりするかも知れないが言いますね。まず前提に……》
《怪獣の背中にマンションが見えますか?》
忍田本部長「見えている。それがどうかしたのかい?」
会議室にて暫しの沈黙が生まれて……忍田本部長はある答えにたどり着く。
忍田「………………まさか…………」
何人かハッとした表情を見せる。
同時に城戸司令も気付く。
城戸「……怪獣が背負っているマンションにいるのか……」
《………………はい。俺以外にも民間人が数人。》
それなら確かに奥多摩ニュータウンの市街地に到着はしているが、作戦に参加出来ない事の意味が分かる。
根付、鬼怒田「「何だって~~~~!?」」
二人の驚愕な叫び声が会議室に響く。
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大規模侵攻で両親と家を無くした隊員達や他県の外部からスカウトされた人達が住む居住する寮……その寮の中にある染井の部屋の前に、香取隊の面々は集まっていた。
香取「……」
スマホ片手に親友の部屋の前にいる香取。その表情は、自宅のテレビで怪獣速報で奥多摩ニュータウンにて怪獣が現れた為休日……友人と東京の方にお出かけすると言った親友を心配しての電話だ。
染井《もしもし……》
香取「あっ、華。今何処にいるの!?」
親友の声を聞いてひと安心する香取達。出撃するには自分達をサポートしてくれるオペレーターは必要不可欠、香取は親友の現在位置を聞いて迎えに行くつもりだった。
染井《どうしたの?そんなに慌てて……》
【ドシン!?ドシン!?】
スマホごしに聞こえた大きな足音のような音。
香取「???ねぇ?何か大きな音が聞こえていない?」
香取の眉間に軽くしわが出来る。
染井《……そうね。その様子だと……色々と立て込んでいるみたいね。先に葉子に幾つか質問させて伝えてちょうだい。落ち着いて聞いて……本当に落ち着いて聞いて……》
香取「な、何よ!?突然改まって……」
普段の親友が余り口にしない言葉を言い、
染井《大切な事なの……ふざけている暇はないわ。》
香取「わかったわよ。でっ何が聞きたいの?」
真面目な親友の言葉を待つ。
染井「…………テレビが映っている所まで歩いてくれない?」
香取「わっ、わかったわよ。」
香取隊はオペレーターの言う通りテレビがある所まで歩いて、
香取「ラウンジに付いたわよ。」
B級やA級は軒並み今回の出動要請に出払っている。
染井《今回の怪獣騒ぎのニュースはやっている?》
香取「ちょっとリモコン借りるわよ。」
ラウンジにあるリモコンを借りて、
ニュース番組のチャンネルを変える。
香取「今、東京のテレビ局がヘリコプターで上空から生中継しているわ。」
染井《…………怪獣の背中にマンションが映っていない?》
香取「背負っているわね。シェンガオレンみたいね。」
赤茶けた築年数が結構ある三階建てのマンションを背中の甲羅に背負った怪獣に、香取はモンスターハンターのモンスターの名前を言う。
必死の様子でニュースキャスターがヘリからの怪獣の様子を熱弁する。
染井《そう…………そのマンションの三階の左から三番の部屋のベランダを良く見てくれない。》
香取「……わかったわよ。」
親友からの変な質問にしぶしぶ答える香取。
ヘリコプターに乗っているカメラマンの腕が良いのか?或いはテレビカメラが良かったのかソレは確かに香取を初め多くの視聴者にも見えた。
三浦「えっ?」
若村「華さん?」
香取「!!嘘でしょう!?」
三人は気付く……
ベランダから外に姿を現した部隊の仲間である染井華の姿を、そして隣で声は聞こえないが、ギャアギャア泣き叫んでいる大人の男性と……那須隊のオペレーターと……
香取(剣持!?)
驚愕した目で香取は剣持夢想の姿を見る……
染井《私は……私達は今、怪獣の背中の建物の中にいる。ある意味では安全地帯だけど、殆ど孤立している危険な状況よ。葉子達は、この事をボーダーの上層部を初め関係者達に伝えて……任せたわよ。》
香取「ちょっと、華!?……切れてる。」
三浦「どうしよう。先に現場に向かったボーダーのA級部隊もB級もこの事は知らないよ。」
若村「とにかく華さんの言う通り、マンションにまだ民間人がいるから攻撃させないようにしないと、自衛隊も出動しているんだぞ。」
香取「わかっているわよ。」
同時刻 那須の家にて……
志岐《……と言う訳でして……三門市に帰れません。》
那須「そんな事より志岐ちゃん。怪我とかはしてない!?」
志岐《剣持君が身を呈して私達を庇ってくれたから怪我とかないですけど、とりあえず那須隊長達は、現場に出ている隊員や隊長達にマンションに逃げ遅れた人達がいる事を伝えて下さい。》
那須「?剣持君と一緒なの?」
志岐《はい。どうして、私が奥多摩ニュータウンにいるかの訳は報告書を記入する際に説明しますから、私は大丈夫です。!!!?剣持君!?この怪獣は【ガメラ】みたいに空飛ばないよね!?》
《したらその時発生する遠心力で俺達全員仲良く三階以上の高さから紐無しバンジージャンプするだけだ。》
志岐《ヒヒィー!?》電話ごしに志岐の悲鳴が聞こえて
《この怪獣パッと見て爬虫類……海亀の特徴に似ている。四足歩行で移動を基本にして、攻撃時のみ二足歩行になるが安定感は無い為に、直ぐに四足歩行に戻るようだ。…………後【ガメラ】は子供に優しい正義の味方だ。コイツとはまるっきり違う。》
染井《でも平成版ガメラ3のガメラはモチーフは海亀で二足歩行よね。》
那須「あれ?」
《【ガメラ】はフィクションだ。実際にあんな風に飛べないよ。》
志岐《特撮鑑賞が趣味の剣持君の身も蓋もない意見ありがとう。》
那須「志岐ちゃん。」
志岐《あっ、はい。》
那須「詳しい話は、無事に会える事が出来たらしましょう。後、剣持君の指示に従うようにね。」
志岐《了解……》
そう言い終えて通話は終了して、
熊谷「玲。あんな事言っても良いの?」
那須「…………聞いた限り剣持君は、こういう状況にどう対処するべきか考えているみたい……」
熊谷「それでも大丈夫なの?」
那須「とりあえず小佐野さんや国近さんから聞いた円盤に拐われた時の剣持君の無駄のない行動や判断力の数々の機転は信じても良い筈よ。私達は、マンションの中に民間人達がいる事を伝えるわよ。」
那須は自分のトリガーを取り出して、トリオン体に換装する。
那須「部隊としては活動は出来ないけど、私達にはやれる事がある筈よ。」
熊谷「わかったわ。」
それぞれが動く。
司令部にて……
城戸「テレビに映っているマンションに逃げ遅れたのか。」
怪獣出現で剣持をボーダー本部に呼び付けて電話をしてみたら、怪獣の背中の建物に取り残されていると言う衝撃的な連絡を貰い。
《はい。炸裂弾(メテオラ)を始め建物が崩れる危険がある攻撃はやめてくれると助かります。》
と剣持は城戸司令にお願いをする。
鬼怒田「大体何で!?お前がそこにいるんだ!?」
開発室長の激が飛ぶ!?
《俺のせいじゃないですよ。知り合いのマンションの地底に怪獣がいるなんてどう想定した方が良いんですか!?瓦礫の山になってもおかしくないのに……》
志岐《大変だよ!?剣持君!?》
《どうしたんだ?志岐さん?そんなに慌てて……怪獣が何か変な行動を始めたか?それとも隣の部屋が火を付けっぱでまさかの水も使えないのに火災発生?》
鬼怒田達「!?」
通話ごしの向こうで何かあった事を上層部は知り、
志岐《私達以外に一階に小さな女の子が助けを求めているの!?》
《なっ!?ちょっと電話を持ってて!?》
スマホを志岐に手渡して剣持は染井がいるベランダに移動する。その足音が離れて行く。
城戸「状況はどうなっている……」
志岐《あっ、たたた大変んんん危険んんです!!》
テンパりと緊張の声が電話ごしから聞こえてきた
染井《お電話を代わりました。B級部隊香取隊オペレーターの染井華です。救出活動は……剣持君。どう?》
《ナイロン製のロープも持ってないし、カーテンもこの部屋だけじゃ長さが足りない。訓練用トリガーは、今日が休みで奥多摩に向かうから自宅に置いていったし、エレベーターは整備点検とこの状況じゃ使えない。となると……》
染井《階段で一階まで行って助けるしかない。》
《しかもこの怪獣が暴れて揺れる中でだ。》
スマホ電話ごしに怪獣の咆哮が聞こえてきて……
根付「レスキュー隊にヘリコプターで救出して貰うのは?」
鬼怒田「あの激しく暴れる怪獣にヘリコプターが近付く事も困難だぞ!?」
テレビを用意して怪獣騒ぎのニュースを見てその怪獣の背中に背負ったマンションの三階のベランダに映る剣持達を見る。揺れる中、踏ん張りの態勢で揺れが収まるのを待っている様子が見える。
染井《オペレーター用のトリガーはあるけど……使った方が良いわよね。》
志岐《えっ!!!》
《…………二人がトリオン体になって、瓦礫とかは無傷で済むけど、救出対象の女の子を抱き抱えた状態で、俺達がいる三階まで戻れるか?》
染井《……でも助ける力があるのに助けないなんて私はしたくない。》
《冷静になれ。誰も見捨てるとは言っていない。失敗したら二人共、マンションの下の怪獣の甲羅に自由落下するんだ。甲羅は楕円形で、怪獣の身長を周囲の建物から比較して約70㍍。もし落下してもトリオン体の二人は無事でも只の生身の女の子は耐えられない。》
染井《……それは、》
志岐《なら、階段から助けに行くしかないよね。》
《志岐さんも助けに行くつもり?》
志岐《ここで逃げたら、私凄くみっともないからね。左に傾いたマンションだから難易度は高いけど、染井さん。女の子のいる部屋が何処だが分かりますか?》
染井《この三階の部屋から見える位置は……1階の2つ右に離れた部屋。はい。スマホ。》
染井は剣持にスマホを返して
《司令。出来る限り、激しい攻撃とかやめて下さいね。
このマンションも経年劣化が所々あるし、自衛隊の戦車の砲弾でも直撃したらおしまいです。それじゃ。切ります。》
スマホから通話終了を見て……
城戸「唐沢部長と根付室長。関係各所に連絡を……逃げ遅れた民間人がいる事を現場に報告してくれ。」
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〔推奨BGM 戦闘母艦スカイハンター〕
奥多摩ニュータウンの場所に設置させた怪獣対策本部にて……
『お化け屋敷』の作戦司令室にいるアーサー隊長から連絡が入る
アーサー《怪獣反応は一つでカテゴリー2。進行速度は遅い物も現在の速度なら3時間に東京の中心到達。》
アラシ「最終防衛線は?」
アーサー《今データを送る》
アラシ「キャップ。奥多摩ニュータウンのマップにから河原までの区域が今回の作戦区域の防衛線になります。」
ムラマツ「情報を受信した。」
既にムラマツ隊長達はマッハビーストに攻撃用装備を整えて奥多摩ニュータウンにとんぼ返りしていた。
ムラマツ「付近の住民の避難は無事完了したそうだ……よし、攻撃を開始する。」
奥多摩ニュータウンに自衛隊の戦車部隊が集まり航空戦闘機達も滑走路から出動。
ボーダー本部からも精鋭部隊が集まってまさにその様子は総力戦のようだ。
ムラマツ「攻撃はどうしようか?」
まだ情報が不足しており一の谷博士達からの連絡もない。どの攻撃が通用して効果があるのか?
ハヤタ「うかつに攻撃すると怒り暴れて周囲に被害が出るな」
アラシ「どこか弱そうなところはないかな?スパイダーをお見舞いしてやるのに」
カイ隊員から事前に渡されたスパイダーショットを両手に持ち離れた所から怪獣を見る。
怪獣から距離が離れたビルの屋上にて
黒野「中々手強そうな怪獣だな。」B級影浦隊の隊員服を着て今回は参加。トリオン体で、狙撃手の絵馬の傍から双眼鏡で破壊活動をする怪獣を見る。
絵馬「久しぶりに一緒に仕事出来るね。」
黒野「B級ランク戦の今シーズンは殆ど不参加で本当にすまないな。」
絵馬「別に……参加はしてこないけど、戦略や戦術指南は毎回用意してくれているし……それに……」
黒野「それに?」
絵馬「財閥のトップで、ボーダーの仕事と怪獣やら怪奇案件やらで二足のわらじ以上に忙しいそうだし、ボーダーのスポンサーもしてくれているし、最近は、パリの復興支援もしてくれているから、隊長やゾエさんと仁礼さんもわかってくれているよ。」
黒野「…………俺、過労死しないよな。」
仁礼《そう思うなら、少しは減らせ!?付き合い本当に悪いぞ!?》
黒野「悪い……」
絵馬「うん?」
黒野「どうした?」
その時、影浦隊は怪獣の背中のマンションに何かが動いた事に気が付く。
ハヤタも何かに気が付いた。
西川「「助けてくれ~~~~母ちゃん~~~~!?」
「「攻撃しないでくれ~~~~!!!!」」
ハヤタ「キャップ!?怪獣の背中のマンションの中に誰か居ます!?」
ムラマツ「何だって!?」
ハヤタ「まだ人が残っているなんて!?」
アラシ「逃げ遅れたのか、一体誰だ!?」
その連絡は三門市のボーダー本部にも『お化け屋敷』にも届く。
イデ《こりゃ大変だ!?攻撃できないぞ!?》
城戸《私達もついさっき、剣持君達から教えてもらった。》
司令からその連絡を貰い作戦の変更を余儀なくされた。
当初は市民の避難を完了した後、市街地の被害を食い止める為怪獣の周囲を取り囲み地上と空中からの連携攻撃で仕留める作戦だった。
ムラマツ「何てことだ。早く手を打たなくては!?」
ハヤタ「早く助け出さないと危険だ!?」
アラシ「野郎!?好き勝手暴れ回ってやがる!?」
イデ《このままじゃ、こっちが亀みたいに手も足も出ないぞ。何かうまい手がないかな?》
ハヤタ「!?あっ、キャップ、例の女の子ですよ、アラシ隊員の送っていった!足を怪我してたから、逃げ遅れたんですよ、きっと!?」
里穂「助けてー!」
「「攻撃しないでくれ!?子供が怪我をして動けないんだ!?」」
新聞紙で作ったメガホンから大きい声を出して剣持は下にいる『お化け屋敷』や自衛隊やボーダーに状況を伝えている。
西川「「助けて~~~~!?」」涙を流し叫び声を上げる西川。
「西川さん!?少し落ち着いて!?ってか少し静かにしてくれ!?」耳元に大声で叫ばれてパニックを引き起こす西川を黙らす剣持。
ムラマツ「マッハビーストの武器では破壊力が大き過ぎて少女も剣持達も危ない。地上から攻撃で怪獣を食い止めるんだ。アラシ隊員、行くぞ!?」
アラシ「了解!?」
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同じ頃……地上にてボーダー隊員達が怪獣相手に戦闘開始した頃、
剣持と染井と志岐の三人は、一階に助けを求める女の子を助けよう階段を向かうも……
「ちっ、階段が崩れている。」
無表情で舌打ちをして立ち往生する剣持。
染井「これじゃあ、下の階には降りられないわ。」
志岐「どうしよう~~」
「……人間は二階から落下しても骨折程度には済むらしいけど……」
無言で剣持はそこから距離を取って助走をしそうとするが、慌てて志岐が止める。
志岐「ストップ!?さっきの説明だと三階の高さなら死ぬ可能性があるって言っているような物じゃない!?」
「俺の運動能力なら大丈夫だ。」
志岐「怪獣が活動しているこの状況と建物その物が揺れるこの状態で、行きだけじゃなく帰りもこの階段を使う必要があるんだよ。単純な飛び移りとは違うんだから……安易な行動はやめて……」
「ならば、どうする。」
揺れる通路の中で意見を言う合う二人。
志岐「外で戦っている『お化け屋敷』やボーダーの皆にもこの状況は伝わっている筈だから、今は救助隊が来るまで安全な場所で待っていよう。」
里穂「「誰か助けて~~~~!?」」
下の方から女の子の悲鳴が聞こえて、剣持は自分の拳を力の限り握りしめ無表情で言う。
「確かに……揺れる中で飛び移り、着地に失敗すれば、怪獣の甲羅にその身を叩き付けてしまうな。」
志岐「……今は耐えて……取り敢えず、必ずあの女の子を含めて私達が助かる方向に皆、頑張っているから、私達は泣いている女の子を励ます事を考えよう。」
「…………わかった……」
そう短く答えた剣持は西川さんの部屋に戻る。
染井「……」
志岐「あぁ言わないと、絶対危険な事を仕出かすと思うから……さっきみたいに自分の身を盾にして私達の代わりに壁に叩き付けられた時、本当にびっくりしたんだから……」
二人も一旦西川さんの部屋に戻る。
しかしまた事態は急変する
西川さんの隣の部屋の人「大変や!?西川さん!?」
部屋のある通路の道を歩いていると白いぐったりしたイカの着ぐるみの男が姿を見せる。
西川「ぎゃあ~~化け物!?」
スルメイカ男「へっ?」
志岐「わぁ~~!?イカのお化けだ!?」
剣持はすかさず、染井と志岐の前に立ちレッドマンの時のファイティングポーズして相手を見る!?
染井「剣持君!?」
「二人とも少し離れてくれ……」
「出たな、化け物!?」
〔推奨BGM仮面ライダー……ショッカーのテーマ〕
(ベム。コイツは宇宙人?)
(否、コイツは改造人間だ。グランドキャニオンで見掛けた蝋燭のゾンビの仲間……ガイラットの怪人だ!?)
スルメイカ男は剣持達と遭遇して西川さんや剣持の後ろの女の子が悲鳴を上げている様子から自分が人間態ではなく怪人の姿になっている事に漸く気付く!?
スルメイカ男「俺の正体を見た奴は生かしてオカン!?イカだけに……死「問答無用!?」!!あっ、ちょっと!?まだ、お約束の名前を名乗っていないのに!?」
「どうせ、冷蔵庫にしまい忘れて腐ったイカンジンとかだろう。てぇい!?」
剣持は一気に距離を詰めてスルメイカ男の顔面目掛けて回し蹴りを放つ。先手必勝。
【ボヨン。】
「ちっ、スルメみたいな外見してるくせに弾力があるのか。」
軟体で蹴りの一撃を止められる。だが剣持は素早く肘打ちや連続蹴りをスルメイカ男に叩き込むも、
【ボヨン。ボヨン。ボヨン。プヨン。ポヨン。】
次々と気の抜けた音が鳴る中で怪人は表情の読めない顔で笑い言う。
スルメイカ男「ふふ。その名は高き日本海のスルメイカ男とは俺の事よ。俺の軟体のスルメイカボディーに貴様の蹴りなど通用しない。死ねぇ~~」
意気揚々に毒墨液を口から発射しようするが、
「なら、こうだ!?」
発射される前に、剣持は怪人の両足を両手であっさりと掴み持ち上げて、
スルメイカ男「あれ???」
「さぁ、地獄に……あっ、間違えた……天国に飛んで行け!?」
(レッドフォール!!!!)
スルメイカ男をマンションの三階から怪獣の甲羅目掛けて放り投げる。
スルメイカ男「嘘~~~~!?」
スルメイカ男は下に自由落下していった……
「これで片付いたな……」
志岐「凄いよ!?剣持君。機転の勝利だね。」
剣持の活躍に褒めて上げる志岐。
「ボーダーで訓練しているからな。」
染井「ボーダーに格闘技術の訓練なんかないわよ。」
志岐「それはそうと……」
「部屋に戻るぞ。」
染井(あっさり流された……)
知らない間にスルースキルも覚えた二人に戦慄を覚える染井華。
「あっ、無視してすいません。染井さん。」
剣持は無表情で謝罪の言葉を述べる。
染井「気にしないで……」
志岐(温度差がある会話だな……)
余り笑わない二人の会話は事務的に業務的に固い……
染井「あら?西川さんの隣の部屋が開いてるわよ。」
「???変だな。さっき下の階段に向かう時にはドアは閉まっていたよな。」
志岐「うん。」
スルメイカ男「それはその部屋の主は俺だからだぁ!?」
後ろから大きな声が聞こえてきたと思ったら、
【ピューーーン スタ。】
スルメイカ男「スルメイカの能力を甘く見たな!?小僧。流石に怒ったぞ~~」
改造人間の脅威のジャンプ力で、マンションの一階の高さまで戻ってきたのだ。
その様子を見た三人は顔を見合わせて、
「見たか二人とも……アイツのジャンプ力」
志岐「うん。」
染井「ええ。」
「あのスルメイカ男の身体能力なら、一階にいる女の子を助けられる……」
スルメイカ男「トゥッ!?」
【ピューーーン】
スルメイカ男は三階の剣持達がいる所に戻ってきた、
スルメイカ男「最後の勝負だな!?来い!?」
意気揚々に格好良い言葉を言う相手に対して剣持は、
「おい、イカフライの素材のイカ。」
無表情で言葉の毒を吐く。
スルメイカ男「スルメイカ男だっ!?間違えるな。」
志岐はその間スルメイカ男が住んでいる部屋に逃げる。
「お前のその素晴らしい身体能力に関してお願いがある。」
スルメイカ男「誰が、貴様のお願いなんか聞く物か、俺は貴様達を消してから……『奥多摩ニュータウンズタズタ大作戦』を実行すると言う使命がある!?」
「!?……お前が、このマンションの地底にいる怪獣を目覚めさせたのか……赦さん!!!!」
無表情だが全身から怒りのオーラを発する剣持。
スルメイカ男「えええええええええ!?ちょっと!?これは俺の仕業じゃない!?本当です!?信じて下さい!?」表情がない顔でビックリする。
まさかの誤解発生!?
悪の作戦の準備を自室で、一人ポツンと準備していた時に窓に沢山の鳥達が飛ぶ光景を見て、それから地震発生で、愛するレトロゲーム達を守り踏ん張っていたら、部屋が左斜めに傾き始めて……遂にはマンションが動き始めた始末だ……勿論、これらはスルメイカ男の仕業ではない。
急いでマンションから逃げよう隣人に声を掛けようとしたら、人間態に変身し忘れて剣持達と遭遇する流れになる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM 崩壊への蠢動〕
怪獣が激しく暴れる市街地戦では、ボーダー本部から怪獣が背負っているマンションには逃げ遅れた民間人がいる報告があり、自衛隊の歩兵部隊と戦車部隊は攻撃出来ず後退して行った……
対策本部にて……
自衛隊の指揮官「ああ。そのまま命令があるまで待機だ。」
ムラマツ「戦車を下がらせてくれてありがとうございます。」
自衛隊の指揮官「ですが、これではあの怪獣に強力な武装が使えません。各戦車部隊は念のため各避難所の防衛に回しましたが、」
サンダース《キャップ。こちらサンダース。》
その時ヘルメットから連絡が入る。
ムラマツ「こちらはムラマツだ。マンションに逃げ遅れた剣持君達は確認出来るか?」
サンダース《はい。何か?白い変な着ぐるみと戦っています。》
ムラマツ「何だ?それは?」
サンダース《わかりません。うわっ!?》
サンダースが操縦するマッハビーストが怪獣の前脚攻撃を喰らいそうになり慌てて回避する。
ムラマツ「大丈夫か?サンダース。」
サンダース《怪獣に近すぎました。少し離れます。》
ムラマツ「ハヤタ隊員、何とか少女や剣持達を傷つけずにビーストで攻撃は出来ないか?」
腕時計型通信機で連絡する。
ハヤタ《怪獣の動きが激しくて狙いが定まりません。》
マッハビースト2号機を操縦するハヤタも対怪獣用ミサイルで怪獣を狙うも激しく暴れる怪獣のせいで攻撃がマンションに当たる危険性を言う。
ムラマツ「……仕方がない、アラシ隊員。我々は地上から攻撃して怪獣を倒すんだ。」
アラシ「はい。」
ハヤタ《では、私達のビースト2機が上空から怪獣を牽制します。》
ムラマツ「ボーダーの皆、地上から怪獣の足止めを頼む。これ以上被害が出るのを阻止しなくては……」
怪獣は密集した無人のマンション群を頭突きで風穴を穿ち開けて、左右の巨大な一本爪でバターのように横一閃でマンションを横に破壊して進む。
太刀川達が配置されたニュータウンのとあるマンションの屋上にて……
出水【モンハンではガンナー。ヘビィも弓もライトも扱う……役割は主力の補助……】「どうする?地上戦で怪獣の進行を足止めするように忍田本部長達に言われているけど、」
横にいる太刀川は余裕な表情をして、勢いを付けて走り出す。
太刀川【モンハンでは太刀使いで担当は遊撃。】「要するに……モンハンのラオシャンロンみたいにアイツの背中に乗り移って民間人を救出すれば、良いだけだろう!?」深く考えずに言う太刀川。
国近【モンハンでは伝説の大剣使いのハンターでパーティーの主力でリーダー。近々……剣持と真琴とパーティーに誘おうか考えている】《おお~~剣士の見せ場だね。爆弾で爆発させる役割だけど、頑張ってねぇ。》
太刀川「他の部隊の連中はどうしてる?」
出水「東さん聞こえますか?」
東【モンハンでは弓使い。意外に古参のハンター。】《こちら東だ。射手や銃手がいる部隊は怪獣の頭部を基本に攻撃させている。狙撃手がいる部隊は怪獣の現在位置から離れたビルの屋上を高台代わりにして狙撃攻撃をして進行を遅らせているよ。小荒井と奥寺は…》
東隊の攻撃手の二人は四足歩行する硬態怪獣の後ろ足を兎に角、孤月で斬り掛かる。最早見ようによってはドンドルマの砦にて老山龍と戦うハンター達その物だ。
攻撃手が多い部隊は怪獣の後ろ足に少しでもダメージを蓄積させる戦略を使用している。
只……やはり近接で戦っているメンバーはトリオン体にダメージは負わない無敵モードでも、体重6万5千㌧の怪獣の足元は大変揺れる。よろめいて巨体を支える足の前進に巻き込まれる。
小荒井【モンハンでは片手剣使い。だいたい先走り最初に体力持ってかれる】「どひゃあああぁ~~!?」
怪獣の前進移動に巻き込まれて近くのビルまで吹き飛び窓ガラスを割りながら小荒井の姿は前線から消える。
奥寺【モンハンでは片手剣使い。先走った小荒井を助ける役割。】「小荒井!?」
部隊の仲間の名前をすかさず呼ぶ奥寺。
「「ギャオオオオオオオオオオオオオオン!!!?」」
笹森【モンハンでは太刀使い。切り込み役】「ぐほっ!?」
諏訪隊の攻撃手が怪獣の尻尾の凪ぎ払い巻き込まれて老朽化した団地の壁に激突する。
諏訪【モンハンではヘビィボウガン使い。爆弾を射つのも生き甲斐にしたプレイをする】「日佐人!?」
部下の名前を叫ぶ隊長。
生駒【モンハンでは太刀使い。格好良いを理由にハンターになった初心者】「オボロブシャ~~!?」全身からイコ汁を迸して
格好良く生駒旋空を決めようとしたら、怪獣の足が偶然直撃して吹き飛ぶ南沢に激突して前脚の鋭く長い一本爪で建物事破壊されて瓦礫に埋もれる生駒隊隊長達。
激しいボーダーと怪獣との戦闘を見る黒野の一言。
黒野「…………これは酷い…死屍累々だな……」
仁礼《……誰も死んでねぇよ。ってかお前は戦わないのかよ!?》
黒野「ビルや集団住宅マンションの壁の一部一部にエスクードを出して巨大な鱗の防護壁(スケイルウォール)を完成させて怪獣の進行ルートを限定させていたんですよ。」
怪獣の進行ルートを一つに限定させる為に、怪獣とボーダー達が戦闘をしている間、各ポイントにトリオンの壁を鱗状に出していた。
絵馬【モンハンではライトボウガン使い。】「どう?どのくらいなら時間を稼げる?」
黒野「見た感じ怪獣の両手の巨大な一本爪の一撃の破壊力と周辺の建物の構造上から考えて……一つの壁につき……2発までなら耐えられるな。」
仁礼《はぁ~~!?それだけかよ!?》不満を口に出す仁礼に黒野は諭すように説明する。
黒野「現在進行形で一の谷博士や岩本博士達があの怪獣の体皮のサンプルから出来る限りの情報を集めてくれている。地底から出現したから地底移動する可能性もあるから時間稼ぎにもならないかもな。」
仁礼《他にないのかよ!?巨大ロボットとか!?》
黒野「肝心の巨大ロボットは怪獣出現の数時間前に整備中だ。速くて明日まで待たないといけないし、どのみちボーダー隊員達が足元にいるこの状況じゃ、配置によっては地上部隊を踏む危険がある。」
仁礼《じゃあ、決め手は無しかよ!?》
黒野「兎に角、攻撃してみる。サポート任せた。」
黒野はそう言いレイガストを起動させ、地上で戦闘をしている部隊に合流する。
影浦【モンハンでは双剣使い。強走薬グレートは材料まで持参するタイプ】「コイツの弱点は!?」
黒野【モンハンではランス使い。持ち物の複数の角笛でサポートする…強走薬は持ってない。】「まだ科学センターからそれについての連絡はない。」
影浦「ちっ、ゾエ。竜撃砲の準備をしろ!?」
北添【モンハンではガンランス使い。たまにヘビィボウガンも使う影浦パーティーの主力。大タル爆弾と罠を持参する。】「そんな物ないよ。それに逃げ遅れた民間人達がいるマンションに当たるよ。」
影浦「誰が上を狙えって言った!?怪獣の腹とか下から狙えって事だよ。」
北添「あっそういう方向ね。」
影浦「影浦隊!?行くぞ!?」
仁礼【モンハンの影浦パーティーの最強のハンター。但しモンスター全ての部位破壊を優先させる為、ここぞと言う時以外呼ばれない。使う装備はトランプの出た数字で決める万能型】《おおーー!?》
三人は怪獣に走り出す。柿崎隊と鈴鳴第一に合流して、
柿崎【モンハンでは柿崎パーティーのリーダー。ガンランス使い。】「上のマンションの方はどうなってる?」
太刀川《俺が民間人達をマンションから救出すりゃ問題ない。》
黒野「凄く自信あるな。流石太刀川さん。」
ボーダーの何人かはマンションから跳躍して怪獣の背中に飛び移ろうとする太刀川さんを見上げる。
来馬【モンハンではライトボウガン使い。回復する道具は薬草すら持ち込む。鈴鳴第一パーティーのリーダー】「これで民間人達は一安心だね。」
銃で攻撃するのを一旦止めて安心した表情をする来馬隊長。
村上【モンハンだとチャージアックス使い。基本剣盾の状態を使う。】「だと良いですけど……」
怪獣「「!!?」」
太刀川が怪獣の正面から飛び移ろうとするのも怪獣も感じ取り、迎撃に移る。背中に乗られたら攻撃する術がない為の防衛本能で、高く跳躍してきた太刀川に怪獣は鬱陶しい感じて攻撃をする。
足元を邪魔する小さな生き物達には目も暮れず。
狙いを太刀川に限定する。
太刀川《へっ?》
間抜けの声と共に何かがぶつかり衝撃音と共に太刀川さんの声が遠退く……
怪獣は四足歩行から二足歩行に切り替えて、素早く前脚の一本爪を振り上げ横で叩き正確に太刀川を中心に捉えて遠くへかっ飛ばす。
出水《…………ホームラン。》
来馬「こちら鈴鳴第一。太刀川さんが怪獣の攻撃で場外ホームランされました。」
東《こっちも確認した……予想より二足歩行の攻撃の時の速度が速い……》
東は各部隊の攻撃手達を集めて怪獣の背中に飛び移る戦略を考えていたが、怪獣の両腕を振る速度の速さが、移動の時の鈍さを遥かに越えるスピードで、目録が外れた事を実感する。
影浦「ちっ、黒野。俺達が前後から怪獣の背中に飛び移ってマンションの民間人を救出するぞ。」
北添「了解。隊長。」
村上「俺達も…」
黒野「いや、鈴鳴はこのまま地上からの足止めお願いする。
影浦隊は三方向から怪獣に飛び移ろうと、ビルの屋上を
高台代わりに、助走を付けて走り跳躍する。
「「!?」」
影浦「!?」
影浦はサイドエフェクトで怪獣の敵対視を素早く感じ取り狙いが自分達と感じ取るが、グラスホッパーを装備してない空中の為、身動きが取れず、指示を出す暇もない。咄嗟に三人は自分の判断でシールドを出すも怪獣は自身の巨大な身体を360度回転させて、両腕の一本爪と緑色の尻尾で、ボーダー隊員達を捉えてビルに叩き付ける!?その一撃の前ではトリオンのシールドも意味ない。
生駒「亀みたいな怪獣の癖に強いわ。」
水上「あの鈍い身体で走り出したら、ダンプカーでハねられるとは訳が違いますね。隠岐。そっちから何か狙える箇所はあるか?」
離れた仲間に連絡すると、
隠岐《まるで動く要塞や。さっきから隣で東さんがマンションに当てないようにバシバシとアイビスで狙撃しているけど怯みもしていない。》
東《攻撃する両腕の一本爪と強力な顎、それに全身硬い皮膚と背中の甲羅で鉄壁の防御力を持っている。まるで城攻めだ。》
どうしようか考えていると自動車のエンジン音が聞こえてきて、東は音の方向を見る。
『お化け屋敷』のローバーが颯爽と怪獣の元に向かう姿を確認する。
カンフー「アイドル。リリアン。怪獣の注意をとにかく引くぞ。ハカセは運転に集中してくれ。」
剣持の仲間であるカンフー達が加勢しに来てくれたのだ。
ハカセ「ちょっと、私はこんな事している場合ないんですけど!?ひゃあっ!?」
アイドル「こっち向けよ!?ガメラの没亀怪獣が!?」
カンフー「凄い悪口だな。」
三人共電磁レールガンを怪獣に向けて連射する。
無数の青い光弾が連射され怪獣の肩付近に直撃するも、
大したダメージも怯む事もなく吼えて暴れる怪獣。
その様子にヘルメットのカバーを上げて言う。
アイドル「おいハカセ。もっと怪獣に近付け!?」
ハカセ「嫌ですよ!?」
カンフー「良いからアクセル踏んでくれ!?」
攻撃しながら運転席の指示も出すカンフー達。
リリアン「レーザーアダプター装備、発射しま~す。」
カンフー、アイドル「「え?」」
後ろから聞こえたおっとり声と共に二人は振り替えるも
怪獣の顔目掛けて光線を発射するおっとりリリアン隊員
「「ギャアアアアアアアアアアアアアアア」」
怪獣の顔に光線が直撃して軽く苦しむ。そして背中のマンションも揺れる。その様子に慌てて止める二人。
カンフー「攻撃中止!?攻撃中止!?攻撃中止!?」
アイドル「ストップ!?リリアン隊員!?」
ムラマツ《何をしている!?マンションには逃げ遅れた民間人もいるんだぞ!?》ムラマツキャップの叱り声が車内に響き渡る。
ハカセ「すいません!?私も何が何だか……」
アイドル「リリアン。どこ狙ったの!?」
リリアン「怪獣さんの~~歯茎です。」
アイドル「…………なんちゅう所を狙ってるのこのおっとり森ガール。怖っ!?」おっとりした顔に似合わない容赦ない攻撃に仲間達に戦慄が走る……
カンフー「リリアンはとにかく歯茎は避けて……怪獣の進行を食い止めるぞ。」
怪獣は四足歩行なり正面からローバーを走らせ怪獣に攻撃しようとするが、
ハカセ「ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!」
怪獣の顔を近くで見たハカセが恐怖で右側にハンドルをきり、
カンフー「馬鹿!?ハカセ戻れ!?」
ハカセ「ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!まだ東大に受かってないのに死たくない~~」
アイドル「仕方ない!?やるよカンフー。」
カンフー「応。」
二人は息の合った連携で電磁レールガンの青い光弾を怪獣の右側に次々と撃ち込む。
アイドル「やっぱり威力負けしてるわ。ブラックランチャーを使った方が、」
カンフー「またマンションを揺らす訳には行かないだろ。」
アイドル「でも!?」
カンフー達の前方に怪獣の尻尾が運転手のいない自動車を蹴散らして迫る。無数の自動車は激しく空中回転してこっちになだれ込む
アイドル「伏せろ!?」
ハカセ「ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!」
アイドル「しょうがないな!?」
アイドルは助手席に移動してハカセの腹に正拳突きを放ち、
ハカセ「ぐへっ!?」
ハカセを気絶させて運転席に座り運転する。
カンフー達の頭上に巨大な緑色の尻尾が横切り、ギリギリ回避に成功する。
カンフー「ナイス運転テクニック!?」
アイドル「片山博士とバイクのロードレースとかしていたから運転には自信あるけど二度は無理。」
生物学者の癖に機械いじり好きの片山博士の改造バイクの試運転を任されてドライブテクニックが上昇したアイドル隊員でもさっきの回避はギリギリだった。
怪獣の後ろ側に回ってしまい予定と違うも怪獣の進行を止める為にカンフー達は攻撃を続ける。
アイドル「リリアン。後ろなら思い切り攻撃出来る。兎に角射て!?」
リリアン「はぁ~い。」
口はおっとりだがホルスターを素早く無駄なく引き抜き攻撃するリリアンは頼りになる。
アラシ「お~い。」
カンフー「アラシ隊員。」
アイドルが運転するローバーに駆け寄るアラシ。
アラシ「お前達来てくれたのか!?」
カンフー「えぇ。でも決め手がありません。」
悔しい表情で答えるカンフー。
二足歩行になった怪獣が行く手に阻むマンションを一本爪で両断して進む。
アラシ「畜生!?」
アイドル「嘆く暇があるくらいなら戦え!?」
二人を叱咤激励するアイドル。
カンフー「…………わかってるよ!?」
レールガンを構えて怪獣に向かって攻撃を続行する。
怪獣は再び四足歩行に戻りはいはい歩きで進む。
決め手に欠けたまま怪獣とボーダー達の戦闘は1時間の時間が経過した。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そしてボーダー達が怪獣相手に必死戦闘しているその間剣持達は、剣持自身は今も揺れるマンションの通路で怪人と戦闘を繰り広げていた。後ろにいた染井さんを志岐さんがいる部屋に押し込ませて、
「くっ!?」
スルメイカ男「ぜぇぜぇ……この俺の触手を避けるとはやるな。……ぜぇ……だがいつまで避け続けられるかな?」
スルメイカ男の両腕の触手(ドアの明け閉めは勿論暗証番号も打ったりプラモデルを組み立てたりゲームのボタンや方向キー等々細かい作業も可能)を鞭のように振り回したりして剣持に攻撃をかれこれ1時間以上も続けているが、
「どうした?息が……ぜぇぜぇ……上がってきたぞ。」
無表情で挑発を言う剣持。
スルメイカ男「ぜぇぜぇ……そっちこそ、動きが少し鈍くなってきたぜ。」
「「ぜぇぜぇ……ぜぇぜぇ……」」
志岐「凄い戦いだ……」
剣持の攻撃は通じてないが、スルメイカ男も剣持の脅威の回避率の高さにヘトヘトだ。
改造人間より上の身体能力の高さと危機察知能力で次々と迫るスルメイカ男の攻撃を避ける剣持。
スパイダーマン顔負けの連続バク転で傾くマンション通路で善戦している。
剣持はマンションの通路の手摺の上に乗っかり、飛来する触手の一撃を回避。
「おっと、危ない。」
しかし揺れるマンションで剣持は柵の外側に落ちる。
志岐「剣持君!?」
「!?」
咄嗟に手すりを掴み剣持は落下を防ぐも、追い込まれていた。
そしてその様子は荒船隊や鈴鳴の別役太一達にも見えていた。
別役「大変です。剣持さんがマンションから落ちそうです。」
荒船《だがこちらからは助けに行けないぞ。》
見てる皆もハラハラする光景だ。
そして当人は、
(下は見るなよ。夢想。)
(下を見てから言うなよ!?ベム。)
わりかし余裕であった……
70㍍の高さから落ちるのは良くはないが、実はレッドマンなら当たり前の飛行能力……剣持の時も使えるのだ。それを知らないのは剣持夢想自身。
志岐「そんな腐ったイカに負けないで、剣持君。」
スマホ片手に志岐は応援の声をだす。
スルメイカ男「俺の勝ちだ。剣持!?」
「勝手に呼び捨てすなイカフライが、」
両腕で手すりを掴んでいた剣持は、器用両足を上げてその両足でスルメイカ男を挟み、
スルメイカ男「へっ!?」
「はい。ゲットアウト。」
無表情でそう言い再びスルメイカ男を下に落とす。
スルメイカ男「あああああああああ~~何度も落ちて堪るか!?ていっ!?」
落下しながら触手を伸ばして剣持の片方の足に巻き付かせて引っ張る。
「ちっ、」
(流石に学習してきたかイカフライ。)
志岐「これでも聞いて元気出して!?」
〔仮面ライダークウガ 戦士〕のBGMをスマホで流す志岐さん。
「今流す必要あるか!?ソレっ!?」
両腕で手摺に掴まり落下するかも知れないピンチに流れ始めるBGMに剣持はツッコミを叫ぶ。
志岐「こういう時に流す物でしょ。」
「確かに……1話のヘリコプターの時も流れていたけど、おいっ!?この、離せイカフライ!?」
スルメイカ男「誰が貴様を離すか!?このまま引き摺り落とす!?」
確かにクウガの1話ぽいっ展開だけど、不思議とこの曲が流れている時は有利な状況な……
「ここは場所が悪い……ついて来い!?」
片足に巻き付いているスルメイカの触手を片手で掴み、
勢い良く引っ張り上げる剣持、
スルメイカ男「なっ!?」
改造人間の自分を片手で引っ張り上げる少年の腕力に驚きを隠せないスルメイカ男は、
マンションの屋上まで投げ飛ばされてしまう。
「志岐さん。少しイカと戦ってきます。」
剣持は通路を走り無事だった屋上までの階段を登り、
スルメイカ男「何者だ。お前……」
「教えるかよ。イカフライ。」
屋上にてスルメイカ男と戦闘を始める。
無言で剣持は構えて、スルメイカ男も自分のファイティングポーズを取り、
「行くぞ!?」
互いに走り出して、同時に飛び上がり空中にてぶつかり合い……そして……
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
スルメイカ男の部屋にて
スルメイカ男「ふぎゃあああああああああああああああああ~~」
志岐と染井は窓から落下して行くボコボコにされたスルメイカ男を目撃して、
剣持はスルメイカ男を1階にいる逃げ遅れた里穂ちゃんのいるベランダに落とす。
里穂「きゃあああああああ~~」
上からスルメイカの怪物が落ちて来て悲鳴を上げる女の子。
「イカフライ。その子を抱えて西川さんのベランダまで昇ってこい。」
スルメイカ男「断る!?誰が貴様の言い事等聞くか!?俺は誇り高きガイラットの怪人!!スルメイカ男。」
「ほぅ~~俺に無様に負けた腐ったイカにしては忠誠心は高いようだな……」
志岐「これ何~だ?」悪どい笑みを浮かべて
志岐はスルメイカ男の部屋から何かをスルメイカ男に見せる。
スルメイカ男「!?」
それはスルメイカ男個人にとっても大切なお宝だ。それも命よりも……
スルメイカ男「それは俺のメガドライブ!?」
このご時世に今だに元気に稼働するレトロゲームの本体の一つ!?
「お前の返答次第ではこの人質達は帰らぬ物になるぞ。」
スルメイカ男「己!?貴様ら!?俺のセガ・サターンをメガドライブを!?フロッピー式PC-9800を!?」
志岐「いや~~保存状態が新品同様なのは凄いね。しかも結構な名作やマニアな物もある。ゲームによっては画集や攻略本もあるよ。………………スルメイカ男さん。ボーダーを愛していると言ってみよ。」悪どい笑みをする志岐小夜子。
「?」
スルメイカ男「ふざけるな!?そう考えるだけで死にたくなる!?」
志岐「そう。なら、ゲーム本体が壊される様をそこで大人しく見てなさい!?」
悪どい笑みの志岐はメガドライブを怪獣の甲羅に向かって投げ落とそうと両腕を持ち上げようとする。
スルメイカ男「待って!?」CV山本百合子
志岐の動きは止まる。
スルメイカ男「………………します。」
志岐「聞こえんな~~」北斗の拳のシンの顔芸をする彼女。
スルメイカ男「…………いします!?」
志岐「その程度で私達の心が動くと思っているのか!?」
スルメイカ男(ガチ号泣)「愛します!!!?一生何処へでも着いていきます!!!?」
志岐「アハハハハハハハハハハハハ。ボーダーを愛しますだとよ。一生何処へでも着いていきますだとよ…………悪の組織の怪人の心変わりとは恐ろしいのう。なぁ剣持君。染井さん。」
染井、剣持(この場で一番怖い人が身近にいた事実が一番恐ろしいわ。)
二人は志岐の容赦の無さに戦慄を覚えた。
スルメイカ男「グズ、ウウン。アアア…アア…」
悪の怪人としてのプライドを粉々に砕かれたスルメイカ男はボーダーの軍門に下る。
女の子を西川さんがいるベランダまで運び、傾く部屋の隅っこで体育座りとすすり泣きが西川さんの部屋に聞こえた。
志岐「一件落着だね。」
彼女の晴れ晴れとした笑顔の裏にすすり泣く怪人がいるが、ともあれ、人命救助は無事完了した剣持達は、西川さんの部屋に戻り、ボーダーが救助してくれるのを待つ事に…
染井「あっ、ポニーさんから不在通話が、もしもし……」すっかり色々あって忘れていた彼女は電話に出る
ポニー《今、何処にいるのよ!?三人共!?ボク周辺の避難所を片っ端から探していたわよ!?何で電話に出ないの!?三人とも怪我はない!?》
カンカンに大きな声で染井は軽くビックリするも冷静に
染井「落ち着いて下さい……ポニーさん。状況をちゃんと順番に説明しますから……」
染井はポニーにこれまでの状況を話す。
その片隅で、
里穂「お姉ちゃん達。ボーダーの人なの?」
志岐「そうだよ。とは言っても戦闘員じゃないけどね。あっボーダーについては秘密が多いから聞かないでね。」
志岐は自分より年下の女の子相手に楽しそうに会話していて……
俺は……揺れる部屋の中、散らばった西川さんの紙の資料集をまとめていた。
スルメイカ男「…………」
剣持は隅っこにいるスルメイカ男の隣に座り、
「さっきは色々と悪かった……」
スルメイカ男「俺も悪かったよ。」
俺達はわだかまりが解けて
西川「剣持君。こんな状況でも手伝ってくれてありがとう。」
喚き散らすのをやめて落ち着きを取り戻した西川さんは礼の言葉を述べる。
「マンションの階段は使えない。更にエレベーターも駄目、梯子もあるけど……どの道、亀怪獣の甲羅に降りてもそこから地上までの距離と高さがある。………………これ以上俺達が出来る事はそんなにない。大人しく救助を待つしかないだけですよ。」
そう剣持……今回のレッドマンには余り出来る事はもうない。後は『お化け屋敷』とボーダーの皆の活躍でしか自分達が助かるか待つしかないのだ。
その待つ間手持ち無沙汰の為、剣持は資料整理を引き受けたのだ。
里穂「もう直ぐ日が沈むねぇ……」
【ぐうう~~】
誰かがお腹の音を鳴らして、剣持は台所を軽く見て
「この部屋コンロとか家電がないのは痛いですね。」
購入したコンビニの惣菜パンとかリュックから出す。
西川「カセットコンロならあるよ。」
「ソレはあるんだ。」
西川「お湯を作ってインスタント食品のカップヌードルとか食べる時に重宝しているんだ。」
スルメイカ男「電気が止まったけど俺の部屋の冷蔵庫の中、色々と鍋の具材になる物があるぜ。」
「そうか…………なら晩飯を作るか……水は大きいペットボトルので代用しよう。調理器具とか借りて良いか?」
スルメイカ男「良いよ。」
西川「でも部屋が傾く状況での調理は厳しいぞ。宇宙飛行士の宇宙船の無重力じゃあるまいし、」
「なら怪獣が動きを止めてくれるのを祈るしかあるまい。」
双眼鏡を片手に戦況を見る剣持。
志岐「こっちから色々とアドバイスとか送れない?」
志岐と染井が近づいて意見を述べる。
「亀の甲羅に乗り込もうとボーダー隊員の先輩達が、必死にビルを足場に飛び移ろうとしているけど……」
志岐に双眼鏡を貸して、志岐は双眼鏡で外を見ると、
志岐「あっ、東隊の攻撃手の二人が叩き落とされた。」
マンションの壁にめり込んでいる奥寺の姿を見る。
染井も西川の双眼鏡で覗く。
染井「見た目以上に前脚の振るスピードが早いわね。」
影浦隊が再び飛び移ろうとするが怪獣は脅威の速さで両腕を振るい凪ぎ払われる。
剣持は部屋の別方向の窓から直接見て、
「後ろから黒野先輩が飛び移ろうしましたが尻尾で飛ばされていますね。」
染井「周囲360度をカバーは完璧みたい。逆に言えば…」
志岐「逆に言えば?」
染井「もし自分の甲羅の上に誰かが乗り込まれたら、怪獣は自分の背中に手も尻尾も届かなくなるから……それだけ警戒している証拠。」
「甲羅の真上もがら空きだけど……建物に逃げ遅れた俺達のせいで航空戦力も攻撃出来ない。人質のおかげで、怪獣は真上を守れている。この辺りは地上にいる皆も分かる弱点だろう」
染井「当初の作戦は?」
「それは民間人がいるから喋れないよ。……俺達が建物にいない事を想像してくれ。」
志岐「亀ならひっくり返したら起き上がれないんじゃない?」妙案を出す志岐
「それは俺達がマンションごと地面に叩き落とされる意味になるから却下だ。」
何しても上の自分達が足枷になっている。
「所で何鍋が良い?」
里穂「味噌煮込みうどん。」
「おう。味噌煮込みを作ってやるよ。」
窓から視線を外して怪獣が動きを止まるのを待つ。
志岐「手伝おうか?」
「あぁ。皆の力を貸してくれ。」
呑気に聞こえる会話かも知れないが、剣持は分身を既に奥多摩ニュータウンに呼んでおり、もしもの時用の保険に備えていた。
そして……怪獣の強さもゾークロン細菌怪獣やファマーディーの怪獣に比べて弱い事実に……それほど脅威に感じてはいなかった。
(外部は確かに化石並みでカテゴリー2と同じくらい硬いみたいだが、内部は普通のカテゴリー1レベル………ゴメスやペギラレベルだな。)
(ベム。今回は変身する必要はない?)
(…………今回は染井華もいるし……怪獣の強さも俺からみたらそんなにない。変身は無しだ。)
(珍しい……直ぐに怪獣とレッドファイトする君にしては……)
剣持はふと周りにいる人達を軽く見渡して
染井「…」
(……俺の力は無敵じゃない。俺がいるから勝てると地球人を怠け者にさせたなら、怠け者したのは他でもなく俺達になるからだ。)
(俺の力は、必要な時以外は使わない。それで地球人を堕落させ滅亡させるきっかけにする訳には行かない。)
(俺の手を借りなくても地球は自分達人間の手で守り抜かないといけないからな。…………所詮俺達を含めこの宇宙では全てが仮初めの客……)
(仮初めの客?)
(……永遠の宇宙であらゆる物はいつかいなくなる存在だ。お前も……お前の知ってる奴らも……この俺すらもな。違うのはせいぜい寿命の長さくらいだ。)
その日の夕陽は剣持夢想には不思議と寂しそうに見えた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そして剣持達とは別に戦況は怪獣が有利に動いていた。
ハヤタ《キャップ、怪獣の行く手にマンションが!!》
アラシ「あぁ!間に合わない!!」
怪獣は大きく前脚を振り上げて行き手を遮るマンションを真っ二つに破壊。コンクリートのマンションは砂で出来た山のように脆く崩れて
イデ《うわあぁぁぁ!》
後から現場に到着したサコミズ達は近くにいて怪獣の一撃で崩れたマンションの瓦礫の雪崩から必死な声を上げてその場を撤退するイデ。
夕方は終わり、夜になった時刻……怪獣に異変が起きる
ハヤタ《こちらビースト、怪獣の動きが止まりました。》
そう……あれほど、激しくニュータウンの市街地を破壊の限り暴れていた怪獣が夜になった時刻に突然動きを鈍らせて、遂には怪獣を停止したのだ。
アラシ「よし、やったぞ!?」
生駒「ふへ~~しんどかった~~」瓦礫に腰を下ろして一仕事終えた感じに言う生駒。
水上「イコさん凪ぎ払われてただけですやん。」
アラシ「俺達の攻撃が効いたんじゃないのか?」
喜びの声を上げるアラシ隊員。
強力な武装は使えなかったが、多方面からのダメージが蓄積したのか怪獣は二足歩行の状態で動くを止めた考えるアラシ。
その喜ぶアラシの横に集結するイデ達とボーダーの各部隊の隊長達。
影浦「どうなってやがる?」
進行を邪魔する自分達を殺さずに動きを止めた怪獣を怪しむ影浦。
柿崎「攻撃が明確に効いたのか?」
巴「足元ばかり攻撃していたから傷を治癒させているのでは?」
来馬「炸裂弾は本部長から使用は控えるように言われているから……変化弾や追尾弾と通常弾しか使っていないよ。」
東「太一やユズルや荒船達にも確認させているが、明確な出血や傷口は今も見つかっていない。」
太刀川「どうなった?」
何故か全身濡れていた太刀川が皆の元に駆け寄ってきた。
生駒「ずぶ濡れじゃないか?太刀川さん何処まで飛ばされたんだ?」
太刀川「河原まで飛ばされて必死に服着た状態で岸まで泳いでそこから奥多摩ニュータウンまで走って来たんだよ。で死んだのか?この亀怪獣。」
東「それを確認しているんだ?どうだ?皆、」
荒船「怪獣の鼻辺りをスコープで見ている限り、呼吸はしているようだ。随分遅いが……」
絵馬《こちら絵馬。前に同級生が言っていたけど、亀は必要以外そんなに呼吸はしないんだ。亀の背中の甲羅は助骨を始め複数の骨が密着して出来た物らしい。」
別役《へぇ~~そりゃ始めて知りました。》
通信機に感心した声が聞こえる。
イデ「しかし、実際、怪獣に我々の攻撃が効いている様子はありません。どうやら何か他に理由がありそうです。」
ホシノ「サコミズ隊員。怪獣のバイタルは確認出来るか?」
太刀川隊の出水隊員と生駒隊の南沢隊員を護衛にサコミズは怪獣に近付き特殊な機械の光を怪獣のお腹辺りに当てて
専用の大掛かりの機械を背負ったサコミズは言う。
出水「何か動かない原因はわかりましたか?」
サコミズ「焦らない。うん?この反応は……」
機械から怪獣の体調を確認結果が出た為ホシノチーフ達に報告する。
サコミズ《現在……原因は不明ですが、怪獣の生命活動が沈静化しています。温度も必要な部位以外は最低限に熱を逃がさないようにしています。》
アラシ「どういうわけだ?」
サコミズ《この状態から推測だけど……コイツは現在一時的な冬眠状態に近いんだ。恐らく朝になったら太陽が出るからまた全身が活性化して暴れる危険性がある。》
出水《出現したのが夕方で助かった……》
南沢《朝から出現していたら被害がもっと出ていたかもしれないですからね。》
ムラマツ「わかった、一度基地で対策を練ろう。」
ハヤタ《私は怪獣の監視を続けます。》
ホシノ「ボーダーの皆さんも本部や支部に戻った方が宜しいかと……」
その言葉で各部隊顔を見合せて、
太刀川「射手や狙撃手と銃手はトリオンも減っている事出し本部に帰って良いぞ。」
諏訪「おい。その意味だと攻撃手は残れって言っているようなもんじゃねぇか。」
太刀川「怪獣の情報が試行錯誤だから作戦がたてずらかったのは本当だ。見張りくらいはやらせてくれ。」
笹森「堤さん。諏訪さん。俺は大丈夫です。二人はトリオンを回復させて下さい。」
堤「日佐人……」
諏訪「……帰るぞ。堤。」
堤「隊長!?」
堤は諏訪の方を見る。
諏訪「銃手はトリオンを弾に使うからトリオンを回復させないと戦えないからな。」
笹森もニュータウンに残るつもりらしい。
東「二人は?」
小荒井「やられっぱなしは嫌ですからね。」
奥寺「まっ、本人は残るつもりみたいですし……小荒井のサポートは任して下さい。」
東「まっ俺も残るけどな。」
小荒井、奥寺「東さん!?」
人見《私も徹夜した方がいいですか?》
オペレーターからの連絡が来て
東「仮眠をしてくれないと俺が心配なんだが……」
人見《……では何かあったら連絡して下さい。……私も食事しに行くので……》
東「どうぞ、ごゆっくりと……」
生駒「でっ俺らどうする?」
動かない怪獣を眺める生駒隊。
水上「まっ、隠岐もそんなに撃っていないから………あれ?…帰るのはもしかして俺だけ?」
隠岐「では水上さん。また明日。」
南沢「バイバイ。水上さん。」
水上「お前らな~~」
ジト目をして仲間の100%の善意に何とも言えない表情する生駒隊の作戦担当。
細井《私もちょっと離れるよ。》
生駒「えっ!?何でやっ!?」
細井《お腹減ってるの!?怪獣が動き出したら直ぐに連絡して、それまで私も食事してたり色々と済ませておくから……》
そう言い彼女からの通信が切れる。
影浦「お前もゾエと帰れ。」
黒野「まっそうします。」
仁礼《私もちょっと手洗いだ!?》
黒野「……そこはお花を摘みに行きますにしなさい。
ちょっとガサツが過ぎるぞ。」
通信《……》
影浦「光の奴ならとっくに通信機を切ってるぞ。」
黒野はため息を吐き、北添が優しく肩を叩く。
黒野「……本部に戻ります。」
北添「隊長!?我々は一回本部に帰還します!?」
影浦「あぁ。」
影浦隊も北添と黒野を本部に帰還させる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
基地の司令室の扉が左右に開きムラマツ達は戻ってくる
サンダース「マッハビーストの整備を手伝って行きます。あっ、キャップ戻って来ましたか。」
エドランド「戦況はサンダースから詳しく聞いた。一の谷博士と岩本博士達も科学センターからこっちに来てくれた。」
テーブルにてサンダースからの中間報告書を見ながら言う。
ムラマツ「それは大変助かります。」
黒スーツを着用した岩本博士と白衣を着た一の谷博士が
合流した。
ムラマツ(ハヤタ隊員達を現場に残し、我々は怪獣撃退の策を練るべく本部に帰投した。)
ムラマツ「イデが持ち帰ったあのサンプルから何か分かっただろうか?」
アラシ「弱点さえ分かったら、この俺がやっつけてやるのに」
イデ「あのサンプルからどんな事実が発見されただろうか?」遂にセンターにいる知り合いから殆んど教えられず戻って来たイデ。
フジ「一の谷博士と岩本博士ならきっと何か手掛かりを見つけていてくれるわ。」
ロイド「期待し過ぎは良くないな。タルサー砲も今回は使用出来なかった。」
一の谷「皆の気持ちは、良く分かった。さて……我々のあのサンプルを調べた結果……岩本君。」
岩本「中々興味深い事実が幾つか見つかったよ。」
フジとイデは対怪獣用レーダーを見て、怪獣の様子を報告する
フジ「現在奥多摩付近に反応有り。特に活動は認められない…」
アラシは奥多摩で出会った女の子の事を思い出していた。
アラシ「あの子の事が心配だな……」
そんなアラシの肩をサコミズは軽く叩き言う。
サコミズ「心配するな。アラシ。向こうには剣持君もいるんだろ。なら大丈夫さ。」
アラシ「サコミズ。」
フジ「早く私達が何とかしないと……」
カイ「彼も同じマンションに逃げ遅れているから我々が必ず全員無事に助けないとな。」
アラシ「カイ隊員も……はい!?」
イデ「岩本博士、何かわかりましたか?」
一の谷「決起集会もその辺りにして宜しいかね?」
「「あっ、はい。」」
博士の言葉で全員はメインモニターを見る。
3Dで再現した怪獣の体皮のサンプルが画面に姿を表して
分析結果を報告する
岩本「怪獣の体表組織を分析した結果、その成分はヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活性ガスと呼ばれる元素の化合物です」
イデ「ヘリウム!その元素は自然界において結合しにくい元素じゃありませんか?」
一の谷「その通りだよ。生物の体組織では、理論上あり得ない物質だ。恐らくは、我々も知らない未知の宇宙線を一億年の間に吸収して、生物としての形態を作り上げたのだろうね。」
チャールズ「相も変わらず、怪獣は人間の常識や理解を越えた存在だな。あの怪獣……恐らく元々は亀の祖先か恐竜系統の爬虫類だったのに……人間が誕生するよりも遥か昔に宇宙線を浴び過ぎてあんな独自の生物に突然変異したんだろうね~~生物の法則真っ青だ。」
ロイド「お前の気持ちはわかったから落ち着け。」
チャールズを落ち着かせるロイド。
ロイド「問題はあの怪獣は倒せるか?……そうでしょう。」
周りに言い聞かせるようにロイド隊員は言う。
アラシ「でも奴さん。かなり硬い体皮で俺達の地上攻撃が平気そうだったぜ。」
ムラマツ「それで、あの怪獣に弱点はありますか?」
一の谷「現時点までのデータだけでは何ともはっきりした事は分からないね。」
アラシ「あの例のゴミ処理場も何か関係あるんじゃないでしょうか?」
途中でハヤタ隊員に鍾乳洞の話を聞いた事を思い出したアラシは怪獣とゴミ処理場の関係を口にする。
そしてイデもゴミ処理場の外で出会ったあの神主の話を思い出したのだ。
イデ「そうだ!?キャップ。亀石ですよ!?やっぱりあの亀石が怪獣を封じていたんですよ!?」
ロイド「それって、お前が聞いたって言う神主の言葉か?それこそ科学的な根拠のない発言じゃないか?」
ロイド隊員は、怪獣は生物、突然変異が基本の生物として捉える考え方の為、民俗学や土着神の類いは信用しないのだ。
イデ「でもその亀石が合った時には怪獣は地上には出て来ていなかったんだ。何かしらの影響を怪獣に与えていたんだよ。そうですよね。エドランド隊長?」
ロイド「偶然、冬眠中だっただけだろ?」
二人は二人なりの考えを口にして議論はヒートアップしそうになるも、
ジーン「落ち着いて二人とも、エドランド隊長とムラマツ隊長の考えも聞くべきよ」
ジーン隊員が二人を止める。
エドランド「……二人の意見は良くわかった。どう思う?ムラマツ。」
ムラマツも冷静に今回の怪獣案件のきっかけを考える。
ムラマツ「…………」
カイ「ムラマツ隊長。」
ムラマツ「うむ……ロイド隊員の考え方が平時としては普通の考えだ。」
ロイド「なぁ。」
ロイド隊員は冷静に答える。
ムラマツ「……だが我々は科学特別機動捜査隊…………『お化け屋敷』の名前も常識ではあり得ない怪奇案件を初め科学分析を基本にして対策を用意するも科学では説明つかない案件を解決するのも仕事だ。そしてその解決の糸口は時として逆転の発想力や普通では想像も付かない柔軟性が求められる。」
イデ「では……」
ムラマツ「うむ……可能性としてイデ隊員の意見も全て無視する物ではない。……充分考えられるな、よし、ゴミ処理場を作った建設業者を呼んでくれたまえ。」
サコミズ「了解。実は事前に三門市にもう連れて来てます。」ヘルメットに内蔵された通信機で建設業者の人を連れてくるように連絡するサコミズ。
ホシノ「体皮のサンプルの時と、焼却システムの横穴の鍾乳洞について色々と事情聴取すべきかと思いまして、基地に入れる為の手続きはもう済んでおります。」
アラシ「仕事が速いね~」
ホシノ「俺達の仕事は迅速に丁寧に正確にする事だからな。」
オッカナイ顔で答えるホシノチーフ。
その時、司令室の扉が左右に開き、白髪が生えた少し恰幅の言いグレーの高そうなスーツを着た年配の男性を連れてきた二人。
ジュリー「隊長。奥多摩建設の社長を連れてきました。」
ベック「お話をお願いしますね。」
奥多摩建設社長「部屋までの案内ありがとうございます。」
ムラマツ「どうぞ、椅子にお座り下さい。お話をお願い出来ますか?あのゴミ処理場の建設の時の神社を壊した時のお話を……」
相手を来客用の椅子に座らせてムラマツ隊長も椅子に座り机を間に向かい合う二人。
社長「私がゴミ処理場建設を担当した奥多摩建設の社長です。工事の際どうしようか迷って……結局、あの亀石はどかしてしまいました。それが、こんな結果になるとは……」
どうやら今回の事件に相当責任を感じているようだ。
話を話し初めてかなり顔色が悪い……脂汗もかいている。ハンカチで汗を拭きながらのもその時の話をする社長。
ムラマツ「やはりこの怪獣騒ぎとゴミ処理場には何か関係があるようだな。」
アラシは今回の事件のきっかけを作った建設会社の社長に怒りの声をぶつける。
アラシ「全くあの神主のじいさんの言った通りになってきたな。あんまり開発を連呼するのも考え物だな!?」
社長「仰る通りです……」
ホシノ「よさないか。アラシ隊員。彼を責めても何も解決はしない。少しは頭を冷まさないか。」
ホシノチーフが怒り爆発のアラシを止める。
イデ「何かと怪獣を地下に封じ込めて亀石で蓋をするって訳にはいかないかな?」
チャールズ「そのどかした亀石を見つけたら可能かも知れないけど、」
岩本「もっと細かくデータを分析して何とか弱点を見つけなくては……」
一の谷「鍾乳洞の内部は天然の冷蔵庫と同じくらい冷えていたのかね。」
イデ「えぇ。今日は結構暑い気温でしたけど鍾乳洞の中はその暑さが無くなるくらい冷えていたのですよ。」
フジ「こうしている間にも怪獣が暴れ出してないかしら」
社長「本当に申し訳ないです。……でも、私だって考えた末での事なんですから、その辺をわかって下さい。」
サコミズ「あのゴミ処理場が建設されてない頃は、住宅街の大量の集合住宅のゴミ捨てでゴミ処理場が足りない為、焼却が追い付かない案件が発生して市に苦情が殺到したらしい……」
イデ「だから住宅街からそんなに離れていない場所にあのゴミ処理場が建設されたのか……」
カイ「建設業者に罪はないよ。彼らも住民の必要な施設を建設しただけなんだから……」
ロイド「建設する土地の地下に怪獣がいるかいちいち調べないからな……」
チャールズ「只、そのせいで環境が劇的に変化して怪獣が活動出来る条件が整った……」
アラシ「やはり亀石をどかしたのか?」
怪獣を封じ込めていた亀石の場所さえ分かればあの怪獣を再び封じ込められるかも知れない。
イデ「神主の爺さんの言った事は本当だったんだ。」
岩本「とにかく話を聞いてみよう。」
ムラマツ「それで、神社の御神体の石はどうしました?」
皆は社長に亀石の行方を尋ねる。怪獣をどうにかするならその亀石は絶対に必要だ。所か返ってきた返事に彼らは衝撃を受ける
社長「え、石?あの石は廃棄物として処分したので、もうありません。」
「「………………」」
アラシ「なんてこった!?あんたら勝手な事をするもんだから、オレ達はこんな苦労をするんだぞ!?」
完全に怒り心頭になるアラシ。
ムラマツ「やめたまえ、アラシ君!?」
アラシ「だってキャップ!?大切な石を廃棄処分にしちまうなんて!?」
希望が見えた思っていたら只の絶望という結末だ。
チャールズ「イデ隊員……これがさっき出て来た怪獣の体温の分析結果。」分析結果のレポートをうなだれたイデに手渡すチャールズ隊員。
イデ「いや、今はそんな事より……うん?これは……」
その分析結果にイデは何かに気付く。
イデ「キャップ、怪獣の体温の分析結果から、あの怪獣は爬虫類の特徴をそのまま受け継いでいる事が分かりました。」
その発言に一同はイデの方向に顔を向ける。
ムラマツ「爬虫類の……?どういう事かね?」
一の谷「鍾乳洞の低温とサコミズの調査結果と現在の怪獣の体温分析から我々は怪獣は冬眠していた事を気付いたのだ。」
イデ「あの怪獣は夜に活動を停止したのは……」
「「…………」」
イデ「寒さに弱いんですよ。僕が思うに、あの寒い鍾乳洞……そして……あの亀石が封印としてあの鍾乳洞を外気から守ってきたんです。ですから中は低温のまま永い間保たれてきた。しかし、ある日封印が解かれた!」
イデの考えを聞いていたムラマツ達もここまで言われたら流石に気付く。
ムラマツ「外気に触れ、動きが活発になってきた所を更にゴミの焼却作業で温められ暴れ出したと……そういう訳か」
イデ「ご名答!!」
嬉しそうに答えるイデ。
ホシノ「寒さか……エドランド隊長。」
エドランド「あぁ。直ちに各戦闘機に液体窒素弾の用意を、」
ロイド「了解!?」
イデ「よォし、これで何とかなるかも知れないぞ」
フジ「寒さに弱いってことが分かれば、あの怪獣をやっつけるのも可能ね。」
岩本「確かにイデ隊員の考えは、データからも裏付けられるな。」
ムラマツ「より、それでは冷凍作戦を実施する。冷凍弾で怪獣の動きを封じ込め、剣持達を救助した後、河原に誘導して液体窒素弾を持って完全に凍結させる。彼ら彼女らの命が懸かっている。各員の健闘を祈る!?」
社長以外の全員は立ち上がり、戦闘ジャケットを着用して万能ヘルメットを被り
「「了解!?」」
と高らか答えるのだ……
イデ「背中にビルを背負った亀だから~、ビルガメラーか?」
こんな場合でも陽気でマイペースなイデ隊員は勝手に怪獣の名称を付けていた。
アラシ「剣持達の救助は私にやらせて下さい。」
サコミズ「俺達も手伝わせて貰うぜ。アラシ。」
カイ「剣持君達も全員無事に必ず助けよう……」
ムラマツ「うむ。頼んだぞ。フジ君はハヤタ君に連絡を」
フジ「了解!?」
黒野「ちょっと待った!?」
扉が左右に開き慌てた黒野賢人が司令室に入ってくる。
ムラマツ「黒野隊員!?どうしたんだ?怪獣に何か変化が?」
黒野「剣持達を救助しに行くんですよね?」
アラシ「勿論だ!?」
黒野「…………それならついでに完成した……例の奴の試運転もしませんか?」
黒野の嬉しそうな笑みに一の谷博士は気付く。
一の谷「完成したのかね?アレが……」
黒野「……えぇ。乗員は既に各部暑に配置させました。大型格納庫に急ぎましょう。」
ムラマツ「博士、アレとは……」
一の谷「そうか……わかった……皆、移動しながら説明する。我々に心強い味方が完成したぞ。」
アラシ「黒野は何の話をしているんだ?
岩本「……一つ言えるのは、数分後……我々はビックリする事が確かだと言う事だ……」
御手洗「さて漸く完成したか。」
鹿野「これで後、数隻……データが取れれば今後の怪獣対策により有利になりますね。」
格納庫の仮説休憩所の窓から二人は大型格納庫に待機してあるソレを見上げる。
巨大ロボットの移動に
大型格納庫に静かに鎮座する巨大な戦艦の形をした浮島が起動する刻を待っていた。
戦艦を一隻開発出来るスペースがある南の珊瑚礁地下基地からここまで時間を掛けて細かくパーツを分けて輸送してこの基地で組み立て直した甲斐はあった。
御手洗「ヒョーコリ・ドン・ガバ。」
名前ヒョーコリ・ドン・ガバ
種別 浮島型戦闘戦艦
開発 南の珊瑚礁地下基地
長距離航行を目的に作られた戦闘戦艦。
内部は地上と変わらぬ生活が出来るようにミクロ化した巨大都市(?)が作られており、同じく10億人市民を収納して旅をする事が出来る。
鹿野「戦艦は戦艦でも長距離航行を目的ですか武装は、期待しないで下さいよ。」
御手洗「仕方ない……輸送や市民の救出を前提に開発したのだから……」
鹿野「コーヒーは?」コーヒーサーバーに金属製のコップを持って鹿野博士は言う。
御手洗「貰うよ。」
戦艦の整備員達は差し入れの『プッチントマト』でビタミンを回復させていた
プッチントマト 品目 健康野菜
少し頭が切れかかっているトマトで、実がまだ青い時に表面に浮き出ている道管を切ろうとすると、実が突然赤くなり「プッチン」と音がする事から名前がついた。
御手洗「あぁ。鹿野博士。コーヒーはインスタントで頼むよ。」
鹿野「了解。」
鹿野はインスタントコーヒーを作る為のお湯を沸かせながら御手洗に聞く。
鹿野「御手洗博士は剣持の事どう思いますか?」
御手洗「夢想君かね?そうだな~~彼には何か普通の人とは明確に違う一面を持っているね。」
御手洗博士なりに剣持夢想の人柄を考えて答える。
御手洗「でも私には……彼は何処にでもいる心優しい好青年に見えるよ。」
鹿野「まっ、俺もそう思いますよ。色々と秘密を持っているみたいだけど……」
研究者故に観察力が高い両者。
御手洗「彼が自然と秘密を話すまで我々は待って居れば良い……」
鹿野「……違いませんね。はいコーヒーが出来上がりましたよ。」
鹿野博士もなんだかんだ剣持の事を信用しているのだ。
御手洗「ありがとう。」
湯気が出るインスタントコーヒーを受け取り、
御手洗「後はムラマツ隊長達に任せよう。」
鹿野「俺達の仕事は一旦休憩で…………無事でいろよ。剣持。」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
怪獣が四足歩行のまま動きが停止した事に気付いた剣持達は早速、鍋の準備をする。ちゃぶ台を真ん中に置き、
カセットコンロを準備して、スルメイカ男の冷蔵庫から
料理の材料と調理器具を借りて、暫くすると
西川の部屋にて剣持は土鍋の蓋を素手で開け鍋の中から湯気が立ち込めた。
志岐「おぉう~~」食欲をそそる味噌煮込みの香りが部屋に広がる。
「具沢山味噌煮込みうどんの完成だ。」
里穂「美味しそう!?」女の子も嬉しそうにはしゃぐ。
染井「……頂きます。」
スルメイカ男「自炊出来るんだお前……」驚くスルメイカ男。
「家の去年までは当番制だったんだ。今は一人だから自炊が経済的にも栄養的にも心がけているんだ。」
無表情で剣持は答える。
志岐「滅茶苦茶オシャレな料理も作れるよね。」
ドヤ顔で言う志岐さん。
「材料とレシピで作れるので作っただけだ。」
志岐「でも前、のだめカンタービレの魔法のマカロニパスタを作ってくれたじゃん。」
「あれこそ余った手作りクリームソースを使う料理で、処理に困っていたんだから……」
染井は普段表情が少ないがこの時は驚愕の表情で二人を見ていた。
自炊出来ないと思っていた友達とその友達の手料理を食べた知り合いに……
「何か失礼な事考えていないか?」
染井「……少しだけ驚いただけです。」
西川「煮卵はもらった!?」
染井「……蒟蒻を貰うわね。」
「がんもどきやちくわも食べろよ。じゃがいもも、」
鍋の皆で囲み食べたい具材を割り箸やお玉で取る。
味噌煮込みうどんの麺を食べる剣持。
スルメイカ男「肉団子は俺のだ!?」
「子供や女性達が優先だ。」
肉団子をかっさろうとするスルメイカ男を止める剣持。
スルメイカ男「わかったよ。」
スルメイカ男「今は一人って、お前の両親は単身赴任でもしているのか?」
スルメイカ男は何気なく剣持に聞く
染井「あっ、」
西川「それは……」
染井達も流石にその話題は不味いと思い止めようとするが、
「まっ、ここからずっと……遠い場所にいるってだけは言っておくよ。ほれ。肉団子。」
スルメイカ男「おっ、サンキュー。」
お玉で汁と一緒に肉団子をスルメイカ男のお椀に入れる
剣持。
「…………俺だけを三門市に残して……いっそ俺も連れてくれれば良かったのに……」
煮卵を割り箸で割ってうどんと一緒に食べる剣持。
その去来する物は剣持だけしか分からない。
スルメイカ男「お前も苦労しているんだな。」
「家族のありがたさは、一人で暮らしてひしひしと感じているよ。」
染井「…………」
大規模侵攻で家族を亡くした染井は剣持の今の境遇が痛い程わかる。自分の帰る場所に温かい家族のおかえりなさいのない生活は慣れるようで慣れる筈がない。
染井自身……今も両親が恋しい時があるから……
里穂「食べないの?」
隣の女の子が考えていた私の感傷を止める
染井「あっ、食べます。」
志岐「にしても両親に無許可で無断外泊してしまった。」
「後で電話しろよ。」
志岐「わかってるよ。皆、口裏合わせてよね。」
スルメイカ男、西川「えっ!?」
「……二人はいいよ。説明しても訳が分からないから、」
志岐「このおぅでん。美味しい。」
「おでんとうどんのハイブリッドな変な名前を付けるな。」
染井「……仲が……良いのね……二人とも」
自分と話をしていた時より無表情なのに会話が弾んでいる剣持を見ていた。二人の距離感が素直に羨ましい
里穂「お姉さん。お姉さん。」
染井「あら、どうしたの?」
女の子が染井さんの近くに座り染井の両手を見る。
里穂「お姉さんは、どうして食事の時に手袋をしているの?」
染井「あっ……!?」
志岐「お行儀が悪いですよ。ほらっその手袋なんて取っちゃいましょう。」
志岐も染井に近づき染井華が着けている手袋を取ろうとする、
志岐も女の子も染井が手袋を着けている理由を知らないから本人達に悪気はない。
しかし、本人の許可もなく着けている手袋を取ろうとする志岐は自分が何をしているか気付いていない。
染井「……やめ「……やめろ。志岐さん。」っ!!?」
まさかの剣持の言葉に志岐と女の子と染井の動きは止まり、
志岐「えっ、でも……」
「……染井さんが普段手袋を着けているにはソレ相応な理由があるんだ……それにここはマナーにうるさいレストランとかじゃないんだ。……染井さんの好きにさせて上げてくれ。」
志岐「剣持君が言うならわかったよ。」
志岐と女の子は自分の座る所に戻る。反省した女の子は染井に向かって謝りの言葉を言うのだ。
里穂「ごめんなさい。」
染井「良いのよ……気にしないで……」
食事を再開する一同。そんな中染井は無意識に剣持の方を見よう顔を向けるも、当の本人は違う方向を見ていて
……
染井「……」さっきのお礼の気持ちと言葉を伝えようとしたら当人が一度も視線を合わせてくれなくてしょんぼりした気持ちになる染井華。鍋の湯気で眼鏡が曇りその憂いのある表情は誰にも気付かれずどんよりとなる。
「…………」
剣持は無言で窓の方を見て……
「……明日で全てケリが着くな……」
志岐「何かわかったの?」
「ウチの職場の緒先輩達を信じている……それだけだよ。」
志岐「でも駄目だったら?」
剣持は志岐の質問に少し考えて
「そんときはあの真面目共の光の守護者達の出番だろ?
」
染井「光の守護者?」
ボーダーの事?いえなら彼はボーダーって言う筈だ。
……じゃあ何を指した言葉?
志岐「誰?ボーダー?」
彼女も知らないみたいだ。
「俺と決して相容れない真面目共だ。今はあちこちで動き回ってこっちに気付く確率は……ないな。」
志岐「ないの!?助けに来るとか!?」
「アイツらに借りを作りたくないんだ。理由を付けて何を要求されるか……」
二人が何について会話をしているか分からない。
でも……私の知りたい剣持君の秘密に関係している言葉と内容なのかも知れない。
染井も窓の方を見る70㍍の高さからの景色は其ほど悪くない。同じ高さの建物がないのも理由なのかも知れない。
染井「?」
同じ高さの建物がない……だからこそ紫色に光る……紫に激しく燃える炎の鳥が見えたのは目の錯覚と思いたい。
「!!!?」
(この特徴的な激しい攻撃的な気配は!?)
剣持は突然立ち上がる。
志岐「どうしたの!?剣持君。」
剣持はベランダの方に走り外の景色を見る。そして両目を閉じて超能力のテレパシーを使う
(俺のテレパシーが聞こえるか……)
剣持は意識を集中させ周囲にテレパシーを放出する。
イノセンスマンCV堀秀行(…………聞こえるぞ。漸く見つけたぞ。)
銀河連邦の知り合いの先輩達の中で最強の男。
その強さは宇宙でも幾千の修羅場に鍛え上げられ自他共に認められた最強の戦士…………銀河連邦にその名前はありと言われた戦士。
馴れ合いを好まない一匹狼の気質は持っているが、やはり付き合いの長い先輩との再会は嬉しい……
(……つもる話は三門市で到着したら聞きましょう。脱走した事についても……)
イノセンスマン(わかった……こっちもこんな辺境のド田舎のド田舎に逃亡した話をするよ。あの黒き星の勇者の気配も強くなっているし……野郎、来るぞ。ブラックワン。)
(ハリケーンマスク先輩とプリズムファイター先輩とフレイム仮面もブラックワンを追って向かっているようですよ。)
イノセンスマン(ほぉう~~。)
嬉しそうな声が脳内に聞こえてきた。
イノセンスマン(この星に来てから色々とお前の活躍を見ていたが、随分とらしくない戦い方をするようになったな……あれではまるでM78星雲人の戦い方だぞ。)
(…………)
イノセンスマン(それでは奴らに勝てないぞ……ではまた三門市で……)
テレパシーが消えイノセンスマンが移動した事を知る。
染井「剣持君?」
「…………」
無言で剣持はちゃぶ台の方に戻って鍋を食べる。
スルメイカ男「何か怪獣に異常でも見つかったのか?」
「……普段見ない景色を堪能していた。……それだけですよ。」
志岐「……」
志岐はそんな剣持の様子に違和感を覚えていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
アイドル「ほい。レトルトカレーの完成だよ。」
生駒「ありがとうございます。」
動きを止めた怪獣の周りにテントが張られてレトルトカレーを準備して怪獣を見張るボーダーや『お化け屋敷』のメンバー達、トリガーをオフにして晩御飯を食べる。
太刀川「剣持達も飯食べているかな?」
カンフー「メールで皆で鍋食べてますって写真付きで来たぞ。」
生駒「良いな~~鍋パーティーかよ。」
スマホにドアップのスルメイカ男に……
影浦「こいつは誰だ?何で鍋パーティーに着ぐるみ何か着てるんだ?」
小荒井「にしても間抜けそうな着ぐるみだ。ご当地マスコットの脇役ポジションかな?」
奥寺「スルメイカのマスコットキャラクターなんて聞いた事ないよ。」
南沢「カレー旨い。」
生駒達は思い思いに晩御飯を食べていた。
東「分かりました。皆に伝えます。」
東が本部にいる城戸司令に怪獣の活動停止を連絡してから一時間……
太刀川「どうした?東さん。」
東「怪獣の弱点と逃げ遅れた民間人達救助方法が決まったぞ。」
生駒「なんやて?それ本当か?」
怪獣の弱点と聞いて攻撃手達は集まる。
奥寺「説明をお願いします。隊長。」
東は自分の部隊の隊員と残ったAB合同部隊の顔を見て答える。
東「まずあの怪獣は爬虫類の性質をそのまま受け継いた怪獣で外見も亀に近いのもその系統の名残らしい。」
太刀川「確かに……ガメラっぽい。」
東「爬虫類は基本外部からの熱エネルギーを利用して体温を上げる。」
小荒井「爬虫類や両生類の平温動物と哺乳類の恒温動物の奴ですね。」
東「最近はその二つも使われない言葉だがまぁっそうだ。」
奥寺「ヤマアカガエルやニホンアカガエルは冬に卵を産むってテレビで見た事あります。」
太刀川「……寒さに弱いのか?あの亀怪獣。」太刀川も何が言いたいか薄々わかってきたようだ。
東「冷凍弾や液体窒素弾で怪獣の動きを止めて、」
太刀川「その動きを止めている間に、」
東「『お化け屋敷』のアラシ隊員達が救出する流れらしい……」
影浦「怪獣だって馬鹿じゃないぜ。そんな簡単に上手く行くのか?」
東「カゲの言いたい事も分かる。向こうも必死になって抵抗するだろう。」
東隊長の明日の作戦の話を聞いた大型兵器のパイロット達は……
カンフー「軟鉄装甲兵の出番かもな……」
アイドル「ガーディアンAがあったら……」
頼りの主力は改修していて、
ハカセ「ブツブツブツブツブツブツブツブツ……」
ハカセ隊員はテントの中で何やら
リリアン「それじゃ~~宜しくね。ダイアナ。ハンサム。」
ダイアナ《わかったですわ。では明日。》
リリアンは一人電話を終えて戻り、カンフー達がいる所に戻る。
カンフー「ダイアナ達と何話していたんだ?」
リリアンはおっとりした顔で言う。
リリアン「弐式八分九厘さんと怪獣さんが戦えるように手配してもらったのです~」
カンフー、アイドル「えっ?」
リリアンは簡易テーブルに奥多摩ニュータウンの地図を広げて言う。
リリアン「怪獣さんは動きを止めれば良いのですけど、多分簡単にはカチンコチンにはなりません。だから一の谷博士とムラマツ隊長達に連絡して待機させてある弐式さんを起動させて怪獣さんの動きを物理的止めて貰います。」
アイドル「いつの間に……」
普段おっとりした人なのに……こういう時は頼りになる私達のまとめ役。
リリアン「明日は二人のどちらがロボットの操縦を任せて貰います。」
アイドル「了解!?」
カンフー「おい!?狡いぞ!?俺だって復帰戦をしたいのに……」
アイドル「怪獣を倒すのでは無くて動きを押さえて止めるのが重要なのよ。」
カンフー「……」
アイドル「人の命が懸かっているのに正義感の熱血漢のあんたは必ず、怪獣を前にして攻撃しないって言いきれる?」
カンフー「あっ……それは……」
カンフーも気付く。
アイドル「もし弐式の軽い攻撃で怪獣が運悪く横転なんかして背中のマンションが倒壊したなら私達が剣持君達を殺した事になるのよ。だとしたら……それは攻撃した私達の責任よ。」
そう今回は怪獣を倒す為に弐式が出動するのではない。
皆を助ける時間を1分でも稼ぐ為に立ち上がり怪獣に挑むのだ。
あのマンションに逃げ遅れた皆の命を守る為に……
カンフーは怪獣の背中に見えるマンションを見るそして……
カンフー「任せたぞ。アイドル。」
今回は補佐に回る事にしたカンフー。
リリアン「……アイドル。明日はお願いできる。」
アイドル「了解。…………さっきは言い過ぎた。ゴメンカンフー。」
カンフーに謝るアイドル隊員。
カンフー「いや、俺の方こそ前の怪獣に負けた悔しさを仕事に持ち込もうとした。もし明日操縦していたら、取り返しがつかない事になっていたよ……」
互いの非を認めて謝る二人を見て安心したようにリリアンは手を叩き、
リリアン「さて、仲直りも完了したら明日に備えて休みましょう~~お星様も良く見える良い夜ですね。」
カンフー、アイドル「確かに……」
三人は夜空に輝く星空を見ていた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM 愛すべきもの 〕
奥多摩ニュータウン夜22:00
西川さんの部屋
スルメイカ男「ZzzZZZZzz」
西川「もう~~化石がいっぱいで幸せだよ~~」すやすや……
食事を終えて皆は借りた布団やらで剣持が持ってきた寝袋やらで静かに寝ている夜の時間。
「……………………黒き星の勇者が……何故こんな辺境に向かっているんだ?何故だ?」
剣持は一人ベランダで星を眺めていた。ふと背後からの気配を感じて、後ろを振り向く事なく言う。
「眠った方が良いぞ。明日はとんでもない戦いが始まりそうだ。見張りは心配せずとも任せてくれ。」
染井「……剣持君……」
その声に剣持はゆっくりと振り向く。
「…………」
染井「……私も星空を見て良い?」
だが剣持は直ぐに視線を星空に戻して、
「……見たいなら勝手に見れば良い……」
染井「…………えぇ。」
彼女は剣持の隣に座り星空を一緒に見上げる。
「……何が見える?」
互いに顔を向き合わず剣持は染井に聞く
染井「……夜空に満点に輝く綺羅星が……」
「……随分と詩的な表現だな……寒くはないか?」
今夜は少しマンションの高さもあって冷たい風が吹く中で聞く。
染井「大丈夫よ。……それよりも星に興味があるの?」
染井は剣持に聞く。
「……何時も三門市で見ているし奥多摩ニュータウンから見た星もまた美しいと思っただけだ……」
染井「……私は貴方の事が分からない……」
横にいる友達は幼なじみで親友程ではないけど色々と結構解り合えた友達だと思っている……
「……無理に知る必要はない。遠くで見たら夜空に輝く星も間近でみたら只のクレーターの岩ばかりの星だ。」
でもそう思っていただけで、私自身、たまに年不相応に達観しているだのドライだの言われた事もあるけど……
横にいるその友達は、私以上に達観している。年不相応の……いいえ。何か、言葉で説明するのも難しいけど、
染井「…………それでも人は星の形や色を知りたい物よ。」
私は……前の剣持君と……今の剣持君の差を……今も見比べてしまう。あの雨の日の葉子と離れた剣持君の泣いた顔を……感情が死んだ機械のような能面の剣持君……入院した時の私を見て怯えた顔をした剣持君。
「知って後悔するもある。」
私は一体、剣持君の何を知れば、前みたいに……あの頃みたいに……戻れるの?それとも……諦められるの……
染井「……知らない事が……幸せって言いたいの?」
私は……葉子も……只……剣持君の本心が知りたいだけ!?
「熾烈な戦いに誰かを巻き込まれないようにする最善の方法は…………」
染井「…………」
「ソイツとの縁や関係を全て断ち、絶対に関わらないように意識する事だ……香取さんのようにな。それで自分と自分の周りは守れるから…………」
これ程寂しい言葉が彼の口から言われる事があろうか、
まるで葉子の選んだ行動が正しいとビンタされて酷い言葉を言われた本人が肯定する事実に……染井は何故葉子も悪いと剣持が言わないのかわからない。あんな目にあって苦言や文句の一言を言っても罰は当たらない筈なのに……そんなの……余りにも……剣持君が……
染井「………………」
剣持の口から出てくる言葉は、意味がある言葉かも知れない。でも…………彼なりに真剣に考えた答えなのかも知れない……それでも……それでも……あんまりじゃない。
染井「……とても寂しいわね。」
人は一人だけでは生きてはいけない……愛する両親が亡くしたからこそ周りの……自分じゃない誰かの存在が、
私を……私自身に……何者でもない只の染井華で居させてくれる
「……今回のこの事態も俺が二人をこのマンションまで連れてきてしまったから巻き込んだ。そこらの喫茶店で休憩していれば二人を危険な目に合わせなかった………今頃、仲間達や友人達も二人を心配しているだろうに……」
染井「……選んだのは、私自身の意志。起きてしまった事を悔やむより、どうこの事態を乗り超える事を考えた方が遥かにマシよ……」
「…………そうか…………」
互いに暫く無言になるこの時間は二人はそれほど嫌いではなかった……
染井「私は……」
「………………」
染井「……家族が亡くした時、何処で自由になれたって安心してしまった事がある。……我ながら勝手よね。」
「厳しい父親だったからなぁ……」
剣持は染井さんの父親を思い出す……
染井「だけど今は、家族がどんなに望んでも会えない場所に逝ってしまったわ……」
「…………」
染井「それが今はとても寂しいわ……」
「……俺達は、何時かは命を終える存在だ……それはこの星だけじゃない……近界民の世界も変わらない……、
命ある物は何時かは消える……この宇宙の……全ての真理だ……」
染井「貴方は自分の命を大切にしている?」
この質問はある意味確認だ。自分の命に関心があるか、ほとんどの人間ならあると答える。
「…………雑に使っているつもりだ。命は所詮早いか遅いかの違いだ。」
淡々と答える剣持事レッドマン。
染井「…………悲しむ人がいるわ。貴方の近くで……」
思っていた想像以上に死生感が不安定だ。まるで自分が
いなくても良いと言っているのと同じじゃない。
「悲しむか…………良く分からないんだ。最近……」
染井「えっ?」
互いに向き合わずに星空を眺めながら聞く染井。
「目的の近道になるゆえに自分なりに知ろうとして関わる道を選んで……それなりに経験を得ているのに……わかった事は……」
染井「わかった事は?」
「良く分からない………わかったのはそれだけだ。」
染井「矛盾ね。」
「違いない。」
染井「私は今の貴方の気持ちや心を知りたいけど……多分今だけだと分からないとしか言えないわ。自分で納得する答えがないのも正解なのかも……」
「真実は誰の味方でも敵でもない……只そこにあるだけで周りが自分勝手の解釈をするものだ。」
染井「それでも家族の分まで生きる義務は私達はあると思っているわ。」
「………………そうなのかな……」
剣持はそう答えて星を見る。
染井「……どうして怪獣がいるのかしら?」
「ここの地底に元々住んでいてその上にマンションが……街が出来たから……」
染井「そうじゃなくて……」
「?」
染井「この世界にどうして怪獣と言う存在がいるって話。」
「そうだな…………個人的に答えても良いかい。」
染井「お願い。」
「何処かで……皆怪獣を望んでいるのかもな。」
染井「非日常を望むって話?」
「自分の取り巻く環境を変える切っ掛けの一つ……縛る檻を破壊する存在……日常に変化を与えてくれる概念を超えた理解出来ない物達…………皆、頭の何処かで考えているのかも……嫌い奴や嫌な人達が不幸になれば良いって……」
染井「……贅沢過ぎる悩みね。周りは大迷惑、」
「怪獣を只の生き物として見るなら冷凍怪獣やら三門市に現れたイポポなんか生物の常識と摂理すら反しているよ。」
染井「体重が万㌧の生き物が自重で死なないのも可笑しな話ね。」
「怪獣学とか専門的な分野も生まれるくらいだ。」
染井「……この怪獣も殺すのかしら……ゴルドキングみたいに……」
「今の地球に怪獣の居場所はない…………人間が70億
人いる地球は怪獣は只の熊や猿みたいな害獣扱いだ。」
染井「貴方は怪獣を殺す事が楽しい?」
「楽しくない。楽しい物になる筈がない。」
剣持は星空を見るのを辞めて手に持った書類を見る。
染井「それは……」
「父さんの仕事の資料の一つ。…………父さんは俺の想像したよりコッチの世界に足を踏み入れていたのかも知れない……」
〔飛竜伝説ラプトロス〕
〔古代生物の突然変異か?氷の中にいた怪物?〕
〔古代中国の森に伝えられる守護獣伝説〕
〔人間と同等の知性を持つ数億年前の先住民の遺跡の記録……昆虫が進化した昆虫人か?〕
〔謎の地底の建造物。〕
資料をめくり剣持は見る。父親の仕事の様子を……自分の知らない父さんの一面を知る為に……
「……巻き込んでゴメン。」
染井(えっ、)横から聞こえた同じ声……なのに酷く久しぶりに感じて、私は戸惑いを覚えた。
染井「あっ、気にしてないわ……私達友達でしょ。」
咄嗟に余り言わない返事をして……私は確信した。
「…………必ず、皆を無事に大切な人達の所に帰すから……誓っても良いから。」
染井(……剣持君だ。この剣持君は、私が知っている剣持君だ。…………どうなってるの……)
無表情ではない真剣な表情で剣持は答える。落ち着いた性格で表情も余り出さない染井は内心戸惑っていた
さっきも剣持君で今私の横にいるのも剣持君……あの頃の私が良く知っている剣持君が隣にいる。
染井「なら、今度は……二人っきりでもっと前みたいに、親しい会話がしたいわ。例えば……そうね……綺麗な夕陽が見える場所で他愛ない世間話でも……」
もしこの剣持君が私の知っているのと同じなら、聞きたい事が沢山ある。
「それは……」
剣持の表情は暗くなる。
染井「……流石に今はまだ直ぐに無理でも構わないから……それじゃあ、お休みなさい。」
だから……いつか……心の準備が出来るまで待っているから。
「お休み……」
そう言い彼女は布団がある所に戻っていった。
染井(……黒き星の勇者……光の守護者……この二つ意味はまだわからないけど……今の貴方が口に出すって事は、そう遠くない内に……何かが起きるのよね……それに辺境って言葉、この場所は一応日本の東京の区の一つに含まれるから……この場所を表す意味の言葉じゃない……夢想君?貴方は何を知っているの?貴方は…………何者なの?)
染井は染井で少しずつでも真実を知る為、情報を集める……
染井(剣持君が、あの日ヒマラヤに行き戻って来てから世界中に謎の怪獣達とレッドマンが現れた……………世界中に観測されたあの原因不明の緑色のオーロラも謎の怪獣達やレッドマンと関係あるの?)
わからない事ばかりだ…………だがその課題が難しい程取り組みがいがある物だ……そう、私は今、かつてない程やる気に満ちている……何より、今日一瞬に会話と行動してわかった事は……私も葉子も知っている剣持君は確かにいると……それだけでもわかったのは……素直に嬉しい……
(…………俺にそんな資格があるのか……剣持夢想の命を奪った俺に……)
(香取さんや染井さんと仲直りする資格が僕にあるのか……街を壊し……只の生きた人間ですらない僕に……)
((皆の友達でいる資格が……))
香取さんと染井さんの性格を知っているけど…………
もう何もかも遅すぎる……
染井「……私はあの日、葉子を助けるのを諦めなかった……だから……諦めないで……」
俺の気持ちを分かっていたのか……彼女はその言葉を俺達に言う。
(……諦めないなら……届くのか……)
剣持はゆっくりと父さんの資料を……父さんが書いた文字を黙読しながら読む。
その夜は剣持は見張りに徹して一睡も寝ずの番をした。
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早朝…夜明け前の時間
「皆、悪いけど起きてくれ……」
志岐「何~~まだ午前の4時だよ~~」
寝袋にくるまる志岐は何時も時間よりずっと速い朝を起こされるのを疑問を感じる。
「怪獣が朝日の浴びて活動再開する前に起きるんだよ。」
スルメイカ男「良く寝た~~はぁ~~」
西川「あれ?剣持教授は?」
「何寝ぼけているんですか?怪獣が暴れる前に起きて下さいよ。」
剣持は周りの人を揺すって起こす。
染井「おはよう……」
「おはようございます。」
染井「…………剣持君、ちゃんと睡眠とった?」
剣持の顔を見て呆れた口調で染井は言う。
「見張りの番だから寝てないぞ。」
志岐「えっ!?剣持君寝てないの!?」
驚きの表情をする志岐。
「怪獣の背中で睡眠する度胸がないだけだ……」
志岐「ええぇぇ~~」
怪獣の背中で鍋パーティーをしてご飯を食べた人の発言とは思えない発言だ。
里穂「朝ご飯は?」
「目玉焼きと菓子パンだよ。」
鍋で焼いた目玉焼きを紙皿に載せて、皆に用意する。
その時、剣持のスマホが鳴り、
「失礼……もしもし。」
城戸《おはよう。剣持君。》
「城戸司令。おはようございます。」
城戸《そちらからの怪獣の様子は?》
「まだ活動前です。………………本題ですけど民間人達の救出準備は出来ましたか?」
城戸《あぁ。……救出作戦の方法が決まった……》
剣持は西川さんの部屋の外に出てその作戦の内容を聞いた……
城戸《…………と言う訳だ。》
「大スペクタクルな作戦ですね。今回の出来事をモチーフに映画が出来そうですね。『お化け屋敷』らしいけど……」
(映画なら怪獣が後二匹くらいいるけど……)
城戸《皆を宜しく頼むよ……》
「早く助けに来て下さいね……」
そう言い連絡は終わり剣持は皆がいる広間に戻り、
志岐「本部から電話?」
「俺達を助けるのと怪獣を何とかする方法がわかったって……」
西川「助かるのか?」安心した表情をする西川さん。
「怪獣の動きを封じ込めてその間に救助部隊が俺達を救助する流れです。」
剣持達は朝食を食べて……作戦が決行されるのを待つ。
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三門市の外れにある大型格納庫と小型格納庫がそれぞれのシークレットルート72で移動してマッハビースト2号機を滑走路から出動させる。
ロイド「さぁ、行こうぜ。チャールズ。」
チャールズ「おうよ。」
二人が操縦するマッハビースト2号機には、冷凍弾や液体窒素弾をふんだんに搭載させた。
チャールズ「ここまで冷凍弾を搭載していると相手が灼熱の怪獣相手かと誤解しちまうぜ!?」
ロイド「……何故か出現する怪獣の多くは口から火を吐く個体が多いのも謎だ?」
滑走路を利用してマッハビースト2号機は颯爽と空を飛ぶ。
目的地の奥多摩ニュータウンを目指して……
そして大型格納庫から新型の空中戦艦が浮上……
同じく奥多摩ニュータウンに目指すのだ。
艦長を任せた沖本「光学迷彩システムを起動。」
キム「光学迷彩システムを起動。」
空中戦艦は周囲の景色と一体化して前進する。
サンダース「各計器に異常はありません。」
黒野「待ってろよ……皆……」
東京の極東科学研究所には……ハヤタ隊員が3時間の仮眠から目を覚まし手早くメイプル味のカロリーメイトと牛乳で朝食を食べながら……戦闘ジャケット服に着替える
整備員「ハヤタさん。マッハビーストの燃料補給並びに整備完了致しました。いつでも飛べます。」
ハヤタ「ありがとうございます。」
屋外に待機させたマッハビーストに乗り込む。計器チェックを素早く確認してハヤタも奥多摩ニュータウンに向かう。
三門市の『お化け屋敷』の秘密基地では大型格納庫から輸送車に運び込まれ空を飛ぶ大型ロボット用輸送機六機に輸送される軟鉄装甲兵の弐式八分九厘。
真琴「…………剣持君……志岐ちゃん。」
黒野の屋敷の窓から浮上して空に浮かぶ弐式を見て真琴は心配の声を出す。
セバス「真琴お嬢様……」
真琴「……大丈夫だから……」
近くのテレビには怪獣……真琴はまたマニアックなウルトラ怪獣が出現したと思いながらビルガメラーを見る。
真琴(PC-9800のフロッピーディスクのウルトラマンのゲームの硬態怪獣だね。面白い分類の怪獣で記憶にある。)マンションの大きさと比較できる珍しい怪獣だ。これと似た怪獣やヤドカリンとかの一部のみ……
真琴は剣持君を信じて待つ事にする。心配しても始まらない……皆の無事を願っていよう。
出動する様子を一目見ようとする三門市の住民にボーダーの人達……その中には那須隊や香取隊の姿もあった。
那須の部屋の窓から空中輸送される弐式を見て那須は素直に志岐達の安否を祈る。
那須「皆……無事でありますように……」
日浦「隊長……」
熊谷「玲……」
河川敷にて、
香取「……華。こんなのがお別れなんて許さないわよ……」険しい……だがそれだけではない複雑な気持ちを顔に出しながら彼女は、見守る。
三浦「葉子ちゃん。」
若村「華さん……」
それぞれの思いを軟鉄装甲兵に託して見守るのだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「『ビルガメラー』の背中のマンションに取り残された剣持達を救出するため、我々はビーストを使い冷凍弾で怪獣の動きを止める。アラシ隊員達は地上から接近し、
怪獣の動きが止まったら速やかに少女達を救出してくれ」
そして数時間が経過して朝の太陽の光が奥多摩ニュータウンの街を照らす……全ての生命の照らす太陽の光は硬態怪獣ビルガメラーの全身を照らしビルガメラーの体温を上げさせて行く。
怪獣は緑の瞼を開き両の瞳無しの黄色の目で世界に見つめる。
口を軽く動かすも身体は一切動いていない。
その位置から離れた怪獣の東側のビルの屋上にて
本部から戻ってきたメンバーと共に怪獣の様子を見る。
東《こちら東。有害巨大生物コードネーム通称『ビルガメラー』は太陽の光を浴びて体温の上昇を確認。まだ活動はしていない。》
黒野《こちら黒野。トカゲの一部では日光浴をして熱を身体に溜めてから活動を始める個体がいるよ。》
生駒《こちらイコ。敵は身体が滅茶苦茶大きい亀だからな~~活動するにも時間が掛かるのかもな。》
東《ならこっちの冷凍作戦と救助作戦の最終確認は出来そうだな。太刀川、問題は……》
太刀川「テレビ局の連中が野次馬根性で邪魔しない事かな……」
出水「怪獣と『お化け屋敷』との戦闘をたまに生で中継する人達は現れるよね。」
国近《良い迷惑だよ~~》
太刀川達は野次馬の話をする中、生駒隊の隊員と東隊の隊員達は怪獣を双眼鏡で様子を観察しながら各々好き勝手な発言をする……
小荒井《…野郎。日光浴なんてしているな。》
奥寺《だが、野郎の体内の熱を集めているんだろ。……案外炎でも吐いたりしてな。》
水上《仙人みたく霞でも食ってくれる温厚な性質ならまたこんな仰々しい作戦なんかしなくても言いのに……》
ベテラン感を出して感想を言う。
怪獣の後ろ側にて
来馬《こちら鈴鳴第一。怪獣の活動はまだ問題はありません。》
柿崎「正面は例の巨大ロボットが通るんだよな。」
巴「生で巨大ロボットと怪獣の対決を見られるとは思わなかった……」嬉しそうにする巴隊員。
照屋「虎太郎。分かっているかもだけど今回は怪獣退治より人助けがメインよ。」
巴「はい。すいません。」
柿崎「まっ、俺達は俺達で出来る事をするだけだよ。何時も通りに動けば良い。」
部隊の隊員を安心させるように言う柿崎。
巴、照屋「はい。隊長!?」
隊長の指示を二人は信じてくれるから……
仁礼《黒野の奴……今日は私達に合流せず『お化け屋敷』で戦うらしいぜ!?全く!?アイツは諸星アタルかよ!?ラムみたいに電撃を放ってもバチは当たらないよな……》
影浦「何寂しがってやがる!?お前らしくもない。この前実写版の【るろうに剣心】の映画見て喜んでいた癖に……」
仁礼《私はアニメ版の映画が見たかったんだよ!?維新浪士の鎮魂歌の奴!?》
絵馬《でも凄く面白かったよ。》
仁礼《その癖、何故か【感染列島】とか泣かす映画を用意して私、滅茶苦茶泣いたぞ!?色々な意味で……》
北添「ゾエさんも泣いた……あれは泣ける映画だ。」
影浦「映画談義は後にしろ。」
仁礼《わ~かったよ。仕事しますよ!?全くお前らは!?》
ビルガメラーからかなり離れた位置にて、ローバーを運転席にいるカンフー。電磁レールガンをランチャーモードに変形させて持ち戦闘準備を完了したハカセとリリアン。
ダイアナ「ご武運を……」
アイドル「ありがとう。ダイアナ。ハンサム。」
二人から軟鉄装甲兵弐式八分九厘の新しい操作プロポを貰い。
アイドル「確かに受領しました。」
ハンサム「グラサンは試作の乗り物に乗ってくるらしいから……カンフー運転は安全にな。」
カンフー「心配するな……」
ハンサム「お前の運転は荒っぽいんだ。全然美しくない……山岳地帯とかも対応したローバーでも整備が大変なんだよ。」
カンフー「……気を付けて運転するよ。アイドル。助手席に乗れ、」
アイドル「じゃあ、またね。」
ローバーのエンジンが動き出して二人から離れる……
ダイアナ「無理しないで下さいませ~~」
アイドル「二人ともありがとうー!?」
ローバーがビルガメラーの方向に向かったのを見て……
ハンサム「俺達は避難所の警備回ろう。」
ダイアナ「了解ですわ。」
それぞれブラックランチャーを持って避難した市民達がいる避難所に向かう。
アラシ《各自準備は?》
ナイロン製のロープを背負ってビルの屋上を飛び移りポイントにする。
怪獣が直ぐに冷凍で動きを止める事はないから、飛び移れる高さのビルの数を建設会社の人達から情報をもらって……怪獣の背中の甲羅と同じ高さの各ビルの屋上に移動するアラシ達、
カイ「エレベーターは止まる危険がある為各自階段での移動を頼む。生命の保証はできないぞ。」
アラシ《アラシ了解。……何時も事だよ。》
階段を昇る音が聞こえる。
サコミズ《サコミズ了解。各員の健闘と無事を祈る!?》
「「了解!?」」
それぞれの決死の救出作戦が展開される!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〔推奨BGM 神々の闘い
「「ギャオオオオオオオオン!!!?」」
朝の光を充分に浴びて体温を上げた怪獣は破壊活動を再開する。四足歩行でその大地をゆっくりと闊歩するビルガメラーは、硬い頭を振り回して近くのビルを破壊し、コンクリートの建物を瞬く間に瓦礫に変えて進む。その様子を見た太刀川達も動き出す。
太刀川「奴さんが動き出したぞ。」
国近《頑張るよ~~皆~》
東「二人とも戦闘準備は?」
小荒井、奥寺《問題ありません。》
生駒「己!?バルゴンに氷漬けになれば良い物を!?」
良くわからない怒りを見せるのは生駒隊のイコさんだから……
隠岐《ソレ【ガメラ対バルゴン】の奴ですよ。イコさん!?》
水上《真面目にやってくれ~~これで民間人達死なせたら俺ら凄く情けないあん。》
生駒隊はビルからビルに飛び移り、生駒は顔付近に向かって走りだし、水上は足を止めてトリオンキューブを右手に出して怪獣の進行を止める。
水上《変化弾(バイパー)!!》
水上は高らかに只の通常弾を怪獣の側面に次々と撃ち込むも体皮に直撃しても弾かれる始末、
水上《やっぱり駄目や!?まるでカマセや。》
生駒「旋空 孤月!?」
生駒はビルの屋上から怪獣の頭部に向かって居合いの要領で孤月を抜刀させるも、感じた手応えに苦悶の表情を隠さない。
生駒(鉄を叩くと言うより永い年月の固い石か岩でも叩くみたいな手応えだ……その余りの硬さに、こっちの両腕が痺れる始末や。)
生駒「少しくらい、切れても良いのに……」
細井《言ってる場合じゃないよ!?隊長!?攻撃警戒!?》
生駒「おっと!?」
怪獣の首を足場に生駒は怪獣の頭の上に移動して二撃の旋旋空孤月をする前にビルガメラーは首を下から上に揺すり生駒を地上に突き落とす。
細井《隊長!?》
生駒「トリオン体だから心配するな。マリオちゃん。」
オペレーターに安心させる発言をして
普通の人間なら即死する高さだがトリオン体だから問題は無い……
生駒「かかってこい……どっちが怪獣映画のカマセか白黒つけようぜ。」
太刀川「どうだった?イコ。」
太刀川が生駒の傍に合流して旋空孤月の中でもっとも強力な生駒旋空を放った生駒に感想を聞く。
生駒「……見ての通りや。めっさ硬いわ。ドリルか撃龍槍の出番かも?」
太刀川「成る程……」
生駒「そろそろスペクトルマンならヒーロー登場しても良いタイミングな筈……」
周りを軽く見回す生駒、それに呆れる太刀川。
太刀川「悪いが、レッドマンは勿論だがスペクトルマンにもシルバー仮面にもマグマ大使にもジャイアントロボにもコイツは渡さないぜ。」
マンションの壁を斜めに走りながら怪獣に向かって飛び上がり2本の孤月を抜刀させて斬り掛かる太刀川。すれ違い様に孤月の斬撃を叩くも怪獣の体皮の尋常ではない固さに、
太刀川「まだだ!?」
太刀川は納得しながらも攻撃の勢いを利用して全身の力を込めた蹴りで怪獣に斬り付けた孤月の刀身を押し込み、ビルガメラーの体皮を軽く傷つける事に成功する。
太刀川「浅い!?」
怪獣の右腕に着地して、予想より固い体皮に圧倒される。
国近《こちら国近。太刀川隊長が、怪獣の皮膚を傷付ける事に成功しました……》各部隊に報告する国近。
太刀川「……いや、報告するな。あんなの薄皮一枚程度だ。遊撃に切り替える。『お化け屋敷』の連中に任せた方が良いか?」
バムスター以上にデカイ硬いで狂暴な性質の怪獣で軽く相性の悪さと、怪獣との戦闘経験が少ないから直感に従って戦う太刀川が珍しく弱気な発言をする。
影浦《自信がないなら引っ込んでろ!?》
太刀川「……また場外ホームランは勘弁してくれよ。」
しかしボーダーの所属する人間として……与えられた役割を全うさせる為に怪獣に挑む!?
生駒と南沢と太刀川が怪獣の顔付近を集中攻撃する。
的が大きい物の為余裕に攻撃手が振るう無数の斬撃を叩き込むも威力が足りないのか劣勢になるのはボーダーだ。
影浦(!!?)
この時、影浦のサイドエフェクトの『感情受信体質』に自分にこの場合は自分を含めたボーダー隊員達に対した怪獣の感情が影浦の肌に刺さる。
影浦「おいっ!?光。暫く耳を塞いでいろ。それか耳栓しろ。」
仁礼《おっ、なんだ。その変な命令。》
影浦「説明は後でする!?良いから耳を塞いでおけ、デカいのが聞こえて来るぞ!」
仁礼《たくっ、しゃあないな~~》
仁礼は近くの耳栓を両耳に入れて……影浦が何故そう言ったのかの理由を知る。
跳び回る小さな猿達に身体を軽く傷付けられても、
ビルガメラーはさして警戒も脅威にも思わなかった……
敵対するのは何時も同じ大きさの生き物かそれよりも巨大な強い生き物だ。だが……いつまでも移動しても邪魔し続ける猿達に少しずつイライラとストレスを感じていた。ビルガメラーがいたのは遥か昔の地球……恐竜や古代怪獣ゴメス達が地上を支配していた原始の時代だ。
弱肉強食……弱い生き物が強い生き物に襲われ喰われていた時代……それよりも遥か未来の人間の世界に目覚め
た怪獣……鬱陶しい猿を追い払う為に動く……
そして怪獣も2日も自分の周りを跳び回る小さな猿を鬱陶しいと感じ始める。同等の大きさの相手と対峙する戦闘状態に以降するのだ。
「「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」
周囲のガラスが音で割れ、経年劣化のある建物はその咆哮で粉々に倒壊する。
仁礼《何じゃこりゃ~~》耳栓越しに響く咆哮に仁礼光は両耳を両手で塞ぎ耐える。
各部隊のオペレーター《!!?》
各部隊の戦闘隊員と隊長「「ぎゃあ!?」」
手始めにビルガメラーは巨大な咆哮を腹から喉を通り口から爆音の如く上げて四足歩行から二足歩行に体勢になり、鈍重な身体をゆっくり立ち上げ……そして……そして……亀の癖に猛ダッシュ!?
太刀川、生駒、南沢「へっ?」
顔付近にいた部隊の隊員と隊長達は怪獣の咆哮で、一瞬身体の動きが石のように止まり地上に落下したり、攻撃動作の途中で辞めて両耳を抑えて硬直状態になり咆哮が止むのを待つ。
国近《何!?どうしたの!?》
鼓膜が破れるかもと思う程の爆音が耳を通り、国近は両耳を無意識に塞ぎ……一定時間身体の自由を奪われる。
部隊の連絡用通信機から巨大怪獣の咆哮(バインドボイス)が聞こえて来て各部隊のオペレーターはその咆哮をモロに聞いてしまい。オペレーター達は音が一時的に聞こえない状態なる。
対怪獣の実戦経験が少ないボーダーの浅さが露見した瞬間でもある。対近界民特化……ほとんどが野生の生物との戦闘経験がない為、トリオン体の優位におごり怪獣が持つ特有の威圧感や生物の本能的な危険を甘く思っていた。トリオン体ですら生物の本能の恐怖からは逃げられない……
だが……ビルガメラーは明確にボーダーを敵と認識して戦闘状態になる。
反射的に身体が言うことを聞かない為、ボーダー達はモロにビルガメラーの猛ダッシュに巻き込まれ跳ねられる。
次々と正面に建設されたマンションやビル群を砂の城のように粉砕して前進する怪獣に、道路を踏みアスファルトを砕き、乗り手のいない車が次々と宙に舞い上がり、自重で落下してスクラップの仲間入りをして
飛び移り民間人達の救助を考えていたアラシ達も唖然の表情をして怪獣の走り去った光景を見る。
カイ「あの怪獣あんな甲羅背負って走れるのか!?」
驚愕な表情と共にカイは屋上からの階段を下に降りる。
アラシ《言ってる場合か!?追いかけるぞ!?》
作戦区域の外に怪獣が移動したら作戦が失敗する。
特撮の映画の怪獣ガメラは基本走らない。背中に甲羅を背負った鈍重な亀のイメージもあるし、スーツが亀をモチーフにしている為、走れる姿勢や身体付きではない。
隠岐「東さん。どうします?」オプショントリガーのグラスホッパーを持つ機動力のある生駒隊の狙撃手の隠岐隊員はグラスホッパーを使い怪獣の後ろを追いかける。
東《あの移動は、見た限り身体の負担が大きい……連続では使えない筈だ。それよりも距離を離され過ぎた。俺達も移動するぞ。》
小荒井《はい。》
奥寺《了解!?》
耳栓を取って早く回復させた仁礼は仲間の安否を確認する。
仁礼《おい。返事しろ!?カゲ。絵馬。》
北添「ヒカリちゃん……ゾエさんも心配して……」涙をチョチョ切れして瓦礫となったビルから立ち上がる北添隊員。
仁礼《ゾエの死を無駄にするな。》
北添「勝手に殉職させないで!?」
絵馬「……無事だよ……でも少し怪獣から離された。隊長は?」
影浦《……トリオン体じゃなければ死んでたな……》
怪獣の足跡から出て来て隊服についた土の汚れを払う。
さっきの怪獣の猛ダッシュで足元にいた蹴り飛ばされてそのまま怪獣に踏まれたのだ。
仁礼《ジプシー・デンジャーが欲しいよ。》
影浦《俺もだ。ジプシー・アベンジャーが欲しいよ。》
仁礼、影浦《……あっ!?》ドスの聞いた声。
絵馬「喧嘩は後回しにして……怪獣を追いかけるよ。」
北添「ウンウン。さぁ怪獣を追いかけるよ。」
東の言うとおりビルガメラーは猛ダッシュを終えて四足歩行に戻っていた。肉体的に無理やり二足で走った為、
少し身体の動きが通常より遅くなっている。
スタミナも減っている為、ビルガメラーは土を食べてスタミナを回復させる。
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数分前……
怪獣が移動する度に激しく揺れる西川さんの部屋の窓から地上の戦闘の様子を見る剣持達。
西川「何か見えるかい?剣持君?」
「そうですね~~ここから見るのは一部ですけど…………染井さんは部屋の奥にいた方が良いのでは?」
染井「……どこも安全な場所はないわ。」
志岐「二人とも……危ないよ~~」
剣持は軽く部屋を見て……窓側に視線を戻し双眼鏡で戦闘の様子を見る。
「……確かに……安全な場所なんてないな。」
戦闘の細かい様子はわからないが、レッドマンは無意識に双眼鏡如しに特殊能力のレッドソナーイヤーを使用、(レッドマンには目による透視能力とかはない為、聴覚で情報収集する必要がある。)
ボーダー隊員は実質無敵状態だから持久戦に持ち込めば、ボーダーが有利だ。但し……怪獣に与えられるダメージが余りにも少ないのに目を潰れば、
(外部は頑丈で内部の内臓がモロい典型的な怪獣だ。)
自分が変身して戦えば、ナイフもアローも使う必要もなく素手と投げの連続で倒せる怪獣だ。
菊地原先輩のサイドエフェクトと違い……この能力は、300㎞の遠く音や複数の雑音から正確に特定の相手の声のみを聞き分けて拾えるレッドマンのレッド星雲人の特有の力で、戦闘音で状況を知る。そして……怪獣の体内の音が不自然な脈動や鼓動音が聞こえて来て……
「……不味いな……」
染井「どうしたの?」
「『お化け屋敷』やボーダーが怪獣の進行を2日も邪魔したせいで怪獣がイライラしてきている……こりゃあ……皆、右側に踏ん張りながら両耳を塞いだ方が良いぞ。」
剣持はベランダから部屋の奥に戻って染井も後に続く。
志岐「……つまりこの怪獣は、まだ戦ってもいなかったって事?」
部屋の右側に皆を集めながら剣持は説明する。
「モンスターハンターのモンスターも攻撃されて結構な手傷をプレイヤーに付けられるとブチ切れて激しい強力な攻撃をし始めるのと同じだ。生物は基本自分自身の生命の危機になると本能的に本気になる物だ……」
染井、志岐、スルメイカ男「成る程……確かに……」
西川「いや、わかったの!?その説明で!?」
モンスターハンターをプレイしているプレイヤーだからこそ分かるやり取りだ。
「怪獣はボーダーも人間も舐めている。実際大きさや力とかで脅威になっていないからな。」
スルメイカ男「文字どおり……怪獣に取っちゃ自分の周りに跳び回る虫か猿程度しか見ていないんだな。」
染井「でも昨日、今日のボーダーの皆が攻撃して痛いと言うよりムズ痒い攻撃を続けているからイライラして……」
志岐「ブチ切れる…………どうしよう!?」
その時、怪獣の喉が震える音を剣持は聞き、レッドソナーイヤーを人間レベルの聴覚に急いで戻して両耳を塞ぐ。
剣持が焦る表情で耳を塞いだのを見て、
スルメイカ男「アカン。こりゃあ、凄いの来るで……」
皆も剣持の真似をする。そして…………
「「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」
マンション全体が悲鳴を上げる程の爆音のような咆哮が聞こえて来て、全員の頭の天辺から両足の爪先まで震えて動きを止める!?
余りの振動で窓ガラスが割れる……
怪獣の咆哮が止むと直ぐに、二足歩行になりマンションが左側に傾き……
「全員!?踏ん張り姿勢!?この亀走るぞ!?」
直ぐ様皆にまだ面倒は終わっていない事を教える剣持。
今までよりも激しい揺れがマンションを襲う。
志岐と染井は窓からの街並みの景色が瞬く間に変わる光景に怪獣が猛ダッシュしている事と、建物の破片らしい物がチラっと見えた為、正面のマンションやらビルやらを破壊して前進している事実を二人は知る
ジェットコースターに乗った事のない剣持夢想16歳は絶叫マシン顔負けのスピードに本人の意識は既にビルガメラーの咆哮で気絶している事はベム以外知らなかったのだ……
時間は今に戻り……
ダッシュ移動の動きが止まった事実を剣持(ベム)は軽く窓から確認する。
志岐「どう?ワトソン君。」
染井(ワトソン君?)
「……怪獣はスタミナ切れを起こして、休憩中だ……流石に四足歩行が基本の生き物を無理やり二足で走らせるのは怪獣本人も至難の技みたいだよ。ホームズ君。」
染井(ホームズ君?)
「先輩達もそろそろ格好良い所見せてくれないかな?」
志岐「……その先輩達に救助される予定の人とは思えない発言。」
(起きろ!?夢想!?)
((゜ロ゜;!?僕は一体!?)
気絶から回復する剣持夢想(本人)
怪獣はスタミナ回復の最中、予想外のアクションで救助作戦に支障はきたすも、この作戦に参加した人達は、諦める事なく怪獣にいる場所に向かう一同。
『お化け屋敷』やボーダーの人達の反撃が始める……
正体不明の巨大宇宙人が現れようが現れまいが彼らは戦うのだ。
西川「あっ、あれは!?」
そして……満を持して……『お化け屋敷』が所有する軟鉄装甲兵が作戦区域に輸送機に輸送され到着する。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ビルガメラーは四足歩行の状態でゆっくりとアスファルトに顔を近付けてその口を開き……
【ガツガツガツガツガツガツ】
巨大な硬態怪獣の牙がアスファルトを噛み砕き中の水道管やガス管のライフラインを破壊して、地面の土を食べる。
未知の宇宙線で突然変異したとはいえ怪獣ビルガメラーはその後亀石で冬眠同然に長らく身動きを封じ込められた為、地中生活を余儀なくされた怪獣の常食は地中の土に変わりソレを食べて生きながらえていて、ミミズやモグラなど地中で暮らしている動物はこの怪獣にとっての大変なご馳走である。一度満腹になれば500年は何も食べず生きていける。
ナレーション《怪獣は自分の周りを跳び回る猿達を蹴散らし自分の強さを知らしめて大変満足していた……石の縦長の巣を次々と壊しても壊れない己の強靭の身体に……怪獣は自分の成長を実感する。怪獣は己の優越感にとても酔っていた。》
【バッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッ】
ビルガメラー「「???」」
聞き覚えのない音が高い所から聞こえビルガメラーは首を上げる。
蜻蛉に似た金属の生き物が、自分に匹敵する大きさの謎の生き物を運んでいた。……結構太った猿に似た何かを……
アイドル《弐式八分九厘。目的地(ターゲットゾーン)に到達。》
アイドル《輸送機から離脱します。》
【ピュウ。ドッゴーン!!】
猿に似た何かは地面に膝を曲げて落下。無数の自動車が軽く宙に舞い上げり落下する。曲げた膝を垂直にして、
猿モドキは怪獣の正面に立ち塞がる。
アイドル《配置に付きました。冷凍作戦を開始します。》
【ボウ!!ガッシャン。ガッシャン。ガッシャン。】
そしてソイツは身体のあちこちを光らせ怪獣に向かってくる……
怪獣の興味は既に謎の猿モドキのみだった……
アイドル《……悪いけど……ここから先は行き止まりだよ。》
【ボーーーン!!】
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マッハビースト2号機内操縦室にて
ムラマツ《ハヤタ隊員の1号機と連携して冷凍弾で怪獣の身動きを止めて他の市街地に向かわせるのも阻止してくれ……救助チームが民間人達を救出するまで……油断するな!?》
ロイド「了解……」
マッハビースト2号機と巨大ロボット弐式八分九厘は、怪獣の正面からハヤタ隊員が操縦するマッハビースト1号機は西側から冷凍弾で怪獣の動きを止める戦法だ。
そして作戦区域の市街地では……
ビルガメラー「「ギェェェエエエエエエエエン!!」」
本気の咆哮ではない咆哮を鳴らしてビルガメラーは現れた軟鉄装甲兵 弐式八分九厘に頭突きの攻撃をする。
アイドル「!?」
怪獣と弐式が良く見える範囲にアイドル達のローバーは配置についており、すかさず操作プロポを動かして、弐式を操作する。
一撃目を右に一歩ずらして身体を真横にして頭突きを回避して二撃目の頭突き両腕で受け止める!?
アイドル(凄い、前の操作プロポより動作に移る時間が短くなってる。ソレに入力を止めて違う動作に切り替えられるのは助かる。)驚きを顔に出さず内心ビックリしているアイドル。
カンフー「こちらカンフー。怪獣の動きを止めました。冷凍作戦をお願いします。」ローバーに備え付けられた通信機で報告するカンフー。
風を……空気を……裂く2機の戦闘機がビルガメラーと弐式がいる区域に急接近。
ロイド《ビースト2了解。》
ハヤタ《ビースト1任せて!?》
頼れる仲間からの連絡に、アイドルも自分の役割を果たす。
弐式は両腕でビルガメラーの頭を掴みが怪獣の進行を止める。大地に双方の両足がめり込む。
ロイド《冷凍弾。発射!?》
ハヤタ《冷凍弾。発射!?》
冷凍弾はマッハビーストの主翼部から発射され、見事ビルガメラーに着弾した。
「「ギェェェェエエエエエエエエエン!!」」
突然身体の一部が冷やされてビックリする怪獣。
最大6人乗りのローバー後部座席からハカセ隊員が双眼鏡で確認する。
ハカセ「冷凍弾。着弾確認。」
緑色の硬い体皮が白い冷気が張り付くも全身を凍らせるには至らず怪獣の首と腹の左側が凍っただけ、
一方ボーダーの各部隊も作戦区域に到着。
太刀川「おっ始まってるな。」
出水「そのまま凍ってくれよ~~」
東隊の小荒井隊員に運ばれてアラシ「状況は?」
東《こちら東。マッハビーストと弐式が作戦の第1段階をしている最中だ。》
柿崎隊と移動しているカイ「ここから近いビルは、」
鈴鳴第一と合流して同行するサコミズ「あのビルだ。行こう!」
救助部隊も高いビルを目指して走る。
だが……怪獣の動きは止まらず瞳無き黄色の両目は、二機のマッハビーストを捉える。
アイドル「動くなよ!?」
弐式の両腕でビルガメラーの頭を掴み受け止め続けているが、互角の力比べも僅かな緩みで変化する。
頭を無理やり押さえつけられた怪獣は顎をパクパクして
【ガチガチガチガチガチガチ】
敢えて歯を鳴らして、その音を聞いた何人かは既に行動を起こして
影浦は自分のサイドエフェクトで怪獣の感情を分かり近くにいた北添の腕を掴みその場から直ぐ様下がる。
北添「ちょっ、カゲ?」
影浦「おい。光!?聞こえているか!?」
仁礼《何とかね~~カゲが耳を塞いでくれって言ってくれたから、聞こえてるよ。でも大声は今は勘弁してくれ、モンスターハンターのバインドボイスを聞いたハンターの気持ちがわかって複雑なんだ。》
影浦「直ぐに各部隊のオペレーターに連絡。怪獣の口から高熱の火炎が吐いて来るぞ。」
仁礼《!!了解っ!?》
カンフー、東、荒船「「不味い。下がれ!?」」
カンフーはアイドルに、東と荒船は怪獣に接近しようとした生駒隊に連絡をする。
ビルガメラーの口から高熱火炎放射を吐き出して、弐式
とマッハビーストに向けて攻撃する
アイドル「危なっ!?」
カンフーはローバーを運転して距離を取る。
弐式は火炎放射の吐く怪獣から後退して避ける。
水上《火を吐くとは聞いてないやん。》
生駒《ソレに凍ってもいないし、作戦失敗か?》
アイドル「作戦はまだ終わっていない。ロイド隊員、ハヤタ隊員、冷凍弾の発射を続けて!?」
作戦の第一段階はまだ続いている。弐式は再び怪獣ビルガメラーに接近して弐式の両腕で怪獣の首を挟みヘッドロックで怪獣の火炎攻撃を無理やり止める。
アイドル「さぁ、射って!?」
ロイド《応っ!?冷凍弾発射!?》
ハヤタ《冷凍弾発射!?》
空中旋回してヘッドロックで動きを止められた硬態怪獣ビルガメラーに向かってマッハビーストの主翼部から再び冷凍弾が発射させる。
冷凍弾は再び綺麗にビルガメラーに直撃する。
「「ギェェェェエエエエエエエエエエエエン!!」」
冷たい雪のような感触の物をぶつけてビルガメラーは悲鳴のような叫び声を上げる。
アイドル「このっ!?大人しくしろ!?」
激しく暴れるビルガメラー。寒さに弱いと言うイデ隊員達の見解は当たっている。軟鉄装甲兵の二の腕が怪獣の首を押さえつけ動きを止めている間も液体窒素が広がるも……
リリアン「元気に暴れてますね~~」
怪獣の動きを完全に止まる程には凍ってはいなかった……むしろ身体を動かして白くなった氷を剥がす始末だ。
アイドル「もうっ!?二人とも兎に角冷凍弾をどんどん射って!?」必死な声を上げるアイドル。
弐式八分九厘の馬力はガーディアンAに比べたら圧倒的にない。
いつまでも押さえつけられるのにも限界がある。
ロイド《了解っ!?》
地上部隊の危機迫る返事にロイド達も怪獣を冷凍させようとマッハビーストを操縦して空中旋回から怪獣に向かって冷凍弾を撃ち込む。
3発目……4発目……5発目……6発目……7発目……
しかし怪獣ビルガメラーの各部に撃ち込むも怪獣は冷凍されておらず、尚も暴れ続ける。
小荒井「駄目じゃん!?」
魂のツッコミを叫ぶ小荒井。
別役「全然効いてないやん!?」
スコープ越しに暴れる怪獣ビルガメラーを見てツッコミを叫ぶ。
今《いいえ。怪獣の体温が冷凍弾の冷気で確実に低下しているわ。》
村上「それでも液体窒素で動きを止めらなきゃ、」
来馬「次の作戦段階に移れない……」
歯痒い気持ちで怪獣ビルガメラーと弐式八分九厘を見る
鈴鳴第一のメンバー。
アイドル「もう……無理……」
激しく暴れる怪獣は弐式のヘッドロックから脱出して口から高熱火炎放射を吐く。
カンフー「退避っ!?退避っ!?」
ローバーは爆走してボロボロの道路を走り、まんべんなく地面を伝って勢いよく拡散する炎。トリオン体には問題ない攻撃だ。しかし生身の人間には危険な攻撃で命に関わる。
アラシ「ああああああああああああああああ!?」
高熱の炎から背を向けて必死の形相で逃げる『お化け屋敷』のメンバー達
水上「ほら掴まって……」
アラシ「ありがとうございます~~」
真横に着地した生駒隊の水上がアラシ隊員を抱えて近くのビルの壁を足場に屋上まで移動して
着地する。
水上「大丈夫?」
アラシ「ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……助かりました。」
備え付けられたベンチにもたれ掛かり命の危険を回避した事実を確認するアラシ。
他の隊員達もボーダー隊員に助けられて無事のビルの屋上の上にいる。
ハヤタが搭乗するビーストにもビルガメラーの攻撃をかすり小さく煙を上げている。
ハヤタ《凍れ!?》
マッハビースト1号機は怪獣の正面に移動して冷凍弾を真正面から連射。
ビルガメラーは火炎を辞めて二足歩行に立ち上がり片腕の一本爪を振り上げてマッハビーストを狙おうとするも、アイドル「さ~せ~る~か!?」
直ぐ様弐式八分九厘がビルガメラーの両腕を掴み動きを食い止める。
アイドル《今だよ!?射て!?》
ハヤタ《オオオオオオオオ!!》
弐式が再び怪獣の動きを止めている間に、ハヤタは冷凍弾を絶えず発射させる。
8発目……9発目……10発目……11発目……12発目……そして13発目でようやく効果が現れ始める。
緑色の怪獣の全身をまんべんなく覆い始める液体窒素で怪獣の体温は急激に低下……遂に怪獣は寒さで動きを止めるのだ。
細井《『お化け屋敷』が怪獣の動きを止めたで。》
水上「見てるで。マリオちゃん。」
ハヤタ《やった。あっ、こちらハヤタ。怪獣は動きを止めました。作戦を第2段階に以降して下さい。》
アラシはベンチから立ち上がり、凍気で真っ白になったビルガメラーを見据えて
アラシ「じゃあ、行ってくる。」
水上「気を付けて、」
アラシは怪獣に取り付きに怪獣がいる場所に向かう。
別のマンションの屋上にて
カイ「黒野隊員。例の試作空中戦艦は?」
黒野《御披露目しますよ。沖本艦長。》
沖本《光学迷彩システムをオフ。》
キム《システムオフ。》
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
西川の部屋にて……
志岐「剣持君。大丈夫?」
志岐の視線の先にはガタガタと震える剣持の姿があり、その表情は無表情でも明らかに寒がっているのは見て取れる。
「凄く……寒い……」
志岐(そういえば、剣持君。前に寒さに弱いって言ってたっけ……)
染井「だっ…大丈夫?」
このマンションが凍っている訳では無い物も、剣持は下から吹く冷たい風に、身体が冷えていた。
「少し……眠たいな……寝ずの番をしたせいか?」
志岐「それ寝たらヤバい奴!寝るな!?寝たら永眠しちゃうよ~~」志岐が必死に剣持を揺さぶる。
スルメイカ男「…………Zzz」
西川「君も寝るな~~」
スルメイカ男も寝そうになっていた。
里穂「ねぇ。皆見て~島が飛んでるよ~」
染井「ごめんね。里穂ちゃん。今大事な…………本当だわ……」
窓の方を見ると島に似た何かが空中に浮かんでいるのだ。
志岐「えっ!?何アレ!?剣持君!?」
志岐も窓の向こうにこっちに向かっている浮遊島を見る。
「父さん……母さん……兄さん……ボルナレフ……」
志岐「ちょっとっ!?ボルナレフって誰っ!?」
染井「それ……多分小学校の頃な夏休みで飼ってたカブトムシの名前よ。」
志岐「ネーミングセンスがおかしいでしょ。てっ島がだんだんこっちに接近している。」
【ピンポーン】
その時、玄関の方からチャイムが鳴り。
志岐「今度は何!?」
剣持君は寒がり、謎の浮遊島が接近して、更にこれるはずもない高さのマンションの部屋からピンポンのチャイム。マンションの激しい揺れは起こしていなくも大混乱だ。
西川「どちら様でしょうか?」
玄関の扉を開けると……『お化け屋敷』の救助隊員達が
並んでいた。
サコミズ「助けに来ました。」
カイ「あなた方を安全な場所にお連れしに来ました。」
アラシ「剣持って……何か凄く寒がってるないか!?」
「うん?あれっ?俺は一体……」
志岐の必死の揺さぶり続けたおかげで剣持の意識と覚醒した。
「一体何がどうなっているんだ?何だ?あのひょっこりひょうたん島は?」
志岐「私が聞きたいくらいよ。何が何だか……」
急な状況の変化についてこれない人達……
サコミズ「あの空中戦艦に乗り込んで下さい。」
志岐「えっ!?空中戦艦って?アニメや漫画や映画だけの存在では?」
「…………もう深く考えず取り敢えず納得しよう。いつの間にか空中戦艦は開発されて配備されていたって事で?」
アラシ「まぁ、そんな感じで……あっ、」
里穂「…………」
昨日のゴミ処理場の調査の途中で出会いこのマンションまで送ったアラシとその時の女の子との再会。
アラシはその子と同じ目線に合わせて笑顔で言う。
アラシ「もう大丈夫だよ。さぁ、お母さんとお父さんが君を心配して待っているよ。」
里穂「クスン……クスン……うん……」
泣きじゃくる里穂の涙を持って来たハンカチで軽く拭き
アラシ「僕が約束を守らなかったばかりに、怖い思いをさせちゃったね。」
アラシ「さぁ、逃げようね。」
アラシは里穂を抱き上げて走る。
「……西川さんも」
考古学紙の資料を入れたリュックを背負った西川さんに剣持は話かける。
西川「あぁ……沢山みっともない真似を見せたね。」
「いいえ……とても貴重な経験を出来ました。」
空中戦艦ヒョーコリ・ドン・ガバがビルガメラーがマンションの3階に物資輸送口の階段を伸ばして
サコミズ「さぁ、皆さん。急ぎましょう。」
その階段を昇る西川さん。その後に続く染井さんと志岐さん。
志岐「剣持君?」
カイ「皆も速く。」
「あぁ。行くぞ。イカフライ。」
後ろにいたスルメイカは無言で寒さで動かないビルガメラーを見る。真っ白に凍らされる怪獣の身体から水滴が
落ちていく様子が見える。
スルメイカ男(もう解凍し始めているのか……皆を逃がす時間はギリギリあるかないか……)
そして皆がいる方向に振り返り
スルメイカ男「悪いな。坊主。わいはわいの役割を果たすぜ。」
里穂「イカのおじさん!?」
志岐「ちょちょちょっと、どうして!?」
スルメイカ男「…………殿(しんがり)が必要かも知れないからだ……」
スルメイカ男は大型リュックを志岐に向かって投げる。
志岐「おぅわ?何投げて……」
突然の大型リュックを受け止めて尻餅を着くもかなりの重さで志岐はリュックの中身を見て驚く。
スルメイカ男「Amazonに売るなり、遊ぶなり好きにしてくれ。」
スルメイカ男が何より大事にしていたゲームソフトや本体や本の数々のコレクションだ。
志岐「これあなたの大事な物じゃない。」
大事な物をどうして……
スルメイカ男「……こっちに連れてけないからな。」
剣持は……ベムは理解した。あの怪獣に挑むつもりだと
「さらばだ。」
スルメイカ男「楽しい時間ありがとな。」
スルメイカ男は西川さんの窓からビルガメラーの甲羅に飛び降りる。
「行くぞ。アラシ。志岐さん。染井さん。」
里穂「イカのおじさん~~」
剣持達は大型空中戦艦ヒョーコリ・ドン・ガバに乗り込む。
ビルガメラー「「…………!……!」」
凍気に全身を纏ったビルガメラーの体内温度がだんだんと上昇していき全身を覆った凍気が溶けてゆく。
身体のあちこちにある白い氷を無理やり引き剥がすビルガメラーは高熱火炎の熱エネルギーを全身を温めて解凍を急速に進めている。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【バキ、バキ、バキ!?ピキ、ピキ、バキン!!】
ハカセ「キャップ、アラシ隊員達はマンションの脱出に成功したようです。ドン・ガバがこれより回収したと連絡がありました。」
ハヤタ《怪獣が活動を再開します!?》
別役「こちら鈴鳴第一の太一です。怪獣を固めた氷が引き剥がされて活動を再開しました。」
マンションの屋上から怪獣が解凍する様子を間近で見る太一は直ぐ様皆に連絡する。
東《こちらからも確認した。救助も無事完了と報告を貰った。》
太刀川《なら次は俺を吹き飛ばしたあの河原までの誘導作戦か。出水。河原に移動するぞ。怪獣をこちらから攻撃せずに河原に誘導させるぞ。》
ムラマツ《うむ。これ以上の付近への市街地の被害を避ける為に、ビーストやボーダーの皆はビルガメラーを河原へ誘導してくれ。怪獣をムリに暴れさせないためこちらからは一切攻撃はしないでくれ!?》
ムラマツ隊長からの連絡に各部隊は移動を開始する。
出水《出水了解。》
別役「太一了解。今先輩。隊長達の現在位置を教えて下さい。」
今《了解。二人の現在位置は……》
太一も来馬達と合流してから河原を目指す。
ビルガメラー「「ギェエエエエエエエエエエエエ
ン!!」」
真っ白い氷を全て引き剥がし硬態怪獣ビルガメラーは意識を回復させて、弐式から距離を取り全身を反転と同時に緑色の強力な尻尾を振り回して建物を破壊しながら弐式に直撃させてダウンさせる。ダウンした弐式はビルに倒れかかりながら動き相手を探す……
怪獣は弐式とは反対の方向に移動していた。
アイドル「そっちに行ったよ!?沖本艦長!?」
沖本《ヒョーコリ・ドン・ガバでこれより怪獣を河原に誘導する。》
アイドル「お願いします。待てっ!?この亀!?」
弐式も走り……それでも遅い方だけどビルガメラーを河原に誘導する。
ロイド《俺達も手伝った方が良いか?》
チャールズ《怪獣の顔の近くに飛び回れば、鬱陶しいと感じて注意を引けるかと……》
ロイド《ならそれで行こう。》
マッハビースト2号機も誘導に参加する。
怪獣は弐式とヒョーコリ・ドン・ガバの牽制に翻弄されていた。
弐式は怪獣の近くに移動してシャドウボクシングで挑発
初める。
弐式は怪獣の顔目掛けて拳を振るが、直撃寸前に止まり
ビルガメラーは両腕の一本爪を振り上げて反撃に転ずるも軟鉄装甲兵は慌てず避ける。それ攻防?を繰り返して
怪獣に攻撃を当てるようで当てないスレスレでビルガメラーを苛立ちを募らせるヒョーコリ・ドン・ガバも照明弾や音を流して怪獣をイライラさせる。
カンフー「もう挑発は充分だ。行くぞ。」
アイドル「おうよ。」
荒ぶるローバーも河原がある方向に向かう。
苛立つビルガメラーは弐式とドン・ガバの後を追いかける。
「「ギェェェェエエエエエエエエエエエエン!!」」
四足の四肢を動かし建造物に突進して粉砕させる。
艦内の大型モニターにて怪獣が建造物を次々と破壊して
自分達の後を追いかける様子を見るムラマツ達、
グラサン「交通ルールも守らないのかあの亀は!?」
キム「怪獣に人間さまのルールを守る義理はないのよ。」
剣持達も窓からその地上の様子を見る。
西川さんと女の子は緊張の糸が漸く切れて熟睡しているその横で染井と志岐と剣持の三人は助かった気持ちで肩の荷を下ろして
ボーダー隊員達も何処に向かう様子を眺めながら志岐は言う。
志岐「ボーダーの皆は怪獣を何処に誘導して……」
「河原だ。」
渡された暖かい毛布に身体をくるまり暖かくしている剣持が言う。
染井「剣持君はいつからそんな寒がりに……「元々俺は冷え性なんだ。寒いのが苦手なんだよ。」……そう……」
志岐「でっ河原に怪獣を誘導してどうするの?」
剣持は窓に写るビルガメラーを見ながら皆に説明する。
「あの怪獣はさっき冷凍弾で動きが止まった。恐らく爬虫類と同じ性質で急な温度の変化に弱いんだ……だから
……河原に怪獣を誘導して更に体温を下げさせて液体窒素で凍り漬け……冬眠させるつもりだ。」
志岐「冬眠……。倒すんじゃなくて?」
「硬い体皮に普通の攻撃が効き難いのは昨日の戦いでわかった筈だ。バズーカやタルサー砲とか強力な主力の対怪獣ミサイルも俺達が逃げ遅れた為に使えなかったからな……冬眠作戦で怪獣の活動を停止させる流れに上層部達は決めたらしい……」
染井は窓のビルガメラーを見ながら言う。
染井「レッドマンは現れないのかしら……」
志岐「……現れないのを前提に皆戦っているんだし、私達の都合で現れるのもおかしいでしょう。」
染井「…………」
染井(何処からともかく現れては怪獣と闘い、姿を消す謎の巨大な宇宙人?……どうやって怪獣の存在を知っているのか?あの巨大な身体で普段は何処に隠れているのか…………待って!?)
染井は思い出す。過去に親友が2回も凶悪な宇宙人に拐われた時のレッドマンは普通の190㎝くらいの身長だった。
染井(もしかして……何処かの空間にいるのじゃなくて、目立たないように人間に変身して地球人に紛れている……【スペクトルマン】の蒲生譲二のように……)
染井は無言で剣持の横顔を見る。
染井(核心をつく物はない……でも……もし剣持君がレッドマンなら……でも!?)
過去のゴルドキングの映像で剣持とは別に映ったレッドマンを染井華は見ている。同一人物なら片方はいない筈だ。
染井(………………仮に同一人物ならあの記録映像は説明がつかない。普通の発想なら別人で済む…………同じ存在が別々に映るのを可能にする方法……剣持君の方が誰かが変装した?発想をもう少し常識から離して考えなさい。染井華。同じ人が状況に応じて二人いるみたいに……!!)
この時、そのあり得ない一つ考えを思考した瞬間、染井華の脳裏に稲妻が走る。
染井(同じ人が状況に応じて二人に……でもこれは流石に突拍子が無さすぎる。………………なのに……………どうして私はこの考えに違和感を覚えないの……)
妄想同然なのにパズルのピースが綺麗にはまり1枚の絵が出来た……難しい課題の正解にたどり着いたあの達成感と同じ感覚が染井の中に生まれたのだ。
染井(パリのエッフェルエリートはレッドマンとの闘いの最中2つに分裂してレッドマンを追い詰めていた……もし……もしレッドマンにも分裂……もしくは分身する能力があるなら……片方が怪獣と戦っても、もう一人が隊員としているなら……完璧なアリバイを作れる……)
普通ならあり得ないと切り捨てる考え方だが、
染井(机上の空論……でも……)この考えは、私の頭の中に強く残るのだった……
染井「…………ボーダーは勝つわよね。」
染井は剣持に聞く。
「勝つか負けるかは…………先輩達の立ち回りに懸かっていますね。でも……」
染井「でも?」
「負けられないのは相手も同じです。」
三人は再び窓を見る。
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〔推奨BGM ストライカー・エウレカ〕
口から高熱火炎放射を吐き森林を軽く燃やすビルガメラーに空中戦艦ドン・ガバに待機させたジェットホバー9を発進させる。
市街地から離れ生い茂る森林がある奥多摩の多摩川に誘導されたビルガメラーはその身を雄大な大自然の多摩川に沈める。
サコミズ「多摩川は余り深くないんだがこれで良いのか?」
黒野《身体を良く冷やすには濡れていた方が良いだろう。》
怪獣ビルガメラーは確かに多摩川の水で身体を濡れているが、これなら人工の雨を降らせるとかして液体窒素で凍らせるのが早いのでは?とサコミズは思考する。
カイ「行くぞ!?ビルガメラー。」
アラシ「さぁ、今までの借りを思う存分返してやる!!」
ジェットホバー9も参戦する。
ムラマツ《液体窒素弾の効果を完全な物とするために、怪獣をある程度弱らせなければならない。全員全武装使用許可する!?》その連絡が来ると各部隊、漸く自分達の得意分野が出来て嬉しそうな気持ちになる。
太刀川「聞いたか?出水。」
出水「それじゃあ本領発揮しますか。」
トリオンキューブを分割して出水隊員は嬉しそう戦闘準備を完了させる。
影浦「ゾエ。気張れよ。」
北添「了解!?頑張りますよ!?」
銃手がいる部隊も炸裂弾の使用許可されて嬉しそうだ。
カンフー「アイドル。俺の分も暴れてくれ。」
アイドル「任せて!?行くぞ。弐式!?」
【デデーン!!】
ファイティングポーズをした弐式はビルガメラーに向かって走り出す。
ロイド《行こう。チャールズ。》
チャールズ《ほいさ。》
対怪獣用ミサイルを念のために用意していた二人は武装を変えてマッハビースト2号機を操縦する。
ヒョーコリ・ドン・ガバは戦闘に参加せず空中に停止してその戦況を眺める事になる移動指揮所ポジション。
急な試運転で武装や火器を配備してないのだ。
【デデーン!!】
ビルガメラー「「ギェェェェエエエエエエエエエエエエエエエン!!」」
奥多摩の大地を走り稼働音を鳴らして軟鉄装甲兵は大振りの右の鉄拳を怪獣の顔に打ち込み直撃させる。
ビルガメラー「「!!!?」」
鈍い音を鳴らし怪獣の脳天に衝撃とダメージを確実に与えて戦いのゴングは鳴る!?勢いを付けて怪獣の顎を蹴り上げて怪獣を怯ませるも、ビルガメラーは全身を使って体当たりをして弐式を転倒させる。
アイドル「ちょっとタンマ!?」
諏訪「弐式を起き上がる時間を稼ぐぞ!?攻撃攻撃。」
ショットガンの銃型トリガーを持ち70㍍の怪獣に目掛けて通常弾を撃ち込む。
柿崎「射て射て!?」
地上から怪獣を攻撃するボーダー達。その無数の銃撃でビルガメラーは少し怯むもその僅かの間に軟鉄装甲兵の立ち直る時間を稼ぐ。再び起き上がる弐式に硬態怪獣ビルガメラーの左腕一本爪が大きく振り上げられ弐式は右手でその一本爪を掴み相手の動きを止めて大きく振り抜いた左拳をビルガメラーの顔面に連続にぶちかます。
紫色の怪獣の血液が、飛び散り森林や地上に振り掛かる。その連続攻撃で数歩後退したビルガメラーは、軽く頭部を振り弐式に再接近する。
カンフー「攻撃が大振り過ぎだ。無駄な動きを減らせ!?」
アイドル「一撃一撃を溜めて攻撃しているの!?」
ハカセ「喧嘩はしないでよ。二人共。」
ローバーは河原の横を横切りながら、激しい戦闘を続ける弐式とボーダー達、巨兵と怪獣の取っ組み合い真下から見上げ見るボーダー隊員は、余りの迫力でビックリする。
別役「【パシフィック・リム】顔負けの迫力だ……」
来馬「太一君。このまま怪獣の股下を通って後ろ足を攻撃するよ。」
別役「了解!?」
ビルガメラーも負けじと右腕の一本爪の平たい部分を鈍器のように使い弐式を怯ませる。そして二撃目を直撃させて後退する弐式は走り出して勢いを付けて左の軟鉄の拳を振り上げて怪獣の右側を無理やり殴りつけて、そのまま右拳で怪獣の下顎に向かってアッパーを放ち、更に左拳を自身の顔近くまで引き力を溜めて一気に左拳を槍の突きの一撃の如く放つ。
ビルガメラーは両腕を組んでその一撃を防ぐも威力の余り重い身体を後退して、その隙に空から2機のマッハビーストが、主翼部分から対怪獣用ミサイルを連続発射。
ビルガメラーの胸や腹に集中放火を浴びせる。
怪獣に迫るのは『お化け屋敷』だけではない。
生駒《ボーダーの底力を見せてやれ!?》
生駒隊《サーイエッサー!!》
細井《って地球防衛軍のアルアルやらすな!!》
ジェットホバー9が怪獣の胸めがけてロケット弾を連射、怪獣の胸に命中して、
アラシ「次の攻撃を!?」
カイ「いや。回避しろ。」
ビルガメラーはホバー9に向かって一本爪を振るい、機体をギリギリまで傾けてその一撃を回避する。
アラシ「危ない危ない。」
カイ「怪獣の尻尾にも気を付けろ。」
ビルガメラーはホバー9を始め航空戦闘機を鬱陶しいと感じるも、それ以上に……ボーダー隊員達の猛攻に晒されてそれ所では無くなる。
諏訪「堤、畳み掛けるぞ!?」
堤「了解、隊長。」
怪獣ビルガメラーのあちこちに無数のトリオンの通常弾が撃ち込まれる。
出水「変化炸裂弾(トマホーク)」
横転しながら遮蔽物のない森林地帯を走る太刀川隊。
太刀川「生駒!?行くぞ!」
生駒《ほいさっ!?》
小荒井「隊長達使って下さい。」
東隊の小荒井隊員がオプショントリガーのグラスホッパーを複数用意して、
生駒《サンキューや。》
太刀川「ありがとう。」
それぞれ一気にオプショントリガーをジャンプ台代わりに踏み込み、一気に跳躍。
斬る場所を決めて抜刀。旋空孤月を発動させビルガメラーの身体に確実な斬り傷をつける。
そして斬り傷を付けられて怒るビルガメラーは尻尾を振り弐式とボーダー隊員を凪ぎ払う。
再び倒れてバタバタする弐式に馬乗りをして両腕の一本爪を振るい攻撃をする。マウントを取られて苦境に追い込まれる弐式八分九厘。軟鉄装甲のあちこちに一本爪によって斬り傷が出来ながらも、怪獣の顔面を何度も殴り、腹を蹴り上げて脱出。弐式は全身の内燃機関を稼働させ、体当たりをぶちかます。怪獣は軽くよろめくも反撃の頭突きをぶちかまして弐式を後退させる。
リリアン「当たって下さい~~~」
怪獣に向かってローバーの後部座席からバズーカを発射するリリアン隊員。
ハカセ「ヒエエ~~」
ハカセもレーザーライフルのブラックランチャーを両手に持ち怪獣に向かって青いレーザーを発射する。
バズーカの砲撃は轟音と共に発射され怪獣の身体に着弾と共に爆発。絶え間ないボーダーの猛攻に怪獣は追い詰められていた。
荒船【モンハンではガンナーと太刀使い。ガンランスも扱う大型モンスターが相手だとテンションが上がる】「太刀川達が斬り傷を着けた箇所を狙い打ちにするぞ。」
半崎、穂刈【二人ともモンハンではガンナー全般】「了解!?」
荒船「否、ここはサーイエッサーで頼む。」
隊長からの変な頼み事がきて……
加賀《仕事して下さい。隊長。》
呆れた口調でオペレーターの加賀が注意する。
荒船「だって今の俺ワクワクが止まらないんだ。」
映画顔負けの迫力を味わう荒船。嬉しそうな表情をして勿論狙撃の引き金はしっかりと動いている。
狙撃手達だけではない。銃を持った北添隊員も炸裂弾を怪獣の傷口に向かって発射している。
影浦「後ろ足を狙うぞ!?ゾエ。」
ゾエ「ゴメン。カゲさん。ゾエさんは今手が離せないんだ。」
影浦「たくっ!?」スコーピオンを繋げてマンティスにしてビルガメラーの足を狙う為、一人走る。
影浦「ユズル。今何処だ?」耳にある通信機に手を当てながらマンティスを振るう。
絵馬《東隊長の所で狙撃しているよ。バラバラになったみたい。》
影浦「クソっ!?」
その影浦の横に着地した鈴鳴第一の村上鋼。
村上「カゲ。モンハンだと双剣使いは、戦力に…」
影浦「なるわ!?滅茶苦茶頼りになるわ!?」
村上「鈴鳴と柿崎も怪獣の後ろ足を攻撃しているから手伝ってくれ……」
影浦「わかったよ。」
影浦達は怪獣の周りを包囲しながら攻撃する。
仁礼《カゲの奴は、柿崎と来馬のいる所に向かったみたいだ。》
絵馬「そうらしいね。」
東「怪獣はやはり規格外の生命力だな……」
奥寺「手強いですね。隊長。」
木々や大きな岩場を遮蔽物の代わりにして東は的確に狙撃する。太古怪獣の皮膚が硬く、弐式の打撃で漸く目に見えたダメージを与えている現状。決め手の液体窒素弾を使う絶妙なタイミングを狙う為、怪獣を弱らせる。
辺りを怪獣の紫の血で染めて、目に見えて傷が増えたビルガメラーは尚も立ち続けて、口から高熱火炎放射を出して地上部隊を蹴散らす。その脅威の生命力は地中に悠久の時間を生き伸びた怪獣本来の生への執着なのか、ちっぽけな生き物達に負けられないと言う意地かは知らない。
「「ギェェェェエエエエエエエエエエエエエエエン!!」」
再び咆哮を上げて、森林地帯を震わせる。
【ボーーン!!】
弐式は地上部隊の前に立ちグっと全身を低くしてボーダー達の盾となって咆哮を受け止める。
アイドル「もうあんたの大声も聞き飽きたよ!?」
だが弐式も既に勝負を付ける為に動く。走り出して
怪獣の首にヘッドロックを掛けて怪獣の動きを抑え込み
アイドル「ぶちのめす!?」
弐式は拳を握りしめ怪獣の顔面に向かってとにかく殴る。殴られながらも怪獣は激しく暴れてヘッドロックから抜け出して、ビルやマンションを破壊する威力を持つ一本爪を振り上げる。弐式は何とかその攻撃を避けて左ジャブを怪獣の横っ腹に殴り付けてビルガメラーにちゃんとしたダメージを与え、全身を左回転させ裏拳を怪獣の頭部に叩き付けて、ダメージが頭部に集中した事で怪獣ビルガメラーを気絶させる。
影浦のサイドエフェクトで、そのチャンスに『お化け屋敷』とボーダー達は、畳み掛ける。
影浦「亀怪獣の意識が飛んだぞ!?空になるまで撃ち続けろ!?」
北添隊員達に連絡する。
射手達も一斉射撃をしてビルガメラーを弱らせるも、気絶から目を覚ましたビルガメラーは無理やり体当たりをして、弐式を押し込む!?弐式の両足は大地にめり込み後退して行く。
カンフー「アイツ!?まだあんな力を持っているのか?」
怪獣ももう大分弱っているもの、凶暴な性格な為引き際
を見極められない。太古の時代の弱肉強食の中を生きた生物ゆえに、恐竜を大前提の為、人間の強さを知らない怪獣ビルガメラーは、脆弱な生き物に負ける訳にはいかない。最早、怪獣は自分を追い詰めている猿モドキを警戒していた。
押し込まれた状態で弐式は怪獣の頭部に拳を打ち付けるも、逆に怪獣は強力な鋭い牙が弐式の腕を捉えて噛み付き、腕の装甲に噛み傷が出来て炎が上がる。
ハカセ「右腕部損傷!!」
更にビルガメラーは押し込みながら弐式の左部に噛み付き、軟鉄装甲が噛み千切られる。細かいパーツが地上に落ちる。
カンフー「左足部損傷!?おいっ!?ヤバいぞ!?」
踏ん張りの要の足を負傷した弐式はビルガメラーの体当たりを抑え込められない。ビルガメラーは更に弐式の頭部を噛み付こうと激しく食い付く。頭部を破壊されたら
操作プロポは無事でも弐式は戦闘不能になる。
アイドル「しつこいわよ!?このガメラモドキ!!」
相手の本能にビビりながらもアイドルは必死に、
弐式の両腕を動かして噛み付き攻撃を食い止めるも、怪獣の両腕の一本爪が自由になり、怪獣は両腕を振るい、
弐式の胸部装甲を傷つけられ劣勢になる軟鉄装甲兵。
ロイド《俺達でビルガメラーの注意を引くぞ。》
ハヤタ《了解!?》
機体を空中旋回させてビルガメラーの尻尾の凪ぎ払い攻撃を低空飛行で回避して、
チャールズ《ロックオン完了!?射て!?ロイド》
ロイド《対怪獣攻撃用ミサイル発射!?》
ハヤタ《ミサイル発射。》
勿論2機のマッハビーストも空中から支援攻撃を行うも、ビルガメラーは無防備の身体に対怪獣攻撃用ミサイルで撃ち込むも最早、猿モドキのみを相手にする事に決めたビルガメラーは止まらない!!
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〔推奨BGM 光の戦士〕
ヒョーコリ・ドン・ガバの窓から弐式達が追い詰められている様子を見る剣持達、弐式は怪獣を抑えられず、押し込もうとする怪獣と一緒に多摩川に足元を沈める。
足元を流れる多摩川で弐式の足元は川の流れで軽く流されかかるも怪獣の猛攻は止まらない。
志岐「どうしよう……なんちゃって鉄人28号がピンチだよ。剣持君!?」戦況の旗色が悪くなった為、レッドマンの出番が必要ではないかと剣持の方を見る。
「弐式八分九厘な。志岐さん。」
旗色の悪さは知っているも、冷静にこの状況を見て自分の出番はない事を確信する剣持。
染井「気にするとこソコなの?」
「……あのイカフライもそろそろ動く筈だ……」
志岐「あのイカのお化けに何が出来るの?」
「良く覚えておけ二人共……生きる為に戦う連中と違い生の執着心を捨てた奴は、後を退く事がない。下手するとこれって結構ヤバい事ってヤツを……」
ビルガメラーの甲羅にて……
スルメイカ男「出番か?グッバイ。奥多摩ニュータウンで出会った皆……」
スルメイカ男は怪獣の甲羅を忍者の如く素早く走り出して、高く跳躍……改造人間の跳躍力でビルガメラーの横に飛び出して、怪獣の黄色い眼球に目掛けて、
スルメイカ男「喰らえ!?毒墨液!?」自分自身の唯一の特殊能力を使い黄色い眼球に毒墨液を発射して、怪獣の視界を真っ暗闇にする。毒の効果があるなしに関係なく目に刺激物を入れられて、ビルガメラーは激しくもがき苦しむ。
「「ギェエエエエエエエエエエエエエエエン!?」」
至近距離にレモン汁を入れられて苦しむのと同じで、
残った反対の目を使いビルガメラーの意識は弐式八分九厘からイカのお化けに向けられる。
スルメイカ男「ガイラット万歳~~」
スルメイカ男(さらば。愉快な者達よ!!)
脳裏に出会った剣持達の姿を掠めて
「「ギェエエエエエエエエエエエエン!!」」
怪獣は弐式を無視してスルメイカ男に対して噛み付き攻撃を行い、その鋭い牙によってスルメイカ男の身体は爆発!?突然ビルガメラーの顔周りが炎に包まれる様子に
ボーダー達は怪訝な様子で見る。
東「どうした?」
太刀川「良くわからないが!?怪獣に隙が出来たぞ。」
このチャンスを逃すボーダーと『お化け屋敷』ではない。
〔推奨BGM 永遠なる勇者〕
怪獣は口から高熱火炎放射を弐式に向かって吐き出して
弐式の姿は高熱火炎に包まれる。
アイドル「行くぞ!?弐式!?」
だが弐式は………燃える炎に何かに…負けない。
操作プロポを操作して弐式の右腕と左腕を引き、一気に
怪獣の頭部に両拳を打ち込む!?包まれた紅蓮の炎を左右の拳の風圧で吹き飛ばし狙いは硬態怪獣ビルガメラー只一つのみ……火の粉が弐式の周りを舞う中、軟鉄装甲兵の放った両拳を突き出す頭部に命中と同時に鈍い打撃音と衝撃がビルガメラーの頭部から全身に行き渡らせて、怪獣の口から紫色の血を流させ完全に四肢をぐったりさせ多摩川にビルガメラーは前のめりに倒れる。
小荒井《決まった!?》
巴《カッコいい……》
半崎《完全にグロッキーになっているな。》
誰がどう見ても弐式の勝利を見届ける。
アイドル「ムラマツ隊長。液体窒素弾を使って下さい。」
ムラマツ《ハヤタ隊員、ロイド隊員。液体窒素弾を使用してくれ。》
ハヤタ《発射!》
それでも怪獣は立ち上がろうと四肢に力を入れようともがくも、2機の銀の赤のマッハビーストの主翼部分から液体窒素弾が満身創痍のビルガメラーに放たれた、
ビルガメラーは避ける事も逃げる事も出来ずに全て命中し着弾して怪獣の全身を凍り始める。
イデ《やったあ!?全弾命中!?》
艦橋の大型モニターから真っ白に液体窒素で凍る怪獣を見てイデ隊員は喜びの声を上げる。
黒野《そのまま冬眠してくれ……》
艦橋の内部にて戦艦の試運転で墜落とかしなくて良かったと安堵する黒野。
怪獣は頭を空に向けた状態で真っ白に凍り河原に倒れる。
その様子を見ていた地上部隊は戦いの終わりを確認して
それぞれ安堵の表情をする。
国近《怪獣の活動の停止を確認。作戦終了……お疲れ様です。皆。》
太刀川「あ~~楽しかった~~」
両腕を伸ばして身体をほぐしながらマイペースで答える太刀川。
出水「リアルモンハンでしたね。」
各部隊はそれぞれ全員集結しそれぞれの報告をする。
ヒョーコリ・ドン・ガバ艦内でも作戦終了を知らせるアナウンスが流れて……
ムラマツ《冷凍作戦は功をそうし、我々は無事ビルガメラーを撃退した。諸君らの協力感謝する。》
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剣持達は付近の避難所に下ろされて、
ポニー「皆~~」
志岐「あっ、ポニーさん。」
剣持達に駆け寄るポニーは志岐と染井を抱き締めて、
ポニー「心配したんだから……」泣くと怒りを同時にやろうとして少し残念な事に、なっているもの心配してくれたのはありがたい……
アラシ「ゴメン……結局、君の亀を見つけだせなかったんだ」怪獣騒ぎであのマンションの周辺が酷い状況だ。
探していた亀も無事ではないだろう……
里穂「……」
暗い表情で俯く里穂。その時、避難所に避難していた一人の女の子が嬉しそうに走ってくる。
少女「里穂ちゃーん!ルミがいたよー!?」
その少女の両手には一匹の緑亀がいた。
その緑亀を見て里穂は笑顔になる。それを見てムラマツ隊長達も安心する。
ムラマツ「無事にルミが戻ってきて良かったね。里穂ちゃん。」
ハヤタ「また危ない目に会うかも知れないから、手放しちゃ駄目だよ。」
アラシ「見つけられずにいたからどうしようかと思っていたけど、うん、本当に良かった」
イデ「この怪獣騒ぎだから、一体どうなったかと心配していたけど本当に良かったな!」
里穂「ありがとう……でも、ルミはあの多摩川で暮らした方が幸せになれるんじゃないかしら」
アラシ「そうかも知れないよ。でも、いいのかい?せっかく見つかったルミを逃がしてやっても」
里穂「うん、いいの。じゃあ、さよなら、おじさま。またね!」
そう言い彼女は避難所にいる両親の元に向かった。
ハヤタ「キャップ、お疲れ様でした。無事に解決出来ましたね。あの女の子の心の問題もね。」
アラシ「良かった。あの女の子はきっとこれからもがんばっていくよ。」
イデ「大丈夫だろう。ああやって友達も出来たし。なぁオジサマ」
アラシ「ああ。…………ん?おい。イデ!誰がオジサマだ!」
ホシノ「お前達………………期日までに報告書をしっかりと提出するようにな。」
和気あいあいに終わらないのがこの仕事。ホシノチーフが、イデとアラシに釘を刺す。
西川「ごめんよ。剣持君。こんな事に巻き込んでしまって……」
「西川さんは、これからどうするんですか?」
西川「新しい場所で考古学を続けるつもりだ。」
「頑張って下さい。」
西川「ありがとう。」
剣持と西川さんは互いに握手をしてまたの再会を誓い離れる。
染井「…………」
その様子を染井華は無言で見つめていた。
志岐「はぁ~~今回の事ボーダーに報告しないと……」
染井の後ろを陣取りため息を吐く志岐。
染井「ねぇ、志岐さん。」
志岐「うん?」
彼女は静かに剣持と西川の方を……否、剣持の無表情を
見つめながら言う。
染井「……いたよ。剣持君。」
その一言で志岐も剣持の方を見て……
志岐「そう……」
そう彼女は答えるだ……
染井「………………」
染井(ねぇ。剣持君。どうして貴方は……私達に何かを隠すの?どうして?何故?どうして?私達を……葉子を突き放すの……)
香取が剣持を突き放すと同時に剣持も二人を突き放す行動と言動をした事に……染井華は既に気付いていた。
………………
染井(私は……知りたい。剣持君の本当の気持ちを……)
別々の道歩む人生でも、同じ道を喧嘩もしたり色々合ったけど……最後はいつも仲良く笑い合って道を歩いたんだ……
染井(……剣持君。また前みたいに……何気ない事で笑い合いたいよ。)
剣持君に何が合ったかはわからないけど……仲が良い友達関係を他人同然にしてまで守られたって嬉しくない。
染井(……理由を……本当に……今の剣持君と互いの本音で話さないと……前に進めない気がする。)
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奥多摩の多摩川にて……流れ行く川の端にヒョコっ一匹の緑亀が泳ぐ様子バックに……
ナレーション《ビルガメラーは、二度と目覚める事がないよう、深い地底へと戻されました。しかし、人間が木を切り山を崩して、開発を続ければ同じ事が何処かで起きるかも……もしかしたら、もう一匹のビルガメラーが、貴方の足元で生まれているかも知れません。》
ボーダーや『お化け屋敷』がビルガメラーとの戦いを終えた頃
三門市の市街地の路地裏……
チンピラ「ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!待ってくれ!?殺さないでくれ~~」
昆虫の蜂を模した複合金属合金マスクの二つの複眼が、
一人の凶悪犯を見つめる。
スカルホーネットマン「答えろ。○月△日。お前達の仲間の一人が年寄りの老人を殺して、その人の車を盗んで
逃走した。」その日は、レッドマンとゴリアテが戦い、レッドマンが敗北した日だ。
声には怒りを込められており、有無を言わせない迫力があった。
チンピラ「知らないよ!?俺じゃない!?」
スカルホーネットマン「…………そうか。ならもう用は
ない。」
蜂を模したその男が、左腕の蜂の針を男の胸を刺して、
チンピラ「そん……な……」
スカルホーネットマン「お前のようなクズがいない方が、この街は綺麗になる。」
そう言い捨て針を引き抜き、路地裏で事切れたチンピラを無視してソイツはパワードスーツをしまい。何食わぬ顔で三門市の市民に紛れる。
(必ず探してみせる。伯父さんを殺した男を……)
男は人間以上の力を持っていた。
その力で伯父を殺した男を探している……
『次回、コセイダー!!変身 』