ワールドトリガー・TheREDmanHERO   作:怪物怪人怪獣さん

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今年の秋の内にプレイターの話を終わらしたかったのに気が付くと今年最後の日に中編を投稿する駄目な筆者です。感想と評価……はいらないや。暇潰しに駄文を読んでくれる皆様へ良い年を……そして来年もこの小説をお願いします。忙しいからBGM等はまた暇の時に加筆するつもりです。巨影都市シーンの幾つかモチーフにしています。剣持と志岐さんが見ていた映画は【キャプテンアース】と【star driver輝きのタクト】のクロスオーバー映画作品でキャプテンアースの最終回の後の物語で主人公は遊星歯車装置で有りながら最初から仲間達と合流せず人間として双子のヨウ姉妹と暮らしている設定です。


ファイル13姿なき捕食者-蟷螂の叫び-中編 昆虫怪獣プレイター サイボーグ怪獣サイボーグコンガー登場

前回のあらすじ……謎の複数の交通事故に、黒潮島の島民の行方不明を調査する『お化け屋敷』は巨大蟷螂の姿をした昆虫怪獣が島から移動するのを目撃。島で捕まえた小型の突然変異の蟷螂と交通事故の調査中でマッハビーストのエンジン詰まった蟷螂の死体から30年前に使用禁止になった違法の農薬成分が検出されて、『お化け屋敷』は事故現場の近くにあった農場が農薬を密造しているのではないか疑問を持つ。更に40㍍の大きさになった昆虫怪獣の1匹が横浜から電車の車両を持って三門市を襲来。レッドマンが現れて怪獣は倒した物の………多数の市街地での被害で鏡 拓也は、自分が普通の人間ではない事を告げられ困った事があったら剣持 夢想の元へ尋ねると良いと言う父の言葉を聞き拓也は夢想を探す。違法の農薬を持つ農場を調べようと行動する『お化け屋敷』。まだ姿を見せぬ散らばるように分かれた昆虫怪獣達とその親達…………事件はまだ何一つ解決していなかった中……刻一刻と剣持と志岐との東京の映画を見る日が近づいていた……

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剣持達が昆虫怪獣の事件解決に奔走する中アメリカ支部は無人島で発見したサイボーグ怪獣をより深く解析するする為に、支部に輸送しようと準備を進めていた。

動かないサイボーグ怪獣に念の為に各身体の部分に特殊金属製のチェーンで身動きを封じて特殊な怪獣が入れるサイズの金属製の箱にゆっくりと入れて箱を閉じる。

カルロス「大型輸送機の準備が完了しました。」

シャイダー「では輸送を始めよう。」

大型兵器を現場まで輸送するのに使う輸送機を複数出動させて特殊金属製の箱に強靭なワイヤーを使いゆっくりと空輸する様子を見るアメリカ支部の隊員一同。

固唾を呑んで様子を見守る中、ゆっくりとだが箱が浮かび空輸が可能になった様子で安堵の表情をする一同。

カイ「ほっ、良かった。何とか空輸出来そうです。」

緊張が無くなりカイ隊員はシャイダーの方に空輸を報告する。

シャイダー「このまま何も無いならな……輸送ルートの予定を見せてくれ。」

だが真剣に仮面越しの表情で空輸されていくサイボーグ怪獣を見るシャイダー。それは未だに自分の中にある嫌な予感が消えていない為である。

カイ「あっ、はい。」

カルロス「どうぞ。」

カルロス隊員からルートの情報データが記載されているタブレット機を渡されてから確認するシャイダー。

シャイダー「ありがとう。………ロサンゼルスの基地に到着するのは、明日になるのか。」

カルロス「もしもに備えて出来るだけ大きな市街地を迂回したルートをするつもりです。只……迂回する分の燃料が消費する事も考えて途中にある空軍に燃料補給をする必要はありますが、」

シャイダー「どの道あのサイズの箱では輸送船を使った海路は勿論、陸路も難しいだろう……」

鈍色の巨大で武骨な金属製の箱が無人島の森に影を作りながらゆっくりと移動していく様子を見る一同。

カイ「空軍基地だから警備はしっかりしているんだろう?」

カルロス「勿論だ。隊長達が見つけた緑色の血を流した変な奴らにも警戒しているからこのルートを選んだ。」

シャイダー「輸送任務は彼らに任せて私達も支部に帰還しよう。」

無人島で出来る仕事は終わりアメリカ支部の隊員達は撤収の準備を初める。

シャイダー「…………」

シャイダー(何も起こらなければ良いが……)

各自が撤収準備をする中シャイダーは動かないサイボーグ怪獣を尚も警戒していた。

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日本のとある市街地ノベハンシティーにて

世間と言うのは、話題や刺激や変化を求め欲しがる物だ……天気予報は勿論ゴシップ、ニュース、流行り、政治、スポーツ、娯楽、芸能、そして災害や事件も事故も人によっては真剣に耳を傾ける話題であれば、何気ない話のタネとして使われる話題である。当然秘密の多い界境防衛機関ボーダーの話題も人を惹き付ける話題だ。未知の技術を使い未知の多い異次元の侵略者近界民との戦いは、ある人達にとっては話のタネであり、ある人達にとっては"複雑"な気持ちで耳を傾ける話題だ……

そして何も知らない人達にとって……事故事件災害の話題等は"対岸の火事"その物なのだ……似た被害や災害を経験した人間とそうじゃない人間ではその話題の知る意識にかなりの差はある……

場面はノベハンシティーから三門市の市街地に変わる

三門市の市街地で有害巨大生物同士の激闘が起きて激闘があった区域は一時的に立ち入り禁止となった。

その区域に会社や仕事先がある人間にとってはたまった物ではないが、"戦いの後始末"が終わるまでは一般人の立ち入りは禁止される。

 

そして市街地で戦闘があっても三門市の経済その物は止まらない……市街地の一区域が止まっても、三門市は今日も変わらずに廻る……それが今の三門市の日常……

 

昼が過ぎ三門市の市街地のとある区域には立ち入り禁止テープが貼られている場所がある。その一角に駆動音が市街地に響き渡る。

カンフー「あらよっと。」

重機顔負けの巨大な鉄の巨兵が律儀に正座の状態で、瓦礫の撤去をチマチマと行う。そうロボー47と弐式八分九厘の2機の『お化け屋敷』が所有する大型兵器はレッドマンの"後始末"をしていた……より正確に言うと昨日のレッドマンと怪獣との戦いで被害にあった市街地の瓦礫の撤去作業とレッドマンのレッドナイフでバラバラにされた怪獣の後始末をするのだ。

 

カンフー「……」

黒潮島に複数出現した巨大昆虫怪獣の対策本部が昨日の夜設立されて……現在、『お化け屋敷』は昆虫怪獣の解析と自衛隊達と共に残りの個体達を捜索している。だがレーダーに映らない怪獣の為捜索は難航している。

ロボー47を動かして瓦礫の撤去をするカンフーは、つい頭部のモノアイを動かして、《怪獣解体清掃業 モンスターズクリーナーセンター》の連中を見る。バラバラにされた昆虫怪獣の特徴的な鎌を特殊な防護衣を着た解体業者達が採取している。80歳以上の年寄りや高校生くらいの年齢の少年や少女の姿も見える。重い特殊解体道具を持って文字通り巨大な物を解体している。動きがどう見ても素人の為、日雇いバイトに参加したばかりなのだろう……現場監督から作業を説明されながら仕事をしている。

 

グラサン《どうした?カンフー。手が止まっているぞ。》

ロボー47とは別の場所でゲンブ百貨店の屋上にある横浜の天井のない電車の車両を持ちゆっくりと付近の建物を壊さないように運ぶ弐式を操作するグラサン。

未知の防護作業服を着用して怪獣の体内を歩く掃除屋達。

カンフー「いんや。別に……」

怪獣処理専門の解体道具を持って怪獣解体清掃業の連携の様子を見るモノアイを元に戻す。

マキシボーン山で怪獣に損傷されて修理と整備をして十数日……本日漸く100%の状態なったロボー47を動かすカンフーは、仕事をしながら言う。

カンフー「隊長達は、昨日の個体には、親がいるって言っていたよな。」

グラサン《兄弟だか姉妹だかもな……同じ大きさの個体が少なくとも残り約3匹、そして親もいるらしい……》

カンフー「巨大昆虫生物が人を襲うなんてまるでSF映画やアニメの世界だな……」

グラサン《つい最近だと巨大蟻のとか目撃されていたのが懐かしい……》

カンフー「【ガメラ2 レギオン襲来】……俺好きなんだ。自衛隊が活躍する映画……」

グラサン《勘弁してくれ。昆虫に良い思い出無いんだよ。》

勿論、『お化け屋敷』も昆虫怪獣の死骸から一部を研究資料として回収した……只、持ち運べるのは、色々と生物学の博士や遺伝子工学の博士らの指示でレッドマンのレッドナイフで切断された怪獣の頭という辺りは、『お化け屋敷』の科学者はやっぱりイカれた科学者達という認識が正しい……

 

カンフー「蟷螂って言えばハリガネムシって言う寄生虫を腹の中にいる個体もいるんだよな……」

グラサン《怪獣サイズの寄生虫なんて想像もしたくないよ。》

【ぐちゃぐちゃ……】

その時、バラバラにされた怪獣の腹部から大きな物音が鳴り響き複数の叫び声が聞こえてきた。

カンフー「!?」

グラサン《!?》

二人は互いに目を見合せロボ達は正座を辞めて、腹部近くまで歩み寄る。

【ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ】

すると怪獣の腹部が不快感を感じる音と共にに激しく動きだして……恐る恐るカンフーが搭乗しているロボー47の真紅のモノアイに内蔵した記録カメラで死骸の蠢く腹部の部分を拡大する。

グラサン《おい。カンフー……》恨みが籠った声が通信機器越しに聞こえてくる。

【ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ】

カンフー「お、俺のせいかよ!?」

【………………………………………………】

激しく動いた後……静寂と共に腹部の動きが止まりロボー47と弐式は互いに頭部を見合せて同時に腹部に顔をゆっくりと近づき、

【………………………………………………】

カンフー「指令本部、大型兵器の武装許可を急いで欲しい……」

イデ《どうしたカンフー?瓦礫の撤去をしているのに……怪獣反応!?》

『お化け屋敷』の基地にも目の前の遊星からきた物体Xの反応を拾ったらしい……

エドランド《エドランドだ。一体どうした?》

グラサン《エドランド隊長。怪獣の腹部から寄生虫が出て来ます。大至急武装許可を!!》

意見を言っている傍から怪獣の腹部から黒いミミズのような生き物が飛び出て来てロボー47に襲い掛かる!!

カンフー「うぎゃあ!!」

47の頭部の軟鉄装甲に噛み付くモンスターハリガネムシに47と弐式が無理やり押さえつけて……激しく暴れる。ガチガチと牙を必死に掻き鳴らして47に襲い掛かる黒いハリガネムシ。それを弐式が47から無理やり引き離して所構わず暴れるハリガネムシ。

グラサン《気持ち悪!!【ザ・グリード】や【トレマーズ】なんて及びじゃないんだよ!!》

弐式がハリガネムシを掴んで、掴んだままバラバラに切断された昆虫怪獣の腹部に向かってて何度も叩き付けてムシの顔面に向かって容赦なく殴り付ける。

だがムシに骨が無い為か、大したダメージを与える事は出来ず、陸に出て来た鮭みたく激しく暴れるハリガネムシ。

イデ《大型兵器の武装の使用許可が降りたぞ!!》

緊急事態の深刻にエドランド隊長達は兵器の武装を許可する。

カンフー「グラサン!!弐式でそのまま押さえつけてろ!!」

グラサン《了解!!早くしてくれ~~気持ち悪っ!?》

カンフー「ドリルアーム!!!」

のたうち回るハリガネムシに向かってカンフーは、ロボー47のロボットアームに収納されたドリルアームを起動して、激しく火花と共に回転するドリルでハリガネムシの口を目掛けて一気に腕を抜き放ち口の中に無理やり突っ込み入れて股先まで刺し貫き、ハリガネムシはロボー47の一撃の元に破裂する。黄緑色の体液をまんべんなく浴びたロボー47と弐式、体液は周囲の建造物に撒き散らして………………

イデ《怪獣反応は消失……お疲れ様。》

カンフー「ハハッ…はぁ~~仕事が増えた……」報告書に追記の書く必要があると悲しい気持ちになる二人。

グラサン「弐式達の清掃もしないと……」

突然変異のハリガネムシの体液まみれになった大型兵器はどんよりとした陰を落としながら瓦礫の撤去作業に戻るのだ。

こうしたアクシデントがある物のその日の内に区域の清掃は終わる。

だが仕事が増えてどんよりになる二人には悪いがこのアクシデントのおかげで、今回の事件の昆虫怪獣の体内にハリガネムシも怪獣化している状況がある事を『お化け屋敷』の連絡網で共有される事になる。

カンフー「ハンサム達は例の農場に行っているみたいだな……」

グラサン《大丈夫か?噂じゃ、蟷螂が主食にしている例の農薬を密造している農場らしいが……》

エドランド《彼らも心配だが二人共。まずは、目の前の戦いの後始末をしてくれ。》

カンフー「了解。」

ミュータントハリガネムシ黄緑色の体液は念の為採取する為にポンプ車の出動を要請する怪獣解体清掃業の連中。あの中には、この区域で働いていた失業者達も日雇いのバイトとして参加しているらしい……

グラサン《怪獣が居るから成り立つ職があるって何か……仕方ないとはいえ……やきもきするな……》

カンフー「仕方ない……俺達は職の斡旋とかしてないし、そういうのは行政の仕事だからな……今頃三門市のハローワークは沢山の行列が出来ているだろうよ。」

 

怪獣災害で怪獣保険や家財保険や火災保険に入っていない一軒家や会社は、文字通り失ったままだ。保険を持っている会社とかでも建て直す間は、色々と問題が発生するのだから物理的に倒産した会社なんて想像もしたくない……そんな彼らの救い上げる職種の一つが怪獣解体清掃業だ……危険は勿論の肉体労働……さっきのような二次災害も勿論あるが、日雇いの賃金は他の職種に比べられたら一番でまさにハイリスクハイリターンでもある。再就職の資金や大学の奨学金の返済用のお金を貯めるにはうってつけなのだ……勿論命懸けだが……

 

大型自動車資格や重機の資格を持っていると尚も良い…

人間を食べた怪獣の胃を解体するとたまに消化不足で原形を留めた人間の死体等に遭遇するから注意。特に身内や家族や友達の成り果てを目撃した日にはパニック症状が発生する危険な職業だ。

カンフー「ハンサム達は本当に大丈夫か……」

瓦礫を撤去しながらカンフーは三門市にいない仲間達を心配する。

エドランド《そう思ってアーサー隊長は、ジーンとアイドルを援護要員として例の農場に向かわせた。」

カンフー「なら安心だな……」

 

 

ディアヴォロス「……」

弐式達から結構離れていた建物の屋上の日陰の所にいた黒い鎧を纏ったディアヴォロスは、戦いの後始末をしている『お化け屋敷』と怪獣解体清掃業の様子を見ているのを辞めて黒野 賢人の姿に戻り……自分の仕事に戻る

 

 

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昼過ぎの頃

カンフーとグラサン達が心配したジャック達ロイドが操縦する空中戦が得意な万能戦闘機ジェミニフライヤーで既に例の農薬を密造している可能性がある農場へ向かっていた。

 

ロイド「まさかあれから民間に俺達に事件の通報があるとは……」

今日の早朝の時間、例の農場から事件の通報があり。その通報を受けて4人は出動した。

ジャック「きっとジーンにメモを渡した佐原さんが通報したんだよ。」

ハンサム「改めて仕事の内容を説明すると、佐原と呼ばれる人物は私達に事故の発生は怪獣が関与している事をメモにある絵で教えてくれた。」

キム「だけど、佐原の雇い主の農場の主はその事故は普通の事故に処理して欲しいと考えているようね。」

ロイド「ヤバい物でも隠している可能性がある。」

ジャック「違法の農薬が発覚されている事をあの男は恐れているんだ。」

ハンサム「仮にそうじゃなくても、ジャック隊員達に嘘の証言を言った時点で何か後ろめたいのがある隠蔽しようとしているのは確かだよ。必要な捜査令状を昨日のゴタゴタの中、裁判所に用意して貰ったんだから……」

【科学特別機動捜査隊は普通の警察組織より捜査令状の発付されるが早いのだ。】

ハンサム「……こういう時、素直に『お化け屋敷』って凄いと思うよ。普通はもう少し発付に時間や日数が掛かる場合があるのに……」

ジャック「元々違法の農薬の出所を調べる為情報部達が色々と資料を用意して裁判所に捜査や逮捕の可否を前から検討していたみたいだから……それが通っただけだよ。発付されたのは、昨日だけど……」

キム「それより、現場にそろそろ到着するわよ。ロイド副隊長はジェミニフライヤーに待機して、あの農場には私達三人で行ってくるわ。」

ロイド「了解!?…………あれ?」

ロイド(今キム隊員は俺に何て言った?副隊長?あっ……)

何かを思い出したロイド。

ロイド「…………そういえば、自分が言うのもなんだが俺一応副隊長だった……すっかり忘れていたよ……」

ハンサム「うん私達も君を普通に専門の軍事訓練経験者の一隊員だと忘れていたからお相子だよ。」

ロイドは振り向く事なく皮肉を言う。

ロイド「俺は仲間外れかい?」

ジャック「それだけ信頼しているんだよ。」

ジャックは優しくロイドの肩を叩く。

ハンサム「戦闘機に内蔵されている対怪獣用レーダーに注意してくれ。相手は光学迷彩の透明状態だとレーダーに映らない。」

キム「でも生き物だから赤外線スキャナーに映る熱源には怪獣の動きは見える筈よ。」

ロイド「責任重大じゃあないか……」

そうこうしている内にジェミニフライヤーが垂直着陸する。

降りる前にハンサムはロイド副隊長に話を振る。

ハンサム「……ロイド副隊長……」

ロイド「何だ?」

ハンサム「他の隊員達には、私達がそれとなくロイド副隊長って教えておくからね。皆を怒らないで下さいね。」

ロイド「……事件が終わったら何か飯を奢れよ。ハンサム隊員君。それで許す。」

ハンサム「了解。ロイド副隊長。」

 

皆がジェミニフライヤーから降りた後……

ロイド「…………そんなに俺って副隊長らしく見えなかったかな……」

対怪獣用レーダーと赤外線スキャナー交互に見ながら一人自分の階級にふさわしい振る舞いが出来ていないか自問自答していた。

 

 

農場長「奴らめ、嗅ぎ付けたな。」

ジェミニフライヤーの飛行機音を聞いて隠し持っていたライフル銃に弾を込める農場長。

農場長「来るなら来い。全員畑の肥料にしてやるぞ。」

とてもまともな精神状態とは程遠いヤバい雰囲気を全身に出して『お化け屋敷』達が来るのを待つ。

佐原「……」

農場長「お前は奥に隠れていろ!!」

佐原の背中を蹴り納屋に無理やり隠れさす。

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三門市立第一高等学校

今日の全ての授業を終えて放課後。

夕方の時刻剣持は教室の自分の机でマドンナ先生の元で補習授業をしていた。

マドンナ「何だか…久しぶりの気がするわね。君に補習授業をするの。」

「本当ですね……」

自分のの机の上に並べた教科書と自分のノートそして持参もとい貸してくれた各先輩やボーダーの先輩同級生達のノートを見ながら遅れた授業の分を取り戻す剣持。

マドンナ先生も補習を想定してくれたのか要点をしっかりと教えてくれる。

(やっぱり、ボーダーの先輩達によって授業の捉え方ってマチマチ違う物だな……)

終わったらお礼の物を渡すのと気持ちと言葉を伝えるのを忘れずに……

マドンナ「わからない所はないかしら?」

「いえ、大変良くまとめられて助かってます。」

実際に先生の補習授業のまとめ方はかなり此方は助かっている。

互いに授業を続けながらふとマドンナは軽く質問する。

マドンナ「明日の休みはどうするの?」

「友達と東京の映画館で映画を見る予定。それから軽く東京の街を観光する予定です。」

マドンナ「君なら心配しないから大丈夫だけど三門市より都会の東京でもはめを外さないように、人の迷惑は掛けない事……」

「肝に命じます。先生。」

本当に……っと心の中で口にする剣持だった……

マドンナ(にしては剣持君……何か別の事に意識を向けていた気がするわね……)

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同時刻 ゾークロンの円盤内部にて

メルニア「それでさ、最近の都会には"天使"っていう妙なエネルギーの精神体が目撃されているらしいぜ……」

ブラックワン「天使ね……聞かない生物の名前だな……」

メルニア「そっ、背中に白い綺麗な翼を生やした神聖な存在らしくてな。調べて見ると2000年より昔の人間の空想が生み出した清い存在を指す存在みたいなんだ……」

ブラックワン「空想やら妄想の存在が何故人間の都会に現れる?実在しない人間の想像の存在が、人間の都会に目撃されていると言う事は……人間の深層心理や潜在的な宗教に詳しい意味だろう…」

メルニア「やっぱり、裏がある案件か……」

ブラックワン「……ドンやキリキリがやる手段ではないな。そもそもそのエネルギーの精神体の目的がわからない。」

メルニア「ゴメルは?アイツ人の精神や心を狙う悪質な手段なら使うだろ……」

ブラックワン「あり得るな。戯れで妙な存在を呼んでくる癖がある。"お友達"と言う奴だ。……メルニア。」

メルニア「どうした?」

ブラックワン「さっきの話を聞いてわかったのは、お前が見たと言うのは、人間の心に詳しくそして人間の都合の良い清い存在の姿を借りた傲慢な種族らしい……思想も祭り上げられる事を当然と思う……かなり独善的で押し付けがましい……我々の傭兵団の邪魔をする可能性が高い」

メルニア「ゴメルに訪ねるか?どんなのを呼んだのか?」

ブラックワン「何、もし私達に楯突くならば文字通り叩き潰すだけだ……っ!?」

メルニア「っ!?この挑戦的で攻撃的エネルギーに満ち溢れたの気配は…」

ブラックワン「……知っている奴の気配だな……どうやらグラビティスが遭遇したらしい……それに」

【ーーーーッ!】

メルニア「どうした?」

ブラックワン「……いや、我々は翌日の実験の準備に備えよう」

ブラックワンはメルニアにそう口にして前を進む中で思考する。

ブラックワン(イノセンスマンとは別にベムと同じレッドスターの生物がこの星に来た……それに、それを追うのは我がブラックスターの出身の不定形生物か……)

レッドマンの故郷から地球に逃亡して来た宇宙犯罪者とブラックワンの故郷からその犯罪者を追ってきた宇宙警察の捜査官がレッドマン達と邂逅するのは別の機会になる。

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ロシア連邦 山岳地帯……

石油会社でディアヴォロスと接する時の戦闘オフの状態とは違い明確な"敵"の気配を察して戦闘オン状態になった間 罪無。最も攻撃的なエネルギーを持つ彼は現在、ディアヴォロスとの戦闘の時とは余りにもかけ離れた本来の彼は悪や敵に容赦が無い攻撃的な本性をこれ以上なく発揮していた。

グラビティス「伝説の戦士と戦えるとは……面白い!!」

【ターゲット…ロックオン。】

グラビティス「ファイア。」

バラキ「死ねぇぇ!!」

間罪無「せがあああぁぁぁ!!」

異形のロボット戦士の両掌から熱光線、人外のバラキの口から開らき喉から緑色の高熱火炎を一気に放射するも罪無は高らかに声を上げて片手の拳に握りしめて紫のエネルギーを纏った一撃を一気に打ち放ち紫の光エネルギーの拳と熱光線に緑色の高熱火炎放射をぶつかり合い、双方の熱波が両者の姿を照らし激しく衝突する中で罪無の方の攻撃が二人の攻撃を突き破り、バラキとグラビティスは高いの位置の永久氷河から同時に跳び移る。

グラビティス「!!」

腕部に収納された両熱刃の両手槍を瞬時に抜き放ち、両手で握りしめて獣脚で一気に距離を詰め罪無の心臓に狙いをつけて刺し貫こうとする動くも、

罪無「……ふん!?」

その両手槍の熱刃は罪無は全身からエネルギーの渦を放出して、迫るグラビティスの攻撃だけでなくグラビティスその物を弾き飛ばす。

罪無「……今度は此方の番だ。」

その一言と共に罪無の後ろの永久氷河が正方形に細かく砕けて罪無も高速の速さで突っ込む……

バラキ、グラビティス「「っ!?」」

紫色の光エネルギーの蹴りの一撃が、瞬きと共に間近に迫り反応するより早くバラキとグラビティスの芯を捉えて気が付いたら両者が蹴り飛ばされる。蹴り飛ばされながらバラキは相手の実力差に驚愕を覚える……

バラキ(何だこの奴の強さは!!……こんな奴がいるなんて……)

空を自由に舞う不死鳥のように自身のエネルギーを放出させて高く飛翔する罪無はその状態からバラキに迫る。

バラキ「!?」

両手首から刺骨を不意討ち気味に生やすも、罪無は直撃するより早くくるっと身体の回転させて、その不意討ちをあっさりと回避して距離を詰める

罪無「……」

空中で身体を高速回転させて回し蹴りをバラキの横っ腹に叩きつけてバラキが反応するより早くに拳を顔面に深々と叩き付ける罪無。

バラキ「っ!?」

だが殴られながらバラキは自分の尻尾を罪無の身体に巻き付けて罪無の無理やり動きを止めて相手を締めつけて自分の牙で噛み付こうとするが、罪無は全身を自分のエネルギーで覆わせて更にエネルギーを"硬質化"させてバラキの噛み付き攻撃を無効化させる。

【ガン!!】

バラキ「何だとっ!!?」

罪無の皮膚や服に自分の歯が通らない事実に驚愕してそれでも尚も噛み付き攻撃を続けるも、罪無は己の両手にエネルギーを送り光の熱刃を作り出してバラキの尻尾を次々と切り刻み脱出。

罪無「堕ちろ。」

バラキ「バカな!?」

罪無は片方の掌の平から小さな光の熱球を創り出してバラキの腹に叩き付ける至近距離からの直撃と共にバラキの身体をエネルギー爆発させる。

バラキ「ぐぎゃああああああああああああああああああああ!!!!」

目映く激しい光と共に爆炎が永久氷河に立ち上がり、煙の中からバラキは原形を保ったまま倒れて、無言で煙の中から姿を見せる罪無は異形のロボット戦士を闘志に満ちた目で見る。

グラビティスがその隙に両手槍で罪無を一刀両断しようと振り下ろすも、罪無は全身を霞のように消してその攻撃を回避する。

バラキ「死ねぇええええええ!!!?」

別の場所に姿を見せた罪無にエネルギーの爆発に耐えたバラキが生やした刺骨で斬りかかるも、罪無は軽々と空中高くに飛び上がり、グラビティスとバラキも高く跳び上がる。

グラビティスはジェット推進をして、罪無に向かって、両手槍を投擲するも、再びその身を霞のように消してグラビティス達の視界から姿を消す。

グラビティス「!!」

罪無「ふん。それが貴様の全速力か?」

そしていつの間にか瞬間移動顔負けの高速移動をする罪無。

グラビティス(俺の内蔵したレーダーセンサーで捕捉するよりコイツ速い!?)

罪無は空中を跳ぶグラビティスの背後に一瞬にして距離を詰めて、グラビティスは複数のメタルアームを起動させる。元の二本の腕に対して計六本のメタルアームから内部兵装を起動させて、罪無に殴り掛かる。余裕の表情から

罪無「遅い!?」

くわっと黄色い目を見開かせ紫の閃光と共に一瞬の攻撃の交差から続く打撃音と共に金属製の六本の拳が罪無の身体に直撃する事なく一瞬でグラビティスが反応するよりも速い一撃が直撃して罪無を殴るより速く既に腹を殴り飛ばされて氷河を砕き冷たい河にその身を落とすグラビティス。

バラキ「化け物めっ!?」

バラキは口から連続に発射された緑色の火炎弾を、

罪無「ふんっ!?」

眼力のみで、迫る緑色の火炎弾を全て在らぬ方向にねじ曲げて、火炎弾は罪無とは別に関係無い場所に着弾する

バラキ「馬鹿なっ!?」

罪無「ふっ、大道芸にして面白みが欠ける特技だな……そおれぇ御返しだ!!ぜぇいやぁあああああああ!!」

両者落下しながら距離関係無しに罪無は右の拳に練り上げた紫色のエネルギーを纏わせて何も無い虚空に向かって己の拳の一撃を弾丸の如く砲弾の如く打ち込み。紫の光の軌跡と拳圧と共に紫色のエネルギー光弾の一撃がバラキの全身に叩きつける。

バラキ(速い!?速過ぎる……防御も回避も……間に合わない……)

バラキ「ぎゃあああああああああああああああああぁぁぁーーーーっ!!」

エネルギーの規模の広さに回避も不可能のまま直撃して全身が鈍器にバラバラになると錯覚させる破壊力の拳がバラキを吹き飛ばしバラキは無防備に落下するが、罪無は相手の胸に向かってエネルギーを蓄積された拳を押し込みエネルギーを放出させて叩き込む。

罪無「でぇいやぁあああああ!!!」

罪無は気合いの声と共にバラキの胸に追撃の正拳突きの一撃を決めバラキは落下のスピードを上げて氷河の河に沈むも、河の中から赤い追尾レーザーキャノンが次々と雨のように放たれるも、

罪無「!!」

罪無の全身から放たれる念動波で作られた球体バリアで全てのレーザーキャノンを弾き返す。

グラビティス「硬い……硬過ぎる……超能力によるサイキックバリアが強力過ぎるだろう……」

罪無は着地と共にバリアを消して一気に決めようと必殺技を出そうとした瞬間、

「「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!?」」

罪無に気絶させられた青い怪獣は、気絶から回復して、罪無を見て、口から巨大な火炎弾を発射する。巨大な燃える隕石と見間違うソレを、罪無はブラックワンに匹敵する念動力のみで迫る火炎弾を一瞬で掻き消して………怪獣はたじろぐも激しくその身を動かして己の恐怖を消して氷の大地を走りながら全力を込めた巨大な拳で人間と同じ大きさの罪無に殴り掛かる。直撃による衝撃で罪無の足元が軽くめり込むも、罪無自身に大してダメージはなく。只攻撃動作を封じられて、

罪無「…小蜥蜴風情が……邪魔だ。」

自身のエネルギーに威嚇を込めた紫色のエネルギー波を360度に放出させて再び40㍍の巨大な怪獣は攻撃ですらない威嚇でその巨体を空中高く吹き飛ばし大地に激しく転がり回り、気絶せず直ぐに起き上がり青い怪獣はロシアの大地を掘り地底に移動する。自身と相手の実力差が本能的に知ってしまい逃げるのだ。

グラビティス「ちっ、このままだとメルニア様にどやされるな……」

異形のロボット戦士はここに来た本来の目的の一つを遂行する為地底に潜ろうとする怪獣に向けて両手の甲を小さく開き右側から超小型発信機を怪獣の尻尾辺りに、左側の手の甲からテレパシー増幅機を後頭部には発射させる。発射させた小型装置は見事に怪獣の尻尾と後頭部に張り付き。

グラビティス「これであの怪獣は怪獣使いでもなくても操れるな。」

目的を果たしこの場から撤退しようと永久氷河の中へ再び潜るグラビティス。

罪無「逃がさんぞ!?」

罪無も怪獣を仕留めるよりグラビティス達を狙っている為に動こうとしたが、

【ーーーーッ!?】

罪無「ぬっ!!?」

突如感じた異様な気配を感知したと共に永久氷河の氷が次々と凍結して行く。グラビティスとバラキが沈んだ河も瞬く間に凍る様子を見て……

罪無(俺のエネルギーで溶け出して氷の河が瞬く間に……これは只の自然現象ではない……)

【ーーーーッ!!】

罪無「!?そこかっ!?」

大きな気配に隠れてさっき感じた異様な気配に向かって紫色のエネルギーを込めた拳を打ち込むも、突如周囲に激しい吹雪も発生して罪無はエネルギーで吹雪を吹き飛ばすもその頃には……感じた何者かの気配もバラキ達の気配も消えていた。

罪無「…………」

警戒する気配が消えて永久氷河の静寂のみが残る場所で罪無は無言で空を飛びロシア連邦から離れようと空を飛び考える……

罪無「星間連合は一体何を狙っている……」

さっきの怪獣を目覚めさせてどうするつもりなのだ。

イノセンスマンは、言い知れぬ巨悪の計画が進行しているの確信して、念のためイノセンスマンは日本に戻る。

 

 

「……」

永久氷河からかなり離れ気配を消した男はバラキとグラビティスを近くの岩場に寝かせる。薄紫とオレンジ色の超古代竜の装甲鋼を身に付けたアインへリアルの格闘士に異形のロボット戦士は礼の言葉を言う。

グラビティス「助かったぜ。ガバン。」

ガバン「…貴様は嫌いだが我が傭兵団の裏切り者を処刑するには必要だ。だから助けた……」

バラキ「…………」

ガバン「貴様は傷が塞がるまで大人しくしとけ、今の貴様では奴は勿論、レッドマンには勝てない……」

グラビティス「あれが伝説の銀河連邦最強のイノセンスマン……死ぬかと思った……」

ガバン「グラビティス。貴様はととっとソイツを連れて円盤に戻れ……」

グラビティス「お前はどうする?」

ガバン「…………例の実験とやらに使われる実験動物(ボーダー)らの連中を見てから戻る……」

グラビティス「???そうか。」

グラビティスはバラキを連れて円盤に戻る。戻る前にグラビティスは仲間の格闘士の方を一度見るも直ぐに報告を兼ねて戻る事にするそれを遠くから見たガバンは、二人とは別方向に1人移動する。

ガバン「……」

薄紫が主色で所々オレンジ色の装甲鋼が歩きながらその色を"元"へ戻す

??・??「…………」

ガバンではない男は、人知れず吹雪の中に姿を眩ます……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

マドンナ「さて今日はこのくらいで終わりましょうか……」

「ありがとうございます。先生。」

補習授業を終えて剣持は先生にお礼の言葉を言う。

マドンナ「いやいや、勉強熱心の生徒で先生としても教え甲斐があるわ。」

「教えるのが、上手な先生のおかげですよ。そして授業内容のノートを貸してくれた先輩や友達達……」

マドンナ「でも先生として補習は少ない方が嬉しいわね。」

「……すいません。」

何気ない普通の高校生の時間……今更ながらパリから三門市に戻ってきたと実感を覚える剣持。

マドンナ「何か悩みはない?」

「………ありません。精々日本史や古典や現国の覚える

大変なだけです。」

マドンナ「何かあったら先生達に相談しても良いからね。」

「ありがとうございます。大丈夫です。」

そう言い剣持は急ぎ教室を離れる。

 

放課後の時間、学校は部活動やまだ何か用がある生徒と下校する生徒に別れる。剣持は周り下駄箱のある出入り前まで歩いていると

北添「やぁ、剣持。」

「あっ」

別役「あっ、剣持。」

佐鳥「補習授業どうだった?」

そしてそんな中で遭遇するのは、モテない男子の会のメンバー達である。何とタイミングが……いいや、そんな事より……

そもそもこの会の人達は異性にモテたい願望がある男子で構成された人達らしいのだが、メンバーを見ると本当にモテたい願望ある人達が混じっているのか甚だ疑問を覚えてしまう男子もいる。

三門市市立第一高等学校には、その会のメンバーは多い……が、特に何か大々的な活動はしない。それでも生駒隊長がこの会にいるせいかボーダー本部内ではやや騒ぎが起きる。流石にポイントを没収される程はないが、ボーダー本部……ひいては一部の人達からは迷惑な集団と思われてしまっている。

佐鳥「そうだ。せっかくだから近くのコンビニで何か買い食いしてこないか?」

北添「賛成~~」

別役「剣持もせっかくだし一緒に行こうぜ。」

「え?……あの俺、用事が……」

別役「良いじゃん。剣持、最近付き合いが悪いからさ。ここは佐鳥先輩達の顔を立てようぜ。」

「……そうだね。せっかくだしお供させて頂きます……」太一の容赦無い誘いに剣持は断るに断り切れず……単独で移動する事を諦める。

(大丈夫だよな……『お化け屋敷』先輩達は……)

 

近くのイートインスペースのあるコンビニで俺と佐鳥先輩と別役君に北添さん。狙撃手二人に銃手に攻撃手の4人組の完成である。

四人はイートインで並び座りながら今回の集まって話題を口にする。

「えっ?明日佐鳥さん達、東京のイベントに参加するんですか?」

剣持は無表情ながら驚きの声を軽く出す。どうやら自分の知らない間に嵐山隊と那須隊が明日のテレビでゲストで参加するらしい。

佐鳥「まぁね。メディア対策室長の根付さんや嵐山隊の皆と那須隊の人達もね。」

北添「そうか。テレビ映りが良い人達だね……」感慨深く答える北添。

佐鳥「美男美女が揃って東京タワーでボーダーの広報関係の生放送だよ。時間は明日のお昼頃……皆テレビで見てくれよ。」

別役「分かりました。来馬隊長らと鈴鳴支部で見てます。」

北添「カゲ達と一緒に見ているよ。」

「あっ、自分明日友達と東京に映画見に行くから無理です。」

隠しても仕方ないから自分の予定を三人に教える剣持。

佐鳥「そんな!?剣持は俺が出ている番組を見てくれないの!?酷いわ!?あんまりよ!?私の気持ちを踏みにじるなんて!!」

「否、何でオネエ言葉?だって志岐さんとの前からの約束が……あっ、」

思わず口に出してしまった那須隊のオペレーターの名前に男三人は目をカッと見開き剣持を凝視する。

佐鳥「貴様っ!?モテない男子の会の竹中半兵衛の癖におなごと江戸で逢い引きするつもりか!?」

「いや口調とか色々おかしいですよ!!違います志岐さんは只の女友達ですよ……変な誤解しないで下さい!!」

別役「で実際は?」

「実際も何も隠すような事は何もないですよ。」

北添「またまた…うぬは、ゾエハート様に嘘を言うのか!?」北斗の拳のラオウの左右角付き兜を被って言う北添。尚左右角付き兜は黒野先輩が工事ヘルメットをベースに溶接して改造した兜らしい……塗装もされてパッと見てわからないが良く見ると安全第一と描かれてある。更に言うと黒野先輩は〔落ち着いた筋肉〕に渡す予定だったが本人に返されたらしい。

「俺が志岐さんと出掛けても問題ないでしょう。」

佐鳥、北添「「問題大有りじゃい!!羨ましいぞ!!オペレーターとデートとか」」

ギャグ漫画の悔しそうな顔をする二人は俺に詳しい事を聞こうとするが、俺はこれ以上はボロを出さないように必死に話題を変える。

「それよりこのプリン美味しいですね。」

北添「そうだね。この焼きプリン……話題を露骨に変えてきたよ。この後輩。うま~~い」

佐鳥「そうよ!?そうは問屋が卸さないわ。全て白状して頂戴。」何処からか赤いカツラを被り北斗の拳のキャラクターの顔芸をする佐鳥先輩。

別役「いや~~すまないな。剣持。ウチの会の雑賀衆達が。」コーヒー砂糖とミルク入りを飲む太一が、購入した羊羮を食べつつ剣持に詫びる

「いやいいですよ。後佐鳥先輩。いつまでオネェ言葉をしているんですか?」

別役「二人共。久しぶりに剣持と下らない世間話が出来て結構嬉しいんだよ。」

「別役君も?」

別役「……まぁな。この所色々とあって集まってわちゃわちゃとか無縁だったしな……」

「確かに…最後にメンバーが集まってわちゃわちゃしたのは結構前に感じます。」

別役「今度他のメンバーを誘ってカラオケで歌うか?」

「あっそれ良いですね。別役君ナイスアイデア。」

北添「何の話?」

「また前みたいに会のメンバー達でカラオケ大会でもしようって話を別役君としていたんです。」

佐鳥「いいな~~その日オフなら勉強とか訓練とか休日とかに使いたいけど……せっかくだからカラオケ大会やろうか。はいこれ。」

「これは?」

佐鳥は会の会員の名前が記載されているメンバーリストを剣持に渡す。

佐鳥「現在の我らモテない男子の会のメンバー表。あれから面白そうだからとか何とか色々と人が入ったんだ。竹中半兵衛。確認してくれ。」

「いや…………何かA級の先輩とか良い大人増えてない!?」

目を通すと意外な男子達がいつの間にか入会していて素直に驚く夢想。モテない男子の会は会員制で……入会も脱退も自由だが事前に申請しないといけない……

佐鳥「そうそう。意外な男子達が、馬鹿やる為に集まっちゃったみたいだ……多分迅さん経由だろう……」

「迅さんって実はスカウトマンかセールスマンが向いているんじゃないですか?」

佐鳥「駄目駄目。女性にセクハラしようとするからむしろ評判が悪くなるよ。」

北添「ゾエさん達は馬鹿な事はやるけど、嫌がらせとかイジメはしない。これ大事な事だから……」

佐鳥「にしてもこの会のメンバーも心無しか一大勢力になってきたな……」

別役「凄い戦闘技術を持っている人程……何故かこの会に入会している……」

「ボーダーって人間関係に苦労している組織ですね。」

北添「そっちの新部署はどうなの?」

「別の問題ありますよ……今は多分昨日の怪獣関係でしょう。【極地からの怪物 大カマキリの脅威】って巨大蟷螂の怪獣映画顔負けの騒ぎでしたからね。」

別役「ほへぇ~~蟷螂の単体の怪獣映画って存在したんだ。」(=3=)気が抜けた顔をする太一。

「アメリカの1957年の映画です。只……余りにマイナーな映画ですから知名度は無いに等しい映画ですよ。」

佐鳥「半兵衛。説明を求む。」

「まず冒頭の始め南海で火山噴火が起きて、火山噴火の影響で北極の氷山の氷が崩れその氷の中から数百万年前の古代カマキリが目覚めてしまうんですよ。」

北添「流石、50年代の怪獣映画……どうして氷の中に古代カマキリとかどうでも良いくらいベタな場所から出現するね。」

佐鳥「映画の約束事を守っているのもポイント高い……」

それから俺達は何気ない日常の会話を楽しんだ。只佐鳥らは時折明日の俺と志岐さんの何処に行くだの何見るんだよと聞いてくるから…持っている限りの世間の話題でずらし続けた俺って……

北添「この後、皆でボーダーに行く?」

佐鳥「行くよ。二人は?」

別役「あっ、すいません。俺今日は鈴鳴支部で来馬隊長達と防衛任務なんです。」

「俺は一度『お化け屋敷』に行ってからボーダー本部に向かいます。」

【ーーーーッ!!】

(まただ!?昨日の個体より強力な気配だ……)

彼らと日常会話をする中、怪獣の気配がゾークロン細菌怪獣の気配をベムの探知能力でひしひしと感じていた剣持……

北添「なら後でね。」

佐鳥「おうよ。」

コンビニで購入した物を食べ終えた俺達は立ち上がり、コンビニの自動に左右に開く出入り口に4人全員で出て

「車とかに気を付けて下さいね。」

佐鳥「剣持達もな。」

それぞれの顔を見合わせて安否を気遣うも俺達はそれぞれの目的地の場所へ一度別れて向かう。その途中さっきのコンビニに用があるのか"彼女"が俺の顔を見て目を見開くも、俺は彼女と交差するように彼女の横の道を一人歩く。

「…………」

(夢想。)

(ベム。……このまま真っ直ぐ何を言われても普通に歩いて……僕らの目的地は『お化け屋敷』だろ……)

(……わかっているよ。そんな事言われなくてもな。)

「…………」

香取「あっ、」

互いにすれ違うも、他人のように通り過ぎる……昔の頃なら後ろを振り返るとか、声を掛けるとかしていただろうに……僕は自分の知らない内に酷くつまらなく冷たい人間になってしまった錯覚をする。

(彼女には、家族がいる。友達がいる。仲間がいる。……只その輪の中に僕がいなくなっただけだ……)

背中から憎しみに満ちた視線を感じる……香取さんの気配は本当にわかりやすいな。振り返るな……剣持夢想。

これで良いんだ……これで……これが…正解なんだ。

(何でこんな事になったんだろう……)

だが今は走らないと……何かが起きている……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

三門市総合病院……

鏡「……」

静かに病室の近くの窓から夕陽を眺める一人の少年。

埠「拓也君。調子はどうだ?」

鏡「あっ……埠さん。まっ、問題はありませんよ。」

少年は見舞いに来てくれた目上の人に自分の元気な所をアピールする。

埠「それは良かった……昨日は本当に皆心配したんだからな」

鏡「……義父も仕事前に病院に見舞いに来てくれてすっかり叱られました。人助けは良いが自分の身も大事にしろと……その通りだな……隼人や孔明達は?」

見舞いに来ていない仲間達の名前を口に出す拓也。

埠「……東京になにやら妙な噂があるらしい……と孤児の子供達を連れて東京観光しつつ調査に行っているよ。」

 

 

鏡「……例の謎の天使とか言う光の人物の投影体ですか?」

東京の都市部に最近姿を見せる謎の現象……清い天使が

東京の人々の前に姿を現し、何処からともなく【天使が我々人類を導いてくれる】と怪しい新教宗教の謳い文句で東京やら地方やらから急激に信者を増やしていく。

埠「拓也君はどう見る?」

鏡「普通に怪し過ぎる……」

埠さんの質問に間髪入れずに答える拓也。噂の内容が余りに人に都合が良過ぎる……裏とか損得勘定や利害得失がない話は気持ち悪いにも程がある。

埠「我々も同感だ。」

鏡「だがガイラットがやる手段にしては、余りに奴ららしくない……」

埠「だから隼人君が調査に動いてくれたんだ。何か洗脳能力の可能性もあるからね。」

鏡「……退院したら、俺もその噂の調査ですか?それともまた秘密の訓練の日々ですか?前にお願いした隼人さんをアシストする装備は完成しましたか?」

 

鏡 拓也……甲斐馬 隼人と埠 信玄達と共に悪の怪人軍団と侵略悪ロボット軍団を持つ秘密結社ガイラットと人知れず戦う少年……ガイラットと戦う以外に空いた時間は対ガイラットの軍団と戦う為に格闘訓練や射撃訓練と言った戦闘訓練の日々を送っている。

 

だが戦闘訓練をしっかりしても常人より強いガイラットの怪人達には遅れを取る事が多い……その為、地底基地ヘリオンの技術者に前からアシストする装備を開発して貰っている。

埠「その件なら問題無い……技術陣の総力を上げて開発したウイングパック型フライトスーツを昨日完成した。」

鏡「ウイングパック?」

疑問を頭に浮かべる拓也に分厚いマニュアルを渡す。

埠「正確にはウイングスーツ又はムササビスーツ……だがその翼はムササビのような皮膜ではなく猛禽類の翼のような両翼と3基の小型推進機を噴射させて高高度では高いアクロバット飛行が可能になる。」

鏡「【キャプテンアメリカ/ウィンターソルジャー】のファルコン?」

話を聞いている拓也はあるヒーローの名前を思い出してフライトスーツの構造を真剣な様子で見て構造を頭に記憶する。

埠「前に空に自由に飛んでみたいって言っていただろ?」

鏡「確かに5ヶ月前にそんな事を言っていたけど……」

フライトスーツの操作マニュアルに目を通しながら答える拓也。

埠「明日から調査しつつ訓練の毎日だ…」

鏡「了解……」

色々とツッコミはあるが、ガイラットの連中に遅れを取らず仲間や皆を守れるなら拓也に文句はない。

鏡(父さん。俺に平和な生活はまだまだ先になりそうだ。)

昨日の夜父親と出会った拓也は戦いの道に身を投じる事を選ぶ……

鏡「このスーツ俺と相性良いかも……」

埠「それは良かった……」

ウイングパック型フライトスーツの操作方法をしっかりと覚える拓也。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ダン!!】

大自然の中の畑がある農場に響き渡る銃声。

ハンサム「GO!?」

ハンサムのゴーサインの合図にジャック達は必死に農場長のいる家まで走る。既に数発。彼らの姿を見た瞬間、

【ダン!!】

躊躇なくライフルで発砲してくる農場長。

ハンサム「見苦しいのは余りに美しくないぞ!?」

次々と発砲してくるライフルの弾丸を華麗な動きのように見せた無駄のない動きで回避するハンサム。

ジャック「ここまで何とか距離は詰めれた。」

キム「その分、向こうもあたし達を躊躇なく撃っているけどね。」

ハンサム「GO!?…………STOP!?」

【ダン!!】

ハンサムは慌てて二人を止めてその足元に威嚇射撃の弾丸が着弾してキムとジャックは足元を止める。

キム「反撃しても文句ないわよね。銃刀法違反とか殺人未遂や諸々で」

農場長「此処に来るなら来い!?肥料にしてやるぜ!?」

無言で電子レールガンをホルダーから引き抜くキム。

キム「向こうもあぁ言っている事だし。」

ジャック「気持ちは分かるけど落ち着いて……」

ジャックは痺れを切らすキムをやんわりと抑える。

ハンサム「これは確定だね。」

ジャック「形振り構っていられないようだ。」

農場の柵の内側を飛び越えて侵入する三人。

農場長はライフルを発砲して三人は遮蔽物のトラクターの後ろに回る。

ハンサム「ジャック。二手に別れて挟み撃ちにしよう。華麗なる俺は、キムと一緒に正面で農場長の注意を引く。君は、裏側から納屋に侵入してくれ。」

 

ジャック「わかった。」

ハンサム「キム。君の大好きな反撃をしていいよ。」

キム「待ってました!?」

ハンサム「但し使うのは銃ではない……コイツだ。」

トラクターのタイヤの直ぐ近くに落ちている小さな石コロを拾うハンサム。

キム「……成る程、わかった。」

キムは直ぐ様、近くある石コロを次々と拾い集めて、

ジャック「二人共に準備は良い。」

ハンサム「勿論。」

キム「行くわよ。」

キムはすかさずトラクター越しから、野球の投球フォームをして石コロを投擲する。

農場長「なっ!?」

投擲された石コロはライフルの銃身を的確に直撃して銃口を反らしてライフル弾は、あらぬ方向にとぶ。

ジャックとハンサム達は素早く別々に行動する。

 

農場長「己!?」

ハンサム「っ!?」

再び農場長はキム達に向かって発砲しようとするが、それより早くハンサムは農場長の右手を正確無比に狙う。

農場長「うごっ!?」

痛みで左手で右手を抑えてライフルを落とす農場長。

ハンサム「おや。俺とした事が手が滑ってしまった。」

キム「ハンサム。あんた投擲するの上手いじゃん。」

ハンサム「偶然だよ偶然。」

 

農場長「くっ、佐原!?」

右手を痛めた農場長は奥にいる佐原を呼び出す。

佐原はオドオドしつつも呼び出しに姿を見せる。

農場長は左手でライフルを持ち手を持ち佐原に渡す。

農場長「コイツで奴らを一人残らず始末しろ。」

佐原「嫌だ!?」

拒否る佐原に無理やりライフル銃を渡して、

農場長「黙れウスノロ!?捕まりたいのか!?それともまた病院に入れられたいのか!!」

嫌々の佐原を脅して農場長は逃走用の荷物を持ち

佐原「農場長は?」

農場長「ここは任せた。わしはやる事がある。」

農場長は佐原にそう言い捨て彼は一人、トラックに乗り込みでエンジンを掛けて出入り口を破壊して何処かに移動する……逃走も勿論だが巨大カマキリの番の巣を始末しようするつもりなのだ。

 

 

 

ハンサム「何かあったようだ……」

キムの隣で向こうの様子を見ていると農場長と佐原が何やら揉めていてライフル弾は飛んでこない。

キム「どうする?」

ハンサム「決まっているだろ。今はチャンスだ。華麗にGOだ。」

キム「了解!?」

 

佐原「来るな!?来たら撃つぞ!?ホントだぞ!?」

納屋に移動する佐原にハンサムとキムが近づくのに佐原はライフルを持っているも、発砲する様子はない。

ロイド《皆無事か?現在状況は?俺も動いた方がいいか?何か……農場の持ち主がトラックに色々と詰め込んでこっちを横切ったぞ。》

 

腕時計型通信機からロイド副隊長の連絡が来る。

ハンサム「動かなくて良いよ。もう少しで此方は……」

ロイド《そうか。でもジーンとアイドルの二人が、もうそっちにローバーに乗って向かったぞ。》

ハンサム「(*´・д・)え?」

ロイド《こっちは空から此処に来たけど二人は高速道路とシークレットルートを使ってここまで来ているようだ。どうする?》

ハンサム「どうするって?貴方は副隊長でしょ。」

キム「もう二人が乗っているローバーが見えたわよ。連絡が遅いのよ。ロイド。」

キムの一言にハンサムは視線をローバーの方に向ける。

キムと同じ赤よりのオレンジ色の万能フライトスーツを着用したアイドル達の姿が見えた。

ロイド《…………すまん。》

キム「どうするの?」

ハンサム「目的は同じだ。密造している農薬の現物のデータを基地のチャーリー(チャールズの愛称)を送ろう。」

ハンサム「此方ハンサム。アイドル隊員はジェミニフライヤーの前に待機をお願いする。ジーンは佐原さんがいる農場に来て佐原さんの注意を引いてくれ。」

アイドル《了解。ジーン。私はロイド隊員の所に行ってくるから、》

ローバーは一旦停車してアイドルは車から降りて全力でジェミニフライヤーに向かって走る。

佐原「お願いだから……帰ってよ!?」

佐原はどうすれば良いか迷っていた。どんどんこの農場に増えて行く人達に自分が人を撃たねばならない恐怖や農場長への脅しに恐怖して迷いに迷っていた。

 

そうこうしている内にジーンとハンサム達は連携して

近付いてくる。だが前の三人に集中し過ぎて背後からジャックが電子レールガンの銃口を佐原の顔の横に押し付けて、

ジャック「もうライフルを離して良いよ。」

佐原「ああああぁぁ!!」

突然挟み撃ちされてビックリしてライフルを取り上げられる佐原。

ハンサム「これは証拠品として押収するね。」

ライフルを其処らに置くと佐原の前で電子レールガンをホルダーにしまうジャック。

ジャック「ジーン。」

ジャックの呼んだ声にジーンも姿を見せて、佐原を取り囲むように集まる4人。

佐原「僕病院に入れられるのは嫌だよ!?」

何かに怖がる佐原に、キムは冷静に答える。

キム「そんな事はしないよ。あたし達はあんたの味方だよ。」

ジーンは佐原に近付いて安心させるように優しく尋ねる

ジーン「教えて頂戴。貴方の友達が使ってしまった農薬は30年前に使用禁止にされた危険な農薬なの…………あの蟷螂達はその農薬を餌に繁殖しようとしているの。

オルガノ・クロラインPCBSは何処にあるの。」

佐原は真摯に向き合うジーン達の目を見て少しずつ落ち着いてきてある納屋にあるブルーシートがかけられた大量のドラム缶に向けて指を指す。

佐原「あのドラム缶らの中……」

【ピロロー♪ピロロー♪】

その時、ジーン隊員が持っている腕時計型通信機から通信音が鳴る。

ジーン「どうしたの?」

アイドル《此方アイドル。ものすごい蟷螂の大群が何処かに移動している。後レーダーに怪獣反応あり!!》

【ブーーーーーーーーーーーーーーーーーーン】

通信途中に巨大な昆虫の羽音のような物が全員の耳に聞こえてきた。昆虫怪獣がこの農場の納屋に餌があると気付いたんだ。

ハンサム「怪獣はどうやらランチタイムの時間らしい。」

事態が急変して四人は顔を見合せる。連絡が終わると同時にアイドル隊員が完全装備した状態で納屋に入る。

アイドル「急いで、農薬の現物を採取して成分分析データをチャールズがいる基地に送るわよ。12時方向の上空に推定80㍍の昆虫怪獣が近づいているわよっ!?」

キム「それはこれまでの昆虫よりずっと大きいわね。」

ハンサム「呑気に答えてる場合か。」

佐原「奴らだ……」

ジャック「っ!?急ごう……」

佐原の一言と段々と近づいて行く巨大な昆虫の羽音にジーンとジャックは険しい顔で事態の切迫感を覚え急ぎ直ぐにブルーシートを外して近くのドラム缶の蓋を開き中身を軽く見ると毒々しい色に混ぜた農薬を見つけるもジャックは何かに気付き他の大量のドラム缶を軽く揺らして見る

ジーン「ジャック?」

ジャック「おかしい……少な過ぎる……」

アイドル、ハンサム「「っ!?」」

ジャックのその一言に二人も確認してみる。

アイドル「どうなっているの!?殆ど中身が無くなっているじゃない!!」

ハンサム達は次々とドラム缶の蓋を外して中身を見るが、ドラム缶一つ分の農薬なら量も重さも外側でも分かるのに……最初に開けたドラム缶以外全て空っぽ同然で中身のオルガノ・クロラインPCBSが無いのだ。

佐原「えっ!?」

どうやら佐原も何も知らなかったとようで激しく動揺しているようだ。

ハンサム「どうなっている……まさかあの農場長か?」

証拠品の隠蔽をする為に動いたのか……たった1日で?

「「キシャィィイイイイイイイイイイイイイイイ!!」」

そうこうと会話している内に聞き覚えのある昆虫怪獣の鳴き声が聞こえて鳴き声のある方向を見る。

ジャック「これ目当てに来たんだ。」

ジャックは万能ジャケットの内側ポケットから検出する用の試験菅を素早く取り出して最初のドラム缶の中にあるオルガノ・クロラインPCBSを掬うように採取して試験菅に蓋をする。

アイドル「……餌の農薬が無いのに……来ちゃったよ。」

ハンサム「その時は人間を餌の代わりに捕食するんだろ。」

ハンサムはジャックやアイドル達に軽口を叩く。

ジャック「どうやら、納屋の真上に着地したらしい。」

アイドルに農薬を採取した試験菅を手渡すジャック。

アイドル「え?」

ジャック「アイドルは、これをロイドがいるジェミニフライヤーの操縦席に付いている携帯成分分析機にセットして来てくれ。」

アイドル「あたしがやるの!?」

ハンサム「怪獣の注意は何とか此方が華麗に美しく引いておくから急いで!?」

電子レールガンをホルダーから抜き取りランチャーモードに変形させる。ハンサム。

アイドル「完全にあたしがやらなきゃいけない流れなの!!?」

キム「覚悟を決めな!?アイドル!?」

ジャック「任せたよ。」

いつの間にかアイドル以外が電子レールガンをホルダーから抜いてランチャーモードに変形させている。

納屋の外では巨大な蟷螂達の母親……80㍍の昆虫怪獣が納屋を破壊しようと鋭い切れ味の刃のような右前肢を振るい上げた。

ジャック「また凄い大きさな怪獣だね。」

キム「アイドル。さぁ、行って!?」

アイドル「もう!?何でこんな事件ばっかり!?」

トタンの屋根は怪獣の振り下ろした一撃に耐えられる訳もなく簡単に叩き壊されて、ジャック達はアイドルを先に逃がす。

ジーン「ローバーまで走って!?」

続いて佐原の手を掴んで走るジーン達は昆虫怪獣から退避し怪獣は納屋の密造所にあるドラム缶……農薬を探している最中で密造所が倒壊する勢いで巨大な鎌を動かす。

走るジーン達の横の納屋の壁を力技で破壊して脱出してジーン達に合流するジャック。

ジャック「これは大変だ。」

一度立ち止まり巨大な昆虫怪獣の姿を見て一言言い走る。

 

数分後

アイドル「だぁっーーチキショーーーっ!!?ポニー隊員とのランニングがこんな形で役に立つなんて!!」

 

【ブーーーーーーン!!】

大量の蟷螂達がアイドルの目の前に迫るも、逃げる事も回り道をする時間もない為、アイドルは泣きながら彼女は持参した電磁警棒をトンファーに変形させて。ハイマンガンスチール製の特殊ナイフをそれぞれ両手に持ち蟷螂の群れを睨み正面突破を試みる!?

アイドル「やってやる。やってやるよ!!掛かってこい!!この巨大生物どもがっ!?」

人食い蟷螂の群れに突っ込んで次々と電磁警棒に感電させて群れから落ちる蟷螂達の死骸を踏み越えてアイドルは、ジェミニフライヤーがある場所まで全力で走りきりそして……たどり着く。

ジェミニフライヤーの出入り口にはロイドは待機していた。

ロイド「おい。……アイドル。……大丈…夫か?」

アイドル「ほい。これ。」

長い……本当に長い騒ぎの原因である違法の農薬が採取した試験菅を渡す。

ロイド「……取り敢えず、アイドルはジェミニフライヤーの中で待機していろ。」

アイドル「そうするわ……」

ロイド「皆が外にいる間、本部のイデから怪獣のコードネームが決まったって連絡が入った……以後昆虫怪獣を〔プレイター〕と呼称するらしい……怪獣のカテゴリーレベルは4。」

アイドル「ソレ誰が命名したの?」

ロイド「黒野兄妹だ。」

アイドル「…捕食者の意味を持つプレデターがモチーフかしら?………あの二人らしいネーミングセンス。」椅子にシートベルトをした状態でぐでっとだらけながらアイドルは怪獣の名前についての感想を口にする。

試験菅を渡されたロイドは素早く操縦席の横にある携帯成分分析機に試験菅をセットして、スイッチを入れる。

分析機の電源が入り成分分析した現物農薬のデータは、三門市の『お化け屋敷』の主要のスーパーコンピューターに送られて解析されデータが必要な科学者達のPCに瞬く間に送信される。

 

三門市『お化け屋敷』作戦指令室

チャールズ「おっ、きたきた。」

当然、中和剤開発中の一の谷博士や御手洗博士にベックチーフやチャールズ隊員達にオルガノ・クロラインPCBSの詳細なデータが送られて中和剤開発に必要な薬剤の調合に使われる。

御手洗「農薬のデータは一致したか?」

チャールズ「えぇ。解析されて……こりゃ凄い……猛毒のカクテルですよ。」

一の谷「中和剤は?」

チャールズ「取り敢えず使える薬剤捜索中……それと同時に手の空いた博士達や助手達にも協力して貰う必要があるね。」

自分のPCに農薬の効果を打ち消す薬剤の詳細なデータを見ながら……呑気にパンを食べる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「「キシャィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイっ!!」」

主食の農薬が納屋にない事実に気付き、プレイターの目の前でローバーに乗り込み農場から離れて行く餌達を見てプレイターは、両前肢の鎌を別々に振り回し農場長の納屋は勿論、その家を滅茶苦茶に切断して倒壊させて、前翅と後翅を広げて飛翔する……

その間、ジャック達は……田舎の道でローバーを爆走させながら農場長の家を吹き飛ばし空高くを飛ぶ昆虫怪獣プレイターに追われていた。

キムが荒い運転をしながらジーン達は、電子レールガンを使い怪獣に向かって発砲し牽制する。ローバーはルーフのない車体の為に怪獣からは餌の人間がいるのが丸見えなのだ。(車種はハマー H1ドアオープントップ)

人間を追い掛けるプレイター。

レールガンは空を飛ぶプレイターに何発か命中する物の

ハンサム「やっぱり……怪獣の皮膚が固い……」

ジーン「速度も黒潮島や三門市に現れた個体よりも速いわよ!?」

キム「此方キム。ロイド。ジェミニフライヤーで援護お願い!?ローバーから引き離して!?」

ロイド《了解っ!?》

 

場面は変わりロイドは急ぎジェミニフライヤーを垂直離陸させて、ジャック達がいる方向に目指して飛ぶ。

【ピロロー♪ピロロー♪】

アイドル「はい。此方ジェミニフライヤー。どうしたのイデ隊員?」

万能ヘルメットに内蔵された高性能通信機から連絡が入る。

イデ《怪獣の死骸からDNAを調べた結果……昨日の個体や青ヶ島で仕留めた個体の性別は全て雄と判明した。黒潮島から逃げた個体達もだ。》

アイドル「それって重要なの?」

イデ《カマキリは性質上、空を飛べるのは、雄の個体のみで身軽なんだ。だがあの個体の数ならば雌の個体がいる……子供の母親がな……》

アイドル「まぁ、素敵な事……」

 

ロイド「見つけたっ!?」

目の前にローバーを追い掛け真っ直ぐに飛んでくる巨大雄カマキリのプレイターに向かって、照準装備のエキシマレーザー砲を発砲する。

「「っ!!?」」

瞬時にプレイターは、巨体でありながら身軽に飛んでくるレーザー砲を回避して、反撃をするために口から黄緑色の毒素を含めた猛毒の体液をジェミニフライヤーに目掛けて連射する。

ロイド「っ!?」

連射していく体液を次々と巧みな操縦で回避するジェミニフライヤー。

両者互いに小手調べを終えて空中で交差して旋回する。

ロイド「島の個体達よりもデカい癖に駆け引きも動きも速くて上手いぞ。どうなっているんだよ!?」

アイドル「後ろを取られないでよ。」

ロイド「アイドル。もしもに備えて君は助手席の操縦席に座ってくれ。」

次々と放たれる怪獣の黄緑色の体液が地表に落下してサトウキビ畑に落ちると、煙上げてサトウキビを枯らす。

アイドル「何か……三門市や黒潮島のに比べて体液の効果がヤバいんだけど……」

チャールズ《猛毒のカクテルの農薬を摂取しているからかな?怪獣の体内には毒素が貯まっているんだよ。》

アイドル「金属とか溶かさないわよね。」

チャールズ《溶けなくても、体液は重たい可能性が高い。浴び過ぎたら墜落する危険性が強いから気を付けろよ~~》

アイドル「ちょっと!?博士?」

再び両者は空中で交差して、直ぐ攻撃をする両者。

ロイド「向こうの飛行速度の方がジェミニより速い。」

怪獣はローバーからジェミニを邪魔と思ったのか、狙いをジェミニに変えて付け狙う。引き離したのは、良い物の怪獣の皮膚は固く主力のレーザー砲は通じない。

「「キシャィィイイイイイイイイイイ!!」」

ロイド「ちょっと、不味いかも……」

イデ《頑張れロイド!?》

すれ違い様に攻撃を加えるも、ダメージは無いようだ。

 

日が沈み……夕陽が空を赤く照らす中、空を飛ぶプレイターはジェミニフライヤーに追い付き前肢の鎌を振り下ろすも、機体を右に傾けさせて回避する。

ロイド「アイドル。戦闘機の基本操縦は出来るよな!?」

アイドル「え?まぁね……でも私、訓練学校以降操縦なんてしたことないわよ!?」

ロイドは素早く操縦席にあるボタンのカバーを開き、

ロイド「それで充分だ!?ジェミニフライヤーの名前の由来を教えてやる!?」

『分離』と記載させたスイッチを押す。

アイドル「もしかしてそのボタン!?」

ジェミニとは双子を意味する単語でアイドルも何かを気付き操縦幹を握るも、プレイターは再び鎌を振り下ろそうと前肢を上げる。

【ポチ。】

マッハ2.2のジェミニフライヤーは、機体各部から稼働音を鳴らして、機体その物が左右に分かれて振り下ろされた死神の鎌が空振りする。

「「ッ!!」」

アイドル「うひゃあアアアアアアアア!?」

突然分離させられて驚きの声を上げながら……操縦幹をしっかりと握りしめて空をたどたどしく飛ぶフライヤーα。

ロイド《うん!凄く素人新入りレベルだな……》

アイドル「キムやジーンやサンダースやジュリー達と比べるんじゃないわよ!!」

アイドルは文句を口にしながらヘルメットの内部にあるバイザーを下ろして怪獣の注意を引いてその隙に、ロイドが操縦するフライヤーβが攻撃をする。

ロイド《やはり親の個体だと威力不足か……》

アイドル「どうするの!?このままだと私達の乗っている機体の燃料の方が先に尽きるわよ。」

ジェミニフライヤーは現時点での最新型だが、装備が標準装備なのと今回は充分な怪獣対策より目的地到着までの輸送機変わりにこの田舎に来た為に、やや劣勢であった。

「「ッ!!?」」

その時、プレイターに黄色い電撃のような物が怪獣の身体を駆け回りプレイターの動きが突然鈍くなり、フライヤー達を追跡していた途中で突然地表に落下して行く。

アイドル「何?どしたの?」

ハンサム《間に合ったな……フライヤー達はその隙に再合体してこの空域を離れろ。》

通信機から仲間の声が聞こえて

アイドル「ハンサム?何したの?」状況が巡る巡る変わる為にアイドルは軽く混乱していた。

ハンサム《パラライズ弾だよ。全員で攻撃が通じないなら封じ込めに切り替えたんだよ。これで一時的だが相手の動きは封じた。》

どうやら地上でローバーにいた仲間達は持っていた電子レールガンのカートリッジをパラライズ弾に替えて援護してくれたらしい。

アイドルはゆっくりとそして溜めに溜め大きくため息を吐きロイドの所に接近してジェミニフライヤーに再合体する。

アイドル「…疲れた……」

ロイド「意外に注意を引いてくれたからこっちはかなり助かったぞ。」

アイドル「……どうも…」

ハンサム《……俺達が玉砕覚悟で勝負してもこのままではあの怪獣には勝てない……今はここは全員退くぞ。》

ハンサム達も充分な装備や対策をしていない事実を冷静に状況把握して撤退を進言する。

ロイド「…確かに……今回の俺達は準備不足だ。真っ向勝負だとこっちが負ける可能性しかないな……」

ジェミニフライヤーとローバーは怪獣が麻痺から回復するまでに田舎から三門市に帰還する。

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ジャック達が怪獣プレイターの襲撃から無事に逃げ切った間……時間は夕方……視点は剣持に戻る……

剣持は風よりも速く……全速力で市外にある黒野のお化け館に向かっていた。

剣持も既に感じていた農場にいたプレイター(雄)はその身を保護色を使い高性能対怪獣用レーダーから逃げる。

実は放課後の補習授業の時に既に感じていたが、タイミングが合わない事が重なり今の今まで現場にいけなかったのだ。

警備隊員「剣持君。身分証明書をお願いします。」

「はい。わかりました……」

屋敷の入り口に到着して剣持は自分の国際警察手帳を見張りの人に見せて確認作業を終えて屋敷内の1階の広間のピアノの鍵盤を鳴らす。

地下への通路に通じる壁が独りでにゆっくりと開き……

真琴「あっ、剣持君。」

「お邪魔します。真琴先輩。」

喫茶店のバイトの行く途中なのであろうか途中真琴と出会うも剣持は『お化け屋敷』の地下秘密基地に入る。

 

急ぎ地下大型エレベーターリフトに乗り込むと……

カンフー「うおっ!?剣持っ。」

ダイアナ「急に立ち止まらないで下さる!?後が続いているのですわよ。」

グラサン「やれやれ、エライ騒ぎだな……」

何時ものメンバーも乗り込む。

「皆さんも指令室に?」

ダイアナ「そういう剣持さんも……」

カンフー「俺とグラサンは後始末の報告書の提出が目的の一つかな……」

どうやら皆目的地は同じらしい……

「俺2日前パリから日本に帰国してからこっちに顔を出していないから……昨日の怪獣騒ぎでも状況が良くわかっていないんです。」

剣持の言う通り、昨日とその前の日……剣持は『お化け屋敷』に来ていない為、怪獣騒ぎの概要や具体的な事を把握していないのは本当だ。

ダイアナ「黒野隊員から……今回の任務から意図的に剣持君を外していたのは、本当ですわ。」

「え?黒野隊員が……」無表情ながら目を見開く剣持。

グラサン「あのマキシボーン山の戦いが終わった直後のお前って何かショックな事があったみたいだから、俺達なりに危険な任務から遠ざけたかったんだ……」

「……はい…それは…本当に……すいません。」

確かにあの戦いでは染井さんにレッドマンから元に戻る瞬間を見られて気が気でない状態で半分逃げるようにパリの復興に行ったのは、本当だから……剣持はただ謝罪の言葉を口にする。

ダイアナ「あら?貴方はそんなに気にしなくて良いんですのよ。貴方はまだ16歳の高校生……必要以外に無理に危険に飛び込む義務はないのだから……」

「ですが、俺はボーダーの人間で訓練隊員でも戦闘員の一人に違いないのですから……」

そうこうしている内にリフトは止まり俺達は作戦指令室に向かう。

カンフー「ダイアナの言う通り……大事な時間を戦いばかりに使うのが人生ではない。行くぞ。」

「……本当にそれで良いのか……」

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作戦指令室内部は、チーフや博士達あわただしく動いており、僕らが指令室に来た事はイデ隊員とリリアン隊員が応対してくれた。

イデ「おう。剣持。元気にしていたか?」

「あっ、はい……」

イデ「あっ、皆ちょっと邪魔しないようにこっちに来て。」

イデ隊員が気を利かせてくれてカンフー達を集める。

カンフー「騒がしいな……どうしたんだ?」

イデ「違法の農薬を造る密造所がある農場に行ったハンサムらの連絡で密造所に向かったんだが例の農薬の殆どが行方不明になっていたんだ。」

グラサン「証拠隠滅させられたんか?」

リリアン「いいえ~農場に働く佐原さんと言う方も全く心当たりがないし、農場長が一人で何処に埋めて隠すには時間も動きもなかったとの証言も貰いました。」

イデ「一応、農薬の現物のデータは分析機器で分析されたから博士ら中和剤開発を始めているんだ。」

ダイアナ「行方不明になった大量の農薬は農場長が運んだのでは?」

イデ「キム隊員達の報告から農場長はトラックに乗って自分達を無視して何処かに移動したけど、農薬らしき物を積めている様子はなかったと……」

グラサン「なら、大量の農薬は一体何処に……」

イデ「それで隊長達は警察に連絡して付近に怪しい人物が目撃されてないか調べて貰っているんだ。」

イデ「カマキリ怪獣が吐く黄緑色の体液には強力な毒素を含んだ為、農場の周辺のサトウキビ畑を枯らしまくり、証拠が有るであろう農場長の家や納屋は怪獣の襲撃で倒壊状態……」

リリアン「しかも、準備不足でジェミニフライヤーの装備に決定打を与えられず、空中戦で苦戦して……」

イデ「怪獣の動きを地上にいる仲間達がパラライズ弾で封じて撤退している最中とのこと……」

ダイアナ「強敵のようですわね。」

チャールズ「昆虫は身体が大きいだけで脅威度がはねあがるからね~~それに雄の個体は空も飛ぶし……世界中人間と言う餌だらけだよ。」

話を聞いていたのか惣菜パンを食べながら話掛ける。

ダイアナ「立ち食いに喋っているとは……随分行儀が悪いですわよ。」

(チャールズ隊員って、何時も何か食べているな……)

アーサー「諸君、現在我々は昆虫怪獣に手も足も出ない……だがこのまま怪獣を野放しにする訳にはいかない。」

チャールズ「黒潮島に目撃された個体達をみたら雌の個体がいるのは確かです。既に何処かに巣がある筈でしょう……」

カンフー「カマキリって確か一度の産卵に数百匹を産むんだよな……」

「一匹でもあの騒ぎなのに……それが数百匹って……」

チャールズ「だが奴らは例の農薬を餌にして体内に毒素が蓄積している。僕らが開発している中和剤で効果あるなら良いんだけどな……」

アーサー「それを使えばプレイターを始末出来るのか?」

チャールズは呑気に缶コーヒーと惣菜パンを齧りながら言う。

チャールズ「キャップ。試してみないとわかりませんよ。」

アーサーはチャールズの惣菜パンを取り上げて、

アーサー「真面目にやれ。世界中の生物がプレイターの餌にされる可能性もあるんだぞ。」

チャールズ隊員に一喝して中和剤の開発を急かす。

チャールズ「やれやれ、」

チャールズは肩を軽く竦めるも、自分のPCに向き合う。

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同時刻 ゾークロン円盤内部 ゴメルの実験室

幾つの不気味な緑色の光が照らす実験室内部で用意した色々な機材を操作する怪しげな仮面付きの魔術師。

ゴメル「ふぅむ……」

地球で大量に盗んだとある農薬の成分を見てIQ10000の頭脳を使い自ら開発した超獣製造機を他所に、策を考える。

キリキリ「そんな地球の植物にやる肥料をどうするつもりだ?」

宙に浮かぶ一つ目の脳ミソ キリキリは後ろからゴメルに声を掛ける。

ゴメル「……貴方が開発した例の装置……その性能実験テストに必要なのは、ボーダーと呼ばれる連中達です。」

キリキリ「そうだ。」

ゴメル「……クカカカカっ……ボーダーを効率良く大量に実験場所に呼ぶには、ボーダーの大勢の人間が動く必要のある理由が必要でしょう……」

キリキリ「……そんな物をどうするつもりだ?」

ゴメル「何?少しあのゾークロン達も喜ぶ物を造るだけですよ……理由をね……クカカカカッ……」

ローブと目元以外は隠された黄金の仮面付きフードが嗤い震える。

ゴメル「にしてもこの農薬……人体にかかると中々な危険な代物ですな……さて……このままではいけませんなぁ~~」

ゴメルは自分の研究室から幾つかの青色、紫色、赤色の三色の液体が入ったカプセルをテレポートさせて手元に置き。盗んだオルガノ・クロラインPCBSに視線を向ける………

ゴメル「私なりに人体に無害な物に改良して上げよう……明日は楽しい実験日和になりそうだ……クカカカカッ……」

全身のローブを震え上がらせ愉快にそして悪質に嗤うゴメル……そんな言葉を聞いてキリキリはゴメルの言葉通りに受け取らない事にする。

キリキリ(………)

 

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一の谷博士達に帰国した報告をし終え、今回の怪獣騒ぎに自分は参加出来るか出来ないかと会話したら、一の谷博士は優しく諭すように、

一の谷『怪獣達に具体的な対応策がまだ発見出来ていない為、君たちの出番はまだない。』との事……

アーサー隊長達は、今回の昆虫怪獣は普通の正攻法で倒すには、大型兵器や小型戦闘機達では、数に苦戦すると考えて日本の何処かにあるであろう巣に昆虫怪獣達を誘導して中和剤で一網打尽を考えているとの事。その為、まだ具体的な作戦プランを考えていない為、大型兵器運用部隊は待機状態でいいらしい。実際、数の暴力は強力だ。レッドマンも無敵ではない。40㍍の子供であのレベルなら親はそれより強い可能性は充分ある……なりより、ブラックワン達が気掛かりだ。地球侵略や人類の支配に積極的ではないが、アイツら地球の外にいるが、太陽系にいるだけで警戒しないといけない。

「…………」

忙しい博士達の様子を剣持達は一度振り返り見る。

「…………」

(皆自分の為すべきことを為している……でもそんな皆の中、俺は…)

剣持達は無言で作戦指令室を後にした。

カンフー「俺はちょっと、格闘区域の博士達に用がある。」

ダイアナ「わたくしは、小型格納庫で帰ってくるアイドル達を待っておきますわ。詳しい事件の情報も知りたいですし。」

グラサン「なら俺も同行するぜ。」

「俺はボーダー本部に行きます。ボーダーのある人に……少し尋ねたい事がありますし……」

カンフー「なら此処で解散だな……」

俺達も指令室前で解散する。

通路を一人歩いていると白衣を着た科学者達が慌ただしく剣持の隣を走り去っていった。剣持は自分のスマホの電話帳を見る

(……誰かに相談したい……でも相談するべきなのかな……そして誰に……)

ボーダーの先輩達の名前を順番に見ながら……真琴の名前を見つけるも、

(今日はバイトしているようだから電話での相談は難しいな。かといって志岐さん本人に尋ねるのもおかしいし……)

ずっと……クラプトンの事件の時から人知れず怪獣と戦う俺を労う意味も込めて志岐さん自身が俺と出掛ける事を楽しがっているのに……昨日だってそのお出かけの為に服まで用意したんだ。何時も志岐さんには俺達は色々とお世話になっているから日頃の感謝のお礼としても楽しい1日を過ごさせたい。

志岐『剣持君。』

彼女の余り見せない照れているも楽しそうな笑顔を思い出しながら地下リフトを使用して地上に向かっている間、剣持は悩む………本当に明日志岐さんと東京へ遊びに行っていいのか……

 

『お化け屋敷』格闘区画にてカンフー隊員は格闘を専攻する博士達の研究室に向かい訪れた。

格闘区画は名前の通り格闘関連の研究を行う場所で、忍者部署のヒーロー達も訓練している。ヒーロー達の装備や訓練用ロボットや標準装備の電磁警棒やハイマンガンスチール製ナイフと言った近接武器の開発してくれる頼れる区画である。たまに変な暗殺用の暴走ロボットも作るダメな所もある物の……剣持やカンフー達がお世話になっている区画なのだ。

カンフー「こんばんは。皆さん。」

自動ドアが開くと無数の打撃音や戦闘音が絶えず聞こえる研究室にカンフーは顔を出す。

超空忍者シゲハル「やぁ、カンフー。近接格闘訓練かい?」

マスク・ザ・ビクトリー「ホイヤッ!」

ピジョンマン「シィッ!」

研究室にある備え付けのリングでは鋭い拳や蹴りの応酬をしているヒーロー同士の模擬戦を他所にシゲハルがカンフーに話し掛ける。

カンフー「そうですね。此のところ色々と強力な怪獣達が姿を現しているから訓練した方が良いと思って…あれ?マスク・ザ・セブンの姿が見えませんが?」

レインボーマンの親戚みたいな格好をした超能力ヒーローの姿がない事に気付く。

シゲハル「あぁ彼はフランスのパリにアルバイトしに行ったよ。」

カンフー「そうか…博士達は?」

シゲハル「また何やら格闘関係の資料集めで不在だよ。」

カンフー「そうですか…」ボクシンググローブを装着しサンドバックに向き合い鋭くサンドバックを殴る。

カンフー「なら仕方ないですね。」

カンフー(近接装備の改良をお願いしたかったのだが……不在なら今度にするか……)

少しがっかりするもカンフーは気を取り直してヒーロー達と共に格闘訓練をする事に集中するのだ。

 

 

ボーダー玉狛支部の前にて……黒野は迅のサイドエフェクトを使い、これから起きる未来の出来事について尋ねよう動いていた。

木崎「迅?アイツなら今日は嵐山隊の皆に伝える事があるって本部の方に向かったぞ。」

しかし探し人はどうやらこの支部にはいないとわかり少し落胆するも次の行動をする黒野。

黒野「そうか。どうやらすれ違ってしまったようだ?」

木崎「迅に何の用だったんだ?」

黒野「昨日の騒ぎの関連した事が、迅のサイドエフェクトの未来予知なら何か分かるかもって奴だ。」

木崎「迅は基本未来予知でポイントになる人物の前に姿を現す。」

旧ボーダーの頃から迅と長い付き合いのある万能手 木崎レイジは黒野に迅の行動方針の一つを教える。

黒野「って事は、明日は俺が出来る事がない……或いは難しい立ち位置にいる可能性があるのか?」

木崎「明日?何かボーダーや『お化け屋敷』関連で用事でもあるのか?」

怪訝な顔をする眠れるゴリラ。

黒野「まぁ、少しな。」

木崎「何なら、俺の方から迅に言付けを預かっておこうか?」

黒野「明日、もしかしたらボーダーがかなりピンチになる予感がするんだ。」

木崎「何?」

黒野「まだ具体的には何もわからないが、例の太刀川隊や諏訪隊やらを誘拐した宇宙人の連中がこのまま何もせずに静観しているとは思わなくてさ。だから迅にそれとなく質問したかったんだ。」

木崎「確かに、近界民達とは違い言語の関係から行動を見ても友好的ではないと堤や諏訪の奴らが言っていたが、」

黒野「剣持の報告で、脳ミソ丸出しで火星人みたいな感じの外見らしい。後何故かハローワークを優先的に狙っているとか……」

木崎「???ますます俺の知っている近界民らとは違うようだな……何故ハローワークなんだ?」

黒野「さぁな。俺にも良くわからない。」

互いに知っている情報を共用する二人。誘拐された太刀川隊や諏訪隊に影浦隊長も他のボーダー隊員達にも教えているが……何人かは半信半疑との事……ハローワークを狙う宇宙人なんて…普通は信じないのが普通だろう。

無論、レイジは彼らの話を信じるも、烏丸や小南達は子供の作り話扱いだ。ボーダーの上層部の根付室長達は全然信じてくれてない。押収した基盗んだ宇宙人の武器やらは全て『お化け屋敷』のパリ本部の特殊秘密保管庫に運ばれた為、証拠品が無いのだ。

それでも林藤支部長と言った一部の人達は信じてくれた為、ボーダーでは宇宙人の存在を"ある程度"は認識してくれている。

黒野「『お化け屋敷』ではこの連中を脳ミソタコ星人と仮名をしている。」

木崎「ビッグフッドじゃなくてビッグヘッドか……友好的じゃない時点で、宇宙戦争でもしそうな雰囲気だ。」

脳裏に過る毛むくじゃらのビッグフッドの横に佇む脳ミソ丸出しのSFのクリーチャーエイリアンを想像する木崎レイジ。

黒野「各支部に怪しい宇宙人を目撃したら報告するように注意喚起を呼び掛けているんだよ。じゃあ、俺は迅がいるであろう本部に向かう。」

木崎「あぁ。ビッグヘッド火星人に誘拐されないようにな。」

黒野「…縁起でもない事を言うなよ。」

そう言って黒野はセバスがいるリムジンに乗り本部に向かう。

木崎「巨大昆虫に宇宙人の注意喚起……三門市も物騒になってきたな。」

その後ろ姿を見ながら変化して行く現状に複雑な顔をしながら木崎はボーダー本部の方を見る。

迅『もしかしたら今度の土曜日、ボーダーがかなりピンチになるかも知れない。だから皆には冷静な判断で立ち回って欲しい。』

迅は直接的ではないが、いつかの中華料理店で昼飯を食べている時に漏らした一言を思い出す。土曜日にボーダー達が何かが原因でピンチになると言う未来は見たらしい……ピンチになっても冷静さを失う事なく状況打破をしろ。安直に言うとそういう事だ。問題は何が原因でピンチになるかだ。

木崎(ボーダーから大規模侵攻のような話は迅や東さんや風間隊は支部長らの口からは聞いていない……幾ら派閥に違いはあるが連絡や報告の伝え忘れという事はないだろう。)

組織が防衛組織だからこそ方針によって派閥に色々とあるが一応の三門市を近界民達から防衛するという理由は同じだ。よって隠して罠に嵌めるパターンは無い………

木崎「明日、……そう言えば、東京タワーで広報の嵐山隊らがボーダーに関するイベントがある日だな。」

迅『レイジさん。ちょっと本部に色々と暗躍してくるよ。』この所迅は色々と玉狛支部にいない事が増えて本部に行く事が逆に増えてきた。

それは何か不吉な未来を事前に見たからこその備えて暗躍している迅らしい行動だ。

木崎「まさか……何か関係があるのか?」

帰ってきたら再び迅に詳しく聞く必要があるな。そう思った木崎は玉狛支部の中へ戻る。

 

同時刻……パラライズ弾で麻痺が解けたプレイター(雄)は、その身を保護色に移動して愛する番の元に移動していた。

(雄)よりも体長があるそのプレイター(雌)は、自分達を始末しに来た農場長を捕食してたんぱく質を補給し、両者は無事を確かめ合う。

翅はある物のその姿は岩石のごとき強固な外甲殻を持ち身軽な(雄)に比べて逞しい陸上に特化した姿をした怪獣。

 

昆虫怪獣プレイター(雄)

全長78㍍ 体重2万5000㌧

昆虫怪獣プレイター(雌)

全長92㍍ 体7万5000㌧

実験中に、突如異変が起こって生まれたカマキリのモンスター。そもそも昆虫は、巨大化すれば最凶の生物と言われてきた。スピードが速く、空を飛ぶこともできる肉食モンスターだ!

 

「「キシャィィイイ……」」

「「キシャィィィ………」」

プレイター(雌)は巨大な腹を雄より強固な四肢で支えて愛すべき(雄)に近づき両者は優しく寄り添い合う。

例え普通ではなかろうとこの二匹を繋ぐのは、全ての生物が持つ揺るぎのない確かな愛情なのだ。

「「キシャィィィ……」」

「「キシャィィ?」」

二匹は営巣にふさわしい場所について会話する……その光景はまるで新築の新居で子供達とどんな生活をすると

楽しそうに会話をしているように見える……

「「キシャィィイイイイ!?」」

「「キシャィィイイ!?」」

そしてその場所を(雌)は(雄)と子供達にその場所を教える。とても長く高い高さを持つ槍のごとき塔を……

(明日が楽しみだ……)

怪獣達は夜となった月が見える夜空を見上げた……その複眼は幸せな未来が待つと信じて……

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剣持がボーダー本部に到着する少し前

界境防衛機関ボーダー本部の会議室の一つの前に飄々とした実力派エリートが足を進めて

迅「あっ、皆集まっているな。」

自動ドアが開き迅は部屋の中にいる人達に声を掛ける。

太刀川「遅いぞ。迅。」

風間「お前がわざわざA級、B級問わず部隊長達を会議室に集めさせるだけの理由はあるのだろうな。」

三輪「……」

加古「待ちくたびれわよ。」

二宮「…ほんの数分前に来たばかりだろ…」

冬島「でも、わざわざ俺達に直接連絡せずにボーダーの通信を使って集めさせるなんてどんな未来を見たんだか?」

私服、隊服問わず会議室にそれぞれ集まり迅の到着を待っていた面々…椅子に座っている隊長達とそうでない隊長達に区別は特にない。だが一つの会議室にこれだけのボーダー部隊の錚々たる顔ぶれの隊長達が集まる機会なてそんなにない。勿論全部隊長来てはいない……県外にスカウトしに行った部隊は勿論だし、

冬島「あれ?嵐山隊長は?」

柿崎「准なら明日のイベント関連で部隊室にいます。後で俺達が伝えておきましょうか?」

迅「いや、俺が直接行くよ。どうも明日起きる出来事に嵐山隊は無関係じゃないみたいだし。さて……」

迅「色々と予定がある中時間を作ってくれて皆ありがとう。」

荒船「……」

来馬「……」

王子「……」

弓場「……」

那須「……」

諏訪「……」

香取「……」

生駒「……」

影浦「……」

迅の一言に一斉に視線を向けられその内何人かキツい目付きの隊長達もいるが、ビビる事はない迅。

その面々の中には、黒野や剣持に所縁のある隊長達もいる。

城戸「さて、わざわざ集められる隊長達に連絡を送って集めたんだ……迅。何を"見た"」

迅「明日起こるであろう未来の騒ぎでボーダーがかなりピンチになる未来が見えた。その時、皆には冷静に対処して行動して欲しい。」

東「具体的に分かる範囲で何が見えたんだ……」

迅はゆっくりと未来で見た出来事の一つを口にする。

その内容に呼ばれた隊長達の何人かは目を見開き驚愕の表情をする。

暫く経ち……剣持がボーダー本部に到着する。

佐鳥「お~い~剣持~~」

久方にボーダー本部の憩いのラウンジに足を運ぶ。

夜の時間……ランク戦を見に来たC級隊員や夜の防衛任務に参加するボーダー隊員達が休憩する中。佐鳥さんを始め何人か集まっているテーブルを見つける剣持。

突然大きな声で呼ばれて軽くビックリするも、直ぐに彼らがいるテーブルの方に向かう。途中で何人かの視線を集められ向けられるも、気にしないように……

「ちょっと、佐鳥さん。そんな大きな声で呼ばなくても……」

少し恥ずかしいに気持ちになった剣持に佐鳥は軽く笑い剣持の肩を叩く。

佐鳥「悪い悪い。」

米屋「よっ、剣持。」

諏訪「あっ、山賊どもが逃げて行くぞ。陽介!?お前の占い師のスキルで潜伏場所を特定させろ。」

米屋「了解!?」

モテない男子の会のメンバーは【エルーシディア物語】の携帯ゲームをプレイしていた。そのテーブルの椅子の一つに座り剣持は宿題と補習の復習を始める。

「そんな事して良いんですか?」

佐鳥「アナウンサー達にインタビューされるのは、何時も俺以外の嵐山隊の皆だよ。」

その言葉には佐鳥さんだけにしかわからない重みが含まれていた。

彼は……佐鳥さんはふてくされている訳ではない。必要とはされてはいるけど……必ず必要とされる人ではない。本人だってそれは一番わかっているんだ。

「…………俺は佐鳥さんが出てて普通に嬉しいですよ。」

剣持夢想にとっては偉大なA級狙撃手で実力者で何だかんだ俺が困った時にアドバイスやら先輩らしい事しているもん。

佐鳥「うぅ~~ん。ボーダーにはちゃんとおれを見てくれる後輩達が居て俺は嬉しい……けど一般市民の皆さまから見たらたまに、何でこの人が嵐山隊にいるんだろうって言われてグサッと来る何とも言えない感。」

犬飼「わかっている人には、わかっているんだよ。佐鳥先輩は東さんは勿論誰からも狙撃を教えて貰わずに独学で体得した異例の中の異例って……」

何故か知らない間にこのモテない男子の会に入会した二宮隊の銃手の犬飼さんが佐鳥先輩の凄さを口にする。

佐鳥「……そうか……そうか!」

後輩に褒められて満面な笑顔を見せる佐鳥先輩。立ち直りが早いのは、見習うべきだと思うな。

(でも実際……バックワームが使えない事を除けば、ツイン狙撃(スナイプ)は効果有り何だよな。)

曲芸師顔負けのアクロバティックな状態からツイン狙撃(スナイプ)も出来るから本当は凄いのに……何故だが一般市民には、理解出来ていない……いや調子に乗るお調子者の面とややウザい態度で存外な扱いを受けているのは確かだけど……

迅「あっ、いたいた。賢。ちょっと此方に顔貸してくれよ。」

そうこうしてると玉狛支部の実力派エリート"A"級の迅さんが、佐鳥さんに話掛けてくる。

佐鳥「あっ、偽嵐山隊長。」

犬飼「(*´,_ゝ`)ぶっ、」

北添「ちょっと、佐鳥さん。笑わせないで下さい……」

迅「( ̄ヘ ̄メ)むっ、人が実は気にしている事をずかずか……と落ち着け……後輩達、ちょっと賢を借りるな。」

犬飼「はーい。」

佐鳥「おれの人権は!?今度のカラオケ大会は!?」

迅「割とマジな話だから、黙ってついて来てくれ。」

佐鳥「ぬおおおおうう~~ん~~」

嵐のように佐鳥さんは迅さんに連れてかれた。迅は佐鳥を連れていく前に剣持の方を見るも……

迅(やはり真っ暗闇で何の未来も見えない……)

自分のサイドエフェクトが意味をなさない事がかえって剣持が怪しい存在と疑ってしまう理由に拍車を掛けていた。

迅(普段の剣持と、そうじゃない剣持……何がどうしてこうなっているのか……っと今はそんな事よりも明日のイベントに関する未来の幾つかをボーダーのメンバーに言っておかないしないと……)

犬飼「……剣持君は、勉強の復習?」

「そんな所ですよ。パリに行っていた日数分は高校に行っていないんですから遅れを取れる所は取らないと……」

実際は誰かに明日の友達と遊ぶ事を選ぶか、『お化け屋敷』の仕事を優先するか決め兼ねているのだが……

犬飼「わからない所があったら聞いてくれよ。」

ニヤけた表情と前に流したモサモサした髪が剣持の近くに寄る。

「ならどうしてこの変な会に入会を?ここには出会いなんてないですよ。」

犬飼「あっ、勉強じゃないんだ。質問……」

犬飼「まっ、強いて言うなら、これは面白そうだからって思ったのさ。」

「そんな理由ですか?」

犬飼「重い理由じゃなくてゴメンね?」

「ではどうして……犬飼先輩は外面と感情が一致していなんですか?」疑いの目は一切ない……ないのだが、脈々もなく剣持は無表情で犬飼先輩を見詰める。

犬飼「……………………そんな事はないよ……ないです。」

額に冷や汗が出てきて歳上と向き合う妙な感覚を覚えて犬飼はたじろぐも直ぐに剣持は宿題のノートに視線を戻す。

犬飼(…鋭いな…この子………カゲに似たサイドエフェクトかな?やっぱり二宮さんの言う通りこの会に入会した意味はあったようだな……)

 

彼がこの妙な会に入会したのは、二宮隊長の指示である。剣持が二宮さんと対峙する度に妙な現象が剣持から発生して、怪しんでいた二宮がややモテるのに、モテたい願望が大きい自身の部隊の犬飼に探りを入れさせたのだ。

犬飼(……隊長は剣持が普通とは違うと言う事に王手を掛けている……まぁ、でも説明できる証拠がないんだけどね……麓っ君の後輩だし……ちょっと、良心が痛むな……)

妙な現象が剣持の周りに起きている事は確かでその原因がわからないからそこ原因究明のヒントが欲しいが……

犬飼(普通の方法じゃわからないから……取り敢えず剣持君と仲良くなる事から始めよう……)

まだ染井さんと違い超能力とか非科学的な事に答えがたどり着けない犬飼は、のんびりと自分のペースで動く事にする。

諏訪「お前らこの依頼をやるぞ。騎士団救出任務……」

モテたい男子の会のメンバー諏訪隊長と東隊の小荒井隊員が【エルーシディア物語】の携帯ゲームをしていた。

「えっ?あの地下迷宮から古塔に侵入して魔族から騎士団を救出依頼ですか?」

犬飼「知っているの?」

「滅茶苦茶難易度高いですよ。地下迷宮にいる殺人アリ……マーダーアントの群れの中を突破して、女王アリを倒して塔を目指す依頼です。」

諏訪「職業 山賊でここまで来たんだ。援護しろ小荒井。」ゲームでの異名は山賊王。

小荒井「オッス!?」ゲーム職業は遊び人。

北添「まぁ、でも楽しいからやるけどね。」ゲーム職業

は肉屋さん。肉切り包丁を装備。火炎放射器持ち。

米屋「俺についてこい。お前ら!?」

ゲーム職業 占い師……転職の神殿で焼き鳥屋さんから戦闘職に転職した。占いの神様に支援攻撃をお願い出来る支援攻撃がメイン……但し地下迷宮やら室内戦闘では支援攻撃【天火の矢】は使えない……普通の占い師である。

 

犬飼「凄く負けそうな職業の人達……もっとこうRPGの定番の職業ないの?」

「ハイスピードアクションが売りですけど、難易度調整が鬼畜仕様なのは、このゲーム特有ですよ。」

小荒井「馬鹿野郎……遊び人は極めると賢者になれるんだぞ。」

犬飼「蝶に変態するまでが凄く長いよ……」

案の定、彼らはボコボコに惨敗した……依頼失敗である

北添「う~ん。やはり生駒さんや王子隊長がいないとこうなるか?カゲとユズルを誘おう。」

小荒井「俺、奥寺と笹森さんと三浦さんら誘ってくる!?」

諏訪「なら、俺は生駒と弓場の連中を誘ってくるか……」

犬飼「えっ?弓場隊もこのゲームやるの!?」

諏訪「やるぞ、アイツ職業アーチァーだぞ。種族エルフだぞ」

弓で的を射ぬく弓場琢磨の姿を脳裏に過る弓場エルフ。

犬飼「(*´,_ゝ`)……プププ……似合わないようで似合うよ。」

犬飼は必死に吹き出すのに耐えていた。

そうこうしているうちにモテない男子の会のメンバーは声を掛ける為にバラバラに散回する。

 

必然的に二人っきりなった剣持と犬飼……剣持は無表情で再び勉強を始め、犬飼は暇を持て余していた。

「暇ですか?犬飼先輩。」

犬飼「うん?まぁ、少ししたら個人ランク戦の会場でも行こうかな……くらいは……」

「…………相談したい事があります。」

犬飼「……へぇ…」

陽気なニヤけた表情がなくなり先輩らしい真面目な表情になる。

 

「先輩は、昨日の怪獣災害は知っていますよね?」

犬飼「まぁね。ボーダーでも色々と巨大昆虫で話題になったし……あっそう言えば、今日の昼頃に怪獣の腹から巨大な寄生虫が現れて怪獣解体清掃業の人達が騒いでいたんだよ。ネットニュースにもなった。」

「明日、僕東京で友達と映画を見に行く用事なんです。」

犬飼「そうか。それがどうかしたのかい?」

「いや、昆虫怪獣の騒ぎが終わっていないのに明日友達と東京に遊んで良いのかなぁ~~そう思って……」

犬飼「その仕事に絶対に入らないといけない?」

「そうではないんですが、皆慌ただしいし……色々と皆動いているのに、僕は参加せずに……」

犬飼「剣持君……僕ら人間なんだ。機械じゃない………君がそうやって悩むのは、君なりにこの騒ぎを何とかしたいと言う使命感か義務感?」

「だって……僕は訓練隊員でもボーダーの一員で、『お化け屋敷』の隊員なんですよ。それに……」

犬飼「それに?」

「…………………………それに…昨日のような騒ぎがまた三門市で発生して知っている人達に何か会ったら嫌なんです。」本当はゾークロン細菌怪獣と戦う使命を持ったレッドマンだから……と答えたかったが、それは口にせず夢想は自分の不安を口にする。人は自分の不安や恐怖に嘘は着けないからだ。

犬飼「……確かに……俺ももしも明日、近界民が警戒区域ではなく市街地に突然出現して、俺の友達や家族が巻き込まれたりとか嫌な出来事を想像する事は……あるよ。向こうも何も同じ手段ばかり使ってはいない……俺達の裏をかくとか対応出来ない事をされたら、俺達は手も足も出来ずにやられる可能性だってある……」

「…………」

犬飼「でも……そんな時だからこそ……誰かと過ごせる今の時間って言うのは、大切なんじゃない?怪獣災害やら怪事件やらに意識を向けないでさ。もっと年頃のそこら辺にいる同世代が皆当たり前にする買い物とか、ゲームとか青春を謳歌するって奴を経験すれば良いんだよ……」

「……」

犬飼「現にウチの組織には大学のレポートよりランク戦やら戦いが三度の飯より好きな攻撃手1位がいるんだよ。」

「……確かに…」

犬飼「来年ここにいるボーダー隊員の何人が残っているかもわからないんだ……戦術とか戦略とか教えて貰える内に貰えて居れば、俺達は更に強くなれる……まっ、君はまずC級からB級に昇格しないといけないけどね。」

「はは……」

無表情で渇いた声を出す剣持。

犬飼「ついでに東京で友達と何処に行くの?何の映画?」

「映画のチケットは友達が持っているから俺も詳しくは知りません……出来れば、変な映画でありませんように……」

犬飼「そうなの?動物映画を観ると勝手にイメージしていたけどさ。」

「友達の好きな映画のジャンル……俺詳しくは知らないんですよね……」

犬飼「怖いホラー物ならどうする?」

「勘弁してください……怖いの苦手なのに……」

犬飼「そうか……友達は男性?女性?」

「答える義務はありません。」

犬飼「……射撃の基本を教えるから……」

犬飼先輩は少し剣持の現在の交流関係に興味があるようだが、剣持はキッパリと答える。

「攻撃手ですから結構です。」

犬飼「一応、スコーピオンも入れているよ。」

「そのスコーピオンは緊急時の保険用でしょう。手足が失った時に補助的に使用する。」

「銃はテレビのリモコンやカメラと同じ目標に向かってスイッチを押す。基本それだけやれば、大体応用は覚えれます。」

犬飼「へぇ……銃の基本をそういう方法で使う人間は珍しいな……ついでに射撃はどのくらいの実力?」

「普通ですよ。普通の一般人レベルです。」

(銀河連邦の訓練学校で未だ殿堂入りのレベルですが……)

卒業は出来なかったが、名前は学校の記録として確かに刻み込んだベム。地球人レベルなら充分……超人である……でもボーダーでは評価されない部分だ。

犬飼「そうなの?正確無比な射撃だって太刀川隊のオペレーターの国近ちゃんは言っていたけど……」

「戦闘員でもない非戦闘員のオペレーターだからこそ、実戦現場でそう見えただけですよ。俺の知っている(ハリケーンマスク)先輩ならノールックで急所しか狙いませんよ。」

犬飼「急所以外は?」

犬飼(何だろう……ボーダーの人間で急所のみを狙う隊員って……いたっけ?)

「その場合は相手が動く事(生命活動)がなくなるまでの事ですよ。」

ハリケーンマスク…剣技より実は弓術と鉄砲の方が才能があるが……当の本人は剣術と体術しか使わない困った台風超人。どんな角度からでも正確無比に矢を射る事が出来る為に銀河連邦では偉大な射手として名を通っているのが実は不満……

既にハリケーンマスクの射弾斬の餌食になったトリオン兵らを剣持は知らない……彼はまだ自分の"弓"すら使っていないのだ。

 

 

同じ頃 三門市の市外の森にて…人の気配のない深い森の中……近未来と独特な和を彷彿とさせる旅人が被る三度笠に似た笠を被る武人はいた。

太刀風「……」

焚き火の前で特注の多機能機械弓の整備をする太刀風 皇虎……

春日「珍しいですね。先輩が裂刀以外の武器の手入れをするなんて……」

太刀風「遥か遠くにいる者を狙うのが、拙者の主義に合わないだけだ……戦況を分けるだの…歴史を変えるだの……」

炎太郎は皇虎の隣に座り込みその作業を黙って見る

太刀風「……未知の場所で唯一信じられるのは、己の取得した武芸と得物のみ……相手はブラックワンとそのお抱えのあの5人だ……万全を期さないのは、奴らへの侮辱になる……」

春日「まぁ、思う事はない訳ではないですけどさ。」

太刀風「せっかくの友に会えたのに、会話を暇すらなかったのは不満か?」

春日「……少し、私達が知っているベムに比べて優しくなったのが気になるだけですよ。」

太刀風「……そうだな…昔の奴は誰よりも掟に煩い後輩だった……」

春日「それが今や銀河連邦お抱えの最強の傭兵の一人だよ。終わらない戦争のせいとは言え…彼の本質は"優しさ"ってやっぱりって思うよ…」

太刀風「あれで、自分が何故生まれて生きる理由を探している報われない者であるがな……銀河連邦の為に戦うしかレッド星雲人達の立場を守る事も回復させてやれない。」

春日「その癖、故郷のレッドスターには忌み子だから戻ってくるなっと追放されている始末……ままならないよ……何処にも居場所がない一人ぼっちのレッドマン…」

太刀風「だが拙者は奴の事は嫌いじゃない……」

春日「……私もだよ。私もベムとは色々合ったがベムの事は嫌いじゃない…」

この場にいない仲間の事を考えながら、多機能機械弓の整備を完了して皇虎は、ベムに渡すつもり武器を取り出す。ふと炎太郎は視線をその武器に向けて気付く。それは皇虎が使わない種類のほどほどの長さの両刃の片手剣だと言う事に……

春日「その剣は?先輩が使わない種類の剣だけど……」

太刀風「ベムがゴメル相手にボコボコになったのは、この星の自衛の武器が使えなかったからだ……この剣なら地球の下手ななまくら刀よりも使える……」

【多目的レーザーサーベル】を砥石で丁寧に磨ぐ。

春日「まっ、あの格闘士達相手ならないよりはマシでしょう。」

太刀風「何より……」

春日「うん?」

太刀風「…………この片手剣は拙者が人斬りの頃に使っていた片手剣と同じ剣だ……使い勝手ならベムは俺以上にこの剣を使いこなす。」

春日「成る程……」

太刀風「お前はベムに円盤にも使える円い小盾で用意してやったらどうだ?」

春日「……身繕うならしっかりした物を渡すよ……」

太刀風「……相対するぞ。」

その一言と共に焚き火の火は消えて辺りは真っ暗な森を照らすは星空のみ……

春日「……その為に私達はこの星に来たんだ。覚悟なら出来ているさ。」

皇虎は剣持夢想にやる両刃の剣を赤い特別製の鞘にしまう。

太刀風「明日はこれまでに比べられない程に騒がしくなるな……」

深き夜の闇が影を纏った黒き星の勇者の姿を連想させる……

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

嵐山隊の隊室前……

佐鳥「それで迅?わざわざオレに何の用なの?」

迅「明日のイベントの最中。今騒いでいる怪獣騒ぎで出現した大型カマキリの群れが東京スカイツリーに現れる未来が確定しそうなんだ。」

佐鳥「え!?…………でも俺達のイベント会場は東京タワーだぞ。全然別の建物だし……それなりに距離もあるぞ」

迅「いや残念だけどイベントに参加している人達が巻き込まれる未来が見えた。」

迅は飄々な顔で佐鳥に言う。本意をつかませないその分胡散臭さはある物の迅個人の人柄を知っている佐鳥は、嘘を言っていないと分かる

「ホント?」

迅「根付さんと色々と話し合いをしたけど、やっぱり会場の変更は無理だった……メディア各関係者達への信頼に影響があるとかで…」

東京タワーと東京スカイツリーは直線距離は8.2キロ……自転車で43分、自動車が首都高速で20数分……徒歩だと2時間は余裕で越える程の距離が二つの塔にはある。

佐鳥「イヤ、だって……ねぇ、事件が起きないって事は?」

迅「ないな……2日前か昨日の内、あるいは今日中にカマキリ達を一網打尽出来れば、俺が見た未来も変わったかも知れないけど……俺の見た未来が消えていないって事は、……残念だが明日にカマキリの群れが東京を飛び回る。」

佐鳥「上層部は!その予知の事を本部長や城戸司令に報告したのか!?」

そうボーダーで迅よ未来予知を知っている隊長や隊員達は多い……だから事前に作戦会議とか対策会議とか彼らは集まってするのだ。

迅「それが、さっきから知り合いの人達に会って"少し先の未来を見たら"殆どが東京に参戦しているのに……私服姿でトリガーを使用していないんだ……」

佐鳥「え!?どういう事?」

迅「見えている位置は全員バラバラだが明日の騒ぎで東京に出動してくれたのは見えた……だが誰一人トリガーを起動していなくて、皆、スカイツリーや東京タワーを黙って見ていたようだった……余りにもおかしくて……何人かに開発部に行ってトリガーのメンテナンスをエンジニアにお願いして見たらって言って彼ら彼女らに同行してトリガーのメンテナンスに俺も立ち寄ったんだ。」

佐鳥「トリガーの不具合?」

迅は首を左右に振りぼんち揚を食べて答える。

迅「…………トリガーに不備は何もなかった……だから俺が見た光景は、どうやってかはまだ具体的にわからないが、明日の騒ぎ……俺達ボーダーはトリガーを使えない可能性がある……」

佐鳥「っ!?」

佐鳥は首にゾクリと薄ら冷たい物が走る感覚に襲われた。ボーダーのトリガーは常人よりも高い身体能力のトリオン体を形成してトリオンを使って自分が設定したトリガーを使い戦える代物だ……その多機能のトリガーの恩恵によりボーダーは普通の兵器では傷つける事が出来ない異次元の侵略者…近界民と戦い三門市を守る事が出来て更に正隊員達にはピンチになると緊張脱出機能がついてある……その基本であり要となるトリガーが明日起こるであろう昆虫怪獣の戦いでは原因は不明だが使用出来ない……トリガーが使えないなら、ボーダーはトリオン体にもなれない生身の人間であり只の一般人同然に変わる。

迅「見たところ、東京の作戦に参加していない三門市に残っていた隊員達は問題無く使用している様子は見えていた。明日の未来どうやら、東京で俺達はピンチになるらしい……高い確率で……」

佐鳥「どうすりゃあ……良いんだよ。」

迅「……モヤで顔は見えないけど、誰かが介入して取り敢えず助かるみたいだ。一応無事に東京タワーから出る姿も見える。」

佐鳥「誰かって誰?」

迅「わからない……でも凄い人達なのは確かだ……」

無事に東京タワーから脱出する未来の中で何者かは知らないが地上を徘徊していた大型カマキリを全滅させて退路を確保しているようだ……ボーダーはトリガーを使用していないからその凄い人達はボーダーの人間ではない。」

佐鳥「『お化け屋敷』の人間かな?」佐鳥は心当たりの可能性を口にする……たまにあの謎多き部署には忍者部署と言う特撮ヒーローをパクったような格好をした人達がいるのは、三門市をたまに歩くと見掛ける。格好はパクもん臭いが身体能力はヘタするとトリオン体以上であり技術力もボーダーより上で、ある意味本物の変身ヒーローである。

迅「わざわざ、まぁ、俺が賢に個人的に会いにきたのは明日のある場面で生身の賢の行動によって未来に大きな影響が与えられる……それを言いに来たんだ。」

佐鳥「具体的な内容は?それによって……色々と考えないと……緊張してきた。」

迅「うん。程良い緊張をしているね。」

迅は佐鳥の肩を優しく叩き……

佐鳥「ちょっと、俺トイレ。」

迅「どうぞどうぞ……」

佐鳥は未来に大きな影響を与えると言われて真っ青に緊張してトイレに向かうのだ。

 

木虎「……さっきの話は本当ですか?迅さん。」

その時、嵐山隊の隊室が開き残りの嵐山隊メンバーが姿を見せる。

迅「まぁ、明日は細かい点で色々と俺も良くわからないけどイベント会場が巻き込まれてしまうのは確定だからせめてイベントに参加してくれた人達や関係者達を怪我一つも無しにするには、バラバラにいるより一ヶ所にいた方が安全って話だよ。ぼんち揚食べる?」

迅は木虎にひょっこりとぼんち揚を見せるが、木虎はやんわりと片手で結構ですを表し迅はぼんち揚を食べる。

木虎「椅子に座って食べてください。行儀が悪いですよ。」

迅「え?隊室入っていいの?」木虎の言葉に軽く驚きの声を上げる迅。何故ならサイドエフェクトの未来予知で

隊室に入る未来がほとんど見えなかったからだ。

木虎「嵐山隊の隊室前の通路をぼんち揚まみれにしたくないだけです。」

迅はイベントのスピーチ用の台本を持った嵐山隊の面々の隊室に入室していつもは佐鳥が座るであろう椅子に座り嵐山達に明日確実に起きる未来の一つを改めて説明する。それを聞いた嵐山は自分の持っているトリガーを見ながら意見を迅に言う。

嵐山「つまり佐鳥は何かが原因で明日僕らとは別行動の可能性もある…トリガーが使えないか……原因は分かるかい?」

迅「いいや。でもさっきも佐鳥に言った通りボーダーのエンジニアやトリガーに不備はない……つまり原因になるなら……」

嵐山「外的要因……電磁パルスみたいな物で使用出来なくなるとかかな?」

嵐山は自分の見解を口にして迅は無言で首を縦に振る。

迅「取り敢えず、安全な場所にいるなら助かる未来が見える。」

嵐山「なるほど……他に気を付けないといけないアドバイスは?」

迅は冷静に嵐山隊の面々の顔を見て少し先の未来を見る……

迅「……アドバイスと言うより…………一つわかった事がある?」

時枝「わかった事?」

迅「相手は、俺達を別に皆殺しにきたとか、人を拐いにきたとかじゃない……国を支配とかでもない……歯牙にもかけていない感じだ……だけど……」

 

綾辻「だけど……何ですか?」

迅「……悪い人ではないのかも知れない……勿論、俺目線で見るとだけど……目的は別にあるのかも……」

迅の目で見てわかった事は、明日の騒ぎを起こした連中の中で最も敬われた存在が、トリガーが使えないボーダーの面々を含めて会場に来た人達を守っている光景が見えた……だが、ボーダーを見る眼は優しさに溢れていると言うよりも、何か簡単には拭い切れない複雑な感情が混ざっているようだ。

迅「取り敢えず……明日は色々とボーダーにとっても忘れられない1日なるかも知れないから皆覚悟するように……」

嵐山「迅。つまり明日は僕らは君が言う通りトリガーが使えない状態で行動する必要があるって事だね。」

ボーダーはトリガーを持って始めて戦える……それ無しで生身で行動すると

迅「少なくても三門市じゃない東京で騒ぎが起きるんだ。相手は近界民じゃない……」

時枝「諏訪隊長達が遭遇したあの怪電波に出てきたネクスト・シングって言う宇宙人達の可能性がありますね。」

迅「敵の数や能力がわからないのは、結構不安になるな。」

嵐山「それが普通だよ……太刀川さんや諏訪さん。それに剣持君達が円盤に連れ去られたから敵の存在に気付けたのもある。」

迅「剣持君と国近ちゃんの報告では……敵は基本職業安定所……ハローワークを重要攻撃対象にしているって上層部は言っていたけど……」

綾辻「あの一つ良いでしょうか?」

嵐山隊のオペレーターの綾辻が片方の手を上に上げて質問をする。

迅「どうしたの?ぼんち揚食べたい?」

綾辻「いえ。相手は大きな怪獣とか凄い能力を持った宇宙人なんですよね?それなのに何で職業安定所……ハローワークを重要攻撃対象にしているんでしょうか?もっと……それこそ国会議事堂とかホワイトハウスとか世界中で無くなったら困る重要な場所は沢山あるのに……」

綾辻の意見は最もで、嵐山隊のこの場にいる全員は勿論迅自身も疑問に思った事だ。だが何故そこを重要視しているのか、それが良くわからない……

迅「それが、俺も良くわからないんだ……鬼怒田さんや根付さんも、ふざけているのかと報告書の内容にちょっと(・_・?)が浮かぶレベルだけど……国近ちゃんの目は嘘を言っているように見えないし……どうしてそこまで狙うのか謎なんだよ。」

時枝「領土や資源を求めているようなタイプではない。破壊する対象を狙う……まるでハローワークを悪と決めて狙う……宗教じみた考えを持った連中ですね。」

木虎「何処の世界に職業安定所を邪教みたいに見る連中がいるんですか。国近さんを疑う訳ではないですが、明らかにおかしいですよ。」

迅「うん。多分木虎ちゃんの言う通り、宇宙人の考えは地球人の俺達じゃ理解に苦しむ内容なんだよ。」

犯罪心理学は専門外だしね。と降参を表すポーズをする迅。

自分達と宇宙人の物事を見る価値観の違いに流石の実力派エリートも優秀なボーダーA級5位の部隊も敵の事情は本当に何も"わからなかった"事実に不安を隠せないであった。

 

その頃 剣持は犬飼隊員と訓練室で模擬戦をしていた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「………………」

【ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ】

絶える事なく放たれるのは犬飼が持つ銃型トリガー。

白い訓練隊員服姿の剣持は次々と放たれ続けるトリオンの弾丸を全て回避しながら相手との距離を保つ。

犬飼(観察しているね……)

額にうっすらと冷や汗を掻きそれでも倒す為に銃を剣持に向け続ける。

訓練隊員と模擬戦をする為に犬飼はわざわざ自身のトリガーの構成をアステロイドのみにして実際に剣持と訓練と言う名目で戦えば分かる……相手の異様な雰囲気に当初は剣持の訓練用攻撃手トリガーレイガストを接近させずに完封出来ると予想はしたが、マスタークラスの銃手を前にしてあの素早い動き……素早いなんてレベルじゃない……動作が全体的に只速い……未だに一度も仕留められていないのは、手を抜いているとかじゃない。相手の移動する速度の方が自分の銃撃が着弾するのより早く

機動力が高い自分が銃撃での足止めをしても振り切る事が出来ない……

犬飼「凄く速いね。何かコツがあるの?あるならコッソリと教えてくれないかな?」陽気な笑みを剣持に見せる犬飼。勿論銃撃は止めない。

「……」レイガストを両手に持って相手との距離があるのに関わらず空を一閃……剣圧による圧縮された衝撃波で、飛来したトリオンの弾丸全てを犬飼の方向に返す。

犬飼「うん。何回見てもソレどうやってるの?」

それを最後に犬飼は自身の銃で放ったトリオンの弾丸に穴だらけになる。

【剣持Win】

「コソ練で体得した。」

(銀河連邦では当然凄腕の刀剣の剣豪達もいるから、その人達から技能師事して秘技の幾つかは使える……勿論他の武器の達人達も……)

 

2万5000歳の年齢はその年齢を差し引きしても修練した年数がボーダー隊員達とは違い過ぎる。なまじレッドマン自身が光線技とかが使えなかった分肉体やら武器を持った技とかに己の命を預けないといけない分……己を徹底的に追い込む必要があった……更に戦場で出会った好敵手ブラックワンの存在がより拍車を掛けベムを強くさせる……サイドエフェクトと言った物は無くてもそれ以上の戦闘経験と身体能力と反射神経がトリオン体に影響を及ぼしている事をまだベムも剣持も気付いていない。

犬飼「いや~~色々と興味が尽きないよ。」

「もう一回お願いします。」

犬飼「わかった~~」

犬飼(隊長……彼は強いですよ……)

「行きます。」

犬飼「よし来い。」

犬飼が瞬きした瞬間、もう既に剣持は犬飼の真正面に距離を詰め

犬飼「え?早」

有無を言わさず剣持は右手で右手の銃を持った犬飼の右手首を掴み上げて片手で軽々と犬飼を持ち上げて一気に床に叩きつける。

犬飼(でも君の戦い方は……ボーダーのどの隊員もしない変わった戦い方だよね……)

銃の引き金を引くより早く犬飼の右腕を抑えてレイガストで唐竹割りをされる。

犬飼「…………もう一回やろうか……流石にさっきの距離の詰め方は反則感あるからさ。」

「良いですとも……」

何か良くわからないが犬飼隊員の心にやる気の火が付いたようだ。

犬飼(普通はマスタークラスが相手だと麓っ君並みに……あっヤバい……)

剣持は犬飼との距離を一気に離してPDW銃の銃撃の射的外に移動する。

犬飼(ヒット&ウェイ……攻撃と回避を交互に繰り返してレイガストのシールドモードは極力使わないのは気になるけど……接近されたら普通にこっちが不利なんだよな……)

剣持は自分に対して動揺とか誘っていない……それは多分、剣持自身が慎重に此方の出方を見て行動している証拠だ。身体能力とか反射神経はビックリするけど、トリオン無制限なら此方が有利な筈なのに……

犬飼(さっきから冷や汗が止まらない……知ってるトリガー……しかも相手はC級訓練隊員なのに……雰囲気が最早人型近界民のソレだ……)

訓練室の仮想戦闘モードなのに最早両者。雰囲気はランク戦の真剣勝負と変わらない……無論剣持もベムも二宮の銃手でマスタークラス。そして香取隊の若村ジャクソン先輩の銃の師匠相手に余裕の態度は一切ない。むしろ相手の出方を常に読んでいる。

(此方はランク戦を見たから犬飼先輩の基本戦法は知っているし先輩も此方の立ち回りをある程度知っている……それにPDW銃……パーソナルディフェンスウェポンの個人防衛火器…短機関銃の一種か……PDWは短機関銃とアサルトライフルの中間の位置にあるって前に軍事訓練経験者のロイド副隊長が言っていたな。)

無言でレイガストで構えるのを辞める剣持。犬飼もその動きを見て銃で構えるのを辞めて両者無言で相手を見据え両者ゆっくりと歩き出し接近戦で決着を付ける事にする。

犬飼「準備は良いかい?」

「何時でも……」

犬飼「なら始めよう……」

射程距離に剣持に入った瞬間犬飼は素早くPDW銃からトリオン弾を放つ。先手必勝だ。自分の機動力を遥かに上回る相手でも犬飼は焦らない。

犬飼(当たらなくても狙う位置を絞れば良い……)

別に相手は空や宙を飛んでいる訳ではない。必ず床に2本の両足を着けてひたすら風の如く駆け抜ける。

犬飼(ちょっと想定以上に回避率が高い……)

回避されつつどんどん距離を詰められるのに銃弾は掠りもしない。レイガストで弾を反らされているか……まるで実体を空に消すかのように全て回避されている始末だ。

「……」

そして無言と無表情が怖い。

犬飼「ねぇ。何か雄叫びの一つくらい上げてくれない?」

「……」

犬飼は剣持の足元を狙い足止めをするも剣持は恐れずに絶え間なく飛来するトリオンの弾をレイガストで弾き返して犬飼に迫る。

犬飼「やっぱ一人だと出来る事が限られるね……」

さっきの足止めも部隊同士の戦いでは二宮隊長が合成弾を作る時間稼ぎや足止めしている間に隊長が射ち点を取る基本戦術の一つなのだが……一人だと本当に足止めにしかならない。

「……」

犬飼「うん。怖いわーー。」

(てかやっぱり剣で弾を弾くってどんなコソ練して覚えるの?ジェダイ?ジェダイなの!?)

無言で迫る様子がかえって恐怖感を覚える……自分は殺人マシーンと対峙しているのでは?と錯覚を覚えてしまうくらいだ。

剣持の間合いに自分が入り剣持のレイガストが横一文字斬りが自分の喉元に迫る。

犬飼(俺自身で引き付けてから……)

迫る剣の一撃を犬飼は寸で身体をマトリックス避けの如く仰け反らせてから勢いを入れたカウンターの回し蹴りが剣持の顔に的確に直撃させて、視線を一度自分から反らさせてから犬飼は自分の黒スーツを脱ぎ捨て剣持の視界を塞ぎ。

犬飼「流石にマスタークラスまで登ってC級訓練隊員にやられっぱなしは不味いんだよね。」

躊躇無くスーツごと剣持に向かってPDW銃を連射する。

【ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ】

黒スーツはみるみる穴だらけになり視界を封じられた状態で剣持は犬飼の右腕をレイガストで切断するも、犬飼は落ちたPDW銃を蹴りで左手で掴み

犬飼「それと実は俺左利きなんだよ……」

「っ!?」

絶え間ない銃撃によって黒スーツの隙間から犬飼の現在位置と距離を瞬時に把握した剣持。一歩踏み込み距離を一気に出す。

【ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ…カンカンカン…ザシュッ!】

犬飼「っ!?」

「……っ!」

(打つ!!撃つ!?……射つ!!?)

一気に踏み込みを入れても接近する前に殺られると確信した剣持はレイガストを一度手から離して片足で落ちるレイガストを蹴り上げて右腕と右拳を一気引き締める。

犬飼(弾が数発"弾かれた")

確実にトリオン体に穴を開けるトリオンの弾が数発硬い鎧か何かに当たったかのように弾かれていったがそんな事を気にする余裕もなく距離を詰められて剣持は犬飼の銃撃に穴だらけになり、トリオン体が崩壊するも崩壊直前にレイガストで犬飼のトリオン供給機関を目標にレイガストの持ち手を握りしめた拳でロケットの要領で打ち飛ばし飛来したレイガストは犬飼のトリオン供給機関に吸い込まれるように刺さり……相討ちとなる。

犬飼は目を大きく見開くしかない。 こんな誰も真似しない曲芸擬似スラスター。回避するタイミングだって会ったのに直撃したのだ。

犬飼は脳裏に先程の剣持の言葉を思い出す。

『銃はテレビのリモコンやカメラと同じ目標に向かってスイッチを押す。基本それだけやれば、後は大体応用は覚えられます。』

文字通り……自分自身のトリオン供給機関を目標にレイガストを銃弾代わりに打ち込んだ曲芸じみた戦術にもならない戦術に自分は敗れたのだ。

犬飼「……やっぱり……君、何者だよ。」

犬飼(本当に……)

【draw】

訓練室内に引き分けの知らせが鳴る。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

戦いを終えて近くのベンチに座りさっきの戦いを思い出す剣持。

(やっぱりボーダーのマスタークラスは全員一筋縄にはいかないな。)

最後の犬飼先輩の戦法は此方の不意討ちより以上に効果的だったな……流石元A級部隊の隊員。

 

犬飼「お疲れ。」

「お疲れ様です。犬飼先輩。」

犬飼「最後の一気に拳でレイガストを射ち放つのには恐れ入ったよ……擬似スラスターみたいだった…」

犬飼は剣持を素直に褒めるも当の本人は

「無我夢中で良く覚えていません。レイガストが届いたのは偶然みたいな物だったし……」

犬飼「そうかそうか……」

犬飼は笑顔でそう答えて剣持を見る。だがその笑顔の裏では冷静に先程の剣持のトリオン体その物が一瞬硬くなった現象について考えていた。

犬飼(嘘を言っているようには見えない……前に二宮さんが言っていたように剣持のトリオン体が俺達のトリオン体と何か違うのは確実みたいだけど……本人も良くわかっていないみたいだ。)

踏み込みが一直線に速い……移動速度も距離も右手首を掴まれて一気に叩きつけられた時も、トリオン体の手首に万力で押さえつけられたと錯覚した程だ。

犬飼(本人が一番良くわかっていないけど…意識して出来たら簡単に説明すると全身鎧兜を装備してトリオンの無数の銃弾を物ともせず狙撃銃も効かない。超スピードに超パワーの怖い後輩が誕生するね……うん。単純だけど怖いわ。これで戦術とか戦略を覚えたらどう化けるか……)

「先輩?」

犬飼「…うん?あぁ……今回模擬戦闘は中々互いに有意義な訓練だったなと思い出してね。」

「確かに、若村先輩の師匠だけであって凄い強かったです。流石犬飼先輩。」

犬飼「うん。その師匠に何回か勝ってる辺り君も大概なんだけどね。攻撃手と銃手なら銃手が圧倒的に有利なのに勝っちゃうんだからさ。」

皮肉込みのツッコミをする犬飼。

「でも皆さん俺に合わせてトリガーは一つだけにして下さるから実質本気ではないですよ。」

犬飼「もし俺がフルで用意出来るその時は、君も同様にフルのトリガー構成が可能になっているから良い勝負になるだろうね。」

実際一対一とシールド無しのアステロイドのみを出せるPDW銃だけだったとはいえ、最後は真面目に本気で……戦って相討ちになった。

「あっ、そろそろ家に帰らないと……では先輩。また。」剣持はベンチから立ち上がりこの場を後にする。

犬飼「じゃあね。剣持君。」

「さようなら。」

別れの挨拶を終えてから……

犬飼「俺もまだまだ経験不足だな……カゲかゾエ達と個人ランク戦でもするか……」

今回の戦いは、手を抜いていた事よりも攻撃手相手だからこっちが有利だろうと思っていた気持ちを改めてるのは充分過ぎる戦いだった。反省する所も色々とあるし……犬飼は今回の剣持の戦いを振り返りつつ個人ランク戦会場に向かっていった。

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ゾークロンの母艦円盤のメルニアの部屋。

用意された部屋にいて傭兵団の運営

グラビティス「戻ったぞ。メルニア様。」

メルニアは地球で購入したラフなジャージ姿でグラビティスを迎える。

メルニア「ロシアの怪獣に増幅機と発信機は取り付けた?」

グラビティス「あぁ。だが中々にやんちゃな怪獣だったぞ……低血圧なのかな?ストロンガ。」

メルニア「…………またあんた怪獣に変な名前をつけたわね。」

メルニアは持参した3Dディスプレイを起動させて怪獣グラビティスが名付けた怪獣ストロンガの現在位置を知る……

グラビティス「シンプルかつストレートな王道そうな怪獣だったぞ。」楽しそうに愉快そうに彼は答える。

メルニア「あ~~そうかいそうかいソイツは良かったわね。ゾークロンの連中らに事前に怪獣をコントロールして訓練させてシモベにさせるのを提案して正解だったわ~~。おっ、ちゃんと動いているわね。」

メルニアは大荷物からごちゃごちゃしたヘッドギアタイプの白い機械を取り出す。

グラビティス「それが例の機械技術と工業技術で有名なガルガロン星の後輩と共同開発したテレパシーモンスターコントロール装置か?」

メルニア「侵略ロボット怪獣技術でもね……まぁな。ゾークロン細菌怪獣でも使える優れ物だけど……怪獣の精神が強力だと影響を受け付けない欠点はあるんだ。」

グラビティス「わざわざその機械を用意する必要があるのか?」

メルニア「原生人類や動物程度なら私のテレパシー能力とか洗脳能力とかで操る事は可能だけどね。怪獣レベルになるとこういうコントロール装置機がないとキツいのよ。ブラックワン達と違い私は怪獣使いじゃないし……」

怪獣使いには素質があるなしがあり、この傭兵団に"本物"の怪獣使いはいないが素質ありなら修行して怪獣を操る事が可能…只メルニア自身は素質無しだから擬似的にも怪獣をコントロールするには専用のテレパシーモンスターコントロール装置がいるのだ。

メルニア「何より今回のキリキリの試作装置の実地実験にはやはりレッドマンが障害になる。今回の実験はボーダーって連中には影響はあるがレッドマン自体には何の影響もないからな。ゴメルがボーダー達を沢山の人数を目的の実験区域に誘う為に騒ぎとしてゾークロン細菌怪獣を使うのは文句無いが、細菌怪獣が現れると必然的にレッドマン達を含め銀河連邦も関わってくるからな。注意を引く囮の別の怪獣が必要なんだよ。」

会話しつつテレパシーモンスターコントロール装置と対を為す増幅機で古代凶暴怪獣ストロンガの脳波を見るメルニア。

グラビティス「奴が囮に引っ掛からなかったら?」

メルニア「その場合は囮の方が、出現して周辺都市の破壊活動に尽力すれば良い……レッドマンは分身やワープと言った超能力を持っていても……今回は怪獣使い部隊長のダークナイザーもいる。簡単には勝てないよ。」

グラビティス「用意周到だな……」

メルニア「仕事で手を抜いて良さそうな所は抜くがそうじゃない所は真面目にやるのが私だよ。さて……どの怪獣兵器を使おうか……」

自分のディスプレイに並べられたブラック・ミストが保有する怪獣達を眺めるメルニア。

グラビティス「ストロンガを誘導テレパシーでコントロールする事は可能でも、レッドマンに勝つのは厳しいぞ。」

イノセンスマンが本来の姿になる事なく地球人の状態でストロンガは簡単に叩きのめされたのだ。

メルニア「今回は怪獣でレッドマンを倒す必要はない。ようはキリキリの開発した装置の実地実験テストが終わるまでレッドマンの邪魔になれば良いんだ。うじゃ。下がりな。明日は結構な戦いになりそうだからメンテナンスはしろよな。」

グラビティス「あぁ。」

そう短く言いグラビティスはメルニアの部屋を出ていく。

メルニア「私達は軍人じゃない。傭兵だ。傭兵は傭兵の戦い方をすれば良いんだ。」

ストロンガの脳波の状態を見てイライラして何もかもに八つ当たりしている状態だと分かるメルニア。

メルニア「突然起こされて興奮しているな……だが単純そうな脳波だからこれなら誘導しやすいな…」

無言で怪獣ストロンガの脳波をじっと見てメルニアは申し訳ない顔をして罰悪そうに言う。

メルニア「私達の提案でゾークロン細菌に感染したからもうアンタは二度と普通の生き物には戻れない生物兵器なのよ。……私達の都合に振り回されて凄く悪いと思うし可哀想だけど………死ぬ事しか救いはない……」

ブラック・ミストが保有する怪獣は兵器だがダークナイザーが大切にしている仲間で家族でもある。その為、この傭兵団はゾークロン細菌怪獣は使わない。自由も尊厳も失い己の意思とは関係なく怪獣された奴らをダークナイザーは好まない。

メルニア(確か前にレッドマンに殺された光線怪獣には

ミクモ オサムと名付けていたな……あの時は名前の意味は良くわからないが……この星に関係しているのか?まぁ私もゾークロン細菌怪獣が好きじゃないのは同感だ。)メルニアはゾークロン細菌は嫌いだ。あらゆる物を遺伝子改造して怪獣に変える万能の細菌によって……星間連合は怪獣には困らない……ゾークロンが怪獣を簡単に製造して各戦況の最前線惑星の侵略兵器として派遣する魔法の細菌だ。低コストに大量生産…

 

今回の被害者となった怪獣に許されるとは思ってはいないが、これはある意味局地戦の戦争なのだ。戦争はどんな手を使っても最後に結局勝てばいい。その過程に何れくらいの仲間や味方が死ぬ事になろうとも……それは傭兵団のナンバー2だから分かる……分かるのだが………

メルニア(何でゾークロンなんかの連中と協力しないといけないのよ!?ブラックワン……アンタ自身だって私と同じで奴らのやり方が嫌いなの知っているのよ!!)

己の実験の為なら親兄妹や愛する家族や友人や恋人や妻子すら実験材料にする"研究が好き過ぎる頭の良すぎた宇宙人"らに嫌悪感を隠せないメルニア。

メルニア(そんな奴ら、私達が協力する事なくレッドマンに殺させても良いじゃない……)

 

奴らの今の目的はこの星の全ての生き物や無機物を怪獣化させる事……その為にはやはりあのゾークロン細菌が必要だが……奴らはそれを再び培養出来ているようには見えない。

メルニア(だが奴ら必ずや培養する手立てを考えている筈だ……あの悪魔の細菌を……でないと星間連合での彼らの立場は完全に無くなるからな。)

第1段階に円盤の修理を完了して……第2段階に奴らはとっくに滅びた母星の下らない機械の"神"が指示した神託もとより命令である"変に回りくどい計画"を遂行する為に計画遂行の準備時間の確保。無事地球の全てをゾークロン細菌怪獣に遺伝子改造して量産した暁には、それを手土産に星間連合の所属する星に難民保護して貰う為自分達の価値を上げる必要がある。連合に自分達はまだ使えると……

 

数十年に渡り計画立案した銀河連邦の首都の全てを怪獣化させる計画が失敗して逆に母星も細菌生産工場がある工業地帯や研究都市も守れずに簡単に滅ぼされて立て続けに失敗した為に連合内での価値は堕ちる所まで堕ちたゾークロンの立場を回復させるつもりなのだろう。

メルニア(そして変な目的と同じくらいに固執しているのは、これまで煮え湯を飲まされ続けたレッドマンの抹殺……大体何でハローワークを破壊するのにわざわざ怪獣を使っている……)

メルニアはゾークロンのハローワーク全滅による文明自滅計画と言う妙な計画に拘る事に疑問を隠せないでいた。

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"彼ら"は宇宙広しの中でとても優れた科学技術を持っていた……その技術で星の文明を発達させ、更に科学技術の発展と多岐に寄る研究の為彼らは……多岐に渡る研究に必要な実験材料と研究材料は常に不足して自分達の星だけで飽きたらず自分達の星に交易する別の星や美しい自然溢れる未開拓な星と言った平和の星の生物を身勝手に奪い去り実験テストと称して許可無く超兵器を使用して破壊度合いや罪の無い原住民達を試作兵器テストの実験場で皆殺しをしていた。実験の為の資源を奪っていた。

頭の良すぎた故に彼らは他者に歩み寄る努力を忘れ自分以外を見下し始め次第に自己中心的と傲慢な考えを持ち同族すらも研究実験対象にするようになった。

宇宙人には致命的に欠けている物があった……自分以外の人の気持ちを知る事である。

宇宙広しの中でとても優れた頭脳を持った彼らは高度な科学技術は持っていても純粋に強い他の惑星の連中達から資源や実験動物(惑星の人間も含めて)を手に入れる為に兵器開発を繰り返し……その技術の高さで次々と自分の研究や実験を邪魔する物達を排除して次々と侵略を繰り返していた……宇宙全ての資源は自分達の研究材料で

宇宙の全ては自分の実験の為に存在する。

 

……それから約3000年万年が経過した辺りから、彼らは自分自身で他の惑星を破壊する事すら煩わしいと感じ始めて生物兵器宇宙怪獣の開発を開始するも、彼ら怪獣を0から作るのではなく現地の無機物や生物を怪獣化させて勝手に星の文明を壊してくれる細菌兵器の開発をし始める。彼らの故郷の惑星は身勝手な度重なる科学技術の発展を繰り返した結果…星の環境汚染は彼らの科学技術を持ってしても浄化不可能となり、星にいたまとも生物は勿論他の惑星の生物が生息出来ない程の酷い環境になっていた。

それでも彼らは自ら開発した生命維持装置付きの防護服を着用して自分の星の自然が荒廃するのに省みく事なく実験を繰り返していた。自分の星の怪獣がいない状況で開発した人工細菌は見事他所の星の生物を怪獣に遺伝子改造して本人の意思も関係なく細菌に予め指令プログラムされた細菌怪獣達は、彼らにとってもノーリスクハイリターンで星が手に入れる画期的な細菌兵器だった。

行く行くは全宇宙に細菌をばら蒔く予定だったが、彼らの細菌怪獣兵器に興味を持った存在が現れる。全宇宙を支配する目的とする星間連合の主軸"次元帝国ヘルガイア"である……何時もの感じ星間連合に一度侵略しようとしたのが運のツキ……全宇宙の支配者を名乗るヘルガイアの武力によって彼らは完膚なきまでコテンパンにされて命乞いをする。細菌兵器で大量の怪獣を短時間で用意出来る彼らの技術力を知った星間連合は連合国家の一つに彼らの星を加える事にする。だが……この頃から彼ら自分達より上の存在全てに恐怖を覚え始めて研究に狂ったように打ち込むようになる。恐怖を忘れるには、安心を欲して……自分の時間を最優先にする自己中心的に拍車がかかり、同族をまとめる事すら無駄に感じ始める……いちいち怪獣を作り侵略先の星に送る行動すら無駄と考えて細菌兵器を作った彼らは効率的に無駄を省く為に高度な人工知能"神"を開発する。

完成した"神"は莫大な情報を高速学習システムで学習して未来予知レベルの予測能力、分析能力と作戦立案能力に彼らをまとめ上げて星間連合の全宇宙の支配に貢献する。だがそれでも彼らからヘルガイアの恐怖と絶望は消える事はなかった。

彼らの科学技術が高過ぎてのも原因で人工知能"神"は人の善意や悪意、戦争と平和と言った答えの出ない問いにすら収集している内に"自我"に目覚める。

 

先の見えない不安、死の恐怖、絶望の前に人工知能が導き出した答えは……"神"は人工知能でありながらその研究する彼らに安心のユーモラスと遊び心を与える事にする。普通の侵略方法では効率が良く過ぎて退屈に感じ始めた彼らに縛りを与えてのゲーム感覚の侵略計画を次々と立案する

『全ての原生生物を怠け者病に無気力にさせてから侵略する。(元から皆怠け者の星)』

『全ての原生生物を無理やりやる気から燃え尽き症候群にさせてから侵略する。(年寄りには新陳代謝の影響で効果が薄い)』

『有機生物の記憶を徐々に忘れされてわたしはだあれ?させてから侵略する。(ロボットには意味はない)』

『侵略先の星に眠っている怪獣を起こして侵略する。(怪獣がいない星の中で必死に怪獣を探す労力)(怪獣がいても撃退されたら意味はない)』

『侵略先の星の全ての有機生物を眠らせて無気力化させてから侵略する。(騒ぎで直ぐに起きる)』

『ツッパリ光線で全ての原生生物を不良に変えてから侵略する。(元から不良達には意味はないし、逆に喧嘩はするがカツアゲも苛めしないツッパリのスジを通す為に、星中の暴走族が一致団結して彼らを撃退する。)』『穏やか光線で争いばかりの原生生物を野蛮な闘争本能を消して穏やかにしてから侵略する。(性格は穏やかになっても戦略立案や戦闘に問題はない。むしろ星その物は平和になった……)』

『イタズラ通信で通信システムを星中を混乱させ侵略する作戦(ハイテク通信システムを使わない田舎の農民達に鍬を持って撃退される)』

『ハローワーク全滅による文明自滅計画……(現在進行中…労働者から仕事と職を奪いニート無気力化させてから一気に制圧する予定)』

『骨やら石やら原始の武器のみで侵略する計画(途中遭遇したアブソリューティアンにその計画を実行しようした彼らは壊滅させられる。)』

等々色々と遊び心に拘り入れたふざけた侵略計画を次々と用意するも、しっかり真面目に恐るべき計画も建てていた。銀河連邦の主力を全て怪獣化させる計画である。

計画やら作戦やらふざけているが細菌兵器は銀河連邦にとっても脅威その物には変わらず、高度な科学技術で母星を宇宙の次元の狭間に隠していたのに……野生の感覚や超感覚の鋭い傭兵部隊に見つかり母星と"神"は破壊される。"神"はしっかりと自分の手足になる防衛兵器に守られていたが……その傭兵部隊の中に異常な強さを誇る掃除屋……レッドマンには勝てなかった。優れた科学技術を持っていた荒廃したゾークロン星は滅ぼされて……残党狩りに動く中で場所を特定せずに地球付近にワープして仲間をムシケラのように減らされながら地球を発見……現地の生物や無機物を細菌で細菌怪獣に遺伝子改造して『ハローワーク全滅による文明自滅計画』で怪獣の星と地球を手土産にして連合の立場を何としても回復しなくてはならない……母星が傭兵達によって爆発して着の身着の儘焼け出されたゾークロンは誇るべき母星の最先端科学技術すら失い持っている僅かな手勢と持ってきたお古の物で太陽系第3惑星を侵略しなければならない。もっともレッドマンも人間に憑依して弱体化している為に……充分な準備も便利な武器も多脚歩行陸戦兵器ない宇宙人達対原生人類にバレないように立ち振舞わないといけない為にストレスを感じる宇宙人の泥沼の戦いが地球を舞台に開始された………

どっちにしても地球人にとっては両方迷惑な存在には違いない。だが……地球を手に入れずに彼らに星間連合で生き延びる道はない……

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夜 剣持は自宅に帰宅して明日着る服装を確認する……

「とりあえず、明日はこの服装で良いか……」

少し機械の部品とか回路とかある基盤を一ヵ所に片付けて……その中に一際目立つ赤いレザーライダースーツに赤いフード付きパーカー、青いスキーゴーグルに赤いフルフェイスマスクに剣持とベムが開発したウェブシューター 吸着用のグローブとブーツを自分のリュックサックにしまい。

「……」

ふと剣持は真琴先輩が書いたのコスチュームデザインを思い出す。

(行く行くはちゃんとした戦闘服を製作する必要があるな。)

外見を隠すだけなら其処ら辺の顔が入るサイズの紙袋に

目だしの穴一つでも作れば良い……しかし市販で用意出来る物だと耐久性が無いに等しい……

「……あ~~やめやめとっととベッドに入って明日に備えて寝よ。」

(何でもかんでも戦いに結びつけるのは、僕の悪い癖だな……)

ベッドに横にな目覚まし時計に起きる時間を設定しつつ。ふとスマホの電源を付けて電話帳にある志岐さんの名前を見る。

「……」

【…………………………………………………………】

只無言で名前を見ていると突然電話が鳴る。

「……っ!?」

前触れ無しに鳴って剣持は目を見開きビックリした表情で相手の名前を見る。

〔志岐小夜子〕

「っ!」

直ぐに通話ボタンを押す剣持。

「もしもし?志岐さん?」

志岐《良かった!?まだ起きてた?》

「うん。でっ何か明日の事でどうかした?」

志岐《…………》

「志岐さん?」

志岐《……小夜子って呼んでくれないの?》

二人っきりの時はそう呼んで欲しいと

「……小夜子さんで勘弁してください。」

志岐《まぁ、今はよしとしよう。……とりあえず本題に入るね?」

「はい。待ち合わせの時間や場所の変更とかですか?」

志岐《……ううん。明日のお出掛けの事だよ。》

「?」

志岐《……剣持君。誘った私が言うのもなんだけど明日の予定……やめにしない?》

「っ!?……どうして。」

志岐《……私も明日は本当に凄く楽しみなんだよ……そりゃあもう初めて男の子と二人っきりで映画見るんだから……でも……》

「でも?」

志岐《私なんかの我が儘で剣持の貴重な時間を使って良いのかな……》

 

 

志岐の自宅 志岐の部屋にて彼女は自分の机に置かれた2枚の映画のチケットに視線を見る。そして彼女は思い出す……そのチケットを貰った日を……渡してくれた那須隊長のあの会話を……

 

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"青春"……ある意味私も剣持君も無縁な物だ……私は外より家の中にいる日陰者だし剣持君はそもそも開発から戦い・勉強・特訓・クライムパトロールあれこれと忙しい人間だ……

志岐(切っ掛けは剣持君が一度『お化け屋敷』の病院に大きな怪我をして入院した時だ……)

怪獣……いや外国のロボットと激突して完膚なきまで敗北して怪我が完治していない中でボーダーの個人ランク戦や生身のオーバーワークのトレーニングをしてお医者さんが治してくれた傷が悪化して一緒にいたボーダーの先輩達から入院を薦められて入院した時……剣持自身色々と追い込まれていて……私は自分に出来る事で手作りのお弁当を作り渡した。その時はそれで無事に解決したが、改めて私は当たり前だが気付いてしまったのだ。

地球に現れる怪獣達を倒せるのは、剣持君とベムしかいない事実に……そして剣持君は只一人孤独に戦わないといけない事実に……楽しくない血深泥の生き死に掛けた死闘の数々をしているんだ。きっと剣持の1日の時間は

本人に言うと怒るだろうが、少しずつベムみたく常に戦いに備える傭兵みたいな生き方になって行くのだろう…

志岐(そんな生き方、余りに剣持君とベムが可哀想過ぎるもん。)

志岐は既にベムの本質……根の部分は心優しい人間だと知っている。だがベムがまだ教えてくれてないが、今のような性格になった切っ掛けや経験があるのだ。自分が年上の男性が怖くなったように……

那須隊の部隊室で剣持君がロボットとしゃちほこ怪獣の二大怪獣に挟撃されながらガンダムそっくりのロボットと連携して撃破した姿は、その時の私は自分の事のように両腕を震え溜めておもいっきり上げて嬉しそうに喜んだ。

それから数日後……

志岐『いいな……。』

私は積極的に高校に通ってはいない……勿論、出席日数が足りなくて留年は避けるレベルには通っているが、基本私の活動範囲は小さく狭い……欲しい物や必要な物はネットとかで購入とかするから無理して外出する必要はないのだ……でもたまに、アニメやテレビドラマの映る男女の幸せそうなデートとか見て興味を持つ事がある。

自分には関係のない話だし、相手の心が読める訳でもないから、実は君を騙していたんだってのもなくはないかも知れない……それでも……日陰者の引きこもりの私の目にも止まるし、憧れてしまうんだ。世の中厳しいのにね。僻む気すら失せる程眩しいんだ……青春って奴は…

長い人生の中で、黄金に輝いた時間……大切な時間って言うのも過ぎ去るままなのに……私も剣持君も"青春"皆がしている当たり前をしていない。

私はこの頃から剣持君と何処か二人で出掛けようと考えていた。部隊室にいる時は暇を見つけると遊園地やら動物園やら水族館やらの特集が載っている雑誌に目を通してエアデートを脳内でしている始末だ。そしてそんな私に気遣いをしてくれたのは那須隊の皆。

特に那須隊長は基本自宅のベッドにいる程病弱だ。私と少し違うも活動範囲が限定される。本当は熊先輩や茜達ともっと色々と外出したいのに……病弱の為に自分の部屋でチャットごしで一緒に読書タイムとか限られた遊びをする始末だ。

那須『……小夜ちゃん。もし小夜ちゃんが良かったら剣持君を映画に誘って見るのはどうかな?』

(那須隊長。大きなお世話です………っと普段の私なら言うつもりなんですが、正直"青春"らしい青春をしたい欲求は日に日に大きくなる毎日。)

志岐『ナイスアイデアです!?隊長。さっそくネットで予約を……』直ぐ様ノートパソコンの電源を点ける私に那須はポケットからある映画のチケットを取り出して志岐の前に置く。

那須『はいコレ。私が貰った東京の映画チケットだけど…良かったら使って?』

志岐『良いですか?せっかく那須隊長が貰ったのに……』

私の言葉に、優しく微笑むも少し寂しそうな顔をして那須隊長は答える

那須『………私は見ての通りの身体だから無理をして映画館に行くと熊ちゃんやお母さん達が凄く心配するからさ。チケットもこのまま使わないままも良くないし、小夜ちゃんが良かった使ってくれない?』

志岐『隊長……』

ほとんど移動範囲が限定されている那須の事情を知る志岐は申し訳ない顔をする。

那須『…そんな悲しい顔しないで…小夜ちゃん。剣持君が良い人なのは私も知っているからさ。私達は安心して一緒に出掛けても心配せずにいられるのよ。』

まだ色々と謎が多く細かい事情は知らないが、私達から見た剣持君は、私達の大切なオペレーターを……友達を信頼して任せられる人間だとは分かる。

那須『それに小夜ちゃんは何時も助けて貰っているし、これは私なりのお礼でもあるからさ。楽しんできて。』

志岐『……那須隊長は良い人過ぎますよ。……私が男だったら好きになって告白していますよ。』

那須はその言葉に軽くポカンとするも直ぐに微笑み

那須『青春は長い人生の中で大切な物だからね。それに隊長として部隊を円滑に回す為に行動するものよ。』

志岐『……隊長へのお礼に取り敢えず隊長の靴を卑しい犬の如く舐めれば良いんです?』スゴスゴと舌を長く伸ばして那須の足元に迫る志岐。

那須『……それはしなくて良いわよ。うん。本当に……いらないからね。やんないでちょうだい。』

 

こうして志岐は那須から映画の前売りチケットを貰った。隊長のへお礼はより一層に部隊をオペレーターとして力尽くす事と約束して。

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「……良いんだよ。」

俺は無意識にそう彼女の言葉に返事をした。

志岐《えっ?》

「……俺なんかの為に色々と気を遣わせてくれたのは、本当にありがたい……だけど俺だけが楽しんでも意味はない。志岐さんも……心の底から楽しんでくれないと……」

志岐《…剣持君……》

「そりゃあ、俺や君にだって色々と優先する事はある……だが、だからこそ……こんな時くらい。俺らなりに普通の人達がしている当たり前のお出掛けくらいしないと……心が疲れてしまうだろ。だから……明日は一緒に俺と映画を…………」

志岐《……》

志岐は待つ……剣持君の言葉を……

「……小夜子さん。僕と一緒に映画を見てください。」

志岐《////うん。////わかったよ……明日絶対に雨の日でも見に行こう……》

そう彼女は答えて通話が終了する。

俺は自分の部屋で無言にベッドの横に倒れて……口から静かに大きく息を吐き出し脱力する。

「…凄く………凄く緊張した……」

 

 

志岐「(///∇///)」

一方自身の長い黒髪で目が隠れた志岐は無言で自分の枕に顔を押し付けてベッドの上で嬉しさの余り両足を激しくバタバタさせる。

枕から顔を離して明日着る服を見る志岐……

志岐「…明日が待ちきれないよ……」

両耳を真っ赤にして人生初の楽しくて思い出に残る日だと確信していた。

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剣持がいない夜の『お化け屋敷』の軍事区画では軍事関係を専攻する科学者達が対プレイター用の武器を幾つか開発する最中でその進捗を確かめる為にグラサン隊員と途中まで歩く黒野。グラサン隊員の右肩には全長:84.5センチメートルの黒いレーザーライフル……ブラックランチャーを肩掛けて歩く。グラサンは射撃訓練をした後で軍事区画の装備保管庫に返しに向かう途中で合流した。

グラサン「ドクターチャールズ達が中和剤を完成させられたら一網打尽になるから必要ない気がするな。」

黒野「だがチャールズも試してみないとわからないって言っていたから、もし効果が無い時の場合凄く面倒だがあのカマキリ達を倒せる武器がいる。」

グラサン「何時も怪獣達に使っている4連装ロケットランチャーとバズーカ以外にウチの警察にあるのって大型機関砲とかか?」科学特別機動捜査隊は警察組織だが怪獣対策に強力な重火器を保有を自衛隊以外で許された組織だ。

黒野「焼却部隊も使用する火炎放射器や反動と重量がある個人携帯用エネルギーバルカンとか対怪獣用特殊連発ビームサブマシンガンの類いもだ。」

グラサン「うへっ、危険物ばかりじゃないか。」

普段射撃訓練のみ使うガチガチの危険物の名前にゲッて顔をするグラサン。使う目的が限定的な武装ばかりだ。

黒野「お前取り扱いが上手いから問題無いだろ。」

そんなグラサンを安心させるように黒野は隣を歩くグラサンを一応褒める。

グラサン「俺は心の準備はいつも遅いんだよ。」

黒野「知ってるよ。でもそういう銃火器はロイドやお前の領分なんだからな。」

グラサン「専門的な軍事訓練した経験者と比べるなよ。じゃあ、俺は此処までだ。」

軍事区画の装備保管庫を目的にブラックランチャーを持ってグラサン隊員とは此処で別れる。

黒野「後でな……」

 

 

黒野「皆さん。進捗は乏しいですか?」

軍事区画の大型研究室の自動ドアを横に開き様子を見る黒野。この大型研究室は、他の研究室が白い清楚的に反して武骨でミリタリーな雰囲気な感じの研究室で色々と危険な装置やヤバい兵器の開発する部署。

桑枝「あら、黒野隊員。」

すると開発した武器達の一つを持った茶髪ショートカットに丸眼鏡を掛けた桑枝博士が近付いてくる。三門市に現れたメタルダイナスの時に外見から見て宇宙からきた量産型のロボット怪獣と説明した女性科学者だ。

桑枝「進捗は問題ないわ。取り敢えず各種10丁ずつ電磁レールガンを強化したけど……改良の余地はまだまだあるわよ。」

剣持も使用している電磁レールガン改良型を持って動作に不調がないか確認する。

黒野「でも時間は無いんでしょう。」

桑枝「私の専門は軍事兵器の中で素材関係だから其処らの軍隊の使う最新式の兵器よりは頑丈にしたつもりよ。」

黒野「素材だけ?」

桑枝「ええ。だってここには私より戦闘兵器開発に人生を費やす頼れる同僚がいるんですもの。何一つ問題は無いわ。そこの真由香が威力や射程や連射も前より上げたわよ。」

そう言い彼女は同じ軍事兵器学者達の方に顔を振り向かせてさも当然のように言う。

 

櫛宮 真由香

年齢29 専攻 軍事兵器学者

軍事兵器の開発を専門としている学者で、人生を戦闘兵器開発に費やしてきた。少し高飛車で女王様のような性格だが、才女好みの男性に人気が高く、周りには常に忠実なるしもべ達がいる。

 

櫛宮「さぁ、しもべ達!?下劣な虫ケラどもを蹴散らす銃火器をどんどん作りなさい!!」

トゲがついた鞭を片手にしもべの助手達に命令する白衣を着た頭に青いヘアバンドを付け濃紺ロングヘアーに赤いフレーム眼鏡を掛けた女性科学者を見て桑枝博士は軽くため息を吐く。

 

黒野「……極東科学研究所の烈破室長の教え子の一人として雇用したけど相変わらず色々と凄い博士だよな……あっ、開発のヒントになる資料とかいるか?」

あの36歳の鋼鉄ジーグのマシンファーザーの親戚のようなゲームセンターのアーケードゲーム機のような外見になった面白室長は、『お化け屋敷』の前組織……国際防衛組織HUMAの武器武装をほとんど開発しその科学者の教え子達の中で一際武器武装開発に長けて後継者候補と呼ばれるのが、あの高飛車女王様の性格の女性科学者だ。性格は変人で残念であろうと数少ない『お化け屋敷』の武器武装を開発強化してくれる貴重な人材だ。多少は目を瞑ろう。

 

桑枝「いえ大丈夫。開発のモチーフになる兵器や軍事資料だけなら田畑評論家から資料があるからコンセプト等はつきません。って真由香!?研究室に鞭を振るな。機材や薬品が壊れちゃうでしょう。私の素材開発研究室を頑丈にしているけど全部が頑丈じゃないんだからね!?」

茶髪の厳しそうな四角い眼鏡を掛けた男性が櫛宮博士にやけに長くなる話をする。

田畑「櫛宮博士。レールガンの威力をもう少し……ブツブツ……」

櫛宮「今はとにかく時間がないの。少なくとも前よりは破壊力は増したし、威力調整を可能にしたのだから文句は言わないの。」

 

田畑 安則

年齢40専攻 軍事兵器評論家

本来の仕事は評論家で、兵器学者ではない。いつも両手に膨大な軍事資料を持ち歩いて講演会場を回っている。つねに「ビシッ」としてないと気が済まない性格で、話しがはじまるとやけに長い。

 

黒野「……博士。念のための確認だがそれでお化けカマキリ達は倒せるか?」

櫛宮「……戦闘兵器開発に私は妥協はしないわ。提供されたプレイターの死骸の外殻を貫ける程度には改良したから安心しなさい。」

電磁レールガン改良型の一つを黒野に手渡して

黒野「そいつは助かるよ。流石はあの烈破室長の教え子さんだ。」

彼は渡されたレールガンを受け取る。パッとみて通常の電磁レールガンに見えるが所々組み込めるような凸凹部分が増えている。

櫛宮「レーザーアダプターと同じようにレールガンに色々とアタッチメントをセットして多種多様な重火器になるようにしたわ。後は使う連中の銃の腕前に決まるわね。」

黒野は多種多様に増えたアタッチメントパーツを見て軽く皮肉な笑みを浮かべて一言感想を言う。

黒野「……違いない。」

櫛宮「にしても其処らの大国の軍隊よりも凄い装備なってきたわね……武器商人でもないのに……」

黒野「……平和を守る為には力がいるんだよ。まっ、自分達が作った武器や兵器で滅ぼされるのは勘弁だけどよ。」

この軍事区画は、現在三人の科学者がいるが実質櫛宮博士と桑枝博士の二人のみで調査研究開発をしている。

癖は強い物のその手腕は一の谷博士も御手洗博士も認めている。現に博士達が作った装備で命が助かっているし

しもべ「女王様。」

櫛宮「あら、しもべ。直ぐに戻ります。」

櫛宮は黒野から目を離してトゲ付き鞭を話し掛けたしもべと言う技術者に向かって何故か叩きのめす。

しもべ「ぎゃ、ありがとうございます!ありがとうございます!ありがとうございます!」叩かれた技術者も何故かお礼の言葉を言う。

黒野「何で今叩いたの?」

櫛宮「気にしないで下さいませ。この研究室で良くある事です。では私は戻ります。」

黒野「あっうん。頑張ってね。」

黒野(……やっぱりボーダーの開発室にエンジニアとしてスカウトさせた方が良かったかな?)

他の区画にも似た性格の科学者がいるとは言え雇用したのをかなり後悔してきた。

黒野は苦笑いして大型研究室を後にする。

黒野(取り敢えずこれであのタコ頭宇宙人達が三門市に来ても応戦できる準備は出来た。)

円盤で目撃した連中達と再び戦いなる事を想定して準備を進める黒野。それにブラックトリガーを使ってでも俺を圧倒したあの銀の異形のロボット戦士の事もある。油断はできない。

黒野(…いや……今はプレイターの事に集中しよう。)

何処にいるかもわからない敵に警戒しても仕方ないと頭を切り替え黒野は来るべき戦いに備えて歩を進める。人の身体で無くなっても彼には譲れない物も守りたい物があるから……

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朝……それぞれの自宅の目覚まし時計が音を鳴らして、

起床する二人。

「…顔洗おう……」

住んでいる場所は違うも二人は今日の予定の為に色々と身支度をする為に動く。まずは洗面台に直行だ…………

志岐「むっ、寝癖が……急いで整えないと……」

鏡で自分の寝起き姿を見て驚きながらヘアドライヤーと水が入った霧吹きを持つ志岐。

「……今さら緊張してきた。まさか僕が……」

鏡に写る自分の顔を一度見てこれから女性と一緒に出掛けると言う事実に緊張を覚え始める剣持。

取り敢えず顔を水で洗い気持ちを引き締めさせる。

「落ち着け……とにかく相手の恥ずかしい思いを掛けないように立ち回るんだ。志岐さんが笑顔で喜ばせるように頑張ろう……」

「………………」

剣持は顔を引き締めたまま暫し洗面台の鏡を見て軽く自分の半生を振り返る

(……人生とは本当に良くわからない物だ………嫌本当に……)

「飯食べよう。」

互いに自分のキッチンの近く冷蔵庫を開きある物を一度じっくりと見て……

志岐「何作ろう……」沢山ある物から吟味しする志岐に

「……うっ……やっぱり昨日の内にコンビニで買い物すりゃ良かった……」素直に食材の買い出しを忘れて渋い顔をする剣持。

只……何から何まで同じと言う訳ではない。

「まぁ、取り敢えずある物で朝飯作るか………」

冷蔵庫の中にある食材を選び両者はキッチンへ。

志岐は卵、牛乳、砂糖をボールに入れて泡たて器でかき混ぜ食パンを使ったフレンチトーストを作る。前に剣持君分身が目の前で作ってくれたのを思い出しながら彼女は作る。

志岐「ハムとかソーセージも焼こうか……」

フレンチトーストだけだと味気ないと思い志岐はおかずを作る。

一方、剣持は昨日炊いたご飯を炊飯器から出して用意した鮭フレークを合わせて鮭おにぎりを作り……

「…卵焼きでも焼くか……」

冷蔵庫から卵とアスパラガスを取り出してアスパラガスを包丁で細かく切り卵を割り軽く塩と砂糖を入れて箸で混ぜて卵焼き用フライパンに油を引きコンロに火を点けて少しずつ溶いた卵を入れて静かに焼く。

 

志岐「私の朝にしてはボリュームがあるな。」

フライパンにほど良く焼けたフレンチトーストを勢い良く宙に裏返し…隣の別のフライパンに塩胡椒と焼き肉のたれを掛けた焼けたソーセージや焼けたハムの焼け具合を確認して

志岐「…よし。」

 

「これで良いな……」

剣持も卵焼きの調理を無事に終える。

 

志岐 フレンチトースト ソーセージとハム

剣持 鮭おにぎりにアスパラガス入り卵焼き

 

「「頂きます。」」

志岐はテレビの電源を点け今日の天気や話題を見る

剣持はラジオを点けて情報収集をする。

「味噌汁でも作りゃあ良かった……」

伊右衛門のお茶を飲みながら剣持はぼやく。

志岐「コーンスープかポテトサラダが欲しいねぇ。」

こっちもこっちで色々とぼやく志岐。

双方は朝の食事を楽しむ……

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剣持らが三門市で朝の食事をして出掛ける準備を進める中……人口過密の首都東京には今日も各地からはぞくぞくと人が集まっていた。

「「…………」」

生き餌の多さに姿無きプレイター達は、じっくりと獲物を喰らうタイミングを待つ。

 

色々な服装をして歩く大勢の人達の中に白い鳥の翼を模した格好をする人達がそれなりにいた。

サイクリード「……」

メキシカンの格好をしたベムの知り合いはスクランブル交差点を歩きながら周りの白い天使を模した格好に言い様のない嫌な予感を覚える。

サイクリードは高い赤い電波塔に白い視線を向けて、自分の用事をすます為に動く。

路地裏にその身を入り込むと……その己の姿を自身の左の手甲型デバイスを操作して光学迷彩を起動。肉眼から姿を完全に消す。

 

同じ頃……三門市の市外の森にて……

春日「……さて、俺達も動きますか?」

太刀風「…うむ。」

成川「……少し待て……ブラックワン達の動きを捉えたい。」

成川は昨日二人と別れ単独で"東京・銀座の地図屋「ガリレー」"にて日本地図と各地方の地図を購入。

二人の前で日本地図を広げて成川は静かに片手を地図の中心にかざして

春日「ブラックワン達の場所は分かりますか?」

太刀風「…静かにしろ。」

集中しているジョージ話し掛けた炎太郎を諌める皇虎。

「「……」」

二人は静かに成川の様子を見る。成川は両の瞼を閉じて全神経を集中させる。そして……徐々に相手の目的地を捉える。

成川「東京……」

無言で各地方の地図の中から東京の地図を選び相手の目的地を完全に予測する……成川ジョージ…プリズムファイターの超能力の一つだ。

成川「……捉えた……此処に必ず奴らは来る……」

サングラス越しに東京のある場所を三人は見る。

成川は地図をしまい黒く中には釣具用のリュックを右肩にかける。

春日「さて……」

その一言と共に三人の姿は一瞬で消える。

 

ボーダーの広報を担当する嵐山隊……そしてイベントに参加する那須隊の人達も朝の準備に動く。

 

そして……円盤の中で戦闘準備をするアインヘリアル5勇士達も……だが、

ザジ「ゴメルの野郎は何処にいった!?」

白いフード付きローブで全身を覆い隠すゴメルの姿が見当たらない……ザジはその彼の安否を心配するのではなく、決まった集合時間に姿を見せない事に腹たつのだ。

理由は色々あるが傭兵だからこそ仕事はしっかりとやる

それが集団や団体行動で誰かが和を乱すと傭兵団全員の初動に影響が生まれ危険に晒される場合があるのだ。

ケスノーチ「何処に言ったんだろうな……ゴメル……」

仲間の姿を見せない事に心配する巨漢猿顔のゴーロン星人は辺りを探す。

ケスノーチ「お~い。ゴメルや~~」

仲間の名前を声を大にして探すケスノーチ。

ガバン「……………」

ジェリコ「……」

残りの二人は静かに待っていた。そして傭兵団のトップのメルニアも面倒くさそうに自分の部屋からテレパシー

モンスターコントロール装置を頭に被り

メルニア「……さて、始めるか。」

 

 

 

ゴメル「~~♪~♪~~♪」

そしてそのゴメル本人は東京郊外からゾークロンが保有する緑色の円盤ハリケーンボールを超能力念力で遠隔操縦していた。

 

ハリケーンボール

開発場所 不明 兵器レベル1

偵察用に作られた一人乗りの戦闘円盤。武装は機銃と爆弾のみである。時速680キロの速さで飛行する。

 

さて自身の故郷の円盤より劣る性能の戦闘円盤をわざわざ用意したのは、勿論これで戦うとか東京を爆撃すると言うつまらない事をする為ではない。

 

ゴメル「……さて、指定の時間に起動するようにセット完了……クカカカカ……」

円盤を光学迷彩で風景と各種レーダーをカモフラージュさせてゴメルはアインヘリアル5勇士がいる場所に戻る

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食事を終え食器を洗い洗面所で歯を磨き

昨日購入した青いTシャツに黄色に近いオレンジ色のマックレガーのジャケットに袖を通してカーキ色のジーパンを履いて鏡で何処かおかしい所はないか確認する剣持。

「よし。後持ってくハンカチは……あっ、ハンカチ……パリの時染井さんに渡したままだったのすっかり忘れた……」

あの日泣いてしまった染井さんに涙を拭く為に取り出したのは白いカミツレの刺繍が編んである黒い布のハンカチは剣持夢想の大切な家族がくれたハンカチなのだ

「今度それとなく返して貰えば良いか。」

今は優先するのは志岐さんとのお出かけだ。

別のハンカチを選びポケットティッシュをズボンのポケットに入れる。懐中電灯と工事用ヘルメットとスタンガンをじぃーと見て

「……流石に用心し過ぎか…………否、訓練隊員は訓練トリガーを有事に使用も許されないんだ。防犯は万全にしないと……」

(2日前も昨日も怪獣の気配はした……でも今日は……今日くらいは大人しくしてくれよ……)そう願うも現実はそうはいかない……

【今日も地球の何処かで怪獣が鳴く…】

「……確実に、昆虫怪獣達の気配が東京に集まっていく……」

想像するより面倒な戦いが待っている気がする……そう俺の中にある2万年間戦い続けた傭兵の勘が告げている。

「念の為に他に色々と準備するか……」

流石にスタンガンら部屋に置いていくにして夜帰る可能性も考えて懐中電灯とヘルメットはリュックに入れ

自分の部屋にある物を見てリュックに入れる剣持。

「PS2絶対絶命都市の影響で買ったバールと……エルヴィル星人の部屋にあった……」

アラシや太刀川さん達と一緒に円盤に拐われて国近さんを逃がした後にヴァルジオンの奴から逃げた先で見つけ入手した物をリュックに折り畳み紐でしっかりと縛りつけて入れる。

「…行くか……」

ウダウダしても仕方がない……荷物を入れたリュックを背中に背負い立ち上がる

鏡に向かって軽く微笑み。部屋を出る

「…………」

家族の仏壇に線香を用意して遺影に剣持は無言で手を合わせる。

そして剣持は一人家を出る……出る前にふと思う……

(父さんや兄さん。母さんがいたら、なんて言うだろう……)

全てはあり得ない事でもそう考えてしまったのは悪い事なのだろうか……かつてはこの家に居て過ごした人達の事を考えるも、頭を切り替える剣持。玄関近くの一つの家族の集合写真に向かって一言

「…行ってきます……」

剣持は一人玄関の扉の向こうに足を進める……

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待ち合わせた場所に一足早く向かう剣持……

今日の三門市の天気はとても清々しい程の晴れていた

待ち合わせに決めた場所は、志岐さんの自宅である。それは彼女が年上の男性が苦手の為である。公園に広場や駅前と言った場所も悪くもないが、彼女の今後の事を考えると出来る限り外出して苦手を克服して欲しいが………俺も香取さんの事もあるから、分かるんだよな…

 

土曜日……色々な人達が今日の予定を実行しようと外出して道かしこに歩いたり、自家用車で移動したりする様子を歩道から眺める。それから彼女の家を目指し公園辺りまで歩き

「……」

陽太郎「おや?こうはいではないか?」

声が聞こえて来て視線を向けると一匹のカピバラに乗った子供と遭遇する。

「あっ、陽太郎先輩。先輩は朝の散歩ですか?」

陽太郎「まぁな。そっちはまたもりでトレーニングか?」

「残念だけど、今日は友達と映画を観に行くんだ。」

陽太郎「デートか?」

「う~~ん。難しい質問だな……」

木崎「陽太郎。あんまり離れるなよ。」

すると今度は少し離れた所から別の声が聞こえてくる。

「……本当に先輩は朝の散歩ですか?」

陽太郎「ふっ、レイジといっしょにランニングだよ。」

どや顔をする子供に優しくツッコミを入れる剣持。

「走っていないじゃないですか?」

陽太郎「オレにはまだほどうはあぶないからこうえんでレイジといっしょにはしりこむのさ。」

「そうですか?では…」

陽太郎「なにかあったらオレにそうだんしろよ。こうはい。」

子供に相談なんて……いいや、今の俺達には、簡単に……誰かに秘密を打ち明ける事すら……でも、でも…

剣持は目の前の陽太郎の目線に合わせる為に膝を下げる

「……はい。何か会ったら必ず先輩に相談します。」

陽太郎「…………」

「先輩?」

【………………………………………………】

陽太郎は無言で剣持を暫くじっと見て……何か此方の秘密を見透かされているかと錯覚を覚える剣持

陽太郎「ではオレはレイジのもとにむかう。いくぞ雷神丸。ハイヨー。」

陽太郎は乗っているカピバラに声を掛けて剣持から離れる。カピバラも剣持に会釈して

「えっ?」

(……子供って何考えているか良くわからない……)

陽太郎の後ろ姿を見て場違いな事考えようとすると……

「……俺も志岐さんの所に行かないと……」

剣持も本来の目的を果たす為に急ぎ動く。

志岐の自宅に向かう中、剣持は志岐のスマホに電話する。

「もしもし。」

志岐《剣持君?》

やはり通話先で色々と準備している最中だ。電話したのをは不味かったな。

音もなく道行く人達の視線に気付く事なく夢想の背後に着地する黒いローブを身に纏った男。

「後少しで……ゆっくりと到着するから……」

志岐《わかった。》

そう志岐さんから返事を貰い剣持は電話を切る。

夢想は静かに青空を見上げて、身体の中に感じる震えと悪寒を無理やり抑える。それに妙な頭痛も……そして背後にいる男がいるであろうと振り返る剣持。

しかし気配は一瞬だけで後ろには誰もいなかった。

黒いローブ(人間なんて野蛮で価値の無い存在を何故守る……哀れな奴だ。)

「!?」

夢想は鋭い刃のような目付きで、感じた気配探すも結局見つけられず剣持は静かに警戒を解く。

(奴は……)

(わからん。少なくとも俺達の味方じゃないな。明確な敵対する者だ。)

夢想はベムと会話をしながら熱が急に冷める感覚を覚える。

(志岐さんの所に行こう……彼女が心配だ。)

凄く嫌な危機感を覚えた剣持は急ぎ志岐の元へ向かう。

 

【ピンポーン。】

志岐の自宅前に到着してインターホンを鳴らす剣持。

彼女は色々と用心深くドアチェーンを基本的に掛ける。そして最初に防犯用のドアスコープからドアの向こう側に何がいるか確かめる。まだ15、6の女の子の一人暮らしだからこれでも足りないくらいだけど、それと彼女の自宅の直ぐ横に植木鉢が置いてあるが、この植木鉢には防犯カメラを土の中に絶妙にカモフラージュして隠してある……そして自宅の中の彼女のPCにあるカメラで記録映像が残る仕組みだ。怪しい人物が自宅前にいる時の証拠にもなる。

少し待つと足音が聞こえてきてドアのロックが解除されてドアが開く。

「おはよう。志岐さ……」

何時も通りの挨拶をしようしたら、剣持は己の両の目を大きく見開く事になる……

志岐「おはよう。剣持君……今日はよろしくね。」

ピンクのリボンを胸元にあるワンピースに可愛い赤いレディースカーディガン。黄色いカチューシャを頭に付けた志岐 小夜子は林檎並みに照れた顔で挨拶する。

(何この可愛い生き物……)

普段は地味目な服やジャージ姿がほとんどの彼女の可愛い姿に剣持夢想は心の中で得も知れぬ緊張感を覚えた。

(えっ?今日この可愛い生き物と東京で出掛けるの?僕が?)

志岐「////あの……どう?私のこの服装……似合うかな?////」

(凄く似合っています!?可愛い。)

「うん!?凄く似合っているよ!?」

志岐「本当?あっ、待ち合わせの定番の掛け合いが出来てない……」一瞬喜びの表情を見せるも、ふと妙な事を思い出す志岐。

「えーと。それって大事な事?」

待ち合わせの定番の掛け合い。

 

志岐の理想の掛け合い。

志岐『遅れてごめん。』

『ううん。俺も今来た所だから問題ないよ。』

 

剣持の想像。

『くそっ援護はまだかよ!?』

炎が所々に燃え上がり絨毯爆撃が激しく飛び交う戦場にて敵対する包囲網の中で孤軍奮闘する剣持。

志岐『待たせたな!?』

空中からの支援砲撃と共に戦場に参戦する志岐に。

『待ちくたびれたぞ!?』

志岐『私が来てくれて滅茶苦茶嬉しい癖に!?』

互いに背中合わせになり軽口を叩きあい。

志岐『本隊の皆がこっちに合流する手筈になってるみたいだから私達も合流しよう。』

『良い感じだな!?よし。』

二人で攻撃をやり過ごして一気に動き出す。

『包囲網を突破するぞ。ついてこい!?小夜子!?』

志岐『ぶち抜いてやるよ!?』

待ち合わせの想像を何故かSF戦記物みたいなやり取りを想像する剣持。

 

志岐「う~~ん。何処かの公園やら駅前広場やらで待ち合わせしてある訳でもないし……今回は無しって事で。」

「成る程…」

何やら想像図が全然違うも、特に言う事でもないからこのままスルーする二人。

「////行こうか。志岐さん。////」

「////うん。////」

二人は待ちに待った東京に向かう。

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剣持が志岐と一緒に三門市を出る一方……

 

 

昆虫怪獣対策本部は昆虫怪獣の巣を発見した後、中和剤を散布による掃討作戦を展開する事を決定。パリ本部からの許可を貰い

昨日佐原さんをなし崩しに保護した『お化け屋敷』は、佐原が知っているであろう昆虫怪獣の巣のポイントに『お化け屋敷』の戦闘機並びに大型空中戦艦ヒョーコリ・ドン・ガバそして自衛隊の戦闘機が佐原が教えて貰ったポイントに急行していた。

空中戦艦の艦橋内部には既にエドランド隊長達が沖元 十次郎艦長と共に掃討作戦の概要を説明していた。

 

『お化け屋敷』の作戦司令室のモニターからチャールズ隊員がカマキリの簡単な説明をする。

チャールズ《カマキリは基本獲物を積極的に襲いに掛かるのはせず待ちの姿勢をする。飛ぶ個体もカマキリは雄のみで、雌の個体は飛ばない。》

ベック「彼の説明を捕捉すると雄の個体に比べて雌の個体は全長も体重も基本雄より大きい為、体重が軽い雄と違い飛行は難しく雌は主に威嚇に翅を使っているんです。」

エドランド「自動追跡装置に問題は無いか?」

エドランド隊長はベックと共に光のレトロウィルスの自動追跡装置から昆虫怪獣達を追跡しようとするが、

リリアン「駄目です。例の透明能力でレーダーやこの追跡装置を掻い潜っている模様です。あの虫達結構賢いみたいですね。」

沖元「うむ。レーダーや追跡装置が駄目なら先に巣があるであろうポイントに向かったサンダース隊員達や空自の彼らの連絡を待とう。」

大型戦艦で空を飛ぶのは凄い事だが残念ながらSFアニメようなワープや凄いスピードは出せない為に戦艦の平均的な速度で目的のポイントに向かう一同。しかしデメリットばかりではない、この戦艦から大型兵器の格納庫が内蔵している為、もしもの時にはロボー47が待機して何時でも出撃出来るようにしてある。

実際この戦艦には武装はほとんど無いのだからいざとなったら空自や『お化け屋敷』の戦闘機に守って貰う必要があるのだ。

 

無数の空自の戦闘機と青いアタックシューターが朝の青空に白い飛行機雲を作り目的地の巣のポイントを先行する。

ジュリー「あっ、あれは!?」

アタックシューターを操縦していたジュリーは何か発見した。

サンダース「どうした?ジュリー。」

ジュリー「大変よ!?サンダース。これを見て!?」

ジュリーはサンダースに機体に付いたカメラ映像を見せて……それを見てサンダースは驚く。

サンダース「まじかよ!?」

ジュリー「急いで皆に伝えないと……」

 

【ピロロー♪ピロロー♪】

すると同行したダイアナ隊員の万能ヘルメット内蔵通信機器から連絡が来る。

ダイアナ「はい。こちら神崎っ…ダイアナです。」

ジュリー《こちらジュリーよ。ダイアナ。皆に伝えて!大変よ!?昆虫怪獣達が巣を変えたのよ!?》

アタックシューターを操縦するジュリー隊員からの連絡だ。そしてその内容にダイアナは勿論近くにいたベック達も驚く。

ベック「どういう事!」

ジュリー《佐原さんが教えてくれたポイントには巣の形跡があったし、ハンサムやキムの報告書に書いてあった農場主の車種トラックの残骸も発見したわ。確かにこのポイントに巣はあったのは確かだよ。》

万能ヘルメットに備え付けられた小型カメラから映像が映る。

巣だった場所から巨大な足跡が市街地の方に点々と続いた様子が……

ベック「雌の個体も移動したの!」

雄の個体は生き餌を巣に運ぶ等でフットワークがあるが、基本待ちの姿勢をする狩りをする2匹の個体が移動したのだ。

その連絡をしようと基地の司令室にいるチャールズに通信しようとすると、

【ピロロー♪ピロロー♪】

ベック「こちらベック。」

ホシノ《こちらホシノ。昆虫怪獣の巣を見つかったか?》

ベック「巣は発見したわ。だけど……」

掃討作戦の第一段階まずは昆虫怪獣達の巣を見つけてから包囲網を作らないといけない中で怪獣達が巣から移動した事ベックは基地のホシノ達に報告する。

ホシノ《……そうか。昨日ロイドチーフやジャック達が目撃した個体が雄なら、雌は雄より巨大な筈だ……怪獣達の足跡から怪獣達の現在位置と目的地を先回りする必要がある。》

沖元「普通のカマキリが巣を作るなら枝やら木の幹と言った場所だろうが怪獣サイズなら巣にする場所は限られる筈だ。怪獣が巣にする高さの建物を重点的ピックアップしてくれ。」

ホシノ《分かりました。》

状況を聞いて急ぎ行動するホシノ。

ダイアナ「ベックチーフ。怪獣達が巣に戻るのを待ちますか?」ダイアナがベックチーフ達に提案をする

ベック「それも一つの手段だけど………身重の雌の個体が巣にいない状況から見て、怪獣達はこの巣を捨てた可能性は高いのよ。」

 

エドランド「基地からの怪獣が巣を作る高い建物情報の絞り込みまで待とう。」

一旦、大型戦艦を付近の自衛隊の演習場に駐屯する。

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その時間、晴れ晴れした東京全体の青空に雨が降って来た……通り雨かにわか雨かさておき……天気予報で晴れを指すマークがある中で予報を見た人見てない人も突然の雨に驚くも、外を移動していた折り畳み傘を持つ人持たない人問わずほとんどが軽く雨に濡れてしまう始末……雨に濡れていない人は、室内にいたか車内にいた か橋の下にいた人達くらいの物……

 

そして……

「通り雨でも降ったのか?」

志岐「本当だ。少しアスファルトが濡れている……」

剣持と志岐の二人は三門市から電車移動をしていたから、雨に濡れずに東京に到着した……

志岐「でも天気予報ではやっぱり晴れだよ。」

「やっぱり通り雨かにわか雨か……お出掛けに支障がなくて良かった。」無表情ながら安堵の声を出す。

志岐「一応雨具は持ってきた来たよ。まぁ、お出掛けに支障がある程の大雨だと私も困るけど……」

「行こうか?」

志岐「……うん。」

二人は映画チケットを持ち目的地映画館へ向かう。

「所でこの映画ってどういうジャンル?」

志岐「えへへ。剣持君が感動間違いない映画だよ。」

二人は歩きながらこれから見る映画の話しをする。

 

 

そんな楽しそうな二人の後ろ姿を私は眼鏡越しに軽く見ていた。

 

この所私達も色々とあり……久しぶりに四人で仲良く東京タワーで開催するボーダーのイベント会場に一般客として見にお出掛けをした。大きな都会……日本の首都…三門市に比べられない程の人の数と種類に毎回内心驚く私……

瓶底グルグル眼鏡を掛けて黒いオサゲのカツラを装備した染井 華に香取が声を掛ける

染井「……」

香取「華?東京タワー行きのバスがわかったわよ。」

染井「えぇ。今行くわ。」

お出掛けの服装を着た香取を含めた香取隊がいる所に染井は集まる。

若村「にしても、華さん。そんな格好しなくても、」

染井「今回はこの格好で問題無いの。」

香取「いやそんな眼鏡とカツラ何処で買ったの?」少し戸惑いを覚えながら香取は染井に訪ねる。

染井「三門市のショッピングモールで友達と一緒に買い物で」

剣持のように間髪入れずに答え華。

香取「……?」

妙に自分の親友の変化に疑問を持つ葉子。パッと見ると何時も通りに見えるのだが、何か……何かが葉子の中で警告を覚えるのだ。

染井「葉子?」

香取「あ、うん。取り敢えず目的地のバス停に行こうか。」

香取は香取隊の方に視線を向けたまま前を歩こうと誰かにぶつかる。

香取「あっ、すいません…」

???「いえ、此方こそ……こうも人が多いと些か通るも一苦労ですね。」

香取は視線を前に向けて直ぐに謝ろうとしたが……目の前の細部に金が編み込まれた紫黒色の紳士服を華麗に着こなす黒髪に赤い両目の青年の姿に目を見開く。

香取(凄っ!めっさイケメンだぁ!?駄目よ葉子っ!?私には烏丸先輩がっ!?)

顔を真っ赤にする葉子に対して黒髪の青年の背後に並ぶ要人護衛をする黒服スーツの男達は、香取に明らかに尋常じゃない敵意と殺意を見せようとしたが、

???「…よせ。周りに迷惑を掛けるな……」

黒髪赤目の青年が後ろの黒服達のを窘める

??「しかし!この小娘はっ!?」

黒服達の中で仮面で顔を隠した黒服は香取に怒りの声を向ける。

???「………私はよせと言った…私の怒りをそんなに買いたいのか……」

香取達には見えない角度から赤い両の目で仮面を被る黒服達を見る。

??「!?」

青年の視線に黒服スーツ達の全身が震え上がる。

染井「葉子。」

香取「あっ、ぶつかってすいませんでした。」

私は親友の一言ではっとなり直ぐに謝罪をする

???「いえ此方こそ…うちの者がすいません。私達はもう行きます。」

青年が香取達に謝りの言葉を言い香取達とすれ違う。すれ違う黒服スーツ達の中で唯一黒いフード付きの黒服スーツの男の右肩にはゴールデンライオンタマリンと呼ばれる珍しい種類の猿を乗せてあり。フードで顔が隠れて

素顔は伺えず観察するように香取隊を見ている……

黒いフード付き黒服スーツ「……」

フードを被って素顔はわかんないが、その視線は嫌に気持ちの悪い感じがして咄嗟に若村の後ろに隠れる染井…

若村「えっ?」

染井「……」

染井(………私達を………観察している?何で?)

最近剣持君と関わり人の視線に敏感になった染井は黒服達の中でフードの男を特に警戒する。

黒いフード付き黒服スーツ「……………………」

???「何をしている。行くぞ。」

仲間の一人の声に黒いフードの男は、そそくさに移動する様子が染井や三浦達の記憶にやけに残った……

香取「東京やっぱ凄っ!?」

香取本人は顔面偏差値の高い青年に目をキラキラさせていた。

三浦「ヨーコちゃん……」

染井「……もう……葉子ったら……」親友の言葉と様子に呆れてしまう華。警戒を取り敢えず解く。

染井(でも……怪しい人達だったな……)

都会には色々な人間が集まる物だが……あれは見た目や雰囲気ではなく本質的に私達とは別の存在と感じたのだ……まるで剣持君のような……

染井「っ!?」

染井はさっきの人達がいる方向に視線を急いで向ける。

香取「どうしたの?華。そんなに血相変えて」

辺りを急いで見回すも人混みに紛れて黒服の連中の姿は完全に見失った………

染井(まさかさっきの人達が依然剣持君が言っていた……)

染井達はこれから東京で起きるであろう激闘を目撃する

事となる。

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東京

甲斐馬「…………留守か…」

東京のとある私立探偵事務所の前に到着するが、事務所の内部には会いたいでろう私立探偵の姿はなく仕事に出掛けている最中らしい……何故事務所の前にいて探偵がいないか分かるかは……自身の超能力の一つ透視能力の応用だ。…………言っておくが、女性とかにはこの能力は使っていないぞ。何かそんな事に使ったら人としてものすごく恥だからな。

孔明「隼人さ~ん。」

甲斐馬「……今行くよ。すまないな。わざわざ道を教えてくれたのに……」

隼人は隣に立つ首都東京を活動拠点にするヒーローの一人に礼の言葉を口にする。

首都ロンジャー「気にしないでくれ。ガイラットと戦う同じへリオンに所属する仲間だろう……」

両肩に巨大な都庁マシンガンを装備した青いコスチュームに青いマスクで顔の上部を隠した青年ヒーローは言う。

甲斐馬「ありがとう。」

首都ロンジャー「では私はこれで……肩に乗せたる首都の愛は、都庁を纏った正義の証!!トォゥ!!」

決め台詞と共に彼は去りその後ろ姿を見た隼人は一言。

甲斐馬「……滅茶苦茶アクションし辛そうなヒーローだな。基本は中距離から遠距離を専門で前衛が必要……っといかんいかん。」

事務所を借りたオフィスの階段を降りて鉄鬼と孔明の二人と合流する隼人。東京の都会を歩きながら思考する

昨日孤児の子供達を連れて東京観光を名目に調査をしていた中、噂の天使を信仰する連中を目撃したが、

甲斐馬(天使の噂はガイラットの仕業ではなかった……だが放って良い問題なのか?)

東京にいるヘリオンの協力者達と情報収集していてわかった事は、火のない所に煙は立たぬようにどんな噂にも出所がある……"預言者"と呼ばれる奴が東京各地に布教の真似事をして瞬く間に短期間に広まったらしい……

甲斐馬「…預言者ね……怪しいな。」

ヘリオンの構成員や協力者達の報告によると預言者を名乗るのは二人組の黒服を着た怪しい男体らしい。ソイツらガイラットの改造超能力者の可能性もある物も、尾行しても撒かれている始末のようだ。

甲斐馬(ガイラットの作戦概要等を知る為に尾行が得意なヘリオンの構成員達が見失うとは……)

勿論、彼らは尾行が得意であってもプロではない。敵に気付かれて撒かれてしまうのは良くある事だ。

 

道行く中で白い服に背中に小さな天使の羽を着けた東京の人達を三人は見る。彼ら彼女らは空が良く見える場所から空を眺めて何かを待っているようだ……

鉄鬼「……天使って本当に存在するのかな?」

子供なりの純粋な疑問だ……

甲斐馬「……天使の定義さえ守っていれば、ソイツは天使なんだろう?」

孔明「ですが、余りにも非科学的ですよ。天使だなんて……」

孔明は否定しているようだ。

甲斐馬「……俺も本物を見た事がないからな。存在しない物を存在していていると考えられるのは、虚構や妄想や空想でしかにすがれるしかない連中だ。」

鉄鬼「?どういう事?」

甲斐馬「人間だって良い奴と悪い奴がいる……元は良い奴も切欠一つで悪人になるし、どんなに頑張っても救う事はできない根っからの悪人も存在する……天使が本当に清らかで美しい人間なんて大昔の連中が決めた事で、ソイツらも自分達の都合の良い物を存在しない物に押し付けた……それが俺の考えだ……」

甲斐馬(……本当に天使が存在するなら……俺の本当の故郷にいる何の罪のない人達がガイラットに酷い目にあわされる理由はない……我々は……生きているんだ。)

隼人は前を歩く鉄鬼と孔明の二人を見る……この子達だってサイボーグではない生身の身体が本当は恋しい筈なのに……俺達を気遣い…何時通りに接してくれている。

 

甲斐馬は二人が立ち止まって何かを見ている事になんとなく近づく。

甲斐馬「どうした?二人して何見ているんだ?」

鉄鬼「今日東京タワーでボーダーのイベントがあるんだ。」

孔明「嵐山隊の人達も来るんですって。」

甲斐馬「…………そこに行って見るか。」

鉄鬼「えっ?でも?」

孔明「良いの?」

隼人は二人の頭を軽くわしゃわしゃして……

甲斐馬「せっかく東京まで来たんだ。昨日は孤児の奴らが迷子にならないように見張ってくれたし。今日は東京タワーくらい連れてってやるよ。」

鉄鬼「本当!?」

孔明「そんな……良いんですか?」

甲斐馬「行きたくないのか?」

鉄鬼、孔明「「行きたいです!!」」

元気のある返事を聞き笑顔を見せ三人は東京タワーの方に向かう。

東京を往来する都民らが歩く真下にあるマンホールの地下下水道……………無数の身体のサイズがバラバラなプレイター達が不気味に蠢いていた。彼らは脱皮前の個体達故に徒歩で移動する。沢山の餌を求めて……新しい巣を求めて……

プレイター群体「「「「「キィィッキィィッ」」」」」

 

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天使の信者「天使が我々を導いてくれる……天使は我々に永遠の楽園を与えてくれる。天使を信じよ。」

 

志岐「何あれ?」

志岐さんと目的地の映画館に向かう途中所々に見掛けるのは、白い作り物の羽を背中に付けた妙な人達を見掛ける。その人達は宗教の宣伝か選挙戦の候補者達のように道行く人達に熱く語る。

天使の信者「頻繁する怪獣も宇宙人達の被害も……そして死んだあなた方が愛した人すらも天使の御力でこの世に甦る……さぁ天使を信じましょう。」

 

男の口から出るのは全て耳の良い言葉だ……そして聞いていて……苛立ちの気持ちとやるせなさの気持ちが大きくなる。

「っ!?」

志岐「こんな世の中だとおかしな人が現れるね……まっ、何時だって変な人達は世界に現れるけど……」

達観…否この場合は、至って普通の感性で志岐は流し見て直ぐに別の方向に視線を向け歩く。

「ああいうの生んだ原因の一つには僕の活動も含まれてるかも知れない。」

頻繁する怪獣や宇宙人達の被害……勿論、ゾークロン細菌怪獣はベムのせいもあるけど、だが被害ゼロに出来ないのは僕の純粋な力不足もあるだろう……そしてそのせいで誰かが巻き沿いをくらい…死ぬ……

「っ持君。剣持君。」

「あっ、どうしたんだ志岐さん?何か面白い物でも……」

集中し過ぎて志岐さんの声掛けに反応が遅れて剣持は慌てて彼女の方に視線を向ける。

志岐「……何もかも自分のせいだと思っちゃ駄目だよ。

少なくとも君が全く関係ない事に君が責任を感じるのは間違っている。」

「っ!?」

志岐「今日はそういうのを忘れてとにかく楽しもう!?私達の青春を謳歌しよう~~♪」

彼女らしくない振る舞いで僕を励まして彼女は僕の手を掴み彼女なりの満面な笑顔を向ける。

「うん。」

僕は照れ臭い顔で返事をした。

【星の海から来た友人…】

暫く二人で東京の街並みを見つつ歩き遂に目的地の映画館に無事に到着。志岐さんとこれから見る映画のパンフレットを先に購入するは定番。受付の人が女性のおかげなのか。志岐さんは知り合いがくれた映画のチケットを持って並ぶ。ついでに俺はポップコーンの塩味とウーロン茶を購入する。近く待ち合いの席に座って待っているこれから見る映画のCMを見ていると……

「あれ?」

タイトルを見る限りジュブナイルか青春物のようなタイトルで……内容もそんな感じなのだろうと思ったが、

地球に留学した宇宙人の少年と地球人の少女との交流する映画みたいだ……普通の地球人とは違うけど地球の事が大好きな宇宙人と繊細で年頃な少女との心暖かい感動の内容らしい……

志岐「お待たせ~~。どうしたの?」

「うん?あっ、今回見る映画の概要が少しだけ既視感を覚えたんだ。」

そう剣持…ベムが答えると志岐さんはニヤニヤした笑みを浮かべて

志岐「そうでしょ。そうでしょ。この映画、私もあれ?何か剣持君に色々と似ているって思ったんだよ。」

「……似てませんよ。」

志岐「え?」

無表情で映画のCMを見ながら剣持……ベムは言う。

「……映画の宇宙人は、地球を勉強先の留学先に選び…ここぞと言う時にしか力を使わず、変にひねくれた事も無く素直で友好的で平和的だ……俺とは全然何もかも違う……」

地球の事が大好きな宇宙人……地球に来た理由も戦うばかりの傭兵の自分とは本当に違う……

志岐「………」

志岐は無言で無表情の……何処となく思い悩んでいるように見える剣持君を見て……映画の宣伝用のCMに映る主人公を見る……そしてまた剣持君の方に向き合い答える。

志岐「同じだよ。」

「っ!」

彼女の言葉に一瞬ビクつく剣持。

志岐「……そろそろ上映時間だよ。あっ、剣持君は塩味のポップコーンに烏龍茶なんだ?私はコレ。」

彼女はキャラメル味のポップコーンとオレンジジュースの組み合わせを俺に見せる。

「……Lサイズのハーフにすれば良かったかな?」

別々のポップコーンを購入してしまい戸惑いを覚える剣持。

志岐「二人っきりで映画を見に行った事は?」

「基本は家族集まってか独り……あっ、モテない男子の会の皆で一回アニメ【銀魂】の映画観たな。女子となんて映画見た事ないし…」

志岐「へぇ…………私が初めての…」

ニヤニヤした笑みからドヤっとした顔になる志岐。

志岐「さぁ、行こう…」

上映時間になり観る映画の列に並ぶ互いに顔を見合せる小夜子と夢想。

「そうだね。今日は楽しもう。」

気分を切り替えて二人は楽しもうと決める。

志岐(そういえば……私って映画館で映画観るの随分と久しぶりだな……)町内会の子供達で映画館に行った事を思い出す小夜子。インドア系故に……

(最後に映画館で映画を観たのは父さんがヒマラヤの調査に向かう前だな……)

俺が映画が好きなのを知って調査の準備より家族サービスを優先してくれたんだよな。大学の事で疲れているのに……普段家族で過ごせていないからって……映画観た後は近くの中華料理店でラーメンを食べながら映画の感想とか話し合ったりしてさ……

 

「……良い位置の座席だ…」

志岐「そうだね……この位置なら良く見える。」

剣持は指定された中央の座席に座りその隣に小夜子も座る。

映画が公開される少し前……俺は隣に座る志岐さんに感謝の気持ちを伝える。

「今回は本当に…ありがとう……」

志岐「っ!?」

僕の一言に彼女は一瞬ビックリするも、優しく微笑みこう一言を返す。

志岐「……どういたしまして……」

劇場の明かりがやがて消えて行き暗くなり……忘れられない思い出の映画の時間が始まる……

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『お化け屋敷』は当初の作戦区域にターゲットが不在の報告を貰い手の空いた科学者達を含め怪獣達の潜伏先を必死に探す。

イデ「この場所はどうだろう?」

ロイド「海沿いは候補から外しとけ!亀とかじゃないんだぞ。」

神山「雄は空中を飛行している代わりに雌は陸上を闊歩している筈だ。」

鹿野「う~~ん。もう少し絞り込められたらな?スポーク博士?ホシノチーフはどう?」

スポーク「鹿野博士。口より手を動かせ……動いたの昨日の深夜から早朝に掛けてだろ……」

ホシノ「候補が多すぎるな……」

怪獣が巣にするのは、農薬が大量に散布された場所の可能性が高い為に巣の候補を絞り込められるのに苦戦を強いられていた。

ジャック「番の怪獣達が向かう先は恐らく新しい巣……」

アラシ「雌が透明の姿で陸上移動で市街地か山岳に移動しているなら市街地か山岳の周辺が騒がしくなるよな。」

チャールズ「透明の大型自動車が道路を爆走しているのを同じだからね。交通事故の玉突き事故の嵐だ。そりゃ騒がしくなるよ。」

御手洗博士が関係各所から目撃情報がないか連絡しても良い報告はまだ貰ってはいない。

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???「…………」

剣持と志岐が数少ない安らぎの時間で映画を観ている間に、事態は少しずつ動き始めていた。"東京"の各地に集まる者達……その者達が放つ闘う気に当てられて東京の数々の動物や鳥達は逃げ惑う。東京中の烏や鳩が我先に東京から離れて行く。だがその事実を東京に住む人間と東京に来た人間達は感じられない。そう……ボーダー達すら……相手の正確な位置も把握出来ず彼らは向かう。

それぞれの闘い舞台へと……

 

 

東京タワーのメインデッキにはボーダーとのトークイベント会場は着々と準備されていた。

ボーダーの広報担当の嵐山隊に今回参加する那須隊の面々も今回のイベントの内容のリハーサルをしていた。

そしてそのイベントに参加する予定の一般客達はそのリハーサルの様子を遠回しに眺めていた……香取隊の面々もその中にいた。

染井「写真禁止か……」

心無しかどんよりした雰囲気になる染井に呆れてジト目をする香取。

香取(まっ、私も東京タワーは始めてだし。帰りに家族や友達のおみやげを購入すれば良いか。)

窓から見える絶景に三浦と若村の二人がキャハハハッウフフフと楽しんでいる様子をゲッとした顔で見る香取。

香取(知らない人知らない人……)

ウチの部隊は大丈夫かと一瞬、疑うもまっ、ある意味通常運転と自分を納得させる。

香取(…………東京タワーか…)

東京スカイツリーが建てられる前までは東京で一番高い建物で、スカイツリーが建設された後も東京を象徴する建物でこうして色々な人が高い所から東京の景色を見ている。友達達や家族連れは勿論、大人の引率者を連れた子供達や老人ホームのお年寄り達……そして…所々に見掛ける……

「「好きだよ……。私も……」」

香取「……」

近く聞こえたイチャイチャしたやり取りの声の方に視線を軽く向けて

寄りそっている彼氏「塔が崩れても、怪物が現れても僕が君を守るよ……」

寄りそっている彼女「嬉しい…」

香取「オエッ若いカップル……」

香取(お熱いことで……)

近くに聞こえた甘いカップルのやり取りに胸焼けを感じてゲンナリした顔をする葉子。気を取り直して三浦や若村達の方に視線を戻して軽くため息を吐き。今の現状に満足を覚える。

別にこの面子で行動する事に不満は無い。でも少し……

香取「何か……寂しいな……」

『香取さん!見て下さい。凄く高い景色ですよ!?人があんなに小さい!双眼鏡双眼鏡!』

香取("アイツ"を一緒に連れて行ったのな……あんな二人みたいに景色を眺めて子供みたくはしゃいでいてさ……恥ずかしい気持ちも合わさり私は呆れた目で見ながら色々と思う事はある物もまぁ、悪くない景色だわって答えながら……一緒に眺めを見るんだよな……)

周りの人達や景色を見て寂しい気持ちにも悲しい気持ちも無く色々と混ぜまくった感情が表に出さず軽く物思いにふける香取の様子を染井は複雑そうな顔を瓶底眼鏡越しに見る……

長い付き合いだからこそわかる。今の親友が何を考えているわかる。

染井(……葉子…)

 

香取(…………夢想。…あんた、今生きているの?もし生きているなら、何処にいるの?……それとも…………あんたが死ぬ間際、何を考えていたの?……)

行方不明……生死も不明な大切な友達の事を考えると激しい炎のような怒りがこみ上げてしまう。

あの殺したい程の憎くて憎くてたまらない宇宙人が大切な友達と"同じ姿"同じ声"同じ記憶"を持って三門市を生きて歩いている事実に………ハラワタが煮え繰り返してどうにかなってしまうようだ……ボーダーの連中の何人かは今のアイツに心を許しているようだけど……アイツは"危険な化け物"だ!?

それでも怒りに任せて衝動的アイツに直接手を降さないのは……私の冷静な部分でアイツの能力がわからない事……私の何よりも大切な……自分の命と同じくらいに大切な家族や友達や親友達をアイツから守らないと行けないからだ…………

でも頭ではそうわかっているのに心の中に……少しずつ……小さな小さな灰や塵のような物が"何か"が"積もって"いると……そう感じてしまう。それは積もっていく度に……どうしたら良いのかわからないと考えてしまう。そしてその答えをどう見つけるか……香取は答えの出ないと悩みに迷い悩んでいた……

香取(楽しい頃の……あの頃の時に巻き戻れたらなぁ…)

と頭の中で下らない事すら考えてしまう始末だ…

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サイクリード「東京に何のようだ……ブラック・ミスト。」

宇宙一の戦闘能力を有する遊撃隊作戦参謀の地位にいるサイクリードは地球のアイドルのライブを見に……ではなく、ブラックワンを含めたアインへリアル5勇士らの姿を遥か遠方よりズーム機能付き双眼鏡で確認する。

サイクリード「ブラックワン。奴の傭兵団の連中も二十数人……そして、ネクスト・シングの幹部キリキリ…

……奴ら東京で暴れるのは、困るな……」

芸能界のほとんどは東京に集中している……傭兵が戦いに参加するのは、払われる依頼金や報酬金が基本…だが

サイクリード「ブラックワン。…傭兵として挑むのは、めっちゃ分が悪いな……」

相手の方がずっと強い……だからいってこのまま見て見ぬフリしても東京が瓦礫の山と死体の山……その中には推しのアイドル達も当然いる……それはとてもじゃないがアイドル親衛隊隊長として困る。

サイクリード「結局、今は後手に回るしかないのかね。」

頼りになる連中は……まだ来てないみたいだしな……

人ごみに混じって黒服スーツに黒いサングラスをつけた侵略者(インベーダー)達の姿を見る。

サイクリード「……今は獲物が動く大人しく待つ時だな……」

ガントレット型デバイスのウェアラブルコンピューターを起動して東京の青い3Dマップを展開して無数の人間の動きは勿論、東京に住む烏や鳩に犬猫と言った動物の動きも確認可能……更に東京から距離を離して関東地方全体に拡げて更に日本その物を大きく3Dマップ展開する。

サイクリード「……ふぅむ。」

【ポチポチポチポチ】

サイクリードはデバイスの基本設定を変更し、大量の人間や動物の動きをマップから排除して代わりに日本各地に動く"巨大な昆虫怪獣達"の動きをピックアップする……

サイクリード「……」

巨大昆虫怪獣達はバラバラで移動しているが進行ルートを予測させると"ある一つ"の場所を目的地に動いているようだ。そしてその場所は……

サイクリード「……トウキョウ……」

怪獣達は明確に東京を目指して動いている。

再び東京全体に3Dマップを拡大させ……思考する。

サイクリード「何故東京に……」

暫し思考するメキシカンの格好をした宇宙人。思考に集中する余り近くの水溜まりに片足を濡らす。

サイクリード「…………」

何て事は無い只の水溜まりの水……しかし日本の天気予報は勿論、サイクリードのデバイスに内蔵された天気の予報でも曇り無しの晴れと出ていたのに通り雨……

サイクリード(!?)

急ぎ水溜まりの成分データの調べるサイクリード。

そして直ぐに成分データの結果を見て気付かされる。

……只の雨ではないと……

更にデバイスの設定を変更して試しに東京から関東の地下下水道を確かめると…

サイクリード「っ!?獲物を待つだけではダメか!」

サイクリードは近くのマンホールの蓋を無理やり開き、

一人急いで地下下水道に向かう。

マンホールの蓋を閉めずに向かった為に、再び降る"通り雨"は下水道の中に流れてしまう。

 

東京の一部には住所不定の浮浪者達……ホームレス達が存在する。

彼らはネットカフェや路上の横に公園や河川敷の橋の下などに段ボールで作った簡素な家で雨風を凌ぐ……しかしそういう場所によっては浮浪者達だけでも縄張りやコミュニティが存在して、問題やら色々とあった人間は、ホームレス達によって追い出される。

 

 

日の光が余り届かない下水道に三人の浮浪者達がいた。

彼らは雨風を凌げるこの下水道内部に寝泊まりしていた。

浮浪者「さてそろそろ空き缶拾いでもしようかのう。」

ボロボロに汚れた服を着て何日も風呂に入っていない男は日課の空き缶拾い……もしくはアルミニウムや壊れたゲーム機やカメラと言った物を集めて換金しているのだ。

浮浪者3「その前にコンビニの飯食べようぜ。昨日1日中古本雑誌やら段ボールやら集めて疲れてるんだから」

浮浪者1「すまんな。若いの。」

 

浮浪者2「うん?」

浮浪者3「どうしたおっさん?」

浮浪者2「さっきそこに何か居たような……」

浮浪者3「ネズミだろ。」

じぃーと下水道の方に視線を向ける中年の浮浪者。何時もと変わらない光景……

すると突然何か身体が掴まれて奥に引き摺りこまれる。

浮浪者2「助け…」

物凄い姿の見えない力に引き摺り込まれて悲鳴も上げる暇もなく浮浪者の一人が姿を消す。

浮浪者3「おっさん?」

近くにいて突然姿が見えなくなったホームレス仲間をキョロキョロと探す若者の浮浪者。

その彼の壁面と天井からソイツら静かに見ていて…そして……

 

浮浪者1「皆どれを食べる?わしは油物を食べると胸焼けが酷くてのぅ。」

年老いた浮浪者がコンビニで買った物を持って二人の元へ現れる。

【……………………………………………………】

気配が無い……恐ろしい程の静寂に包まれた下水道に一人ぽつんといる年老いた浮浪者。

【かつん。】

何かが動く音が聞こえて浮浪者は聞こえた音の方向に慌てて視線を向ける。

【カタン。】

しかしそこには何も居ず、再び別の方向から音が聞こえて言い知れぬ恐怖にだんだんと包まれる浮浪者。

音が聞こえる姿が見えず、それを繰り返して

浮浪者1「変に怖いいたずらはヤメてくれ!?いるんだろ!?わしを驚かせて楽しいか!?」

浮浪者の二人がタチの悪いいたずらをしていると考える年老いた浮浪者。

すると周りから音が聞こえなくなり再び下水道は静けさがうまれる。

浮浪者「……。」

浮浪者はすぐ近くに気配を感じて後ろを振り返ると、

浮浪者「ああああああああああああああああ!?」

浮浪者3だった物「…………」

瞳孔を見開き恐怖を刻まれた若者の浮浪者の左胸に血塗れの鎌状の前脚が生えて持ち上げられる。

更に下水道から身体のあちこちを生きたまま噛み千切れられ穴だらけになった中年の浮浪者の死体が浮かんできて。

年老いた浮浪者の目の前に透明の姿を解いたソルジャープレイター達が囲むように姿を見せる。

浮浪者1「お、お化けカマキリ!!」

ソルジャープレイター「「キシャッイイイイイイイイイイィィィィィィ!!」」

浮浪者1「ああああああああああああああああああああああああああああ!!」

お化けカマキリ達に囲まれ姿が見えなくなった浮浪者の叫び声が下水道に響き渡りネズミ達は声と気配を殺しじっとその光景を視ていた

 

【下水道では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない。】

数分後

場所は変わり僅かな光に暗闇の下水道の水路の中……サイクリードは自分の足音のみと水の流れる音のみが聞こえる場所で、東京23区の広大な下水道マップを確認する。そして持参したトラップツールから"レーザーネット型クレイモア地雷を大量に出して動く。

下水道に既に侵入しているであろうプレイターの群れとこれから侵入してくるであろうプレイター群れに備えて罠と迎撃準備を進める。そしてその事実を『お化け屋敷』も剣持や銀河連邦の連中は気付いていない。

 

 

足が動く度に静かに水の波紋が広がる……

あちこちの下水道の壁や天井に投げて磁石に近い性質でくっつき赤い光が網目状に作られた物を東京23区を囲むように作るサイクリード。既に太腿の近くまでの深さの地下下水道の水の中を進みながら防衛網を着々と作り続ける。

サイクリード「次。」

デバイスで既に侵入している群れを見つけての両腰に装備した肉を裂くと焼く事に徹底して突き詰め、特異な形状で左右のバランスの違う小型レーザーダガーを出す。

サイクリード「………2時間が潮時だな……」

例え宇宙一の戦闘能力を持つ遊撃隊の作戦参謀でも東京23区の広さを一人で防衛するのは簡単ではない。

デバイスを素早く操作しながら東京23区を囲むように素早く小回りが効く迎撃兵器用の"宇宙ビースト"を出現させる同時に、設置したある球体型装置から、ガルガロン星商品。戦闘型アンドロイド兵ガルガロイド達を配備させる。

ガルガロイド《……ギギ…ギギギ……》

宇宙ビースト「キシャーー!」

暗闇の下水道に光る真っ赤なバイザー型目を持ち黒光る硬い甲羅が頭から後ろの尻尾にかけてくっついた怪物が

複数体姿を現す。その姿は剣持達が見るなら【エイリアン】のゼノモーフに似ていると言うだろう。

 

宇宙ビースト

くらやみに光るまっかな目。黒光りするコウラでだんがんをはじいた外宇宙の怪物。ふだんは宇宙の闇の中にひそんでいるらしい。

 

宇宙ビースト1「サイクリード。此処は何処だ?」

突然、全く知らない場所にアブダクション(強制ワープ)されて戸惑うビースト達。そのビースト達の中で言葉を発する事の出来る個体がブンブンと周囲を見回しながら質問する。

サイクリード《お前達が得意とする暗闇の下水道。悪いが2時間だけ防衛戦してくれないか?》

宇宙ビースト1「……お前は強い。…従う。目標は?」

暗闇に無数に光る赤いバイザー型の目にプレイター群体は一瞬ビックリして口を開き威嚇するも、進むつもりのようだ。

サイクリード「何っ。ちょっとした害虫駆除だ。ゾークロン関連のな。」

サイクリード(宇宙ビースト達の姿を見て退く事を選ばないのは何故だ?)

"ゾークロン"その単語を聞いた瞬間宇宙ビーストの何匹かは怒りの咆哮を上げる。

宇宙ビースト「「キシャー!!」

宇宙ビースト1「キシャー!!ゾークロン!!奴に俺達の故郷。下らない理由で滅ぼされた!?今度は俺達が奴ら滅ぼす番だ!!」

サイクリード「ならちょっと駆除に手伝ってくれよ。」

ガルガロイド達にターゲット情報を設定して迎撃モードにして武装を限定させる。下水道を壊す訳には行かない為だ。

宇宙ビースト2「望む所だ!?」

身体の大きさがバラバラなお化けカマキリ達と【エイリアン】のゼノモーフそっくりの外宇宙の闇の野獣達が対峙する。

徐々に沢山の脚音が聞こえてきて下水道の向こう側から蟷螂の緑色の複眼が次々と見えて姿が表していく。

個体によっては壁面や天井を伝い歩き下水道の水の抵抗無しに自由に移動している模様だ。

プレイター群体「「「「「キィィッキィィッ!!」」」」」

宇宙ビースト「「キシャーキシャーキシャーキシャー!!」」

暗闇の下水道に人知れず始まる影の戦い…

サイクリード「……さぁ…始めよう……」

レーザーネット型クレイモア地雷で通る道を限定させているとはいえ防衛しないと東京が昆虫怪獣だらけになる。それは阻止しなければ

メキシカンのポンチョを脱ぎ捨て露になる多数のハイテク武器と共に

サイクリード「俺のアイドル親衛隊隊長としての責務をまっとうする!!」

壁面や天井から次々と姿を見せるカマキリの大群に果敢に挑むサイクリード。

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剣持と志岐が映画の共感するシーンと台詞にじーんとしている合間……

 

遊撃……予め作戦の攻撃目標を定めず、必要に応じて敵の攻撃や味方の援護を行う事。

 

本隊同士の戦いに関して別動隊での役割が多い遊撃隊は、奇襲攻撃や伏兵の意味合いも強く基本が柔軟な発想を求めてられ機動力の高く素早い攻撃離脱に長けた者達である。

 

【そして瞬殺部隊は敵を瞬時に殺める事に長けた部隊である。】

しかしこの地下の下水道内部ではその瞬殺も厳しい……

暗闇の下水道に幾つ物の熱の光の一閃が次々と進み群がるカマキリをバラバラに焼き捨てられる。

両手に持った別々の形状のレーザーダガーで舞うように斬る連続攻撃がソルジャープレイターの外甲殻を焼き斬る。

迫るカマキリの鎌の一撃を機動力を奪う水の中にいる状態から避けて避けてから片足を一気に踏み込み両手で前方を斬り払いからの斬り上げで、腹部と胴体を焼かれて燃え上がる昆虫。

小さい個体のソルジャープレイターには予め用意したナイフを投擲して仕留めて体格差を関係なく複数の個体を

レーザーダガーで連続攻撃を叩き付けて、バラバラにする。

多数の武器に手数の多さと超攻撃的な戦法で、迫り来るソルジャープレイター達を次々と瞬時に焼き斬る。

サイクリード「……瞬殺撃。」

下水道の壁を蹴り狭い地形を利用して十字に組み合わせた飛刀をブーメランの要領で投擲してソルジャープレイターの身体をバラバラ焼き斬る。

サイクリード「…まだ来るな……」

ソルジャープレイター達の死骸の中心に着地して、次々と迫るプレイター達に向かって小型レーザーダガーを向けて走る。

ソルジャープレイター「「キシャッィィィィ!!」」

獲物に群がる無数の鎌がサイクリードの命を刈り取ろうと進む。

水の中では素早く動けない為バラバラにした死骸を足場に身体全体回転させてプレイター達を連続袈裟斬りをする。

プレイター達もレーザーダガーに只やられている訳ではない。仲間の死骸を盾代わりに使いサイクリードの攻撃を切り抜けて突進を敢行し、

サイクリード「ぬっ!」

大型昆虫に壁側に無理矢理追い込まれるも、右腕に装備した有線付き円月輪《チャクラム》を高速発射して、円月輪から小型のビーム回転刃を展開して、プレイター達の身体を次々と回転刃で焼き斬り自分の周りの敵を一掃すると展開した刃を収納してヨーヨーの要領で右腕に引き戻してレーザーダガーを持って次々とソルジャープレイター達の中心に進み、相手の両鎌を防ぎつつ複数のソルジャーの身体を焼き斬り裂く。

サイクリード「ぬおっ!」

死角から素早く迫るプレイターの前脚の横一閃を首元すれすれに回避して3メートルのソルジャープレイターの顎に膝蹴りを叩き込み左手内側からプラズマレーザーガンを発射して上半身を消し飛ばして下水道の足元に着地し予想より多い敵の数にサイクリードは冷や汗をかく。

サイクリード「…他の連中は大丈夫か?」

他の区の防衛状況の確認も難しそうだ……

ソルジャープレイター「「キシャイイイイイィィキィィ!!」」

サイクリード「おっと!?」

素早く左右のダガーを回転させ向きを替えて振り下ろされた鎌を腕ごと焼き斬り輪切りするサイクリード。少し離れた群れに向かって身体中にストックしたナイフホルダーから投げナイフを素早く投擲して刺さった箇所に小さな爆発を発生させて仕留める。

サイクリード「孤軍奮闘するのって凄く大変だな……」

正面から振るうソルジャープレイターの鎌状の前脚を両腕で受け止め、弾き返してから武器を持ったまま力いっぱいの拳でプレイターの頭を連続殴打させて鈍い音と共に叩き潰して、潰して飛び散った青い返り血を浴びながら、壁面や天井から次々と迫る相手に素早く右手のダガーを収納して空いた右手で左膝横に装備した銀色のハイテク武器。プラズマレーザーショットガンを素早く引き抜き発砲。左手の内側のプラズマレイガンと共に複数放ち光線銃から出る赤い電撃の光の散弾と左手の内側から出る火力の高い光弾が直線上にいるソルジャープレイター達の身体を次々と風穴を穿ち作る。

サイクリード「よし。後は接近戦で追い詰めよう。」

更に背中に用意した大型の宇宙金属製の棒状の武器を右手に持ち持ち手の起動スイッチを押して棒の一部から魔法のように可変変形してレーザーダガーとは違う実体刃を生やし刃の部分からプラズマ化させた熱刃の片手鎌『ヒート・シックル』を持ちカマキリ達に向かって振り下ろす。

また別の下水道では……

宇宙ビースト1「キシャー!」

黒光りする頭部の甲羅が目立つ宇宙ビーストは野獣のように飛び掛かり自身より大きいプレイターの身体にしがみつき貪るように噛み付く。

プレイター群体「「キィィ~~」」

傷口から青い血止めどなく溢れて下水道の水に混ざる。

宇宙ビースト3「キシャー!」

ドアップの赤いバイザー型の目を持つ宇宙ビーストの第2の口から『インナーマウス』を放ちお化けカマキリプレイターの硬い頭部を貫き仕留める。

宇宙ビースト4「っ!?」

別の個体は金属の棍棒のような尻尾を勢い良く振り回し

プレイターの群れを叩き潰す。

常人の首をあっさりとへし折る万力のごとき力を持つ両手でプレイターの両鎌が付いた前脚を力任せに引きちぎる。

宇宙ビースト2「うん?……っ!?」

引き千切れた両鎌の前脚を持ち軽く素振りして宇宙ビーストは千切ったプレイターの両鎌を武器にしてカマキリの群れに突っ込む。次々と青い血が下水道に流れて行く。

壁面から素早く迫るソルジャープレイターも普通のカマキリの前脚とは比べ物にならない鋭い鎌状の前脚を振るい宇宙ビーストの胴体を傷つける。

宇宙ビースト「っ!キシャー!!」

片腕を一気に抜き打ちソルジャープレイターの腹を貫き内臓を引き摺り出して、頭を握り壁側に叩き付ける。

体格差が大きい個体には複数体で襲撃して『インナーマウス』で穴だらけにしたり、噛み付きや鋭い爪で引き裂いて仕留める。

『インナーマウス』を使った攻撃『ヘッド・バイド』で

カマキリの頭を貫き頭の中の栄養を摂取してカマキリに斬られた傷を自己再生能力で治癒を速める。

猫科のようにしなやかにしかし下手な猛獣よりも獰猛な宇宙ビースト。

しかし宇宙ビースト並みの大きさのソルジャープレイター達は狭い場所に音を立てずに身を潜めてから後ろから宇宙ビーストら奇襲する等、獲物を刈り取るのに余念は無く。数と数による乱戦状況になっていた。

 

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その頃東京タワーのメインデッキではボーダーのイベントがそろそろ始まるのか周りがそわそわワクワクの雰囲気に包まれる中、染井はある七三分けをした眼鏡を掛けた人の姿に気付く。

染井「うん?」

若村「どうしたんですか?華さん?」

染井「……あれって……ハカセさんじゃない?ほら剣持君と同じ部署にいる……」

三浦「あっ、本当だ。」

前の『お化け屋敷』見学会で剣持君と色々と会話していたハカセ隊員だ。

まだ少し時間に余裕がある為染井はハカセ隊員に軽く話し掛けてみる。

染井「こんにちは?」

ハカセ「おや?あなた達……どちら様でしょうか?」

若村「ボーダーの若村です。剣持の先輩の……」

三浦「こんにちはハカセ隊員。」

ハカセ「あっ……剣持君が前に会話していたミューラーとジャクソン隊員ですか??そのオサゲの貴方?」

染井「あっ、染井です。剣持君の友達の……」

黒いオサゲのカツラと瓶底眼鏡の変装を外して素顔と正体を教える染井の後ろで男子らは何とも言えない会話をする。

若村「剣持の奴俺達の事どういう説明したんだ?」

三浦「王子先輩の渾名の影響がこんな所にも……」

染井「ハカセ隊員はどうして此方へ?」

ハカセ「私ですか?私はジャンクパーツを取り扱うPCショップで購入した材料である機械の部品の修理が漸く終わりこれから会う運び屋に、軽井沢の別荘まで届けて貰おうとここで待ち合わせしているんです。」

染井「そうですか。」

ハカセ「運び屋本人ももう東京に到着したらしいので、後はきちんと目的地まで安全に渡すだけです。」

イベントの係員《間もなくボーダーのイベントが始まります。》

香取「三人とももうすぐイベント始まるわよ!?」

葉子が慌てた様子で私達がいる所に近付いてくる。

染井「あっ、直ぐに戻るわ。」

ハカセ「ではまたどこかで……」

若村「あっ、どうも。」

三浦「行こう。皆!?」

広報部隊の嵐山隊と那須隊長達は、イベント進行する聞き手アナウンサーからの質疑応答をすると言うトークショーのスタイルで事前にどういう話題を振るうか決めている。

 

更に今回イベントに参加した一般客からも幾つか質問可能と言うスタイルで嵐山隊のファンや那須隊のファンらも楽しみにしているようだ。

ボーダーのイベントから少し離れた所の1台のエレベーターが止まり扉が左右に開き

甲斐馬「予想より人がいるな……」

鉄鬼「スゲぇ~~」

孔明「高いです。」

へリオンに所属する甲斐馬隼人が二人の子供を連れてメインデッキに訪れていた。

甲斐馬「………孔明、鉄鬼…二人共あんまり周り迷惑な事をするなよ。」

メインデッキから周りの景色を眺める二人。

染井「あっ、」

同級生の鏡拓也と一緒にいた隼人の存在に気付く染井華

……

香取「??どうしたの?華。」

染井「……別に…」

甲斐馬(うん?視線。)

隼人は染井の視線に気付き振り向こうとする直ぐにわかった染井は自然体で普通を装う。自身の外見が何時もとは違うおかげで隼人の視線から逃れる事に成功する。

だが隼人達が注意するのは怪しげな黒いスーツに黒いサングラスを掛けた連中……

甲斐馬「鉄鬼。孔明。気付いてるか?」

三人は外の景色を見ている状態から不気味な気配について話す。

鉄鬼「あぁ。」

孔明「……数は複数…普通の人にしては、景色や人を見ていません。」

鉄鬼「何よりサングラスで目元は隠れてわからないけど」

孔明、鉄鬼、甲斐馬「……"瞬き"を一回もしていない…」

東京タワー内部に怪しい黒いスーツの連中が集まる。

 

 

隼人達がいる東京タワーの外側にソイツはいた……

一丁前に格好を付けているのか……悠々自適に寝そべり

趣味のクラシック音楽を楽しむ……

【ガルガロイド反応を感知】

【宇宙ビースト反応を感知】

銀の異形のロボット戦士に内蔵されたレーダーに次々とこの地球産では者達の反応が感知する。

グラビティス「……」

異形のロボットはロボットでありながら煙草を吸い煙と共に味わい、高性能の聴覚で至福のクラシック音楽を離れたの音大から盗み聴く……

【ブーーーーーーーーン】

しかしその趣味の音楽鑑賞中に不協和音の巨大な羽音を聞き……一人趣味の時間の終了に肩をすくめるのだ。

グラビティス「…集まってきたか……」

……作戦開始を始まる知らせの羽音達が来る。

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三門市 界境防衛機関ボーダー玉狛支部

 

宇佐美「広報部隊の皆さんには頭が上がりませんな~~」

小南「やっぱり准の奴はトークが上手いわね……」

どら焼き片手にテレビの生放送に映る従姉弟の仕事する様子を感心を覚える小南達。

烏丸「それだけ、広報部隊としての仕事をしている証拠ですよ。」

烏丸はテレビに映る嵐山隊の木虎に視線を向けながら答える。

小南「那須ちゃんも、なかなかトーク上手いわね?」

宇佐美「あははは…でも那須隊の二人は凄く緊張しているのが丸わかりだよ。」

テレビカメラや自分達のファンの存在に緊張の表情を隠せない熊谷と日浦の二人の様子を見て

小南「そりゃ、那須ちゃんと違って入隊した理由がこういう事とは無縁な理由だしね。仕方ないわよ。」

宇佐美「でも凄く微笑ましいよね……」

小南「それ凄く分かる……子供の運動会とかで親の姿とか探していざ親と目が合ったら恥ずかしい所は見せれないて頑張る子供の心境と同じよ。」

 

木崎「帰ったぞ。」

陽太郎「ただいま~~♪」

公園に散歩に行った二人と一匹が支部に帰ってくる。

宇佐美「二人共おかえり。手洗いうがいして来てね。」

小南「もうボーダーのトークショー。テレビに放送してるわよ。」

陽太郎「おおう。すぐにてをあらわなければ……」

 

 

東京地下下水道

重力に逆らい宙に勢い良く放り投げられた二匹のソルジャープレイター飛ぶ暇も無くサイクリードが仕掛けた真紅の光るレーザーネット型クレイモア地雷に触れてサイコロステーキ状にバラバラに焼き斬られる。

サイクリード「ふんっ!?」

残った天井裏にいるソルジャープレイターの首を左手で掴み一気に絞め上げて右手のヒート・シックルでプレイターの身体を袈裟斬りにする。

サイクリード「ちっ、」

息をつく間もなく空いた左手にレーザーダガーを再び持ち壁面から目前に迫る姿無きプレイター達を串刺しにする。串刺しにされて透明化が解けて物言わぬ死骸を投げ捨て悪態の言葉を吐く。

サイクリード「姿無き捕食者共が!?」

下水道の利点は水場故に敵の姿が透明でも水場を動く為姿の見えないプレイター達の四足の後脚の全ての位置がすかすかの隙間を作り位置を教えてくれる。

しかしプレイター達も役割を決めたのか囮のソルジャープレイター達とは別に壁面や天井を音を立てずに動く伏兵戦術を使いサイクリードを確実に追い詰める。

敵の位置を知るのに神経と経験に寄る直感を磨り減らして既にかなりの数を仕留めるのに成功するサイクリード。

サイクリード「てりゃあ!?」

自分に飛び掛かるソルジャープレイター達に向かって再び右腕の有線付き円月輪を高速発射する。

また別の下水道では破砕力に特化した鈍色のナックルダスターがプレイターの頭を潰す。

ガルガロイド「ギギ…ギギ……」

無機質な赤い単眼の青い滑らかな重金属ガルガロニウムの装甲に覆われた長身にスマートな体格を持ったガルガロン星の携帯機械兵士達は統率が取れた状態で動く。

別の個体は右の手甲から内蔵された鋭利な黄色いエネルギー剣を出現させ無機質に対象を抹殺して防衛任務を忠実にこなす。頭部の額に単眼に胸からエネルギー光弾を発射しソルジャープレイター達を追い詰め持ち手が3つ付いた大口短機関銃剣型の武器を持ち正確無比に迫るプレイター達を仕留め続ける。

ガルガロイドは左腕に装備した前腕カバーを左手の甲に覆うように鋭く磨かれたリストクローを変形展開しロボットアームとなり、ソルジャープレイターの頭をロボットアームで掴み頭を力の限りもぎ取る。首無しになった胸からエネルギー光弾を放ち穿ち仕留めてガルガロイド達は防衛ポイントを防衛する。

 

ガルガロイドやら宇宙ビーストやら与えられて頑張っている所とは別に呼び出した当人ことサイクリードは片足、右手、背中の全身を使いながら複数のソルジャープレイターを押さえ付けながら左籠手のデバイスで下水道の広大な3Dマップを展開して状況確認するサイクリードは必死な声を上げる。

サイクリード「やっぱり、ベムの野郎を誘うべきだったあああ!!ダアッうるせい!!」

 

同じ頃

 

夕焼けの田園風景で少年少女が互いの境遇の差にそれぞれ悩みを持ちながらもお互いの本心を知りたい為に、未熟なりに向き合おうとする映画のシーンに無言で涙を流す剣持と志岐……

志岐「……。」

涙を流しながらポップコーンを食べる小夜子。

「………。」

そして剣持もこのシーンは心なしかパリで染井さんと向き合った光景を記憶から呼び覚まされていた。

当然映画とは色々と違う物の……染井さんは普通の人間ではなくなった自分を真剣に向き合ってくれた……

 

剣持達が映画で涙を流しながら観ている間……災いの影達は確実に東京に集まっていた。

ダークナイザー「……………。」

黒いローブに身を包む者は、静かに作戦の始まりを待っていた……

 

さてサイクリードは……それはそれは必死に防衛戦を展開し

サイクリード「チクショウが!?俺だってやれば出来るんだぞ!?」

……物凄く頑張って展開していた……

ソルジャープレイターの首と胴体を輪切りにして、落ちたプレイターの頭を力いっぱい片足で蹴り飛ばして別の個体の腹にぶち込み動きを止めてレーザーダガーで、頭から股下まで一刀両断する。

更に背後から迫る鎌状の前脚の連続攻撃をレーザーダガーで切り裂き、遠方から突進する相手に向かってダガーとナイフを投擲して空いた両手で背後から来た二匹の首を掴み一気に持ち上げレーザーネット型クレイモア地雷に向かって放り投げる。敵がバラバラになったのを確認して投擲したレーザーダガーを拾い上げ逆手に持ち新たに現れる敵に見据えて走る。

 

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映画は少年の住む和風の屋敷の前に東京の有名なアイドルの乗った車が突然ガス欠になり車の中にいたアイドルを少年の屋敷に招き入れる。アイドルは宇宙人で色々あって宇宙人の力を失ったらしくそれを取り戻す可能性を持つ少年に会いに来たのだ。

地球人と共に過ごして地球を大好きになった少年と地球人を只の餌としか見ないアイドルとは友達以上の関係で互いに建前なく話し合える仲だった……アイドルは少年の心境の変化に驚きながらも、悪い気はしないと向かい合い互いの事を懐かしそうに話す二人を少女は実の妹と共に部屋の向こう側盗み聞きするシーンを観る剣持と志岐……

志岐は無言で頬を赤くしつつ剣持の方を見て考える……

志岐(剣持君の好み女性のタイプってどんなんだろう……)

(やっぱりポップコーンは塩味は烏龍茶は最高だ旨い……)

当の本人は陽気にポップコーンを味わいつつ映画を楽しむのであった。

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晴れた東京に謎の通り雨が数度東京の空に降る……

室内にいる人間には関係が無い物の……雨は確実に降る……

 

太刀風「この通り雨……雨に何か混ぜているで御座るな……」

雲や空の流れに反して東京全域に降る雨に皇虎は言う。

春日「クンクン。無味無臭で怪獣達の食欲を旺盛にする調味料の奴だ……」

怪獣使い達が持ち物の怪獣を育てる際に食欲が落ちた怪獣の食欲を回復させる調味料だ。当然地球には存在しない素材……

成川「動き出したな……」

春日「なぁ先輩方……」

成川「何だ?」

春日「地下下水道全体にいるアイツらはどうする?」

太刀風「そっちには"奴"が既に向かったで御座る……」

知った気配に笑みを浮かべる皇虎。

 

映画も見処の山場……徐々に盛り上がるシーンに手に汗握る剣持と志岐。宇宙人特有の光線銃の撃ち合いや超能力バトルを展開して地球人類を餌とする危険なコンピューターウイルスを相手に少年の宇宙人仲間達と紆余曲折しつつ戦う。

CGは使っていない物のアクション映画顔負けに動きまくる少年と宇宙人仲間達が地球を救う為あれやこれや文句や軽口を叩き合うやり取りはハリウッドのアクション映画をイメージする。

 

最も現実の東京地下下水道内部の方が滅茶苦茶なアクション映画顔負けに動いていた男がいた。

下水道内部にて

サイクリード「瞬殺撃!?」

無数に走る熱刃の斬撃が複数のソルジャープレイターがバラバラになる。

サイクリード「ちっ、エネルギーが……」

暗闇の下水道で一時間半以上は既に戦闘を続けて両手に持ったレーザーダガーのエネルギーが切れて三度の右腕の有線付き円月輪でソルジャープレイター達を凪ぎ払うもレーザーネットの隙間を通れるサイズのソルジャープレイター達を取り零すのが多くなってきた。

サイクリード「ここらが限界か……戻れビーストども!?」

強制ワープで次々とビースト達を勤務地のディクトル星に帰還させる。しかし何匹かワープに失敗してしまい。急いでプレイターの群れから逃げる

迫るプレイターの眉間にヒート・シックルを叩き付けて宇宙ビースト達やガルガロイドに撤退の指示を出す。

サイクリード「クソっ!?食い止められなかったか!?」

撤退行動をする為走り地上へと続く出入り口のある梯子に昇るサイクリード。

梯子の横棒を一生懸命昇る途中壁面から透明と化したプレイターの突進が次の横棒を掴む直前に真横から不意討ちに直撃して梯子から勢い良く落とされる。

サイクリード「なっ!?」

サイクリード(しまった。撤退に意識を向け過ぎた。)

気配を殺し音も無く伏兵としてじっとサイクリードが梯子を昇るタイミングを待っていたんだ。

サイクリード(忍者顔負けだろ!?)

不意討ちの奇襲が成功すると同時に透明化を解除したソルジャープレイターが落下するサイクリードにダイブアタックをしよう勢い良く飛び掛かろうとする。

サイクリード「!?」

自分を両の鎌状の前脚で袋叩きしようソルジャー達が虎視眈々と狙う様子を知り焦り頭の中で思考を高速回転して状況打破しようする。

サイクリード(不味い!?前後左右上下に囲まれた!?どうする?下の足場にいる奴らから攻撃を、だが真上からの奴の攻撃の方が早い……どうする!?円月輪を投擲して梯子の横棒に引っ掛けて引き戻す機能を使い上昇するか。いや真上の奴が絶妙に視界の邪魔をしてやがる。攻撃用のビーム回転刃を……横棒ごと破壊したら昇れないだろう……どうする!!)

ソルジャープレイター「キシャッイイイイィィィィィィ!?」

生き餌の頭を丸齧りしよう昆虫の口を開くソルジャープレイター。

??「虫ごときに何を梃子ずっている。サイクリード。」

サイクリード「なっ、」

知ってる声が真上からのソルジャープレイターから聞こえると同時にダイブアタックしようとするソルジャープレイターが突然背後から紫のエネルギー火炎弾に燃え上がり火の粉と共にサイクリードの真下にいるプレイター達を焼き尽くす。

サイクリード「この技って……」

??「掴まれ!?サイクリード!?」

サイクリード「ぐっ、届け!?」

【ガシッ】

梯子の横棒に誰かの姿が見えてサイクリードの左手首を掴みサイクリードは危機的状況から無事に生還する。

しかしサイクリード達が撤退した事でソルジャープレイター達は地上の生き餌を求めて地上を目指す。

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宇宙ビーストやサイクリードやガルガロイドにバラバラにされ軽くなったプレイターの死骸が下水道の排出口から川に次々と流れて東京の市民達の目に止まる。

一般人「何あれ?」

一般人「お化けカマキリの死骸だ!?」

一般人「警察、警察。」

目撃者達は瞬く間に野次馬を作り動画撮影とかしてYouTubeに生で配信する様子が上がり……

やがてその報告は『お化け屋敷』にも届く。

そして剣持達の方も映画を無事観賞してエンドロールを最後まで観ている始末だ……

 

志岐「…………」

「……」

劇場を出た後の二人は近くの待ち合わせ用の椅子に座りポカーンと映画の余韻に浸る。

志岐「凄い映画だったねぇ。」

「……色々と考えさせられる映画だったな。」

暫しの余韻に浸かる剣持達だが、少し遅いが何処かで昼のご飯を食べようと映画館から移動する事にする二人。

志岐「さっきまでは晴れていたのに……」

「お出かけ気分が台無しだ……」

(曇ってきたな……)

さっきとは違い空は晴れから鉛色の曇天に変わってしまい少し嫌な感じになる剣持と志岐。

 

 

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ヒョーコリ・ドン・ガバの通信並びに三門市の『お化け屋敷』司令室内のイデ隊員達に東京の警視庁から連絡が来る。

イデ「はい。こちら科学特別機動捜査隊。」

警視庁《東京の各川からお化けカマキリと思われる死骸が大量の川から流れてきます。》

イデ「えっ?と、東京!?」

警視庁からの報告にイデ隊員は驚愕する。全く予想外の場所からの連絡にテンパるイデの後ろからイデの右肩を

叩きイデは後ろを慌てて振り返る。

ホシノ「落ち着け、……詳しく報告して下さい。」

ホシノが通信席の近くに座りイデが使う通信機にそう言う

警視庁《ヒッ、あっはい。……最初に通報が会ったのは……》

警視庁は突然聞こえてきた怖い声にビックリするも詳細な死骸の目撃情報を貰い。

ホシノ「分かりました。報告ありがとうございます。」

通信が切れてからオッカナイ顔で司令室の皆の方に向き

ホシノ「奴らの巣の候補が大分絞り込めた……」

額に汗を掻いて状況の悪さを説明する。

神山「何処ですか?」巣の候補地を探す為に駆り出された機械工学の博士の一人が質問する。

ホシノ「奴ら人に目撃されないように透明化して空での移動ではなく川の排水溝を利用して東京の深くまで侵入していたんだ。」

ロイド「いや、全部が下水道はあり得ないだろう。川の排水溝より余裕に大きい個体らはどうやって……それに……奴らの巣の候補は基本例の農薬が滅茶苦茶散布された場所だろ。」

ムラマツ隊長と御手洗博士が司令室に入室してくる。

御手洗「諸君、大変だ。」

アラシ「プレイター達が排水溝から侵入して下水道を使って東京に集まっている事ですね?」

御手洗「否、埼玉県の市街地に姿の見えない巨大生物が市街地を破壊しながら南下していると埼玉県警から連絡があった。」

ロイド「おいっそれって!?」

ジャック「見えない巨大生物って……まさか!?」

何かに気付き互いに顔を見合せる二人……

御手洗「君たちも出撃準備をして急いで東京に向かってくれ。」

アラシ「埼玉県ではなく東京に?」

ムラマツ「私達が準備をする間と現場の埼玉県に到着する前に透明化している巨大昆虫怪獣は東京に到着する。勝負を掛けるなら東京だ。」

ジャック「埼玉県の人達の避難誘導は?」

一の谷「埼玉県警を初め各関係各所と連携して既に避難誘導を実行している。」

ムラマツ「急ぎボーダーにも出動要請をしてくれ。それから忍者部署にも出動要請を……」

イデ「分かりました!?」

 

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埼玉県 市街地の一部に火の手と煙が上がり何もない高層ビルが突然、独りでに粉々に倒壊して瓦礫に変わる。

運転手「ぎゃあああ!!」

道路を走る自動車が突然運転手達ごと何か物凄く重い物に潰されぺしゃんこに変わる。

高層ビルが並ぶ市街地で真っ直ぐにビルをあらぬ方向に壊しながら南下……東京を目指して空を飛べないプレイター(雌)が巨大な影を市街地から逃げ惑う人達を無視して身重の身体を動かして怪獣の腹が道路のアスファルトを破壊し道行く車達を跳ね飛ばしながら進む。

そして同じ頃……剣持達が現在いる東京でも洒落にならない事態が発生していた。

 

【ーーーーーッ!!!】

かつて無い程の怪獣探知能力が知らせる……無数の怪獣達の気配を……

それぞれの日常を謳歌する彼らがいる東京の空に異常事態が始まろうとしている……

プレイター「「キシャッイイイイイイイイイイィィィィ!!」」

「っ!?」

志岐「剣持君。この鳴き声って……」

互いに三門市のゲンブ百貨店で聞いた鳴き声に警戒する

空から甲高い鳴き声が聞こえて東京を道歩く人達は視線を空に向ける。

一般人「何だあれ?フライドチキンにするにはデカ過ぎるぜ……!」

スマートフォンで撮影をしようとした一般人達に向かって巨大な口を開き空中を滑るように低空になり、緑色の昆虫怪獣の行動の意味が直ぐにわかった剣持は咄嗟に小夜子の手を繋ぎ力強く抱き締めると同時に近くビルの窓ガラスに勢い良く身を投げる。

窓ガラスが粉々に割れて室内に逃げ込み、応接室のソファに身を投げて剣持は先ず志岐さんに怪我がないか確認する。

「痛っ、ゴメン。怪我はない?」

割れたガラスの破片で手首に刺さったらしい、志岐さんが気付く前に直ぐに破片を引き抜いて圧迫止血する。レッドマンの再生能力で重要な箇所の治癒を早めつつ志岐さんを心配する。

志岐「うん。ありが「「ぎゃああああああ!?」」「「「いやぁあああああああああああああ!?」」……」

「「キシャッイイイイイィィィィィィィィ!!」」

互いの無事を確認しようと向き合う背後の外から沢山の誰かの悲鳴と自動車達が何かに次々とぶつかり事故を起こす音と燃え上がる炎の音……そして"何か"を"喰らう音"が聞こえて志岐は顔色を真っ青にして後ろの外の方向を振り返ろうと顔を動かそうとするも

「志岐さん。目を綴じて……」

剣持はかつてない程の険しい目付きと共に志岐を抱き締めて振り向かせないようにする。

志岐「…剣持君。……さっきの人達は?」震えながら小夜子は剣持の方向に視線を向ける。

「……!」

互いに身体が恐怖で震える中で剣持は言う。

「……俺が目を開けて良いと言うまで目を閉じておいてくれ。」

志岐「……わかった…」

剣持は自分の質問に何も答えなかった……答えられなかったとも言える。そしてその意味がわからない志岐ではない……

リュックから両手首にウェブシューターを取り出し瞬時に装着して長袖の中に隠す。

すると剣持のスマホが鳴り出す。

「はい。剣持です。」

城戸《ボーダーの城戸だ。せっかくの休日を満喫に申し訳ないが緊急事態だ。三門市にも出現した例の有害巨大生物達が東京に続々と集結している。剣持君。君には直ぐに現在東京に出動しているボーダーと『お化け屋敷』と合流して欲しい。》

剣持は目の前の目を閉じている志岐さん……そして彼女が見ようとした"外"の惨状を見て静か深呼吸して答える。

「………了解。」

長いように短い合間に返事をする剣持に

城戸《ありがとう。情報の詳細はメールで送ろう。》

通話が終わり続けてメールで合流地点が記載されたマップが送られる。

「悪い志岐さん。せっかくだけど楽しいお出かけの時間は終了だ。東京の色々なお店に遊びに行く予定はご破算だよ。残念~♪」

無表情で慣れない言い方をする剣持。

「一緒昼ご飯食べながら映画や色々な話をしたり、ボーダーの愚痴とは溢したかったよ。」

「小物とかさ、東京の本とかさ、三門市じゃない景色とかさ……」

早口で楽しそうに口に出すのは今日の楽しい1日の予定……

志岐「…………剣持君?」

「……めん。…めんな……ごめんな…ごめんな。」

徐々に嗚咽が混じる涙声と共に剣持は志岐に申し訳ない気持ちを込めて言う。

「……せっかくの楽しい1日になる予定だったのに……巻き込んでしまって……怖い目に合わせてしまって……本当に……本当に……ごめんなさい……僕ってやっぱり……」

志岐「剣持君。」

「っ!?」

志岐「……大丈夫。わかっているから行こう……」

小夜子は目を瞑ったまま剣持の両手を掴みゆっくりと立ち上がらせる。

志岐「この状況を何とかしないと……」

ホンのしばらく黙っていた剣持は志岐の言葉に返事を口にする。

「……あぁ。」

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剣持が映画を見終わった前にて少し時間を戻す。東京タワーのメインデッキでは…ボーダーのトークイベントは順調に進んでいた。

 

ボーダー本部 個人ランク戦等を理由に本部にきた隊員達や業務をする職員達もラウンジにあるテレビに映る嵐山達のトークショーを休憩しつつ各自自由に眺めていた。

場面は東京タワーに再び戻り大まかなトークショーが終わりメインのイベント。子供達や一般客達が嵐山隊や那須隊に質問タイムをしていた。

アナウンサー「じゃあ、ボーダーの皆さんに次の質問がある人はいるかな?」

嵐山隊ファン「はい。」

那須隊ファン「はい。」

染井「はい!はい!はい!」

子供「はい。」

孔明「はい。」

沢山の人達の中で混ざる中で黒髪のオサゲヘアの地味目な格好をした染井華が必死に声と共に手を上げる。

アナウンサー「じゃあそこの小柄の君。」

孔明「嵐山隊長に質問です。」

嵐山「何かな?」

気さくに応じる嵐山隊長。

孔明「もしボーダーのトリガーが使えない状況でこの東京タワーが怪獣なんかに占領されたりしたらどう対処するべき何でしょうか?嵐山隊長のご意見をお聞かせ下さい。」

嵐山「おっ、難しい質問だね……そうだね…」

アナウンサーにボーダーのファンの皆((何か想像よりずっと斜め上の質問が来た……))

見た目の年頃に似合わない質問に綾辻さんや那須隊は鳩に豆鉄砲のように唖然した表情をする。

香取(最近の子供は進んでいるなぁ~~あたしはこの頃はもっと単純だった気が……)

染井(あの子はさっきの鏡君といた青年の……)

香取(にしても、随分とタイムリーな質問だな……)

香取は昨日、部隊の隊長ばかりで集められた会議室でS級隊員の迅に言われた内容を思い出す。

迅『冷静に状況を判断して行動してくれ。何せ生身で行動する事になるんだから……対策が立てられない。』

つまり気を付けて行動しろって事だ。止められる方向とか方法がわからない為、後は成るようになれだ。

嵐山「君の質問の答えは……」

【ブーーーーーーーーーーーーーーーーン!!】

巨大な姿無き昆虫怪獣の羽音が曇天の空に響き渡りその音は東京タワーのメインデッキにいる人達にも聞こえる。そしてその様子はテレビで見ていたボーダー達にも聞こえていた。

アナウンサー「えっ?」

聞こえた羽音に呆然と声を漏らすアナウンサー。そして

景色を一望出来るメインデッキの窓ガラスの向こうから透明化を解いたプレイター(雄)が曇天の空を舞い上がり鋭く刃の如く磨かれた両の大鎌状の前脚を居合いの要領に一気に振るい東京タワーのメインデッキより上部分の電波が集中している塔の真上の鉄骨部分を両断させる。

 

両の鎌状の前脚一閃により東京タワーの象徴的な部分が音と共にズレ落ちて地上にへし折れて落下する。

プレイター(雄)は巣の候補の高い塔に人間が集まるのを待ち番の産卵しやすいように塔の上部分を一撃の元に両断、電波塔のメインデッキ倒壊させ。

 

東京タワーの周りを旋回してメインデッキよりの上の部分にゆっくりと着地して、愛する番の(雌)が来るのを待つ。

プレイター(雄)「「キシャィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイッ!?」」

高らかにプレイターは声を上げて東京の周りには無数の小型プレイターやソルジャープレイター達が空からあるいはマンホールを破壊して地上を練り歩き餌を求め活動する。逃げ惑う人々は何処に逃げれば良いか正しい判断がつかないままとにかく"安全や安心"を求めて逃げる。

その様子はまさに地獄絵図……

 

更に別の下水道から現れて東京スカイツリーにも番の子供達である蟷螂が大木に集まるようにソルジャープレイター達は、スカイツリーを占拠していく。

警視庁はその状況を直ぐに自衛隊と『お化け屋敷』達に報告する。

 

防衛省自衛隊東京地方協力本部

黒野「分かりました。俺達も直ぐに向かいます。」

『お化け屋敷』とボーダー本部から東京に昆虫怪獣達が出現した連絡をヒョーコリ・ドン・ガバにいる皆は貰う。

サンダース「アイツら、どうやって東京に来たんだよ。」

ダイアナ「方法はどうあれ既に怪獣達は市街地に侵入しましたわ。」

ベック「怪獣は東京タワーを倒壊同然にして占拠。巣として利用するつもりです。」

エドランド「我々も直ぐに出動するぞ。」

「「了解っ!?」」

沖元「ドン・ガバ発進!?」

ヒョーコリ・ドン・ガバは垂直に上昇して空中高く東京を目標進路に設定して発進する。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

東京タワーの怪獣の突然の出現と攻撃にメインデッキ内部はパニックになる。

警備員「落ち着いて下さい。皆さん落ち着いて下さい。」

ゲンブ百貨店の屋上の時以上に人々はパニックになる様子を那須達は見る。

そして嵐山隊にボーダー本部から連絡が入る。

本部《聞こえますか?嵐山隊。》

トリオン体のボーダー隊員達は片耳に手を当てて応じる。

嵐山「ボーダー本部。此方は嵐山隊。現在、東京タワーを中心に大量の昆虫怪獣達が突如強襲されて市街地に多数の市民の被害が確認されています。」

忍田《こちらは本部長の忍田だ。『お化け屋敷』から以後昆虫怪獣の呼称は"プレイター"と決定。プレイターは東京タワーを巣として利用する模様。》

木虎「忍田本部長。私達嵐山隊は那須隊と連携して先ず東京タワーにいる市民達を安全な避難所まで避難誘導してよろしいでしょうか?」

忍田《あぁ。頼む。他の部隊も既に東京に出動している…君たちはタワーにいる市民達の安全を最優先してくれ。》

佐鳥「佐鳥、了解。」

嵐山「嵐山、了解。」

時枝「時枝、了解。」

木虎「了解しました。」

 

嵐山はマイクを持ち市民や一般人を安心させるように動く。

嵐山「皆さん。心配しないで下さい。此処には我々がボーダーいます。出来る限り散らばらずに一ヶ所に固まっていて下さい。」

 

若村「葉子。俺達はどうする?」

普段は自分に色々と言うのに周りがパニックになっているせいかいつも以上に慎重になって部隊長の指示を待つ麓郎に呆れた目で見るも香取は周囲の不安な顔をする人達を見て

香取「……嵐山隊と那須隊だけじゃどう考えたってこのフロアにいる人々を守りきれないわよ。私達も行くわよ。華。雄太。麓郎。」

三浦「うん。ヨーコちゃん。」

ボーダーとしてやるべき事をする。

染井「……あれ?」

香取「どうしたのよ。華?」

染井「さっきまで近くにいた小柄の少年や何人か姿が見えないだけど……」

香取「騒ぎになったから急いでタワーを降りたんでしょ。」

香取達は嵐山隊や那須隊の方に声を掛ける。

 

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フットタウンの関係者以外立ち入り禁止の従業員口裏側に隼人達はいた。

甲斐馬「……」

険しい表情をした隼人の前に、何者かに殺された無数の従業員の床の"影"を見る。

甲斐馬(威力の高い光線か熱で推定でも約3.000度の高熱で肉体組織を文字通り消滅させた……)

孔明「どんどんタワーの周りにカマキリ達が集まってくる。」

鉄鬼「何でこんなにお化けカマキリが集まっているんだよ。」

甲斐馬「……この東京タワーをカマキリの巣として利用するつもりか?」

小型プレイター達がタワーの周りに集まって巣を作ろうとしている様子を見る三人。

甲斐馬「それに妙な輩も動いているようだ。」

ボーダーのトークイベントの時に見掛けた謎の黒いサングラスを掛けた黒いスーツの連中の怪しい行動を三人は直ぐに追い掛けたが、見失い最後にいた形跡のある従業員用の扉の

孔明「どうします?」

甲斐馬「……怪獣の狙いはわかった。後は怪しい敵の狙いを見定める必要がある。」

孔明「なら敵が動くのを待ちましょうか?」

鉄鬼「孔明。お前このまま人の命が奪われるのを黙って見ていろって?」

人一倍熱い気持ちが強い熱血漢の鉄鬼少年が、待ちの姿勢を反対する。

孔明「敵の攻撃手段も目的も不明の中闇雲に、メインデッキ内部にいる一般人達を守るには、少ない犠牲で敵の行動パターンを知る必要があるだけです。」

鉄鬼「孔明!?お前っ!?」

甲斐馬「二人とも悪いが、喧嘩は無しで頼む。」

甲斐馬(孔明は時に鉄鬼や俺もしない非情とも取れる判断が出来る。)

三人は一旦メインデッキに戻るとエレベーターの前に沢山の人だかりが集まっている様子に気付く。

甲斐馬「エレベーターも使えないようだ。」

そして、メインデッキの電気が一斉に停電する。

孔明「逃げられなくなったんですね。」

甲斐馬「……此処にいる奴ら全員な。」

何か巨大な衝撃でメインデッキが激しく揺れる。

佐鳥「何だ!?」

染井「っ!?」

若村「華さん!」

メインデッキにいるボーダー隊員達と一般人達は急ぎ窓から状況を確認する。

染井「……」

近くの高層ビルが突然姿無き捕食者によって後ろから粉々に倒壊させられ瓦礫とかす。

「「キシャッイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィ!?」」

巨大な咆哮が、東京タワー周辺に聞こえてゆっくりとタワーに巨大な何かが姿を見せる。

ハカセ「なぁあああああああ!?」

プレイター(雌)が市街地を破壊しながら遂に東京タワーに到着したのだ。

プレイター(雄)は(雌)の来訪に喜びの声を鳴く。

【ーーーーッ!?】

そして番達の合流の様子は東京タワー、並びに周辺市街地からも見え……剣持も確認出来た。

志岐「剣持君。どうしたの?」

「昆虫怪獣の親達が東京タワーを占拠しやがった…」

三門市で対峙した個体よりも巨大な雄雌の個体を睨みながら答える剣持。

 

ゴメル「騒ぎが起きて間もなくボーダー達は騒ぎの元に集う。クカカカカっ……愚かな連中だ。こうも簡単に掌の上に踊ってくれるとは…」

キリキリ「そのようだな……」

ザジ、ジェリコ「……」

ブラックワン(来るか……銀河連邦。来るか………ベム。)宿敵らの気配を近くに感じながら戦いの時を静かに待つ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

東京に怪獣が現れた場合、東京都民は指定された対怪獣用地下シェルターに行く場合と、公共の避難所又は東京の外に避難する場合がある。勿論、何処が安心安全だかはその怪獣の出現状況に変化するが、何事も迅速に行動しなければいけない。

 

【怪獣は動く災害】だからこそ普通の人々は災害の前では抗えないのだから……

 

三門市の『お化け屋敷』から援護要請を貰ったボーダーの各部隊が東京に向けて無数のヘリコプターと共に出動する。

柿崎「……」

動くヘリの中で緊張を隠さず外の景色を見る柿崎。

巴「大丈夫ですか?隊長。」

柿崎「あっ、あぁ大丈夫だ……」

部下である巴 虎太郎に心配されるも、答えた柿崎は少し上の空だ。

照屋「嵐山隊長達が心配ですか?」

柿崎「……あぁ。」

昆虫怪獣に東京タワーの電波塔の部分を破壊される様子はレポーターから生中継でレポートされている。

各報道ヘリから東京タワー周辺そして東京スカイツリーに陣取る大量の巨大カマキリ怪獣らの姿が見える。

 

別のヘリでは、

太刀川「東京タワーかスカイツリーって結構距離があるよな。」

出水「両方に逃げ遅れた人達がいるらしい。」

太刀川「俺達はどっちに行けばいい?」

風間《本部からの指令は、『お化け屋敷』と連携して逃げ遅れた市民達の救出、そして東京タワー周辺とスカイツリー周辺に出現したお化けカマキリ達の掃討だ。》

トリオン体から内蔵された通信機から風間の通信が聞こえる。

太刀川「……ソイツは斬りごたえがありそうだな。」

まだ見ぬ強敵達に嬉しそうに答える太刀川は通常運転だ。

出水「そう簡単に行くのか?太刀川さん。迅が言っていた予知の内容って普通に俺達がピンチになるんじゃ。」

すると風間隊の菊地原から連絡が来る。

菊地原《どちらにしても、僕らボーダーが動かない選択肢はあるんですか?》

出水は面倒そうに座席に頭を預けて答える。

出水「……ないな。メディア対策の根付室長がボーダー関連でマスコミ云々に怪獣災害が発生して逃げ遅れた人達がいるのにボーダーは何もしないんですかって変な追及されそう出し。」

太刀川「待ってやがれ!?お化けカマキリ共!?」

ボーダーを乗せたヘリ達は東京へ飛ぶ。だがそれこそが敵の本当の狙い。

 

東「……」

奥寺「どうしましたか?東さん。」

東「……何、迅が教えた予知の内容がどう実現するのか少し考えいたんだ……」

窓の向こうで映る街並みを眺めながら少し思考を整理する東。

東(今回の騒ぎは、大きな怪獣がただ市街地を襲うのではなく、小型、中型とサイズ別に大量に出現し破壊だけではなく捕食を前提に行動しているケースだ。)

当然だが普段の防衛任務で相手するトリオン兵達とは訳が違う。

小荒井「東京か……こういう任務じゃなく観光目的で今度皆で行きませんか?」

奥寺「これから任務なのに、緊張感がない奴だな……」

小荒井「ヘリの中でビビっても仕方ないだろう。」

マイペースに眺めを堪能する小荒井を見て東は笑みを浮かべて

東「奥寺。小荒井の言う通り肩の力は抜いておけ。東京に到着するにはまだまだ時間が掛かるぞ。」

奥寺は小荒井を見て軽くため息をつき呆れて

奥寺「……分かりました。」

っと答えるのだ……

東(何はともあれ、状況把握が肝心だ。予知が実現する可能性が高いなら、実現した予知の後の行動に全力を尽くせば良い。)

 

影浦「っ!!?」

一瞬、ほんの一瞬だがヘリに乗っていた影浦隊の隊長 影浦雅人は今まで感じた事のない不快な感情を自分のサイドエフェクト『感情受信体質』で感じる……

絵馬「どうしたの?カゲさん。」

北添「何か忘れ物でもしちゃったの?」

影浦「………………何でもねぇ。俺寝るわ。東京に着いたら起こしてくれ。」

北添「ちょっ」

アイマスクを着けて椅子にもたれる影浦は静かに寝息を

出す。

北添「もう寝ちゃったよ……はぁ……そう言えば、今日剣持東京で那須隊のオペレーターと映画見ているんだよな……」

絵馬「心配?」

北添「そりゃ人を捕食する昆虫が次々と東京に出現しているから心配に決まっているだろう……B級でもないからトリガーの使用も禁止されているし、自衛手段がないのと同じなのよ……」

 

ゴメル、ジェリコ「……。」

東京タワーのメインデッキに瞬間移動能力を使う二人が音も無く帰ってくる。

ゴメル「ボーダーの防人の奴らは出動した模様です。」

ブラックワン「……初動が少し遅いな……。」

怪獣騒ぎが起きて既に犠牲者も出ているのに、ボーダーの連中が漸く動き出したのに、呆れを覚えるブラックワン。

ザジ「例の実験装置を起動してみたらどうだ?」

ザジは近くに浮遊するキリキリに意見を言う。

キリキリ「様を付けろ。敬え……俺とて目上の存在なんだぞ。」

脳ミソはこめかみがないから怒りを表現出来ないが口調で不機嫌を現す。

ゴメル「キリキリ様。ザジは目上の者を尊敬するような良い教育はしておらぬので、ここは一つ寛大な心でお許しになって下さい……」

ザジ「けっ、食わせ者め…」

脳ミソに膝と頭を下げるゴメルを見て小さく舌打ちするザジにガバンは特に何も言わずに只黙するのみ…

キリキリ「うむ、装置を使うならもう少し連中を陣中深く引き摺り込んでからだ。」

ブラックワンは小さくため息を吐き……

ブラックワン「相変わらず、嫌らしい戦術を好むな。」

キリキリ「相手に最も効果的苦しませる戦術と言え……いつ動く?」

ブラックワン「もう少し待ってやろうか?既に銀河連邦の連中はこのタワーに向かっている。」

 

「「キシャッイイイイイイイイイイイイイイイィィィィィィィィ」」

染井「っ!?」

ハカセ「なっ、何だ!?」

プレイター(雌)は東京タワーに遂に産卵を開始する。

木虎「まっ、まさか……?」

カマキリの様子を見て何かに気付く木虎。

そしてプレイター(雌)から数百匹は優に越える大量ソルジャープレイター達の卵と共に粘液が泡立って真っ赤鉄塔を包み始めて……メインデッキやフットタウンを覆い尽くしていく。

嵐山「皆さん。離れないようにして下さい!?」

やがて巨大な粘液の泡はやがて空気によって固まり禍々しく毒々しい異様な魔の塔"インセクトタワー"が完成する。

宇宙ビースト1「キシャー!どうする!?」

宇宙ビースト2「跳ぶぞ!」

まだ固まっていない赤い鉄骨部分に向かって二匹の宇宙生物はビルを足場に高く跳躍し高層ビルの屋上からインセクトタワーに無理やり侵入する……

 

「なっ、」

瞬く間に……普通のカマキリでも約1、2週間は掛かる産卵を終わらせて、巨大な蟻塚かと見間違う魔塔インセクトタワーの完成に剣持は路地裏から驚愕な表情でただただ驚くしかない。

警察の機動隊や陸上自衛隊が出動して東京都民達を安全な避難誘導に尽力するも、都民達が安全な避難施設に向かうには時間が兎に角足りなかった。

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日本が昆虫怪獣騒ぎで混乱する他所にアメリカの空軍基地に一つの巨大な金属の箱が滑走路に置かれてその周辺には銃火器を持った兵士達が厳重な警備が見張られている。

箱の中にいた本能が宿敵の居る場所に導く……ニューヨークで闘い敗れた一匹の怪獣は、誰にも気付かれる事なく"再起動"する。

サイバーコンガー「「……。」」

その起動を知る存在達が人知れず動き出す。

 

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三門市の市外のある喫茶店カフェブラックスター2号店内

テレビには東京タワーに出来た不気味なインセクトタワーの光景が映っていた。

その怪獣騒ぎを静かに見ていた男の元に一つの電話が鳴る。

埠「……もしもし。」

甲斐馬《……もしもし。埠さん。》

埠「隼人君。無事だったのか?」

男……地底基地ヘリオンの総司令官の埠 信玄は東京に調査に出た仲間からの連絡に一度は安堵の表情をする。

埠「今何処にいる?近くに孔明と鉄鬼はいるのか?」

甲斐馬《……簡単に状況を説明する……状況はかなりヤバい。》

埠「っ!?どういう事だ?」

甲斐馬《俺達は東京タワーのメインデッキにいて巨大カマキリの巣同然に閉じ込められて巣の中には数百の昆虫怪獣の卵がある……しかも普通じゃ考えられない早さで孵化し始めている。》

 

 

 

孔明「皆さん。走って!?」

樹脂状に固まる分泌液まみれで黒い幾何学的な巣となったメインデッキ内部やフットタウンは異様な迷宮と姿を変えて大量のプレイター達が徘徊する様子を隠れながら連絡する隼人達。

甲斐馬「至急ヘリオンに援護を要請する!?このままだと中にいる人達がカマキリの餌にされる!?くそっ!?」

埠《隼人君!?》

頼れる総司令官に言いたい事だけを言い隼人は素早く室内にいる人達を連れて自分達を狙うカマキリの幼虫から逃げる。幼虫といってもその大きさは約2㍍サイズ……室内では充分過ぎる脅威だ。しかもその癖数は多いという達の悪い事実付きで、

プレイター幼虫「「キシャッ」」

香取「私が顔を上げてって言うまで伏せて!?」

バラバラになった人達を連れて走る中、突然聞こえた声を隼人は聞いて視線を目の前に立つ二人の男女の格好と装備を見て直ぐに意図を察する。

甲斐馬「っ!?全員伏せろ!?」

隼人の大声で後ろの人達は一斉に身を下げて射線が開き

香取の拳銃型トリガーと時枝隊員の突撃銃トリガーがマズルフラッシュする。銃声と共にカマキリの幼虫達を穴だらけにして

香取「もう大丈夫よ。全員顔を上げて……」

ボーダー隊員の登場に安堵の笑顔が広がりボーダーの隊員の一人に手を引っ張って貰い隼人は立ち上がる。

時枝「大丈夫ですか?」

甲斐馬「ありがとうございます。助かりました。」

 

『お化け屋敷』side

 

 

三門市から東京方面の曇り空に銀と赤のカラーの2機の高速攻撃機『マッハビースト』が曇り空を切り裂きながら飛ぶ。

ムラマツ「間もなく東京方面の作戦区域に到着する。」

埼玉県に巨大昆虫怪獣の片割れが市街地を破壊して東京へ進む報告を貰ってから直ぐに基地に待機しているアーサー隊長やイデ隊員達の一部を除いた全隊員達は全て戦闘機に搭乗し作戦区域を目指していた。

東京方面に到着する前に状況が刻々と変化して巨大昆虫達の巣が誕生してしまった状況でも彼らは事態の収拾に動く為に東京へ向かう。

ホシノ「敵は最低でも数百匹はいる模様だ。厳しい戦いになる可能性は高い……」火炎放射器の準備をするホシノチーフ

ムラマツ「我々はボーダーや自衛隊と連携してプレイターの掃討並びに市民の救出をする!?」

後ろの後部座席では新たに用意された電磁レールガン改良型や銃火器を持った隊員達が準備完了の合図を鳴らし

カンフー「……コーホー…」

全身黒づくめ動甲冑(パワードスーツ)に漆黒の装甲板(ボディーアーマー)を身体の各所に装着し黒いドイツのシュタールヘルムに紅い丸眼鏡状にガスマスクに似た顔を覆う漆黒のマスクで顔全体を隠した存在が無言で1秒に100発の弾丸を速射可能な大型機関砲を持ち重モビルスーツは紅い丸眼鏡を怪しく光らせてサムズアップをする。

アラシ「剣持は大丈夫かな……てか確か今日ハカセの奴も東京に行ったって親御さんから聞いたな。」

今日は東京にいる事を黒野の義妹から聞いているが……危険な場所にいなければ良いが……イヤ。ハカセは剣持と違って普通に助かるのが厳しいかも……体力とか持久力が普通の人並みだから……

黒野「合流地点に来ている事を今は信じるしかない……少なくとも城戸司令が連絡した時点では無事だったらしいが……ハカセの事は安全な避難所にいてくれるのを祈るしかないな……」

黒野も仲間の安否を心配するも、どうする事も出来ない。

アラシは暫く窓の向こう側を眺めながら東京にいる剣持ハカセを心配する。

ムラマツ「敵は大型から小型まで数が多い……更に透明能力に隠密能力も高いらしい」

ロイド「こりゃあ、何時もと違う激戦になるな。グラサン。心の準備は出来てるか?」

グラサン「…何時でも……」

いつになく真剣な様子のグラサン隊員が、ロイド副隊長に返事を返す。

もう一方のマッハビーストでは

ハンサム「キム。ジーン。操縦は任せたよ。」

キム「任せて!?」

アイドル「私も白兵戦に参加しないといけないの?」

ジャック「人手が今は欲しいんだ。諦めて。」

ブラックランチャーを両手に持ちジャックは言う。

アイドル「……わかったわよ。」

ふてくされながらも覚悟を決めてブラックランチャーを持ち窓を見る。

2機のマッハビーストは曇天の空の中で作戦区域に入りその後をヒョーコリ・ドン・ガバも向かう。

一方剣持は……

【ーーーーッ!?】

路地裏からインセクトタワーの完成される様子を見た剣持達は『お化け屋敷』の面々達と合流する為に移動を決意して路地裏から近くの道路に出て直ぐに目の前迫った大型トラックが空を飛ぶプレイターに驚き剣持達を跳ねる事なくギリギリで回避されるも、そのまま他の自動車に激突して大破。フロントガラスから運転手がコト切れる様子を確認して歯痒い気持ちになるも、今は志岐さんを安全な場所に連れて行く意味も込めて合流地点を目指す。

本来なら自動車が通る筈の道路……だが現在はあちこちソルジャープレイター達の出現で混乱による衝突事故が相次いで発生して交通道路にはボロボロに大破し燃えている車達によって道路を塞ぐように密集している光景を見て簡単に通れないようになっている。

剣持はメールにある合流地点周辺の地図を確認し行動する。

(取り敢えず今はあの密集した場所を飛び越える必要は無いな。)

行動しながら行き先を車の密集地帯では無い反対の無事の車道を走る剣持と志岐。

【ーーーーッ!?】

「っ!?伏せて!!」

空から獲物を狙おうソルジャープレイターが両の鎌状の前脚を振り上げ急降下して来る奇襲攻撃を二人で道路に慌ててうつ伏せにして回避する。

剣持自身の超人的な身体能力なら激突した車達で通れない道や目の前に着地したソルジャープレイターなんかは大した問題じゃない。

志岐「剣持君……起き上がって良い?」

目を瞑っている状態の志岐は近くにいる剣持に聞く。

「あぁ。…心配するな……」

さっきの急降下してきた中型サイズのソルジャープレイターが背後に音と共に着地してうつ伏せから起き上がって来る志岐を狙うとわかった剣持は素早く両手首のウェブシューターを中型のプレイターの複眼に向かって刺さるように蜘蛛糸のウェブ・スプラッドを発射して、中型サイズのプレイターを目潰しする。

「「キシャッイイイィィィィ!?」」

狩りをする自分の複眼に前触れもなく蜘蛛糸が直撃して

視界を封じられて必死に視界を封じる蜘蛛糸を取ろう暴れるプレイターを他所に志岐を立ち上がり、剣持は手を引く。

「行くよ。心の準備は?」

志岐「……まだだけど…私は敢えて良いと答えるよ!?」

強く剣持の手を握り返して剣持の質問に目を閉じた志岐はそう答える。

「俺も本当はもう少し心の準備時間は欲しいけど時間無いから動くよ!?」

志岐「君といると本当にスリルには困らないよね!?」

「俺も最近そう感じてきたよ!?走るぞ!?」

皮肉も嫌味も文句も混ぜた発言を口にする志岐の手を引っ張って剣持は走る。ビルガメラーやバラキを始めこういう危ない事が増えて剣持は志岐の言葉に実感を覚える始末だ。

(中型サイズだとウェブでの拘束は可能だけど、量も時間も掛かる……しかもこのサイズは市街地のあちこちにいる……くっ…単純に手が足りない!?)

旺盛な食欲と共に空を飛び回るプレイター群れと逃げ惑う人々を襲う様子を見ながら剣持達は急いで走る。

【ーーーーッ!!】

瞬時にその場を急停止しする剣持達、急に足を止めるも

男「どけっ!?」

志岐「痛っ!?」

後ろから志岐や剣持にぶつかって迄も生き延びろうとする。

だが怪獣騒ぎの災害の中、人々は我先に周りの事を気にする事なく老若男女問わずに我先に逃げることは何も悪くない。

「っ!止まれ!?」

男「止まった喰い殺されるだろ!?」

「「………。」」

透明化した中型サイズのソルジャープレイター気配を完全に殺しビルの壁面から獲物が通るの待ち淡々と死神の鎌を振り下ろす。

男「ぐぎゃあ!?」

男の身体の真横にプレイターの透明な鎌の一閃が振り下ろされて、真っ赤な血と共に前後に斬り裂かれて死体に成り果てる。

人々の血に所々染まった透明化したソルジャープレイターが剣持達の前に現れる。

(姿を物理的に消して壁面から獲物が通る道を待ち伏せするなんて……何ていう隠密能力だ。)

カマキリは基本待ちの姿勢で獲物を狩る……だがプレイターは明らかに普通のカマキリとは違う生態に変わってしまっている。

必死な形相で走る人の中では大破して停車している車に身を潜める人もいるが足音と気配を殺した姿なき捕食者の複眼が身を潜めた人間に視線を向けて真上から襲いかかる。

身を潜めた人「ぎゃああああああああ!?」

カマキリが生きたままの生き物を捕まえて捕食する傾向がある。誰かが生きたままカマキリに貪られる音が聞こえてる中で

「失礼。」

志岐「きゃあ。」

血に滴る両鎌を素早く振るわれて道路標識やガードレールが破壊される一撃を剣持は志岐を素早くお姫様抱っこして身体を密着させてギリギリに靴が削れるもスライディングして中型プレイターの股下を通り抜けてプレイターの攻撃をくぐり抜ける。

志岐「/////うひゃっ、ねぇ?もしかして今の私って剣持君にお姫様抱っ/////」

「ごめん。少し集中させて」

お目めをぐるぐるして志岐の頬は真っ赤に染まるのも気にせずに剣持は逃げ惑う人達の後ろ姿を見ながら進む。

【ーーッ!?ーーッ!!ーーッ!!ーーッ!!】

次々と危険信号が絶えず頭に激しく鳴る中で姿無き無数の鎌が獲物である自分達を狙う。顔を仰け反らせ軽くジャンプして地形を瞬時に把握して細く不安定な足場すら必死に使い姿が見えない捕食者達の襲撃を掻い潜る剣持。

パルクールというスポーツ顔負けの動きをしないと無数のプレイター達に直ぐに追い付かれる。

女「いやぁぁぁああああああ誰か!助ぎべ!?」

1匹の中型プレイターが剣持の後ろを走っていたOLに向かって飛びかかり普通のカマキリより大きな口で丸飲みしよう飲み込もうとしたらもう1匹の中型プレイターが見えていた下半身に無理やり齧り付き引っ張り合い……やがて同時に喰い千切りOLの身体の中身が道路や車に撒き散らされる。彼女だけではないあちこちで人が襲われているのに今の自分では大した時間稼ぎも出来ない……

近くで中型プレイターの後脚に押さえつけられて潰れて死ぬ中年男性達を夢想は助けようと動くも

(バカっアイツらはもう死んでいる!!今は志岐の事を優先しろ!?)

(……くっ、)

目的を間違えるなよと夢想はベムに叱られ悔しい気持ちに耐えながら前に進む……目の前の車道には衝突して無理やり停止し燃え上がる車ばかりで、行き止まりかと考えるが、動かない自動車らの中に大型トラックの荷台のバンのサイドドアが開いていた為に咄嗟にその中に入る剣持達。

「ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ…ぜぇ……」

志岐「大丈夫?剣持君。」

バンの内側に軽く座り込み息を整える剣持に志岐は心配の言葉を掛ける。

「……ありがとう。志岐さん。」

志岐「……」

「……目を……開けて良いよ。」

剣持の言葉を聞き恐る恐る目を開ける志岐。

志岐「どういう状況?」

「命懸けの鬼ごっこの休憩の途中……少し息と足を休ませて……」

志岐「あっ、ゴメン。」

座り込む剣持の隣に座る志岐……良く剣持君を見ていると所々細かい怪我もしているようだ。

「大きいのに追われるのも充分恐怖だけどそれよりも小さいのが沢山追ってくるのも普通に面倒くさくて怖い……」

??「行かないと……」

「「っ!?」」

ふと聞こえた声に慌てて座り込んでいた剣持は直ぐに立ち上がり志岐を守るように立ち回る。

(待ってベム!?ゾークロン細菌の昆虫じゃないよ……人間だよ。)

血の臭いに眉間にしわを寄せながら剣持達はゆっくりと近づき確認する。

??「…助けに……助けに行かないと……」

眼鏡を掛けた歳はパッと見て大体20代前半だろうか…

俺達と同じようにこのバンの中に逃げ込んだは良いが軽くない怪我を幾つかしたらしい…

志岐「アワアワ~~」

苦手な年上の男性との遭遇に志岐さんの顔色は真っ青になる。剣持が怪我している男性に直ぐに駆け寄る。

「大丈夫ですか!?」

??「ぐっ、こんな事になるなんて……!」

??「あの時つまらない事で久美を責めなけりゃ……今頃一緒に居れたのに……!」

??「久美!何処に居るんだ……!?助けに行かなきゃ…!」

剣持は冷静に怪我の具合を見て

「その怪我では無理です!今はここに隠れた方がいい。その方がまだ安全だ!?」

??「なにを言っているんだ!久美は危険な外にいるんだぞ!もし隠れている間に怪物に襲われてたら……!」

「でも!?」

??「俺の事は放っておいてくれ!」

「「キシャッィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイっ!?」」

何処からともなく巨大な昆虫の甲高い金切り声とも咆哮とも聞こえる声が市街地に響き渡り剣持と志岐は両耳を塞ぐ。そしてそうこうしている内に眼鏡を掛けた年上の男性は怪我をしたまま内側から開いていたリアドアから外へ出た。

「あっ、」

彼の背後から中型プレイターが着地して巨大な口を開くも、

「「……!?」」

突然口を閉じて前脚で男性をその場で捕まえて高く飛翔する。

(捕食しないのか!?どうして……)

(さっきの鳴き声と関係あるのか?)

荷台の隙間から周りのプレイターらの様子を見ると直接捕食する個体と何処かに連れて行く個体に分かれていく。

するとプレイターの視線が俺の姿を捉えて透明能力で姿を消して

「不味い……」

【ーーーーッ!?】

近くにいた小夜子を連れて奥のリアドアの向こう側に向かう途中に金属のアルミ製のバンに向かって姿無き鎌状の前脚が振り下ろされ先に小夜子を走らせたがその間に見えない鎌によって二人は分断される。

無表情ではなく真剣な表情で剣持は見えない相手の気配を読む。

「俺は大丈夫だ!?小夜子。振り向かずに走れ!?」

志岐「この状況で私一人にして無事に助かると思っているの!?」間髪入れずに帰ってきた返事に剣持はいたずらっ子の笑みを浮かべて

「それもそうだ!?」

戦闘員でもないのだから一人に行動させても無事に済む保障はない。

自分達を狙おうとするプレイターだが、最初の攻撃に振るった前脚が深々と振り下した為に何かに引っ掛かり抜けないようだ。

だがもう片方の前脚は無事の為にそっちを器用に振り下ろし剣持と志岐を執拗に狙う。

【ーーーーッ!!】

剣持は素早く左に右に動き振り下ろされる前脚をギリギリで回避する。

志岐「剣持くぅ!!ヒィッ!」

志岐は自分の目前に鎌が振り下ろされて更にさっきいた位置からギリギリ近い場所も振り下ろされた前脚がアルミ製のバンを切り刻む。隙間が増えてだんだん回避が厳しくなる。

志岐「どうしよう!?このままじゃ……」

「戦う!?」

不屈の闘志と強い意志を込めた瞳は姿無き捕食者を見て

引っ掛かって抜けない鎌状の前脚の繋ぎ目の関節に当たる場所を見抜いて勢いを付けてリュックからバールを出して持ち前脚部分の部位を狙い。バールを突き刺して

「「キシャアィィイイイイイ」」

突然の攻撃に中型プレイターは悲鳴を上げて

「ガタガタ叫ぶな!?豚も牛も狼に只食われているんじゃない!!精一杯の抵抗もするさ!?」

原作デビルマンのような狂暴な闘争本能丸出しの目と顔付きで、バールに使ってプレイターの前脚の関節をぐちゃぐちゃにして反対側から一気に力を込めて前脚をへし折りそのまま力の限り引き千切る。

「「!!!!!?」」

千切られて自由になったが、痛みに透明能力が解けてしまいその隙を剣持は逃さずレッドマンの身体能力をフルに使い

「忘れ物だ!?」

手に入れた大きな鎌状の前脚を両腕で一気に引き抜き、高く跳躍して中型プレイターを頭から股先まで唐竹割りで一刀両断する。

【ーーーーッ!!】

「埒があかない!?行くぞ!志岐!?」

志岐「うん!?」

危機の一つを脱したが小型や他の中型がバンに集まって来た為剣持は素早くバールをリュックにしまい小夜子の手を繋ぎ一緒に外へ出る。

志岐「バールなんて持ち歩いているの!?映画館で映画を観るのに!?」

「でも、まっ役に立ったから良いだろ!?」

トラックの真上に小型プレイターが数匹乗っかるも、中型プレイターの死骸を見て死骸にした剣持を警戒する様子だ。

(一匹ずつ仕留めても意味がない……この状況化で今優先すべきは……)

城戸司令が教えてくれた合流ポイントに向かう事……

燃える自動車達の炎に気を付けながら二人は走る。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

極東科学研究所のヘリポートに無数のボーダーの専用ヘリが着陸してヘリの中から無数のボーダー隊員達が姿を現して煙が無数に上がる市街地を見る。

小南「2,3メートルのお化けカマキリ達がうじゃうじゃいるわね。」

烏丸「先輩。あのカマキリはエイリアンの親戚です。だから身体を傷つけたら強力な酸の体液が飛び散るのでトリオン体でも無傷では済みませんよ。」

小南「えっ!?そんなのと攻撃手達はどう戦えば良いのよ!?」

自慢の接近戦闘をしようにも迂闊に近付けないなら遠距離戦術が可能な烏丸や木崎ら銃手や二宮や出水と言った射手らが攻撃の主軸にと真面目に思考している小南。

小南「なら私達のような攻撃手は銃手は射手達を守りつつ敵を引き付ける役割をした方が良いのね?」

烏丸「嘘です。」

小南「え?」

烏丸「お化けカマキリの体液は物やトリオン体を溶かす事はありません。もしそれが可能なら2日前三門市でレッドマンに首が斬られて巨大なカマキリの頭部の周りの

建物や道路が溶けてる筈ですから。」

小南は無言で東隊と柿崎隊の方に視線を向けて何人か気まずい顔をしつつ首を縦に振り小南は視線を烏丸に向けて無言でゆっくりと身体を震わせて叫ぶ。

「騙したわね!?」

身体「すいません。緊張の張り詰めた糸をほぐしたかったんです。」

出水「ま~たやってるよ。」

少し離れた所から隊長達が集まり改めて現状の説明をする。

柿崎「『お化け屋敷』からの報告によると、東京全体に出現したお化けカマキリ改めてプレイターは大型が東京タワーを巣に作り替えた後、市街地各地に散らばった小型、中型は全て東京タワーと東京スカイツリーに周辺に集まっている様子だ。」

東「俺達はスカイツリーの周りにいるプレイター達を殲滅しつつ市民の救出に事あたる。」

荒船「各部隊の狙撃手達は乗ったヘリ達の燃料が満タンにしたらヘリに搭乗して空からプレイター共を狙撃する。」

穂苅「了解。」

来馬「太一。僕らは大丈夫だから気を付けてね。」

人の優しい仏の化身のような鈴鳴第一の隊長が部下に心配の声を掛ける。

村上「太一。悪いが任せるぞ。」

別役「任せてください!!村上先輩こそ隊長をお願いしますよ。」

村上「任せろ。」

 

弓場「トノ。迅の予知の事もある…気を付けろよ。」

外岡「隊長こそ。」

帯島「弓場隊長は自分がカバーしますッス!」

 

三輪「奈良坂、古寺。お前達は他の狙撃手のカバーを頼む。」

奈良坂、古寺「了解。」

米屋「こっちはこっちで暴れてくるからそっちもそっちでドシドシ射ってくれ。」

奈良坂「陽介。はしゃぎ過ぎて怪我するなよ。」

古寺「頼みますよ。」

米屋「わかってるよ。」

 

東「指定の作戦区域まで最短ルートは……」

ヘリの内部では各自部隊が向かうルートを話し合う。

小南「お化け屋敷の人達は?」

木崎「東京タワーにいる大型達の相手とタワーの侵入をする地上部隊の輸送をしているらしい……」

タワーには嵐山隊達がいるが、市民達を連れて外に脱出した報告はボーダーは貰っていない。

二宮「……時間が経過する度に市民の犠牲が増える。辻、犬飼急ぐぞ。」

辻、犬飼「了解。」

影浦「絵馬。大丈夫か?」

絵馬「俺は大丈夫だからゾエさんのフォローをお願い。」

北添「あれぇ!?何か心配するの逆じゃない。」

 

生駒「隠岐。何か変なの見つけたら報告しろよ。」

隠岐「任せて下さい。」

水上「隊長?変なのって具体的何ですか?」

南沢「教えて下さいよ!?」

生駒「変なのは変なのや。」

 

風間「行くぞ。」

ボーダー達は目的地を目指し各自移動を開始……それに伴い『お化け屋敷』らも空を飛び交うプレイターがいる作戦区域に到着して戦闘を開始する。

 

また、剣持と志岐も合流地点を目指して市街地を移動する。

バンのトラックの外を出て先を進むと何やら捕食しているプレイター後ろ姿を見掛ける剣持と志岐。

志岐「「っ!!?」っん!!」

食われている物は最早原形を留めてなく肉塊と化してその様子を見た志岐は悲鳴の声を挙げそうになるも、咄嗟に剣持は志岐の口を塞ぎしゃがみ姿勢から気配を殺し…

志岐を連れてしゃがみ移動する。

(カマキリは頭が180度回転可能だったな。……注意を引かないと……)

「うん。」

剣持は近くに落ちていた空き缶を近くのゴミ箱に向かって投擲。箱に缶が入った物音にプレイターは頭を動かして音のなった方向を見る。

【……………………………………………………】

(今だ……)

暫く見ている方向と逆の方向に剣持と志岐は動くタイミングと見てしゃがみ移動してやり過ごし先を進む。

昆虫怪獣の出現に大規模な玉突き事故現場が剣持達の行く先を塞ぐ燃える自動車達を眺めながら剣持はまだ燃えていない自動車を見付ける。

(どうする?本来の身体能力を使って突破するか……それとも違う道を探すか……)

何気なく振り替えると他の中型サイズや小型達が剣持が真っ二つにしたプレイターの死骸に群がり貪り喰っている様子を見る

「何とまぁ、食欲旺盛な事だな……」

皮肉にもならない言葉と共に他の道を探す為に引き返す選択肢を直ぐに捨てる剣持。あの獲物を強力な顎で食い殺して食べる捕食者らの様子の中を突破するのは、俺一人なら問題ないが…志岐さんは絶対に助からない……

そうこう考えていると志岐は剣持の袖をクイっと引っ張り

「どうした?」

志岐は視線と指を差す。その先を見ると綱渡りの要領で爆発していないタンクローリーのルーフ(車の屋根)を渡り移動している市民達がいる。

「……どのみち進むしかない。」

どう見てもまともな道ではないが先に進めるのは、確かなんだ。直ぐ下に燃える車らあり何時でも引火爆発する危険が蔓延るが……危険でも行くしかない。

「……まるでSASUKEだ。」

志岐「……。」

至ってジョークにもならないジョークを言う剣持に無言でジト目になる志岐。

「……すいません。」

志岐「うん。謝れて偉いよ。」( *´д)/(´д`、)

「……怖くても良いから進もう……」

その一言を自分達に言い終えると同時に剣持は走り出す。昆虫怪獣達の騒ぎによって会社の突出看板、または袖看板と呼ばれる看板が乗り手のいた乗用車の上に落ちておりソレを足場にして乗用車の屋根(ルーフ)に乗り移り、タンクローリーの真上を綱渡りの要領で渡る剣持。

「ついてこれそうか?志岐さん……」

後ろにいる志岐に意識を向けながら剣持は先に進んでいると

【ーーーーッ!?】

空を飛ぶ中型プレイターは空中から急降下して獲物を喰らおうと襲撃してくる。

(ベム!)

「ちっ、」

咄嗟にその場をしゃがんでやり過ごして相手が通り過ぎてから起き上がり、背後にいる志岐の方を見てみると…

志岐「剣持君~~~~」

全身を震わせ産まれたばかりの小鹿のように足をプルプルさせた真っ青な表情の小夜子がスタート地点にスタンバイしていた。涙目と涙声のおまけ付き。

【……………………………………………………】

「うん。しってた。」

数分後……

来た道を戻り小夜子をおんぶした剣持は、巨大な口を開いた中型プレイターの空中からの噛み付き攻撃をスライディングして回避して無事に通過した剣持は志岐さんを下ろして。

志岐「ごめんなさい……。」中型プレイターの姿で恐怖を覚えて涙を流す小夜子。彼女は自分が足を引っ張った事に負い目を感じ謝罪の言葉を言う。

「否、普通にこっちも見通しが甘く見すぎた……」

日々、命のやり取りで望む望まず死線を超えていたから忘れていたが、普通の人ならパニックになってもおかしくない。出来る限りの平常心を保っていても、人を喰らう昆虫達がいるこの状況で平気な方がおかしいんだ。

俺が彼女を守らないといけないんだ。他の誰でもない俺が……

「……進もう。」

出来るだけ優しく言い彼女の手を繋ぎ一緒に走る剣持と志岐。

合流地点を二人は目指していると目の前の車道に空中から着地する中型サイズのプレイター。

プレイターは獲物である剣持達の姿を見ては、巨大な鎌状の前脚を振り上げ二人に襲いかかる。

志岐「後ろにも!?」

【ーーーーッ!?】

(挟まれた!)

後ろから滑空して此方に向かってくる個体の姿も確認して……

(防ぐのはこの身体では無理だ!?どう回避する!?)

焦りを隠さない剣持と志岐は周囲を見回して、逃げ道を探す。そして小夜子は見付ける。【五つ星百貨店】と書いてある建物に気付き

志岐「っ!?あの百貨店に逃げ込もう!?」

「わかった!?」

リュックからバールとは別の物を取り出して彼女の手を掴んでその場から走る。自分達の後ろでは鎌状の前脚を振るう個体に滑空する個体が激突し二匹のカマキリが餌の同じ人間を奪い合う為、同族同士殺し合いを展開する中……

百貨店のガラスが雨のように降り注ぐ。

志岐「うわっ!?やっぱり無理!!」

「大丈夫っ!!行ける!」

剣持はリュックから出した折り畳んだ物の紐を解き広げて志岐と自分の全身を覆い被せて突き進む。

志岐「防炎シート!」

「まさか?ヴァルジオンの防御用マントだよ。」

レッドマンの生体エネルギーをマントの布地に込め走らせると、マントの布地が金属の如く硬くなり、ガラスを通さない。

二人は【五つ星百貨店】内部にギリギリのタイミングでダイナミックに入店する。

二人は頭に被っていたマントを取りガラスを払いのけて

志岐「それも今日のお出掛けにいる物だったの?」

「あったからガラスを気にせずに歩けただろ?」

志岐「そうだけど……」

「通り魔が持つ金属バットは勿論。釘バットや包丁とかナイフとかスタンガンとかは通さない……」

志岐「……殺伐過ぎるよ。剣持君のお出掛けイメージが!!」

「……でも助かっただろ。」

志岐「うん。」

「なら持ってきて良かった。」

お出掛け相手に色々と言われても、相手の身の安全を最優先を考えて行動するのが一番大事だ。

(志岐さんは那須隊……ひいてはボーダーに必要な人何だから……)

命の優先順位は考えて行かないと……

剣持はヴァルジォンのマントを折り畳み紐で結びリュックにしまう。

志岐「所で剣持君?」

「何だ?」

志岐「そのマント何処で手に入れたの?」

「前に円盤でボーダーと一緒に捕まった際に内部であちこち逃げまくった時に拾ったんだ。」

志岐「…………盗んだの?」

剣持君なら敵を倒す為なら相手の装備や部位すら利用すると何故だが簡単に想像出来た。思いの他この人は武器の扱いが優しくない気がする……

 

「……そうとも言う。」

無言にジトッ目にした剣持を見る志岐。彼女は特に何も言わず……只複雑な心境をジトッした視線を向けるだけだった。

その時、目の前から危険な外へ向けて走っていく女性を剣持と志岐は慌てて左右から腕を捕まえて止める。

「ちょっと待って!外はお化けカマキリまみれですよ」

志岐「そうですよ!外は危ないですよ!」

??「直紀は外にいるの!探しに行かないと……!!」

ピンク色のパーカーを着た女性は凄く焦った表情で危険な外に出ようとする。

 

志岐「……!?あなたが久実さん?」

「あっ、」

剣持は目の前の女性の口から出た名前を聞いて偶然にもここに来る前にトラックのバンの中にいた眼鏡をかけた男性の姿が脳裏を過る。

??「えっ?どうして私の名前を……?」

女性……久実さんは会った事のない赤の他人に名前を言い当てられて驚いた様子だ。

「ほら剣持君。さっき赤い服の男の人が久実さんっていう人を探して…」

志岐「な…直紀に会ったんですか!」

「…はい。………直紀さんは、酷い怪我を負っていながら、あなたを探していました。」

「バカ…!怪我してるのに……!?……助けに行かなきゃ……!」

彼女は夢想から聞いた状況を知り直ぐに外へ出てしまう。

志岐「あっ!?待って!私達も!」

外は1人だと危険だから同行を申し出ようとするも、出入り口に【五つ星百貨店】の看板が落ちて来て出入り口を塞ぐ。

志岐「…久実さん……」

看板のせいで出入り口の向こうの景色の様子がわからない。

「…………久実さんと直紀さんも心配なのは俺も分かるけど……」

中型プレイターに連れ拐われた直紀さん。安全な場所に彼は恐らくいない……久実さんは、この騒ぎの中で何処にいるかもわからない直紀さんを探すのか……

志岐「……わかってる……久実さん達もそうだけど私達も何とか別の出入り口を探して合流場所に急ごうよ……」

現在の東京は限定的に東京タワーと東京スカイツリーの周辺を通行止めにして市民の侵入を防いでいるのと避難を進めているご様子だ。

「ゴメン。俺が彼女に直紀さんがお化けカマキリに連れ拐われた事を話せば……」

志岐「……それでも、きっと久実さんは探すよ……だってこんな状況で自分の事より相手の人の心配をするってそれだけその人の事が大好きって言うもんだもん。」

百貨店内部を歩きながら出入り口を一緒に探す志岐と剣持は途中出会った二人の男女について話す。

「そういう物なのか?」

志岐「……剣持君は多分もうわかっている事だと思うよ。」

辺りを見回して探しながら志岐は答える。

「……そういう物か……」

これまでの戦いを軽く振り返りながら剣持はそう短く答える。志岐さんの言うとおり、"心当たり"ばかりだ……

志岐「そういう物なんだよ……」

「でも俺からしたら大切な人程安全な場所に居て欲しいと常に願っているよ。……これがまた凄く難しいけどね。」

志岐「知ってるよ。今日観た映画でも地球人の女の子が宇宙人の男の子の約束を破って助けに来てくれてピンチをチャンスにしたパターンもあるしね。」

手首のウェブシューターを一旦外してしまい二人で他の出入り口探す為に聞き込みをする。

テンパっている男「どどどどどうしたら良いんだろう……」

興奮している女性「だから今日はやめましょうっていったのに!」

憤慨している女性「何よ!私のせいだっていうの!?あなただって乗り気だったクセに!」

仰向けに倒れ込む男「ぜぇ……ぜぇ……な、何だよ!何だったんだあのデカいカマキリは……」

肩で息する男「はぁ…はぁ……俺が知るかよ!!」

家に帰りたがっている女の子「もういや……家に帰りたいよ……」

踞る男「もう嫌だ……誰か助けて……」

なじる女「あなたが映画を見ようとか言い出したせいで、私までこんな目に!ほんと愚図!意気地なし!」

百貨店内の其処らかしこに例のカマキリから命からがら逃げてきた人達も見る。中にはこんな状況になった不毛な責任の押し付け合いしている女性達の姿も見える。

困惑している男性「おいおい!救助は来ないのか?見捨てられているのか?」

エスカレーター近くのサービスカウンターの座り込む女性の姿も見える。念のため聞き込みをする二人。

座り込む女「足を怪我してしまって…ここは安全でしょうか?」

「どうでしょうか?僕らは別の場所に向かう途中ですから。」

志岐「立てますか?」

座り込む女「あっ、此処に来た時に親切な大学教授の人が応急処置をしてくれて……少し休めば問題無いって言ってたから大丈夫です。」

心配そうにする志岐を安心させるように女性は自分を手当てした人の事を剣持達に教える

「大学教授?医者じゃなくて?」

座り込む女「もしあなた方も怪我をしているのなら、教授に会いに行って診てもらった方が良いですよ。その教授さんは二階のフロアで怪我している人がいるからエスカレーターで二階へ上がりました。」

「わかりました。」

不安げな女性「誰でもいい……はやく助けに来て……」

怪しい男「……おかしい……僕は運が良い筈だ。良い筈なんだ……せっかく此処まで逃げられたのに……」

一階のフロアマップを眺めて現在位置を確認する剣持達………マップの地図情報を頭に叩き込みながら百貨店内の壁や通路に柱や床と言った物を忙しなく剣持は見て回る。

志岐「さっきから何を見て回っているの?」

「うん?あぁ………少しでも生存率を上げる為に…この百貨店にあのお化けカマキリがどう侵入するか逃げ道は何処かさっきの地図に写るフロア構造もあくまでも日常の買い物に使う物だからいざカマキリが現れて逃げた先が通れない行き止まりだったら不味いから現地の確認だよ………見た所、カマキリ達は積極的に建造物の中にいる人間よりも外にいる人間を率先して襲っているようだ……」

二人で一階を粗方調べ終えて百貨店内の吹き抜け構造を見上げる二人。

志岐「エスカレーターもこの騒ぎでは止まっているみたいだね。」

「……この辺りに他の出入り口は無いみたいだし……上の階層にある通路が通れるか見に行こう。」

悩んでいる男「隣のビルに避難するか……!否、此処の方が安全だろうか……」

「っ!?」

剣持達はエスカレーターをかけあがり二階のフロアに到着すると間もなく百貨店全体が激しく揺れている。

志岐「地震!?」

揺れる百貨店に驚き慌てて近くの手摺にしがみつく志岐。

「否、カマキリ達が百貨店にの天井を壊そうと前脚の鎌を振るって建物が揺れているんだ。」

悩んでいる女「何なの!ああ、どうしよう。此処から離れた方がいいのかな……」

様子を見つめる男「この百貨店に隠れて居れば安全だと思うが…」

二階フロアの手摺近く二人の男女が状況把握につとめて

様子を見ている様子だ。

 

窓の方に行って見ると、

空を飛ぶお化けカマキリ達を眺める男「なんだ、この光景は……まるで地獄だ……」

写真を取る女「凄い、本当に人を餌にしてる!」

SNSに投稿する男「さっき撮った写真、凄い反響だな……今日は一体何が起きているんだか……」

座り込む男「ここも危ないかもな、俺は少し休んだら隣の方に逃げ込むつもりだ。」

男は隣へ続いている通路に視線を向ける。剣持は向こうの通路を調べるとシャッターが完全に下がっていないのは途中でシャッターが馬鹿になっているからだ。

(これならしゃがんで通れそうだ……)

 

志岐と辺りを調べて見ると一階でサービスカウンターで座り込んでいた女性が言っていた大学教授らしき人を見つける。その教授は黄色いスカーフを首に巻いてゴーグルを頭につけたパッと見て30代後半の男性だ。服装は定番な大学教授が着るスーツ姿……だがその雰囲気は普通の大学教授達が余り持たない危険な場所をくぐり抜けた戦士の気配があった。

 

??「応急処置は行ったが……今はここで休んでいた方がいい」

怪我を負った若い女性「痛っ……は、はい ありがとうございます……」

心配そうに見守る若い女性「ああ良かった……お医者さんが通りかかってくれるなんて……」

??「否、俺は考古学を専門大学教授……まぁ、普通の大学教授達よりフィールドワークが多いんだけど……うん?」

「あっ、」

教授達に視線を向けていると、教授呼ばれる人も視線を感じて目が合う。

??「怪我しているのか?手当てしてやる。」

教授は剣持の手首に視線を向けながら言う。

「あ、大丈夫です!これくらい掠り傷ですって!」

中型プレイターの急降下から志岐さんと一緒に窓ガラスを割った際に怪我した所を押さえる。

志岐さんは剣持の後ろに隠れて様子を伺っている。

??「良いから……右手首…圧迫止血してるみたいだが……腕に悪いぞ。」

 

結論だけ答えると……僕も教授さんに応急処置をして貰った……

??「これでよし!どうだ?」

「あ、大分楽です。助かりました……。」

剣持は驚いた……考古学が専門の大学教授にしては処置の手際が良いのだ……

「あの、つかぬことをお尋ねしますが、大学教授さんはご家族に医者か病院関係者でもいるんですか?」

??「ははは。良く大学でも講義に来る大学生や教授達にも聞かれるんです。でも実際は得意のフィールドワークで生傷が絶えないから自然と自分で応急処置を覚えてそれらの知識を覚えて使っているだ。」

??「それに俺の父親は理学博士で俺の考古学関連は俺が大学でお世話になった恩師の人に憧れたからだ。」

「そうだったのですか。」

??「私は野村タケル。世界各地の遺跡発掘とか冒険と探検を求める気高いトレジャーハンター。」

「僕は…「見回って来たでござる……」っ!?」

剣持が名前を名乗ろうとしたら一階から特徴な語尾と共に水色のカジュアルな服装を着た青年がエスカレーターを使わずに2階をひとっ跳びで着地する。

無意識に剣持は警戒する。

野村「心配するな。彼はツナミ丸。日本各地にある物を収集している風来坊さ。」

ツナミ「宜しくでござる。」

「この人、声が大きいですね?」

野村「……俺も少しそう思う。」

ツナミ「??」

(……夢想。コイツら……)

(うん。この人達……普通の人とは違う。)

パッと見て特に変わった物はない……だが二人の雰囲気は三門市にいるあのピジョンマンや超空忍者シゲハル達に似た雰囲気が……

「あの、僕達……その外に出たいんですけど、来た出入り口は看板が落ちて通れなくなったんです。」

雰囲気は気になるも先に進む為に何か情報を貰うと二人に本題の話をするとツナミ丸さんと野村教授は互いに顔を見合せてシャッターが閉じかかっていない通路を指を指す。

野村「あの通路を通ってエスカレーターを下れば出入り可能な筈だ。」

「本当ですか!?」

野村「だが外は見ての通り危険だ。それでも行くのか?」

「……それでも行く必要があるんです!」

野村「わかった。気を付けろよ。ツナミ丸か俺が付いていってやりたいが……見て通り全員逃げるにはまだ少し時間が掛かる。」

ツナミ「拙者達はこの店にいる人達を全員まとめてから外へ出るつもりでござる。」

「そうですか。では二人も気を付けて下さい。」

野村「お前もな。ところで後ろの女の子はさっきから黙っているけど大丈夫か?」

志岐「……。」

「彼女は年上の男性が苦手なんです。」

野村「そういう事か……しっかり彼女を守ってやれよ。」

「はい。」

気持ち良く返事を返す剣持に笑みを見せる野村とツナミ丸。

ツナミ「ご武運を……」

「あなた方も……」

剣持と志岐ら彼らと別れて移動する……

(何か気になる人達だった……)

二人とも服装は普通なのに普通ではない雰囲気……でも敵意や害意や悪意はなかった……今回の出来事で剣持の記憶に残る程の気になる二人組だった……後に再び彼らと出会うとはこの時の剣持は知るよしもない。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

出入り口が無事の隣の通路に繋がるシャッターを二人でくぐり抜けようすると

【ーーーーッ!?】

瞬間的に感じた危険を知らせる超感覚に反応して剣持はスライディング移動でシャッターを通り抜ける。

志岐「剣持君?どうしたの?」

次の瞬間、空を飛んでいた中型サイズのプレイターが通路にいる二人を見つけての空中からの体当たりで通路の天井部分を破壊して、更にさっきまでいた百貨店のフロアにも中型プレイターが天井を破壊して出現する。

「ツナミ丸さん。野村教授!!」

野村「俺達の事は良いからお前らは先に行け!?」

振り向くより先に向こうにいる教授達からの声を貰い。

「くっ、小夜子さん。とにかく走るぞ。」

志岐「うん!走りますよ!」

通路の天井部分を壊した個体は直接襲ってこない。その隙に剣持と志岐は必死に走りながら長い通路を走り抜けて隣のフロアに到達して近くで息切れる志岐さんを再びお姫様抱っこして止まったエスカレーターを下ろうと走っていると、

【ーーーーッ!?】

真上から危険を探知して激しく百貨店が揺れる。そして

壁を破壊して中型サイズのプレイターが百貨店内部に入ってきて両の鎌状の前脚を壁に突き刺して四肢を貼り付いた状態で剣持達と視線が合う。

「わぁー目が合っちまった……」

志岐「…私もだよ……」

皮肉に呟いてプレイターから目を離して移動する。プレイターは口を大きく開き突き刺した両の鎌状の前脚を引き抜きながら、剣持達に狙いを定める。

「…これはヤバい…………」

志岐「うん。」

急ぎ志岐さんを抱き抱えてエスカレーターを降りようと走るがそれより早く移動する小さな二匹の獲物に捕食者は跳び掛かる。

志岐「剣持君!?」

「わかっている!!」

【ーーーーッ!?】

後ろから確実に来る死の気配に反応してギリギリエスカレーターから降りる剣持。鋭い鎌状の前脚がエスカレーターを横一文字に破壊して一階に降り立つ中型プレイター。奇襲が失敗しても姿を透明化させて一気に二人まとめて食らおうと突撃する。

志岐「姿が……」

「大丈夫!奴が何処にいるかわかる!」

???「……水遁 雨降らし……」

すると食らう為に突撃しようと動いたプレイターに巨大な雨がプレイターの頭に降り掛かる。突然の百貨店内に降り出す雨にプレイターは驚き動きを止める。突然降る雨によって透明化したプレイターの姿が形作られる。

「な、何だ?」

火災対策のスプリンクラーの誤作動か?

あやかし忍者 つなみ「秘剣・水影斬……」

二階の通路から何かが走る音が聞こえ小さく聞こえた声と共に何かの影が落ちてきて一階にいる中型プレイターの両腕を両断、一階に着地し剣持達を守るように構えると同時にプレイターの切断面から青い血が噴出して、痛みでのたうち回り暴れるプレイターを他所に

「鳥人!?」

志岐「ととととと、鳥人間!?」

二階から突然現れた鳥の顔をした忍者の格好をした存在に驚きを隠せない二人

つなみ「逃げろ!?」

鳥の被り物かそれとも被り物ではないのかその違いすらわからないが危険な気配は感じない。鳥の異形の忍者は

腰から抜いた忍者刀を両手で持ち両腕のないプレイターに向かって行く。

「何だか知らないけどありがとう!」

助けてくれた存在に礼の言葉を言い剣持達は百貨店を後にする。

つなみ「……サファリ。そっちはどうでござる?」

さっきまで野村教授がいたフロアにいた場所に一つのブーメランが侵入した中型プレイターの身体を細かく切り刻み各部に切り口を作っては長いカミソリ状の刃が付いた鞭が床を打ち中型プレイターの首に巻き付き、あっさりとプレイターの身体を引き千切った……

冒険王子サファリ《問題ない……片付けた……》

一つのブーメランが持ち主の片手に戻り、ゴーグルを装備して黄色い布で口元を隠し旧日本軍の飛行帽又はフライトキャップで頭部を覆う男が答えた。

冒険王子サファリ《予定より早いが此処も安全ではない。避難してきた連中をまとめてこの五つ星百貨店を離れるぞ。》

つなみ「心得た!」

痛みに耐えながら大きな口を開いて闘争本能のまま暴れる中型プレイターに一筋の刃が身体を通り過ぎ忍者刀で一刀両断してあやかし忍者つなみが動く……

 

サファリ《やれやれ。こんな騒ぎに巻き込まれるならやっぱり地元の三門市の大学で普通に講義しとけば良かった……》

天井から次々と百貨店内に侵入してくるプレイターの群れを見て黄昏る冒険王子サファリ。

「「キシャッィィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイ」」

サファリ《エレファントプレスーーーー!!!?》

次々迫り飛来するお化けカマキリ達に、サファリはアクロバットに動きで攻撃用の特殊素材のカミソリ状の鞭『レイザー・ウィップ』を振るいプレイター達の身体を鞭が捉え次々と刃で切断しバラバラにしてサファリの服装がお化けカマキリの青い返り血まみれになる。

サファリはバラバラになったカマキリの死骸らに着地しカマキリの体液まみれの自分の服装を見て………

サファリ「……東京に来るんじゃなかった…」

立ち止まって軽く頭に片手てを乗せて唸るサファリの隙に透明化した複数カマキリが音を殺してサファリに迫るも、

サファリ「……。」

サファリは右腕のみ一振りで振るうと避難した人達以外の透明化したカマキリを全て切り刻みバラバラにする。

水飛沫のように青い体液が百貨店内を染まる。

サファリ「ヒーローをナメるなよ!?ジャングルの探索者、冒険王子サファリ登場!」

つなみ《ここにジャングルは無いでござるよ。》

サファリ「……コンクリートジャングルって意味だよ。大都会もある意味ジャングルと変わらないから……」

つなみ《そういう事か!?》

サファリ(彼って少し天然なんだな……)

 

日本の東京が昆虫怪獣による騒ぎが起きている中、アメリカに空軍基地周辺に謎の黒いサングラスに黒いスーツを着た怪しい連中が、厳重な装備をして見張る兵士がいる警備と警備対象の金属製の巨大な箱を隠れながら見る

???「◎☆●○★☆■◎□◆◆◎★……」

???「◎■□★◆△▽◇●▲□☆◎……」

彼ら人間では聞き取れない言葉を発し会話する。黒いスーツ達……ゾークロンの手下達が何やら何処かに連絡する……懐から緑色の流線形の奇妙な銃を取り出し行動を開始する。彼らの目的は箱とその中身……サイバーコンガー。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【五つ星百貨店】を後にした剣持と志岐は混乱する市街地を走る中、合流地点を目指していた。だがその行く手を阻むかのように曇天の空から中型プレイターと小型プレイター達が飛来して直ぐ近くに着地する。脅威が目の前に現れても剣持達は進むしかない。

志岐「モテモテだね!?」

「こんなモテモテは嫌だよ!軽く集団恐怖症になるわ!?」

【ーーーーッ!?】

「また現れた!」

近くにいた避難民が生きたまま頭から丸呑みされて捕食され更に後ろから自分達を狙うプレイターとは別の個体が着地して前後挟まれる状態になるも、

「「キシャッイイイイイイ」」

「「キシャッィィィィィイイイイイイ」」

獲物の取り合いで互いに傷つけ殺し合う。青い血が降る二匹の真下を走り別の車線に出る剣持達。

志岐「仲間同士殺し合ってる!」

「自分の腹を満たす為なら兄弟姉妹の餌すら奪うとは、大した家族愛だこと!!」

振り向きながら答える二人に突然の雨が降り注ぎ東京の市街地をそこにいる人々を濡らす。

「この匂い……」

志岐「どうしたの?」

走りながら突然の通り雨に濡れる中、雨に混じった"物"にベムは違和感を覚え曇り空を見上げる。

(!何だこの違和感は……感覚をもっと集中しろ!意識しろ!?)

雲の流れに妙な違和感を覚え集中力を上げるベム。すると透明化した円盤ハリケーンボールが雨を降らしているのを気付く。

「ちっ、そういう事かよ!」

志岐「どういう事!!」

「カマキリ達が積極的にこの周辺に人を襲い食らう理由がわかったんだ!?雨だ!?」

志岐「ええ!?雨って?」

「あぁ。雨だ。この不規則に降る通り雨に怪獣達の食欲を旺盛させる調味料が混入してあるんだ。光学迷彩で姿を隠しているが戦闘円盤の存在もある!」

志岐「それ本当!!」

「無駄に市民達に被害を拡大させようと暗躍してる奴がいる!怪獣達をより暴れさせる為に……」

何時もの普通の怪獣災害ではない……暗躍している何者かが何かを目的に昆虫怪獣達を利用したんだ。

 

「もう直ぐ合流地点だ!」

志岐「うん。剣持君!?」

「「キシャッィィィィィイイイイイイ」」

【…………………………………………………………】

その時、透明化した一匹の3メートルサイズのプレイターが昆虫の羽を広げ、剣持達にすれ違いように両腕の鎌状の前脚を使い剣持と一緒に走る志岐を捕まえ…

志岐「…………へっ」

「っ!?」

この時、酷く周りの逃げる人々も景色も燃える炎も全てがゆっくりと時間が進んでいると感じて……剣持が急いで振り向いた時には、彼女は姿無き存在に捕まり宙高くに浮いていた。

「小夜子!?」

急ぎ彼女を追う為に走り勢いをつけて高く跳ぶ剣持、

志岐「夢想っ!?」

「「!!!?」」

「届けえええええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!」

彼女の……必死に自分に手を伸ばす小夜子の手を掴もうと剣持は必死に空中で手を伸ばすも、

その手が彼女の手を掴む前にプレイターは気付き高度を上げ、遂にその手が掴まれる事はなかった……

志岐「っ!?」

「っ!?」

(どうする!?お化けカマキリを仕留めるか?駄目だ。この高さで仕留めても志岐さんを掴んで着地するには、足場が燃え上がる自動車達だ。彼女を掴んでも俺の着地の衝撃でガソリンが引火爆発して志岐さんが炎に飲み込まれないとは限らない!でも……ウェブシューターを装備する暇もない。どうする!?)

せめて左右の手首のどちらかにウェブシューターが事前に装備して合ったならまた違っていたのに、百貨店の人達に怪しまれないように外してしまった事が裏目に出た……必死に打開策を考えようとするも良い案が浮かんでこない。こうしてる間にも重力に従って剣持は志岐と違い落下していく。

 

 

志岐(何時もは無表情が多いあの剣持君が必死な表情で私を助けようとしている……)

声を感情のまま張り上げて手を伸ばし私の手を掴もうとするも、私を捕まえたお化けカマキリが咄嗟に高度を更に上げられ、剣持君が私の手に触れる事はなく離れて行く!

志岐「剣持君!?」

重力に従い落下する剣持は連れ拐われる志岐は遠くに行ってしまう……何よりも守りたい人が……悔しい、何も出来ない自分が……こんな凄い力を持ちながらたった一人の女の子も助けられないのか……

「信じて待ってろ!!必ず助けに来る!?」

東京タワーに連れてかれる志岐に向かって叫ぶ剣持は、自分以上に怖い思いをする彼女を励ます為に助け出すと言葉を伝える……

志岐「!!……わかった!?」

聞こえた彼女の返事の言葉を耳に届くと剣持は落下する。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

剣持達が東京にいる間……ザイカーン地方のノベハンシティーに1台のジープがとある施設に到着する。

運転するのは、総司令の埠 信玄。助手席に座るのは鏡 拓也。彼は分厚い操作マニュアルを読

ヘリオンが持つ実験施設の一つで、施設の門が左右に開き中に入る。二人は通路を歩きながら施設の奥にある場所を目指す。

埠「満足な実地試験を出来ず実戦とはすまない。」

ここに来る途中拓也も偶然にも東京タワーの騒ぎを見てそこに孔明達がいるのに気付き、救出任務を自ら志願したのだ。救出に使用する実験用装備も使う。二人はエレベーターを使用して上に上がる。

鏡「性能テストと納得しますよ。敵の基地とか壊すとか物騒な内容じゃなくて救出なら寧ろこっちの専門だ。」

エレベーターが止まり目的の装備がある屋上に到着する。

へリオンの幹部「頼んだぞ。君の働きで彼らの未来が変わる。」

鏡「任せて貰おう。これでも俺だってへリオンのメンバーなんだから……」

へリオンの科学者「いよいよ行くか。操作マニュアルは読んだか?」

科学者達の目の前で拓也は装備を装着する。

鏡「熟読する程は読んでない……だから途中何かあったら指示や説明を頼む。」

ヘリオンの科学者「わかった……」

通信型ワイヤレスイヤホンマイクを互いに装備して拓也は高い建物の屋上の端に勢い走り出す。

へリオンの隊員「本当にあの子にウイングパック型フライトスーツを任せて良いんですか?」

科学者や幹部の側にいる隊員が疑問を口にする。

へリオンの幹部「余計な心配はするな。あの子は誇りある私達の仲間で誇りある戦士だ。」

へリオンの科学者「今はあの子に彼らの救出を委ねる。それが可能なのはあの子しかいない。」

 

 

拓也は勢い良く高い建物から一気に落下してその勢いを利用してウイングパック型フライトスーツについたの猛禽類の両翼を展開して空中高く舞い上がる。

 

ヘリオンの科学者「通信状況はどうじゃ?」

鏡《良好です。このまま東京に急行して昆虫達がいる東京タワーと東京スカイツリーにいる民間人達の救出を開始します。》

鏡の戦士が建物から離れ飛び立つ様子を見ながら信玄は言う。

埠「忘れていないと思うが、ボーダーの連中みたいに宣伝する真似するなよ。」

地底基地ヘリオンは秘密結社ガイラットと戦う組織……ボーダーの連中と違い秘密裏に活動を基本とする為正体は隠して行動したければならない。

鏡《わかっています。こっちも正体不明の存在として動きますよ。》

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

東京に怪獣達が我が物顔で徘徊し暴れる中、遂に彼らは

到着する。

「「っ!?」」

無数の光の弾が弧を描き市街地に徘徊するプレイター達の身体を穴だらけにし、何かの存在に気付くより早く二本の光る日本刀が中型サイズのプレイターの身体を通過してバラバラの肉片に形を変える。

出水「こちら太刀川隊。作戦区域に現着。対象を殲滅する。」

太刀川「たたっ斬ってやるぜ!カマキリ共!?」

 

また別の区域では、

菊地原「中型数7 小型数19」

姿無き捕食者達の動きで場所を特定し、

風間「中型は俺達がやる。小型は任せた。」

二宮「わかった……」

オプショントリガーのカメレオンで姿を消す風間隊に、射手型トリガーアステロイドを準備して二宮はプレイターに向かって放つ。

アステロイドはプレイターに全て命中しプレイター達は穴だらけになり倒れる。

風間「…中型は俺達がやると言った筈だ……」

仕留めたのは小型だけではなく風間隊達が相手をする予定だった中型達も物言わぬ死骸になり果てていた。

カメレオンを解き問い詰めるように二宮に言う風間。だが二宮は風間に視線を向けず死骸達の方を見て

二宮「……小型の近くにいた奴らが悪い……何より、」

二宮の射手型トリガーアステロイドの音を聞いてぞくぞくと集まってくる。

二宮「風間隊の言うとおり犬飼、辻。俺達は小型をやるぞ。」

犬飼「犬飼了解!」

辻「辻…了解。」

歌川「隊長。」

風間「……わかっている。行くぞ。」

 

更に別区域では、銃手弓場と諏訪に堤が移動しつつ複数のプレイター達に攻撃する。

弓場「帯島っ!?」

諏訪「日佐人っ!?」

同時に聞こえた声に弧月を持った二人が走り出し中型サイズのプレイターの身体をすれ違い様にⅤ字状に斬り裂き。後方にいた神田の銃撃がプレイターの脳天を撃ち抜く。

弓場「次は何処だ!?」

藤丸《弓場!帯島!?真横だ!?》

弓場「何っ!」

オペレーターの報告に二人は真横に直ぐに視線を向けると音を殺して二人に急接近する個体に銃手型トリガーとセットしてある射手型トリガーのハウンドを放つ。

「「キシャッイイイイイイィィィィ!!」」

トリオンの弾に身体を穴だらけになってジタバタ激しく動きながらやがて動きが止まる死骸を見る弓場隊。

帯島「こんな近付かれて気付かなかったなんて……」

驚異の隠密能力だ……

弓場「まだ数が多い。気を引き締めて掛かるぞ!帯島ァっ!?」

帯島「了解ッス!!」

神田「皆相手との間合いに注意してくれ。外岡はそのまま撃ち漏らしを片付けてくれ。透明化している個体がいるから皆互いに後ろを守り隙を少なくしてくれ。」

外岡《了解。》

弓場、帯島「了解!?」

諏訪「おい。小佐野……次の敵はどの方向にいる?」

小佐野《ほいほい。レーダーで映ってるのは……》

また別区域では……

影浦「オラァオラァ!?」

叫び声と共にアクロバットに動き次々スコーピオンを繋げたマンティスがプレイターの両鎌状の前脚と何度もぶつかり合いその度に互いに弾かれ、直ぐに別のプレイターの追撃に気付き打ち合いを辞めて影浦を回避に集中する。

その隙間に無数のトリオンの一斉射が放たれるも、プレイターは穴だらけになった死骸を盾代わりにして姿を透明化させ撤退する。

柿崎「なっ、」

王子「おや?思ったより知恵を使う個体もいるみたいだ。」

爽やかなそして不敵さも持つ笑顔で攻撃しつつプレイター達の個体差を観察するのは、茶髪の二枚目の少年。

獲物に襲い掛かる単純な動きをする個体に紛れてボーダーの戦い方を覚えようとする個体の存在を危険視する。

王子(それに妙な感じだ……何かわからないが、まるで得体の知れない誰かの掌の上に転がされている感覚だ……杞憂だと良いんだけど……)

迅から確率の高い予知をしっかりと教えられたが、未だに何が原因でその状況になるのか……秘密裏に予知を阻止するように各部隊も戦いながら調べているが見つかっていない……

王子「カシオ。何か怪しい物とか見つけた?」

歩きつつ道行く怪しそうな物を調べながら王子は部隊の仲間に連絡する。

樫尾《いえ、柿崎隊の巴隊員と影浦隊の絵馬隊員とこの辺りを捜索してますが、特に変に怪しい物は見付かりません。》

王子「そうか………お化けカマキリ達に気を付けて行動してくれ。」

樫尾《了解!》

影浦「……チッ!?」

舌打ちをする苛立ちを隠せない影浦に柿崎が近づく。

柿崎「さっきの逃げた個体なら、生駒と鈴鳴第一達が仕留めからそんな不機嫌に「違えっ!?」……えっ?」

吐き気も感じながら普段の様子が鳴りを潜めて激しくイラつく影浦。

影浦「……誰かが……誰かが…カマキリと戦う俺達の動く様子を見て愉悦の感情を向けているんだ!?とてつもなく大きく気持ち悪い……実験室のシャーレに入った菌類か又は檻に入ったネズミを見るような感覚で俺達を見てやがる奴がいる!!」

王子「……。」

影浦「糞が!?俺達が東京に着いてからずっと気持ち悪い感情を向けやがって!?出てこい!?姿を見せやがれ!?」

柿崎達も知らないかつてない程苛立ちながら影浦は市街地のあちこちに視線を向ける感情を受信する存在を探すもその特定には至らない。

 

「「キシャッイイイイイイィィィィ!!」」

そうしていると、別のプレイター達が空から急降下して来て……影浦はイラつく気持ちに我慢しながら構える。

柿崎「影浦、戦えるか?」

影浦「……コンディションははっきり言って最悪だがやるしかねぇだろ!」

中型サイズのプレイターの両腕の鎌が振り下ろされて、三人はその攻撃を回避して迎撃する。

柿崎が突撃銃型トリガーで弾幕を張る合間、王子も前に出て弧月を抜刀して仲間の蔵内に連絡する。

王子「クラウチ。近くに居るてるてるとゾエゾエと僕らがいる座標に合流してくれないか?」

影浦「おいっ!」

王子は影浦を片手で静かに静止して

蔵内《分かりました。直ぐに向かいます。》

王子「ありがとう。クラウチ。ここは出来るだけ固まって行動しよう。」

柿崎「文香からも連絡が来て蔵内らと合流するらしい。」

王子「今回の騒ぎ……只の昆虫達だけの騒ぎじゃなさそうだ。」

影浦「どういう意味だ?」

王子「カゲくんのサイドエフェクトが反応した気持ち悪い出所不明な感情……恐らくこの騒ぎに関わっている可能性が高い……だがその彼らの狙いがわからない……」

柿崎「それを直ぐに本部に連絡しないと……」

王子は弧月で中型サイズのプレイターの胴体に斬り傷を付けて自慢の機動力でその場を離れると別の方向から放たれたメテオラとハウンドの合成弾サラマンダーがプレイターの胴体に直撃し肉体を吹き飛ばしバラバラの肉片にする。

王子「ナイスサラマンダーだ。クラウチ。」

蔵内「隊長。無事で良かった……」

蔵内達が柿崎達の元に集まる……そして王子は影浦と向き合い言う。

王子「カゲくん。今から僕らは君を全力で守る……」

影浦「何っ!」

王子「君の『感情受信体質』を利用させて…この騒ぎの裏に糸を引く存在を特定して貰うんだ。これは君にしか出来ない事だよ……この策に乗ってくれるかい?」

影浦はその言葉に一理あると考える……未だに消えない出所不明な不快な感情……その感情の持ち主は何処にいるのか……何故そんな感情を俺達に向けるのか……気になるのは確かで、だが一方的に嫌な感じの感情を向ける目的がわからないのが腹が立ち苛立ちを募らせる……只々不愉快で気味が悪い……だからこそ、巨大昆虫が暴れ人々を襲う中でその感情持つ存在がいる。明らかに普通の精神構造を持つ奴ならこの怪獣騒ぎでそんな感情は"助けにきた連中"には向けない。助けが来て安心するとかが普通の人間の感情の筈だ。だからこそ王子の言うとおりこの騒ぎの裏に糸を引く存在と言うのも概ね間違っていない。影浦は王子の策に乗る事にする。

影浦「わかったよ……だが、相手の感情を意識して出所を探るのはあんまりやっていないから……駄目でも文句言うなよ」

柿崎「それでも任せた。」 曇り無き信頼に満ちた目をする柿崎。

王子「君には指一本もカマキリ達には近付けさせない…」経験上影浦なら特定出来ると思う王子。

所属部隊は違うも仲間としての信頼の感情が影浦の肌にポワポワとやんわりと刺さる。

影浦「そんな温かく優しい感情を向けるな!?集中するからお前らはとにかく周囲を警戒しろ!!」

王子、柿崎「了解!?」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

東京スカイツリー周辺では……スカイツリーに貼り付く一匹のプレイターの手足と頭が次々と撃ち抜かれてスカイツリーから落ちる。

半崎《滅茶苦茶ダルいっすよ。隊長!》

古寺《結構スカイツリーに集まっていますね……》

スコープ越しに映る小型プレイターの頭が撃ち抜かれて

スカイツリーから落下を確認して次の個体を探す荒船達狙撃手合同部隊。

奈良坂「。スカイツリー周辺の個体を片付けるのに時間が掛かりますね。」

穂刈「向こうは俺達に攻撃されているのに、スカイツリーに方向にひたすらに向かっているな。」

高い建物に陣取り空を舞うプレイター達に姿を隠しつつ

荒船「プレイターに動きがあるか?加賀美。」

狙撃の合間にオペレーターの加賀美に連絡する荒船。

加賀美《今の所は大型の二匹に動きはありません。》

東「小荒井、奥寺。市民の救出はどうだ?」

小荒井《こちら小荒井。荒船隊の援護と三輪隊長達が中型、小型を引く付けてくれるお陰様でスムーズに進んでいます。》

奥寺「大丈夫ですから!?落ち着いて避難所まで我々が誘導します。」

弧月がプレイターの身体袈裟斬りにして槍が三匹の身体を刺し貫く。

米屋「おりゃ!せい!てぇいや!そおらぁ!」

更に槍を大きく縦横無尽に振るい凪ぎ払いその合間に三輪の拳銃型トリガーが仕留めて互いに連携し複数のプレイターを相手に三輪と背中合わせで小型達を次々と仕留める。

 

米屋「射手がいないとちょっと不便だな……」

三輪「陽介…お前が弱音を吐くとは……珍しいな。」

月見《東隊の二人が避難所から戻ってきたらスカイツリー内部にいる市民の救出を進める手筈よ。》

三輪「そういう事だ。陽介。ここを切り抜けるぞ。」

米屋「了解!?」

 

 

彼らは戦う……己の仲間達と共に己がやるべき事を果たす為に……だが……それすら狡猾で悪質な狩人の掌の状況だった……

 

 

「ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!?」

燃え上がる自動車達に向かって勢い良く落下する剣持。

「っ!?死んでたまるか!!」

志岐さんは勿論、この怪獣騒ぎの大元を解決出来るのは俺達しかいないんだ。

剣持はリュックからウェブシューターを出して装備してリュックからエルヴィルのマントを取り出し縁を両手で握り器用に使い忍者の凧のように広げて滑空して自動車達から離れて行き道路からゴロゴロと転がり

【ーーーーッ!?】

「ちっ、」

転がる状態から直ぐに起き上がり目前に現れたプレイター達の奇襲攻撃を避けると、剣持は構えるが、突如機関銃型トリガーのトリオンの弾の雨と

??「炸裂弾(メテオラ)!?」

「っ!?」

聞こえてきた声に咄嗟にエルヴィルのマントに生体エネルギーを込めてその場を身体を丸めて伏せると同時に防御する剣持。

小型プレイター達にトリオンのエネルギーの炸裂弾と無数の銃弾の雨が直撃するとバラバラの肉片に変わる光景を見ていると煙が上がり視界が不良になりその合間にマントをリュックにしまい剣持は無言に警戒し構える。

【………………………………………………………】

「……。」

煙から何かが突っ込んできて煙を左右に吹き飛ばし剣持の身体を掴み持ち上げる。

「っ!?」

小南「何で剣持が此処にいるのよ!?」

「へっ!?小南先輩……」

玉狛支部の小南さんと東京でって少し離れた所に烏丸先輩達の姿も見える。

小南「栞ちゃん。剣持君を発見したわ!避難所に誘導した方が良い?」

「あっ、不躾にすいません。この合流地点に連れって下さい!?」スマートフォンの合流地点を見せる。

宇佐美《そうしたい所だけど……うわっ南方から中型が20。小型が19匹接近中!》

空から集まってくるカマキリの群れに

小南「レイジさん!トリマル!」

小南の元へ直ぐに合流する木崎と烏丸。

木崎「中型を優先して叩くぞ。」

小南「了解!?」

烏丸「剣持っ!少し待っておけ。ここに集まったカマキリを減らしてから連れて行く。」

ボーダー最強部隊の隊員達は並び構える。

そんな時、

「「忍法火炎弾!?/ブーメラン・スパーク!!/マメ鉄砲スパーク!?」」

緑色の電撃を帯びた緑色のV字型のブーメランと強力な火炎の弾丸と謎の光線が玉狛支部の隊員達を後ろから放たれて中型プレイター達を蹴散らす。

小南「何っ!」

玉狛の三人は後ろからきた謎の攻撃に振り替えると

一台のサイドカーがアニメ映画【AKIRA】ばりのスライドブレーキをして剣持達の前で格好良く停車する。サイドカーの後部から鳩の能力を持ったヒーローが降りて小型達に向かって戦い初める他所に

超空忍者シゲハル「迎えに来たよ。剣持夢想隊員。合流地点まで私が連れってって上げるよ。」

バイク用ヘルメットにゴーグルを着けチョビヒゲを生やした……只のおっさん同然の超空忍者に小南は心のままに叫ぶ

小南「知らないおっさんのバイカーが現れた!?」

誠にその通りである。他に説明しようがない。

烏丸「シゲハルさん。ご無沙汰です。」

超空忍者シゲハル「烏丸君も久しぶり。元気か?」

烏丸「家族共々元気に過ごしております。」

そして烏丸先輩は変なおっさんの超空忍者と気さく世間話をする。

宇佐美《ねぇ?何が会ったの?中型が15匹瞬く間に消えたんだけど……》

木崎「…剣持達の知り合いが救援に来てくれたみたいだ……凄く個性的な……」

マスク・ザ・ビクトリーとピジョンマンを見て何とも言えない表情をする木崎。

剣持達の前に知らないおっさんのバイカーが現れた。

 

 

 




後編はしっかりバトル物を書きます。
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