ワールドトリガー・TheREDmanHERO   作:怪物怪人怪獣さん

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ヘイッお待たせしました。駄文です。
今回登場する怪獣…鋼鉄竜ゴロンゴロ……ネットで検索しても……まず間違いなく引っかかりませんね。
しかし、筆者のオリジナル怪獣でも無いんです。
この鋼鉄竜ゴロンゴロ。米谷佳晃さんが帰ってきたウルトラマンに招集された際の"プレゼン用の怪獣のデザイン画"のデザイン試作画の怪獣の一体なんです。
米谷佳晃が誰かと言われてもピンとこないですよね。ミラーマンとジャンボーグAの怪獣デザイナー(※分身怪獣マルチはウルトラセブンの後半怪獣デザインやシルバー仮面の宇宙人を描いた池谷仙克氏が1、2話の怪獣に燃え尽きイメージが湧かず創作意欲が萎えて米谷さんにデザイン提供してくれた)
何なら、ジャンボーグA其の物のデザインに防衛チームPAT隊員用スーツにジャンボーグAの搭乗者スーツとその同調する操縦設定を考えた人。何ならジャンファイトの変身ポーズも考えてくれた人。
帰ってきたウルトラマンだと八つ切り怪獣グロンケン、実相寺監督作品の台風怪獣バリケーン。一本しかない小道具ウルトラランスを串刺しした怪獣ごと燃やしヤドカリ特有の動きをスーツアクターに強要し膝に激痛を走らせたやどかり怪獣ヤドカリン。名作「天使と悪魔の間に…」に登場する囮怪獣プルーマと宇宙怪人ゼラン星人。又々名作の「許されざるいのち」に登場する合成怪獣レオゴン。※(話のプロットと大元のデザイン画は当時高校生の小林晋一郎が原案したので米谷佳晃さんは怪獣デザインを描き直し洗練させたに留まる。)次の話に登場するエヴァの使徒のモチーフにもなった光怪獣プリズ魔はレオゴンより前にデザインされているからレオゴンが実質ウルトラ最後の怪獣になった。

ゴロンゴロがオリジナル怪獣では無いが画像とか参考になるのが無いし、米谷佳晃さんが描いたプレゼン用のデザイン画には完全彩色版も存在するらしいが……正直、筆者の手元には白黒版しか無いから色は各自の想像で……でも外見は囮怪獣プルーマを四足歩行タイプにして角が長くなった感じ……アルマジロやセンザンコウみたいイメージで。

特撮のスーツアクターがする四足歩行のポーズで背中から家庭用物干し竿を半分の長さにした物を乗せたイメージにすればゴロンゴロのイメージに近い。兎に角、頭に長い物乗せているせいで首が動かし辛い……動作も限定される…角が長過ぎて噛み付く動作をする前に物干し竿が相手や物に当たる。
この怪獣、没やプレゼン用だから能力とか身長体重とかの書かれていないし分かった事も…
①鉄骨が食べ物だから高層ビルと集合住宅を相次いで襲う。
②ビクともしない頑丈な身体。
③最大の武器は角。
帰ってきたウルトラマンの怪獣で考えるなら第一、第ニクールに出ても違和感ないんだよな。
筆者のオリジナル設定で角から超振動を起こして地底を移動する。アドレナリンを増幅させて動けなくなる代わりに鋼鉄化して防御する。
新入りミラーマンが相手だからゴモラみたいに超振動を攻撃手段に使えず、口から変な光線やら炎を出せず。実質物理攻撃オンリーで戦うしか出来なかった。
ミラーマンRB(読み方はレッドブラザー又はルーブの好きな方に)
怪獣ジオンとの戦闘描写は帰ってきたウルトラマンの1話のアーストロン戦。
ゴロンゴロのグダグダで戦う描写はユーモラスなスカイドン戦。レッドマンとミラーマンはルーブの1話をドタバタコメディモチーフにして終盤はスカイドン漫画版をシリアスモチーフにしています。にしてもスカイドン漫画版を描いた一峰大二先生……八つ裂き光輪に異様な執着を感じるくらいフィニッシュが八つ裂き光輪多い……
〔推奨OP ミラーマンの唄〕


ファイル14不死鳥の男 ミラーマンはじめました!鋼鉄竜ゴロンゴロ 登場

夕陽の東京。

「「イヤッ!?」」

迸る赤い電撃を纏わせたナイフを持ち風の如く勢い良く走り出し夕陽をバックに昆虫怪獣が振るう鋭い前脚とナイフが交差し一閃、両者距離を取り背中合わせとなり、昆虫怪獣から両の前脚が音と共に切断されその巨体を力無く倒れ込む。手首の傷口は焼かれて青い体液は流れる事なく赤い巨人は壊れた巣や家族の死骸を見て涙を流す怪獣に止めを刺せるのに刺さず、視線を戦意を失った怪獣から

「「…………。」」

無言で静かに東京の市街地を……怪獣達の死骸や営巣の成れ果てを見て……表情は変わらないのに悲しそうな表情をしているように見えた。

巨人はやがて赤く光るとその姿を消して……残された手負いの昆虫怪獣は『お化け屋敷』の科学者が開発した中和剤を装備し戦艦に待機していたロボー47が害虫を駆除するように怪獣の身体に浴びせ掛けられ倒される。他の個体と違いジタバタともがく事なく静かに力尽きる。

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公共の対怪獣災害用地下シェルター内にて

染井「……。」

避難所と言う物は、場所によって様々だ。対怪獣用の分厚い金属装甲の地下シェルターも在れば、公共の図書館や学校関連施設や公園だってある。行政が決めた正式な避難所ではなく一時的に公共のドームや広場も避難所として開放される場合もある。

怪獣が頻発する東京なら主に対怪獣災害用地下のシェルターが各区域にあり……私を含めて東京タワーから避難してきた人々は大人しく怪獣と言う嵐が過ぎ去るのを待つ。

染井(それでも怪獣の種類や能力によっては対怪獣災害用地下のシェルターが意味の無い場合もある……)

放射能に有毒ガス、あるいは金属を溶かす強力な酸性の液体に高熱の炎や超低温の冷凍、地底を掘る事を基本としシェルターの分厚い金属装甲を紙のように壊す力や超音波や振動に破壊光線を持つ怪獣の前では、究極な安全など会ってない物だ。自衛隊や『お化け屋敷』が怪獣を撃退してくれるのを、避難する人々は恐怖や不安に耐えて身を寄せあって存在しない神様に祈る。

染井(葉子達は何処にいるのかしら?)

周りを見回すと当然だがトリガーが使えるボーダーの隊員も混じっているも、その中に私の親友達の姿は見えない。ここでは無い別の避難所にいる可能性がある。

やがて短くて長い時間が終わり警察官と自衛隊の人達がシェルター内に姿を現し怪獣災害が終了した事を避難してきた人達に伝えてくる。

非常灯の通路を列となって歩き私達は地下シェルターの外を出ると、

染井「っ!……」

夕陽の眩しい光が一瞬、私が掛けたビン底眼鏡に当たり一瞬立ち止まるも、直ぐに前を歩き災害の過ぎ去った光景を静かに眺め見る。

若村「あっ、華さん!?」

染井「っ!?若村先輩。無事だったのね。」

少し東京の市街地を眺めていると若村が私に気付き嬉しそうな表情で手を大きく振って駆け寄る。

若村「華さんも無事で良かった!?あっ、俺だけでなく葉子達も居ましたよ。」

染井は若村のその報告で安堵の表情をして噂をすると本人達が私達に駆け寄る。

香取「ゴメン。華。はぐれちゃって……」

凄く反省した表情を私に見せて

染井「もう。皆、私 本当に心配したんだよ。」

若村「本当にすいません。途中、迷子の子供を見つけて一緒に友達を探していたんですよ。」

香取「私はエイリアンを見たわよ。」

三浦「僕は芋虫の怪物を……」

怖い物を見た表情をする二人に呆れた表情をする染井。

染井「……若村先輩は兎も角、二人とも…………狼少年って知ってる?」

染井は疑いの目を二人に向ける。

香取「いや本当に見たのよ!?透明なカマキリを背後からブスリして持ち上げて頭を口から別の口を出して仕留めたのよ!!」

染井「取り敢えず、私達今回の災害に巻き込まれたから軽い災害関連で『お化け屋敷』の人達に事情聴取を受けるのとボーダーに報告書を提出する必要があるわね。」

香取「ぐへ~~」

三浦「あはははっ……」

怪獣災害に関係した報告は恐らく今回の作戦に参加して全ボーダー隊員達や剣持君を含めた『お化け屋敷』の面々も書くだろう。とはいえ葉子にとってはめんどくさい物でしかない。

染井「…………?」

ふと視線を葉子達から離れて何となく向けると。

全身白い泡まみれの剣持が黒野先輩達に軽く笑われて医療関係者の人達に手当てを受けていた。

染井「……少しその辺歩いてくるわ。」

 

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志岐「……皆、今日は本当に……散々だったね。お疲れ様。」

なし崩しに部隊全員が東京に集結して色々と現状についての会話をする那須隊。

那須「でも皆、怪我とかなくて良かった。」

熊谷「これから事情聴取や報告書作成が待っているけどね。」

志岐「大丈夫。オカルトパワーとか説明が難しい状況とかが無いなら比較的簡単に報告書は作成可能ですよ。」

人の恨みとか憎しみとかで怪獣災害が発生したイポポの件に比べれば、比較的今回の件は大分楽だ。

熊谷「嫌に自信満々に言うわね、」

那須「それより今日の剣持君と映画はどうだった?」

志岐は剣持君にお姫様抱っこされ密着した事を思い出して顔を真っ赤にして、

志岐「露骨な話題変換やめて下さいよ!!」

日浦「志岐先輩。次のランク戦の対策会議や反省会の時に教えて貰って下さいね。」

志岐「もう!?皆して人をからかって!?」

 

楽しそうに笑い声がある那須隊から離れてた立ち位置……志岐の後ろ側に気配を完全に消した太刀風皇虎が懐から火打石を取り出し那須隊に向け

太刀風(……。)

皇虎は静かに火打石を叩き火花が起き。志岐を除いた那須隊達はその刹那の火花を見た。

太刀風(これでよし。)

皇虎は完全に那須達から姿を消す。

那須隊「……あれ?」

突然、那須達は軽い放心状態になり志岐は怪訝な表情で見る。

志岐「どうしましたか?」

放心状態から回復した那須達は怪訝した表情で周囲を見回し小夜子を見てこてんと首を傾げる。

那須「……私達、どうして此処にいるのかしら?」

志岐「?変な事言いますね。ボーダーのトークショーの途中で怪獣災害に巻き込まれたんですよ。」

突然の変な質問に疑問と違和感を覚えるもその理由もわからない小夜子は此処にいる理由を三人に言うも

那須「……そうなのかな…。」

突然、自信の無い戸惑いの表情をする三人に小夜子は呆れた表情で

志岐「もう。しっかりして下さいよ。トリガーが一時的に使えなくなって生身になった状況化でどうやって『お化け屋敷』の人達に助けて貰ったのか詳しい事を報告書に書かないといけないんですから……」

熊谷「……そんな事があったのね。」

志岐「何他人事みたいに言っているんですか。」

この時の小夜子は知らないが、皇虎の持つ火打石の火花を見た那須達から銀河連邦に関する記憶はごっそりと消えていた。

 

志岐「うん?」

ふと周りの人達に視線を向けると見知った男女がいた。

剣持君と一緒に逃げている時に遭遇した直紀と呼ばれた赤い服を着た男性と久美と呼ばれた女性が喧嘩から仲直りしたのか寄り添っていた。

久美「あ、貴女は?」

志岐「……どうも」

女性の方が私に気付き私達は互いに取り敢えず会釈する。

久美「お互いに無事で良かった…」

志岐「それは私も同じです。無事に再会出来たようで。」

久美「えぇ。……貴女のお連れの方は?」

久美さんは私の連れの剣持君の姿が見えない事に疑問を覚えてるみたい。多分何も答えないと変な誤解される。

志岐「あっ大丈夫。剣持君……私の連れも無事です。ちょっと今日は色々あって大変だったから疲れているんですよ。」

久美「……直紀も今日は疲れて眠っています。」

志岐は軽く視線を動かない直紀に向けて、

志岐「…生きて「生きてますよ。勝手に殺さないで下さい。」あっはい。」

確かに微かな呼吸音は聞こえるから嘘じゃないんだろう。

 

志岐(さて私も剣持君の所に行くとしましょうか。)

久美に別れの言葉を言い志岐は剣持がいるベンチに向かう。

 

その途中で志岐は染井?と遭遇する。

志岐「あっ。」

染井「……志岐さん。」

黒髪オサゲのカツラを被りビン底眼鏡を掛けた染井と向き合い。

志岐「……染井華さんですよね?」

染井「えぇ。どうして疑問系……あっ!?(゜ロ゜;」

染井は慌ててオサゲカツラを取りビン底眼鏡から何時もの眼鏡に変えて"複身"する。

志岐「どうしてそんな格好を?」

染井「どう?田舎の芋娘っぽいかしら?」

おさげのカツラと眼鏡を志岐に何故か自慢気に見せるも、小夜子は華の服装を見て。

志岐「……服装がオシャレ過ぎるから田舎の芋娘と言うより大人しい地味目な娘って感じです。ナンパし安そうな……」

小夜子は至って正直な感想を口にする。

染井「それは……素直に困るわね。もう少し服装に気を付けるわ。」

志岐(どうして田舎の芋娘になれた事が嬉しそうなのか疑問だ。)

服装をしっかりした物にすれば、知的で深窓の令嬢に見えなくもない。ボーダーの女性にあるある美人の一人だ。地味で根暗な私と大違いだ。

剣持君が座っているベンチに向かって歩く中、志岐と染井は互いに視線を向けるも直ぐにその視線を離し

志岐(綺麗な人……)

知的なクールビューティーって奴だ。きっと隠れたファンもいるのだろう。一体どんな事を考えているんだろう。剣持君の事?それとも今回の災害の事?彼女の知的でミステリアスな雰囲気は私では出せないな。私が同じ眼鏡掛けても、変な感じになるだけか。

 

染井(可愛い……改めて見ると今日は一段と可愛い……)

華も華で小夜子を見る印象は大人しくて可愛い子。

剣持と出掛ける為に精一杯のオシャレをしているから普段美人美少女揃いの那須隊で隠れがちな彼女の可愛い一面が良く表れている。

染井(……私より早く剣持君の秘密を知った人……私達が守る為に突き放される中で、剣持君の近くにいた人。)

同じ場所にいるのに、何だか彼女は自分より先を歩いていると錯覚する。それ事態は別に悪い事ではない。剣持君なりに考えて行動した結果だから。

染井(剣持君は、小夜子さんの事どう思っているんだろう。)

 

 

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周りが作戦の終了により被害の確認や撤収準備をしている中で…『お化け屋敷』の隊員で唯一の負傷をした僕は、ベンチに一人座り込みながら顔を静かに上げて

「……。」

美しい夕陽に照らされて動かなくなったプレイター(雄)の死骸を複雑な心境で見ていた。

ゾークロン細菌関連でレッドマンが必ず倒す必要のある生物で、罪の無い人達を喰らい繁殖をしようとした怪獣。

 

でも本当に悪い怪獣だったのか……確かに今回の怪獣災害以前に既に各地に犠牲者は恐ろしい程出ているし、市街地の被害も馬鹿にならない。運は良かったボーダー隊員達だって怪我人が数人程度ですんだ。下手をすれば死者が出ていた可能性だってある。

「……。」

でも凄く何とも言えないモヤモヤした気持ちになるのは、何でだろう。

(ブラックワンの傭兵達も強かった……)

悩みは怪獣だけではない。説明不足は何時もの事だが、強力なアインヘリアル5勇士達と、あの戦いで生きていたのが奇跡みたいだ。幾つ物の戦術を変幻自在に使いこなすゴメル。蟷螂のような動きレッドマン以上に速いジェリコ。動きの攻撃その物の威力が極大で速過ぎて見えなかったあの蝙蝠の宇宙人だって……今回の戦いで、自分の今の強さがどのくらいか嫌な程身に染みた……

「ぐっ、」

全身が痛い……二匹の強力な怪獣と戦闘中感じた別のゾークロン細菌怪獣と全く夢想が感じた事のない気配が気になって二匹を倒して直ぐにその現地に移動したが、

「あっ!つつ。」

戦いらしい戦いはする事なく東京の中和剤まみれの大通りに戻って泡風呂に入ったように白い泡だらけに成りながら作戦区域の最寄りの避難所に一人到着する途中の合間合間に治癒能力で少しずつ回復させているが本調子には程遠い……避難所の医療関係者や病院の人達に見せても申し訳ないレベルには回復している筈なのに。

 

「……。」

夢想の脳裏に思い出すのは、二匹を倒して直ぐに移動して遭遇した怪獣と光の超人。

 

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剣持達と共闘していた拓也。

突然、前触れもなく出現した白いローブを纏い黄金の仮面を被った謎の襲撃で、東京から四国の鳴門海峡に強制的転移させられた拓也は、仲間達の救援も剣持達を心配し拓也は距離など関係なくても東京に急ぎ戻ろうとするも、……鳴門海峡に残らねばならない理由が発生した。

 

ロシアモスクワから東京にレッドマンの注意を引こうと

メルニアがジオンを操り動いていた。

そしてその怪獣を……拓也は目撃してしまったのだ。

(あの怪獣が東京に現れたら大変な事になる!?)

剣持がタワーの頂上の装置とやらを破壊が失敗したか成功したかはわからないが、目の前の怪獣が東京を目指しているのは、確かなようだ。

灰色のウィングパック型フライトスーツの機械仕掛けの両翼を羽ばたかせて、拓也は無謀にも一人で怪獣に挑もうとする。

 

持参した2丁のステアーSPPサブマシンガンを持ちジオンに向かって周囲を飛びながら絶えず発砲するも、

鏡(くそっ!?奴の大きさじゃこの銃の火力でダメージを与えられない!?)

怪獣は此方に対して攻撃をしないがこっちはそもそも食い止める事が出来ない。蟻が象の動きを止められないのと同じように、怪獣ジオンにはマシンガンがまるで蚊に刺された程度にしか通じない。

 

鏡(俺一人の力じゃ怪獣の進行を止められないのは、わかっている!!でも!?……でも!?)

ミラーマンの父(二次元人の血が自ずと導いてくれる……)

鏡『っ!?』

父の言葉が脳裏を過り鏡になる物を探す拓也。

鏡(今こそ、俺の中に流れる二次元人の血の力が必要なんだ!!鏡っ!?ってこの渦潮が犇めく海の何処に鏡があるんだよ!?考えろ!?どうすれば、俺は二次元人の姿になれる!?)

その時、海が夕陽の光に反射し鏡面体の光を拓也に見せる。切羽詰まる中で拓也は感情のままに叫ぶ。

鏡『チクショーー!!おいっ!?導いてくれるなら今がその導いて欲しい時なんだよ!!!?』

焦る拓也の鳴門海峡の海面が一瞬、"鏡面体"のように何度も反射し、拓也はその反射がヒントを出す。光はまるで意思を持ち拓也に何かを伝えるように反射して本能的に無我夢中に反射する海面を見て……

鏡(一か八か!?)

確信になる具体的な物なんて何も無いのに拓也は光が反射する海面に自ら飛び込もうとする

鏡『変われええええぇぇぇっ!!』

頭の中に一瞬、自分と同じ声で意味もわからなくても叫べと聞こえ、拓也はわからなくても叫ぶ。

鏡『スパーク!!』

飛び込みながら己の両手を合わせた拓也。その瞬間、

【ピカピカーーン!!】

海面に……正確には海面に反射した光に拓也は吸い込まれて目映く強烈な光と共に二次元世界を突破して三次元世界にその姿を見せる。

それはまるで姿は見えるが触れられない鏡の向こう側の自分自身が入れ替わったかのようにありふれた地球人の姿とは全く違う銀の姿にレッドラインとブルーラインが走ったレッドマンとは全く違う二次元人の白銀の超人ミラーマンRB(Rの意味はレッド、Bの兄弟のブラザー。)が二次元の鏡の果てからその姿を光と共に現れる。

 

〔推奨BGM ミラーマンの唄 (インストゥルメンタル)(インベーダーの侵攻)〕

成川『あれは……』

大きな光エネルギーの気配を感じ瞬間移動したジョージの視線の先に映る光景に驚く。

マスク・ザ・セブン(激水)『うなっ!?』

同じくジェリコと共に瞬間移動した超能力ヒーローも海峡から姿を見せ目を見開かせる。

光と共にミラーマンRBは鳴門海峡の海を跳び割り、エネルギッシュにジオンに迫る。

『『オリョッ!』』

鏡(よっしゃ~~!?凄えぇ!!色々と良くわかんないけど何とか変われたぞ!?行くぞ!?怪獣!!)

空中高く跳躍してジオンの頭部目掛けて急降下キックを打ち込む。突然の不意討ちの蹴りの一撃を貰い海に沈むジオン。

追撃の拳を放とうと迫るも怪獣の起き上がりの次いでの片手に簡単に払われて逆に海に沈む。

ジオンは突然のミラーマンRBにのし掛かり噛み付こうするも、

『『オリョッ!』』

力比べで押されるもミラーマンRBは両腕を使いジオンの迫る噛み付き攻撃を防御する。逆にジオンを押し出して

ジオンの身体を片手で掴み腹に向かって勢いのある蹴りを叩き込み更に鋭い手刀をジオンの頭部や首筋に打ち込む。しかしパワーに差があるのかジオンのラリアットがミラーマンRBに直撃して距離を取られる。

『『オリョッ!』』

鏡(強い!!何て強さだ!?)

怪獣の力強い生命力に恐怖よりも感嘆を覚える拓也。

成川(お前が単純に弱いだけだ。)

突然、拓也の脳内に見知らぬ人の声が聞こえてくる。

鏡(誰だ!?親父か!?)

成川(俺の事より自分の事に集中しろ。身体の隅々まで意識を集中させて光のエネルギーを両手に集めて空間を

手でなぞるように動け。)

鏡(ちょっと!?いきなり何言って(来るぞ!?)ああもう!?)

ジオンはミラーマンRBに接近して力強い腕でミラーマンRの顔面を連続で殴打する。

(ぐへっ!?ごほっ!?おぼっ!?あがっ!!)

自分の能力について詳しい事がまるでわかっていない状況で情け容赦無い怪獣の獲物を殺す連続攻撃をまともにくらいダメージを確実に貰うミラーマンRB

成川(光を両手に集めるイメージをして空間をなぞれ。光の防御幕が発生出来る。)

拓也に難しい説明をしたから今度は簡潔に説明する成川ジョージ。

鏡(説明ありがとう!!って光を両手に集めるって!?)

しかし常識的な事と違い漠然とした説明には違いない為にジオンの体当たりをくらい激突すると同時にミラーマンRは高く持ち上げられて放り投げられて海にその身を沈める。

再び迫るジオンの突進を片腕で受け止めて肘打ちをジオンの背中に叩き込むも再び持ち上げられて放り投げられる。放り投げられたおかげで互いに間合いが取れる。

成川(とにかく、イメージして両手で空間をなぞれ!?光のエネルギーを両手に集中しろ!?)

 

鏡(わかった!?光のエネルギーを両手に……集中させる。)

曖昧で漠然……掴めないし握れない空気がまるで個体の石や鉄のようにイメージしないといけない理解に時間が掛かる拓也。

【この時、もし鏡 拓也がボーダーで隊員をしているなら、自分と似た性質のボーダーのトリオン体から射手トリガーを出現させるや攻撃手トリガーや狙撃手トリガーを出し入れする感覚で自分の体内にある光エネルギーを理解するのにこれ程苦労は無かっただろう……しかし彼はボーダーの隊員ではない。彼は実弾系統の銃火器を扱うヘリオンに所属しているのだ。】

 

ジオンに確実にダメージは与えられているが、それよりもダメージを貰っているミラーマンR。

成川(来るぞ!!防御しろ!?)

成川の激が拓也の脳内に響く。

『『オリョッ』』

相手との距離があるジオンはすかさず口から高熱の火球を発射。

しかし反射的に成川が言っていた空間をなぞり光の防御幕……ディフェンスミラーを出現させて飛来する火球を弾き返しジオンの胴体に命中させる。

『『オリョッ!』』

鏡(何か出た~~!!)

突然、自分の手前に出現した光の幕に滅茶苦茶驚くも、ジオンはその光の幕を腕の一振りで鏡を割る音と共に粉々に砕かれて。

鏡(割れた!!?)

成川(っ!?…………想像よりも脆いな……防御するイメージが弱かったか光エネルギーの配分が偏り過ぎたか……)

驚愕するミラーマンRBの首を両腕で締めつけ持ち上げ苦しめる。

『『オリョッ!』』

ミラーマンRBは怪獣の腹に蹴り叩き込み腕をふるい首締め攻撃から脱出しジオンの首を両手で掴み勢いをつけての一本背負いを鳴門海峡でする。波飛沫が上がり沈むジオンに追い打ちをしようと動くも海中を移動されて空振るミラーマンRBは海に足を取られないように踏ん張っている。

(何処にいる?怪獣!?)

相手の動きを探ろうと海を警戒して見ていると突然波飛沫が上がると同時に怪獣が急接近して頭部の角を使った体当たりをしてくる。

両腕で迫る白い一本角を受け止めて腹を蹴り距離を離して両者相手に防御無しの攻撃の応酬をしてミラーマンRBは海の中にいるジオンに追い打ちの蹴りを背中に浴びせて馬乗りになるも振り落とされて逆に殴り飛ばされる。

怪獣と力比べをしてミラーマンRBは、隙を見て鋭い手刀を怪獣の首に連続に叩き込み、ジオンを両腕で高く持ち上げて海底に叩きつける。

再びジオンに馬乗りになりチョップを打ち込むも、振り落とされて負けじとジオンの尻尾を掴み勢い良くジャイアントスイング。しかし慣れてない為に一周しただけでジオンを放り投げる。再び海底に沈むジオン。

 

嵐のようなミラーマンRBの連続ラッシュ攻撃。しかしその猪突猛進の猛攻は、ペース配分を考えていない為にミラーマンRの膝を折り息を荒くする。単純なスタミナ不足と体力不足だ。

成川(不味い!?撤退しろ!?)

(出来るかよ!?ソレより迎撃用の武器はどうやって放てるんだ!?)

自身の父親は手や腕から光の武器を出せていた。イポポの時に三門市に現れた正体不明の巨人やレッドマンですら腕から技や武器を出せていた。自分自身も出せる筈だ。

 

放り投げられた怪獣ジオンが再び海底から姿を現し身構えるミラーマンRB。

ミラーマンの父(ミラーマンRBよ。お前にはミラーナイフと言う武器がある!?手を伸ばせ!!手を!?)

すかさず聞こえてきた拓也の親父の助言に怪獣に向けて右手を投げナイフを投擲するように振るうと白色のナイフ状の光線が怪獣ジオンに向けて連射される。

ミラーナイフは怪獣ジオンに全て命中するも何と簡単に青い鰐に似た表皮に弾かれてしまい

鏡(マジかよ!?)

再び同じ要領で放とうとするも逆にソレより早く口から高熱の火球を連射されて防御する暇もなく命中して倒されるミラーマンRB。

諦めず立ち上がりミラーマンRBはジオンに殴り掛かるも二の腕を怪獣に掴まれて逆に殴り飛ばされる。

幾ら怪獣に攻撃しても決定打に掛けた攻撃では怪獣は倒せず、怪獣の口から絶え間なく放たれる火球『フレイム・クラッシャー』をまともに受けるミラーマンRB。

メルニア(……コイツ…滅茶弱い……銀河連邦の警備訓練生徒すらもう少し戦えてるわよ。)

余りの弱さにメルニアは可哀想な物を見る目でジオンをコントロールしミラーマンの頭を掴み海底に引き摺り込み海底の岩場に何度も叩きつける。遂には海底の岩場に顔面をめり込ませて頭隠して尻隠さずを体現した何とも凄くダサくて間抜けな格好で完全にノックアウトするミラーマンR。

メルニア(よし。クソダサヒーローは撃破した。後はレッドマンの奴の注意を……)

ブラックワン(メルニア。作戦が終了した。ストロンガを無人島で冬眠状態にして戻ってこい。)

メルニア(え!わざわざ作戦開始区域に近付く為にレッドスター人の探知能力を引っ掛からないように建物とか壊さず隠密移動してロシアの首都モスクワから四国の鳴門海峡まで来たのに……)

ブラックワン(……時間が掛かり過ぎだ。既に東京にいた複数ゾークロン細菌怪獣は全て生命活動は完全に停止したぞ。)

メルニア(……わかったわよ。)

鳴門海峡近くの市街地を無視してジオンは海底に潜り四国から姿を消す。破壊活動が目的ではなく陽動の一つのつもりが、瞬間移動出来る怪獣でもないから当初の作戦実行すら完遂出来ない事実に不満を覚えるメルニアだが終了したなら仕方ないと自分を納得させる。

メルニア(……作戦が"失敗"ではなく終了と言う事は……やはり…)

ブラックワン(試作装置は破壊させたが……装置は奪われる事なく回収はした。実験自体は成功した。)

メルニア(そいつは良かった。……えっ?)

海底を泳ぐジオンの目の前が一際赤く輝き

『『イヤッ!!』』

ジオンの目の前で赤い通り魔が現れる。

メルニア(いやあああああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?赤い通り魔の方から来たああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?)

まるでホラー映画の滅茶苦茶怖い存在を見たように悲鳴を上げるメルニア。考えてみたらさっきのクソダサヒーロー相手に集中していたから索敵を怠ったせいで、レッドマンが自分達の現在位置を特定して東京の怪獣達を仕留めたらこっちに奇襲してくるのは充分にあり得る可能性だろう。

『『レッドファイト!!!?』』

情け容赦無い赤い通り魔がジオンに迫る。ジオンの背後から怪獣の身動きを片腕で封じ込めて

『『レッドナイフ!?』』

幾多の怪獣達の五臓六腑を刺した仕留めた赤い持ち手の凶器(ナイフ)を右手に出現させてジオン目掛けて滅多刺しにしようと腕を振り上げる。

メルニア(ゴメル!?)

ジオンの横にゴメルが瞬間移動してジオンの表皮に触れて怪獣ごと鳴門海峡からその姿を消す。

『『ッ!!』』

突然刺そうとした相手が消えて奇襲を警戒するレッドマンは周囲を警戒しつつもう1つ感じた気配の元に向かい気配の大元……頭隠して尻隠さずの何とも凄くダサい体勢をしたミラーマンRBを発見しレッドマンは驚き……軽く警戒してダサい体勢の周りを泳ぎ。

(誰だコイツ?……凄く間抜けだ。)

成川(ベム。ソイツを助けてやれ。)

(あっプリズム先輩。)

突然聞こえた先輩のテレパシーに取り敢えず応じて両足を引っ張って救出する。

鳴門海峡からミラーマンRBの肩を貸して海底から浮上するレッドマン。

二人の巨人が浮上し成川がレッドマンの目の前に現れて

成川(お前は人の姿に複身して東京に戻れ。その二次元人の少年については……今度、三門市で教えよう。)

(分かりました。)

(レッドマンやグリッドマン以外の巨人……)

夢想は新たに見る二次元人の存在に驚きの気持ちを隠せない。

レッドマンはその姿を剣持に複身させると、成川が剣持の肩を掴み瞬間移動で東京の無人の大通りまで送る。

送られた剣持は中和剤まみれの白い泡に包まれて成川は鳴門海峡に置いてきぼりにした二次元人の少年の元へ戻る。

成川『ハハハっ。また三門市で。』

軽く成川先輩の笑い声が聞こえるも既に先輩の姿は東京の何処にもなく

『……傷口に中和剤が凄く染みる……』

目に見えて白い泡だらけになった剣持は手当ての為に最寄りの避難所がある場所に歩きながら向かうのだった。

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頭の中でここまでの出来事を思い返しながら夢想はベムに訪ねる。

(ベム。あの巨人も銀河連邦の?)

(ならもっと早くにわかる筈だ。少なくとも光線怪獣や超機獣以前に先輩達は地球に到着しているんだから

……少なくとも俺は知らない。)

(あれも悪い宇宙人なのかな……)

二次元人を良く知らない夢想はミラーマンRの事について考える。

(いや、二次元人は基本宇宙警備隊と同じく侵略者達から宇宙の平和を守るしっかりした性格の人が多い種族だ……寧ろあの二次元人に俺達は心当たりがある…)

(……やっぱり、拓也君なのかな……)

鏡 拓也。染井 華さんの同級生でタワーでの戦闘中、拓也はジェリコ相手に自分の光エネルギーを本能的に使い蹴りの一撃を当てた。そしてその後ゴメルによって何処に連れてかれた。

(拓也君は怪獣に襲われそうになり生命の危機に二次元人の姿に変身したのかも知れない。)

(なら近い内……会いに行く必要があるな。)

はぁ……やる事がまた沢山増えた。強敵は一気に増えるし、プレイターを倒さないいけないのは、わかっているのにモヤモヤが雪のように心に募る。せっかくの外出する為に一緒に買って貰ったマックレガーの服も駄目になったし色々と散々だ。染井さんと志岐さんに色々と申し訳ない……作戦の報告書も違和感を少なめに作成する必要がある。

ブラックワンと戦い、イカルス星人のジェリコに蝙蝠宇宙人、更に装置破壊による脳ミソ宇宙人達との攻防戦。

辻褄併せが大変だけど……真実を予め残した機密のファイルとその真実を誤魔化したボーダーや『お化け屋敷』に提出用の報告書の作成……忙しいなぁ。

チラっとキーホルダーサイズにミクロ化した鞘付きの多目的サーベルを見る。

太刀風『その装備だけでは奴らと戦うには、心許ないだろ。此れを渡して置く。』

エレベーターでの移動の合間、太刀風 皇虎に手渡されたキーホルダーサイズの多目的サーベル。ミクロ化能力で小さくなっているから端から見たらキーホルダーを手渡されたかも知れないがベムは瞬時にソレの使い方を知っておりジェリコ達相手に存分に振るった。

志岐、染井「お疲れ。」

「っ!?」

耳に聞こえた二人の声に一瞬、僕は肩をビクっとして色々と返事を考えるも、結局

「うん。」

色々な気持ちがごちゃ混ぜになるも簡単な短い返事を振り向かずに言う剣持。

染井「……大丈夫?」

耳に届いた彼女の声に剣持はゆっくりと振り返り申し訳なさそうに言う。

「ゴメン。染井さん。……せっかく一緒に購入した服。駄目になっちゃった。」

染井「……服はまた買えば良いわよ。」

自分の事を心配する染井と一緒に購入した服を駄目にした事が剣持にとってはショックだったらしく少し心配して呆れたのは、内緒。

そんな二人の何気ないやり取りを見る志岐は、プクーっと頬をリスのように膨らまし不満な表情を剣持に見せて

 

志岐「私だけ除け者ですか?」

「あっ!?志岐さん。」

せっかく志岐さんと楽しい1日の予定が志岐はモンスターパニック映画のような目にあっただけの散々な1日になったのを凄く申し訳ない気持ちに苛まれる剣持。

志岐「何か私に言う事あるよね。」

「………。」

染井と剣持は無言で頬を可愛いリスみたいに膨らます志岐を見て互いに一度視線を合わして

染井(可愛い……)

志岐「ちょっと、何するの!?」

無言で染井は志岐の膨らませた頬を指でちょんちょんっと突っつき始めて、剣持は志岐の頭を優しく撫でる。

志岐「そんな、子供っぽい手で私の怒りや不満が消えると……って染井さん!?」

染井「可愛い……。」

志岐「ちょっと!?剣持君も止めてよ!?撫でられて満足するなんて私は犬猫か!?」

数分後……

染井に後ろから捕まった志岐に対して剣持は言う。

「……せっかくの楽しい1日なる予定だったのに本当に今日は色々とごめんなさい。」

夢想は志岐に申し訳ない気持ちを込めた謝罪の言葉を言いそれを聞き、剣持の包帯姿をゆっくりと見て呆れる。

志岐(全く…この人は……自分より周りの事ばかり心配して……本当に……)

本当は何か染井さんと前に比べて距離が近くなった事を尋ねようとしたが、どうもそんな雰囲気ではない。包帯の内側には、私の想像以上の怪我の数々があると思うと……

志岐(……本当に私と出掛ける今日の日を楽しみにしてくれたんだね。)

自分は自慢じゃないが、ボーダーのオペレーターの中でも可愛い分類でも美人の分類でもない。外の世界を必要以上に干渉しない臆病でオタク趣味な陰キャラだ。

志岐(そんな根暗の私と一緒にいて剣持は嫌な顔の1つもしない。寧ろ私を明るい表情にさせようと色々と私の好きな事を一緒に過ごしてくれる。それは読書とかゲームとか、)

剣持君だって色々と一人で過ごしたい事もあるのに……

いつも後回しにして……私が今日の出来事で怖い思いをしたのはわかっているから……謝罪しているんだ。

志岐(……違う。そうじゃない。剣持君は……なら私が答えるべき言葉は……)

小夜子はゆっくりと不満の顔をやめて優しく剣持の肩を叩き笑顔を見せる。楽しいお出掛けが中途半端に終わって申し訳ない気持ちになっているのなら……

 

志岐「……気にしないで。それよりも今度は何処行く?」

「っ!?………………。」

今日の映画鑑賞に負けないくらいの楽しいお出掛けをまたすれば良い。私の脳裏に過る沢山の大好きな人達ならきっと、そう言うと思うから。それに今回の事は剣持君一人のせいじゃない。

私の出した言葉を聞いた夢想は、目を大きく見開き驚き少し間を置き

「なら…今度は…」

志岐「うんうん。今日の事と既に起きた事で塞ぎ込んでも仕方ないし、次のお出掛けに繋げれば良い。水族館や動物園に博物館とか行きたい場所は沢山有るしね。」

私の出来る限りの明るい笑顔と励ましに驚く剣持君が何だか面白くて沢山、次のお出掛けについて話した。

 

 

 

染井「……。」

少し元気そうな表情を見せた夢想と元気にした小夜子に華は二人の関係を何となく羨ましいそうに見るも、これ以上剣持の近くに私がいると、葉子が私達を勘繰る可能性が高くなるから、二人に気を遣い離れる事にする。

でも……本音を言うと私もその輪の中に入り会話に混ざりたい。でもそうすると剣持君達に要らぬ迷惑を掛ける事になる。剣持君は気にしないと言うだろうが、それがきっかけに悪い方向にならないと限らない。

染井(私が剣持君の事を真摯に葉子に伝えても、葉子は多分、聞き耳を持たない。)

大規模侵攻で私達の環境が望まずにガラリと変わってしまった為に葉子は私も自分の家族の周りにも、友達達にも、得体の知れない者が近づいてくる事に危機感を抱いている。勿論、それは……世間から見てけして悪い事ではない。自分の家族や友達に危ない連中が関わるなんて普通は避けたい事だ。子供の為に家庭教師を雇ったら、実は児童連続殺人犯の人間で子供の命を奪われた事件の例だってある。

葉子は完全な悪ではない。そして剣持君も……

全ては身近な大切な人を守りたいとある程度の人なら誰でも一度は考える当たり前の事だ。もし悪い者があると言うのなら、それは……

染井(あの日、三門市を襲った近界民達なのだから……)

互いに大切な物があるのに、その大切な物の為に何処までも人は変わってしまう。それは、悪い傾向にも良い傾向にも。

染井(悩みが1つ消えても新しい悩みが直ぐに生まれる。葉子の中にある剣持君達の秘密の事……私と同じで普通に向き合うのが正しいけど……葉子の事を考えたらそれが一番難しい……)

この難しい問題、口にすると簡単そうだけど想像以上に簡単じゃない。でも……正解はあると思う。でもその正解に辿り着くには、やっぱり何気ない一つ一つの過程が重要で……

香取「華?何処~~炊き出しのおかゆ持ってきたわよ~~。」

染井「あっ。今行く。」

遠くで親友が自分の名前を呼んでいて思考する私は聞こえてきた親友の声に意識を向けて考えをやめて葉子達の所へ歩く。

染井「…?」

その途中、自分の足元に何か当たり視線を下に向けると白い小さく綺麗な翼の飾りを見つけて、本当に何となく深く意識する事なく

染井「……。」

彼女はその美しい白い天使を思わせる翼を拾い上げるのだった。

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ファイル14不死鳥の男 ミラーマンはじめました!

鋼鉄竜 ゴロンゴロ

 

登場

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三門市の隣町 高層ビルが建ち並ぶ大都会 五島市。

勢い良く暴れ迫る西洋の騎士が使う槍と見間違う長さの長く硬い一本角がミラーマンRBの防御した両腕に直撃して角のその威力と火花と共にミラーマンRBは吹き飛ばされて倒れる。乗り捨てられた自動車達が宙を舞い落ちてクラクションを鳴らす。

「「……っ!?」」

ミラーマンRBはアスファルトと砕き倒れ避難所に視線を向けて次に怪獣に視線を向けて気合いで無理やり立ち上がり漲る闘志を燃やし怪獣の首を押さえつけて攻撃するレッドマンにミラーマンRBは加勢する。

 

【……ある日、自分は普通の人間ではないと長く離れ離れになった父親に言われた……光の超人の力を持っていると……】

レッドマンが全力で怪獣の身体を押さえつけてくれる隙に無防備な怪獣の頭部に何度も全力の拳と蹴りを叩き込むも怪獣の硬さに両手足が悲鳴を上げる。

【最初は、戸惑いよりも優越感を覚えたんだと思う……普通の人にはない物……"スゲー物"が俺にはあると……でも…】

怪獣は押さえつけていたレッドマンを振り払い振り払われたレッドマンはすかさず怪獣の長い一本角に蹴りを打ち込み頭部目掛けて赤い光らせた手刀を叩き込む。

「「レッドチョップ!!」」

【ガァン!!】

「「っ!!」」

しかし硬い金属を叩いたような音と共にレッドマンは自分の元へ素早く転がり痛そうに右腕を何度も振り払っている。

【人の以上の力を持つ人がその力を使う理由も答えは……まだこの時の俺は正しく持っていなかった……】

【でも……自分なりに理由も答えも探すつもりだ。】

こっちも両拳が痛いがレッドマンの真似をして両拳を何度も振り払い両者再び構える。

【少なくとも……今はごちゃごちゃと難しい哲学とか変に悩んでいる事よりこの目の前の怪獣を倒す事に集中しないといけない!!ってかマジでヤバい!!】

 

「「イヤッ!?」」

「「……オリョッ!!」」

二体の巨人が怪獣に果敢に立ち向かう。

【これは、世界を守りながら自分の大切な物を探すありふれた少年の話だ。さて何故俺がこんな事をしているのかそれは24時間前に遡る……】

 

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〔推奨BGM 若人たち(M45)(陽光の下で)モノラル音源〕

そうあれは昆虫怪獣プレイターの災害から数日後の三門市、日本に一時の平穏が流れる中で

 

鏡(俺の朝は一杯のオレンジジュースを飲む事で始まる……)

朝の小鳥のさえずりを耳に聞きながら少年は冷蔵庫からオレンジジュースを出してコップに注ぎ小さなテレビからニュースを見つつジュースを飲んで一言。

鏡(はい。見事に惨敗しました~~)

鳴門海峡での初陣の見事なまでの惨敗を思い出してしょんぼりする少年。鏡 拓也は、想像以上に元気にしていた。

タクシー運転手「起きたか?拓也。」

鏡「おはよう。親父。」

簡単な朝飯を既に用意していた義父に拓也は挨拶して一緒に朝食を食べる。

タクシー運転手、鏡「「頂きます。」」

二人で朝飯を食べながら小さなテレビに流れるニュースを見る。

鏡「親父は今日も夜まで仕事?」

タクシー運転手「あぁ。拓也は?」

鏡「俺は、今日は学校が終わってからちょっと三門市図書館で色々と勉強するつもり。」

タクシー運転手「拓也って性格は明朗だけど本当に勉強好きだな~~。」

鏡「失礼な事を考えないの。……自習学習しておかないと六頴館の授業についてけないだけだから。」

タクシー運転手「わかったわかった。家の鍵は?」

鏡「勿論持ってるよ。親父こそ、交通事故とかに気を付けてくれよ。」

タクシー運転手「わかってるよ。」

鏡(……染井 華さんに剣持さんについてあれこれ聞く必要があるよな。)

数日前の東京タワーでの剣持との共闘は、偶然が偶然に重なって何とか出来た事だ。それに今後の事を考えたら交流を持った方が良い。

 

鏡(俺が……気絶から意識を回復した後は、東京にいた昆虫怪獣達はレッドマンと『お化け屋敷』の活躍で一掃された事を、レッドマンの先輩のプリズム先輩……成川ジョージさんが言っていたな…)

 

成川ジョージさんは三門市に俺を超能力で送り、戦いの反省点を色々と言ってきた。正直に言うと腹が立った、

鏡(しょうがないじゃん。こっちは初心者なんだから……)

鏡(怪獣と戦った事が無い……は流石に言い訳にしかならないな。あの怪獣は、先輩曰くレッドマンも見て四国から逃げたっと言っていた。つまりまだあの怪獣は、この世界の何処かで生きている。)

鏡「……。」

朝食を食べながら拓也は今後の事について考える。

鏡(まっ、成るようになれだ。)

タクシー運転手「何か悩んでる事があるなら相談しろよ。」

鏡「っ!?……親父。」

タクシー運転手「何だ?言ってみろ。」

鏡「……あんがと。でも俺に任せておけ。俺は凄い物持っているんだから、」

拓也は明るい笑顔で礼の言葉を言う。

タクシー運転手「??変な事言う奴だな。まっ、前の災害みたいに大怪我なんてするんじゃないぞ。」

鏡「分かってるよ。」

鏡(難しい事はまだわかんないけど、今やるべき事は…分かる。それは……)

そして無駄に格好良い決め顔をして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鏡(……学校に遅刻しない事だ。)

わりと現在進行形で切羽詰まっていた。

【このままではまた遅刻してしまう……どうする拓也!?】

 

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一方、三門市 市外の裏山にて……人の余りこない領域にて

「せぇいや!?ふん!?はぁ!?てぇいや!!チェストーー!!」

運動用のジャージを着た剣持はここ数日で戦いで負った傷を完治させ、秘密の朝練を人知れず行っていた。

(もっと強くならないと!?)

先の宇宙人達の激闘は夢想の中で大きなトリガーとなりゴリアテの時のように、自主練を励むようになった。

志岐「……。」

その真剣な激しい自主練の様子をジャージを着た小夜子は丁度良い太さの樹に背中を預けて少し眠たそうな目で見ていた。

志岐「はぁ~~。」

眠気のせいか大きな欠伸をしてしまい。その様子を見た剣持は思わず手を止めて訪ねる。

「……そろそろ朝ご飯にする?」

志岐「……剣持君はその前にシャワーを浴びた方が良いよ。」

小夜子の近くには剣持が用意したバゲットサンドイッチがあり、

「うん。そうする。所で志岐さんは今日は学校に「行かないよ。」あ、はい……」

小夜子は背を預けた樹から立ち上がりジャージの土を落として剣持に近づき

志岐「昨日深夜までニチアサアニメの一挙見したから帰って寝るよ。」

「何のアニメを見たの?」

小夜子は欠伸を小さく出して答える。

志岐「明日のナージャ。ローズマリーはやっぱりクソ女だよ。昔小学校にいた嘘を吐きまくる嫌な奴そっくり……」

剣持はタイトルを聞いてもピンとこないが、小夜子にも色々とあるのだろう。深くは聞かない事にする。

志岐をワープで自宅へ送り、バゲットサンドイッチの半分を渡し剣持は自力で自宅に急行してシャワーを浴びて

制服に着替えてサンドイッチを食べて三門市立第一高等学校に向かう。我が家が誇る買い物カゴ付き自転車『ジェットビートル』で……

 

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一方宇宙、ゾークロンの円盤

その内部にある無機質の通路を黒き勇者とグラビティスは歩きゾークロンの警備兵がいる牢屋とも呼ばれる懲罰房の扉が自動で開く。

ブラックワン「……。」

グラビティス「よう。ダーク。元気か?」

ダークナイザー「…グラビティスそれに……団長。」

宇宙人の拘束服を着せられ顔を前髪で隠れたダークナイザーは自分の上司の姿を見る。

 

ダークナイザーは先のインセクトタワーでの作戦中、私情で独断専行をしてべリアル融合獣のトリオン換装体になって暴走状態になった為にキリキリに眠らせられ数日の間、円盤内部にて反省の意味を含めて謹慎していた。

 

 

ブラックワン「……体調はどうだ?」

拘束服を着るナイザーは自嘲気味に答える。

ダークナイザー「ご覧の通り……今の所は優れていますよ。」

表情は髪で分からぬも口ではそう答えるナイザー、しかし実際はかなり危険な状態である事はブラックワンは知っている。ナイザーが持つ怪獣に変身出来る特殊な道具ライザートリガー。光の巨人に引けを取らない強力な怪獣個体にもなれるが、体力の消耗がブラックワン達の想像以上に高い為に、基本使わせないようにしている。

ブラックワン「そうか。お前の武器を持ってきたがいるか?」

ダークナイザー「………………団長自ら持ってきて貰って申し訳ないのですが…………今は良いです。割り当てられた部屋にしまって置いて下さい。」

ブラックワンは"ブレスレットと一体化した籠手型のトリガー"を見る。

ブラックワン(このナイザーが言うライザートリガー。機能はべリアルの所にいたストルム星人のあの男が使っているのに近い……だがウルトラマンジードのジードライザーとやら形状がまるで違う。)

ブラックワン「……わかった。」

グラビティス「まだ謹慎は解けていないが、謹慎が解けても無理はするなよ。」

ダークナイザー「お前には関係無いだろ……。」

ふてくされた雰囲気で吐き捨てるように言うナイザーに異形のロボット戦士は、表情は機械故に変わらないも、

口調は呆れた物になり

グラビティス「……お前は俺と違い心と命を持った生命体だ。ロボットの俺が言うのもおかしいが……命は一つしか無いんだから大切にしろ。お前の亡くなった家ぞ」

ダークナイザー「っ!!?帰ってくれ!?」

グラビティスなりに言葉を選んで伝えようとするも肝心のナイザーは感情を爆発させたように叫び、ブラックワンは静かにグラビティスの右肩に手を置き首を横に振り

ブラックワン「ナイザー。また、来よう。………機会はまだある。焦るな。」

そう言いブラックワンとグラビティスは、ナイザーの前から一度離れる。

 

グラビティス「……あの年頃の人間は、理解するのが色々と難しい。」

通路を歩きながらグラビティスはブラックワンに愚痴るように言う。

ブラックワン「難しくても、理解する努力を辞めて良い理由にはならない。少なくとも今回の作戦はナイザーにとって色々と暴走させる理由を作ったのは、此方も悪い。」

グラビティス「普段ならあんな感情のままに暴走する事は無いんだがな。」

ブラックワン「ボーダーの人間には会ったか?」

グラビティスの記録データから該当するボーダー所属の人間の顔を思い出し

グラビティス「山で目撃した眼鏡の掛けた少女をナイザーは執拗に狙っていたからな。だが……あの少女、とてもじゃないが戦えるタイプの人間には見えない。」

ナイザーはあの同じ顔をした少年と戦っていたが、軽くあしらわれて少女の方は戦う素振りすら見せてなくあの場で只、怯えていた。

 

ブラックワン「そうか。」

グラビティス「ナイザーは基本 弱い者イジメや女子供は傷つけない。唯一の例外はボーダーとやらが関係している連中のみ……だったか?」

ブラックワン「……ボーダーか。」

グラビティス「異次元からの侵略者と戦う防衛組織らしい。」

ブラックワン「"私達"と相容れなさそうだな。建物の外観からトップの人間性が出ている。」

グラビティス「本音と建前でぐちゃぐちゃになって若干ヤバいのは俺が見た限り同感だ。目的の為にかけがえのない物を捨てたのに、その捨てた物がある場所から離れられない……凄まじい"未練がましさ"があの白い無機質な刑務所からヒシヒシと感じるよ。」

 

ブラックワン「ナイザーの人間嫌いの元凶の組織だ。」

グラビティス「だが聞いた限りじゃ、この地球はとっくに滅んだ星の筈だろ?」

自分達が何気なく聞いた内容と今の現状にズレがあるのは分かっているが、あの時のナイザーの言葉に嘘は一つもなかった。そしてその理由もブラックワンは心辺りがある。

ブラックワン「……それはナイザーの次元……違う並行宇宙での話だ。私達の宇宙の地球にも同じ組織があるとは地球に到着したナイザー自身が一番驚いていただろう。」

グラビティス「更に自分を酷い目に合わせたボーダーの同じ思想と顔と声と性格の人間達がノウノウと生きていると知った為に心優しく穏やかで大人しい性格のあのナイザーを悪鬼と化すとは……想像の何万倍も危険で野蛮な種族なのかも知れないな。地球人とは……」

ブラックワン「予想以上に度しがたい存在だな。ボーダー。」

 

グラビティス「戦う時はどう攻める?」

ゾークロンやネクスト・シングの関係で首を突っ込む奴らには違いないから遅かれ早かれ傭兵団ブラック・ミストと対峙する未来があるとグラビティスは言う。

ブラックワン「……決まっている。」

全身から漆黒のエネルギーを放出し高周波マントを激しく靡かせながら拳を握りしめ己の進む道を歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブラックワン「……悪の美学に載っとり、正々堂々と奴らの強みを全て完封無きまで"封じ"、宿敵達の戦う理由にするまでだ。」

この言葉の真の意味は……ボーダーは何時でも"滅ぼせる"前座は愚か……"戦う価値すら無い"一方的な蹂躙が可能と言う意味である。

 

 

 

 

暗黒の異空間ブラックフィールドにて

 

礼服を身に付けたアインヘリアル5勇士達はブラックワンの元へ全員頭を下げて静かに跪いていた。

ゴメル「ブラックワン様、我々が居りながらキリキリの装置の護衛の任を果たせずに申し訳ありません。」

ジェリコ「右に同じく……」

ブラックワン「……」

ガバン「ブラックワン様の宿敵となるレッドスターの傭兵も邪魔が入り取り逃してしまい『空の軍神』面目もございません。」

ブラックワン「……戦ったか?」

これまで静かにしていたブラックワンがガバンに尋ねる。

ガバン「……はい。」

少しの間が空きながらもガバンは答え、ブラックワンはジェリコとゴメルにも視線を向けて言う。

ブラックワン「……地球人の少年。ベムは"夢想"と呼んだ少年と戦ってどうだった?」

ガバンは静かに目を閉じて答える。

ガバン「脅威にならず……己の力量と相手の力量も分からずに戦いに挑む未熟な愚か者。『空の軍神』の俺の評価です。我々が手を出さずとも、奴はキリキリ達で充分片付けられる程度の実力です。」

ブラックワン「辛辣だが全くその通りだな。」

ガバンの評価に肯定するブラックワン。

ガバン「色眼鏡なしの正当な実力の評価です。」

そう。余りにも弱い……光の巨人と一心同体になっているなら充分過ぎる身体能力を持つ実力者だが、レッド星雲人が憑依した地球人なら戦闘能力が余りにも低い。

だがその心の中にある自分達に対する熱意や闘志は充分ブラックワンから見ても、簡単に片付けられる弱い人間だが……少し倒すのは惜しい気がする。

ブラックワン「いかんな。なまじ光の巨人達を倒し過ぎたのがいけないのか……この私が私を倒してくれる強敵を求めている。」

2つや3つの光の巨人の力を借りる巨人に怪獣の力を借りて戦う光の巨人、状況に応じて体質と色を変化させて戦う光の巨人、大半が強力な怪獣を倒せる武器や能力を持った連中だが誰一人私の相手にはならなかった。

ブラックワン「……ウルトラ兄弟並みの実力者達はそうそうこの宇宙にはいないものか。」

初代ウルトラマンから80まで連中が漸く勝負らしい勝負が出来る光の巨人だ。U-40のウルトラ族の連中も弱くはないが、あの力の賢者は少し力に特化し過ぎだ。ケスノーチでも彼処まで身体を筋肉質にはしない。

ブラックワン「キリキリとゾークロンはレッドマンに目の敵をしている。此方から下手な真似をする必要はない。各自、命令があるまで下がれ。」

ゴメル「ブラックワン様は?」

ブラックワン「ネクスト・シングの王である宇宙怪獣 キングファマーディーと話してくる。」

そう言うと漆黒の異空間が消失して全員の姿はその場から消える。

 

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昼頃 三門市立第一高等学校では、

マドンナ「今日の授業の範囲はテストに出るから皆良く覚えるように、其では起立。」

数学担当のマドンナ先生の授業が終わり丁度 放課後になる。各自各々の行動をする中で

「先生。教材運ぶの手伝います。」

自主的に剣持ことベムは最早日課となった先生の手伝いをする。

マドンナ「ありがとう。剣持君。」

剣持は運ぶ物で重そうな教材を持ち先生と共に職員室に向かう。

先生の手伝いをし始めた最初の頃は、変な噂らしき物もあったが、今ではその噂も消えかといって都合の良い生徒になった訳でもない。

一緒に廊下を歩きながらふとマドンナ先生は尋ねる。

マドンナ「剣持君。部活動に興味はある?」

「……部活動ですか?」

 

部活 どの学校に通う生徒達の何割か必ず入っている物で……夢想自身も興味はある。でも正直に言うと色々と問題があるのだ。

自分は怪獣と日々戦うレッドマン。その個人的に物が無くてもボーダーに所属している人間。単純に部活動をする時間が足りない。例えレッドマンの身体能力で運動部に貢献出来ているとしても、大勢の人の命が懸かる訳でもないから何だかズルしている気がして申し訳さがあるのだ。

「……少し考えて見ます。自分の事ですから」

マドンナ「うん。あっ、手伝ってくれたから手作りクッキーを食べる?」

「頂きます。」

 

運動部が申し訳ないなら逆に文化部系はどうだろう?

美術部とか新聞部とか知り合いの先輩達が所属している部活だ。

 

(考えた事はあるけど……結局時間が足りないんだよね。)

職員室に向かう中、夢想はどの部活が自分に合うのか歩きながら軽く思考するのであった。

 

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六頴館高等学校 ボーダーが提携する2つの高校の中で進学校である。

男女共用左胸に校章が入ったグレーのブレザーに柄が入った紫のネクタイを持つ上着に女子は紫のスカート、男子は紫のスラックスを着用している。

 

六頴館高校の方も放課後になり各自思い思いの時間を過ごしている。

鏡「……。」

古寺(……今日の鏡君は何か変だ…)

授業の合間に鏡君は無意識だがほんの何回か同級生の染井さんの方にチラッと視線を向けていた。

そして放課後になると拓也は、立ち上がり。華の席の前に立ち互いに視線を向け

鏡「染井さん。聞きたい事があるんだ。」

染井に向けてこう言った。関係性は普通の同級生の二人だが積極的に会話する中じゃない。

染井「さっきの授業内容についてかしら?」

鏡「それも気になるけど今回はその件じゃない。」

染井「では何?」

鏡「染井さんが数日前ゲンブ百貨店で一緒にいた"お友達"について聞きたい。」

拓也の一言で何が聞きたいか理解した華は少し考えて

染井「………いいわよ。私も鏡君に聞きたい事があるし。でも詳しい話は下校する時にしないかしら?」

鏡「おう。決まりだな。」

そう言うと鏡はニコッと明るく笑い満足して一人席を立ち上がり教室を後にする。

古寺(気になるな……僕も念のために着いてくか。)

特に深い意味はない物のお調子者の側面が強い拓也が真面目な雰囲気を出すのに、古寺は気になり何気なく拓也の後に着いていく。

染井「……。」

教室を離れてた二人を……特に拓也の方を意味深に見る

華は、次の授業に使う教科書の内容を予習する。

菊地原、歌川「……。」

1-Cクラスの二人は、何処かへ向かう拓也達に視線を向ける。

菊地原「あの馬鹿。どうしてこの高校に入学したんだっけ?」

歌川「高一の頃の、三上さん達の通う姿を見て選んだって前に本人が言っていただろ?」

菊地原「同じクラスの古寺の奴が可哀想だ。世話係みたいな事を任せられて……」

歌川「それに、栞さん達の前で緊張の余り足つっていたしな。」

一年生の間で結構話題になっている。入学して間もない頃ボーダーのオペレーターが多く在籍してい2-Aクラスで拓也が軽く自己紹介をしようとしたらオペレーター達の姿を見た途端本人曰く『緊張の余り足つった』をして何とも言えない涙をチョチョ切らし悲しくも間抜けな表情で2年生達に素直に心配掛けられたらしい。

『人の温かさに余計泣いた』との事……

菊地原「あの馬鹿アレで何だかんだ俺達より成績良いのが素直にムカつきますよね?」

歌川「お前なぁ~。」

菊地原の身も蓋もない言葉に呆れる歌川だった。

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鏡「……。」

前回の戦いの反省点は、相手が強いとかこっちが弱いとかなくて普通に自分の力を充分に使いこなせていなかった事。

鏡「させはてどうしましょうかね?」

まるで他人事のように独り言を言うも、格好良く変身して格好良く戦おうにも、初陣のあの体たらくは流石に恥ずかしい。巨大な巨人になった途端、何が来ても負けない無敵になったと思ったのに……そうそう世の中思い通りにはいかん物だね~。

鏡「う~~ん。気分転換に2-Aクラスの美少女達でも顔出しに行こうかな~。」

古寺「そんな事している暇があるなら次のテストに向けて勉強した方が良いんじゃないですか?」

余りにも的を得た正論を言う言葉に拓也は視線を向けると

鏡「あっ、宇佐美先輩大好きのメガネの章平。」

古寺「なっ!!ききき、君には関係無いじゃないですか!?」

隠していた思いを暴露されて顔を林檎のように赤くする古寺は何か拓也に言われっぱなしは悔しいから反撃する。

古寺「どうせ鏡君が先輩達の教室に言っても顔見た瞬間、緊張してまた足をつるに決まってます。」

鏡「チクショウ。そんな悪魔みたいな酷い事言うなよ!!章平の癖に生意気だぞ」涙をチョチョ切らして魂の言葉を叫ぶ拓也。スネ夫の顔芸をして言う為に

古寺「僕はのび太ですか?」こっちものび太の顔芸をする辺り意外にノリは分かっている。

古寺(この人想像以上に遥かに口撃に脆かった。)

鏡「同じクラスの染井さんを見た時と違って時間はかかったけど、今はもう緊張しなかったんだ。なら俺にも脈はまだあるだろ!?」

美人オペレーターと仲良くなりたい願望はあるけど結果が散々過ぎてガチ泣きする鏡 拓也。

古寺「いや、先輩達に対して積極的過ぎない?そりゃ僕だって少し緊張するは有るけど美人見て足をつるなんて君くらいかFF8のラグナくらいだよ。」

古寺(あっ、そう言えば入学式の時も染井さんを見てこの人足をつっていたんだった。もしかして美人判別用センサーでも足に入れているのかな。)

とどうでも良い事が頭に過るも……

鏡「個人的に宇佐美さんの好みのタイプが気にならないか?俺は気になる。お前は?」

古寺「気になります。」間髪入れずに答えてしまう古寺

のは古寺だからか。

鏡「なら聞きに行こう。今すぐ行こう。」ギャグ漫画のようなリアクションをやめて涙を吹いて立ち上がる拓也。その行動力は剣持に負けていない。

古寺「はい!?…………あれ?(゜ロ゜;!駄目です!!」

途中肯定してしまったが、直ぐ様自分の過ちに気付き拓也を食い止める古寺。

鏡「離せ!?章平!さっき返答はお前の本心だと思うぞ!?」

古寺「例え本心でも僕は聞きたくありません!!」

鏡「ヘタレビビるな!?別に告白とかする訳じゃないから問題無いだろ。ってかヒヨるなよ!?」

古寺「イヤアアアアアアァァァァ!!聞きたくないイイイイィィィィィィィィィ!!」

男の癖に絹を裂く女の叫び声を上げる古寺が、行動力のある拓也を必死に食い止める。最早、拓也を止めるより知りたくない気持ちの方が強い。

鏡「ちょっと待っ!?頭噛み付くなよ!?痛い!!」

何気ない古寺と鏡の放課後の平和な日常の一幕である。

そして一部の腐った女子達が喜ぶシチュエーションでもある。

すると学校が突然揺れ始める。

古寺、鏡「わぁっ地震だ!?」

教室の方でも軽く騒ぎの声が上がるも直ぐに揺れは収まり。

古寺「震度2だね。」

鏡「ここ数日毎日ようにあちこちに地震が起きるな。」

三門市はともかく自宅のニュースとか甲斐馬隼人が住む隠れ家のラジオでも地震速報のニュースが聞こえて軽く不安の表情をする拓也。

古寺「日本は島国で地震大国ですからね。」

鏡「まぁ…そうだけどさ。気象もこの所あちこちおかしいってニュースもしてたしやっぱり不安じゃんか?」

 

 

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『お化け屋敷』

その日 作戦指令室には、珍しい来客が訪れていた。

イデ「どうぞ。」

佐原「あっ…ありがとう。」

昆虫怪獣事件で『お化け屋敷』に情報提供をしてくれたサトウキビ畑にいた佐原である。事件が終わってからトマト畑に行く事になる。今日はその行く前にお礼を言いにきたのである。

黒野「さて、ささやかだが事件の生還記念パーティーでもやりましょうか。皆さん。お疲れ。」

一同はジュースが入ったグラスを掲げてカチンと鳴らす『お化け屋敷』。

ロイド「一応待機中なんだから皆あんまり、腹いっぱいにならないように。」

ロイド副隊長が皆に事前に注意する。

そして指令室の所々に聞こえる大爆発の煩い音にジュース片手にホシノはオッカナイ顔で大爆発させた物を睨む。

 

爆縮メロン

品目高級果物

普段は直径3メートルの大きさだが、切ると大爆発を起こして食べやすい大きなまで縮んでしまう巨大メロン。

 

爆弾河豚(ふぐ)

品目高級魚

その名の通り、食べるとヤバい河豚。

調理しようと包丁を刺しただけでら大爆発を起こしてしまう。食料というより、兵器の感じがする食べ物。肝はもちろん"美味"である。

 

黒野(どういう過程で爆発の仕掛けをメロンや河豚の遺伝子に組み入れたのか……研究者達の精神を疑うわ。)

 

サンダース「こりゃあ本当にうまい。ウッシッシ」

違うテーブルには上品な焼けた牛肉ステーキの香りが立ち込めて、サンダースがとエドランド隊長やグラサンやアラシ隊員達が「ウッシッシ」と笑みを浮かべながら食事を楽しんでいた。

 

うまいぞウッシッシ

品目高級国産牛肉

麦100%のビールを飲ませた牛から作られた高級牛肉。とても上品な味をしており、食べる度々に「ウッシッシ」と思わず笑みがこぼれてしまう。

 

ホシノ「……。」

ムラマツ「さぁさぁ。皆どんどん食べてくれ。」

ムラマツキャップは、ゴエモン風呂のような大きな釜をの近くで釜の中にあるおかゆをイデ達のお椀に注いでいた。

黒野「頂きます。」

 

大米(だいまい)

高級国産米

直径が10㎝も巨大な米で、大きな飢饉に備える為に作られた。しかし、調理するにはゴエモン風呂のように大きな釜が必要となり、炊きあげる時間もかなりかかり、おかゆになってしまう。

 

世界各地の紛争地帯や怪獣災害の避難所で必ず振る舞われる食料で、保存も長く知名度は高い。

【剣持達が解決した昆虫怪獣災害の時も炊き出しで避難していたボーダーの人達にも振る舞われてた。】

 

ホシノ(見ていたわかっていたが、このパーティーで出ている物、ウチの科学者達が開発した食料ばっかりだ。本当にささやかだな。)

 

どんな理由で刺したり切ったりで大爆発を起こして食べられる食料を開発したんだ?原田博士に問いたい。

原田(僕は無実だよ。……本当に。)

科学者達の変な閃きによって誕生した変な食料は一部の界隈では有名になり、三門市の植物園を始めザイカーン地方の周辺に限定販売して結構人気がある。

一部は何故か三門市の特産品に扱われていてホシノは軽く頭痛を覚える始末だ。もっとこう当たり障りの無いのがあるだろう。

ジャック「プッチントマトはいる?」

ホシノ「……貰おう。」

近くに来たジャック隊員からこれまた『お化け屋敷』が開発したプッチントマトを貰いホシノは食べて一言。

ホシノ「……普通に美味しい。」

近くに視線を向けると佐原が切り分けたケーキ……じゃない残ったホールケーキの部分を持って食べている光景を見て。アーサー隊長やジーン達は笑っていた。

久しぶりの平和な時間をホシノ達は味わう。

おかゆを食べ終え水を飲んで黒野は指令室内の時計の時間を確認して

黒野「すいません。俺、実験場の博士達の元へ向かいます。何かあったら直ぐに連絡して下さい。」

予定していた相手に会う為に黒野は作戦指令室を急ぎ後にする。

ロイド「黒野の奴やけに急いでいるな。どうしたんだ?」

焼けた牛肉ステーキを食べながら黒野の去った指令室の自動扉を見るロイド。

チャールズ「一の谷博士達を交えてボーダーから『お化け屋敷』にある物の残骸の調査についての話らしい。」

ジーン「ボーダーのエンジニア達も集まっているそうよ。」

ロイド「へぇ~。」

佐原「ケーキ美味しい。」

ホールケーキの大半を口にする佐原は幸せそうに呟く。

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その日の『お化け屋敷』のとある化学実験場にはボーダーの実力派エリート迅と珍しい来客とも呼べるボーダー開発室長鬼怒田室長達の姿があった。

自動ドアが開閉して黒野は化学実験場にてその姿を見せる。

迅「やぁ。黒野。」

御手洗「おう。皆、揃ったな。」

地球の頭脳の異名を持つ御手洗博士やこの『お化け屋敷』のトップである一の谷博士と科学センターの岩本博士の姿がある。

黒野「要件はそちらが『お化け屋敷』に解析依頼をした例の"残骸"の調査結果についてですよね。」

鬼怒田「そうだ。何かそちらの部署で特殊な科学分析して何か分かったか?」

鬼怒田室長の言葉に黒野はモニター用のリモコンの電源を付けてボーダーが『お化け屋敷』に送った残骸の写真を一同に見せる。

 

 

 

黒野達が言う残骸についてはマキシボーン山での一連の災害が終わった後に暫くして三門市の夜の防衛任務をしていたボーダーの隊員達が警戒区域の3ヶ所にそれぞれ発見された。内1ヶ所に見つかった残骸はボーダー隊員達の報告によると、風で朽ち果て流れていった為に現物はなく。回収した残りの2ヶ所にあった奇怪な残骸……高熱を浴びてバターのようにドロドロに溶けた"トリオン兵"と結晶化した"トリオン兵"はボーダーの回収班が慎重の慎重を重ねて本部に輸送して開発室総出で、原因究明に分析をしていた。

しかしトリガー工学やトリオン兵に詳しい彼らが調べても詳しい事が何もわからない結果となり、違うアプローチや分析力のある謎多き『お化け屋敷』に調査をして貰おうと、昆虫怪獣事件の途中で分析に回したのだ。

そして昆虫怪獣事件が終わり数日が経ち奇怪なトリオン兵の残骸についてボーダーは分析結果を聞きにきたのである。

 

一の谷「まず溶けたトリオン兵については、これは単純に高温の熱に似たエネルギーで干渉した結果と我々は見ている。」

鬼怒田「だがトリオン反応の跡は何も見つからなかったぞ。」

一の谷「勿論、通常の熱その物では無いのは、我々もあなた方もご存知の通り、基本トリオン兵はあなた方の持つトリガーではないと傷一つもつかない。もしつくならこの三門市を襲った大規模侵攻に出動した当時の自衛隊の兵器が破壊して市民の犠牲が少しでも少なくなっていた筈ですからね。」

迅「じゃあ一体どうしてこのトリオン兵は溶けているんだ?」

一の谷「可能性としてトリオンとは違う全く未知の熱エネルギーがトリオン兵を溶かしたそう我々は結論に致した。」

迅「未知の熱エネルギー?」

一の谷「そう。少なくても性質は熱エネルギーの燃焼……紙や木を燃やす要領でトリオン兵を高熱で溶かしたと我々は考えている。こういう事に心当たりは?」

ボーダー開発室の面々は博士の質問に顔を見合せ首を左右に振る。

 

鬼怒田「異次元から来た別の近界民の仕業か?」

御手洗「或いは宇宙から来た宇宙人の仕業かもしれない。どのみち今までどの分野も計測した事のない未知のエネルギーだ。」

 

聞いている限りでは、結局誰が何が目的でどうやってトリオン兵を溶かしたのかわからないままである。

一の谷「さて……問題のもう1つの残骸の調査結果については色々と分かった事がある。」

鬼怒田「何だ?」

モニターに映るのは、結晶化したバムスターの残骸だ。

一の谷「こっちの残骸は物質の性質を全く異なる物に変質させた実体例だ。」

迅「……木を鋼鉄に変えたみたいにトリオン兵の材質その物を結晶体に変質させたって事か?どうやって?」

 

一の谷「それについて1つボーダーに報告する事がある。先に謝っておくと次の研究映像は少々刺激が強い。耐性がない物も覚悟しておくように」

博士の言葉と共に再びモニターに映る画面が変わる。

一の谷「先の昆虫怪獣の災害で幾つか研究用の死骸を回収している際に見つかったのがある。」

「っ!?」

生物学の区画研究室内の様子でソルジャー・プレイター

の解剖をしているようだ。その様子でボーダーのエンジニアの何人かは顔色を悪くし口元を手で押さえる。

迅「黒野、ちょっと…流石にこれは……」

未来予知で予め分かる筈なのに意外にも迅も顔色を悪くして黒野に言う。

黒野「仕方ないだろ。そっちの無機質な無人兵器の解体解析と違い、この部署では研究を含め多種多様な理由で基本生物の内部構造とか色々と調べるんだから……解剖した生物のレパートリーなら小さな生物から巨大生物を含めてボーダーの何倍以上もあるんだぞ。」

 

岩本「基本は皆の知ってるカマキリと同じ構造だ。しかしプレイターは保護色を越える透明化したり、体液を飛び道具代わりに飛ばす等何から何まで同じではない。」

寺島「でもだからって……」

顔色を悪くしたボーダーの知り合いのエンジニアが口から不満を言う。

黒野「現場の連中は、もっとグロテスクな物を見ている。残念だが諦めろ。」

 

解剖された内臓の構造など確かめられた通常の個体の死骸を横にその個体はあった。

原田《やっぱり、この個体、臓器のみ結晶化させられて生命活動が停止しているよ。》

生物学の博士や解剖学が得意な博士達によって首から腹までメスで切り開かれて外気に晒されているのは、通常と同じ構造の内臓全てが精巧な模型と見間違うくらいに結晶化した内臓の姿であった。

生物学を専攻なのに機械いじりが好きな片山博士が冷静に結晶化した内臓を確認しながら言う

片山《この結晶化で活動停止したからそれ以外の部分が腐敗し始めているわね。宮原博士。結晶化した内臓は大変脆いようなので慎重に摘出をお願いします。》

宮原《は~い♪》

片山千鶴子博士に呼ばれたのは、ピンクの髪をロール巻きにした明るいツインテールの髪型をした女性で人なつっこい雰囲気があった。赤いリボンも特徴的だ。

迅「あの子も生物学の博士なの?ちょっと子供っぽくない?」

黒野「あぁ。宮原博士の事か?見た目に似合わず彼女は優秀だぞ。それに子供っぽい外見に似合わず歳はイコ先輩達19歳組と同じ19歳。」

迅「嘘っ!!天才じゃん!?」

 

宮原克美 年齢19 専攻 生物

明るく人なつっこい性格なのだか、いつも遊ぶ事ばかり考えている科学者。ぬいぐるみ集めやゲームセンターへ行く事が好きで、休日はもっぱら友達とゲーセンめぐり。(シューティング命!)

 

クレーンゲームで培った精密で緻密な動きで簡単に砕ける結晶化した内臓を綺麗に全て摘出し、金属のトレーに敷いた特別製の緩衝材に載せる。

 

宮原《よし。……にしてもどうやってプレイターの内臓のみを結晶化させたんだろう?》

摘出した内臓らに視線を向けながら疑問を口にする宮原博士。

原田《プレイターの外側の皮膚の性質その物が変化しているから、当たった箇所をまるで石に変えた感じだ。少なくても人間の機械では再現は難しいよ。まるで古代の錬金術だ。》

視線を水晶ドクロの要領で見つかった結晶プレイターヘッドに向けて自分なりの見解を言う博士達。

宮原《この検体も、頭部のみ結晶化して胴体が腐り始めていたから境目を見つけて切断して保存しましたけど……》

モニターに映る映像が途中で切れて寺島は近く黒野に訪ねる。

寺島「何で途中で消しちゃうの?」

黒野「博士達のこの後はプレイターの頭を解剖する予定だからだ。流石に伝える事はもう分かっただろ。」

迅「トリオン兵とは別のプレイターがトリオン兵同様に結晶化されているからかい?」

黒野「行動パターンはまだ不明だがさっきの一連の映像で生物にも結晶化が通用すると言う悪魔の事実が分かったからだ。この事実だけでもかなり危険な能力を持つ存在だぞXは。」

不明だらけの相手に仮の名のXと呼称する黒野。

一の谷「……といった具合にトリオン兵を結晶化させた存在Xは理由はわからないがその日、三門市ではなく東京に出没して小型サイズのプレイター達と戦闘をした形跡がある。」

鬼怒田「指紋は?Xに関して何か確実な証拠になる物は無いのか?」

黒野「俺達もトリオン兵をこうした奴と同一と考えて科捜研にも協力して貰ったんだが、直接触れた箇所のみ抜き取られたり、復元不可能なレベルで粉々に破壊されたりで指紋は取れなかった。」

迅「存在X……一体、何者なんだ?」

御手洗「SGMのメンバーやMJのメンバーも各方面から情報を集めているが……」

黒野「避難所に避難した人達から何か目撃情報が手に入らないかリリアン隊員とダイアナ隊員にハカセ隊員で聴き込みをしているけど成果は乏しい。」

迅「まるで悪魔の証明だ。物的証拠で存在はするは分かるけど……近界民なのかな?」

黒野「それもわからない。今回の分析でボーダーのエンジニア達の協力で検体のプレイター達もトリオン兵のように調べて貰う予定だけどさっきの溶けたトリオン兵同様未知のエネルギーが干渉した可能性だってある。」

迅「ウルトラQだね。」ボーダー以上の科学者が揃う『お化け屋敷』も完全にお手上げな調査結果を感心したように言う迅。

御手洗「プレイター達にトリガーの痕跡がないか調査よ協力お願い出来ますか?開発室の皆さん。」

鬼怒田「うむ。人なのか?生物なのか?物体なのかはわからないがわし達の専門知識で謎について何か分かるなら喜んで協力しよう。」

互いに握手をする博士達。その様子を黒野は色々と思考しながら眺めるのであった。

 

黒野(……明らかに普通の人間の仕業ではない。同じサイズの怪獣ならあの日対怪獣用レーダーで反応があった筈だ。地底か?宇宙か?異次元か?どちらにしても……敵になるならかなり危険な能力を持った相手だ。)

三門市に目撃されたトリガー以外では破壊不可能のトリオン兵を破壊する存在X。トリオンやトリガーを使わずトリオン兵を結晶化して破壊可能と言う事は、生物のプレイター同様にトリガー使いでも結晶化は可能。

黒野(ギリシャ神話のメデューサと戦うペルセウスの鏡の盾のように対策が必要だ。)

 

ボーダー達、ひいては『お化け屋敷』は得も知れぬ謎の存在X達を警戒する。

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ハザマ「すいません。ラムネを下さい。」

三門市にそれ程離れていない隣町の都市 五島市 高層ビルが建ち並ぶ大都市に行き交う老若男女達。その高層ビル群が見える近く下町の駄菓子屋に銀河連邦最強の男は

呑気にラムネを購入していた。

ハザマ「あっ、」

しかしいざ飲もうとしたら失敗してしまい溢れてしまう。

ハザマ「……。」服にラムネがかかり何とも言えない表情をするも結局自分のラムネの開け方がヘタのせいと決めてゆっくりと駄菓子屋近く備え付けベンチに座りラムネを飲む。

五島市の高層ビルに視線を向けながら景色を眺めているとその大都市の一角の高層ビルの1つが突然地響きと音を立てて地底の中に深く沈んで行く。

周辺の人達がその光景に驚き騒ぐ中で罪無は静かに夢想より優れた探知能力で地底深く感じた二匹の怪獣の気配を読む。

ハザマ(二匹……しかも別々の個体同士の縄張り争いか。)

ハザマ「……ラムネが旨い。」

剣持なら怪獣のいる所に向かうが完全に自分の案件とは関係無いから罪無は他人事のように寛いでいた。

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〔推奨BGM怪奇現象[Mー34]〕

五島市の深く暗い地底の空間には恐るべき二匹の怪獣が激しい縄張り争いが繰り広げられていた。毎日のように起きる不気味な小地震と世界各地に起きる異常気象の影響を受けた地底の温度の急な変化ともに意識を覚醒させて縄張り争いをする。

両者はゆっくりと相手との間合いを取りながら交互に立ち位置を変えて動き回り、二足歩行の怪獣が全身を使った目の前にいる四足歩行怪獣に向かって体当たりを繰り出す。

しかし頑丈な身体なのかビクともせずに弾かれて吹き飛びそのまま地底の壁に叩き付けられる。叩き付けられるも直ぐに壁から離れて獰猛な顔を相手に向ける怪獣、又の名は古代怪獣ゴメス。かつて万城目達が目撃した東海弾丸道路の工事現場地中に生息していた個体と同じ外見だがアンバランスゾーンの住民達が目撃した個体に比べ遥かに大きく重い個体だ。

 

古代怪獣ゴメス 身長50㍍ 体重4万2千㌧

肉食性で獰猛な原始哺乳類で平温動物。

後頭部には、前方へ向かって弧を描くように曲がった一本角が特徴の古代怪獣。

 

 

地底に獰猛な雄叫びを上げ鋭い牙や両手の爪。そして自慢の頭部の角を使った頭突きで目の前の怪獣に攻撃を繰り出すゴメス。しかし対する四足歩行怪獣は、ゴメスの攻撃を物ともせずに噛み付こうと口を絶え間なく動かし

怪獣同士激しくぶつかり合い力と力の押し合いに変わる。

ゴメスは自慢の怪力の両腕で四足歩行の怪獣の流線形の顔と喉を押さえつけるも、硬い甲冑のような皮膚を持つ怪獣の自慢の力に逆に押されて行く。

しかしその時、高層ビルが地盤沈下によりここまで落ちてきてゴメスを無視して怪獣はビルの方向に向かう。

「「っ!?」」

ゴメスに攻撃を食らい続けるも関わらず小地震の影響で地面が陥没して現れた高層ビル内部にある鉄骨を美味しそうに、干し草を食べるように食事に勤しんでいた。

【バリバリ。バリバリバリ。バリバリバリ。】

硬い金属でビルに張り巡らした鉄骨を草のように噛み砕き飲み込む怪獣……鋼鉄竜は、ゴメスの勢いを付けた尻尾に顔を殴打されても暢気に食べ続けて先にスタミナが切れたゴメスは悔しげに鋼鉄竜に吠えて鋼鉄竜の顔に向けてビンタを叩いて鋼鉄竜は鉄骨を食べる事に邪魔されて怒りゴメスに向き合いゴメスは動物的に鋼鉄竜の喉に必死に何度も噛み付くも皮膚が硬いのか牙が通らず、逆に鋼鉄竜の牙がゴメスの皮膚に食い込み赤い血を地底に流す。

噛み付かられた痛みで悲鳴の咆哮を上げるゴメス。

鋼鉄竜はゴメスの喉目掛けて噛み付こう牙を鳴らしゴメスは必死に全身を使って噛み付く鋼鉄竜を押さえつけようにも暴れる四足歩行の鋼鉄竜に追い込まれる。何度も何度も鋼鉄竜の兜のような角を両腕で叩くも怯みもせずに勢いの余り背中に乗ったゴメスを簡単に払いのけて、鋼鉄竜は仰向けに倒れ込んだゴメスの腕を深く噛み付き赤い血を流させて更に太ももにも執拗に何度もその牙を食い込ませて弱らせる。

腕を何度も噛まれて戦意を完全に失いゴメスは悔しげに咆哮を上げてふてくされて鋼鉄竜の縄張りから離れようとする。

鋼鉄竜もゴメスの攻撃をやめてビルの鉄骨を食べる事に戻ろう動き離れる。

 

しかし離れる直前、近くに丁度良いサイズの岩を見つけて鋼鉄竜と岩を何度も視線を変えてどうせ何も効かないだろうと、岩を持ち上げて鋼鉄竜に向かって八つ当たり気味に投擲する。

綺麗に放物線を描く投擲した岩や鋼鉄竜がどうなったか確認せずにゴメスはふてくされたまま後ろを向き別の地底に移動しようとしたが、ゴメスの背中に勢いを付けたソレは貫通する。

「「っ!!」」

兜のような長い…長い……長い動物のサイに比べてとても長い一本角がゴメスの頑丈な甲羅を易々と貫通させて

高く持ち上げて簡単にゴメスを身体から引き抜き仰向けに倒れたゴメスを鋼鉄竜の重い身体で押さえつけて必死に足掻くゴメスの喉目掛けて鋼鉄竜の鉄骨を噛み砕く牙が執拗に食い込みゴメスから赤い血を絶え間なく流し首の骨を一気にへし折り完全に息の根を止める。

「「…………。」」

鋼鉄竜はゴメスがピクリとも動かなくなった事を確認して牙を離し咆哮を上げてゴメスの死体を食べようとせずに鋼鉄竜は、ゴメスが投擲した岩によって砕けた高層ビルの鉄骨の山を長い一本角で頭を下げつつ器用に拾い食べる。

 

頑丈で鋼鉄の甲冑のような皮膚を全身に持つアルマジロや亀に似た四足歩行に流線形に似た頭部を持つ鋼鉄竜は、自分の上半身と同じ長さを持つ兜のような長い一本角を持ち上げて鉄骨をムシャムシャと食べるのであった。

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昼休み 三門第一高等学校の屋上にて

田端「剣持!?今度一緒に東京へ行こうぜ!?昆虫怪獣災害の裏に宇宙人のUFOを見たって言う人達がオカルト掲示板に多数載っていたんだよ。もしUFOの残骸の破片とか見つけたら俺達有名人だぞ。」

(この人、テンション高いなぁ。)

まるで野球を誘うかのように昼休みになった時間に教室に顔を見せて新聞部の面々と一緒にお昼を食べていた。

「どのみち関係者以外立ち入り禁止になっていますよ。大きな災害でしたから未だにあちこちで現場検証とか亡くなった人達の遺留品の回収していると思いますし。」

井上「まっ、直人。そういう事だから諦めなさいな。」

カメラマンの井上一平が部長の肩を叩き諦めを促す。

その新聞部の様子を見ながら剣持は自分が作った弁当とマドンナ先生に貰った手作りクッキーを食べて

「このクッキーやっぱりうまいな。」

味の感想を言いながら視線を新聞部から校庭の方向に視線を向けて部長の言っていた事について考える。

(新聞部の部長が見たUFOとは……恐らく、昆虫怪獣達を興奮状態にした人工雨を降らせていた円盤だろう。)

(円盤自体はベムの仲間が破壊したんだよね。)

(あぁ。あの円盾を持った青年だ。地球での名前は春日 炎太郎。親しい奴はアイツをエンタと呼んでいる。学校時代の同期生だよ。)

夢想が前回の昆虫怪獣災害の際に遭遇した銀河連邦のヒーロー達。

(心強い味方だね。)

(……まぁな。俺の出自を知り数少なく偏見な目を見る事なく接してくれる奴らだよ。)

無表情が基本でもその口は何処か嬉しそうに笑みを浮かべる剣持。辛く寂しい孤独感に苛まれる中で有りのままの自分を見てくれた仲間達。出自もバラバラな彼らとあれから立場は変わったが友情は何1つ変わらない。

 

(仲間か……何か良いね。)

怪獣達で戦っていた夢想にとってベムと皇虎先輩達の関係は素直に羨ましい物だった。ボーダーの仲間や先輩達にはどうして高い壁や深い溝があるから……

その時、突然剣持のスマホに音が鳴り剣持はスマホの内容を確認する。メールの差出人は三年生の真琴先輩だ。

(真琴先輩。どうしたんだろう?)

何気なくメールの内容を流し見ていると剣持の目は見開く

「っ!?」

隣町の五島市の高層ビルの突然の地盤沈下に関してのネットニュースについて話がしたいと言う内容で、ご丁寧にどっかのYouTuberの配信者が高層ビルが地面に吸い込まれて行く一部始終の動画付きだ。

 

(平和の大都会で突然の高層ビルの地盤沈下……只の自然現象かあるいは『お化け屋敷』の怪奇案件か……)

剣持は昼の弁当を食べながら高校の屋上から隣町の五島市の方向に視線向けるだった。

すると再び剣持のスマホが鳴り視線をスマホの方に向け

(あっ、志岐さんから電話だ。)

「もしもし。どうしたの?」

出来るだけ小声で応対する剣持。

志岐《四国の鳴門海峡に目撃された銀色にレッドラインと青いラインがある巨大人型生物についての詳しい説明を求む。》

「(゜ロ゜;……(・_・)……その詳しい説明は学校が終わってから真琴先輩の館で話すぞ。」

志岐《ちょっ!》

志岐が見た巨大人型生物が誰の事か直ぐに理解して通話を切る。

 

「……。」

剣持は昼休み前の授業中の時に、かすかだが既に二匹の怪獣の気配は感じていた。しかし、地底深い為に精度が低くその二匹の内一匹の気配が忽然と消失した訳がまだわからない。

残った方の怪獣が地底深くまだ活動をしている。だがその気配も殆ど追えない。

(危険を知らせる超感覚も発動していない……怪獣は一体何処に……)

 

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志岐の自宅にて、

日課になった剣持にオカルト関連の様々な情報を教える際に、四国の鳴門海峡にてレッドマンとは全く違う人型生物がシベリアから日本に来た怪獣と交戦して負けたと掲示板にあり、多数の目撃した人達もいるらしい。人型生物はその後、レッドマンに海底から助けだされて姿を消したらしくオカルト掲示板は、人型生物の目撃情報を求めている。レッドマンとは全く違う謎の存在に掲示板の住民達は沸き立っていた。中には自分こそレッドマンであるとか人型生物は俺だとか下らない内容もあるが、

レッドマンの秘密を知る小夜子にとってもこの内容は興味津々な内容で当人に連絡して色々も聞きたいのだ。

 

たまにレッドマンがメカのゴリラとカマキリにボコボコにされていた事を笑う住民達もいて軽くムカつくも小夜子は気にしない。

そして自然とオカルト掲示板の最新情報を見て五島市の高層ビル消失の事件を知る。

志岐「……五島市って三門市の隣町じゃん。近っ。」

地盤沈下で消失した高層ビルの構造上の欠陥や地底人の仕業とか某国の陰謀とかオカルト掲示板らしく根も葉もない憶測が飛び交う。だが稀に憶測に混じって真相に近い内容もある為に小夜子は念の為にその内容にも目を通す。

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五島市。

突然の高層ビルの地盤沈下と異常な震動をキャッチした

『お化け屋敷』は早速調査に動く為に出動する。

 

地盤沈下した現場には『お化け屋敷』所属のロボー47とローバーが現着していた。

ハンサム《先ずはドローンを先行させてから地底の内部を調べる。》

今回、大型兵器に搭乗するのはハンサム隊員。

サンダース「せっかくの生還パーティーなのに……高級のステーキもっと食べたかった…」

ホシノ「仕事に集中しろ。サンダース。」

ジュリー「ドローン。降下させます。」

ローバーの側に幾つ物の機材を用意して複数のドローンをビルが引き摺り込まれたポイントに降下させる。

ハンサム《このまま、只の自然現象なら良いな。》

ロボー47は頭部のモノアイ部分をローバーにいる隊員達に軽く向ける。

ジュリー「それは調べないわからないわ。」

奈落と見間違う暗く深い地面の下を下がるドローンを見る『お化け屋敷』の面々達。

ホシノ「怪獣や生体反応のバイタルに反応があったら直ぐに報告しろ。」

ハンサム、ジュリー《了解!?》

ドローンが深い地底の奥まで降下してその内部の映像が用意されたノートパソコンの画面に映っている。

ジュリー「電磁波の影響とかはなさそう。」

やがてドローンは地底に沈み砕けた高層ビルの残骸を見つける。確認した深さに到達出来るまで土や岩にビルの壁が削られて脆くなっているのか。中にビルの関係者が居ても地上の高さから地底に沈んだなら、彼らの生存は絶望的だろう。そしてドローンのカメラはある物を映す。

ジュリー「っ!?チーフ!?コレを見て下さい!?」

ホシノ「どうした?っ!?」

力無く横倒れ腹に風穴を開けたゴメスの死骸をドローンカメラは映す。ドローンはゴメスの状態を見て

サンダース「……別の怪獣と戦った跡があるな。しかも死骸になってそんなに経過していない。」

ホシノ「急いでベック達に報告しよう。」

ハンサム《ホシノチーフ。ロボー47で現場に降下してよろしいですか?》

ホシノ「待て、ハンサム。先に地底内部の調査の前に報告だ。此方、ホシノ。本部応答せよ。」

イデ《はい。此方、本部のイデ。ビル消失の調査報告でしょうか?》

ホシノ「それについてエドランド隊長達から報告がある。繋いでくれ。」

イデ《わかりました。少し待って下さい。》

エドランド《どうしたんだ?ホシノチーフ。一体何があった?》

ホシノ「ビルが引き摺り込まれた地底内部に古代怪獣ゴメスの死骸を発見。此れよりロボー47を現場に降下させる予定です。」

エドランド《よし。許可しよう。》

ホシノ「許可が降りたぞ。ハンサム。調査の為に降下しろ。」

複数のドローンが地上に戻っていきローバーの前に滞空するのを確認してホシノは指示を出す。

ハンサム《その命令待ってました。》

ローバーをある程度バックさせて現場から程良く離れてロボー47が動き出し、ロボットアームを使い土に指先を突き刺しながらゆっくりと地下に降りて行く。

ジュリー「何か異変が会ったら直ぐに報告を……慎重にね。」

ハンサム《華麗に任せてくれ。……思ったより狭いな。》

サンダース「…難しいなら戻ってこいよ。」

ハンサム《ロッククライミング訓練をするのと同じだ……慎重に……ゆっくりと……登り降りをするだけだよ。》

『お化け屋敷』は時として崖といった過酷な場所に向かう必要がある場合に備えて訓練でボルダリングやロッククライミングと言った物もある。

 

やがてロボー47は暗い地底の現場に到着して各部にある各種ライトを起動して地底内部を照らす。地面が凸凹してどれが足跡かすらわからないくらい酷い。そして死骸となったゴメスの方向にゆっくりと向かいゴメスのボロボロ具合から確認していると。ある事に気付く

ハンサム《このゴメス。……死んで殆ど経っていないな。別の怪獣と戦っていて敗れたのか?》

高層ビルの下敷きになって死亡した訳ではないのはドローンのカメラでも分かっていたが、ビルからある程度距離があるのも気になる。

ハンサム《とりあえず、このまま死骸を放置する訳にはいかない。》

ロボー47を操作してゴメスをロボットアームで掴みゆっくりと持ち上げて背中の垂直型ロケットブースターを起動。地底から地上まで一気に飛ぶ。怪獣を持ち上げている為に通常よりも速度は遅い物の無事に地上の現場に戻りゴメスの死骸を近くに横たわらせる。

サンダース「一体誰がゴメスを仕留めたんだ?」

ホシノ「それを我々が詳しく調べるのが仕事だ。鳴門海峡に目撃された怪獣の仕業の可能性もある。」

 

 

生還パーティーをしていた『お化け屋敷』だがそれと同時にここ数日間、日本各地のレーダー基地と連携して鳴門海峡に目撃された白い前方に湾曲した一本角に青い鰐皮状の皮膚をした二足歩行の恐竜型の怪獣の捜索もしていた。

ロシアの首都を暴れた怪獣は、ロシア支部が前から知っていた永久凍土と地底に埋まっていた怪獣で『お化け屋敷』も情報だけは知っていた……古代凶暴怪獣ジオン。

 

関東、関西方面や四国、九州方面の警察や海上保安庁達が捜索するも以前その行方はわからなかった。そんな折に五島市に謎のビル消失と怪獣ゴメスの死骸の発見。

もしかしたら怪獣ジオンが関わっているのではと『お化け屋敷』は僅かな可能性を含めて原因究明に動くのだ……

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夕方の三門市 三門市立第一高等学校 授業が終わり下校する生徒は下校して部活をする生徒は部活をする時間。

 

沢山ある資料のある新聞部部室にて

田端「何か面白いネタはないかな~」

井上「黙って記事の作成してくれよ。直人部長。」

「……あの吉井さんは?」

本来なら下校して志岐さんに色々と話しておくのだが、真琴先輩がメールで教えてくれたビル消失の奴が気になりこうして新聞部に足を運び情報収集をしている筈が……

 

田端「うん?あっ、ゆかの奴なら女友達達と推しのガールズバンドを見に行ったから今日はもう帰ったぞ。」

「そうですか。」

(この資料は此方にまとめて……これは井上さんの所へ)

帰ろうと思ったら何故か資料整理に参加していた剣持。

「興味本位に聞きますけど……今何の記事を作成しているんですか?」

田端部長に尋ねる剣持。

田端「……ウチの高校。三年から一年にボーダー隊員達が結構いるだろう。前の東京の怪獣災害で教えて貰えるレベルの隊員達の体験談を集めて記事にしているんだよ。」

井上「災害にあった人の生の声を伝えると同時に、地域の噂とかそういう話を書く予定なんだよ。」

田端「まぁ、今日は記事が書く事が上手いゆかがいないから記事の作成に手間取っているけどな。」

 

剣持を含めた三人は、例のビルが地底に引き摺り込まれる動画を集まって眺めそれぞれの感想を言う。

「各ネットニュースで話題になってますね。」

田端「突然のビルの消失。地底人の仕業か?」

井上「部長。五島市なら割と近くですよ。今から行きますか?」

「多分、現場には警察関係者とかいるから近付けられませんよ。」

新聞部の部長である田端達は……ネットを見ながらボーダーの災害の際の出来事の記事を書いて……剣持は何故かその手伝いをさせられた。

手伝いをしつつ視線を一台のノートパソコンに向ける。

 

真琴「……。」

パソコン画面には美術部の部室が映り部員達は彫像を真剣な表情で世間話をする部員もいれば、真面目にデッサンする部員もいる。

美術部部員「……。」

「何か色々すいません。部活の邪魔をして……」

美術部部長「気にしないでくれ。こっちもこっちで五島市の事が気になっているんだ。」

(思っていたより寛大な心を持っている部長さんのようだ。)

井上「地盤沈下の原因って毎日あちこちに発生する小地震かな?」

田端「地殻変動……日本は沈没しないよな。」

「怖い事を言わないで下さい。」

田端「ワルいワルい。」

「でも五島市は高層ビル群が多い大都会がビルを建てる前に事前建築会社が、色々と調べると思いますよ。地盤が緩い所にビル建てて建物が崩壊したら会社の信用問題ですもん。」

井上「……確かに……でも実際にビルが沈んでいるしな。」

美術部部長「なら最新のは?怪獣の死骸がその沈んだ地底から発見されたのもニュースになっているよ。」

田端、井上「えっ?そうなの?」

美術部部員「腹に大穴が出来て身体中噛み付かれた跡もあるらしい。」

デッサンを合間にスマホでネットニュースを見る部員から新聞部は色々と新しい情報を貰う。

真琴「発見された怪獣は50㍍サイズの古代怪獣ゴメス。始めて目撃された10㍍サイズに比べてまぁ大きなサイズだね。」

「……情報通りなら、ビルに押し潰されて死んだようではないのですね。」

田端「五島市の地底に潜む謎の怪獣?記事になりそうだな。一平。カメラ渡すから探してきて。」

井上「無茶言うなよ!?50㍍サイズの怪獣を倒した怪獣だったら俺助からないじゃん!!」

「あはは……先ずはボーダー隊員達の体験談の記事をまとめる事を優先しましょう。」

 

ふと資料に目を向けるとある資料を見つける。

「あの……田端先輩。」

田端「ん?どうした?」

「これは?いつの資料ですか?」

田端に見つけた資料を見せると……

田端「あっ、これは最近、あちこち大都会や都市に目撃させる謎の"天使"の記事だな……三門市にも目撃されたんだ。」

 

日付は剣持が黒野に頼んでパリの復興の手伝いをしていた頃のだ。

 

東京でも空に時折目撃されたと言う美しい天使に影響を受けた人達の関する記事で

 

井上「あーソレ、ゆか達と書いてて何か気味の悪さを感じて途中で全員と相談して辞めたんだよな。」

 

美術部部員「同じクラスの人で何か宗教を布教する感じがして怖くなった人もいるんだよ。」

真琴「大都会の空に目撃される天使……。その天使を崇める人達……」

真琴の脳裏に過らせるのは、おぞましい姿をした悪魔の姿だ。人々に天使の幻影を見せおかしくさせて同胞達のを迎え入れようと地獄の門を大都会の空に開けようとした"炎魔戦士"の姿が頭の中を駆け抜けていった。

 

真琴「……まさかね。」

「真琴先輩?」

真琴「あっ、何でも無いよ剣持君!?」

真琴(自己顕示欲が強いアイツらは自分達ではどうしようも無い"暗黒の支配者"を恐れて人を導くと言いながら最後まで"愚かな人類"と人を目に見えて見下し地球を見捨てて物語からフェードアウトした……それこそ次元でも通らない限り此方に来るなんて無い……でも……)

真琴(凄く………嫌な予感がする……)

本来なら現れる筈の無い……恐竜の絵から恐竜が出現する並みにあり得ない筈なのに……酷く嫌な感覚を真琴はこの時、感じた。不安になる真琴の気分とは裏腹に美術室の窓から見える夕陽は美しく……三門市を照らすのだった。

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同刻 六頴館高等学校の校門前にて

鏡「……。」

染井「……此れから行く店についてきて。」

鏡「わかった。」

無言で校門前に待っていた拓也に染井は一言言い。二人は喫茶マドモァゼルに入り。テーブル席に向かい合いながら椅子に座る二人。

店員「ご注文は?」

鏡「エアーズロックコーヒーとアンキモパン。」

染井「……普通のコーヒーで。」

真剣で秘密の話をするのに暢気に拓也は注文をする。とは言え染井も店に入ったからコーヒーを注文する。

 

アンキモパン

菓子パン

アンコの代わりに裏ごしにしたアンコウのキモを入れたパン。その不思議な味は、なんとも言葉では言い表せない物となっている。

 

暫くすると白いティーカップに入ったコーヒーとパッと見て餡パンに見えるのに、餡パンじゃない何ちゃって餡パン……アンキモパンがホカホカの湯気と共にテーブルに置かれる。

染井「……さて、どうして私の友達の剣持君について知りたいの?」

とりあえず本題を口にする華に対して

鏡「頂きます~♪」

染井「……。」

染井はムッとした表情で暢気にアンキモパンとエアーズロックコーヒーを味わう拓也を見る。

拓也相手に眉間に皺が寄っても仕方ないから華も自分のコーヒーをゆっくりと飲む。

鏡「う~~ん。ドリ・アンパンに劣らず言葉では説明出来ない味だ。健康目的でもクソ不味い!?」

染井「………。」

……色々な意味で失礼な人だと華は思う。

 

染井「これ飲み終わったら、帰って良い?」

鏡「帰る前に剣持夢想は何処に住んでいるか教えてくれるか?彼に改めて直接会いたい。」

染井「接点が殆どない鏡君に私が教えると思う?」

ゲンブ百貨店で私と剣持君が一緒にいた事について鏡君に兎も角言われる内容ではない。

鏡「……色々と彼と話がしたい。一緒に買い物をする程度なら自宅とか彼が良く立ち寄る場所は知らないかい?」

 

正直に言うと華は目の前の拓也を警戒している。拓也自身自分達と違いボーダーとかと関係無いなら、何故すれ違ったか見た程度の人間の事が知りたいのか普通に疑問だ。自分の中ではストーカーの線の可能性も小さくだが生まれているし……普通に怪しいし。

 

同じクラスの人間だが仲は平均的で……三輪隊の狙撃手古寺君と良くつるむのは見ている。遅刻、サボり、早退の常習者でありながら成績は上位に位置する文字通り謎まみれの同級生だ。

 

染井「目的は?どうして剣持君を?」

出来る限り情報を集めたいけど、鏡君の目的がわからない……どうして彼と話したいのかしら…

鏡「……それは、訳は言えないんだ。」

染井「言えないって……」

鏡「……でも凄く大事な事なんだ。」

するとマドモァゼルの店内が軽く揺れる。

染井「また…地震……。」

鏡「……。」

揺れる中で真剣な表情で窓の向こうの外の景色を見る拓也。その表情は、怪獣を見る夢想と同じ表情をしていた。

染井「私に言えない事?」

鏡「……同級生を巻き込んだと知ると、多分剣持夢想が怒ると思うんだ……。」

染井「……そう。」

染井(さて…どうしたものか……)

聞いている限り鏡君に悪意は無い。……でも剣持君の言葉を信じるなら彼は普通の人では無いし普通の同級生としては信用は出来るが、個人としてはまだ信頼は難しい。

染井(敵か味方か……個人として彼に協力するべきか否か……)

これが剣持君を陥れる罠の可能性だって充分ある。

吉井「あっ、染井さん。お久しぶりです。」

拓也について考えていると後ろから声を掛けられて振り向くと剣持と同じ高校に通う瓶底眼鏡とやけに耳に残る声が特徴の……

染井「……吉井さんですよね。」

吉井「製油所の見学の時以来ですね。染井さん。」

新聞部の記者ポジション担当の吉井結花。

吉井「染井さんはこんな所で……」

視線を華から無言で拓也の方を見て……

吉井「……剣持君には内緒にしておきますね。」

何か盛大な勘違いをしてこの場を去ろうとするゆかの手を華は掴み

染井「ちょっと相談したい事があるから協力して。」

吉井「勘弁して下さい。ノンフィクションの泥沼昼ドラマは好きですけど、リアルは不味いですって!?」

染井「落ち着いて……良くこの人の顔を見て…」

華はゆかに改めて拓也の顔を見て……

吉井「無いですね。………これは…無いですね。」

染井「誤解が解けて良かったわ。」

鏡「……全部聞こえるんだよ。チキショー!!」

染井「とまぁ、彼は私の愉快な同級生。鏡 拓也君。格好つけようとすればする程格好がつかない人よ。」

鏡「身も蓋もない俺の紹介をヤメテ貰えるかな?俺だって傷付く時は傷付くんだぞ。」

吉井「反応が何か面白いですね。」

鏡「……俺の中の心は鏡並みに脆いんだよ。面白い反応見たさに叩くな!」

吉井「それで何の話していたんですか?」

鏡「君、声は耳に特に残るけどマイペースだな……」

出会ったばかりの女子にからかわれた拓也は何とも言えない微妙な表情をする。

染井「……剣持君の事で色々と聞かれたのよ。」

吉井「剣持君の事で?どうして?」

拓也の方を見てきょとんとする吉井。

 

鏡「……流石に駄目?」

染井「鏡君は自分の知らない所で自分のプライベートの事を赤裸々に話されて平気なタイプ?」

鏡「……それは、少し困るな……」

コーヒーを飲み終えた華は席に立ち上がり会計の方へ歩く。

染井「兎に角、私から剣持君については教えないから……吉井さん。私帰ります。」

そして会計を済ませてマドモァゼルから出る染井の後ろ姿を見る結花と拓也。

鏡「ちょっと染井さん~~待ってよ~~」

鏡は慌ててコーヒーとアンキモパンを食べて飲み込み後を追おうと店を出るも、既に夕方 帰宅ラッシュの時間も相まって人混みでその姿は見えなくなり途方にくれるのだった。

鏡「剣持夢想の手掛かりが……」

そんな寂しいそうな拓也の肩を結花は軽く叩き。後ろを振り返ると結花は静かに

吉井「ドンマイ。」

っと言う。

鏡「……剣持夢想について教えて下さい。」

吉井「……多分そう言う事を言うとわかっているから染井さんは教えなかったんだと思うわ。」

鏡「うっ……。」

結花に指摘され心辺りがあるのか申し訳ない表情をする拓也。

吉井「そもそもどうして染井さんが剣持君の事知っていると思ったの?」

鏡「……ゲンブ百貨店の屋上に昆虫怪獣が降りてレッドマンと戦った日。その日何気なく知り合いの先輩とゲンブ百貨店の通路を歩いていたら、オシャレで可愛い私服姿の染井さんと黒い学生服を着た剣持夢想が一緒に歩いていたのを見たんだ。」

吉井「えっ!?」

まさかで意外な事実を知りちょっと驚く吉井結花。どうやら目の前の鏡拓也は、二人が一緒に移動している所を見たから、染井から剣持について訪ねていたらしい。

鏡「まぁ、それももうおしまいなんだけどな。これからどうしよう。」

吉井「………染井さんは…友達を大切にする良い子だから……」

鏡「……俺、同級生の染井さんの一面しか知らないんだな……俺って馬鹿だな……」

吉井「……どうするの?」

鏡「少し……頭を冷やしてくる。じゃあな。えっと……」

吉井「……吉井結花よ。以後お見知りおきを……」

拓也は結花の元へ離れて行く。結花は結花で店に待たせた女友達達と共にガールズバンドのあるステージへ向かう。

鏡「あぁ、またな。吉井さん。」

 

 

結花達と別れた拓也はへリオンの基地へ向かうと歩いていると

「っ!?」

拓也は人混みを歩く中で、黒服にサングラスの成川の姿を見る。何かに導かれるように拓也は成川の後をついて行く。

そして後をついて行くと段々と人通りが殆どいない立ち入り禁止の警戒区域に足を進めて行く。

 

何年も使われていない廃倉庫に勝手に入り拓也も後を追う。

成川「此処なら良いだろう……」

鏡「っ!?その声 怪獣と戦う際に俺に助言を与えた……」

成川「あれから数日……傷の具合は大丈夫か?」

鏡「まぁ……ぼちぼちだよ。」

成川「剣持夢想には会ったか?」

鏡「それがまだ途中なんだよ……」

成川「そうか。」

あの日青い怪獣に敗れ意識を完全に失い気が付くと元の三門市に戻ってきており俺は目の前の黒服の人に手当てされた。

鏡「取り敢えず……あの時は、手当てしてくれてありがとう。本当に助かったよ」

成川「気にするな。」

鏡「でも、あんたは何者なんだ?パッと見て普通の人のように見えるけど……あんたも俺と同じ存在なのか……」

成川「最初に言っておくと、俺はお前の敵ではない。」

鏡「そうなのか?なら信じるぜ!?」

成川「そして普通の人でも無い……」

ジョージのその言葉にさして拓也は驚きはしなかった。巨人と化した自分に能力についてのアドバイスを言ってくれたし……自分の頭の中に声を届けた辺り隼人さんと似た超能力者なのだろうと可能性はあったのだ。

成川「俺がお前に会いに来たのは、これからお前には2つの道があるからだ。」

鏡「2つの道……」

成川「一つは、その人間ではない力を隠し普通の人のようにこの星で暮らす事。」

鏡「……もう1つは?」

成川「その二次元人の力で……地球の平和と人類の自由の為にあらゆる敵の脅威からこの星を守る事だ。」

鏡「……。」

正直な話……この道を聞いた時に拓也は、漸く自分にも芽が出たと思ったのだ。

へリオンで日々戦闘訓練を始め身体を鍛え上げているもやっぱりガイラットの改造人間達には劣るし、ヘタすると人質や操られた事とか何度もある……そういう時は決まってエレキトリガーマンやバトルファイター1に助けられる……そう助ける側よりどちらかと言うと助けられる側ばかりを経験していた。

だからミラーマンRBに変身出来た時は、素直に嬉しいかった……漸く皆と同じスタートラインに……仲間になれたんだと……自分の中には超人的な力があると………

戦いの中でヒーロー達に守られる存在じゃなくなると、

 

成川「俺個人……正直に言うなら……君には普通の地球人として生きて欲しい……」

ジョージが懸念するのは、先の戦いで拓也が殺されずに生きていたのは、怪獣にとってミラーマンRBが脅威にもならない程弱かったおかげだ。

 

鏡「どうしてだ!?確かに前の戦いは色々と勝手がわからなかったけど……」

成川「はっきり言うなら…君には怪獣と戦う義務や使命は何も無いからだ。今回はまだ命があったが……次はどうなるかわからない……ヘタをしたら今度こそ殺される危険すらあるんだぞ。」厳しい口調だがその心は拓也を心配してこそ。事実鳴門海峡の戦いでは怪獣ジオンがミラーマンRBを本気で殺そうと動いたなら成川は助けるつもりだったのだから、ジオンの気配を感じてレッドマンが急行してくれたおかげでジオンは撤退し拓也は助かったのだ。

鏡「でもあの時、あの場面ではあの怪獣を食い止められたのは俺のおかげだ!!」

成川「負けたんだぞ。」はっきりと拓也に現実を言うジョージ。

鏡「今度は勝つ!?」

成川「相当な自信満々だな……さぞ自分の持っている力が凄いと思うようだ。」

鏡「レッドマンが沢山倒せるなら俺だって怪獣の一匹や二匹倒して見せる!?」

成川「はぁ~~。」

ジョージは拓也の目の前で失望の意味を込めたため息を吐き、静かにその場から姿を消す。

鏡「っ!!」

廃倉庫内でジョージの声が響き渡る。

成川《選択肢は与えた……忠告もした……後は貴様の勝手にしろ……》

鏡「こっちだって自分の事を勝手に決められなくてせえせえしたぜ!!あばよ!?」

廃倉庫からずかずかと一人去る拓也。

 

倉庫の屋根の上から三度笠を被る皇虎が傍に瞬間移動したジョージに言う。

太刀風「随分と無鉄砲で子供っぽい奴だな……」

去り行く拓也の姿に呆れる皇虎。

成川「実際まだ子供だ……さてどうしたものか……」

さっきまで拓也と会話していたジョージも思考する。

義務も使命の無い人間を止める権利は自分達にはないが……見殺しにする程薄情者でもない。

成川「……ベムに会いに行くぞ。」

太刀風「あぁ。」

二人の姿が警戒区域から消える。

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夕方 志岐の自宅にて

志岐「……。」

オカルト関連の情報に目を通す志岐の耳に玄関のチャイムが鳴る。

志岐「っ!?」

一瞬、ビックリするも直ぐ自分のPCを操作し防犯カメラから外の様子を確認すると。

真琴「あれ?留守かな……」

黒野真琴の姿が見えて小夜子は安堵し慌てて立ち上がり玄関に向かう。

 

志岐「おはようございます。真琴先輩。」

真琴「志岐ちゃん……もう夕方だよ。こんばんは。」

志岐「こ、こんばんは……」

真琴「詳しい話はとりあえず車の中で話そうか。乗って。」

互いに挨拶を交わし用意された黒いリムジンに乗り込む二人。

 

リムジン内部にて

志岐「……。」

真琴「………さて…せっかくと此方の事情を知る者達が集まったんだから……話そうか。」

二人は色々と思う事はある視線を視線の先に向ける。

染井「……。」

真琴「染井…華さん……。」

真琴は目の前の相手の名前を呼びニコッと優しく笑みを浮かべるも、その笑みは夕陽に照らされて酷く恐ろしく見えた。

 

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剣持は新聞部を後にしてマドンナ先生を自宅へ送り、買い物自転車に乗り素早く『お化け屋敷』のある市外の黒野の館へ向かう。

 

『お化け屋敷』へ到着した剣持は地下の大型リフトへ目的の階層へ降りて作戦指令室に入室する。

「おはようございます。」

アラシ「おはよう。剣持。」

御手洗「おはよう。剣持君。」

「御手洗博士。おはようございます。」

ムラマツ「さて……現在三門市の隣町にある五島市に原因不明の地震が頻発している。」

黒野「ゴメスと戦ったとされる怪獣が潜伏している可能性がある。」

指令室内のモニターに映るのは胸に巨大な穴が出来ている。

エドランド「正面から背中の甲羅が見事に吹き飛んでいるな。」

ジャック「全身に無数の噛みつかれた跡あり出血大量で亡くなったと言うよりも……コレが致命傷のようです。」

ホシノ《死んだゴメスの状態を見てもまだ詳しい状況は分かっていないから……暫くは五島市近辺を重点的にパトロールする事が決まったから……我々調査班もビル消失現場で暫く張り込んでおります。》

指令室の通信機に聞こえた内容に剣持は返事する。

「分かりました。」

ジャック「黒野、さっそく一緒にパトロールに行こうか。」

黒野「応っ!?」

「気を付けて」

ジャック隊員と黒野先輩の二人が指令室を出て行く。

 

御手洗「剣持君。申し訳ないが少し良いかい?」

「はい?何でしょうか?」

一の谷「資料の整理を手伝って欲しい。ムラマツキャップ。剣持君を借りて行くよ。」

ムラマツ「分かりました。」

剣持は一の谷博士達のここ最近の資料整理の手伝いに駆り出される。

 

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五島市へ向かうジェットホバー9とは別にホシノ調査班は朝のビル消失現場にて怪獣現出する可能性を考えて消失現場付近にて待機していた。張り込みと言う奴である。

 

ゴメスの後処理は次々とくる怪獣清掃業者達に任せて、

サンダース達はマドモァゼルからきたお持ち帰りのランチを食べていた。

 

サンダース「ゴメスの胸に風穴を開けたのは、ロボー47の標準装備のドリルアームに似た刺突物を持った奴だ。」

同じく消失現場近くに待機するロボー47に視線を移しながら姿のわからない怪獣の存在に意見を交わす調査班。

ロボー47に搭乗するハンサムはコントローラーを操作しロボットアーム内部に収納された刺突武器のドリルを軽くロボットアームから出して直ぐに収納させる。

ジュリー「刺突……角を持っているのかしら?」

ホシノ「……或いは鋭い爪や槍のような尻尾か……何分

何の目撃情報も上がってこないから……外見や特徴、習性や能力も全く不明だ。」

ゴメスの死骸の写真を現像して姿のわからない存在について考える。

サンダース「でも1つ確かな事は、」

ハンサム《なんだい?》

サンダース「確実にこの五島市の地底深くにゴメスを仕留めた犯人がいるって訳だ。」

すると五島市の市街地が激しい揺れが発生する。

「「っ!!?」」

自分達が現在いる位置から離れた高層ビルの一つが音と揺れと共に地底深くに引き摺られて行く。

やがて……揺れは直ぐに収まりサンダース達は瞬時に対怪獣用レーダーを確認する。

ホシノ「…………レーダーには怪獣の存在を一瞬しかキャッチ出来なかったか……念の為に地底の温度変化も調べよう。」

ハンサム《了解!?》

ホシノ(対怪獣用レーダーに一瞬でも反応があるのなら五島市の地下に怪獣がいるのは確実だ。)

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地底基地へリオン

その基地内部にある訓練室では秘密結社ガイラットと戦う彼らの近接格闘術の訓練が行われていた。

鏡「そりゃあっ!?」

甲斐馬「っ!?」

数多の怪人達を倒したエレキトリガーマンの甲斐馬隼人相手に拓也は果敢に挑んで行く。

甲斐馬(何時にも増して今日は、本気だな!?)

鏡「おりゃあ!?」

拓也は鋭い蹴りを放つも隼人の片腕でその一撃は防がれて拓也は直ぐに離れる。

甲斐馬「だが俺だって!?」

ガイラットの幹部怪人に敗れた経験がある隼人は再接近したきた拓也の連続攻撃を回避しカウンターの一撃を叩き込み拓也を倒す。

甲斐馬「大丈夫か?拓也!?」

反射的にカウンターを放って倒してしまった拓也に急いで駆け寄る。

鏡「……心配せずとも受け身は取りましたよ。」

鏡(不思議だ……倒れたのに前みたいに怖いと感じない。……そうか、俺はもう普通の人間じゃないんだ。)

鏡(俺にはミラーマンの力がある。守られるだけの人間じゃないんだ……)

甲斐馬「そうか。じゃあ続きと行こうか。」

鏡「任せて下さい!」

 

三門市 市外の『お化け屋敷』の資料室にて

「ジャック隊員達大丈夫ですかね?」

怪獣が潜んでいる五島市のパトロールを今頃しているのだろうと考える心配になる。

御手洗「気持ちは分かるが今は彼らを信じるしかない。」

一の谷「この資料を頼む。」

「はい。」

資料整理をしながら渡された資料"巨大人型生物"の資料を手にする剣持。

「これは?」

御手洗「……君も知っているだろう。7年前、東京を中心に各地方に目撃された謎の巨大人型生物……」

額と腹部に輝く十字のシンボルマーク、銀と緑色の合わせた光の超人。

「……ミラーマン。」

〔推奨BGM午後の情景M46(曙光)〕

御手洗「彼は……ミラーマンは私にとっても忘れられないヒーローだ。地球を狙う影の星の侵略者インベーダー達を私達SGMと協力して戦ってくれた。」

(協力…………)剣持の脳裏に過るボーダーの人達の姿

「でも……」

無意識に暗い口調になる剣持

御手洗「うん?」

「彼は……ミラーマンは……地球人では無いんですよ。もしかしたら悪い奴だったかも知れない……言葉だって通じているかもわからないのに……どうして……どうして……御手洗博士達はミラーマンと一緒に戦えたんですか?」

この質問は剣持夢想そしてベムにとっても気になった事だ。

御手洗「……その人の人となりを知ると言う事は簡単のようで大変難しい。表面的な第一印象は勿論、言動や行動で誤解を受けてしまい誤解されたままの印象の人達もいるだろう。」

御手洗「誤解を解く事が正解の場合もあれば間違いの場合がある……余計な混乱や災いに人を巻き込む可能性もあるからね。」

「……。」

御手洗「……確かに君の言う通り……私達とミラーマンの間には言語によるコミュニケーションは殆ど無い……だがSGMもミラーマンも共通の目的の為に行動した。それは何なのか分かるかい?」

まるで学校のベテランの教師のように優しく問いかける御手洗博士に剣持は恐る恐る答える。

「敵が同じインベーダーだから?」

御手洗「……ミラーマンも私達と同じで地球と人間が大好きだから……どんなに苦境な状況にもピンチな状況にも最後まで諦めずに立ち上がり数々の凶悪な怪獣達と戦ってこられた。」

「地球と人間が大好きだから……」

御手洗「ミラーマンは私達と言葉は通じなくても行動で私達人類と地球を何度も救ってくれた。己の行動で彼は示したのだ。だから少なくとも私達SGMは彼を仲間だと思っている。世界中の人々が何を言おうともね。」

 

「いつか……」

御手洗「……。」

「……いつか、レッドマンもミラーマンとSGMみたいに………ボーダーの人達と協力出来たらなぁ。……そう望む事は悪い考えですか?」

御手洗「……君が望む事を諦めなければ、いつか必ず叶うだろう……」

「……そうですね。所でどうして今になってミラーマンの資料を?」

御手洗「数日前の東京を襲った昆虫怪獣災害の事件と同じ日に四国地方の鳴門海峡にロシアの首都モスクワを襲った怪獣とミラーマンに酷似した新しい巨大人型生物が激闘を繰り広げていてね。SGMの関係者達からミラーマンと同じ故郷から来た同族か調査をお願いされたんだよ。」

(拓也少年。)東京タワーでジェリコ相手に共闘してくれた謎多い少年を思い出す。

御手洗「私も気になっているんだ。どうして今になって新しいミラーマンが現れたのか。」

「そうですか。博士……この戦闘機は?」

資料の写真に写る『お化け屋敷』で見た事のない銀と赤の戦闘機を御手洗博士に見せる剣持。

御手洗「あぁ。それは私が開発したSGMの多目的巨大戦闘機。ジャンボフェニックスだ。」

「……全長約32㍍全幅27㍍……随分と大きい戦闘機ですね。」

御手洗「未知の多いインベーダーの怪獣達を始め宇宙船や秘密基地を攻撃をする為に当時の科学の粋を集めたからやや大型になってしまったのだよ。分離合体も可能だ。」

一の谷「空飛ぶ研究室の別名もあったね。」

「一の谷博士。」

一の谷「ジャンボフェニックスの機内には研究用設備も有して特殊装備無しで宇宙航行が可能だ。」

「それは……普通に凄い。」

素直に感心の表情をする剣持。

一の谷「ジャンボフェニックスは?」

御手洗「現在は役割を終えてある博物館の展示品になっているよ。」

「……そうですか。」

御手洗「……そんな悲しい顔をしないでくれ。科学で作られた兵器とは必要的に時代と共に過去の物になる物だ。」

「SGMの人達は寂しくないんですか?」

御手洗「寂しくても過去を過去として受け入れて今に駆け抜ける。それに………」

「それに?」

御手洗「ジャンボフェニックスの思い出は皆の心の中にある青い空に何時までも飛んでいるからね。」

博士の話しを聞いて剣持は不思議と感心していた。役割を終えても記録と人々の記憶の中に何時までも輝いている。

 

一の谷「この資料室で必要な書類はもう取ったな。すまないが剣持君。司令室まで一緒に運ぶのを手伝ってくれ。」

「わかりました。」

渡された資料の束を両手に持ち一の谷博士と御手洗博士達の後を追う剣持。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「それでは失礼します。」

司令室に必要な資料を置き剣持は退室する。

???「剣持夢想様。」

近くで自分を呼ぶ声が聞こえて視線を向けるとタキシードを着こなした知り合いと目が合う。

「セバスさん。一体どうしましたか?」

セバス「隊長様達から許可を既に貰いました。」

「?」

セバス「真琴お嬢様とご友人達がお待ちです。」

 

 

 

 

 

真琴の部屋の前に一緒に向かう剣持とセバス。

セバスは金属製の扉のベルを鳴らして内側の真琴達に教える。

セバス「剣持夢想様を呼んでまいりました。」

真琴「ありがとうセバス。直ぐにお通しして。」

扉が開き剣持を中に招き入れる真琴。

真琴「ゴメンね。忙しいのに……」

「良いよ。俺に聞きたい事があるんだろ?」

真琴「まぁね♪」

セバス「宜しければディナーを用意しましょうか?」

「あっ、すいません。でも突然過ぎて屋敷の人達の迷惑になるから止めときます。」

本当はコース料理のテーブルマナーが得意じゃないから断ったのだが……

セバス「左様ですか。ではお嬢様。何かあったらお申し付け下さい。」

真琴「ありがとう。セバスもしっかりとご飯を食べなさいよ。」

真琴先輩の手に掴まれて部屋に引き摺り込まれる。

真琴もセバスも剣持のディナーを断った本当の理由に気付いているが敢えて指摘しない。

志岐「さて主役が到着したね。」

染井「こんばんは。」

「志岐さん……それに染井さん……何でまた……」

志岐さんは事前に電話で話していたからまだ分かるけど

染井「帰る途中で真琴さんに会ったのよ。昆虫怪獣災害の時剣持君がお化けカマキリ……プレイター以外と何と戦っていたのか……気になって……」

真琴「まぁまぁ……こうして集まるとまるで秘密の会合って感じでドキドキするね♪」

志岐「実際、モノホンの密談ですけどね。」

 

女子の先輩の部屋に上がる……普通の男子ならドキドキする物なのかも知れないが、集まっている人達と聞きたい内容がそんなドキドキを書き消してくれた。それもそうか年長者は人より怪獣大好きな我儘で欲望に生きるオタク。残りの二人に至っては、積極的に人と話すタイプより自室で黙々と過ごすインドア達。

 

染井「さて……あの日の事何から話そうか?」

志岐「無難に騒ぎが起きてからは?東京タワーに巨大カマキリが姿を現して電波塔を半壊させてあちこちからプレイターの兵隊が現れて人々に襲いかかった。」

剣持もその密談に参加する。巻き込まれた二人には知る権利がある。勿論、密談場所を提供し秘密を知っている真琴先輩にも……

 

 

 

 

かくかくしかじかの事情の説明を三人に改めてし終えて

真琴「緑色のイカルス星人のジェリコ。メフィラス星人のゴメルに……バット星人ね……個体の名前は兎も角種族的にどれも"レッドマン"に出て来た宇宙人ばかりだな……」

志岐、染井「レッドマンに出て来た?」

真琴「あっ、気にしないで……この話に関係無い奴だから。」

志岐「……にしても、剣持君。良く生きているね。聞いている限り…どれもボーダーのトリガーやトリオン体じゃ物ともしない怪物ばかり……」

「……実はもう死んでて死んでいる事に気付いていないだけなのかも。」

染井「そんな言葉。冗談でも言わないで……」

「…ゴメン。前回の戦い……本当に……只運が良かっただけだ……」

夢想自身他のヒーロー達や先輩達に仲間達の協力もあって

何とか市民達の救出に装置破壊の成功とタワーからの生還があった。

 

志岐「でもやっぱり……あの仮面の怪人……ソイツの行動方針が謎だね。」

染井「そうね……2日前の防衛任務をしていた加古隊や荒船隊や鈴鳴第一を襲撃したらしいけど部隊の全滅をさせずに警戒区域を離脱したらしいわ。」

「えっ。それ初耳何ですけど……」

染井「神出鬼没だからね。法則性もわからないから。C級隊員達には伝えていないのよ。」

志岐「剣持君以外勝負にもならないみたいだしね。」

「買い被り過ぎだよ。志岐さん。俺は特別な人間じゃないし。それに仮面の怪人は過去に諏訪隊が撤退に追い込んだ事もあるんだから脅威だけど倒せない訳ではないよ。」

真琴「謙遜?」

志岐「……どうも剣持君。自分より先に入隊したボーダーの先輩達を神聖な存在みたいに見てる節がたまにあるよね。」

「そんな事無いですよ。」無表情で目をキラキラさせる光線を志岐と染井に浴びせる。

志岐「そんなキラキラした尊敬の眼差しで私達を見ても所詮は私達はB級部隊のオペレーター。口ばかり出すクセに戦闘能力は殆ど皆無だからね!?」

真琴(ボーダーの人達面白ぇ……)

 

 

志岐「……今更だけど私、あれからたまに剣持君のC級の個人ランク戦を見ているけど…」

「どうしたの?」

志岐「…剣持君。使うトリガー、今のレイガストで合っているの?」

志岐「レッドマンの戦い方とか見ているとボーダーでの剣持君の戦い方は随分と防御や受けが基本の戦い方だからさ。気になって……」

染井「……。」

「そうかな……特に気にした事無いんだけどな……」

真琴「良いんじゃない?差別化してある方が正体がバレるリスクが減るし。只のスイッチの切り替えみたいな物だよ。変身ヒーローのお約束だよね。」

「そうなんですかね〜〜」

志岐「その基本の戦い方は何か参考にしたのとかある?」なまじレイガストは使う人を選ぶ。単純に扱い難いのあってスコーピオンや孤月に比べて人気が無いのだ。使う人達を探す方が珍しい程……一番軽いスコーピオンは勿論、孤月よりも重く攻撃力は低く唯一の取り柄は耐久力の高さのみ……

(せめて重さと耐久力を攻撃力に増すバスターソードみたいならまた違っていたんだろうけど……)

「深く考えずに選んだ気がするな……」

真琴「自分の直感で選んだんだ。それ少し分かる。」

志岐「ベムさんの性格なら攻撃手トリガー、スコーピオンに持ち替えるってちょっと思ったんだけどな〜」

三人のやり取りを静かに黙認する染井華。

染井「……。」

染井(剣持君の無意識の防御を前提にした攻撃手の戦い方……多分……葉子の戦闘スタイルを補助する目的に誕生したんじゃないかしら……)

基本親友の葉子はテレビのRPGゲームだと装備でガチガチに固めるよりステータスを上げて身軽なスピードでヒット&ウェイを基本とする戦術を好む。その戦術の致命的な欠陥は防御が疎かになり体力がごっそり持っていかれる事……今思えば剣持君も葉子と一緒に同じゲームをしていたから無意識にフォローする為に前衛系統の防具ガチガチの装備をする傾向があったわね。

【ーーーーッ!】

状況反射的に剣持は三人を一ヶ所に固まらせて戦闘体勢を完了する。

太刀風「驚いた……ベム。御主いつの間におなごの友達を持ったのだ。」

何か凄く失礼な言葉と共に一陣の風状のエネルギーと共に姿を見せ三度笠を被った若き剣客に染井達は驚きの表情を見せる。

染井(マキシボーン山で私とタクシー運転手さんを助けてくれた二人組の黒スーツの人。)

剣持の真横に音も無く瞬間移動するサングラスを掛けた黒スーツの男。

「っ!?」

殺すつもりで放つ蹴りを男は瞬間移動で回避して剣客の隣に立つ公務員。

成川「……腕は全く落ちていないとわかって安心した。」

頬に軽く出来た切り傷から赤い血が流れるもスーツの袖で拭き取り静かに剣持を見る。

染井、真琴(カフェブラックスター2号店にいたお客さん。)

志岐(えっ?剣持君。蹴りの一撃で相手の皮膚を切ったの……どうやって…)

志岐は志岐で剣持の後ろに子泣き爺の要領でしがみつき先程の蹴りの原理に素直に疑問を覚えていた。

「インセクトタワーは落ち着いて話す機会がなかったとはいえサプライズにしては嬉しくないですよ……ハリケーン先輩。プリズム先輩。」

太刀風「実践的な稽古も力づくも嫌いではないで御座るが……」

成川「仮にしたら、この部屋や家具は俺達が流す血に模様替えになるし、淑女の皆さんに失礼になる。控えろ皇虎。」

真琴(靴履いたままだからカーペットがもう汚れているよ!?)

顔には出さないが剣持の先輩達の不法侵入に怒りを露にしたい真琴。

皇虎は華と真琴の方に視線を向けて

太刀風「?そこの眼鏡を掛けたおなごと黒髪長髪のおなご……」

成川「カフェで見た顔だな……知り合いか?」

「だったらどうなんですか?それが今一番に聞く話なんですかる」

(……面倒な所を先輩達に見られた。)

太刀風「……まぁ、良いか。………四国の鳴門海峡でお前が助けた二次元人と地球人の混血の奴についての話だ。」

志岐「っ!!」

志岐(それって例の青い怪獣と一緒に目撃された銀色にレッドラインの巨大人型生物。)

「……彼について何か会ったんですか?」

成川「まぁな……」

「……話するのは言いですけど取り敢えず。靴は脱いでくれますか?人様の部屋だし……」

成川と太刀風は剣持の背後にいる真琴達に視線を向けて

成川、太刀風「これは失礼。」

 

 

 

 

履き物を脱ぎ隅に置いて正座するジョージと皇虎の二人。

志岐「け、剣持君。この人達は……」ほぼ初対面の志岐が剣持の後ろにしがみつきながら訪ねる。染井も真琴も口には出さないが聞きたいオーラは出していた。

「……銀河連邦に加盟している惑星サイ・クーロン出身のハリケーンマスクと惑星レンボー出身のプリズムファイター……かつて俺が通っていた銀河連邦の宇宙警備隊訓練学校時代の先輩だ。」

成川「まぁそう、不安そうに固くならないでくれ。お互い友好的に対話しよう。剣持夢想君。」

「どうも……僕は剣持夢想と申します。」

太刀風「拙者は止まぬ嵐の星サイ・クーロン星人のフーガ……銀河連邦でのコードネームはハリケーンマスク。地球での拙者の姓は太刀風。名は皇虎でと申す。以後お見知りおきを……」

成川「俺はレンボー星人のゾロ……銀河連邦のコードネームはプリズムファイター。地球での名は成川ジョージ。」

(……どちらもこの宇宙で色々な意味で有名な先輩達だ。)

「素人の僕でも分かるよ。……僕の知っているボーダーの先輩達には絶対に無い人外の……超越した闘気?エネルギーみたいな物が肌でヒリヒリと感じるよ。」

真琴「そうなの?確かにこの人達が来てからちょっと部屋の空気が冷えた感じはするけど……」

「……ボーダーの人達は良くて等身大の動物なんですよ。野生とか戦いに研ぎ澄まされていますけど……現実のジャングルやサバンナでも探そうと思えばいる現実的な存在なんです……」

【……………………………………………………】

「でも……目の前のこのレッドマンの先輩達も、此処にいない先輩も、タワーで戦った宇宙人達はもっと巨大で……現実に存在しない……物語や人の頭の中の空想で生まれたような……」

太刀風「……幻獣……怪物…魔獣……或いは大怪獣や神話の龍、伝説の悪魔や」

「…神?」

「「っ!?」」

剣持の口から出た言葉に染井と志岐は目を見開き絶句する。那須隊や香取隊のオペレーターをしている彼女達から見たら、自分達の部隊のエースや隊長は猫科の動物を軽く連想した事はある。

しかし悪魔でもそれはイメージであり雰囲気とかはかろうじて分かる物のサイドエフェクトの目や耳が優れている訳ではないから相手のエネルギーが肉眼で見える訳ではない。だが剣持君の探知能力は目の前の二人の尋常ではないエネルギーが巨大な生き物の形を作っているのが見えているんだ。

成川「心配しなくても人様の部屋だから君達くらいにエネルギーは抑えているよ。」

太刀風「……それでも、外敵の奇襲の警戒はしているで御座るがね。」

志岐「……………………太刀川隊長や二宮隊長や出水隊長や那須隊長より強い?」

 

「成川先輩……プリズムファイターの能力はトリオン体の構造その物を結晶体に変質させる。」

真琴「つまり?」

「ギリシャ神話に出る人を石に変える怪物のメデューサと違い先輩の結晶化光線は光を反射させる鏡すら角度関係なく只の結晶に変える。そして自分に迫るエネルギー光線や攻撃も結晶に変質させるから…………幾ら撃っても斬ってもトリオンの弾が結晶になるだけ……そしてトリオン体に結晶化光線が命中すると……」

剣持がゆっくりと説明するもその内容に顔色青くするボーダーのオペレーター達。

「メデューサの目を見て人の身体が石になるようにトリオン体だろうと確実にトリオン体その物が人の形をした只の結晶に変わり果てる……」

志岐「…………攻撃したレンポー星人を倒せば元に戻るとかは?」

「……無駄だよ。地球より大きいマグマの星の爆発すら只の結晶の塊にしてクッキーより簡単に脆く砕ける。」

成川「トリオン体の構造は詳しく知らないが結晶化した人間には意識も自我も無い。」

太刀風「人から結晶に変えられたではなく"かつては人だった結晶"という表現が正しいか……」

「自分で口にして言うの何ですがゾッとする能力ですね。」

成川「……ゾッとする能力なのは認めるが……レンポー星人はその能力は例外以外は生き物には使わない。」

真琴「例外って?」

成川「その能力が本当に必要な場合の相手だ……宇宙は広いからな。無敵最強と誇張していると直ぐにジャイアントキリングする宇宙人達は勿論、星や銀河系を食べる規格外の大きさの怪獣が現れる場合は使う。」

太刀風「デブリ……結晶が宇宙のゴミになる場合もあるしな。自衛やここぞ以外はプリズム先輩は使わないのさ。」

「それを聞いて安心しました……」

成川「そんな能力を使わなくても普通に超能力とか光線技があるから問題無い。」

真琴「レッドマンの先輩めっちゃヤバい!!」目の前の人の能力を知り驚愕の表情をする真琴。

「充分元からヤバいよ。」

成川「……俺の話で盛り上がるのはもう良いだろ。そんな事よりも新しいミラーマンについての話だ。」

志岐、染井「ミラーマン?」また、知らない名前が出てきてキョトンとするボーダーオペレーターの二人。

真琴(ミラーマンってあのウルティメイトフォースゼロにいるミラーナイトのモチーフの!?)

鏡の騎士『鏡を作るのは得意なんだ………知らなかったかい?』

 

 

 

真琴「これがそのミラーマン。主に東京に出てくる怪獣やらと戦っていた銀色の身体の要所要所にグリーンカラーラインがある白銀の光の超人。」

「夜が似合うヒーローだな。僕と大違いだ。」

染井「仏様みたいな顔をした変わった怪獣ね。」

志岐「人面の顔をした怪獣って普通に不気味なんだけど……」

皆にして真琴先輩のパソコンの動画サイトに映る映像を観る。映像資料を映るのは夜の東京の市街地で二足歩行で人面または能面のような外見の仏像みたいな顔をした鋼鉄竜アイアンと対峙するのは銀の身体にグリーンラインが通った硬質感ある頭部が特徴的な巨人だ。

「でもレッドマンよりは普通にクールでカッコいいな。」

染井「そう?私は普通だと思うわよ。」

「何でグリッドマンとかミラーマンはあんなにカッコ良くてレッドマンはこんなダサい外見なんだよ。畜生!」

染井「グリッドマンって?」染井は皆に尋ねる。

真琴「川崎市に出現した伝説怪獣イポポの時にレッドマンに加勢した銀と赤の巨人。」

「レッドマンの友人のお兄さんだよ。」

志岐「……懐かしいね。」

真琴「あの事件にそんなに経過してないけどね。」

「にしても本当にカッコいいな。」ミラーマンの姿を見て感慨深く言う夢想。

志岐「……気にし過ぎだよ。レッドマンの先輩達もどっこいどっこいな姿かも知れないでしょ。」

真琴「どうなんですか?実際の話。」視線を先輩達に向けて質問する怪獣オタクの真琴。

成川「そんなの考えるまでも無い。」

太刀風「拙者達の本来の姿はベムよりずっと上で御座るぞ。」

「……………。」静かに顔を俯く剣持に染井は言う。

染井「……剣持君。もしかして泣「違う!!目にゴミが入っただけです。」

真琴(……やっぱり剣持君も気にする外見なんだ………レッドマン。まぁ、ヘタなウルトラセブンとどっこいどっこいだから五十歩百歩なのは黙っておこう……)

円谷プロダクションの大嫌いな正義のウルトラヒーローは昭和の黎明期の頃から基本皆、格好良いからね。中の人のタッパで格好悪く見えるのが稀にいたくらいなんじゃない?

 

アイアンは姿を神出鬼没に消してはミラーマンを翻弄するもミラーマンは諦めずにアイアンと取っ組み合っている。

やがてミラーマンはアイアンに向けてミラーナイフを放ちアイアンは緑色の血を流して緑色の炎に包まれて映像資料が終わり……

成川「四国でお前が助けたミラーマンも外見は多少違うも彼と同族で怪獣から人々を守る為に戦い……敗れた。」

真琴「まぁ、突然巨大ヒーローに変身して相手の能力も自分の能力もわからないまま戦って勝つってかなりご都合主義な展開だからある意味負けて当然かも。」

「えっ?僕初戦はグダグダはしたけどキングコングモドキに勝ったよ。」

太刀風「それはベムが怪獣や宇宙人との実戦経験豊富だから勝てたんで御座る。」

真琴「幾ら喧嘩が強いとか格闘が得意でもボーダーの人達は多分誰も生身と素手で熊や虎やコモドドラゴンと格闘して勝った人がいないのと同じで一般人が爪や牙や角やら尻尾やら口から炎やら出す奴に勝てるのは難しいって話だよ。剣持君。」

成川「ところが、その四国で怪獣に敗れたミラーマンの少年は無謀にもまた何処かに怪獣が現れたなら変身して戦うつもりのようだ。身勝手な思い上がりにも程がある。」

「本人がそう言っていたんですか?」

太刀風「プリズムファイターに正論を言われたのに意固地になって無鉄砲に反発して離れて行ったで御座る。まるで天狗だ。」

成川「普通の人には無い力があるせいで天狗になっているのも強い。」

真琴「超人になった少年……で皆さん達の結論で言うと?」

「もし俺達の前に見掛ける事があるなら気に掛けてくれ……だろ。みすみす見殺しにする理由はない。」

剣持の口調と雰囲気が別人になる。剣持君が剣持Xにベムと入れ替わったようだ。

成川「青二才には間違いないが根は悪い奴ではない。俺も見つけたら色々と助言をするつもりだ。」

「先輩が弟子でも取るつもり何ですか?」

プリズムファイターの性格を知っているなら驚くだろう。このプリズム先輩は余り助言はしない方だから尚更だ。

成川「そんな良い物ではない。……俺が言う必要がある程の未熟者なんだよ。その少年は……」

太刀風「覚悟があるなら怖い目に合わせても鍛えるべきだな。」

(さっきから何で太刀風さんは俺を見ているんだろう。)

太刀風「………成川先輩。剣持夢想を改めて見てどう思いますか?」

成川「…そうだな……………」

成川は静かに相手の目線を合わせて夢想の顔をじっと見て言う。

成川「思いやりが余りにも強く人を殺した怪獣さえも同情心を持つ……ハッキリ言うなら戦闘要員として圧倒的に不合格だな。」

志岐、染井「えっ!?」成川の言葉に剣持を含めた全員は戸惑いの表情を見せる。

成川「ベム。お前にしては……甘さが増しているのも良くない。……お前の命取りになるぞ。」

太刀風「……そうで御座るか。」

成川の剣持の評価を太刀風は一切の否定はしなかった。 

「…………。」

人にこういう事を言われているのは、始めてじゃない。ボーダー本部で色々な訓練をしている中で、同期の自分以外の訓練隊員達の成績を見て自分が向いているのか悩む機会はあったし……元より僕は重度の怖がりだから……敵との対峙する時は実際および腰になるし……レッドマンの……ベムの先輩が言う事は間違っていない。きっとボーダーの先輩達より経験豊富の実力者なら僕をしっかり見てそう判断しているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太刀風「夢想……お主、拙者の弟子になれ……」

「……えっ?」両目をキョトンとする剣持。

志岐、染井、真琴「えっ?」

太刀風「ベムは問題無いが………お主は少なくても拙者の弟子にならなければ、ブラックワンの率いる傭兵宇宙人達相手には勝てないぞ。」

成川「皇虎!!この優しい子供では無理だ!?」

成川は驚き皇虎の提案に異議を唱える。

太刀風「それを決めるのは。先輩では無い……夢想自身だ。」

「それは………そうですが……。」

実際にアインへリアル5勇士と戦って攻撃は当てれた事はあるけど相手の方は実質ノーダメージで寧ろ俺達の方は全く攻撃が命中する事なく一方的に此方がやられていた場合が殆どだった………

もし……僕がもっと真剣に効率的に心身共に今よりも強くなれば……ボーダーや『お化け屋敷』や高校の皆をゾークロン怪獣達から守れるのか?

「………貴方の弟子になれば、僕は大切な人達を守れるの?」

迷いや戸惑い、期待と不安、色々な気持ちが複雑に混ざった表情を皇虎達に向けて質問する。

染井(………剣持君……)

太刀風「……少なくても、今の我流のままで倒せる程、アイツらは甘くない。」

「僕………痛いのは好きじゃありません。人を傷つけ痛めつけるのだって本当に大嫌いです。」

剣持の本心を聞いた成川は静かに立ち上がり……

成川「帰ろう。皇虎。今日は夢想との顔合わせとミラーマンについての話だっただろ。」履き物を瞬間移動で取り履くジョージ。

太刀風「……わかったで御座る。成川先輩。」

ゆっくりと皇虎も立ち上がり剣持達から離れようと背を向ける。

成川のいる途中で一度立ち止まり履き物を履き

「………夢想。気が向いたら拙者の気配を探り会いに来てくれ……。」

そう言い終えると二人の姿は水色の風状のエネルギーにその姿を包まれて姿を忽然と消すのだ。

 

「…………。」

皇虎の言葉に思う事があるのか暫く考える表情をする剣持

志岐「……大丈夫?剣持君。」

「……ごめん。僕、仕事に戻るよ。じゃあね。皆。」

剣持もゆっくりと立ち上がり真琴の部屋を後にする。

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成川「一体何のつもりだ!?皇虎!!お前ともあろう者が!!」

太刀風「………あの子は成川先輩の言う通り優し過ぎるし怖がりで常に何かに怯えている臆病者だ………だが、本人の怖がりの性格で隠れがちだが拙者の剣士の眼であの子を見て……剣士としての素質は充分にある。」

成川「っ!?それはあくまでも前衛の守りに長けた意味でだろう!?」

太刀風「…あの子はこの先、何よりも大切な物を守りたいが為に……絶対に力を欲する。」

成川「っ!?」

太刀風「……かつて拙者達は、ベムの学校中退を阻止する為に必死に奔走したが何も出来なかった!?拙者はそれがずっと後悔している……」

成川「皇虎……お前……」 

太刀風「あの子が……夢想が……拙者の思った通りの少年なら必ず拙者の元へ弟子になる為にやって来る。拙者はあの子達の力になりたい。」

成川「何が……お前をそうまで駆り立てる……。」

太刀風「…………どのみち、今のままだとベムの足を引っ張って

夢想達は確実に殺されるで御座る。そっちが新しいミラーマンに助言を与えるのであるなら、拙者が剣持夢想に稽古をつけて基礎体力を始め能力の底上げをしても問題は無かろう。ベムもミラーマンの少年を見殺しにするつもりも無いように……拙者も夢想を見殺しにするつもりは無い。」

そう。夢想はボーダーでは色々と言われているが、実際の戦いで勝ち星を上げている物のまだまだ弱い……弱過ぎるのだ。それこそ……ブラックワンの傭兵宇宙人達にいつでも殺せる程に………

呆れる程に弱いのだ。

今後の戦いに備えて少しでも剣持夢想の生存率を上げる為に風の剣客が動き出す。しかしそれは……ボーダーの誰も耐えられないガチで地獄のスパルタ修行と言う事を皇虎は一言も言っていないのである。

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皇虎達と剣持が去った真琴の部屋では

染井「……。」

真琴「……さて、本日の主役も帰ってしまったし。でも女子会をするような感じでもないし……ここは情報共有でもしますか?」

真琴の一言で部屋の空気が変わった。

志岐「えっ?剣持君がこの前の災害の裏に起きている宇宙人達について教えてくれたから情報共有は出来ているのでは?」

真琴「……染井さん。何かミラーマンに関して知っている事があるじゃない?私達に教えてくないかな♪」

真琴はそう言い至ってニコニコの笑顔を染井に見せる。だが先程のリムジンの中での笑顔同様の笑顔なのだがやはり恐ろしく見える。

染井「……ミラーマンかどうかはわからないけど、剣持君に会いたいって言う同級生がいるのよ。」

真琴、志岐「へぇ~♪男?女?」

トマトジュースをストローで吸いながら話を聞く二人。片方は無意識にストローの噛み潰している。

染井「…男子よ。」

冗談でも女子と答えたら何か不味いと察して正直に答える。

真琴「そうか〜♪男子か〜〜♪………もしかして腐った話?」

真琴は花のような満面な笑顔を染井達に見せ……瞬く間に(⁠・⁠–⁠・⁠)とした表情で染井に質問する。

染井「腐った話?……どうかしら?聞いている限り何やら真剣な感じだったわよ。」

志岐「その男子の名前は?名字だけでも教えてくれますか?」

剣持に関する話題の為に志岐も興味があるようだ。

染井「その男子の名字は鏡って言うの。」

真琴(間違いなくミラーマン関連の人だ!!?)

呑気そうにトマトジュースを吸いながら華から名前を聞いて瞬く間に驚愕の表情になり目を大きく見開かせる真琴。

志岐「どうしたんですか?真琴先輩。」

真琴の突然の驚愕の表情にびっくりする小夜子。

真琴「私もそんなに深く覚えていないんだけど……さっきの動画で映っていたミラーマンの変身前の男性の名前も確か…鏡だった気がするの。」

志岐「えっ!そうなんですか!?」

真琴「インベーダーの怪獣とかを中心に見てたからガッツリ覚えていないんだけど………もしかしてその染井さんの同級生の鏡って名前の男子。」

染井「なんですか?」

真琴「レッドマンの先輩達が話していた四国の鳴門海峡に現れた新しいミラーマンじゃないかな?」

染井「えっ!そんな事ってあり得るの?」

志岐「真琴先輩。そのミラーマン関連についてミラーマンだと分かる特徴とか知らないんですか?」

真琴「ヒーロー番組とかだと変身アイテムとか超能力とかあるけど……スペクトルマンと同じでミラーマンは変身アイテムとか無いし……超人みたいな身体能力でもなかった……筈。」

怪獣オタクの為に確信の持てない真琴もそもそもミラーマンをさっき観た小夜子も鏡拓也の人柄が良く知らない為に悩む。

志岐「仮に……仮にですよ。真琴先輩の言う通り染井さんの同級生がミラーマン?だったら……剣持君の仲間になるんじゃない?」

真琴「否、レッドマンの先輩も言っていたじゃん。身勝手な思い上がっているって……」

染井「それは……そうかも知れないけど……」

結局、その日三人で本人がいない中で会話しても明確な答えが出ない為に夜二人を自宅まで送った。

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五島市の夜にて

調査の応援に銀と赤の装甲車がサンダース達が待機している現場にやってきてローバー近くに停車する。装甲車の運転席からチャールズ隊員が出てきて、反対側の扉からムラマツ隊長が姿を見せる。

サンダース「交代の隊員達がやってきたか。」

チャールズ「今回は珍しいゲストも調査に参加してくれるよ。」

そう嬉しいそうに答えて装甲車の後部ドアが開き中から男女の二人組が姿を現す。

ホシノ「貴方は……SGMの藤本さん。」

かつてインベーダーに関する調査をしていた組織の隊員達の姿を見て目を見開かせるホシノ。

藤本「久しぶりだな。ホシノチーフ。」

藤本武。国立大学の理工学を独学で習学、卒業した経験を持つSGMのサブリーダーの役割をする男性で、怪事件の調査の現場に直接向かう事の多い人物。スキューバダイビングと射撃が得意でホシノやムラマツとも面識がある。

ムラマツ「このビルの消失の原因が分かったか?」

ホシノ「対怪獣用レーダーに一瞬だけ反応があり。怪獣が市街地の地下にいる可能性が高いです。」

藤本「なら怪獣が出現しない限り此方は手も足も出ないじゃないか?」

ホシノ「藤本さん。実際その通りだ。ドローンを使い陥没した穴ぐらを調べる事は可能だが、地底は怪獣の住処……」

ムラマツ「かと言って地上に無理に引き摺り出す訳にもいかないな。ここは市街地だ。」

サンダース「そうですね。流石に地底にいる正体不明の怪獣に向けて武器を撃ち込む訳にはいかないですよね。」

ジュリー「怪獣に命中して怪獣の体内にある引火物に引火して市街地の中心が大爆発は私も勘弁よ。」

藤本「地底のモグラが地上に顔を見せるのは、普通の動物と違って警戒するのが長いからな。」

ホシノ「ですから今の所はいつ地上に現れても良いように張り込みをしている最中なんです。」

ハンサム《良くて数日……ヘタすると数週間も張り込みが必要になりますよ。》

ムラマツが被った万能ヘルメットから聞こえた通信機にハンサムの意見の声が聞こえてくる。

ムラマツ「せめて引き摺り込まれたビルの共通点や怪獣の生態の一端を把握出来れば良いんだが……」

チャールズ「時間が短かったから最低限の情報しかないけどゴメスの検死はしたよ。」現場に戻ったチャールズがレポートを持って藤本達の所に来る。

ホシノ「どうだった?」

チャールズ「死骸のゴメスの各部に噛みつかれた跡はあるけど捕食はされていない。どちらかと言うと攻撃手段として噛みつかれた。」

ムラマツ「怪獣は肉食ではないと言う事だな。」

チャールズ「もしかして……このミステリアス地底怪獣……サンドラーと同じタイプなんじゃないですか?」

藤本「サンドラーって柏原鉱山に出現した鉄を餌にする地底怪獣かい?」過去の『お化け屋敷』の出現した怪獣のデータを共有している為にサンドラーを知っている藤本さん。

ハンサム《だがここ市街地だぞ。》

チャールズ「サンドラーが僕らの前に最初に姿現したのは、鉄骨姿の建設途中の建物だ。…………それに柏原鉱山の進路上の先に市街地があった……」

藤本「成る程……市街地は鉄骨を始め自動車が大量に動く金属の宝庫だ。餌場にするなら廃鉱山よりも高層ビル群が建ち並ぶ市街地の方が鉄を食べる怪獣にとってはうってつけだな。」

ムラマツ「まだ確定する情報ではないが……その可能性も考慮して交代で監視を続けよう。」

「「了解!?」」

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五島市の深い地底の中

鋼鉄竜は鉄骨を好んで食べていた。固い地盤の自身の角から振動波を発生させて掘り進み鉄骨の匂いを嗅ぎ分けて鉄骨が豊富なビルの足元の地盤を脆くしてビルを地底に引き摺り込みバリバリと捕食する。

味を知った鋼鉄竜の視線は豊富な鉄骨のある地上……五島市を向けていた。地上に対する警戒よりも食欲を満たす為に動く。

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翌日の朝 剣持は睡眠によるイメージトレーニングをして1回の睡眠に平均8戦する。ベムは地球で剣持の死体に憑依してから怪我で意識を失う事等を除きほぼ続けている。

(間違いなく……アインへリアル5勇士達の戦闘能力が前よりも上がっている……)

相手の基本戦法がわかっていても、相手の実力の全てをイメージ出来ていない為に不完全な仮想敵だ。イメージトレーニングの為に死ぬ事は無いが……殺される……負けるのは、良い気分じゃない。

「っ!?」

寝汗をビッショリかいた状態でベッドから飛び起きる剣持。

寝覚めは最悪な気持ちと感じ起きた時間を確かめて

「……起きよう。」

寝汗が酷い為に朝のシャワーを浴びる事にする剣持。

シャワーの頭から浴び頭を冷やしながら昔見て戦った強敵のイメージトレーニングでも夢想の身体能力の低さもあって苦戦する現状にベムは素直に悩む。

(ブラックワンが操る光線怪獣や超機獣のコンビと夢想自身が戦って勝った事から夢想がまるで駄目って訳ではない。)

だが相手はそれよりも遥かに強い宇宙人達でこっちは簡単に負ける事が許される立場ではない。

(僕……強くなりたい。皆を……守りたい。)

決意を決めるも現状はやはり厳しい……

シャワーを止め頭や身体をバスタオルで拭き服に着替えて朝ご飯の準備をする。

(今日は休みだし休みのノルマの特訓に出かけた方が良いかな?)

悩みは多いが一つ一つ解決するしかないと納得させて来たるべき強力怪獣や強敵宇宙人達に備えて訓練する為に幾つ物車のタイヤを縄で固定してマラソンをしながら引っ張って行く練習を頭の練習メニューに加えながら手際良くサンドイッチを作り味見をする。

「よし。今回も美味いな。」

【ピンポ~ン♪】

「っ!?」

チャイムの音と共に剣持は急ぎサンドイッチを完食し水を飲み。警戒しつつ自宅の扉を開くと『お化け屋敷』の隊員服を着用したアラシ隊員と黒野先輩の姿を見る。対面した二人に剣持は取り敢えず挨拶の言葉を口から出す。

黒野「おはよう。剣持。」

アラシ「おはよう。剣持。」

「お、おはよう。アラシ。黒野先輩。」

黒野「剣持……せっかくの休みの日にすまないが休日出勤だ。」

アラシ「詳しくはローバーに乗りながら説明する。すまないが今日の予定は全部キャンセルしてくれ。」

ローバーの後部座席には自分の隊員用の装備が乗せてあった。

只ならぬ雰囲気を二人から感じ取った剣持は必要最低限の準備をしてローバーに乗り込む。

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『お化け屋敷』の作戦指令室にてSGMのメンバーも集まりビル消失怪事件について話し合う『お化け屋敷』。

安田「アーサー隊長。五島市の地底に異常な地殻変動が!?」

アーサー「最近発生している謎の地震か?」

安田「いえ、地震にしては範囲が限定的に狭すぎます。」

同じようにイデも地震計を見ていると……変化に気付く。

イデ「っ!?かつて無いほど急に地殻変動が激しくなって……アーサー隊長!?この地殻変動が地上に向かってますよ!?」

アーサー「何っ!?」

対怪獣用レーダーが音を鳴らし反応を示す。

アーサー「っ!?イデ隊員とジーン隊員は今直ぐ五島市警察に連絡。住民を避難誘導をするんだ!?」

イデ、ジーン「「了解!」」

安田「僕は急いで御手洗博士達に連絡します。」

アーサー「頼む。」

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三門市から五島市へ向け走る4WDのローバーの後部座席で隊員服に着替える剣持。

「移動している地震?」

着替えながら事件概要を尋ねる剣持。

アラシ「そう。恐らくその移動している地震が此処数日のビル消失の犯人だ。」

黒野「五島市は現在警戒警報で住民を近くの避難所に誘導している最中だろう。」

アラシ「俺達も今回は五島市警察と連携して住民の避難誘導に専念するんだ。」

「分かりました!?」

剣持は返事をしつつ万能ヘルメットを頭から被り留め具で止めて腕時計型通信機を腕に取り付ける。

アラシ「スピード上げるぞ。」

黒野「制限速度は守れよ!?「わかってるよ!!」

ローバーは目的の都市に向け速度を上げる。

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〔推奨BGM 恐慌の街(M25)(インベーダーの侵攻)(モノラル音源)〕〕

五島市の市街地にて

市街地の高層ビル群に突然発生する地震。高層ビルの一つが再び地底深く引き摺り込まれる怪事件の発生に剣持と黒野達はローバーで五島市へ向かう中、

 

高層ビル群が建ち並ぶ大都会の五島市のあちこちにアスファルトが異様な勢いで盛り上がりあちこちに交通事故を誘発させる中、

車道を走るパトカーは緊急事態を知らせるパトランプを赤く光らせサイレンを鳴らし市民達は混乱し警察達の避難誘導で我先に逃げて行く。耐震設計をしたビルすら耐震の限界を超えた地震に耐えられず崩壊し、その瓦礫の雨が降る中で人々の悲鳴の声が上がる。

安田隊員は御手洗博士達に現在の五島市の状況を説明する。

安田「御手洗博士。五島市の中心に激しい地震が……」

御手洗《何!?それは本当か!?》

安田「地震の規模はマグニチュード8。以前東京西新宿に現れたモグラキングが出現したのと同じ規模です。範囲は直径1キロ足らずで現在も移動しています。皆さん今何処にいるんですか?」

御手洗《移動中……。》

御手洗博士の横にいるのは元警視庁の捜査一課の刑事の経験を持つSGMのチーフ村上 浩は、五島市の方向に視線を向けて言う。

村上《やはり只の地震ではなさそうですね。博士。安田。悪いが『お化け屋敷』のローバーを借りてきて今から言う施設に直ぐに来てくれ。》

安田「えっ?この非常事態に来るって何処に!?」

村上達は視線を上に見上げて言う。

村上《俺達に所縁のある不死鳥が展示された博物館だ!?》

安田「っ!?分かりました!?」

安田からの連絡が切れて村上達の視線の先には『お化け屋敷』の整備班達がSGMの整備班と協力して整備する不死鳥が佇んでいた。

御手洗「まさか、またこれを飛ばす必要があろうとは……」

村上「他にこの事を伝えてあるのは、」

御手洗「一の谷博士達や隊員達には念の為に伝えてあるよ。」

村上「そうですか。」

 

そう剣持が真琴の部屋に行って会話する間に、御手洗博士はSGMの主力戦闘機の復活を隊員達に伝えていたのだ。

 

場面は五島市に戻り

 市街地の十字路近くにある高層ビルを地底に引き摺り込みアスファルトも大地も砕き地底から遂にその姿を地上に表した鋼鉄竜ゴロンゴロ。口から零れ落ちた鉄骨の破片が近くの自販機や乗り捨てられた自動車に突き刺り炎を上げる。高らかな鋼鉄竜の咆哮が五島市に響き渡る。

「「ギャアオオオオオオオオオオオオオオオン!!!」」

鋼鉄竜 ゴロンゴロ

全長80㍍※一本角の長さは除く。体重15万㌧

鉄骨が好んで食べる怪獣で、高層ビルや集合住宅が多い五島市に出現した。どんな攻撃に対してもビクともしない鋼鉄並みの頑丈な身体を持つ。また鈍重な身体でありながら素早く動く事も可能で、全身のアドレナリンを瞬間的に増幅させる事により動けなくなる代わりに肉体をより硬くする事が出来る。何と言っても最大の武器は兜のように頭部に生やした30㍍の長さを持つ強力な一本角で、攻撃に使う事はない物の一本角を超振動させて、地底の硬い岩盤や地盤を砂のように柔らかくして地底を移動する事が可能。

 

 

 

逃げ惑う人々を他所に鋼鉄竜は黙々と好物である鉄骨を食べる為にビルや集合住宅に顔を突っ込ませて食事を続ける。

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〔推奨BGM 異次元の大怪獣(M66)(怪獣襲来)(モノラル音源)〕

「っ!!」

怪獣の出現を知らせるニュースを見た鏡 拓也は、必死の形相で一人怪獣がいる五島市を目指す。

そんな路地裏を近道に走る中……拓也の目の前に尊敬する先輩で超能力者の甲斐馬 隼人が忽然と姿を現す。

鏡「ぬわっぷ!?隼人さん!?」

甲斐馬「拓也。何処へ向かっている。」

鏡「五島市だ!?」

甲斐馬「危険だ!?五島市には今怪獣が暴れているんだぞ。」

鏡「でも俺は行かないと行けないんだ!?今、俺が……あの怪獣を止めないと!?」真剣な表情で隼人に向かって

甲斐馬(……あの東京タワーの事件の後……もっと言うなら三門市に現れたカマキリの怪獣の災害に巻き込まれてから……お前は変わった。まるで……俺がガイラッドを裏切る決意をしたように……)

甲斐馬「拓也。一つだけ答えろ。」

鏡「何を…」

甲斐馬「…お前の…お前の本当にやるべき事が見つかったのか?」

鏡「……あぁ。怪獣と戦う。皆の平和を守る……それが、それが俺自身が選んだ事だよ。」

甲斐馬「そうか………………良く分かった………………………手を繋げ…五島市まで飛ぶぞ。」

鏡「隼人さん!?」笑みを浮かべる拓也。

甲斐馬「……後で埠さん達にもお前の隠し事を話して貰う事が条件だ。」

鏡「ありがとう!?……えぇぇっ!?」感謝の言葉を伝えた後に聞こえた続きに目を見開かせビックリな表情をする拓也。

甲斐馬「ここ数日、俺達に妙な隠し事していたんだのは、ヘリオンの全員が知っているんだよ!!!逃げても無駄だ。超能力をフルに使って探し出すからな。」

鏡「そんな殺生な〜〜御慈悲を〜〜!!」

情けない声と共に隼人達の姿は路地裏から忽然と消える。

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〔推奨BGM W.I.N.R.出撃せよ〕

怪獣が出現した事により消失現場近くに張り込んでいたロボー47に搭乗したハンサム隊員を始め張り込んでいたサンダース隊員達も行動する。

アーサー《怪獣が暴れている区域内の市民達の避難は完了した。政府から有害巨大生物と指定された為に攻撃を開始しろ。》

ホシノ「了解!俺達は怪獣を他の区域に移動させないように、足止めをするぞ。」指示を出しつつ懐のホルダーから電磁レールガンを取り出して9㎜のランチャーモードに変形させる。

サンダース「了解チーフ!!

ホシノ「尚、ボーダー上層部より出現した怪獣の呼称をゴロンゴロにする。」

サンダース「分かりました……随分、ユーモラスに溢れた名前だな。」

意気揚々に返事をしてサンダースはローバーの後部座席から大型パルスレーザーのタルサー砲を用意する。

藤本「凄く重そうだな。」

サンダース「実際に結構重いぜ。」

藤本「手伝うぜ!?」

サンダース「ありがとう。」

藤本が肩でタルサー砲の砲身を担ぎ左腕でブレを押さえてサンダースが銃手を受け持つ。

藤本「こりゃあ、重い。」

サンダース「その分威力は保証するよ。問題無いか!?」

藤本「反動が少し怖いが背に腹は替えられない。タイミング見つけたら遠慮なく撃ってくれ。」

 

道路に乗り捨てられた自動車を四足歩行の鋼鉄竜は前足で踏み潰し炎が上がるのも気にもとめずに高層ビルに頭を突っ込ませて特徴的な長い一本角がビルのど真ん中に風穴を開ける。風穴を開かれ支えを失った高層ビルの上部はそのまま怪獣に向かって倒れ落ちて行き激突、瓦礫まみれから姿を現す怪獣を見た藤本は言う。

藤本「ちょっと、間抜けな怪獣だな……俺が今まで見たことないタイプだ。」かつて自分が戦ったインベーダーの連中は目的を達成するだけの連中であって、余計に目の前の怪獣が間抜けに見える。身体をフルフルと振り瓦礫を払い顔が痒いのか怪獣は前足で顔を掻く。まるで犬みたいだ。

ホシノ「例え間抜けでもコレ以上の被害を食い止めなければならない。各員発射!?」

ホシノチーフの号令に無数の青いレーザー光線が次々と鋼鉄竜ゴロンゴロに命中する。命中するも、怪獣の硬い皮膚にレーザーが弾かれてゴロンゴロの周辺に散らばる。

藤本「なんて奴だ!?レーザーを弾きやがった!?どんな硬さしているんだよ!?」驚愕の表情で怪獣を見る藤本さん。

ホシノ「もう一度攻撃をするぞ。今度は関節部分や柔らかそう部位を狙うぞ。」

ハンサム《俺が華麗に怪獣の注意を引きます。》

ロボー47が鋼鉄竜ゴロンゴロの前に姿を現し少しずつ近付く。

ホシノ「ハンサム!ロボー47のマシンガンが通じない可能性もある気を付けるんだ!?」

胸部から銃砲を迫り出すも、怪獣が想像以上に硬い可能性が出て来た為に警戒する。

ロボー47は右手をロボットアームからハンマーアームに変形させてゴロンゴロに向かって叩き付けるも手応えがまるで無い。

普通の怪獣なら少しくらい堪える物だが……ゴロンゴロはダメージにもなっていないのか、ロボー47を無視する。

それでもロボー47は鋼鉄竜の背後を攻撃するも、直ぐにビルからビルに移動してロボー47の追撃を振り切る。

ハンサム《ビルが邪魔で迂闊に攻撃出来ん!?》

ホシノ「鈍重な見た目に似合わず走れるのか!?追跡するんだ!?」

ハンサム《了解っ!?》

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アラシ「皆さん!?こっちへ!?」

「大丈夫です!!落ち着いて下さい!?押さないで!?」

五島市に到着した剣持達はゴロンゴロ達が戦う区域から離れた区域で警察と連携し怪獣から逃げ惑う市民達の避難誘導を手伝っていた。先に作戦区域に到着した銀と青のアタックシューターと赤と銀のガスファイター1号が怪獣に向かって一方的な攻撃を加えているもダメージは薄いようだ。

怪獣は戦闘機を無視して追跡するロボー47の真横にある高層ビルを壁越しに体当たりしてロボー47を奇襲するも、ハンサム隊員はロボットアームの内部に収納されたドリルアームを掌から出して長い一本角の一撃を受け止めて火花が激しく舞う中で鍔迫り合いをする。鍔迫り合いをしながら胸部に内蔵されたマシンガンが稼働し怪獣目掛けて弾の雨が降るも、怪獣の硬い皮膚で次々と弾かれてしまい。マシンガンの攻撃を慌てて辞めるロボー47の隙を逃さずに怪獣は自分の体重を込められた体当たりでロボー47を見事に吹き飛ばしてしまう。

黒野「生物の皮膚にしては随分と金属並みの硬さだな……」

剣持達が任務をしている間に避難誘導もせずに自前の双眼鏡で戦闘の様子を見る黒野。

「先輩!?怪獣を分析するのも大事ですけど避難誘導も手伝って下さい!?」

黒野「あの硬さを何とかしないと勝機は無いな……本部。此方、黒野です。一の谷博士に繋いで下さい。」

黒野隊員は万能ヘルメットの通信機を起動して秘密基地に連絡を取るらしい。

「ちょっと、俺の話聞いているんですか!?」

一の谷《私だ。どうしたのかね?黒野君。》

黒野「怪獣の硬い皮膚、並びに筋肉を弛緩させる特殊弾頭をビルガメラーの事件の後に開発したらしいですね。」

一の谷《君が言っている特殊弾頭なら既にSGMの安田隊員に渡したよ。》

黒野「えっ!?安田隊員は!?」

一の谷《御手洗博士達に呼ばれてローバーを借りてある施設へ向かった。》

黒野「そうですか……すいません通信を切ります。」

黒野は通信を切り、

黒野「御手洗博士達は読んでいたのか?」

と疑問の声を上げて怪獣達の方向に双眼鏡を向ける。

「先輩!?」

黒野を呼ぶ剣持の声が市街地に響く。

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五島市に到着した甲斐馬隼人と鏡拓也は、鋼鉄竜のいる区域の近くの区域のビルの屋上にテレポートする。

鏡「着いた!?………隼人さん。」

到着した事に喜びの声を見せるも直ぐに思ったのと違う事に気付きテレポートしてくれた隼人の名を呼ぶ。

甲斐馬「どうした?」

鏡「何か怪獣と…………距離ありませんか?」

何とも言えない表情を隼人に向ける。

甲斐馬「俺は目立ちたくないからな。何処に知り合いのボーダーの人間がいるかわからないし後、単純に此処の距離なら後はお前が走れば良いだろうと思ったんだよ。」

鏡「チキショウ!!」

そう言われると拓也は急いで身を翻し地上へ向けて走り出す。

甲斐馬「俺どうするんだ?帰りは別々か?」

すれ違い様に隼人からそう言われたから拓也は両目に涙をチョチョ切らせて

鏡「俺が怪獣倒して滅茶苦茶疲れて戻ってきたら三門市に送って下さいお願いします!!」早口で言いたい事だけ言い拓也は走り去る。

甲斐馬「人を便利なタクシー代わりとか……お前の義父さんも悲しむぞ〜〜てかアイツどうやって怪獣を倒すつもりだ……」

鏡「おおおおう!!?」エレベーターが当然止まっているから全力で階段を凄い面白い形相でダッシュする拓也。本人は真剣其の物なのだが……

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「誰か逃げ遅れている人はいませんか!?居たら返事して下さい!!」

周辺に逃げ遅れた人達をいないか探すのを口実にレッドマンに変身しようと黒野達を分かれた夢想は突然ビルから出て来た拓也と頭同士綺麗に激突する。互いに倒れる。オネェ倒れする拓也に、万能ヘルメットを外していた為に諸頭痛に苦しむ夢想。

鏡「痛い!?誰!?どうしてこんな酷い事をするの!?」

「あ痛たた……って君は拓也君!?無事だったんだね!?良かった!?心配していたんだよ!?」

鏡「えっ!?あぁ!?剣持夢想!?」

互いに驚きの表情で相手の顔を見て立ち上がり……互いの安全を確認する。

「でもどうやってメフィラス星人に瞬間移動にされられて無事だったの!!?」

鏡「メフィラス星人ってあの白衣のローブ&黄金仮面の宇宙人ことか?俺を空中から鳴門海峡に投げ捨てられてそのまま空中で翼を使って立て直したよ!?」

 

「そうか。」

(ベム!?あんな所に子供が!?)

(何っ!?)

拓也が気付いていない向こう側のマンションの階段を必死に登る茶髪の大人しそうな雰囲気の少年の姿を夢想は見つける。

「怪獣は俺達が何とかするから拓也君は先に避難してくれ。」

鏡「ちょっと何処行くんだ!?怪獣は反対側だぞ!?」

「向こうのマンションに子供が登ったんだ!?助けなきゃ!?」

鏡「何だって!?行くぞ剣持!?」

鏡は剣持より先にマンションへ向けて走り出す。

「っ!?」

剣持も急いで後を拓也の追う。

「此処は任せて君は避難するんだ!?」

鏡「そんな事言っている場合かよ!?俺はミラーマンなんだぞ!?」

「っ!?」

市街地を興奮して暴れるゴロンゴロを他所に夢想と拓也は急ぎ高層住宅のマンションの階段を走り、マンションの屋上へ向かって茶髪の少年を追う。

 

屋上には茶髪の少年は白い鳩達を逃がそうと小屋の鍵を開けて小屋から出そうとする姿があった。

「君!?此処は危ないよ!?」

少年「そんなのわかってるよ!?飛べよ。ほら早く飛べ!?」

鏡「その鳩達を逃がしたいのか?しょうがねぇな!!?」

鳩達を次々と外へ逃がそうとする少年の必死の姿に、必然的に夢想と拓也も手伝い白い鳩達を外へ逃がす。

「「ギャアオオオオオオオオン!!!!」」

夢想は白い鳩達を空に飛ばしながら少しずつマンションに近付いていくゴロンゴロに警戒する。

「二人共。急ぐんだ!?」

鏡「わかっている!?」

鏡(駄目だ。あの怪獣の長い角がマンションの屋上より下の階層に直撃したら、屋上が崩落する。)

怪獣は頭を建物に突っ込み建物を食べている為に建物の中には崩壊して瓦礫に変わっているもある。この状況を打開する最善の方法は……どちらかが怪獣を相手に変身する他にない。

鏡(勝てるのか?俺の実力であの怪獣に………だがやらなければならない!!!?)

自分より怪獣との戦いに経験がある剣持に視線を向けて拓也は覚悟を決める。

鏡(自分に何かあっても、レッドマンがいるから大丈夫っ!!?)

鏡「剣持………先輩!?」

「どうした!?怪獣に何が動きがあったのか!?」

鏡「先輩は鳩達を逃したら少年を安全な避難所に連れって下さい。」

「どうする気だ!?」

鏡「そんなの……決まっていますでしょうが!?」

「………っ!!」

最初は夢想は拓也が言う事は分からなかったが、時には言葉では伝わる事はなくても目で伝わる事もある。

「……分かった!?行ってこい!?」

鏡「あぁ。」

夢想の言葉を聞いて拓也は翻して屋上を後にする。

 

鏡「鏡!?鏡になる物!?光が反射する物……っ!?」

マンションのドアの開きっぱなしの部屋に拓也は入り、

鏡(世界と五島市の平和の為だ!?背に腹は代えられないっ!!)

遂に拓也は家主のいない脱衣所の鏡を見つけて

鏡(………ミラー・スパーク!!)

まず両腕をX状に組み合わせから虹と同じ七色に輝く残像を残し両腕を水平に伸ばしてから続いて垂直に伸ばしそのまま両手を前に突き出して手と手を接触させる動作『ミラー・アクション』をする事で全身をスパークさせ、

【ピカピカーーン!!】

脱衣所の鏡目掛けて一気に飛び込む。

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ダメージは通らないが鬱陶しいと思われたのかロボー47を長い一本角で薙ぎ払い吹き飛ばしゴロンゴロは剣持達がさっきいた鉄骨がある高層住宅のマンションへ足を進めようとするが、光と共に姿を現す巨大なレッドラインとブルーラインがある白銀の超人。

 

藤本「ミラーマン!?」

野村「藤本さん!?」

藤本「野村隊員。」

SGMの野村隊員もジュリー隊員の共に藤本がいる所に集まり五島市に姿を見せたミラーマンを見る。だがSGMのメンバーは最初は懐かしい物を見る視線で見ていたが、

藤本「……俺達の知っているミラーマンとは所々違うな。アイツは本当にミラーマンなのか?」

自分達の知っている姿とは別の姿をしている為に怪しい物を見る目に変わってしまった。

野村「同族の可能性は高いらしいけど詳しくはわからないわ。……少なくても怪獣と戦うつもりらしいけど…」

藤本「まるで別人だ。」

同じミラーマンなのだがコレジャナイ感を感じるSGMの二人。

 

一方別の場所でも……

「ミラーマン!?」

少年「あっ、あれは!?」

鳩を逃がしてマンションから離れて避難所へ向かう剣持達にもその巨人の姿を目撃する。本来ならあの場にはレッドマンである自分が立ち塞がらないといけないのに……

「此処は直ぐに怪獣とミラーマンの戦いが始まるから危ない!?」

少年「はい!?」

剣持は少年を連れて避難所に走る。

 

そして……五島市の路地裏からは、

甲斐馬「レッドマンじゃない…………まさか、拓也なのか?」

全く別の巨人の出現と覚悟を決めた拓也の怪獣を戦うだの倒すだの言っていた言葉を思い出し白銀と光の超人を見上げるのだった。

普通ならホラ吹きとして片付けるが、普通の人間には無い別の姿を持つ隼人は拓也の隠し事に大凡の心当たりを見つけるのであった……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

大都会五島市を舞台に遂に向き合うミラーマンと鋼鉄竜。

鏡(俺が今は……ミラーマンなんだ!?)

ミラーマンRBは鋼鉄竜の前で握り拳の両腕をΧ状に組み合わせたファイティングポーズをする。

「「オリョッ!!」」

そして素早く鋼鉄竜ゴロンゴロに迫り顎けり上げる。……鈍い音が鳴る。ミラーマンRBの足から。

片足を押さえて悶えるミラーマンRB。

(~~~~っ!!(声にならぬ激痛と叫び声)なんつう堅さだよ~~)

余りの堅さに片足を両手で擦るミラーマンRB。鋼鉄竜は目の前に突然現れた謎の巨人相手にさほど興味も無く

近くの高層ビル群に向かってゆっくりと迫る。

ミラーマンRBは雄々しく立ち上がり鋼鉄竜に向かって全身を使った体当たりをする。体当たりは直撃するも、鋼鉄竜を押さえ込められずにあっさりと弾き飛ばされてミラーマンRBは背中から罪の無いビルに激突してビルは倒壊する。

ミラーマンRBは肩を押さえて立ち上がり怪獣を見る。

ゴロンゴロは近く乗り捨てられた車を食べて自分の顔を前足で掻いて欠伸を上げる。

(背中が隙だらけだ!?)

四足歩行怪獣の背中に勢い良く跨がり背中から怒涛で高速の連続パンチ『ストレートフラッシュ』を叩き込むも

【ドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコドコ】

と音が鳴っているも一方的に一心不乱に殴るミラーマンRBの努力と裏腹に怪獣は眠たそうに瞼を閉じては開けてを繰り返し全然答えていない。怪獣にとってはさっきの攻撃は只の肩叩きだったのかも知れない。

何となく頭を下げた事に跨がっていたミラーマンRBは振り落とされて頭を両手で押さえるも怪獣がいる為に直ぐに飛び起きゴロンゴロの左側に走り両手で右側に横倒そうようとするもゴロンゴロは自分から右側に傾いた為にミラーマンRBが勢い余ってに放り投げられて転がり近くビルに激突する。

(もう怒ったぞ!!)

「「ミラーナイフ!!」」

伝家のミラーナイフを不意討ち気味に連続に放ち全て鋼鉄竜に命中するも

「「………。」」

鋼鉄竜は己の身体をちょっと揺らすだけで命中したナイフから鏡が割れる音と共にミラーナイフが粉々に砕ける。

(うそ~ん。)

そしてふと目につく鋼鉄竜の短い尻尾を見て

「「………。」」

ミラーマンRBは後ろから鋼鉄竜の尻尾を両手に掴み怪獣ジオンの時同様にジャイアントスウィングをしよう怪獣を尻尾を掴み勢いをつけて引っ張ろうとするも。

「「……。」」

ゴロンゴロはゆっくりと前に進みアスファルトは砂のように砕けては沈む。しかし思ったより前に進めない為に短い尻尾を揺らして、両手で引っ張っているミラーマンRBを振り払い、再びミラーマンRBはビルに激突して倒壊する。

 

 

野村「……あれじゃどっちが市街地を壊しているかわからないわね。」

 

攻撃する度に振り払われて次々とビルが倒壊する様子を見るSGMのメンバー。

ミラーマンRBは何とか立ち上がり、正面を向いた怪獣に向かって走り出し怪獣の長い角を掴み持ち上げ背負い投げしようとするも、純粋に怪獣の重さに耐えられずに

怪獣を背中に乗せたままうつ伏せに倒れる。

 

藤本「見ろ!?あのミラーマンでも駄目だ。」

野村「奴は重いのよ。呆れ返る程重いのよ!!」

 

SGMのメンバー達もミラーマンと怪獣との戦いを何とも言えない気持ちで見守る。

 

(ちょっ重い!!この怪獣尋常ならない程重い!!……骨が……骨が砕ける。)

振り払う事が出来ず、泥だらけになりながら必死に横腹から脱出するミラーマンRB。

(駄目だ……この怪獣は勝てない!!by三面怪人ダダ271号ぽく言う)正直に言うと自信が折れかけるくらいに相手が強い。

(って言ってられるか!!?)

己を鼓舞し気合いを込めてゆっくりと立ち上がりゴロンゴロに食らい付く拓也ことミラーマンRB。

 

突進する怪獣の角を掴み硬い頭部を殴るミラーマン。

長い一本角を無理やり持ち上げて怪獣の進行方向を変える。

(重さで……両腕が……だから何だ!?)

角を掴みながらゆっくり持ち上げて無防備の怪獣の腹に重い蹴りの一撃を叩き込む。

再び一本角を両手で掴むも、怪獣に首を振り回されて振り払われる。

転がり泥だらけになるも雄々しく立ち上がり怪獣に迫り

怪獣の硬い頭部と一本角に兎に角攻撃を集中させる。

だが怪獣の一本角は刺突の武器としてではなく鈍器としてミラーマンの横腹に一撃を入れて背中に何度も叩き落とし追い詰める。

更にゴロンゴロはミラーマンRBの右足に鋭い歯を立てた噛み付き、その激痛でミラーマンRBは反撃を忘れて苦しみ、怪獣は己の顎と首の力だけでミラーマンRBを持ち上げて一気に放り投げる。

巨人のミラーマンが投げられ倒れたせいで付近のアスファルトやビルが砕ける。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

その時……

目映い赤い光と共にレッドマンが飛び蹴りの態勢で五島市に出現してゴロンゴロの頭部に蹴りを叩き付けて、ミラーマンRBの前に着地する。怪獣の前に立ちファイティングポーズをして叫ぶ。

「「レッドファイト!!」」

 

 

興奮する真っ赤な色の新手の出現にゴロンゴロは闘争本能が刺激されて、レッドマンに向かって鈍重な身体で有りながら走り出す。

「「イヤッ!?」」

レッドマンは両腕を赤く光らせて自分に向けて迫る一本角の下段攻撃を素早く回避して怪獣の頭部を集中的に殴るレッドマン。

 

新ミラーマン同様に、怪獣の首を無理やり持ち上げて腹に向かって勢い良く蹴りを打ち込むも、感じた硬い手応えと反動で後ろに倒れ込むレッドマン。

(この怪獣……ヘタな鋼鉄並みに硬い……まるで【プルガサリ】だ。)

鉄を食らう朝鮮の意味で「殺す事が出来ない」で漢字で"不可殺"の意味を持つ怪獣の姿を幻影の姿を思い頭を振り払い起き上がるレッドマン。新ミラーマンはレッドマンの元へ駆け寄る。

ミラーマンRB(大丈夫か?レッドマン。)

(あぁ。君も大丈夫?)

(話すより前を見ろ!?)

迫る槍と殆ど変わらない長さの一本角を二人の巨人は両腕を使い受け止めて

「「イヤッ!?」」

「「オリョッ!」」

二人の巨人は怪獣から一旦距離を取る。

(どっちかが怪獣の注意を引いてその隙にもう一人が攻撃。)

(その案乗った!?)

レッドマンはミラーマンの注意を引いている隙に攻撃を考えていたんだが……

(よしっ!?なら君は(行くぞ!?怪獣~~)っておい!?)

意気揚々と怪獣に向かって突撃するミラーマンに置いてかれるレッドマン!?

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〔推奨BGM光と影の戦い(M12)(決死の攻防)(モノラル音源)〕

(怪獣の一匹や二匹!?ウオオオオッ!!!?)

当のミラーマンは有頂天になり勢い良く跳躍して怪獣に向かって急降下キックを放つ。

(トォウ!?ジャンピング…キック~~!!)

だが怪獣には掠りもせずに不発して着地するミラーマン。

(あれ?)

(おい!?何ふざけてる!!)

敵が自分から近付いた為に、ゴロンゴロは背中を見せるミラーマンに向かって兜の役割を持つ一本角で凪ぎ払う。

(おい!?後ろ後ろ!)

(えっ?いや!あの怪獣、見た目に似合わず素早いぃっ!?)

「「オリョッ!」」

まともに直撃し火花が飛び散りうつ伏せに倒れるミラーマンRB。

(何やっているんだよ!?)

倒れたミラーマンに駆け寄ろうとするもゴロンゴロは角を振り回し、すかさずレッドマンは下から放たれる一撃を真剣白羽取りで掴もうとする……

(取った!?(゜ロ゜;!)

だがタイミングや距離が悪く両手で掴むより速く一本角はアッパーカットの要領でレッドマンの顎に直撃して

「「イヤッ」」

余りの角の硬さぶつけた顎を両手で押さえて痛みで激しく唸るレッドマン。その間にミラーマンRBは立ち上がり怪獣の下半身を掴むも振り回されて簡単に振り払われる。

(何で先走った!?)

(てっきりソッチが注意を引いてくれると思ったから……)

(お前な!?)

(あっ!角が来るよ!?)

接近する怪獣の一本角を避けてすかさず反撃の構えをして

(兎に角、あの槍並みに長い一本角で突き刺されたら普通にマズイ!?身体に風穴が空く。)

(………掠っただけでも一大事だ。)

四足歩行怪獣で見た所、飛び道具のような攻撃は持っていないが、ヘタな怪獣の息の根を止めれる長い一本角は

刺突だけではなく棍棒のように打撃にも使える

(こうなったら……攻撃あるのみ!?)

二人の巨人は怪獣の背中に向かってそれぞれ蹴りと拳に叩き込むも……

【ガンッ!!…………………………………………】

異様な静けさが辺りに漂い。

「「……。」」

無言でゆっくりと二人の巨人は拳と足を怪獣から静かに離して怪獣から距離を取ったから暫く10秒くらいその場に立ち尽くして突然放った拳と足を押さえて痛みに悶え苦しむ。

(グオオオ…やっぱり硬い……)

(普通にイッテェ!?)

痛みを素早く振り払おうとする二人の巨人に向かってゴロンゴロが突進して来て、別々の方向に逃げようとしたら同じ方向に走るために必然的怪獣も追い掛ける。

(何で同じ方向に走るの!?別々じゃないと注意が引けないだろ!?)

(そんな事言っている場合かよ!?……生物なら目は柔らかい筈!?)

 

ミラーマンは立ち止まり怪獣のいる方向へ振り返り素早くポーズをして

「「ミラーナイフ!!」」

追い掛けてくるゴロンゴロの目に向かって白色のナイフ状の光線を再び放つも、効果は今一つのようだ。

(チキショー!?やっぱり効かない!?目玉まで硬いなんて反則だろ!?)

追い付かれて二人は別々の立ち位置から怪獣に向かって攻撃を繰り出すもその度に頑丈な鎧のような身体を攻撃した痛みに悶え苦しむ巨人。

(怪獣倒すより先に両手足がどうにかなるぞ……)

ゴロンゴロは頭部の槍のごとき一本角を凪ぎ払うように振るいレッドマンの左肩に直撃し、肩を押さえたままよろめくレッドマン。更に勢い良く反対側から迫る一本角に顔を殴打され倒れ込むレッドマン。

レッドマンを助けようとミラーマンも動くも、長い一本角の殴打が横腹に的確に直撃し、激痛で腹を両手で押さえて膝をつくミラーマン。

(がぁっ!!ぐぞ~~~!!)

痛みに耐え切れずに苦しむミラーマン。

「「イヤッ!?」」

倒れ込みながらレッドマンは低姿勢からレッドキックを怪獣の顎を連続で蹴り続けて、それと同時に立ち上がろうとする。

(無理だよ!?俺達の攻撃は奴にはことごとく効かない!?)

膝をつき踞るミラーマンは弱音を吐く。

何度も蹴りを貰うもびくともしないゴロンゴロはレッドマンの足を噛み付こうと歯を鳴らし噛み付き攻撃をするもレッドマンは転がり距離を取り悠然と立ち上がる。

(諦めるな!?俺達が負けたら五島市に住む人達を危険に晒す事になる。)

 

レッドマンと新ミラーマンと怪獣の戦いを離れて見るSGMの藤本は御手洗博士に緊急連絡する。

藤本「御手洗博士。レッドマンと新ミラーマンが硬い怪獣に追い詰められています。今すぐ俺達の不死鳥を翔ばして下さい。」

御手洗《こんな事になると思い……既に私達の不死鳥は翔ばした。》

 

レッドマンはゴロンゴロに果敢にも体当たりをするも、一度は怪獣の巨体で弾かれ振り払われるも、直ぐに片膝をついて踏ん張り再度ゴロンゴロに掴みかかり、肘打ちや膝蹴りを叩き込む。

(硬い相手なら戦った事ある!?ソイツの硬さに比べられたコイツはまだ許容範囲内だ!?僕は絶対に諦めないぞ!?)

夢想の脳裏に過らせる真紅の単眼の白い巨大な機械巨兵の強敵の姿と比べてコイツはまだ脅威だが怖くない。

怪獣ゴロンゴロは自慢の長い一本角を振り回し、レッドマンの右側の横腹にその角の殴打をまともに食らい苦しむも、一本角を右腕で挟み込み、怪獣の一本角の動きを止めて左拳を赤く発光させて一本角目掛けて一気に振り下ろす。 

「「レッドパンチッ!!?」」

己のエネルギーを込めた拳に感じた手応えは純度の高い金属を叩き込んだ感覚と言うよりも、手応えその物は固い骨を叩いた感覚だ。

(どちらにしても鋼鉄並みに固いのは変わらない……)

再度一本角の芯に当たる部分をレッドパンチで攻撃して

「「レッドチョップ!?」」

渾身の一撃を手刀を振り下ろすも一本角は折れずに、片手が痺れる始末だ。

何度も怪獣に掴みかかろうにも振り払われて無様に転がる二人の巨人。

 

鏡(よぉし!?俺だって!?)

勢い良くジャンプして回し蹴りをゴロンゴロに向けて放つも……二足歩行の怪獣じゃないから空振り立ち上がったレッドマンの背中にミラーマンの回し蹴りが直撃し勢い良く吹き飛ばされるレッドマン。

「「イヤッ!?」」

ミラーマンは申し訳なく口を押さえ急ぎレッドマンに駆け寄る。

鏡(ごめん!?大丈夫?)

(痛ってぇ~~お前俺を蹴るなよ!?)

ミラーマンの誤射に怒りの声を上げるレッドマン。

そんな二人の巨人に目掛けてゴロンゴロの一本角の凪ぎ払い攻撃を食らい吹き飛ばされる二人。

(兎に角、俺達でコイツを倒すぞ!?)

鏡(わかった!?)

 

吹き飛ばされた二人は何とか立ち上がり、レッドマンは怪獣に掴みかかりレッドパンチを一本角に連続で一点集中で叩き込み

ミラーマンは回し蹴りを放つも、角の硬さに片足を両手に押さえて痛みに耐えられずにケンケン走りをする始末。

 

そうこうしている内に再び一本角で凪ぎ払われて俯せに倒れたレッドマンは目前にある瓦礫で身動きを止められた自動車を見つけて、自動車の上の瓦礫を払い。自動車を道路に戻して

(よっと……ほらっ走れ。)

自動車はクラクションを鳴らし市街地から離れていき。

(よし!)

俯せのレッドマンの背中にミラーマンが乗っかってきて

鏡(痛てっ!?)

(退け!?退け!?)

鏡(ゴメン!?)

二人は転がり起き上がろうとするもそんなミラーマンとレッドマンを下敷きにしようと巨体を使ってのし掛かるゴロンゴロ。

「「イヤッ!?」」

「「オリョッ!」」

両腕で怪獣の巨体を受け止めながら二人の巨人は同時に怪獣の腹を蹴り飛ばして怪獣から連続側転して離れる。

 

一本角で身体を空中高く打ち上げられて吹き飛ばされるレッドマン。また一本角で勢い良く叩き落とされるミラーマンRB。

痛みにのたうち回る二人の巨人に向かってゴロンゴロの槍の如く長い一本角が迫る。

鏡(危ない!?せぇいや!?)

ミラーマンRBは咄嗟にレッドマンの顔に向かってビンタを放ち

「「イヤッ!?」」

(ぶほっ!?)

勢い良く放ったビンタにレッドマンはダメージを受けその変なアシストのおかげか顔に迫る鋼鉄竜の一本角の突きの一撃を回避する。手加減の無いビンタを叩かれのたうつレッドマンはミラーマンの方に向けて抗議の声を出す。

(お前全力で叩くなよ!?)

鏡(叩かないとあんたの顔面キン肉マンのブラックホールみたいに穴開いていたぞ。)

(それはそうだが〜〜ああ~もう!?俺が蹴る!ダメージが消えない内に追撃しろ!?)

のたうちから回復して先に起き上がるレッドマン。

鏡(ちょっとお礼の言葉は!?あぁもう!?)

起き上がったレッドマンは怪獣に向かって走り一気に跳躍して片足を伸ばして前転宙返り

「「イヤッ!?」」

ゴロンゴロの硬い一本角の芯目掛けて踵落とし叩き込み、火花が舞い上がりミラーマンRBも追撃の手刀を一本角の芯目掛けて放ち、両者ゴロンゴロの後ろに華麗に着地する。

【……………………………………ピキッ……】

片手片足をそれぞれ押さえて悶絶する二人の巨人。後ろにいる巨人の方向に振り返る鋼鉄竜ゴロンゴロ。

(嫌になるくらいホントに固い……)

痛みに悶絶しながらレッドマンとミラーマンは己の両腕にエネルギーを込め

(せめて奴の鎧のような皮膚に打撃が通れれば……)

(なら次は打撃以外で攻撃だ!?)

「「レッドサンダー!!」」「「ミラーナイフ!!」」

振り向きざまに必殺の光線技をゴロンゴロの頭部に向かって放つもミラーナイフは簡単に砕けレッドサンダーに耐えながらゴロンゴロは迫ってくる。一本角にもレッドサンダーを当てるも、頭部同様に滅茶苦茶硬い。

【ピキッ…………ピキッ………】

(イケるか!!)

(………駄目だ!?このやり方のまま外部を破壊するのに時間が掛かり過ぎる!!)

相手の表皮の硬さに有効的じゃないと理解してレッドサンダーを解くレッドマン。

(なら次はどうする?)

(外部が駄目なら内部を攻撃するしかない!?遊撃は任せた!?)

「「レッドアロー!!」」

レッドマンは瞬時に銀の十字架を持ち手の先にある赤い鋭い槍レッドアローを取り出し怪獣に迫っていく。

レッドマンは素早くレッドアローを振り回すも長い怪獣の一本角と長物同士の打ち合い。怪獣の一本角の重さに苦戦するも、ミラーマンRBが一本角の動きを両腕で封じ込める。すかさず怪獣の顔に向かってヤクザ蹴りの一撃も忘れない。

鏡(今だ!?レッドマン!?)

ミラーマンの助けもあってレッドマンは接近して怪獣の口の中目掛けてレッドアローで刺突の一撃を放つ。

だが鋼鉄竜ゴロンゴロは口で迫るレッドアローを噛みアローの動きを完全に止め身体を使い激しく振り回し逆にレッドマンからレッドアローを奪い取ってしまう。

鏡(そんなの有りかよ!!)

そのまま二人の巨人は一本角の殴打を食らい吹き飛ばされるミラーマンとレッドマンは道路とビルに倒れ込みミラーマンに至ってはビルを粉々に破壊してしまう。殴打されて呻く二人の巨人。

鏡(このままじゃ!?)

(まだ俺達は負ける理由にはいかない!!?)

だが次の瞬間、ゴロンゴロの左側に無数の攻撃が打ち込まれゴロンゴロは攻撃して来た視線を二人の巨人から上空の方向へ向ける。

鏡(一体今度は何だ?)

(あれはっ!?)

巨人達は空高くを舞う不死鳥を目撃する。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〔推奨挿入歌 朝日に向かってジャンボフェニックス(ヴァージョンⅡ)(明日なき戦い)〕

マッハビーストと同じ銀と赤カラーの戦闘機が五島市の空を舞う。だがマッハビーストに比べて32㍍の大型分離合体機能付き戦闘機ジャンボフェニックス……別名『空飛ぶ研究室』の異名を持つSGMの大型飛行艇がレッドマンと新ミラーマンが苦戦する怪獣の前に姿を現す。

 

鋼鉄竜に向かって支援攻撃をするジャンボフェニックス。空を飛ぶ新手に鋼鉄竜は手も足も出来ずだが瞬間的に体内のアドレナリンを増幅させて全身の表皮を完全な鋼鉄と同じレベルにしてジャンボフェニックスの攻撃を防御する。

藤本「クソっ何て固くてタフな奴だ!?ジャンボフェニックスの火力でも駄目なのか。」

(((あの状態より更に硬くなるって有りなのか!?)))

剣持達は剣持達で鋼鉄竜の全身が鋼鉄その物に一時的に変化した事に驚く。だがその能力を使う間は鋼鉄竜も完全に動けなくなる為に安易には使わないようにしている。

一の谷「怪獣は確認した所、頑丈な表皮で全身を鋼鉄並みに硬くしている。そこで我々が開発した対怪獣用筋肉弛緩弾の出番だ。」

村上《了解!?安田っ》

安田《はい。チーフ。対怪獣用筋肉弛緩弾準備完了。》

ジャンボフェニックスから放たれた援護射撃のおかげで素早く起き上がる二人の巨人。

「「イヤッ!?/オリョッ!!」」

両腕を赤く発光させてゴロンゴロの懐に接近し一本角を殴り付けるレッドマン。下がるレッドマンに入れ替わるようにミラーマンが進み怪獣の顔に右拳と左横蹴りを叩きつけてその蹴りの勢いで怪獣から距離を取り。オマケのミラーナイフを放つも鋼鉄竜は再び全身を鋼鉄化させてミラーナイフを弾き返す。

(ミラーナイフじゃ威力が足りないんだ!?何か他の技は!!?)

タイミングを伺っていたジャンボフェニックスが攻撃ポイントを定めて

村上《発射!?》

ジャンボフェニックスから発射された一発の特殊弾頭が鋼鉄竜の左前脚に命中して左前脚の硬さを保てなくなって行く。身体を支える前脚の筋肉の硬さが無くなる自重のバランスが崩れ鋼鉄竜の身体が思うように動けない。

安田《命中確認!?》

村上《よし!?》

 

(ミラーナイフじゃない。アイツの硬い身体を切り裂く俺だけの武器を!?技を!?)

レッドマンが裏拳を一本角に叩き込みミラーマンRBの元へ転がり。両腕を交差して怪獣の左足に向かって必殺技を発射する。

「「レッドサンダー!!」」

怪獣の左足に必殺技の光線が直撃して左足が燃え上がり、

(うおおおおおおおおっ!!?集中!!集中!?集中!!?)

気合いを込めたミラーマンRBは力強くその場でギリシャのオリンピック円盤投げをする選手のように腕を振りかぶり黄色い光エネルギーが丸鋸状の光輪に変化して光エネルギーの鋸の刃はチェーンソーのように高速回転する。

(貴様の身体を叩き斬ってやる!!)

「「ミラーリング!!」」

ミラーマンRBはゴロンゴロに向かって円盤投げのように素早く投擲する。

ゴロンゴロは本能的に身を固めて鋼鉄化の防御するが、SGMの対怪獣用筋肉弛緩弾で力が思うように入れずに迫るミラーリングを不完全な鋼鉄化をしてしまい迫るミラーリングを防御出来ない。

だがゴロンゴロは硬い一本角を使い迫るミラーリングの穴の中央に差し込み

(((えっ!!)))

ゴロンゴロは輪投げの要領で二人の巨人に向かってミラーリングを投げ返す。光線を止めて素早く横転するレッドマン。

(危なっ!!)

そして咄嗟に近く高層ビルを盾にするミラーマンRB。

「「っ!?」」

ミラーリングが高層ビルを斜めに通り過ぎそれはもう綺麗な斜め袈裟斬りでゆっくりと滑り落ち倒壊する。

何事もなかったかのように怪獣に向かって力強く仁王立ちするミラーマンRB。(やべーーービル壊れちゃったよ……)

 

藤本「あのミラーマン。ビルを盾にしやがった……」

驚愕した表情でミラーマンRBを見るSGMメンバーと『お化け屋敷』達の面々。レッドマンは匍匐前進でミラーマンに接近して叱りの言葉を出す。

「「イヤッ!!」」

(ビルや建物を進んで壊すな!?自分で被害を無駄に増やす奴があるか!!)

「「オリョ〜〜」」

鏡(そんな事言ったって!?)

ゆっくりと瓦礫を払い立ち上がる二人の巨人は迫る鋼鉄竜の一本角を凝視する。

(奴の自慢の角を叩き折るぞ!?)

鏡(どうやって!?)

(ダメージを蓄積されるぞ!?)

「「イヤッ!?」」

 

〔推奨BGM戦いの詩(M54)〕

ゴロンゴロはジャンボフェニックスが発射した特殊弾頭で身体が思うように動いてはいないが闘志は消えていない。近付く物を噛みつこうと歯をならし思うように動かないとも身体を動かし激しく抵抗する。

レッドマンが怪獣の一本角を片腕に挟み込み押さえて残った片腕で一本角の芯目掛けて肘打ちを連打する。

(あの仮面の怪人はヴァルジオンの流体金属を打ち砕いたんだ!?)

太刀川隊や諏訪隊と共にゾークロンの円盤に連れ拐われた時に目撃した仮面の怪人とエルヴィル星人との激闘は硬い敵と戦う参考になった。

(レッドサンダーを撃つのと同じように両腕にエネルギーを集中させろ!!!)

【ピキピキ…】

怪獣の止まぬ猛攻……只ひたすらに足掻くレッドマン。未知の相手にも怯まないSGMや『お化け屋敷』達……その全てを間近に目撃する鏡 拓也。

【ピキピキピキ……】

「「イヤッ!!」」

ショートブローを怪獣の角の芯に向かって一点集中に叩き込み。

(ボサっとするな!?ミラーマン!?)

レッドマンの激を聞きビクっとするミラーマンRBも動き出す。

(うおおおおおおおおっ!!!?)

再び腕を力強く振りかぶり黄色い光エネルギーを丸鋸状のミラーリングにして

(っ!?まだ角が折れていないんだぞ!?)

(今度はさっきと違うぞぉ!!?)

高速回転するミラーリングの中心の穴と同時に光輪その物を縮小させる。

面積も威力もさっきに比べて縮小化されたが、これなら……

(これなら!?輪投げしようも無いだろう!!)

「「ミラーリングっ!!!?」」

2つの黄色い目を輝かせた銀と赤の光の超人は鋼鉄竜ゴロンゴロに向かって素早く円盤投げの要領で放ち。全身を使って放つ膝蹴りを一本角に叩き込んで勢い良くレッドマンは赤く発光させた右腕を一本角の芯目掛けて振り放つ。

「「レッドパンチ!!」」

芯に蓄積したダメージがゴロンゴロの一本角の耐久力を上回り角を叩き砕き折る事に成功する。

角を折ると同時にゴロンゴロの頭部にミラーリングが今度こそ迫るもゴロンゴロは口を大きく開き迫るミラーリングを飲み込み。

両者の間に暫しの沈黙が漂うも……未だに怪獣は仕留めていない。平気そうに大きく吠えるゴロンゴロにミラーマンRBは一瞬怯むも両腕を黄色く光輝かせてゴロンゴロに一気に至近距離に接近し

(そんなに俺の技が食べたいのなら存分に食わしてやるよ!!)

「「ミラーリング!!!!!!」」

小型のミラーリングをボーダーの射手の通常弾のように矢継ぎ早にミラーリングをゴロンゴロの口目掛けて繰り出しさっきと違い飲み込まれされてビリヤードのように鋼鉄竜の体内でミラーリング同士が激しくぶつかり合い鋼鉄竜の内臓を次々と斬り刻み。

レッドマンが激しく暴れるゴロンゴロの口を両手で塞ぎ込めてその僅かな隙にミラーマンRBは距離を取りながら腕を力強く振り上げて不安定な体勢からゴロンゴロの向かって己の技を放つ。

〔推奨挿入歌 ミラーマンの唄〕

一瞬、点滅するようにゴロンゴロとミラーマンRBの顔がそれぞれドアップし

藤本「……決まった。」

戦いを静観していたSGMの藤本隊員がそう呟くのだった

「「……ミラーリングッ!!?」」

「「ッ!?」」

レッドマンも咄嗟に両手を離し鋼鉄竜から直ぐ様離れて高速回転する光輪がゴロンゴロの身体を真っ直ぐに通過すると共に内側から溶かした鉄と同じ赤熱色のドロドロした液体を市街地の道路に垂れ流し真っ二つになったゴロンゴロの半身は力無く別々に音と共に崩れ落ちて鋼鉄竜との戦いの終わりを静かに告げていた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

予想以上に苦戦をした物の勝って一先ず安心していたミラーマンは両腕を腰に当て仁王立ちをして勝利の余韻に浸ろうとするも、

藤本「なんて下手くそな戦いなんだ!!!?」

突然大きく聞こえてきた怒鳴り声に匹敵する大声にミラーマンRBはビックリして声のした方向を見る。

藤本「周りを良く見て見ろ!?何も守れていないじゃないか!!?」

自分に対して叱りの言葉を叫ぶ男性に勝利の余韻を台無しにされて素直に不満な気持ちをなるミラーマンRB。

成川(彼の言う通りだ……。君は被害を考えずに暴れるように戦った……)

すると突然、プリズムファイターから超能力のテレパシーが拓也と夢想達の頭の中に聞こえてくる。夢想とベムは物思いに壊され市街地を見ているも、成川は拓也に用があるようだ。

鏡(なんだよ。俺が悪いって言うのか!?勝手に人の師匠ヅラするなよ!?)

成川(お前……凄くみっともないな……お前にミラーマンの名前を名乗る資格は無い。)

鏡(煩い!?俺が怪獣を倒したんだ!?苦労して怪獣を倒したのに文句を言うのかよ!?)

成川(……まるで自分一人で倒したかのように言うな……レッドマンのフォローして貰い、SGMのジャンボフェニックスに援護して貰い……俺が怪獣を倒しただと……自惚れるなよ糞餓鬼が!!!!?)

(ヒィッ!?)

五島市から遥か彼方に感じるプリズムファイターのテレパシーよ圧に一気に圧倒されて恐怖心に成川のテレパシーを一方的に切って疲労困憊の状態のミラーマンRBはゆっくりと所定のポーズを取り二人がかりで思った以上に鋼鉄竜に手こずり五島市の市街地から姿を消す。

「「ミラースパーク!?」」 

 

(……想像以上に厄介だな…鏡 拓也。)

(………根が悪い子じゃないけど…自信過剰と言うかなんと言うか……)

成川(クソっ、少し昔の自分に戻っちまった……まだまだ未熟だな……俺は………すまないが……ベムに夢想。アイツの事を気にかけてやってくれ。)

(任せろ……とは言い切れないが、できる限りやるだけやってやるよ。プリズム先輩。)

(僕らはまだ彼の事を何も知らない……まずお互いに相手に歩み寄りましょう。)

 

「「ダッ!?」」

レッドマンは成川とのテレパシーを終えて両腕を垂直にして跳躍すると同時に高く飛行し『お化け屋敷』やSGMのメンバー達の前から消す。

途中、ジャンボフェニックスの横を通り過ぎた際に村上チーフ達にテレパシーに感謝の言葉を伝える。

(ありがとう。貴方達のお陰で怪獣を倒せた。心から感謝する。)

村上、安田「っ!?……どういたしまして…」

最初頭の中に突然声が聞こえた為に驚くも村上チーフ達は互いに顔を見合わせて戸惑いながらもレッドマンに返事をするのだった……

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

家主の居ない部屋の脱衣所の鏡から帰ってきた拓也。その表情はグッタリしており……

「……家主達が戻ってくる前に出よう…」

とそそくさと部屋を後にして階段で最下階まで歩いている中、

成川(……自惚れるなよ糞餓鬼。)

拓也は頭を左右に必死に振り成川の言葉を忘れ去ろうとする。

鏡「俺は、もう守られるだけの存在じゃない!?」

孤児院でも……引き取られた家でも……学校でも……地下組織ヘリオンでも…

人を助けようと行動すると、必ず自分は自分より大きな力に助けられる。無意識に……お前は一生、何も己自身じゃ掴む事が出来ないと言われているみたいで………世界がつまらないと感じてしまう。漸く……漸く……自分は"特別"な存在と分かったんだ

でも……その特別は今まで自分を守ってくれた沢山の物を蔑ろにしても欲しい物だったのか……でも……俺にだって何か……何かないと、俺は何の為に……この世界に産まれて生きているんだよ……俺の存在する意味は一体何なんだよ……。

拓也は自分を叱ってくれた人の言葉が時間が経ってから響いて途中の窓に見えた瓦礫の山と化したビル群を見る。

鏡「初の市街地戦闘だったんだよ……仕方ないだろう……」

鳴門海峡は海……プールや風呂場で戦う要領で足が地面につかないから苦しかった。

鏡「………自分で言い訳して……俺、滅茶苦茶格好ワル……」

 

 

マンションから離れると。隼人が先回りしており何とも言えない表情で拓也を見て。

甲斐馬「……色々と説明して貰うぞ。」と呟き拓也は軽く安心したようにため息を吐き

鏡「……俺の話信じてくれますか?」っと返事を返すのだった。

 

 

 

【ーーーーッ!?】

(何だ……この奇妙な視線は……)

一方、人の気配が掠りもしない場所でレッドマンから剣持夢想に変身したベムは、謎の視線を感じて直ぐに視線のある方向に向き直るも視線の元凶は見当たらず……謎の気配をより探ろうとするも……

アラシ「お〜い〜剣持。何処だ!?」

黒野「居たら返事をしろ〜〜」

聞こえてきた仲間達の声に夢想は慌てて気配を探るのを辞める。

「やべっ!?急いで戻らないと……」

剣持はその場所を後にするのだった……走りながら今回の戦いの事を思い出す夢想。

(今回の怪獣との戦い……何とか拓也君の協力で勝てたけど……僕自身もっと出来る事を増やさないと……大切な皆の幸せを守れない………その為には……)

太刀風『…夢想……お主、拙者の弟子になれ?』

脳裏に過る皇虎の言葉が夢想の心の水面に……静かに…確かに……波紋を広げ出す。

「……手探りで鍛えるより……少しでもやれるだけの事はやらないと……」

まずは今回の怪獣災害に関する報告書の作成からだ……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〔推奨BGM 侵略の予感[Mー30]〕

五島市の避難所にて

避難してきた人達の人混みに紛れて遥か遠くにいた剣持夢想とベムに視線を向ける者に夢想達は気付く事はなかった。

少年/キリエル人「………。」

自分達より後からこの青い星に来て好き勝手やっている存在に並々ならぬ敵意の視線を向けていた存在は、まるで其処に誰もいなかったように忽然と姿を消すのだ。

 

三門市に住む剣持の大切な人達に異次元から襲来した恐るべき炎の悪魔が迫る。

 

 

 




〔ウルトラマンティガの次回予告のBGM〕
染井「証って……」
三門市に次々と現れる死者達……染井華に迫る謎の少年と女性の二人組。
「君は招かれざる者なのだ!!?」
人々の心を惑わし異次元の門を集中誘導させている三門市の大空に浮かぶ地獄の門
夜の三門市を中心に繰り広げられる混沌の力を纏う炎魔戦士二人組を相手に……レッドマンとブラックワン。相容れない者同士が目的の為に手を組み打倒炎魔戦士達に動き出す。
キリエル人のどうでも良いカン違いに遂にブラックワンとレッドマンが完全にキレてかつてないタッグマッチが始まる。
次回『悪魔の奇跡』お楽しみに……
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