ワールドトリガー・TheREDmanHERO   作:怪物怪人怪獣さん

28 / 31
お待たせしました。駄文です。
今回のファイルに登場する地熱怪獣ゴロモス(地底怪獣でも可)はパゴスからネロンガ、ガボラ、マグラーの間にあるとされる地底怪獣の祖バラゴンのスーツ流用の流れを汲んだ怪獣です。
正直にこの怪獣が出たモチーフのエピソードを見ると科特捜隊とか要らないと感じる内容でそれこそ白黒ウルトラQ特有のアンバランスゾーンの住民達だけで倒せる程弱い怪獣に見えます。何かウィキやネットでゴロモスを調べると口から熱線か高熱火炎と言った遠距離技が無い事になってますけど、冒頭の深夜の発電所破壊でちゃんと口から赤い光線を放つシーンがありますから、遠距離技はある設定です。
四足歩行のバラゴン系統の為に敵と格闘するシーンは【フランケンシュタイン対地底怪獣】や【ゴジラ・モスラ・キングギドラ大怪獣総攻撃】のバラゴンの攻撃方法とウルトラマンティガと対峙したガクマβの戦闘シーンをオマージュしています。
本当はもっと早く投稿する予定が、アッサリした内容の為に幾つも加筆してこうなりました。没サブタイトル〔剣持の休日〕
〔推奨OP ミラーマンの唄〕


ファイル16闇への招待状 地熱怪獣ゴロモス登場

炎魔戦士キリエロイドとの激闘を終えて数日が経過した深夜のザイカーン地方にある山の一つ滅死山。

人の気配がしない深夜の山の近くの使われない廃工場に、舗装が殆どされていない獣道に数台の悪輸送トラックが車のライトを光らせながら近付いている。

シゲハル「来た⋯」

トラックや廃工場からギリギリの距離を保ちつつ雑木林の木々を背に気配殺しトラックが来た事を確認するのは、身体の重要箇所を守り且つ動き安いライダースーツを身に纏う神出鬼没の怪しさを出すおっさんライダー基忍者ライダー超空忍者シゲハル。

ピジョンマン「⋯⋯。」

シゲハルは仲間のピジョンマンと視線を向けてピジョンマンは無言で首を縦に振る。

シゲハル「此方シゲハル。ポイントK1にてガイラットの輸送トラックを複数確認した。」

忍者ライダーの名に恥じない隠密をしつつ忍者部署の仲間に連絡を取るシゲハル。

マスク・ザ・セブン(金剛)《此方マスク・ザ・セブン。俺も確認した。》

7つの化身の一つ金剛と呼ばれる執金剛人に似た姿をした土の属性の姿をして土に潜りながら確認する愛の戦士。

 

ゼブラマン《此方ゼブラマン。私も確認した。》

深夜の夜の闇に映える白馬の白いのが目立つ為に持参した黒い迷彩色のフード付きローブを纏った特殊スーツとマスクを全身に装着したゼブラマンが返事をする。

 

ピジョンマン「ベルサードは?」

今回の任務の主力を務める変身ヒーローの名を呼ぶピジョンマン。予定ではシゲハルの報告を貰ったら彼が廃工場に侵入する先陣を切る役割を持っているのだが、返事が無い。

ベルサード《此方ベルサード。現在タガメの改造人間が率いるウズマキングオートバイ部隊と交戦中。到着まで少し遅れる。私が現場に到着するその間⋯⋯先陣の役は刃。君に任せたい。》

 

月が深夜の雲に隠れる中で夜の暗闇から姿を見せた装甲を纏ったサムライヒーローが背中の二本の愛刀トリカブトを両手で抜刀して廃工場に視線を向けて残心の構えをしながら言う。

ジンファイター刃《おう。楽しい宴の時間だな。》

 

シゲハル「ウズマキング達の姿を確認。ガイラットのマーク付きのアタッシュケースも確認。情報部から貰ったウィルス関連のナンバーの奴とも一致した。当たりだ。忍者部署。仕事の時間だ。」

双眼鏡を片手に廃工場から現れた秘密結社の戦闘員の姿を見て超空忍者シゲハルの号令にピジョンマン、マスク・ザ・セブン、ゼブラマン、ジンファイター刃が同時に忍者顔負けに深夜の雑木林を駆け出す。

【シュタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタ】

 

一方

ベルサード「⋯⋯。」

明かりの無い深夜の滅死山の廃工場までの山道に続く道では制限速度を超えた無数のバイクのライトが幾つも通り過ぎる。

後方から迫るウズマキングオートバイ部隊と先頭を走るベルブリンガーに跨り緑色の昆虫を模した仮面の赤い複眼を夜の闇の中で光らせるベルサード。

ウズマキング達はオートバイに乗りながら後ろから銃撃を放ち、ベルサードはマシンに身を着けながら姿勢を低くして銃撃を次々と回避する。装甲に火花を散らし弾を弾かせながら一度速度を落として

ベルサード「ふん!?」

後方から迫るウズマキングの1人に向けてバイクに乗ったまま後ろ足を蹴りの構えで伸ばし

ウズマキング「イーッ!」

ウズマキングのマシンを破壊すると共に戦闘員を空中高く蹴り飛ばす。

横に並んだウズマキングが持っていた銃でベルサードとベルブリンガーに向けて銃撃を放ちながら更に近づくも、

ベルサード「⋯⋯。」

至近距離から銃の攻撃を敢行する戦闘員に対してベルサードは戦闘員の銃を持った左手を左手で掴み動きを封じさせその状態で戦闘員の乗るオートバイの側面を左片足で蹴りつけて相手を転倒させクラッシュさせる。

ベルサード「っ!?」

ウズマキング「⋯⋯。」

先回りした戦闘員が手榴弾のピンを引き抜きベルサードに向けて放り投げる。

爆発と共に爆炎に包まれるベルサードだが燃え上がる炎の中から炎を振り払い姿を見せて赤い複眼を光らせる。

再びウズマキングは手榴弾のピンを引き抜き後方を走るベルサードに向けて投擲し後方で激しい爆発が起きる。そして再び爆発の炎を掻い潜り姿を見せる。

ウズマキング「⋯⋯っ!?」

三度手榴弾のピンを引き抜き放り投げるも、ベルサードはマシンのスピードを上げて片手で投擲された手榴弾を掴み素早く投げ返す。

ウズマキング「イーッ!!」

気がついた時には、ベルサードは手榴弾を投擲していた戦闘員をバイクの前を走り去ると共に戦闘員は己の投げた手榴弾の爆発に巻き込まれ後方に続いていたウズマキング達は爆発に巻き込まれる。

ベルサード「ん!?」

だが後方から感じた尋常ではないプレッシャーと深夜の森に鳴り響くバイクのエンジン音に視線を後ろに向けるとオレンジ色に複眼を光らせたタガメ男がクラッシュを起こすウズマキングら黒い専用バイクシュトルムで勢い良く飛び越えてベルサードの後を追う。

ベルサード(くっ、振り切れない。)

敢えて道の悪い場所にオートバイ部隊達を誘導して次々と撃破する仮面を着けたライダー乗りは、背後から自身にプレッシャーを与えるタガメの改造人間を警戒し焦る。

タガメ男「⋯⋯。」

一方、タガメ男は無意識にベルサードには攻撃せずにまるでオートバイのレーサーのようにベルサードを倒すより奴の先を走りたいと考えていた。

タガメ男(何だ?この気持ちは?俺は奴を倒さないといけないのに⋯⋯)

道がもっと平坦でしっかりした道路ならもっと互いのマシンの性能を最大に活かしてお互いのバイクの運転テクニックが分かるのに⋯⋯

タガメ男「っ!?」

完全に思考が可笑しい事を考えていたタガメ男は己の頭から雑念を一瞬で振り払いベルサードを倒す為にマシンの速度を上げる。

ベルサード「来い⋯⋯ガイラットの改造人間!?」

そのベルサードの様子を遠くから追尾する一匹の蝙蝠。

 

ウズマキング達は複数の悪輸送トラックの荷台からアタッシュケースを次々と廃工場に運んでいた。工場シャッターは開かれており内部には外の外観と比べられない最先端の科学設備があり、怪しげな紫色の液体を白い培養カプセルで培養されていた。そしてその培養カプセルは所狭しに並べられておりガイラットの戦闘員ウズマキング達が見張りをしていた。

 

【ガイラットが新種の感染ウィルスを開発していると過去に恐るべき三門市の若者の親父狩りにあって若者が嫌いなマスター・Kが率いる情報部が手に入れた情報を確かめる為に忍者部署の人間達は調査に乗り出した。⋯⋯多方面からの調査の結果とある製薬会社から深夜にガイラットの悪輸送トラックが使われている事を知った忍者部署達は⋯⋯直ぐ様、トラックの目的地が使われない廃工場があると突き止めて廃工場へ先回りし⋯⋯新種のウィルス量産工場の破壊に動き出す。】

 

サーモン色のメタルヒーロー似のマスクの黒いバイザー越しに光る黄色い鋭角的な目が一際輝きを増す。

ジンファイター刃「っ!?」

身体に緩急をつけて稲妻と見間違う速さで接近した刃はスローモーションで両手に持った二刀のトリカブトの刀身をサーモン色に発光させ生産工場内部に向けて同時に上段から一刀両断に振り下ろすと共に光る刀身から三日月状の斬撃破を放つ。突然のヒーロー達の襲撃に対応が遅れるウズマキング達は迫る斬撃破に巻き込まれて廃工場の壁や床や天井に叩きつけられる。

工場内部に斬撃破を放つと共に乗り込んだジンファイター刃は工場内部にいる敵達を眺めて高らかに名乗り声を上げる。

ジンファイター刃「遠かららぬ者は音にも聞けい!!近からぬ者は目で見よ!!ジンファイター刃此処に見参!?」

二刀のトリカブトを横水平に持ち一気に施設内の敵に向かって跳ぶサムライヒーロー。

シゲハル「刃の奴⋯⋯相変わらず派手にやっているなぁ。」

ピジョンマンと続いて工場内部に侵入したシゲハルは、電磁ナイフを持ったウズマキング達と宙を跳び壁や天井を走りながら大立ち回りをするサムライヒーローの姿を見て感心する。

マスク・ザ・セブン(金剛)《何感心しているんだよ。シゲハルのオッサン。刃の奴が暴れまくったなら奴らのウィルス関連の資料データとかが滅茶苦茶になるだろ。刃の奴が暴れている隙にとっとと俺達で回収するぞ。》

瞬間移動で距離を詰めて工場内部の資料データの前に出現したマスク・ザ・セブンが念動力で独りでに施設内の複数のPCを操作して必要なデータを収集する。

マスク・ザ・セブン(金剛)「ピジョンマンとゼブラマンは刃の奴に此方を攻撃させないように立ち回ってくれ。」

ピジョンマン、ゼブラマン《了解っ!!》

 

廃工場の地下施設内にいたガイラットの怪人達はウィルスの量産をガイラットの幹部デススカル将軍に報告していた。

デススカル《何事だ!?》

ウズマキング「イーッ!!ヒーロー達がこの量産工場を襲撃しに来たようです。」

デススカル《くっ!?怪人部隊、直ぐにヒーロー共を迎え撃て!!》

幹部の号令に無数の怪人達が急ぎ迎撃の為に移動する。

デススカル《まあ良い⋯⋯例え迎撃する怪人部隊が全滅しこのウィルス量産工場がこのまま奴らに破壊されても⋯此方にはまだ奥の手がある。》

髑髏顔の地獄超人は笑みを浮かべる。

 

一方廃工場から離れた場所で『お化け屋敷』の忍者部署とガイラットと会敵するのを見ている者達がいた。そう⋯『お化け屋敷』と同様ガイラットと人知れず戦う地底基地ヘリオンの面々だ。

鏡「始まった。」

興奮した表情で戦う様子を見る少年にサングラスを着けたカウボーイが言う。

埠「待て拓也。隼人達がまだ来ていない。私達は此処で待機だ。」

鏡「そんな!これじゃあ『お化け屋敷』の連中に先を越されますよ!?」

埠「私達が何とかせずに彼らの活躍にガイラットが弱くなるなら寧ろ良い事じゃないか。私達と彼らは組織や目的は違うが敵は同じだし世界の平和を守っている。そもそも彼らと功を競い合っていないのだからお前が不服を覚えるのはお門違いだぞ。」

鏡「でもアイツらに負けられない!?」

埠(自信満々と言う訳では無いな。焦っているようだ。)

自分が普通の人間じゃないと分かってから彼は人を見下すような発言や行動は私が知っている限りしていない。でも何か焦っているように埠信玄には感じた。

埠「うん?」

そんな時、一匹の飛膜の翼を持つ蝙蝠が翼を羽ばたかせながら信玄の横切る。

鏡「どうしましたか?」

埠「⋯⋯いや、蝙蝠の姿が見掛けてな。」

鏡「何処かに蝙蝠が住む洞窟でもあるんでしょうか?」

拓也はそう信玄に言うと再び視線を工場付近に戻す。

 

拓也の頼もしい先輩であるエレキトリガーマンはヘリオンの仲間と共に拓也の元へ向かっていた。しかし彼らは合流する途中で突然濃霧が発生して足を止める。そして濃霧の中から聞こえてくるガシャンガシャンの機械の足音に

エレキトリガーマン「この足音⋯」

アームテスター「嗅ぎ付けたか?サンダーパピヨンマン!?」

濃霧の中から目の前に立つ因縁のあるガイラットのロボット戦士がウズマキング達を率いて姿を現す。

エレキトリガーマン「アームテスター!?ブラックマルスは何処だ!?」

アームテスター「貴様如き知る必要はないわ!?裏切り者め!?者共掛かれ!?」

ウズマキング「イーッ!!」

エレキトリガーマンと仲間のヒーローに向かって群がる戦闘員達エレキトリガーマン「空を飛んで離れてろ。連中を一網打尽にしてやるぜ!?雷放電!!」

仲間のヒーローにそう言い、彼は両拳を真正面に組み合わせバチバチッと両手を引き離すと共に黄色い電撃を迸らせてウズマキング達に向けて放つ。その濃霧から離れた木の上からガイラットの新型怪人が見物していた。

 

一方 廃工場内部では

ゼブラマン「てぇいやッ!?」

ゼブラマンは助走すると共に素早くアクロバットに跳躍して両拳を連続で振るいウズマキング達を次々と殴り倒す次々も迫る戦闘員達の攻撃に埒が明かないと感じて一網打尽にする為にゼブラマンは素早く回避すると共に工場の床目掛けて拳を一直線に振り下ろしその衝撃で床は蜘蛛の巣状に亀裂が走ると共に周囲の戦闘員達が宙高くに舞い上がる。

 

シゲハル「とりゃあ!?」

素早くウズマキングの1人を蹴り飛ばし電磁ナイフを振るう別のウズマキングをバッタバッタと殴り倒す超空忍者シゲハルの背後から突然羽音と共に何か凄い速さの物が迫り吹き飛ばされる。

シゲハル「ヌオー!?」

工場のカプセルの一つに勢い良く背中を叩きつけられ倒れるシゲハル。

ゼブラマン「シゲハル!?」

ゼブラマンはシゲハルの安否を気遣うも直ぐに自分も何かに連続で叩きつけれ吹き飛ばされるも瞬時に受け身を取り背後にいるシゲハルに声をかけるゼブラマン。

ゼブラマン「大丈夫か?シゲハル!?」

シゲハル「あぁ。」

倒れたシゲハルの方に意識を向けるゼブラマンにシゲハルは返事を返してゆっくりと起き上がりゼブラマンに駆け寄る。

ゼブラマン「背中合わせだ。」

シゲハル「分かった!」

互いに背中合わせになるも再び何かの羽音と共に交互に連続顔を殴られる。

シゲハル「ぐっ!瞬間移動の改造超能力者か!?」

ゼブラマン「⋯透明化⋯⋯いや違う!?シゲハル。ゴーグルの視覚捕捉機能を使え」

シゲハル「分かった!」

自身の掛けている特殊ゴーグルに内蔵された視覚強化機能を起動使い高速に動く"何か"を捉えて

ゼブラマン「其処だ!?」

ゼブラマンは肉体強化された視覚と聴覚で補足した者に向けゼブラマンは素早く拳を振り上げてアッパーカットをすると確かな手応えと共に自身に攻撃した存在の姿を見る。

シゲハル「お前はハエ男!?」

ゼブラマン「出たな!?フライレディー!!」

ピンク色の複眼が特徴の緑色の蝿をそのまま人型にしたような左右対称の外見をした改造人間と赤い複眼が特徴の左右非対称の韮澤クリーチャーみたい女性改造人間がヒーロー達の前に姿を現す。

ハエ男「ブブブブブゥーン!?」

自分の腹にゴマをすりながら蝿の鳴き声を口から鳴らすハエ男はシゲハルに飛び掛かる。

 

ハエ男 階級下級怪人 出身地 夢の島

ハエの飛行能力と素早さを持った怪人。口から何でも溶かす溶解液を出したり、バイ菌をまき散らして攻撃する。ゴマをすることも得意。

 

フライレディー「ホホホホホ!覚悟はよろしくて?」

女性特有の口元で笑みを浮かべと共にすかさず蝿の前足状の右腕を高く振り上げてゼブラマン目掛けて振り下ろす。

 

フライレディー 兵器レベル3出身地 夢の島

ハエの飛行能力とすばやさを持っており、口からなんでも溶かす溶解液を出したり、バイ菌をまきちらして攻撃する。

また持ち前のナイスバディでトリコにした男にたまごを産みつけ、ウジ怪人のエサにして仲間を増やす。

 

フライレディーはゼブラマンに、ハエ男はシゲハルに迫りヒーロー達は直ぐに迎え撃つ。

 

次々と無双ゲームの如く迫りくるウズマキング達斬り捨てるジンファイター刃。

ジンファイター刃「ぬっ!?」

廃工場内から聞こえてくるマシンのエンジン音にジンファイター刃は急いで音のある方向へ振り返り驚愕の表情を仮面の内側から見せる。

???「我が宿敵のジンファイター刃〜〜覚悟しろ〜。」CV坂本千夏。

敵味方入り乱れる工場内部お構い無し助手席も後部座席も無い水色の1人乗りの車が猛スピードでジンファイター刃に迫る。

ジンファイター刃「あらっよっと!!」

自分に向けて轢き逃げしようとする為に迫る爆走する車に直撃するより速く忍者並みに跳躍し空中前転しやり過ごすと同時に愛刀トリカブトを車の天井部分であるルーフに砲弾の如く振り下ろすも普通の見た目の車と違い車体の装甲が尋常じゃない程堅くサーモン色に光る刀身が火花と共に弾かれてサムライヒーローは車の反対側にスタッと着地する。

ジンファイター刃「現れたな!マッハレーサーナオキ!?」

ジンファイター刃(前破壊した車体よりも遥かに堅くなっている⋯⋯)

刃は感じた車の硬さに意識を割りながら後ろへ振り返り馴染みのある車に向かって愛刀トリカブトの先端を向ける。

 

ナオキ「フフフ⋯我が宿敵刃よぉ。今日が貴様のラストサムライになる日だぁ〜覚悟しろぉ〜」CV坂本千夏

不敵に⋯⋯しかし聞いていて何だか気が抜けそうな声で恐ろしい事を言う怪人の素顔が工場の照明で露わになる。

不気味から⋯⋯⋯遥かに遠くの愛らしさ1000%の可愛らしい水色の熊のドラえもん体型のぬいぐるみの怪人がそこにいた。ボーダーの女性達が見たら黄色い悲鳴を上げて存分に可愛がる事間違い無しの外見をしていた。しかしこんなマスコット的な外見はしてもガイラットに開発されてなく全く関係無い恐るべき車の国から雇われた強豪怪人。

 

マッハレーサーナオキ 兵器レベル5出身地 車の国エンヂンランド

プロレーサーの運転技術をもっている怪人。あいきょうのある顔とはうらはらに、車を猛スピードで運転して相手に体当たりする。しかし、ぶつけたときに「ごめんね。」とあやまるため、相手も心がなごんでしまう。

 

 

ナオキ「ボクとの深夜のドライブに付き合って貰うよ〜。」

ジョーカーの絵のあるトランプのドラえもんに似たまん丸のお手てで相手に見せる。何処から出したのか襟付きの白いマントを羽織るも⋯⋯別に立場は幹部とかでは無く外様の雇われ為1怪人の為に手下は。それでも⋯⋯情け容赦無いマッハレーサーには違いない。

ジンファイター刃「今夜は主命を優先する為に御免被るぜ!!」

二刀のトリカブトを水平に持ち構える刃に対してアクセルを今か今かと踏み入れようとする⋯⋯タイミング同時に猛スピードに出して相手に対して激突する両者。車体に向かって怪獣の身体すらバラバラにする斬撃技を叩き込むも前回よりも車の防御力を上げた為にナオキは刃を車体に張り付かせながら戦闘員達を撥ね飛ばしつつ廃工場の外へそのまま爆走する。

ジンファイター刃「ぐっ!?」

車体のガラスも特別製なのか刃の斬撃を叩き込むも割れる事なく

車に押さえつけられながら刃は足掻く。

 

ピジョンマン「ナオキの野郎!?刃の奴を此処から連れ出しやがったぞ!?」

マスク・ザ・セブン(金剛)「刃の奴なら心配は要らない。ソレよかデータは回収した。残った俺達でこの工場を破壊するぞ。」

施設内の資料データを回収したマスク・ザ・セブンはウズマキング達を蹴散らす中で、ある疑問を覚える。

マスク・ザ・セブン(金剛)(だが、やはり妙だ⋯⋯工場を防衛するのが雇われのマッハレーサーナオキに、蝿の怪人達⋯⋯情報部からウィルスの量産工場は他に無い事も分かっている。なのにこの手薄さ。待ち伏せの罠を充分警戒していたが⋯⋯)

 

ハエ男「ブブブブブゥーン!!」

シゲハル「とぉうーッ!」

シゲハルに取っ組み合いながら同時に跳躍し工場の2階の吹き抜けの通路に着地してハエ男は口から白い溶解液を放ちシゲハルは背後から迫るウズマキングの不意打ちの攻撃に気付き、戦闘員と立ち位置を急ぎ入れ替える。

ウズマキング「イーッ!!」

飛来するハエ男の溶解液に直撃したウズマキングは苦悶の叫びと共に一気に全身がドロドロに溶け始めて白い泡と化する。

ハエ男「己!次こそは!?」

シゲハル「させるか!?わりとキック!?」

二撃の溶解液発射を防ぐ為に素早く生理的にヤバいハエの怪人の顔を蹴りつけ怯ませてから連続でハエ男の腹を殴り飛ばし、後ろへ下がるハエ男にシゲハルは追撃する。

一方1階の方でも

フライレディー「キェーーッ!!」

ゼブラマン「ぐっ!?」

フライレディーは施設内のカプセルといった備品をお構い無しに右腕を絶え間なく振るいゼブラマンはその猛攻に防御と回避に徹して苦戦する。だが攻撃動作の隙をつきゼブラマンはフライレディーの首目掛けて鋭い手刀を叩き込む。その強烈な一撃によろめくフライレディーは再び高速移動する。

ゼブラマン「くっ!」

再び肉体強化された視覚と聴覚を使い高速移動するフライレディーの姿や動きを捉えようとするも、フライレディーは素早く相手の視覚外に移動して死角からゼブラマンに次々と攻撃を加える。

マスク・ザ・セブン「昆虫系は此れだから厄介だぜ!!」

だがいつの間にか金剛から普段の日輪の化身を変化したマスク・ザ・セブンがすかさずゼブラマンを追い詰める高速移動するフライレディーに掌を向け移動先を予測して

マスク・ザ・セブン「遠当ての術!!」

青い光輪を連続に放ち移動先に高速移動するフライレディーの背中に命中させる。

フライレディー「イヤァアアアアアア!?」

マスク・ザ・セブン「今だ!ゼブラマン!?」

ゼブラマン「おう!?」

激痛に悲鳴を上げるフライレディーは高速移動が完全に解けてその相手に向けてゼブラマンは好機と見て反撃のローリングソバットをフライレディーの腹部に叩きつける。

フライレディー「ギャアアアアアアアアアア!?」

フライレディーは強烈な蹴りをまともに食らい吹き飛ばされて棚や備品に激突して倒れこみ急いで体勢を立て直すより早くゼブラマンは更に工場内の天井を支える柱や壁を利用して三次元移動でフライレディーに急接近する。

フライレディー「溶けてしまえ!?」

ゼブラマン「なっ!?」

ゼブラマンの顔目掛けて口から白い溶解液を吐き出すも、直撃直前

マスク・ザ・セブン(日輪)「甘い!?実家の台所にしまってある黒砂糖より甘いわ!?」

マスク・ザ・セブンは超能力の念力を使いゼブラマンに迫る溶解液を操作して近くのピジョンマンが蹴散らすウズマキングの1人にぶっ掛ける。

ウズマキング「イーッ!!」

悲鳴を上げてドロドロに溶けていくウズマキング。

マスク・ザ・セブン「ととっと決めろ!?」

ゼブラマンは空中から連続蹴りをフライレディーの頭、首、胸、腹とマシンガンの要領で叩き込み腕を振り上げて大きく拳を振りかぶり

ゼブラマン「ゼブラパンチ!?」

フライレディーの腹に文字通りぶち込み⋯⋯その身体を穿つ。フライレディーは断末魔の叫びを上げる暇も無く爆散する。

静かに残心するゼブラマンの横に瞬間移動で姿を見せるマスク・ザ・セブン。その彼にゼブラマンは礼の言葉を述べる。

ゼブラマン「さっきは本当に助かったよ。セブン。」

マスク・ザ・セブン「本当だよ。ピジョンマンの奴がウズマキング達を一手に引き受けてくれたから何とかなった物の⋯⋯お前は身体能力は超人だが遠距離技が無いからな⋯⋯」

シゲハル「忍法火炎弾!!忍法火炎弾!!忍法火炎弾!!忍法火炎弾!!」

ハエ男「ブブブブブゥーン!!」

シゲハルの容赦無い必殺技連打で火達磨になったハエ男が2階から1階へ落下し。床に激突すると同時にハエ男の身体は潰れてそのまま燃え上がる。

マスク・ザ・セブン「昆虫怪人相手に正義の味方とはいえ容赦無い倒し方しているな。」

ピジョンマン「夢に出てきそう。」

ドン引きな声でハエ男の方を見る愛の戦士と正義の超人。昆虫怪人は一部の例外を除き大半が火が弱点だから紅蓮の化身になれる自分やシゲハルのような炎の必殺技を持つヒーローとは相性が悪い。ゼブラマンがスタイリッシュにフライレディーを倒しているから尚更ハエ男が不憫すぎる。

久遠(まさに飛んで火にいる夏の虫だよ⋯⋯)

 

シゲハル「キェーーっ忍法火炎弾!!忍法火炎弾!!忍法火炎弾!!忍法火炎弾!!」

怪人を倒したのに狂った怪鳥の如く喧しく鳴くシゲハルは工場を破壊する為に火炎弾を周囲に所構わずにばら撒いている。

マスク・ザ・セブン「そんな事しなくても⋯⋯とっとと博士達が開発した時限爆弾をセットして此処から離脱するぞ。」

呆れた口調で火炎弾をばら撒く危ないシゲハルに声を掛ける割りと苦労人の愛の戦士。

一方工場に向かう途中のベルサードとタガメ男は、互いにバイクに乗りながら拳や腕を振るいぶつけ合っていた⋯⋯互いの二の腕で押さえつけ合うも一度互いに腕を離しては再び拳や腕を交互に振るう。隙を見てベルサードがタガメ男より前に出る。

タガメ男「くっ!」

ベルサード「中々のバイクの腕、それに君は強いな。」

タガメ男「余計な事は言うな!?戦いに集中しろ!?」

ベルサードは対峙するタガメ男の実力に素直に称賛の声を上げる。だが対峙するタガメ男は、バイクの腕を称賛されて喜びを感じてしまう自分を恥じて怒った声と共にバイクの速度を上げる。

そんな時⋯⋯

「キイエェェェェ!!」CV池水通洋

謎の鳴き声が深夜の滅死山に響き渡る。

ベルサード、タガメ男「っ!?」

羽ばたく音と共に風を切り裂き真っすぐベルサード目掛けて急降下したソイツは、空中から強力な急降下飛び蹴りを叩き込みベルサードはその突然の飛び蹴りを回避も出来ずにまともに貰いバイクから吹き飛ばされる。

ベルサード「ぐああぁぁぁ!?」

タガメ男は慌てて黒いバイクシュトルムを停車されて吹き飛ばされたベルサードを見る。岩壁に叩きつけられ意識を失っていた。

タガメ男「貴様は何者だ!!」

空を舞う一匹の蝙蝠がソイツの右手に乗りタガメ男の方に向けて言う。

????????「タガメ男!?俺の詮索をする暇よりも優先すべき事があるのではないか?」

深夜の闇に紛れて不気味に浮かび上がる真紅の翼手目でタガメ男を見たソイツはタガメ男の質問を無視して逆に尋ねる。

タガメ男「何?⋯⋯ウィルス量産工場の方に向かいヒーロー達を倒せとでも言うのか!?」

????????「いいや、ウィルス量産工場とそいつはもう良い⋯⋯それよりも貴様が倒すべき相手が此処に現れるぞ!?」

タガメ男「何!俺が倒すべき相手!!」

その時、ソイツは再び空に向けて翼を雄々しく羽ばたかせて一気に舞い上がる。

タガメ男「奴が言った相手⋯⋯まさか!?」

謎の怪人が去ると同時に無数の落雷が発生してその落雷の中で巨大な黄色い稲妻がタガメ男に向かって落ちてきてタガメ男はその電撃に感電する。

タガメ男「があああぁぁ!!」

エレキトリガーマン「⋯⋯。」

感電したタガメ男は静かに電撃を放った存在な気配を感じ取り視線をその方向に向けると、無数の雷撃が次々と落ちる中、黄色い雷光に一瞬浮かび上がる宿敵の姿。

タガメ男「現れたな!エレキトリガーマン!?」

宿敵の出現に喜びの声を上げた相手に対して瞬間移動して距離を無視し接近したエレキトリガーマンはタガメ男と肉迫し、互い拳を振るう。

 

 

工場からヒーローと怪人の騒ぐ音が消えて戦いが終わった事を知る拓也達。そんな時に近くで巨大な落雷の音が聞こえてきて

鏡「埠さん!?この落雷音!」

埠「急いで向かおう。」

二人は黄色いジープに急ぎ乗り込み移動しようとすると後部座席に1人のヘリオンの仲間が背中の蜻蛉の翅を高速に動かしながら空から降りてくる。

鏡「インセクトF!?」

複数の昆虫の混ぜ合わせた外見で蜻蛉に似た昆虫の緑色の複眼が特徴と橙色の金属装甲を身体の各部に纏わせ胸に『F』のシンボルマークが特徴の平和の戦士が拓也と信玄の方に視線を向ける。

 

インセクトF兵器レベル3出身地雑木林

雑木林の平和を守るため、腐葉土で眠っていた巨大なさなぎから生まれた平和の戦士。両手のカマはダイヤモンドも切り裂く。また背中の羽を使ってマッハ6で飛ぶ事もできる。木の樹液が大好物。

 

インセクトF「鏡、埠さん。隼人からの伝言だ。タガメ男と遭遇したから戦闘をしてから作戦区域から離脱する。ガイラットの連中も殆どこの山から離れた。俺達も隼人と合流せずに予め指定した逃走経路を使い迅速に離脱しよう。」

するとウィルス量産工場のカモフラージュの廃工場が轟音と共に粉々に炎を上げて爆発する。

埠「『お化け屋敷』達のヒーロー達、施設破壊に爆弾を使ったな。」

鏡「どの道、此処には長いは無用ようですね。」

拓也は急ぎ助手席に乗り込み信玄は運転席に乗り込みジープを走らせる。

 

数分後⋯⋯ベルブリンガーとベルサードを左右の手に持ったエレキトリガーマンが所々傷付きながら瞬間移動してくる。

エレキトリガーマン「あのガイラット怪人は何処へ⋯。」

タガメ男を発見したのは偶然だが、当初は⋯⋯現場に先行した拓也と信玄の後に続く為に仲間のヒーローの1人であるインセクトFと向かっていたのだが突然、周囲に濃霧が発生し、その濃霧に紛れてアームテスターとウズマキング達と接敵し交戦開始。電撃でウズマキング達を一掃するも、アームテスターは攻撃をしかけておらずに、突然、見たことのない謎のガイラット新型怪人が空中から自分達に奇襲を仕掛けてくる。木々を利用して自分達を翻弄したその謎のガイラット怪人は、俺達に戦闘である程度ダメージを与えて空に飛び上がり⋯⋯当初作戦が頓挫したと考えた隼人はインセクトFに拓也達の護衛を任せてその謎のガイラット怪人を急ぎ電撃を放ちながら追いかけるも新型怪人は巧みにその雷電撃を次々と回避して⋯⋯結局、その新型怪人に逃げられてしまうのだ。

エレキトリガーマン(まさか、奴はわざとタガメ男がいる所に俺を誘導した?)

すると、何処からか木々をへし折りながらサムライヒーローが吹き飛ばされて自分の足元に転がってくる。

ジンファイター刃、エレキトリガーマン「え!/あっ!!」

互い視線が合い刃は状況反射的にエレキトリガーマンに向けてトリカブトを振るい、喉元にトリカブトの刃が迫る直前、瞬間移動で後方に下がるエレキトリガーマン。

エレキトリガーマン「危なっ!」ヒヤッとした声を出すヒーロー。

ベルサード「ぐっ!?」

同時に右手に持っていたベルサードも意識が覚醒してエレキトリガーマンと仲間であるジンファイター刃⋯⋯そして刃を吹き飛ばした愛らしさMAXのマッハレーサーナオキが姿を現す。

ベルサード「何がどうなっている!?」

当然、自分が意識を失ってから状況が変化している為に混乱しているベルサード。

エレキトリガーマン「それ俺が今一番知りたいよ?どうした?サムライヒーロー。俺達は所属する組織は違うが共通の敵と戦う仲間だろ?」

ジンファイター刃「だったら忍者部署に入れ⋯ミュータント刑事。」

エレキトリガーマンはベルサードの方に視線を向けて

エレキトリガーマン「こんな時に勧誘とか勘弁してくれよ。それより手を離して良いか?」

ベルサード「あぁ。」

ベルブリンガーとベルサードを地面に置くエレキトリガーマン。

ベルサード「刃。敵の前で彼と戦うのは、得策ではない⋯⋯此処はガイラットハンターの彼と手を組むべきだ。」

ジンファイター刃「⋯⋯⋯そのようだな。」

刃は視線をエレキトリガーマンから後方で準備満タンするナオキに向き直る。

刃を真ん中にエレキトリガーマンとベルサードは左右に並び立ち

ジンファイター刃「作戦はあるか?」

エレキトリガーマン「俺が超能力の念動力でアイツのマシンの動きの勢いを止める。」

ジンファイター刃「その後は?」

ベルサード「君が車体を切り裂き、僕が必殺技のルサードキックでナオキ本人を蹴り飛ばすならどう?」

ジンファイター刃「なら、それでいこう。」

それぞれのファイティングポーズをしてナオキに対峙するヒーロー達。カッと目に当たる部分を光らせる。

マッハレーサーナオキ「ヒーロー共、覚悟しろ〜〜」

気の抜けた声を出して爆速で此方に向けて爆走するナオキ。

エレキトリガーマン「行くぞ二人とも!?」

ジンファイター刃、ベルサード「「あぁ。」」

三人は一気に後ろの地面を踏み砕くと共に爆走する車に突っ込み、ベルサード、ジンファイター刃はトリオン体を有に超える身体能力で高く跳躍し瞬間移動で前に出たエレキトリガーマンは片手を前に差し出して黄色い稲妻模様を光らせながら念力で爆走する車を急停止させて

マッハレーサーナオキ「あれれ〜〜動かないや〜」暢気な声で車が急停止した原因を調べるナオキを他所に

エレキトリガーマン「今だ!?」

声を張り上げる隼人の声に答えるかのように

ジンファイター刃「刃回転斬り!!」

高く跳躍して空中回転と共にマッハレーサーナオキの車体を切り裂き、ナオキが車体から飛び出る。

ナオキ「ボクの車が〜〜」

深夜の月をバックにベルサードが急降下キックを丸腰になったナオキに叩き込み。ぬいぐるみか着ぐるみを蹴った手応えと共に

ナオキ「ヒーロー共、覚えてろよ〜〜」

あっさりと蹴り飛ばされて何処かへ吹き飛んでいく。辺りに静寂が支配する深夜の山で緊張を解く事なくミュータント刑事はナオキと因縁のヒーローに尋ねる。

エレキトリガーマン「奴を仕留めたのか?」

ジンファイター刃「いや、あの様子だとナオキの奴、多分生きているんだろう⋯⋯」

ベルサード「でも彼、何時もマシンが壊れたらそそくさと帰るんだよね。」

ジンファイター刃「アイツにとっては車が武器その物でナオキ自身レーサーだからな。また新しい車を手に入れたら姿を現すだろう。それに俺を勝手にライバル扱いするし⋯⋯しつこい奴だからな⋯⋯正直面倒くさいが⋯⋯あんなでもヘタなヒーローを蹴散らす程滅茶苦茶強い怪人なんだよな⋯⋯さて⋯⋯話を変わるがミュータント刑事。どうしてお前がこの滅死山にいるか事情聴取して⋯⋯おい、聞いているのか?」

刃はエレキトリガーマンの方に視線を向けるがあら不思議⋯彼の姿は何処にもいなかった。

ベルサード「彼なら、君がナオキについて喋っている間に瞬間移動で此処から居なくなったよ。」

ジンファイター刃「あの野郎!?ヘリオンの連中は何時もガイラットに負けずに神出鬼没だな!?」

ベルサード「僕らもボーダーに比べたら人の事は言えないけどね。」

人知れず忍者部署のヒーローと悪の組織の戦いは終わった。

 

 

鏡「⋯⋯。」

不貞腐れた顔をしていた拓也に信玄は尋ねる。

埠「どうした?拓也。」

鏡「いえ、今夜何も出来ていない思って⋯⋯」

埠「⋯⋯⋯ヘリオンを発足したばかりもこう言う事が多々あった。ヒーローとガイラットの戦力差があり過ぎて戦いになったら勝ち目が無いと考えてガイラットの周辺を偵察したその入手した情報を構成員を使って民間からのタレコミを理由に『お化け屋敷』に戦いを譲る事がね⋯」

鏡「彼らの情報収集能力も中々の物ですね。」

埠「彼らがガイラットと戦っている間、私は君を始め様々な協力者を確実に増やしていた。」

鏡「死人還りの時も俺は何も出来なくて⋯⋯俺って肝心な時に何も出来ない人間なのかな⋯⋯って考えてしまうんです。」

悔しげな表情で俯く拓也。

インセクトF「気にし過ぎだぜ。鏡。俺達ヒーローだって多くのガイラットの侵略計画を阻止したり怪人を倒したりしてるけど、幹部の連中を未だに倒したのは、俺達ヒーローの中だと隼人の奴だけだろ。焦る気持ちは分かるけど、時にはこういう日もあるよ。腐るなよ。」

後部座席にいる平和の戦士の気遣いに拓也はふと炎魔戦士と激闘を繰り広げたレッドマンの事を思い出しながら返事をする。

鏡「はい。」

埠(前回のレッドマンと巨大人型生物の壮絶な戦いを見て拓也なりにミラーマンとして何か思う事があるのだろう。)

鏡「⋯⋯。」

埠「鏡拓也。暫しの間休養する許可を出す。」

鏡「えっ!」びっくりした表情になる拓也。

埠「今、君に必要な物は自分の事で考える時間だと思う。ミラーマンとしての事、ヘリオンで戦う事、普通の16歳の高校生としての事⋯⋯」

突然、総司令に休暇するように言われて拓也は驚くも、何か反論を口にしたいのに、司令の言葉は何も間違っていない為に拓也は

鏡「⋯⋯分かりました」

素直に反省するのだ⋯⋯今はまだ大きな問題は起きていない物のこのまま答えを見つけずに放置して良い結果になると思えない。

拓也は拓也で答えを探さないといけないのだ。

インセクトF「一つ助言になるか分からないが、1人で何でも出来ると思っている内は大切な事が見えていないからな。」

後部座席の昆虫顔の平和の使者からそう言われて⋯⋯

鏡「そんなの当たり⋯」

藤本『何て下手くそな戦いなんだ!!!?』

突然、拓也の目が大きく見開き脳裏に五島市の戦いが終わった直後ある人の自分に対する非難の声がフラッシュバックする。

鏡「っ!?」

インセクトF「どうした拓也?顔色が何だか悪いぞ。大丈夫か?」

藤本『周りを良く見て見ろ!?何も守れていないじゃないか!!?』

ある人に云われた言葉とその意味が時間と共に理解する⋯⋯自分の仕出かした行動の結果を⋯⋯情け容赦なく⋯⋯厳粛に⋯⋯トゲ

のように俺の心の中に深々と突き刺さっていた⋯

鏡「⋯⋯そうですね。埠司令やインセクトFの言う通りですね。」

見えていないのかも知れない⋯⋯大切な事を⋯⋯でも⋯それが具体的に何なのか。俺はまだ分からなかった。モヤモヤした気持ちだけが俺の中に燻り続けている。

鏡「⋯⋯。」

ふと拓也は顔を見上げて山林の夜空に浮かぶ月を眺める。拓也のモヤモヤした気持ちと裏腹に月は眩しく輝いていた。

 

 

〔推奨BGM―未知への挑戦―〕

九州 静かな深夜の竹原発電所にて

発電所を突然の地震が襲い⋯⋯激しく揺れる発電所内に働く所員達は皆突然の地震に慌てふためくも、揺れる中で踏ん張る彼らが目撃したのは、地面を内側から音と共に粉々に砕き地上に姿を見せ土砂を振り払う茶色の地底怪獣の上半身であった。

「「ギャオオオオオオオオオオオン!!?」」

凶暴な目付きをした地底怪獣は甲高い鳴き声を上げてその咆哮を聞いた発電所の所員達は怪獣の存在に気付く。

発電所の通路や部屋の窓から聞こえてきた巨大な咆哮に外の様子を急ぎ見る人達は驚愕な表情を見せる。

所員「怪獣だ!」

所長「みんな、逃げろ」

 

突然の怪獣出現に発電所から急いで避難する所員達を無視して地底怪獣は地底の穴から四足歩行のトカゲのような全身と長い尻尾を深夜の地上に晒し発電所に接近し鋭いダイヤモンドの輝きを見せる爪が生えた前肢を振り上げて発電所施設を一撃で引き裂き破壊する。

所員「うわああぁぁ!!」

瓦礫が降り注ぐ中必死に逃げ回る発電所所員達を他所に怪獣は身体を横にすると共に振るわれる長い尻尾が建物に直撃し一撃で倒壊させ口から強力な高熱火炎を吐き発電所の建造物を燃やし短時間で発電所を火の海に変える。

「「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオン!!?」」

暗い夜の空を赤く染め激しく燃え上がり火の海をバックに高らかに咆哮を上げる地底怪獣。

【突如九州の発電所に現れた怪獣は、破壊の限りを尽くしその姿を地底に消した。連絡を受けた『お化け屋敷』は急ぎ九州へと向かう。】

 

同じ頃 深夜の長野県 軽井沢 赤い屋根が特徴の白い洋式の別荘にて

軽井沢の別荘地の真下に造られた地下広場では長い改修作業を終えた守護神が石像の如く鎮座していた。

老科学者「あ〜〜漸く終わった⋯寝よう。」

東京に住む二人の孫がいる老科学者はそう独り呟くと、ソファに寝転び毛布を掛けて『お化け屋敷』に連絡せずに熟睡する。

熟睡している老科学者の近くのコンピュータールームにはあるトゲトゲした鉱石が保管されていた。その鉱石をベースにした新素材は守護神と『お化け屋敷』の施設の壁や床や天井の素材にもなっている。その鉱石からは微弱だが複数のエネルギーを発生させていた。

 

ネオ電光磁鉱石 発見場所 電光山

電気も光と磁力エネルギーを発生する鉱石・電光磁鉱石にネオチタニュウムを合成して作り上げた金属。重量は鉄よりも軽く、硬さはダイヤモンドの10倍で、大砲にもびくともせず、3千度の炎にも耐える。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

深夜から翌日の早朝 三門市 市外の黒野の館地下にある『お化け屋敷』作戦指令室にて

ムラマツ「これより科特隊は、九州地方福岡県の竹原発電所に出動。使用するシークレットルートは14。」

「「了解っ!?」」

イデ「皆さん気を付けて下さいね。にしても九州か⋯⋯懐かしいなぁ。」

子供の頃に住んでいた九州の地元の景色や近所の人達の姿をふと思い出して懐かしむイデに黒野は真顔で答える。

黒野「イデ。お前も出動するんだぞ。」

イデ「へぇ~〜⋯⋯⋯⋯何で僕も行かないと行けないんですか!?」

生返事を返した瞬間、言葉の意味を直ぐに理解して反応を返すイデ

黒野「今回の連絡があった場所。確か前にお前が話してくれた昔住んでいた地域だろ。云わば地元じゃないか?地元を知ってる案内人として是非俺達に同行してくれないか?」

イデ「たっ、確かに⋯連絡があった地域はこの私イデの地元ですけど、それでも10年以上も昔の話ですよ。」

大きな都会は3年で建物や店が建て替えられて変わる⋯⋯ましてや10年も経っていた今ならイデの知っている地域も充分変化してもおかしくないのに、そんなの関係無くアラシと黒野が近付いて行く。

アラシ「とっとと行くぞ。イデ。」

イデ「ちょっと!?人を持ち上げないで!?僕の意思を尊重して下さい⋯⋯あっ!せめて万能ヘルメットは持ってかせて下さい!?」

基本 作戦指令室の連絡係をするイデを今回は地元の人間と言う理由で複数人でイデを運ばれながらジタバタして何とか自分が被る万能ヘルメットを両手に持ちながらイデ達はゴシテク浪漫の大型リフトに乗る。

ホシノ「⋯⋯。」

操作盤にてルート14を入力しリフトは稼働し暫く待ちリフトが停止すると同時に自動ドアが開閉しマッハビーストに搭乗する。

イデをマッハビーストに無理やり乗せる間に先に乗った面々が機内の起動シークエンスの確認する。

ムラマツ「計器確認。」

ホシノ「此方問題ありません。」

アラシ「此方も。」

素早く隊員達計器の確認を終えると

ムラマツ「よし、マッハビースト。発進準備完了。」

機内の通信機器から珍しいオペレーターが声を出す。

梁木《シークレットルート14へのゲートへのハッチ全て動作に問題はありません。ゲートへ向かって下さい。》

隊員達を乗せたマッハビーストは発進台ごとルートの移動し始める。聞こえてきた明るい女性の声に乗っている面々は誰か直ぐに気付く。

黒野「成る程、今日はイデの代わりに梁木美和隊員が指令室の通信を担当するのか。宜しくな。」まだ三門市が近界民の大規模侵攻が起きる前⋯⋯ふらふらとピンクジャージを着て町中を歩いているのをまだ只の人間だった久遠武丸と一緒に遭遇したのを思い出す黒野。目立った故に彼女をスカウトしてから数年が経過して漸く人並みに仕事が出来るようになった事を素直に嬉しく思う。

ついでをその数年の内に武丸の方はインドで厳しい師匠の元で修行して超能力を会得したらしい。

梁木《新参者なのでお手柔らかにお願いしますね。》

ホシノ「そっちで何かあったら連絡を頼んだぞ。梁木隊員。」

梁木《分かりました。ハッチ開きます。ゲートオープン。ゲートオープン。》

小型格納庫の上部のゲートが左右に開閉するともにマッハビーストが垂直に上昇して格納庫を後にしてムラマツ達を乗せたマッハビーストは九州に向かって飛び立つ。

 

三門市 剣持の自宅にて

「ぐっ!!」

習慣となった起床の動作をした瞬間、身体の各部に嫌な激痛が走り再びベットに身を任せるように後ろに力なく倒れてしまう夢想。天使騒ぎの炎魔戦士との戦いから数日が経過してもその時の傷がまだ完治していなかった。部屋の窓から見える朝日をバックに雀達が普通に飛び、時計の時間を確認する夢想。

「朝か⋯⋯」

(そういえば、今日は染井さんと分身体がマンツーマンでトレーニングにする日だな。)

接点が殆ど無い二人だから夢想は少し心配になるも、二人のコミニケーション能力を信じるしか無いと意気込み⋯⋯でも染井さんと本体を倒そうと考える分身体だからな⋯⋯とやっぱり結構心配になってしまうのだ。本当なら自分も分身体達と共にトレーニングする日なのにこの身体の節々の激痛にそれも難しい。

『怪我人の役目は怪我を治す事だ。』

と分身体に正論を言われて夢想は部屋の窓から見える景色を変わり映えしないを眺めながら静かに溜息を吐いて自分の優先する事をする。

「⋯⋯包帯を替えるか⋯⋯ふん!?」

頭や身体の包帯を古いヤツから新しいのに替えながら夢想は痛みに耐えながらゆっくりとベットから起き上がり。着替えて顔を洗う為に一階の洗面台がある浴室へ向かう。

(緊急的な自衛以外の戦闘は暫く分身体に任せるしかないな……)

階段を下りながら休みの日⋯⋯何をすれば良いか迷うも。程なく身体が空腹を知らせる為の音を鳴らしてしまい無表情で顔を洗ったら朝食を食べようと行動方針を決める。

 

 

同時刻 三門市の市外の森にて

染井「はぁ⋯はぁ⋯はぁ⋯はぁ⋯はぁ〜。」

「はい休憩だ。」

息切れをしつつも日課となった走り込みを走り終えたジャージ姿の染井華と息切れ無しで走り抜けた私服姿の剣持の分身体が予め用意したリュックサックからスポーツドリンクとタオルを取り出して華に手渡す。

染井「⋯⋯どうも⋯」

染井(このタオル良い香り⋯⋯それに凄く柔らかい⋯)

タオルで汗を拭きながら渡されたスポーツドリンクを飲もうとする際に

「焦らなくて良いからゆっくり飲めよ。」

と言われて華は言われた通りゆっくりとスポーツドリンクを飲む。

染井「⋯⋯。」

華はドリンクを飲みながら何気なくアスレチック訓練場や森の周囲に視線を向けると

「本体の奴なら前回の天使騒ぎの戦いの怪我を全快させる事に集中しているから今日はいないぞ。」

誰を探しているのか丸わかりなのか剣持は無表情で先に教えておく。

染井「⋯⋯そう。」

剣持Xに言われた言葉にそう無愛想に返事するも華のその表情は少し残念そうにそして少し申し訳ない顔をする。

前回の天使騒ぎでは私が剣持君や親友の葉子達にお願いごとをして騒ぎに関わらせてしまった。本人らは私が困っていたからと平気そうに答えるも結果的に葉子達は死んでもおかしくない程の危ない目に遭ったし剣持君には酷い怪我を負わせてしまった。

「⋯⋯。」

染井「⋯⋯。」

「⋯⋯。」

染井「⋯⋯。」

【⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯】

何処かで小さな鳥達の鳴き声が聞こえて自然と二人から会話が続かなくなってしまい静寂が辺りに包み込んでしまうも二人の関係を考えれば仕方ないと思う。片方は憑依した死体の友人。反対にもう片方から見たら友達と同じ声、顔、姿をした別人と接している為に互いに友人関係でもない為に少し距離感があっても誰も悪くない。

二人の間に剣持夢想本人がいるならまだ色々と会話が生まれるのだろうが、当人は現在台所で朝食を作りラジオに流れる音楽を聞きながら朝食を食べている為にそれも難しい。

「⋯⋯前より息切れが少し減ってきているな。」

染井「え?⋯⋯あっ、そうね。」

ふと分身体なりに華に話し掛けて、華は一瞬キョトンとするも、直ぐ剣持Xが気を遣って会話してくれたのに気付き返事をする。

染井「でもまだ基礎体力やスタミナが足りないのは走っている私が一番分かっている。⋯⋯3年前の私なら体育の授業以外の運動なんて時間の必要最低限と割り切っていたのに⋯⋯」

「スポーツ選手でも運動部の人間じゃなくても朝の体操はするしジョギングはする。何をするにも体力が大切だからな。」

染井「体力向上のジョギングは良いけどランニングはしなくても良いの?」ここ数日間、コースを予め決めておいて急いで走るのではなく自分の今の体力やスタミナの限界がどのくらいを測る意味で走っている。染井は軽く自分が此処数日間始めたジョギングで分かった事はコースの端々に⋯⋯私の体力やスタミナが切れた地点に色が赤く塗られた木の棒が地面に刺さっていた。

「ランニングはマラソンを始め走る事を目的としたトレーニングだ。君はマラソンランナーでもスポーツ大会に出る訳じゃないなら体力やスタミナを増やす為ならジョギングで充分なんだよ。大事なのは⋯⋯」

そう言うと分身体がアスレチック訓練場で持ってきた木製レイガストをトリオン体の身体能力を超える速度で振るい森の葉っぱが

舞い上がり何処かへ飛び去る。

「お前がお前の大切な者を傷つく事なく守れるように⋯⋯守られてばかりのお前自身が強くなる為に⋯⋯その為に体力とスタミナが必要なんだよ。」

染井「私⋯⋯トリオン低いわよ。」

「トリオンある無し関係無い⋯⋯ソレでもお前はこのトレーニングに参加する事を選んだ⋯⋯だから成果があるか分からない走り込みを続けている。」

染井「そうね⋯⋯出来る事を増やすのは悪い事じゃないから⋯⋯」

天使騒ぎで葉子に守られた事が今の自分の立場だとハッキリと分かる。ソレが嫌なのも勿論あって剣持君本人が不在でもこのトレーニングを続けている。もし同じ事があって目の前で自分のせいで親友達が負けたりしたら私は私自身を許せないから⋯⋯

 

「夢想の奴も同じ事を言った⋯まずは体力とスタミナを効率良くつける。果てしなく地味だが己自身が結局強くなるには日々日進月歩で励むしか己の中の壁を砕く事は出来ない。壁を乗り越えても直ぐ次の高く険しい分厚い壁が聳え立つ⋯⋯それを一生掛けて続けるしかない。」

染井「⋯⋯。」

目の前にいる謎まみれの剣持Xの言葉に感心を覚える華。そして同時に目の前にいる剣持Xは私も剣持君本人も知らない苦労があると知る⋯⋯

染井(葉子自身に聞かせて上げたいな⋯⋯⋯⋯感覚派だから直ぐに飽きるわね。)

染井「小さくても出来る事少しずつ刻む⋯⋯トレーニング。続けましょう。」

「よし。ならジョギングの次は⋯⋯屈伸、伸脚、伸脚深く、腕立て伏せ、前後屈、腹筋、体の回旋、跳躍、首回し、手首足首、アキレス腱伸ばしをするぞ。最後は深呼吸だ。」

染井「⋯⋯そのトレーニングメニューってもしかして体育の準備体操をモチーフにしている?」

聞き覚えのあるメニューに華は剣持Xに質問をする。

「体育の準備体操を甘くみるな⋯⋯それに心配するな。準備体操の全部終わったら染井さんの全身に防具を着けての受け身や回避に防御のトレーニングを行う。」木製レイガストを剣先を華に向けながら冗談が欠片も存在しない真剣な雰囲気で言う剣持の分身体。

染井「⋯⋯お手柔らかにね。」

纏う雰囲気と威圧感に飲み込まれそうになるも華は敢えて前に進む。

「お前の得意な戦闘スタイルがまだまだ未知数なのだから。色々と俺が知っている実戦式で鍛えさせて貰うぞ。」

染井(私⋯大丈夫かな⋯⋯)

達観した表情で剣持分身体を見る華はこれから行われるだろうトレーニングに一抹の不安を覚えてしまう。

その時、遠くでマッハビーストが飛び立つ音が聞こえて⋯⋯二人は一度空を見上げて互いに向き合い見晴らしの良い場所へ移動する。

「深夜の九州の現れた怪獣関連か⋯⋯」

二人が見晴らしの良い場所に到着した時点でマッハビーストの機影は小さくなっていて

染井「戻りましょう。」

「あぁ。怪獣の事が気になるが⋯⋯今は染井華さんを鍛える事が優先だ。」

染井「戦いたいの?」

「⋯⋯⋯⋯俺の本当の姿は巨大な宇宙人の方だ。こっちは小さな生き物に利便的に変身しているからストレスが地味にたまるんだよ。きっと原生生物に変身能力を持つ他の連中も同じような悩みを持っているさ。」

染井「⋯⋯私、暴力的な人は嫌いよ。」日常でのストレスがたまる物のそれを大勢の人の命が左右される戦いで発散しているのは間違いだと暗に指摘する華。

「⋯⋯⋯心配するな。俺も暴力的な奴は嫌いだ。」

そう言い互いの距離感にギクシャクしながらトレーニングに戻る為に市外の森に姿を消すのだった。

 

 

同時刻……パリ本部に所属するハヤタ隊員にフジ隊員とサコミズ隊員達も出張で東京都の科学センターへとやってきていた。彼らは昨日の深夜、九州の発電所を破壊した怪獣では無い理由で来日した、数日前⋯⋯正体不明の怪電波が九州各地に多数寄せられてその調査にパリから遥々やってきたのだ。だが彼らも九州に怪獣出現の連絡を貰いパリから飛んできたジェットモンガーに搭乗して九州へ飛び立つ。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

闇への招待状

地熱怪獣ゴロモス 登場。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

その頃

マッハビーストが市外の基地を離れた三門市の中心にある界境防衛機関ボーダー本部のラウンジ内のテーブル席の一つに頭に真新しい包帯を巻いたグレイの半袖シャツの上に黒いジャケットを着て青いジーパンを履いた私服姿の剣持の姿があった。彼は朝食を食べ終えた後、テレビを見ていたり自分なりの休日を過ごしていたが、ふとボーダーの皆の様子が気になって自主勉強に必要な物を持ってボーダー本部へ向かったのだ

「……。」

注文したジュースを近くに置いて黙々とテーブルに並べた高校の勉強をする剣持。何時もならやれ個人ランク戦だとかC級隊員達がするボーダーの訓練に参加するだとか『お化け屋敷』の万能ジャケットと万能ヘルメットを装備して怪獣が出現した現場にムラマツキャップ達に同行したりする物の……今日は有り触れた普通のボーダー訓練隊員のような事をしていた。それもコレも数日前の天使騒ぎの後のある事が原因である。

 

回想

天使騒ぎの時、剣持夢想はキリエル人と戦う決断が一度鈍りそのせいで、余計な怪我だけでなく香取隊の皆を巻き込んでしまった事を悔やんでいた。宿敵との一時的な共闘もどちらかと言うとフォローされっぱなしであり、真琴先輩が命名した炎魔戦士キリエロイドとの激闘でも戦闘中相手の技で一度意識が飛んでしまう始末…其れ等の事を考えて夢想は大切な人達を守る為により強くならないといけないと考え……一人気配を感じ取り市外の森にいるハリケーンマスクの元で向かい弟子入りを志願する。しかしハリケーンマスクは頭に包帯を巻いた剣持を見て言ったのは、弟子にすると言う言葉ではなく。

太刀風『まず、拙者の弟子になりたいのなら傷を全快にしてからにするで御座る。』

呆れた口調で皇虎は目の前に立つ剣持夢想に言う。

『そんな!?僕は今直ぐにでも強くなりたいんです!!?』

太刀風『御主が取り巻く状況に余裕の無いのは分かるならで御座る……』

『なら!』

太刀風『だが!?』

太刀風『だからこそ、万全の状態に必要がある。病み上がりで修行を始めても身に付かん。兎に角……息抜きをしつつ身体の傷を治す事に集中するで御座る。』

しかし夢想の抗議の言葉を皇虎はしっかりと聞いて正論を返しその返された言葉に反論の余地も無く押し黙ってしまう夢想。

春日『まぁ、剣持君。太刀風先輩も君を弟子にしない訳ではないんだ。此処は師匠の言う通り身体の回復に勤しむべきじゃないかな!』そんな夢想に優しくフォローする為に炎太郎は声を掛ける。

『えっと…貴方はレッドマンの同期のフレイム仮面さんですよね。』

プレイターの東京昆虫災害でなし崩しに遭遇して協力した人の名前を言うと彼は明るい笑みを浮かべて進んで夢想に握手の手を差し出す。

春日『私を呼ぶなら春日炎太郎で頼む。地球での名前がそうだから。』

『分かりました。此れから宜しくお願いします……』

(優しそうな人だ⋯⋯てっきり正義の心を激しく燃やす熱血漢と思っていたのに⋯)

差し出された握手を交わし嬉しそうな顔をする炎太郎。そして夢想が炎太郎見て思った性格は実は強ち間違いではない。

春日『あぁ。此方こそよろしく。剣持夢想君。』

(間罪無⋯⋯太刀風皇虎⋯⋯成川ジョージ⋯春日炎太郎。レッドマンの仲間⋯⋯僕の味方⋯⋯)

太刀風『事前に申しておくが、今度ばかりは怪獣が何処かに現れてもレッドマンに戻るなよ。』

炎太郎との自己紹介を終えた夢想はがっかりした気持ちで彼らの元へ去る事に……しかし背後から言われた皇虎の言葉に足を止めて思わず振り返ってしまう。

『なっ!?怪獣が出現しても見逃せと!?』

流石にその進言は聞き入れるのは問題があると剣持は意見するも

太刀風『本来ゾークロン細菌怪獣のみを倒すのが御主の任務でありそれ以外の怪獣は対象外の筈だ。……だが御主はブラック・ミストの宇宙怪獣達は勿論の事、地球出身の怪獣も相手している。』

『……任務遂行の障害になるから排除しているだけです。ゾークロン細菌怪獣の種類によっては現地の怪獣や生物の能力を取り込んで進化する個体もいますからね。』

太刀風『自衛や障害の排除は勿論だが……忘れるなよ。拙者達はどんなに尽くしても、余所者なので御座るからな……』

ボーダーの面々や出会った知り合い達の顔を浮かぶもその表情は無表情で剣持は答える。

『勿論、忘れる筈が無い……』

無意識に拳を握り締めて答える剣持。

太刀風『そうか、ならまずは身体を大事にしろ……夢想の師匠である前にベムの先輩からの忠告だ。』

『分かりました……』

そう無表情で答えて剣持は皇虎達の前から立ち去るのだ。

回想終了

〔推奨BGM 大都会の昼と夜〕

勉強を続ける剣持は、皇虎に言い付けに素直に不満を覚えていた

(昨日の深夜だって九州に怪獣を現れたのに……)

ここ数日の間は、変な事件らしい事件や怪獣災害はなく至って平和な時間が過ぎていたが昨日の深夜に遂に怪獣の気配を感じ取りいざ討伐に動こうと考えたらコレだ……コレではベムのストレスだって溜まってしまうよ。

(『お化け屋敷』や自衛隊の人達を信頼していない訳じゃない……只、自分達が出た方が被害が最小限になるのが多い…)

実際、ゴルドキングやビルガメラーの事件はレッドマンの力を借りずに解決して見せた。でもモヤモヤするんだよ……と言って師匠になる人物の言いつけを無理に破って信頼を自ら下げるような愚かな事はしない。俺達のエネルギーの気配は特徴的だ。レッドマンに変身したのなら直ぐに他の奴らにバレる。

(元の姿戻らずに怪獣の真横に瞬間移動して動く怪獣の首にレッドナイフで切り落とす戦法も使えない⋯⋯仮に首を切断出来て怪獣を仕留めても俺のワープは約5分間のインターバルがあるし、怪獣災害現場で行動しているボーダーに自衛隊や『お化け屋敷』の人達に目撃される可能性が高い。したら確実にアウトだ。仮にさっきの戦法を予め元の姿になっても⋯⋯エネルギー気配が変化しているから仲間のフレイム仮面達に直ぐにバレる。)

「……帰って家にある映画でも観るか……」

自主勉強をある程度終えたら気分転換に映画鑑賞を考える剣持。

そんな時、

??「お〜い〜。剣持君や〜。」

「うん?」

知り合いの声がラウンジ前から聞こえてきて、剣持はふと視線を上げ声のする方向へ向ける。

国近「お〜い。剣持君や〜。」

声を大きくして手を元気良く振るう太刀川隊のオペレーターを目と目が合う。自分に気付いてくれて嬉しそうな表情をする国近。

後ろには太刀川隊長と出水隊員もいて彼らも此方に向けて手を上げてくる。

「……太刀川隊の皆さん…」

俺は丁寧な会釈をして三人は俺の座るテーブル席に近付いてくる。

太刀川「おう、剣持!パッと見元気そうだな⋯⋯」

「勿論です。」

何時も無表情で間髪入れずに答える剣持。しかしその内心は……

(……たまに思うけど太刀川隊長って何で顎に髭を生やしているのだろう……凄く似合わない。)

個人攻撃手1位に対して割と顎髭に視線を向けつつどうでもいい事を考えていた。

国近「おおう。本当に元気そうだよ〜」感心したように言う柚宇の声に視線を顎髭から皆さんの顔に視線を上げる夢想。

太刀川「でっ、本音は?」普段のおちゃらけた雰囲気が消えて冗談を言わせない真剣な表情で尋ねる太刀川に剣持は

「⋯⋯全快とは程遠いですね。」

隠しても仕方ないから夢想は正直に言う。実際、ベムは兎も角夢想にとっては強敵だったに違いない……

太刀川「やっぱりな……」

パッと見で軽傷ではないのを見抜く太刀川はそう呟き

出水「普通に災難だったな……」

「お陰で『お化け屋敷』の怪奇案件関連の任務は出動しないように一の谷博士らにキツく言われているんです。」

出水「まぁ、良いんじゃないか?たまには羽を休める日があってもさ。」

「そうでしょうか?」何をして良いか分からない気持ちで答える夢想。

太刀川「そうそう。何時も何か良く分からないけど思い詰めた顔してるんだ。たまには伸び伸びと自分の時間を使った方が良い⋯⋯」

国近「剣持君は何時も無表情だよ⋯」

先輩達に色々と言いたい放題言われているも、先輩達が言う事も強ち間違ってはいない。

国近「あっ!?なら気分転換に私達の部屋で一緒にゲームでもしない?」

「良いですけど⋯⋯⋯仮に対戦ゲームするなら俺に勝っても怒らないで下さいよ。」

皇虎先輩にも息抜きは大事と言われているしでもゲームで相手を不愉快な気持ちにさせない為に事前に釘は刺しておこう。

国近「ふふん。私はゲームが強いから怒る事は無いから安心してくれたまえ。」

先輩は何やらフラグのような言葉を言うが、国近先輩がゲームに強いのは割りと有名な話だ⋯⋯剣持が想像するような事は起こらないだろ⋯⋯

 

一方 市外の森では……

「はい。最後はゆっくりと深呼吸。すぅ~はぁ~すぅ~はぁ~。」

染井「すぅ~。はぁ~。すぅ~。はぁ~。すぅ~。はぁ~。」

「準備体操で何か疲れていないか?」無表情だが相手を気遣う発言をする剣持X。

【バキッ!】

深呼吸しつつ彼の両手には無駄の力を全て抜いて必要最低限の力のみで砕けた殻の無い胡桃が沢山あった。

染井「⋯⋯気の所為でしょう。」剣持Xの様子を見て華も私もと思い試しにお椀にある胡桃の小山から胡桃を一つ持って必死に指の力を加えるも当然だが殻が割れる事はない。只指が痛くなっただけだ。私が一つの胡桃を割ろうとしている横で幾つもの胡桃を割る様子を見て私は無言で胡桃をお椀に戻す。

染井(⋯⋯目の前で同じ準備体操をしている筈なのに⋯⋯明らかに私が知っている準備体操じゃない。)

巨大な岩とか丸太とか壺とか何処かの鶏から放たれた卵とか利用して準備体操しつつ剣持分身体は明らかにハードな自主トレーニングをしていた。

「さて⋯⋯どの木製攻撃手トリガーで防御のトレーニングをする?意見があるなら聞くぞ。」

華に会話しつつアスレチック訓練場から防御のトレーニングに必要や華が使うであろう木製レイガストや木製孤月等に金属製の鎧兜を持ってくる剣持分身体。

染井「それがさっき言っていた防具かしら?」

剣道の防具をイメージしていたが、思ったよりも本格的な金属製の鎧兜の出現に視線を向ける華。

「あぁ。トリオン体ではなくジャージ着た生身で実戦式で鍛える必要があるから……相手が大怪我しないのようにする配慮だ。」

テキパキと華の身体に防具を身に着けながら言う剣持。

染井「所で話が変わるけど⋯⋯この防具、市販品に見えないけど⋯⋯もしかして剣持君が造ったの?」

【カンカン】

軽く胴体のプレートメイルを叩きながら尋ねる華。

「まぁな⋯⋯君を鍛える話をした時からちょくちょく空いた時間にな……よし…兜も安全の為に絶対に被れよ。」剣持は金属製のフルフェイスタイプの兜を華に手渡し。金属の色合いに華は既視感を覚えつつ華はその金属製の兜を被る。

染井「もしかして、以前剣持君本人が言っていた超機獣の素材で造ったの?」部屋にお邪魔した時に基盤を始め色々と乱雑に置かれていた金属板と同じ物と分身体に質問する。

「正確には、その素材の端材を材料にして試しに作った。身体の動かすのに支障はあるか?」

華は軽く手足を動かしたり、剣持の周りを走ったり身体を捻ったりして

染井「大丈夫⋯動きに支障は無いわ。強いて言うなら少し重いくらい。」

【カンッ!】

木製レイガストで華のお腹の防具を軽く叩き音が鳴る。

「次に染井さんが使う攻撃手トリガーは何にする?」

華は用意された木製攻撃手トリガーに視線を向ける。

染井(木製のレイガストに木製の孤月⋯⋯可変機能がない刃の中心が空洞になる木製スコーピオン。)

ふと疑問を覚えたのか華は分身体の方に視線を向けて訪ねる。

染井「そういえば⋯⋯剣持君は、訓練用トリガーはレイガストのままで良いの?」

「突然、どうした?」

染井「質問に特に深い意味は無いわ。只…本来の姿でナイフ状の武器とか銀の十字架型の赤い槍とか使って戦っているから

ボーダーで使っている訓練用トリガーレイガストと真逆なタイプだと思って⋯⋯他のトリガーを使ってみたくないの?」

「確かに⋯⋯スコーピオンとか他の種類のトリガーに興味が無い訳じゃない。」

華が言うように寧ろ相性自体ならレイガストよりレッドナイフに近いスコーピオンの方が相性良いと思う。⋯⋯だが、剣持分身体は木製レイガストを握り締めて

「でも⋯⋯俺はレイガストが相性最悪とも思えない。今のボーダーは訓練隊員の俺から見ても主な武装の種類が限られている。設立して歴史の浅い組織にあるある問題だが⋯⋯さして俺自身に不満は無い⋯⋯」

染井は一度試しに、木製レイガストを両手に持ち上げて高く振り上げて剣持の動きを意識して振り下ろす。そして再び剣を持って構えて

染井「…重いわね。」

想像したよりも重さがあり剣持君本人はいつも人知れず此れで素振りの練習をしているんだな⋯⋯と妙な感心を覚える。

「どれも彫刻刀で丸太をまるまる削って作ったからな。攻撃手トリガーと同じで一番耐久力が高く重さがあると思う。」

華は木製レイガストを振り上げて再び素振りをする。

染井「このレイガストで素振りの練習していたら腕の筋肉が鍛えられそうね。」

「何なら今度木製レイガストの中に鉄の重りでも仕込むか?」

染井「……今回は、無難にバランスタイプの木製孤月にするわ。」

木製レイガストを置いて細部まで再現した木製の鞘付きの木製孤月を引き抜く華。

「よし、さて……実戦式トレーニングを始めますか。今回は攻撃よりも防御、回避、受け身を重点的に覚えてもらうよ。」

そう剣持分身体が言うと一気に無表情でありながら纏う雰囲気が変わりノーモーションで華に急接近し華に向けて剣持分身体は木製レイガストを振るう。

染井「っ!」

試合開始の合図も無しに突然始まった実戦式トレーニングに華の反応が一瞬遅れ市外の森にて吹く風の音と共に木が打ち付ける音が響き渡る。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

場所は三門市から変わり九州上空

マッハ1.8で九州上空に向かって飛行するマッハビースト。

ムラマツ(我々、科特隊は九州竹原発電所に怪獣出現の一報を受け捜査現場に向かっていた。)

ホシノ「うん?これは?」

すると航空用レーダーに後方から飛行物体の反応をキャッチし一同は警戒する。

ムラマツ「此方は『お化け屋敷』所属と目的を教え貰おう。」

警戒しつつ飛行物体に通信を試みるムラマツ。

 

???《その声はムラマツキャップ。》

アラシ、黒野(この声って。)

ムラマツ達は聞こえてきたその声に聞き覚えがある。

イデ「あっ!?HUMAが開発したジェットモンガーだ。」

マッハビーストの近くに飛行物体が並んだのかイデの言葉に隊員達は窓から見えた金色に青い翼の地上攻撃戦闘機の姿を見る。

ハヤタ《ゴホン。所属は『お化け屋敷』パリ本部 ハヤタです。目的は科学センターから報告があった怪獣の調査です。》

サコミズ《私もフジ隊員も居ますよ。キャップ。昨日の深夜科学センターでも怪獣レーダーに反応があったから私達も出動要請があったんです。》

サコミズ《どうやら私達もキャップ達も向かう目的地は同じみたいですね。》

ハヤタ《成る程……怪獣が出現して、発電所だけ破壊したなんて》

アラシ「正直、怪獣が現れたなんてウソで、事故で爆発しただけなんていうんじゃないだろうな」

フジ《何故九州の発電所なのかしら?発電所なら全国各地にあるのに》

サコミズ《その発電所が明確に破壊される理由がある筈だ。》

ムラマツ「私達は現場に着いたら聞き込みをするぞ。」

黒野「了解!」

サコミズ《怪電波の調査は後に回そう。》

ハヤタ《じゃあ今回キャップと僕達は合同捜査ですね。》

黒野「そのようだな。」

ハヤタ《何か手掛かりになるような事が聞けると良いですね。》

ジェットモンガーはマッハビーストと共に九州まで横に並んで飛行する。

アラシ「キャップ。九州竹原発電所に到着しました。」

ムラマツ「よし。各員、調査を開始する。」

黒野、ホシノ、イデ「「了解!」」

 

サコミズ「我々も調査を始めよう。」

ハヤタ、フジ「了解!」

破壊された発電所近く垂直着陸した両戦闘機から降りた隊員達は調査する為に調査に必要な物を持ち出して聞き込みを始める。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

九州 地底……光が簡単に入らない暗闇の中に動く巨大な四足の身体を持つ怪獣は目の前にある石炭の塊に向けて口を大きく開き捕食する。

なけなしの石炭の塊を食べても空腹が満たされずに苛立ちを雪のように募らせる怪獣。何処にいたのか自身の住処を荒らそうとする蜂の昆虫人の群れを高熱火炎で追い払いながら地底に住む怪獣は餌である石炭を求めて自分が今いる位置よりも深く土を掘りながら必死に餌を探す。理由も無しに襲撃を仕掛けた蜂の昆虫人達を捕食してもエネルギーにはならないのなら大量の石炭を探すしかない……何が何でも……

「「っ!?」」

自身の嗅覚が大量の石炭がある匂いを捉えて怪獣は進行方向を変えて移動する……縄張りを広げる為に…

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

三門市 界境防衛機関ボーダー A級太刀川隊の部屋にて

国近「…何…だと……」驚愕の表情でBLEACHの女性キャラの顔芸をする国近さん。

「あっ、勝てた…」無表情ながら内心ほっとする剣持。

驚愕の表情をしてショックの余り呆然とテレビゲーム画面を映る自分のキャラクターが倒れている様子に国近先輩は泣きそうだけど泣かないように我慢する表情で剣持に確認する。

国近「もしかして………剣持君ってゲーム滅茶苦茶強い?」

「ライフゲージ見て分かるかも知れませんけど……毎回ギリギリで勝っているだけですよ。」

無表情で淡々と答える剣持夢想。

そう……かつて気分屋で且つ天才肌の葉子に剣持が勝てる数少ないのが携帯ゲームやテレビゲーム関連の物である。対戦プレイだと嫌になる程制限時間ギリギリまで粘る為に相手の根気強さが試されるが、負ける時は負けるし勝つ時は勝つ……勝率は6と4が交互に激しく入れ替わる……メタやハメ技をしてもギリギリに粘られて追い詰められる為に相手プレイヤーは冷静なプレイより必死さが現れる。

今回は何だかんだ剣持の方が結構勝てている為に……あらゆるジャンルのゲームをクリアしたゲームマスターとしての国近柚宇のプライドが粉々に砕かれていた。

国近「もう一回!?」

「良いですよ。」

断らずに対戦するキャラクターを変えてプレイする二人。

更に最近は志岐小夜子とストレス解消の意味で一緒にゲームする事もある為に、本人の望まずに必然的にゲームの腕が強くなっている。

(ゲームの腕が幾ら上がっても皆を守る事も地球を破壊する怪獣を倒せる訳じゃないんだけどな……)

国近「うおりゃあああああ!!」

しかしその心は燃え上がる国近と真逆に冷めていた。心は冷めているもそのプレイングに一切の妥協は無い。国近のキャラクターは善戦するも再び剣持が操作するキャラクターに敗北するのだ。

国近「あぁ〜〜ん!!もう一回!!」悔しそうな声を上げて涙目になる国近さん。見ていて正直、心が痛むけど手を抜くと逆に怒りを買いそうだから手は抜かないようにしないと。

「良いですけど……後10回連続で僕が勝ったら違う対戦ゲームにしませんか?」

今ですらもう十数回対戦して殆ど勝っている(最初の7回までは国近さんが勝っていた)から国近さんのプレイの癖が大体分かってきた。

国近「心配しなくても剣持君の連勝記録はもうストップだよ!!」

そして涙目で負け続いても強気の言葉を吐く国近も剣持のプレイスタイルが分かった為に反撃に出る。相手のゲームの上手さに負けてゲームでプライドは粉々に砕けてもソレでも対戦ゲームに負けたくない気持ちは消えていない。

「……付き合いますよ。」

(他の皆は今頃何してるんだろう……)

ゲームのプレイに集中しながらも、自分以外の知り合いの事を考える剣持。

 

『お化け屋敷』忍者部署内部

久遠「報告書を書くの面倒くさい⋯⋯」

用意されたデスクチェアに座り各自のデスクPCに向き合う正義のヒーロー達。その様子はまさにオフィスの一室のよう。

ピジョンマン「う〜ん。出来ないねぇ。ねぇセブン。コレって何かコツはあるの?」

横の席に座っているピジョンマンは博士達が集まって開発した謎の商品の一つの超能力実験器具を使って鍛えていた。

久遠「根気がいるんだよ。根気が⋯⋯」

呆れた表情で隣に座るヒーローに助言にもならない助言に言う武丸。

久遠「俺だってその超力ファクトリーセットを持って外国の人里離れた山奥に住む師匠と出会って長く厳しい修行の末、超能力を物にしたんだよ。師匠曰く素質も必要らしいから⋯⋯兎に角地道にその実験器具を続けるしかない。にしても、シゲハルと刃の奴はどうした?」

ピジョンマン「シゲハルさんは愛車のサイドカーの洗車。刃の奴は格闘区画で愛刀トリカブトを研いでいるよ。」

思い思いの時間を過ごしている二人の姿を想像して武丸は呆れた表情をする。

久遠「ゼブラマンは?」

ベータマン「医務室にいるベルサードの見舞いに言っているよ。」

イシュタールマン「君たちが破壊したウィルス工場の外に現れた謎のガイラット怪人の情報も聞いているらしい。」

昨日の深夜保安室で待機していたベータマンとその隣に座るイシュタールマンが答える。

ピジョンマン「そうか⋯⋯謎の怪人について勝利(かつよし)さんはどう思う?」

ピジョンマンは向かい側にいるヒーローに意見を聞く。

マスク・ザ・ビクトリー改め杉田勝利(すぎたかつよし)「僕はその任務に参加していないから分からないが、ガイラットの怪人についても大事だが、事務仕事もこの部署の大事な仕事だ。出来る出来ないか分からない超能力の訓練はやめて⋯⋯皆さん報告書を書いて下さいよ。」

久遠、ピジョンマン「はーい。分かりました。」

 

『お化け屋敷』医務室にて

ゼブラマンと一の谷博士がベルサードの見舞いにいっていた。

ゼブラマン「怪我の具合はどうだ?桜井。」

ベルサード改め桜井零次「傷はもう殆ど塞がっている。一の谷博士もありがとう御座います。」

一の谷「改造人間としての改造された細胞組織が自己治癒能力で回復しているし、体内の部品の部分も無事に交換出来た。」

ゼブラマン「これなら、復帰しても問題なさそうだな。」

桜井「あぁ。俺を襲った怪人は空から突然襲撃してきた。空中戦に対応したトレーニングが必要かも知れない。」

バイクを運転してタガメ男に意識を割っていたのもあるが、一撃で気絶させられるなんて⋯

一の谷「分かった。診た所殆ど回復しているが、無茶はするのでは無いよ。」

桜井「分かっています。」

 

 

ザイカーン地方 ノベハンシティーの近くの市街地Wリバーシティーの人が立ち寄らない路地裏にて黒いトレンチコートに帽子を被った黒いサングラスのつけた男は黒い長袖を捲り支給された銀色のコンピューターガントレットを露わにして何処かへ連絡する

成川「此方銀河連邦対ブラックワン対策部隊隊長プリズムファイター。本部応答せよ。」

銀河連邦《此方銀河連邦本部。プリズムファイター。定時連絡を確認。》

成川「……報告すべき事があります。」

成川ジョージは精神生命体のキリエル人の事件について報告を銀河連邦本部にする。

アイアングリーン《本部長のアイアングリーンだ。プリズムファイター君が先に送った報告書によると巨大な精神生命体の死体は強力な凍気で原型を留める事なく粉々になったとある。》

成川「はい。此方も念入りに異常な現象について調査しているのですが……何かのエネルギーの残留痕跡も無くその報告書の内容と似た記録が無いか連邦本部に是非調べて欲しいんです。》

アイアングリーン《分かった。君の言った痕跡が残らない不審な冷凍現象に関する事は此方も銀河連邦警察と協力して調べておく。》

成川「はい、お願いします。それてお願いしていた部隊の人員の増援申請は。」

アイアングリーン《此方も君達の部隊の人員の増援をしたい事は山々なのだが、何処も戦線に余裕が無いのが現状だ……》

成川「……そうですか。」

本部に言われた言葉にジョージは落胆はしなかったが、現状の戦力でブラックワンと対峙しないといけないと思考する。

考えるまでもなく星間連合と銀河連邦の宇宙戦争は地球人が預かり知らない所で日々数多の銀河で壮絶な激闘を繰り広げている。

重要な惑星の領土防衛や敵の惑星の領土拡大に熾烈さ極めている状況、戦いは泥沼化して果たしてどれほど時間が経っただろうか……

成川「わかりました。そちらも何かあったからご連絡して下さい。では失礼します。」

アイアングリーン《何時も苦労をかけて本当にすまないな。》

口調が事務的な物から私的な物に変わりジョージも優しい口調に変わる。

成川《慣れてますから心配しないで下さい。伊達に俺を含めて鉄火場を戦い抜いた訳じゃありません。》

そう言うと俺は本部との連絡を切る。

成川「すぅ……はぁ……すぅ…はぁ……」

路地裏で無言で壁に背凭れして深呼吸をするジョージ。アイアングリーン本部長の声を聞いていると心がストンっとクリアになり地球のマイナスイオンに似て力から無駄な力が抜けてリラックスしてしまう。

成川(…宇宙で増援が用意できないなら、地球で用意するしかない。ブラック・ミストの連中と戦えるヒーローを…)

脳裏に走るミラーマンRBの姿……力はあるも、まだ色々と未熟な少年の姿を……

成川(…………また、精神生命体の死体を破壊した凍気の痕跡が無いか調べるか。)

暇があるなら、拓也の様子も見に行こうと考えてジョージは移動する。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

同時刻、九州大分臨海工業地帯の……人の居ない空き倉庫内にて

????「来たか……時間通りだな。」

???「えぇ。手早く済ませましょう。

黒いサングラスを掛けて黒いマスクをした黒服の男は、取引相手に取引する道具を渡す。

????「ゴホゴホ……頼まれていたアンドロメダ星雲 ゴクモーン星侵略ロボットの設計図と資材だ。」

時代遅れのマイクロフィルムと小型に圧縮された侵略ロボットの素材全てを白いローブを見に付け黄金の仮面を被った男に手渡す。

ゴメル「……クカカカカ…確かに貰いました。」

????「此方は、ゴホゴホ……」

何かを言おうとするも、途中でマスク越しに咳こむサングラスの男。

ゴメル「おやおや?どうやら体調が優れていないようですね。」相手を心から心配……というよりも小馬鹿にした感じに思った事をそのまま口にするゴメル。

????「ゴホゴホ…無論、だからこそこの星にある。若い人間の身体や子供らが必要なのだ。」目の前に立つ男はマスク越しに咳き込みつつ己の目的を口にする。

ゴメル「成る程……ならば、尚の事……私の用意した資料や情報を渡した方が宜しいですな。クカカカカ……」情報が記載された数枚のレポートと1枚の写真をサングラスの男に手渡す。

????「……この男が?」

ゴメル「えぇ。そう遠くない内に彼がこの国の『お化け屋敷』に研修に行くのは確かな情報です。資料にはその彼についての事細かなのが載っているので再現出来る事は再現するようにして下さい。」

????「あぁ。ゴホゴホ……情報提供を感謝する。」

ゴメル「ではお大事に……クカカカカ……」

互いに交渉を無事に終えてその場から別れる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〔推奨BGM 無限のパスポート〕

破壊された発電所付近にて

発電所付近の町を歩くイデはまるで読者に目線を合わせるように口に出して言う。

イデ「キャップや他の隊員達と別れて聞き込みを始めた私イデと同行してくれた黒野隊員は、発電所近くにある売店を発見したので、その売店のおばさんに怪獣の事を聞き始めた。」

イデ一人だと心配だから同行する事にした黒野。その黒野はやや呆れた表情をイデに向けて言う。

黒野「………ボーダーのイコさんと言いあんたらは誰に向かって言っているんだ?」

イデはニコニコした表情で黒野の方を見て言う。

イデ「まぁまぁ、所謂お約束って奴だよ。」

イデはそう当たり前に答えるも黒野は当然何のお約束なのか分からないし分かる筈もない。

黒野「分かったから仕事しようぜ。」

黒野はぶっきらぼうにそう答えて脱線した話を戻す。

 

 

 

 

 

イデ「え!見たんですか、怪獣を」

深夜の時間帯の為に怪獣の鳴き声を聞いた人達は町で結構な人がいた物の大半は身の危険を感じて急ぎ最寄りの避難所又は地下避難シェルターへ逃げこんだ為に具体的な怪獣の姿を目撃した人は思ったよりも少なかった……そんな中、目の前の売店のおばさんは、数少ない目撃者の一人だ。怪獣は発電所のみの破壊した後付近の町を破壊する事なく地底に姿を消した為に町の人達は避難所から戻ってきたらしい。無論…怪獣が死んでいない為に安心出来ていないが……怪獣について知っている人が見つかって幸運だ。

売店のおばさん「いや、今思い出してもすごかったねぇ」

その時の事を思い出す表情をするおばさん。

イデ「怪獣が出た時の様子なんかを教えて下さい」

売店のおばさん「ああ。もうおっそろしくでかい奴でさぁ、口から火を吐いてそこらら辺りみんな灰にしちまったんだよ」

おばさんが指を指す方向にイデと黒野は視線を向けるとボロボロになった発電所の残骸が見える。より詳しく見る為に双眼鏡を使うと怪獣が姿を消した後、市の消防が火災の鎮火し終わったばかりなのか、水蒸気の白煙がまだあちこちに出ていた。二人は双眼鏡から目を外すとおばさんが聞いてくる。

売店のおばさん「どう、建物がほとんど残ってないだろ。」

黒野「その様だ……」

イデ「うんうん、それで?随分お詳しい見ていらしたんですねぇ。避難はされなかったんですか?」

売店のおばさん「そら隠れていたけど、怪獣なんてそんな滅多に見られるもんでもないでしょ、だからほら、怖い物見たさって奴でさぁ、思わずじーっと見てたよ、ハハハハ……」

主婦の井戸会議のようにイデと会話が弾むこの売店のおばさんは思いの外、話好きの人なのだろう。怪獣遭遇は、被害云々や危険云々を除くと純粋な話題の一つになるだろう。

黒野(テレビの取材リポーター関連の人が聞きに来るタイプの人だな…存外注目されたのかも…)

イデ「はぁ…なるほど、ね……」

黒野(イデの奴も軽く呆れているじゃないか。)

危険な台風とか火事になると外出たがる野次馬代表に会った感覚でおばさんの会話を続けるイデ。

売店のおばさん「またあんな凄い怪獣が出たら大変だ。あんた、怪獣について調べている人達だろ?必ずやっつけとくれよ。」

黒野「いえ、おばさんね。俺達は、普通の警察とか軍隊が扱えない怪事件や怪現象の調査、研究、対策をする科学特別機動捜査隊だから…まず色々と先に調べる事からやらないといけない。だから怪獣だからって必ず倒せるかまだわからないんだ。」

超常現象を中心としたオカルト界隈では有名でも、一般では事件が発生したら怪獣を倒す事を良くしている為に怪獣退治の専門家扱いと変なレッテルを貼られている『お化け屋敷』こと科学特別機動捜査隊。このおばさん。俺達が本当に怪奇案件の専門家と見ているのか?まぁ、何も知らない一般人に説明するとき、特撮研究会を名乗る必要が無いのは良い事か悪い事か……

売店のおばさん「怪獣についてまだわからないのかい?」

黒野「身体の色の特徴とか?二足歩行か四足歩行か?空を飛ぶのかとか色々と現在調査の真っ最中だよ。」

売店のおばさん「怪獣の身体の色は暗い夜だったけど燃える炎が明かり代わりに照らしてくれたから土とかの茶色。トカゲとかヤモリみたいに四足だったし、尻尾は長かったわよ。」

黒野「情報提供感謝します。……パゴスの系統みたいだな…」

イデ「どうやら想像以上に手強い怪獣らしいぞ」

売店のおばさん「その怪獣の口からもの凄い熱い炎が出て、周り全部焼かれちまった。いや、でも本当に怖かったよ」

イデ「そんな怖い目に会いながらも、じっと怪獣の様子を伺ってたなんておばさんも肝付据わってるなぁ。」

感心するように言うイデ。口には出さないが黒野も同じ事を思った。

イデ「よし、キャップ達に報告しよう。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

剣持夢想が三門市ボーダー本部にいる同時刻

商店街 極楽アミーゴ通りにて…

鏡「……っ。」

拓也は覇気の無い不貞腐れた顔でレッドマンとキリエロイドが激闘を繰り広げた市街地のビルの現場を歩きながら遠くから眺めていた。現場のあちこちには立ち入り禁止テープが貼られおり……当日、拓也はレッドマンの激闘を眺めている事しか出来なかった。双方が放つ相手を絶対に殺す殺意と戦いの気迫と威圧感に飲まれていたとも言える。

鏡(……俺がもしあの戦いに参戦していたら……どうなっていただろう。)

日々格闘技の訓練する拓也から見ても凄まじい蹴りを始め強力な炎を放つ二人の異形の怪人に勝てたのだろうか…っと自信なさげに考える拓也。人以上の力があると喜んだ物の実際はレッドマンの足手まといにしかならないのじゃないか?

鏡(所詮は力を持っただけの一般人……)

前にジョージに言われた通りに力を隠して普通の人としていた方が良いのか……っと考える拓也。でも前みたいに自分しか何とか出来ない事があるなら、俺は……

鏡「はぁ~〜」

覇気の無い顔で力無くクッソデカいため息を吐く拓也。

菊地原「人の前でデカいため息を吐くなんて失礼じゃないか?」

聞こえてきた声に視線を前に向けると

鏡「あっ、毒地原。」

足を止めて目の前に立つ猫目と下がり眉に肩程の長さを持つストレートな茶髪の特徴の知り合いの同級生と拓也はエンカウントする。

菊地原「変な渾名を付けるの辞めてよね。せっかくの休日の楽しい気分が台無しだよ。」

鏡「そいつは悪かったよ。俺にだって人に言えない秘密を2つ3つあるんだ。その秘密関連で悩んだりもするんだよ。」

菊地原「ふ~ん。」

鏡「わぁーい。興味すら湧かないの顔ムカつくわー。」

菊地原「君如きの大した事のない悩みに僕が興味を持つとでも?傲慢だね。」クソッ……眉の一つ動かさないのが何よりの事実を現してやがる。

鏡「クラスが違うけど同じ学年だろ。」

菊地原「同じ学年だけどクラスは違うし、僕は僕より優秀そうな奴は嫌いなんだよ。」

鏡「お前絶対友達いないだろ!?」

菊地原「残念だけど僕はその友達達とコレからカラオケに行くんだ。」

鏡「なっ!!」

驚愕の表情を見せる拓也。毒舌家の菊地原士郎に友達だと………その表情は宇宙を見た猫の顔と同じになる。

菊地原「間抜けな顔を晒しているな。夜の外出は危ないから控えなよ。僕はもう行くぞ。」

鏡(一体どんな人達があの毒舌家の友達なんだ?さぞや仏様のような慈悲深い友達なんだろうな…)

カラオケの個室内で菊地原の周りに座る慈悲深い仏様と天使や神々達の像のイメージが脳裏に浮かび上がり、仏様達が無愛想で歌う菊地原に合わせてマラカスやタンバリンをリズム良く鳴らす光景を想像する拓也。

鏡「っ!?」

そうこうしてる内に菊地原は拓也の前からとっくに居なくなっていた。

鏡「あの野郎〜〜!!人のことを間抜けな顔だと……結構気にしているのに!!」

成川(お前にミラーマンを名乗る資格は無い!?)

鏡「………。」

拓也はわなわなとオーバーなリアクションをして苛立つも菊地原相手だとどんな事を言っても鋭い毒舌が返ってくる為に悔しさを覚えるも、やがて苛立ちまみれな憤怒の顔はゆっくりとしょんぼりした顔をしてトボトボと行く宛も無く歩く。去来するのは……結局ミラーマンの自分の不甲斐なさを思い出してしまい一人で悩んでしまうのだ。

白い一本角の青い恐竜型の二足歩行怪獣にはコテンパンされて、鋼鉄竜にはレッドマンと連携無しで戦って何とか勝てたが、戦いが終わった瓦礫と化した周りの街並みの惨状を見て……なんとも言えない気持ちになってしまった。

 

 

剣持の分身と染井華がいる森から数キロ離れた市外の森にて

太刀風「⋯⋯⋯。」

真剣な様子で生い茂る森林地帯に静かに視線を向ける皇虎。

隠し切れない相手の気配を直ぐに感じ取り身体の向きを変えて待ち伏せに徹する。

【⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯】

謎の少年「っ!」

先に痺れを切らして木々を足場にして皇虎に向かって迫るのは、銀髪の謎の少年。

一気に踏み込み跳躍し皇虎に急接近し謎の少年は振るう拳を皇虎に向けて連続で放つも、皇虎は柔軟な動きでその全てを避けて逆に鋭い拳をカウンターの要領で放つ。

謎の少年「っ!?」

攻撃に意識を割り当て過ぎた少年は皇虎のカウンターに対応出来ずに見事に直撃して地面に転がる。転がる少年に追撃可能なのに追撃せずに少年に向けて助言を言う。

太刀風「なまじ普通の人間より頑丈だから疎かになるかも知れないが⋯⋯君はもう少し防御に意識を向けた方が良いぞ。」

少年は皇虎の助言を聞きつつ立ち上がる。

謎の少年「⋯⋯もう一度手合わせしてくれ。」

太刀風「⋯⋯剣持と言い御主と言い⋯⋯強くなる事に貪欲で御座るな。」

目の前の少年も天使騒ぎの首謀者と戦い怪我を負い手当ての包帯を巻いて治療に専念しないといけないのに強くなる為に皇虎に手合わせしてくる。実際手合わせを繰り返す度に少年は自分の悪い所を直している。その熱意に押し負けた皇虎は出来る限りの手加減をして実戦形式で相手をしてあげる。

太刀風「構わん。何処からでも来い。」

謎の少年「っ!?」

謎の少年は皇虎の許可を貰うと共に一気に跳躍し皇虎に肉薄する。無数の打撃音が聞こえる中で皇虎は冷静に少年は相手に言われた通り防御に意識を向けながら皇虎は鋭い蹴りを放ちそれを片腕で防ぎつつ反撃に動く。

太刀風「防御が成功したからって油断するな。追撃で防御が崩れるぞ。」

更に低い体勢から放つ足払いで少年は軸足を蹴られて前のめりに転がる。

謎の少年「っ!?」

太刀風「まだやるで御座るか?」

謎の少年「もう一度!!」

素早く起き上がり皇虎に挑む少年を他所に炎太郎も一人訓練しつつ少年と皇虎の戦いに視線を向けて気にする。

春日「太刀風先輩。成川先輩は知りませんか?」

素性も分からない罪無の知り合いの少年の攻撃を片手で全て防ぎながら皇虎は炎太郎に視線を向けながら答える。

太刀風「成川先輩なら、夢想達が戦った人型の死体を凍らせて粉々に砕いた存在の痕跡が無いか災害現場に向かった。」

春日「そうですか。その少年を鍛えているのは、精神生命体の死体を凍らせた存在と戦う為の此方の戦力を増やす為ですか?」

太刀風「俺達とブラックワンだと向こうの方が戦力がある。田舎のこの星で戦力を現地確保する必要があるんだ。それに⋯」

春日「それに?」

太刀風「目の前のこの少年は夢想同様、ブラックワン達と戦う気があるらしい⋯」

謎の少年「ソイヤっ!?」

少年は身長差を無視して空中からの力強い飛び蹴りを皇虎は笑みを浮かべて片腕であっさりと防御して答える。

太刀風「防御も攻撃も大事だが⋯⋯防御しても怪我するような攻撃には回避が有効だ⋯⋯次は回避をしっかりするように⋯」

謎の少年「分かった!」

謎の少女「頑張れ〜〜」

自然に囲まれた森に少年達の打撃と共に汗と涙と熱が飛び散っていくのだ。

 

 

通常の怪獣災害が終わると先ず現場検証や怪獣の死骸から怪獣のデータを取る作業を『お化け屋敷』はする。そして其れと同時に『怪獣解体清掃業』の人達が怪獣の死骸を解体し始めるのだが⋯⋯前回の天使騒ぎで出現した二人の異形の人型有害巨大生物は三門市の市民達の目の前で原因不明の氷漬けになると共に原形が残らない程粉々に砕け散り怪獣解体清掃業の出番は無かった。

 

解体清掃業者の出番は無くても怪獣災害で巨大生物に破壊された幾つ物の建造物を修理する建設業の仕事や怪獣保険関連はまさにコレからが本番で早い所では既にビルの建設工事を開始していた。銀河連邦の巨大ヒーローの一人プリズムファイター事成川ジョージは炎魔戦士達の死骸があった現場に再び訪れていた。周囲の工事現場には建設業者達の姿もあったが。成川は気付かれずに死骸のあった場所を調べる。

成川(やはり何のエネルギーの痕跡も無いか⋯)

フレイム仮面も言っていたが間違いなく普通の現象では無いのが分かっているのだが⋯具体的にどんな手を使って相手を氷漬けにしたのか分からない。固有能力なのか道具なのか俺達が持っている技と同じなのか。

成川(逆に此処まで調べても痕跡が分からないのが異常だ⋯⋯)

そうあの戦いが終わった後に起きた現象が異常なのだ。

成川「っ!!」

だがあの場にいた銀河連邦のヒーロー達がその異常事態に驚愕する中、一人だけ動揺しなかったのを思い出す。

成川(何故イノセンスマンはあの現象を見て動揺しなかった。)

ハザマ「珍しいな。俺について何やら考えているようだな、プリズム。」

成川「っ!?」

背後から聞こえてきた声にジョージは瞬時に振り返って攻撃を放つも罪無は片腕で防御し真剣な表情で向き合い。

ハザマ「話しがある⋯⋯少し付き合え⋯」

成川「罪無。⋯⋯っ!」

工事現場の業者の人達の気配を感じて二人は現場から同時に姿を消す。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

九州 竹原発電所にて

ムラマツ達は怪獣に破壊された発電所を近くで見上げながら破壊痕を見て怪獣について考える。

ムラマツ「恐るべき奴だ。これだけの発電所をものの数分で破壊させてしまったんだからな……」

ハヤタ「此れだけ暴れ回りながら、重点的に発電所だけ破壊していったというのは、どういうことなんだろう?」

ムラマツ「まだ詳しい事は分からないが、もっと念入りに調査しなくては」

ハヤタ「目撃者の話だと、怪獣の周りから相当高温の熱風が吹いて来たという事です。」

ハヤタが聞いた目撃者の話を聞いてムラマツの中で今回の怪獣は只の火を吐くタイプの怪獣ではない可能性が浮上してきた。

怪獣の出現した場所を調べていたアラシ隊員とフジ隊員が戻ってくる。

アラシ「キャップ!百メートル位離れた鉄製のフェンスがグニャグニャに溶けてます。怪獣が出現した時に風下だった場所は、熱風で相当な被害が出ています。」

フジ「未だに地面がくすぶってる所が点在してます。」

ムラマツ「みんなが調べてきてくれた事は、この現場が裏付けている。全く恐ろしい怪獣だ。」

ハヤタ「怪獣はどうやら高熱を帯びているらしいな。」

アラシ「きっとその高熱が怪獣の武器なんだな。」

サコミズ「仮に装甲兵の弐式八分九厘が怪獣の相手をするとなると苦戦は免れないな。」

アラシ「その怪獣の吐く高熱の火炎の推定温度はまだ分かりませんが、操作プロポを持っている人にとっては灼熱地獄になりますよ。」

ホシノ「なら弐式の出番だな。」

サコミズ「キャップ。私は別方面から調べてきます。」

ホシノ「気を付けて下さい。付近に怪獣が潜伏しているのは間違いないようですし。」

サコミズ「あぁ。何かあったら連絡をお願いします。ハヤタとフジはキャップと一緒に行動するように」

ハヤタ「わかりました。」

そう言うとサコミズ隊員はムラマツ達と別行動をする。

フジ「発電所が怪獣に何か苦痛を与える様な事をしていてやそれで発電所だけ怪獣に破壊されたのでは」

ムラマツ「ウーム…此れだけの力の源はなんだ?」

彼らが怪獣について考えているとイデと黒野が慌ててアラシ達の元へ駆け寄る。

イデ「キャップ、キャップ!大変です!」

ムラマツ「どうした?イデ。」

ハヤタ「その様子だと何かいい手掛かりが得られたらしいですね」

アラシ「しかし随分慌ててるな、イデの奴」

ホシノ「落ち着け、イデ。」

イデ「あっ、すいませんチーフ。」

駆け寄ったイデをホシノのチーフはオッカナイ顔で落ち着くように言いイデは背筋をピンっとして姿勢を正す。

フジ「一体どうしたの、イデ隊員」

イデ「奴は最近三池炭鉱にも出現しているようです。詳しい状況はわかりませんが、坑道内の温度が80度以上になる事があるそうです」

ハヤタ「80度だって!?」

イデの報告に驚きの表情を見せるムラマツとハヤタ。

ムラマツ「よくこの短時間で調べたな、イデ」

ハヤタ「地下でそんな高温の状態が発生したら、人間なんてひとたまりもない。」

アラシ「こりゃあ、早いところ怪獣を見つけて倒した方が良い」

イデ「他にも幾つか聞き込んできた事があるので、後で報告します。」

フジ「本当に恐ろしい怪獣だわ」

ムラマツ「怪獣は予想以上に広い範囲で活動しているという事か」

黒野「しかもできる限り必要以上に地上に姿を見せずに⋯⋯地底を活動領域にして高速移動に長けた怪獣のようです。」

アラシ「キャップ、やっぱり怪獣はその熱がエネルギーなんですよ、きっと」

ムラマツ「フム、そんな奴がまた現れて暴れ出したら大変だ。この発電所の二の舞になる事だけは阻止しなくては」

黒野「この被害を起こした怪獣ともし戦うなら、もう少し色々と必要になるな。」

ハヤタ「にしてもイデも黒野も、どうやって調べたんだ?」

黒野「さっきイデの言っていた坑道内の急激な高温が発生する現象は、街にいた炭鉱関係者から聞いてな。怪獣に関係があるかも知れないから組合に行ってみたら言いと言われてな。」

イデ「いやぁ、実はですね、その異常現象が余りにも頻繁に起こるんで、炭鉱の組合にまとめていた災害報告書を黒野と一緒にコピーの許可を貰って入手したんですよ……あれ?あれれ?」

フジ「どうしたの?」

イデ「⋯⋯黒野?災害報告書のコピーって君に渡したっけ?」

持参に荷物が入った専用の鞄の中を物色しながら同行していた黒野に尋ねるイデ。

黒野「いや、俺は貰っていないぞ?」イデに言われて念の為、黒野も持参した鞄を漁る。

イデ「じゃあやっぱり⋯でもな⋯⋯いや、だって⋯おかしいな〜〜確かにここに入れといた筈なのに⋯⋯」

その時、イデの後ろから1人の男が歩いてきて片手に災害報告書のコピーを持ってイデに声を掛ける。

男「お探し物はこれだろ?オッチョコチョイだな、イデ博士。」

赤い縁の眼鏡を掛けた男性は気さくに近付き

イデ「あっ、ありがとうございま⋯⋯ヤスおじさん!?ヤスおじさんじゃないか!?久しぶりですね。いやぁ、何年ぶりだろうおじさんに博士って呼ばれたのは」

声を掛けられて振り返って見ると長い間会っていない知り合いと再会してイデは心から嬉しい表情をする。

イデ「ヤスおじさん。助かったよ。ありがとう。」

ヤス「博士。立派になったものだな。」

 

ムラマツ「一体この人は⋯⋯」

ムラマツ【イデ隊員の知り合いらしいこの男性は、年の割には体つきのガッシリしたとても精力的な印象の人物である。】

ハヤタ「このヤスと名乗る人物は、良く被害現場で入れたな」

アラシ「一体誰なんだ、この人⋯?」

イデ「懐かしいなぁ。それにしてもこんな所でヤスおじさんに会えるなんて」

ヤス「それは此方の台詞だよ。調子はどうだ?」

イデ「ヤスおじさんこそ。」

ハヤタ「⋯ヤスおじさん?」

黒野「親戚の類いなのか?」

フジ「二人の様子からすると、かなり親しい間柄なのね。」

ヤス「肝心の報告書を落としちゃ話にならんぞ。しっかりしろよイデ博士。」

 

イデとヤスと呼ばれた人物は近況について語り合うも黒野達はゴホンと咳払いして直接知っているであろうイデ本人に尋ねる。

黒野「イデ。この人はお前の何だ?親戚か?」

イデ「えっ?⋯イヤイヤ、俺とおじさんは親戚とかそういう間柄じゃないよ。」

黒野「そうなのか?」

どうやら二人の関係は親族や親戚の関係ではないらしい。

アラシもそれが分かったのか今度はヤスおじさんに尋ねる。

アラシ「あのー、どちら様ですか?イデのお知り合いでしょうか?」

ヤス「いや、ご挨拶が遅れて申し訳ない。私、県警の刑事部長、安岡と申します。」

ムラマツ「此方こそ、私は科学特別機動捜査隊のムラマツ隊の隊長のムラマツと申します。」

二人が名前を名乗る間にアラシ達はヤスおじさん改め安岡刑事についての会話をしていた。

アラシ「刑事さんだったとは」

黒野「まぁ、発電所関係者には見えないから、かなり可能性あったぞ。」

フジ「それにしてもイデ隊員のお知り合いに刑事さんがいたなんて」

イデ「このヤスおじさんには随分とお世話になってるんです。」

黒野「⋯⋯何か想像つくな。でも刑事部長さんって事は⋯⋯」

イデ「刑事部長か…おじさんも出世しちゃったな。」

黒野「まぁ、悪い事じゃないんだから素直に喜んであげなよ。」

イデ「いや、普通に喜んでいるよ。只、時の流れをひしひしと感じているだけだよ。」

フジ「イデ隊員にとっては感慨深いのよ。」

ハヤタ「成る程、それでこの人は現場に入れた訳か」

ホシノ「この被害現場に入れるのも納得だ⋯⋯」

フジ「何だかとても厳しいそうな感じの人ね。」

黒野「人を見かけで判断しない。それだけ真剣に仕事している訳だよ。」

アラシ「そうそう。昔馴染みのイデに気さくに話し掛けるし、気のせいだろ?」

ハヤタ「寧ろ地元の事が詳しい人が増えて助かるんじゃないか。」

内心ではフジ隊員に同意するアラシと黒野とハヤタだが特に口に出す理由はなかった。

安岡刑事「はい。そちらの方々の言う通り…私達、警察もここのところ頻繁する炭鉱の異常現象の調査に来ておった訳です。」

ムラマツ「どうも、御苦労さまです。」

 

アラシ「イデとはどのような関係で?」

興味本位で安岡刑事に尋ねるアラシ。

安岡刑事「実はこちらのイデ君とは昔、隣に住んでいまして、まぁ親代りというか、そんな事させて貰ってたんですよ。」

 

黒野「へぇ。」

ムラマツ「そうでしたか、それはどうも」

ホシノ「ホシノです。」

黒野「黒野賢人。気軽に黒野って呼んで下さい。」

ハヤタ「宜しく、ハヤタです。」

アラシ「アラシです、宜しく」

フジ「フジといいます。どうぞ宜しくお願いします」

皆が安岡刑事に自己紹介を終えるとイデは自分の昔の頃を思い出す。

イデ「昔、私が勉強ばっかりしてたんで、博士博士とよくからかわれてたんです。」

フジ「あら、じゃ私も今度からそう呼びましょうか、イデ博士」

イデ「よせやい、勘弁してくれよ。」

和気藹々の雰囲気で『お化け屋敷』の面々はホシノチーフを除いて笑みを浮かべていると突然の大きな揺れが半壊した発電所を襲う。

安岡「地震だ!」

黒野「皆伏せて!!」黒野は直ぐに付近の警官達にそう呼び掛け

皆もそれが地震と理解しながら『お化け屋敷』の面々は迅速に姿勢を低くして地震が過ぎ去るのを待つ。

やがて短くも長く感じた揺れは収まりゆっくりと立ち上がる警官達やアラシ達。

アラシ「発電所の脆い部分がさっきの地震で崩れていますな。ホシノチーフ。」

ホシノ「あぁ、でも幸い怪我人とかはいないようだ。」

チーフは周囲を確認しながら怪我人の姿が無い事を知りオッカナイ顔で安堵する。そして安岡やハヤタ達はこの地震が自然の物では無いと考えて警戒する。

安岡「まさかまた怪獣が…」

ハヤタ「怪獣が動き出したのか」

アラシ「怪獣め、出るならどこからでも来い!」

黒野「勇ましいね……。」

イデ「どうやら怪獣は、地底を自在に動き回っている様です。この地震は岩盤を崩す際に起こる振動かも。」

ホシノ「発電所の地面が崩落する可能性もあると言う事か。」

黒野「此処にいる人達の安全を考えるとなるべく早く移動した方が良いな。」

フジ「またここに現れるのかしら」

ムラマツ「怪獣がまた地上に出ようとしているのか?」

その時、安岡刑事が乗っていたパトカーの通信機から県警先発隊から連絡が入り、安岡刑事はいの一番にパトカーに近付きドアを開けて通信機を手に取る。

《こちら県警先発隊。三池炭鉱内で又地熱が上昇し始めました。『お化け屋敷』の応援をお願いします》

安岡「こちら安岡、了解した。コレから『お化け屋敷』の皆さんとそっちへ行く。」

そう返事をすると通信機が切れ安岡は三池炭鉱の方角に視線を向け

安岡「また三池か…。どうやらその辺りに怪獣はいるんだな。」

ハヤタ「相手は地底にいるとなると面倒だな」

アラシ「このアラシがやっつけてやる!」

黒野「膝…滅茶震えているのに?」ニヤニヤした視線でイデの膝を見る黒野。

イデ「ヤスおじさんの前だし、少しはいいところを見せないとなぁ」黒野に指摘され膝が震えている事を恥じずに冷静に返すイデ。

ホシノ「イデ。無理に出しゃばらずに冷静に任務を遂行すれば良い。クプラトンのような周辺被害の拡大はお前も望んでいないだろ。」

イデ「……はい。その節は……本当にすいません。」

フジ「炭鉱の中で戦闘になると、こちらは不利になるかも知れないわ」

黒野「兎に角、俺達が此処に居ても何も始まらない。キャップ。」

ムラマツ「あぁ。早く現場に行って状況を知らねば」

そう言うと各自警官のパトカーに同伴させて貰う。

安岡「えぇ。三池炭鉱へ行きましょう」

パトカーに乗り込み安岡はそう言いハヤタとイデも後部座席に乗り込む。

ハヤタ「キャップ、早く行きましょう」

黒野「すいません。パトカーに同伴させて下さい。」

警官「構いませんよ。」

黒野とフジ隊員とホシノチーフは他のパトカーに乗り込み

アラシ「やはり怪獣の仕業ですよ。キャップ、急ぎましょう」

イデ「キャップ。早く移動しましょう」

フジ「また地上に現れたら大変です。キャップ、早く対策を立てましょう」

ムラマツはアラシが乗り込んだパトカーに同伴する。

安岡「では、私が案内します。おい、いくぞ、博士」

イデ「ちぇ、変な時に会っちまったなぁ…」

ハヤタ「なら次は仕事じゃなく休暇の時に会いに行けば良いだろ。」

安岡「そうだぞ博士。今度は上手い所で飯でも一緒に食べようや。」

3台のパトカーは三池炭鉱へ向け走り出す。

 

 

 

一方三門市の『お化け屋敷』の作戦司令室とは違う通信室では上下の青地に金のラインが入った専用の服を身に着けたオペレーター達がいた。彼らはイデ隊員達と同じく通信関係の仕事をする人間なのだが、『お化け屋敷』の博士達に負けない癖の強い通信士である。現在 三門市は至って平和その物で表立った大きな事件が起きていない為、業務が一段落して休憩時間となった彼ら彼女らはコンビニで買ってきたお昼や居住区の寮で作った手作り弁当を食べながら世間話や各話題に花を咲かせる。

 

梁木「そういえば皆さん。例の話聞きましたか?」

茶髪のセミロングにピンクの大きなリボンを巻いた女性が買ってきたお昼の惣菜パンを食べながら同じ仕事をする通信士達に話し掛ける。

 

梁木 美和 年齢21  前職務フリーター

定職もなくふらふらしていた所をピンクのジャージを着ていて目立ったと言う理由だけでスカウトされたオペレータ。四字熟語を言葉の中に入れて話す事が好きだが、熟語の漢字をよく間違える。

斉戸「何々美和?面白いネタ?」

 

斉戸 英津子 年齢22 前職務芸能レポーター

以前はワイドショーの超過激突撃をしており、迫力ある突撃ぶりを買われてオペレータとなった。以前のように体を張っての仕事が出来ないため、少々物足りなさを感じている。

 

梁木「面白いかどうか分からないけど此処に居ないジャック・シンドー隊員達南極でまた妙なイン石を見つけたらしいんですよ。」

地球を襲う未知の宇宙怪獣や変な宇宙人に対して基地防衛や兵器の新素材になる材料は合間合間、『お化け屋敷』の調査班面々が回収しており日々の研究に役に立っている。

天使騒ぎが終わって直ぐに今この基地にいないアーサー隊長が率いる面々は南極へ向かい新素材の材料になるイン石の回収任務をしているらしい。

 

斉戸「確かに……その話は休憩時間に聞く面白いネタと言うよりも仕事の話よね。」

梁木「命名された新素材のイン石から特殊合金を作り名前はジオミクロンXって言うらしいです。」

オペレーターが持参する業務用タブレットから手持ち黒い球体状でありながら所々凸凹した黒鉄色の新素材の特殊合金の画像データを同僚に見せる美和隊員。

 

ジオミクロンX 発見場所 南極

南極の地下に眠っていたイン石にふくまれていた特殊成分を元に作られた特殊合金。鉄よりも軽く、硬さはネオ電光磁鉱石の2倍で、10トン爆弾にもびくともせず、5千度の炎にも耐える。

 

綾小路「新素材が発見したのも良いけどまとまった休日……皆で息抜きに何処か旅行に行かない?」

美和に比べて金髪の碧眼の大人の魅力を持つ女性が旅行の話を持ち出す。

 

綾小路 マリア 年齢24 前職務受付嬢

一流企業の受付嬢として働いていたが、訪問と称して口説きに来る他社の大勢の営業員に嫌気が指して、オペレータに転職する。前の職場にくらべ仕事に集中できるため、今では満足している。

 

森川「良いですね。旅行…海外は無理でも京都とか北海道に行ってみたいです。」

 

森川 美智代 年齢24 前職務幼稚園の保母さん

明るく園児に接する笑顔が綺麗だったと言う理由でスカウトされたオペレータ。彼女自身、夢いっぱいの秘密基地で働けることを喜んでおり、明るく笑顔を振る舞いながら働いている。

 

綾小路「国内旅行なら私、良い旅行プランを知っているわ。前にダイアナと一緒に行った際に教えて貰ったこう言うプラン何だけど……」

森川「見せて見せて⋯」

マリアが持ってきた旅行会社の旅行プランを加護欲を感じさせる笑顔で一緒に見る美智代。

 

一方女性オペレーター達が旅行について楽しく談義する中…男性オペレーター達も男性オペレーターらしい話題をしていた。

茶髪の平凡そうな青年が話題の一つを口にする。

 

春日 一平 年齢22 前職務某一流大学卒

就職氷河期のさなか、半分絶望的な状態で秘密基地の就職審査に応募し、見事採用された幸運(?)の持ち主。最初はなれぬに職場にとまどっていたものの、今ではみんなと楽しく仕事をしている。

春日「そう言えば僕が聞いた話では梶本電気株式会社のラピッドパルスとクラーク海底基地のアルムオーダーJが漸く修理完了したらしいですよ。」

暴走したウルトラーVにコテンパンにされた2機の巨大ロボットもアレから暫く経ったが無事万全の状態になったらしい。

 

辻原「それは良かった……重治君が喜んでいるでしょう。」

緑色の短髪の知的な雰囲気を持つ丸眼鏡を掛けた男性。

辻原 直樹 年齢26前職務榊電子機器(株)

成績優秀な営業員だったが、別の仕事もしてみたいと言う軽い気持ちでオペレータになる。勤務態度も真面目で、周りの人が人だけに目立った存在となっている。

 

春日「えっ?もしかしてラピッドパルスのレンジャー・パイロットと知り合い何ですか?」

辻原「えぇ。三門市に引っ越してくる前の街では僕はご近所さんだったんです。空いた時間があれば近くの会場でプロレス興行を観戦する程、重治君はプロレスが好きなんですよ。」

 

出板「……。」

出板 勤(でいた つとむ)年齢29前職務宇宙船通信士

募集広告を見て宇宙船の通信士から突然オペレータにデューダした。転職前から様々な異星人を見て来たせいか、秘密基地へ来た時も周りの異様さに驚きの声もあげず、黙々と仕事をしている。

 

地味な雰囲気のある中年手前の年齢である勤は直樹と一平が雑談する横で事務仕事の報告書を作成と並行して自宅で作ったサンドイッチを食べている。

 

作戦指令室

ダイアナ「失礼しますわよ。」

ある任務に関する中間報告書を持参して作戦指令室に入室してくるダイアナ隊員。

ベック「例の吸血鬼事件に関する中間報告書?」

ベックの元にダイアナは中間報告書を置きそれを確認しながらベックはダイアナに聞く。

ダイアナ「そうですわね。被害者はどれも若い年齢で、警察が犯人確保の為に囮捜査を実行しているとの事ですわ。」

ベック「職業を始め襲われた被害者達共通点は特になく皆、10代後半から20代後半⋯⋯少数で30代前半⋯⋯」

ダイアナ「あら?イデ隊員と剣持夢想君は?」

何時もなら通信技師が座る席に座っているイデと空いた時間、用意された自分の机でベックやロイドを始めとする先輩隊員達に『お化け屋敷』の訓練生が学ぶ勉強を教えて貰っている夢想の姿が見えない事にダイアナは気付く。

ベック「剣持君は、前の天使騒ぎで怪我をしたようで療養中。イデ隊員はムラマツキャップ達と一緒に九州福岡県の地元近辺に出現したとされる怪獣の調査にいったわ。」

ダイアナ「そうですの?」

ベック「寂しいの?」

笑みを浮かべながらダイアナに聞くベック。

ダイアナ「まさか⋯⋯知っている人の姿が見えなくて心配になっただけですわ。では私は次の仕事がありますので失礼させていただきます。」

元よりベックの前に立つこのダイアナは高飛車で自分の思い通りにならないと機嫌が悪くなる性格の持ち主だが本人もその自分の性格に振り回された被害者でもある為⋯⋯出来る限りは相手の気持ちを考える人間になろうと努力しているのである。

ダイアナ(やっぱり今『お化け屋敷』に足りないのは対怪獣用の大型兵器⋯⋯巨大ロボットなのよね。)

作戦指令室を後にしたダイアナは盗まれた初代ウルトラーV、暴走した2代目ウルトラーVの脅威を考えながら具体的な打開策を出せずに今日まで旧式のロボー47や軟鉄装甲兵弐式八分九厘で何とか戦い抜いた状況を何とかしないと⋯⋯ダイアナは考える。

ダイアナ(対話が可能なのかも分からないレッドマンに頼り過ぎている⋯⋯他の皆もこの状況を良いとは思っていない筈⋯⋯)

 

ハカセの部屋では⋯⋯

ハカセ「グゴゴゴゴゴ⋯⋯」

東大の勉強に疲れ果ててベッドでイビキをあげながら熟睡しているハカセ隊員。

部屋の前までハカセのイビキ声が聞こえてきてカンフーとグラサンは互いの顔を向き合い

グラサン「ハカセの奴寝てね?」

カンフー「寝てるね。」

グラサン「射撃武器の訓練がしたいから誘った癖に寝てやがる。」こめかみをピクピクと引き攣らせながら(#^ω^)の顔をサングラス越しにするグラサン。

カンフー「どうするグラサン?」

グラサン「勿論、起こ⋯⋯すのは流石に可哀想だからやめてやるか。どうするよ?俺達だけで射撃訓練でもするか?」

カンフー「いや、なら俺は格闘訓練の方に行くよ。」

グラサン「そうか。まぁ、時間が出来たし、俺も指令室に提出しないといけない報告書があるから部屋に戻るな。」

二人はハカセの前で別々の方向へ別れる。

 

ポニーは野外訓練場で楽しそうにランニングをして、アイドルとハンサムは小型訓練場で何時も色々とお世話になっている戦闘機を整備員達と共に整備をしてリリアンは射撃訓練場で1人射撃訓練を終えて休憩の合間、持参した紅茶を飲みつつ剣持も読んでいるウルトラQを読書していた。

 

 

一方 三門市の市外の生い茂る森の中では木製孤月と木製レイガストが打ち合う音が響く。

打ち合っては離れてまた打ち合う事を繰り返して移動し息が切れるギリギリまで走りながら広めの場所に相手を誘導し木製孤月を持った染井華は自分を追い掛ける剣持分身体に向けて孤月を構える。

染井「はあぁっ!?」

「……甘い。攻撃動作の無駄が多い。無駄を減らす。」

張り上げない声を必死に張り上げて大振りで振るう華の連続斬撃は剣持Xに簡単に見切られて華に逆に連続斬撃を叩き込む。

染井「ぐっ!?」

事前に用意された防具を全身に纏った華の身体に木製レイガストの刃が直撃し華は後方に倒れ込む。

「常に相手の動きを良く見る。常に追撃に意識を向ける。」

染井「っ!?」

剣持分身体は真正面から迫る唐竹割りの一閃を振るうも華は事前に言われた言葉に反応し木製孤月で受け止めてギリギリ防御し、その状態から剣持は華に尋ねる。

「さぁ、この状態からどう立ち回る?」

染井「一度……相手の得意の間合いから離れる!」

華は剣持Xの腹を自分なりに蹴りを入れて剣持Xから距離を離してゆっくりと立ち上がる華。

染井「はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…」

「素早く息を整えろ。相手はお前が落ち着くのを律儀に待ってはくれない。」そう言うと剣持分身体は素早く迫り木製レイガストを華に向け振り下ろす。

染井「っ!?」

「無傷が無理なら重要な箇所だけを守れ!?」

染井「…っ!?」

此方が防具アリとはいえ次々と剣持が放つ木製レイガストの連続斬撃をとにかく木製孤月で防御する華。全部が無理でも自分に出来るだけ防御に徹して剣持と華が互いの木製攻撃手トリガーをぶつけ合い鍔迫り合いをするも……鍔迫り合いは腕力が物を言う為に普通に華が不利になる。

「力と力の押し合いで勝てないなら力を意図的に抜いて相手の力を利用しろ。こう言う風にな。」

ワザと剣持分身体は力を華より弱くして華は勢い良く押し出してしまい

染井「ちょっ!」

「直ぐに体勢に立て直す。相手の均衡する体勢が崩れたら其処を攻撃しろ。」

華は迫る一撃をギリギリ回避して体勢をギリギリ立て直すと、2撃目が来ると直ぐに理解し剣持分身体と向き合う。

染井(……無傷が無理なら重要な箇所だけを守れ……か…!!!)

守っているだけでは意味は無い目の前の彼には勝てない。攻めるしかない!!決意を露わにした目をした華は剣持分身体に言われた言葉に反応しワザと直撃しなくてもしても構わないから木製孤月で突きの一突きを放つ。

「っ!」

突然の不意打ちの一撃に剣持分身体も反応が鈍くなるも一瞬首を横にずらして木製孤月の一突きを避ける剣持分身体。

染井「っ!?」

【ガンッ!】

だが攻撃動作をした為に振り下ろされた一撃を回避出来ずに金属製の兜で受け止めて衝撃を貰う華。一撃で前のめりになり体勢が崩れて俯せに思いっきり倒れ込む。

「染井さん!!」

思わず名前を叫ぶ剣持分身体。

染井「だっ大丈夫…立てるから……続けましょう。」

駆け寄ろうとする剣持分身体を心配掛けない為にゆっくりと自分の力だけで立ち上がり木製孤月を構える華。 

「本当に大丈夫ですか?少し休憩を……時間的にもうお昼ですし何か食事でも用意…」

染井「いいえ…防御のトレーニングを続けましょう。」

腕は軽く痺れたが咄嗟に片腕を地面と身体の間に挟んで倒れ込む衝撃を減らしたのは本当なのだ。超人のレッドマンが人間の私に身体能力を自分に出来るだけ合わせて鍛えてくれる……その時間の無駄には出来ない。しかもこの剣持X⋯⋯剣持君本人みたいに妙に私に優しい所があるから尚更、私自身⋯⋯目の前のトレーニングに集中しないといけない。

「分かった!」

続ける意思のある華を信じて一気に華の懐に入る剣持分身体は華の肩を簡単に片手で掴むと

染井「なっ!」

染井(距離詰めるの速っ!)

自分が反応し切れない速さで接近されて目を大きく見開く華。

考えてみたら簡単な事だ。彼はマキシボーン山で剣持君がレッドマンで2大怪獣と激闘を繰り広げる間、私を黒いフード付きローブの刺客から守る際に肉眼で追えない速さで戦っていたのだから…

「警戒するのは良いが、相手の目の見える武器ばかりに意識を向けない事。相手の能力や武器の構造が不明なら尚更だ……」

染井「あっ」

「ふん。」

そのまま武器の木製レイガストを持たない方の片手で華を一気に投げ飛ばす。

剣持分身体に投げられ宙にクルクルと回転する中で華は思う。

染井(一分前勝てると一瞬でも考えた自分にビンタしたい……)

天と地ほど実力の差を対峙する度にヒシヒシと感じながら……剣持Xの追撃に意識を割りつつ取り敢えず一番やるべき受け身をする事に集中する華であった。

同時刻

間罪無と成川ジョージはある生物と接触を果たしていた。

ジョージは目の前に立つのは、地球の狼の形状をした黒いネバネバした不定形生物だ。その生物はジョージの知っている生物だった。

成川(惑星ブラックスターの出身の生物兵器?)

???「任務の最中、突然失礼します。私はこういう者だ。」

知性的な声で彼は狼の前足をジョージの前に出してネバネバを不定形に動かして警察手帳を見せる。

成川「それは⋯銀河連邦警察の⋯」

???「異星人凶悪犯罪を担当している捜査1課のボンド警部を申します。」

成川「異星人凶悪犯罪……その貴方が何故この太陽系第3惑星地球へ?」

ボンド「ある凶悪連続殺人犯がこの星に逃げ込み私はその犯罪者を追ってこの星に来たのです。」

成川、間「……。」

剣持達の知らない所で凶悪な宇宙の犯罪者と其れを追う警察官が地球に来訪していた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

三池炭鉱

ムラマツ(県警からの要請を受けた我々、『お化け屋敷』は三池炭鉱にやって来た。)

炭鉱の出入り口からは沢山の炭鉱員達が慌てた様子で外へ出てくる。我々はパトカーから降りて彼らに何があった詳しい事を聞く為に接触を試みる。

炭鉱員「あっ、ヤスさん。」

その中で安岡刑事の姿を見て慌てて様子で近付く炭鉱員がいた。

黒野「知り合いですか?」

安岡「あぁ。」

安岡刑事の反応から見て顔馴染みの炭鉱員の人らしい。安岡刑事も事情を知っているかもと思い彼の方に向かう。

安岡「落ち着け、一体どうした?」

炭鉱員「ヤ、ヤスさん、大変だ、スケザの奴が中にいるみたいだ」

安岡「何だって、スケザが!また酒かっくらって寝ちまったんだな、坑内の温度はどうなってる?」

炭鉱員「さっきよりはだいぶ下がったけどよ、それでも60度はあるぜ!それよりここも暑くってオレはもう行くぜ!」

そう言いたい事だけ言うと彼は逃げるように走るように此処から離れていった。

黒野「?」

小さいが妙な違和感を覚える黒野。

アラシ「怪獣が出るかも知れないのに、全く面倒をかける奴だ」

有害巨大生物の撃退前に人命救助活動が必要になる事が分かったのだが

黒野(??同僚の人達は炭鉱内部の地熱の上昇から自分達の身の安全の為に外へ急いで出ているのに⋯⋯スケザと呼ぶ人物はどうして中にいるんだ?気を失っているのか?)

ホシノ「どうした黒野?何か気になる事でもあるのか?」

黒野「いえ、まだ可能性の段階で⋯⋯中にいると言う炭鉱員について考えていたんです。」

安岡「放ってもおけん。早く助けに行かねば」

イデ「⋯⋯。」

怪獣の活動区域内での人命救助活動は危険度が高い……だが誰かがそのスケザと呼ぶ人物を助けないといけないのも変わらない。

ハヤタ「キャップ、私が行きましょうか」

イデ「キャップ、救出は私めにお任せ下さい」

ムラマツとホシノは誰を人命救助活動の任につけるか考えていると珍しくイデ自ら立候補する。

ムラマツ「どうしたんだ、イデ」

フジ「大丈夫なの?イデ隊員」

安岡「博士⋯」ヤスはイデの立候補に心配そうな顔をする。

ハヤタ「一人で大丈夫か」

フジ「本当に一人で行くつもりなの、イデ隊員?」

アラシ「イデ!!」

黒野「どうして人命救助を?危険な事だぞ…」会話しながら炭鉱員達に許可を貰って人命救助に役に立つツルハシやナイロン製のロープに懐中電灯や坑内のことが記載された詳しい地図を用意する黒野。

イデ「危険な事なんて僕だって分かっているさ。」

同じように近くにあったツルハシや懐中電灯を集めるイデ。そして流れるように坑内の地図を黒野から貰う。

黒野「ならどうして?」

さっきの炭鉱員の証言でスケザの事が気になり人命救助活動を立候補しようとしていた黒野はイデに聞く。

イデ「何、クプラトンの件でドジった事を引き摺っていたのも勿論あるんだけどさ。」

少し落ち込むように答えるピタッと元気良く顔を上げて

イデ「昔は臆病者の弱虫博士と呼ばれたイデ少年も、かくも逞しく成長致しました。人命救助の為ならば例え火の中水の中。いざ、参る!ではキャップ」口調はやや巫山戯ている物のその表情は至って真剣そのもので…

ホシノ「………決心は固いようだな。イデ。」

イデ「えぇ。」

ムラマツ「イデ、本当に一人で行けるか?」

普段のイデを知っているとやはり少し心配になるキャップ。

イデ「大丈夫、任せて下さい」

そう自信満々に答えるイデを見るハヤタ達。

ハヤタ「珍しくイデの奴、はりきってるな」

アラシ「随分やる気になってるみたいだな」

安岡「ここはひとつ、博士のお手並み拝見ってところだな」

フジ「怪我しないでね」

ムラマツ「⋯⋯イデ、頼む」人命救助の任務をイデに任せる事にするムラマツ。

イデ「私も通信技士ですが、『お化け屋敷』の一員です。御心配なく」

安岡「博士⋯お前⋯」

ハヤタ「とり残されたのは、他にいるのか?」

炭鉱員「いや、スケザだけだ」

アラシ「イデ、坑内はどうなっているか分からん。気を付けて行けよ」

フジ「イデ隊員、お願いね。早くスケザって人を助け出してきて」

イデ「ではでは、アキコ隊員、イデ隊員の大活躍に乞うご期待。行って参ります、キャップ!」

ムラマツ「気をつけてな」

イデ「ハイ!」

そう言い終えるとイデは炭鉱員達から貰った色々な役立つ物が入ったリュックを背負って炭鉱の出入り口へ向かう。

 

安岡「博士、気をつけろよ!」

ハヤタ「上手く助け出してくれるといいが⋯」

アラシ「イデ、しっかり探してこいよ!」

フジ「本当に一人で行ってしまったわ」

皆からの返事はなかったが一度皆に返事の意味を込め片手を上げて出入り口に入いろうとした瞬間、一度盛大にズッコケる。その様子を一同は見て沈黙するも

黒野、ホシノ「⋯⋯。」

だが直ぐにイデ隊員は起き上がり今度こそ暗い炭鉱内部へ入っていった。

黒野、ホシノ(凄く心配だ⋯⋯)

頼もしい上げ下げの変動が激しい為不安な気持ちが消えないのはイデゆえか⋯⋯

安岡「博士の奴⋯」

ハヤタ「しかし、キャップ。本当にイデ隊員一人で大丈夫なんでしょうか」

アラシ「イデ一人で大丈夫かな?どうも不安だな」

フジ「張り切って行ったけど、本当に大丈夫なのかしら」

ムラマツ「イデを信じよう」

 

イデが、炭坑の中へ猛然と走って行った。

ホシノ「我々はどうします?一度、マッハビーストに戻りますか?」

ムラマツ「我々は此処でイデの帰りを待つ。」

ホシノ「わかりました。」

【⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯】

 

 

その頃 三門市のボーダー本部

夢想は自称ゲームマスター国近柚宇と白熱した対戦ゲームをしていてのだが「コラっ柚宇、勉強しなさい!!」と太刀川隊の部屋に来た鈴鳴第一のオペレーター今結花に国近先輩は連れてかれた。国近先輩は涙を流しながら俺の首を棒を掴むみたいに両手で絞めたまま抵抗するも今先輩が連れてきた自称成績は中くらいと言うゾエハート様こと北添隊員と接点が余り無い個人ランク狙撃手1位のリーゼントヘアーが特徴の当真先輩を使い国近先輩を含めた四人でシュプレヒコールの波を歌いながら国近先輩は尚も激しく抵抗をするが…

国近「ひえぇぇ〜〜剣持君!?お金あげるからこのママから私を助けて〜〜」涙をチョチョ切らせながら叫ぶA級部隊1位のオペレーター。

今「誰がママよ!?柚宇の今後の為を思って心を鬼にしているのよ!!剣持君。こんな隊員に絶対になっちゃ駄目よ!?」

「先輩。学生の本分は勉強ですよ。」国近先輩の今後の事を考えて助けない事にした剣持夢想。

国近「この裏切り者〜〜」今先輩達に連れてかれる国近先輩の両手は剣持の首から手を離されて

〔推奨挿入歌デビルマンの歌〕

そのまま今先輩達に連れてかれずに隊室の自動ドアの縁にしがみつく。

今「観念しなさい!!柚宇!?」

国近「レッドマンだってどんな怪獣が相手でも諦めないんだ!?私も諦めないよ!?」

(ベム……)

(分かったよ……)

自分の戦う際に大事な諦めの悪さを出されて何とも言えない顔をするもこんな時に使う事ではない為に剣持は国近に近付いて

「国近先輩……勉強しましょうよ。」無表情だが口元は笑みを作り心から優しく諭す剣持。

国近「ヤダーー!!」ダンジョン飯のマルシルの顔芸をする国近柚宇。

「………国近先輩。ジャンケンしましょう。」

国近「その手には乗らないぜ!?ぐへへへ……」女の子がしちゃいけないゲスな顔をする国近。

「『お化け屋敷』の科学者が開発したゲームに興味ありませんか?」

国近「ほへ?」

「『お化け屋敷』の商品開発室が開発したゲーム……"ウルトラポッキンランド""シューティンガーZ"サルネコ秘伝帳"ポッキンファイター23"……やった事ありませんか?」

国近「凄く地雷の香りがするのに興味を感じてしまうのがゲーマーのサガ…もしかしなくてもクソゲーかい?」

剣持の口から出されたゲーム名は現在建て直し中のデパート、ゲンブ百貨店内に売っているゲームの名前だ。勿論、国近は一つも聞いた事は無い…

「今度別の機会に其れ等のゲームで遊びましょうよ。」

国近「それはとても嬉しい誘いだけど、ソレはソレ。コレはコレ!!」

「はぁ〜〜」

柚宇の勉強したくない頑固さに剣持は小さくため息を吐く部隊室にあった緊急停電用の懐中電灯を持ってきて国近の顔に向けてこう言う。

「ん、バルス。」

至近距離に眩いライトの光を突然、浴びせられて反射的に国近は両手で目を覆う。

国近「目がああ〜〜〜」

ムスカ大佐のコスプレをした国近は両手をドアの縁から手を離した為に今先輩に連れてかれるのだった。

今「ご協力感謝するわ。剣持訓練隊員……」ドーラ一家の格好した今先輩はムスカ大佐の格好をした国近先輩を引き摺りながら礼の言葉を言う。

「ボーダーの訓練隊員としての当然の義務を果たしたまでです。では国近先輩。お勉強頑張って…」

国近「剣持君の馬鹿〜〜!!」

手を振りながらそう言う剣持にそう叫びながら国近の姿は通路から消えて行くのだ。

(コレで今度、国近さんの機嫌を直すのは確定で……)

「さて……」

ゲームの電源を切りゲーム機を棚にしまい。太刀川隊の部屋にいる理由が無くなり自然と暇な時間になる。

(どうする………ラウンジに戻り勉強の続きをするか。今してる分身体がしてる染井さんの特訓に付き合うか…それとも、C級個人ランク戦でポイントを集めるか……B級隊員と模擬戦でもしようか……)

太刀川隊の部屋を綺麗に掃除してから部屋を出て通路を歩きながら思考して剣持はふと立ち止まり……

(よし。たまには自転車の整備でもしよう。)

俺の死体に憑依するベムは意外にも手先が器用で、乗り物の整備が上手い……『お化け屋敷』でも空いた時間、サンダース隊員やキム隊員達がするローバーの整備を手伝う事がある。ロボットといった大型兵器は流石に一人で整備は出来ないが、車程度なら必要な道具一式と部品があれば修理可能だ。

 

剣持はそう思いボーダー本部内を歩いていると、途中で生駒隊の隊員達と遭遇する。

水上「おっ、剣持。」

「生駒隊の皆さん。こんにちは。」

水上「なぁ、剣持。イコさん見ていないか?」

「イコさん?」

言われてみたら硬派な強面で軽いノリが特徴的なイコさんこと生駒隊長の姿が無い。

「俺は見てませんよ。」

付近にイコの気配を感じないし、此処にはいない事を言う剣持。

細井「ホントに何処行ったんやか⋯⋯イコさん。」

心配そうな表情を真織はするが、敏志は思案顔しながら言う。

水上「でもやっぱり、ここ数日隊長の姿見ないのはおかしいな⋯⋯」

「えっ?数日もイコさん見掛けていないんですか?」

南沢「寮にも帰ってきていないって管理人の人から教えて貰って心配なんですよ。」

「何処か行くとか言っていましたか?」

隠岐「いいや、最後にイコさんと会話した時も、何処かに旅行するとかの話も聞いてないし⋯⋯見た所変な所はなかったですわ。」

水上「取り敢えず、剣持もイコさんを見たら俺等に教えてくれると助かるわ。」

「分かりました。」

そう言いイコさんがいない生駒隊は剣持から離れて行く。

「⋯⋯。」

剣持は知り合いの生駒の事を心配するも、生駒隊の皆があんなに探しているし直ぐに見つかるとこの時は思っていた⋯⋯

 

九州 三池炭鉱では

フジ「やれやれ、お調子者のイデ博士にも困ったもんだわ」

皆がイデを心配している心配の場の気を取り直すようにフジ隊員が言うと安岡はゆっくりと首を縦に振るい

安岡「昔と同じだ、変わらんな…」

フジ「え?」

安岡「気が小さくて泣き虫で、その癖見えっ張りでガキの頃の博士そのものだよ」

フジ「まぁ!」

アラシ「確かにアイツ調子者の印象が強いけど何だかんだ繊細な所もあるし⋯」

黒野「自分のミスで俺達の面目が危なくなると責任を感じて危険な場所で無謀な事もする奴でもある。」

安岡「そうなのか⋯」安岡刑事は少し驚いている様子だ…まぁ、通信技士って内勤だから危ない場所で無謀な事をする場面は子どもの頃のイデにはなかったのだろう。

黒野「でも⋯⋯根性はある。さて準備も完了しましたし…ホシノチーフ。俺達も行きますか。」荷物を背負いツルハシを持ってホシノチーフと共に炭鉱の出入り口へ向かう。

ホシノ「あぁ。」準備万端のホシノは炭鉱前に待っていた。

アラシ「え!黒野達も炭鉱に入るのか?」

黒野「俺とホシノチーフがイデ隊員のサポートします。それなら救助活動の成功の確率がグッと上がりますからね。」

ホシノ「ではキャップ。こっちは任せて下さい。」

ムラマツ「あぁ。イデ達を頼んだぞ。」

黒野もホシノチーフも暗い炭鉱に足を踏み入れるのであった。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〔推奨BGM 焦慮〕

イデ「一人スケザ救出に向かった私イデは、高温の炭坑内を進んでいた。」

炭鉱内部は炭鉱員の言ったように高温で身体から汗が滝の如く流れながらイデは先を歩いていた⋯⋯だが心細いのか独り言を口にする。

イデはある程度歩きながら、丸めた両手をメガホン型にして口に手を当てて周囲に大きな声を出す。

イデ「おーい!スケザー!大丈夫かー!生きてたら返事しろー!」

狭い炭坑内にイデの大きな声が反響し、暫く反応を待つも誰の返事もなく逆に熱さを感じてしまう。

イデ「何て熱さだ。グズグズしてると、こちらまでダウンしちまう。」

スケザの状態が何も分からない為に時間との勝負となる。救助する自分が逆にダウンしてはミイラ取りがミイラになる。イデは急ぎ先を進む。

 

イデが出した大きな声に反応したのは、イデの先に居るであろうスケザではなくイデの後から炭坑内に入った黒野とホシノの二人だった。

黒野「イデの奴。叫んでいますね。」

姿はまだ見えない物の聞こえてきた声から距離を知る二人。

ホシノ「だがお陰でかなり距離は近い⋯⋯黒野。平気か?」

黒野「俺は問題ありません。其れよりも、イデとスケザと言う人が心配です。」

ホシノ「あぁ。急いでイデの奴に合流しよう。」

 

 

そんな二人がついて行く事に気付かないイデは熱い炭坑内を必死に歩いてスケザを探し続ける。

イデ「う〜〜ん。⋯⋯うん!?」

周囲を見回していると、炭坑作業員が被った黄色いヘルメットに気付き急いでその場所に向かうと、ややお腹が出ている中年男性が其処に倒れていた。

イデ「おお!スケザが倒れている!」

イデは慌てて倒れているスケザに駆け寄る。負担の少ない体勢にし呼吸や脈を確認して生きている事を知り聞きたい事はある物の救助対象を無事に発見した事に安堵するイデ。

スケザ「⋯⋯。」

イデ「おい!しっかりしろ!大丈夫か!」

身体を軽く揺するも反応が浅いのかイデはスケザの頬を軽く片手でペチペチと叩きスケザの意識を覚醒させる。

スケザ「う、ううっ」

イデ「もう大丈夫だ。このイデ隊員が君を救助しにきた。」

スケザ「うわぁ!助けてくれー!く、食われてもダイヤは渡さねぇぞ!」

満面の笑みでスケザを安心させよう優しく言葉を言うも、意識を覚醒したスケザなる人物は、イデの顔を見ると突然暴れ出して見当違いの言葉を次々と連ねる。

イデ「なっ!?ちょっと落ち着いてくれ!」

スケザ「巫山戯るな!?お前も俺のダイヤを狙っているんだろ!」

イデ「何の事だい、私は助けに来たんだ」

スケザはイデを両手で払い除けて無理矢理立ち上がりイデに向かって情緒不安定に言う。

スケザ「うわあああ!く、来るな!俺に近寄るなァ!」

イデから自分勝手に距離を取ろうとするスケザに対してイデは出来るだけ言葉を優しくして説得する。

イデ「スケザ、頼むから一緒に坑外へ行こう。」

相手が救助しにきた自分を見て予想外の行動をし始めるも、自分が怯えさせたと思い落ち着かせようと言葉を続けるも、

イデ「兎に角落ち着いてくれ……私は君のそのダイヤとやらは持ってはいない。今この炭坑はとても危険なんだ。君のダイヤについて詳しい話をするなら、尚更一緒坑外に出ないと……」

スケザ「と、とぼけるな!このダイヤモンド泥棒が。お前もあの怪獣も一緒だぁ!」

出来るだけ落ち着かせようと言葉を選んで説得しても勝手にヒートアップする始末だ……うん?今、怪獣って言ったのか?

イデ「怪獣!見たのか、怪獣を!おい!」

スケザ「渡さねぇ、俺のダイヤだ!!誰にも渡さねぇ!ウェへッへッへ!」

スケザ「ダイヤ、俺のダイヤ!」

怪獣と言う気になる単語について詳しい事を聞こうとしたら、このような反応になって正直、何を想像しているのか想像したくもないが、こんな人でも救助対象には変わり無い為に説得を続けようとするイデ。

だが炭坑内に大きな地響きが響き渡り⋯⋯

黒野、ホシノ「「急ぐぞ!?」」

その地響きはイデの直ぐ近くにいた黒野達にも聞こえてきて二人は合流する為に走りだす。

イデ「この揺れは、発電所の時の⋯⋯なら!?」

イデは近付いてくる地響きの方向に急ぎ視線を向ける。目の前に

ある炭坑の壁が内側からモリモリと崩れると共に茶色の四足歩行の巨大怪獣がイデとスケザの前に遂にその姿を現す。

スケザ「ひいいい、出たぁ!」

ダイヤダイヤと口煩く言っていたスケザは地底から姿を現した地底怪獣の姿を目撃して叫び声を上げると共に勢い良く腰を抜かす。その顔は真っ青である。

イデ「おのれ、出たな!怪獣!?」

本当はスケザと同じ反応をして気絶したいのに仕事は通信技士だけど『お化け屋敷』の一員と自分を鼓舞して腰のホルスターから素早く電磁レールガンを引き抜き怪獣に向かって構えるイデ。だが構えるだけで怪獣に向かって無闇矢鱈に撃ちはしない……相手がどんな能力を持っているのも分からないし優先すべき救助対象がいるんだ。

怪獣の外見は爬虫類のような顔をしているも、頭と顎に硬い角では無く角に似た金属製に見える突起のような物を生やしていた。

 

 

 

イデ「何とか怪獣の注意を外らしながら、その隙に逃げよう。」

自分はスーパーマンじゃないから単身怪獣に勇猛果敢に挑んでも簡単に殺されてしまう。怪獣がこの炭坑内に姿を現した途端炭坑内の温度が更に上がった。イデは炭坑その物が高温を発しているのではなく目の前に見える茶色の四足怪獣がこの炭坑内を熱くしていたと理解する。

スケザ「熱い⋯⋯」炭坑内の温度の上昇に苦しい表情をするスケザとイデ。

イデ「確かにこの怪獣、もの凄い熱を帯びているぞ」

怪獣の帯びた熱で近くにいる人が炭化や内臓破裂や全身水膨れと言った状態になる程にはならないが、あんまりこの怪獣の近くにいると季節外れの熱中症に成りそうだ。

イデ「畜生!?こんな所に長いは無用だ。私達はとっとと坑外に帰らせて貰うぜ!?」

イデは万能ヘルメットの内部からゴーグルをスライドさせて更に熱対策に外側のバイザーも下ろし何処かで聞いた事のある台詞を言いながら0.6㎜電磁レールガンを9㎜ランチャーモードに変形させて地底怪獣改め地熱怪獣に向かって発砲する。

 

 

イデ「うわー!」

炭坑内に鳴る銃声に何かに命中した音、更に後から聞こえた怪獣の咆哮にイデの気の抜けた悲鳴が響き渡り

黒野、ホシノ「イデ!?」

チーフと素早く顔を見合わせた黒野は持参したブラックランチャーを持ち構えてイデ達を心配して急ぎ先を走る。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

一方三池炭鉱の入り口では

ムラマツ【我々はイデ達が、スケザを救出して来るのを、炭坑入口の近くで待っていた。】

だが事態は思わぬ展開を向かってしまう。我々が目の先にある炭坑に再び大きな揺れが発生しその揺れが原因で

ハヤタ「あっ!」

ハヤタが直ぐに気付くも既に遅く

炭鉱員「ら、落盤だ!」

ムラマツ「イデ!黒野!?ホシノ!?」

坑外に出る為の役割も持つ炭鉱入り口が揺れで発生した落盤で埋もれてしまう。安岡達は直ぐに落盤が遭った場所に向かう。

安岡「ヤバい博士達が閉じ込められた!」

アラシ「こりゃ入り口の落盤をどかさんと、助けに行けそうにないぞ」

フジ「イデ隊員応答せよ、イデ隊員!イデ隊員!」

フジ隊員は直ぐに腕時計型通信機で連絡するも応答が無い……

アラシ「黒野隊員!?聞こえているなら返事してくれ!?黒野隊員!?黒野隊員!?」

アラシも腕時計型通信機を使い炭坑内に入った黒野達に連絡するも彼らから応答は無い。

更に炭鉱が激しく揺れ始める。小さな石コロが幾つも地面に落下して

ハヤタ「いけない!?皆、直ぐに入り口から離れろ!?」

「「っ!?」」

ハヤタの声で安岡刑事達は一度入り口から離れて揺れが収まるのを待つ。長く短い揺れが落ち着くと……

ハヤタ「落盤はおさまったようです」

 

フジ「イデ隊員達は無事かしら」

アラシ「今の揺れは大きかったぞ」

安岡「怪獣が動き出したのか⋯⋯」

ハヤタ「何て事だ!」

ムラマツ「皆⋯⋯!」

入り口に立ち往生する『お化け屋敷』の面々。そんな時、安岡刑事が乗ってきたパトカーの警察無線から再び連絡がくる。

《県警パトロール車より科学特別機動捜査隊へ、三池炭鉱近くのレインボー・ウェイに怪獣が現れました。至急現場に急行をお願いします。》

安岡「クソ!奴め、裏に回ったな!」

アラシとフジはパトカーからムラマツキャップの方に向き直り

アラシ「キャップ、どうしますか?怪獣がまた暴れ出すと大変です」

フジ「でも、イデ隊員やホシノチーフ達の事も心配だわ。連絡

出来ませんし」

安岡「やはり地震と怪獣は関係があるんだ」

ハヤタ「怪獣が出現した時に、地震が発生したという事だったら…もしかして、怪獣が動くと地震につながるのでは…」

 

他の人達の意見を聞き入れながらムラマツは冷静に状況を整理する。イデ達は炭鉱に閉じ込められて救出しないといけないのは確かなのだか既に怪獣は地底から姿を現し行動を開始した。どちらも捨て置け無いがその2つの選択肢で優先すべきは……

ムラマツ「安岡さん。」

ムラマツは安岡刑事の方に視線を向け声を掛ける。

安岡「ムラマツさん。俺は貴方の判断に任せます。」

ムラマツ「では安岡さん。貴方はイデ達の事、頼みます。」

安岡「博士達の事は任せて下さい……博士は私が助けます。」

イデ達の救出を安岡刑事達にお願いして安岡も決意を口にする。

ハヤタ「キャップ、我々はどうしますか?」

フジ「キャップ!」

ムラマツ「そんなの決まっているだろう。イデの事も気にかかるが、今は怪獣を倒すのが先決だ。」

アラシ「キャップ、じゃあ我々は怪獣の方に!」

ムラマツ「あぁ、直ぐに本部に連絡して大型兵器の出動要請をしよう。」

アラシ「分かりました。」

ムラマツ「さぁ、我々も動くぞ。」

安岡「炭鉱員達に命令して、入り口にある落盤を火薬で爆発させれば、通れるようになるでしょう」

ハヤタ「安岡さん⋯」

安岡「博士の為なら、たとえこの身がどうなろうとかまわない」

ハヤタは幾ら親代わりに面倒を見ていたとはいえイデの為に自分の命すら投げだそうとする安岡の様子に親しい間柄を超えた何かを感じ取る。

ハヤタ「安岡さん、イデを頼みます」

アラシ「ようし、怪獣め!俺が相手してやる!」

フジ「キャップ、命令を」

ムラマツ「直ちに現場に向かう!」

アラシ「ハイ!!」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〔推奨BGM 恐怖のネロンガ(B3B)〕

時間はアラシ達が三池炭鉱にまだいた頃に遡る。

勢い良く大地が盛り上がると土砂を掻き分けて姿を見せる地熱を帯びた茶色の蜥蜴のような外見をした地底怪獣。

「「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」

 

地熱怪獣ゴロモス

身長30㍍ 体重5万4000㌧

出身地 九州地底

石炭を主食として地底に暮らしている怪獣。食べた石炭は高温高圧の体内器官でダイヤモンドに作り替えられ、体表に浮き出ている。性格は大人しいが地底での行動は敏速。

地中の石炭を食い尽くしてしまい、腹を空かせて地上に出現。

 

怪獣はその動く巨体で生い茂る緑の山林を薙ぎ倒しながら炭坑に向けてノシノシと我が物顔で足を進める。

怪獣出現の情報は警察無線から速やかに『お化け屋敷』本部基地の搭載された対怪獣用レーダーにしっかりと反応を示す。

 

 

数分前…三門市 『お化け屋敷』作戦指令室にて

馴染みのドーナツ店からお持ち帰りした大好きなドーナツと缶コーヒーを指令室に持ってきて通信技士の席に座ろうとする。ステップを踏みながら嬉しそうにドーナツを食べようとするも何気なくレーダーに視線を移すと同時にいきなりアラームが鳴り響く。

〔推奨BGM W.I.N.R.出撃せよ(M-6)〕

梁木「……対怪獣用レーダーにシグナルが一つ。怪獣のサイズはカテゴリー2。」

アラームはやがて指令室全体に鳴り響き、美和隊員の明るい雰囲気が鳴りを潜めて仕事をする真剣な雰囲気に変わる。

梁木「レーダーに怪獣をキャッチしました!!」

通信オペレーター用のイヤホンを耳にすかさず装着しイデの代わりに指令室の通信オペレーターを指名された梁木美和は、大きな反応が出た怪獣レーダーに視線を向けながら声を大きくして指令室内にいる隊員達に知らせる。怪獣出現により隊員達は各々のやるべき業務を途中で止めて最優先事項をする為に一斉に動き出す。急いで室内にいたエドランド隊長とベックチーフが梁木隊員の傍に寄り、

エドランド「梁木隊員。怪獣レーダーに反応があった出現場所は分かるか?」

梁木「はい!?場所は……九州の三池鉱山近辺です!!」

ベック「九州……ムラマツキャップ達が出動した場所ね。」

すると指令室の高性能通信機から通信が入る。

サンダース「怪獣が出たのか!?なら俺達も直ぐに現場に向かおうぜ!?」

仲間を心配し急ぎ出撃に動こうと考えている隊員達……

その時、通信機からある場所から連絡が入る。

梁木「はい。此方科学特別機動捜査隊。……それは本当ですか!?」連絡してきた相手からある報告を貰い驚きの返事をする梁木美和。

エドランド「どうした?梁木隊員。」

梁木「エドランド隊長。電光磁研究所から連絡入っております!!」

エドランド「何!?」

エドランド(電光磁研究所から⋯⋯まさか!?)

 

梁木「メインモニターに表示します。」

美和の言葉が終わると同時にメインモニターに姿を現すのは電光磁研究所の所長と研究所に勤めている科学者達。

研究所所長「エドランド隊長。例の大型兵器が完成しました!!」

エドランド「それでは!?」

研究所所長「今から専用トレーラーで基地へ輸送する予定です。」

ベック「隊長!」

エドランド「あぁ。研究所所長。現在九州の三池炭鉱付近に怪獣が出現した報告があった。」

研究所所長「怪獣のカテゴリーは?」

梁木「カテゴリー2です。」

電光磁研究所所長に情報を伝える美和。

エドランド「サンダース。手の空いたレンジャー・パイロット達を集めてアタックシューターを直ちに出動。」

サンダース「了解!?」

エドランド「研究所所長は大型兵器をトレーラーに輸送出来ずに起動準備をしておいて下さい。最初の目的地は電光磁研究所だ。其処でレンジャー・パイロット達を降ろし燃料補給を終えてから九州の現場に急行してくれ。」

研究所所長《分かった!?》

サンダース「分かりました!?」

サンダース隊員は万能ヘルメットを持ち直ぐ様、作戦指令室を後にする。

エドランド「梁木隊員。基地通信を使い基地内にいるレンジャー・パイロット達を小型格納庫に集結するように指令を頼む!」

梁木「分かりました。」基地通信の電源を付くと、梁木美和は指令を出す。

エドランド隊長の指示で基地内部全域スクランブルを鳴らし職員や隊員達の雰囲気は仕事をする雰囲気に変わる。

梁木《九州、三池炭鉱付近にてカテゴリー2の怪獣が現出。各員指定された配置についていて下さい。尚、レンジャー・パイロット達はアタックシューターが配備された第3小型格納庫へ集結するように……繰り返します。九州、三池炭鉱付近にてカテゴリー2の怪獣が現出。》

 

格闘技区画の訓練室にいたカンフーは超空忍者シゲハルと模擬戦をしている最中に聞こえた緊急スクランブルに反応して

カンフー「悪い。俺行かないと!?」

隊員服を急いで羽織って訓練室を慌てた様子で出るカンフー。

シゲハル「気を付けろよ。」

 

居住区画のハカセの部屋にて

目指せ東大と書かれた鉢巻きを頭に巻いて熟睡しているハカセ隊員が突然鳴り響くスクランブルに驚きベッドから転げ落ちる。

ハカセ「なっ!レンジャー・パイロット出動要請!?」

床に落ちて起床するハカセは慌てて着替えて万能ジャケットを羽織りスリッパを履いたまま自分の部屋を後にする。

 

特徴のサングラスを外した誰も知らない素顔を晒すグラサン隊員も合間合間に缶コーヒー片手を飲みながら指令室に提出する報告書を自分なりに書いている途中に鳴り響いてきた緊急連絡を聞き。

グラサン「このスクランブル……怪獣かよ!?」

報告書を途中にして急いでサングラスを付けてバイクのヘルメットを片手に部屋を後にして居住区画の駐車場にあるバイクに向かう。

 

黒野の屋敷の外の野外訓練場にて自前のジャージ服を着て自主ランニングをするポニー。

ポニー「⋯⋯。」

ポニーはランニングを途中で辞めて三門市の市街地、そして⋯⋯ボーダー本部に視線を向ける。

ポニー(…染井さん⋯⋯最近此処にこないな。)

染井華⋯⋯変わった悩みを私に相談してくれた大人びた女の子で、自分が言うのも変な感じだが妹のような感じで見ている子だ。悩み相談した結果……悩みは解決したのかポニーは気になった。

ポニー(今度本人にあった時に聞いてみようか⋯今度はドーナツでも持って⋯)

そんな事を考えながら自分のノルマのランニングを再開しようと再び走ろうとしたその時、怪獣が現出したスクランブル音が近くの建物から聞こえて

ポニー「っ!!」

ポニーは気持ちを真面目に切り替えて天真爛漫な表情から真剣な表情に変わり急いで出撃準備をする為に作戦指令室へ全力ダッシュで走る。

 

 

小型格納庫のジェットホバーの整備を整備員達と共に手伝うアイドルにハンサム。だが聞こえてきたスクランブル音に

アイドル「コレって怪獣現出を報せる通報!!」

梁木隊員のアナウンスがレンジャー・パイロット達に聞こえて

ハンサム「アタックシューターへ向かおう。」

伴「後は俺達に任せてくれ!」整備班代表の伴秀樹が三人にそう言うと

アイドル「途中で抜けてすいません!!」謝りの言葉を言いつつ念の為に持ってきた万能ヘルメットを被り直ぐ様走るアイドル達。

ムラマツ《指令本部。九州に現れたとされる怪獣は地底を俊敏に移動する。至急戦闘機部隊を出動させてくれると助かる。》

指令室ではムラマツキャップの要請でボーダーではなくSAFにモグリアンの出動要請を出していた。

エドランド「此方も直ぐに現場に向かう。それまでムラマツキャップ達も気を付けてくれ。」

 

 

ボーダー本部を出て自宅へ向かう夢想はせっかくだから、超能力のワープを使わずに、普通に歩いて帰宅しようと考えていた。そんな時、ふと意外な人と遭遇する。

「あっ。」

鏡「あっ……」

その帰宅する途中、俺は……鏡拓也と出会った。彼は俺の顔を見て目を見開くも、何か申し訳なさそうな表情になり彼は俺の顔を罪悪感をあるように目を逸らす。

「………。」

この時、俺…僕は、既視感を覚えた。そう…小学校時代。香取さんや染井さんと会う時の自分だ……天才肌と努力家の二人の凄い所を知れば知る程……友達として相応しくないと劣等感を感じて一緒にいる事に申し訳なくなった自分だ。

そう思うと何だか肩を落とした彼を放っておけなく感じて

(染井さんなら……香取さんなら……イコさんなら……ボーダーの皆なら…)

「えぇっ⋯⋯と鏡拓也君だよね。」ぎこちなく名前を思い出す剣持。

鏡「はい……剣持さん。」

(前会った時より彼の態度や反応で壁や溝があるな⋯⋯)

一生懸命さが伝わった喜怒哀楽が激しい印象が鳴りを潜めて何やら落ち込んでいる様子だ。

「拓也君。少し時間あるかい?」

鏡「えっ?」

気がついたら僕は行動していた……

 

 

九州 竹原発電所付近で着陸しているジェットモンガー内部

サコミズ「……。」

操縦席に座るのは神妙な表情をするサコミズ隊員も怪獣出現の報告を貰いハヤタ達が大型戦闘攻撃機ジェットモンガーに戻ってくるのを今か今かと待つ。

やがて聞こえてきた足音に反応し搭乗出入口の視線を向けるサコミズ。

ハヤタ「すまない!遅れた!?」

サコミズ「いや、大丈夫だ!離陸して怪獣が進行方向にある市街地に向かうのを阻止しよう。」

ハヤタ「いや、実は怪獣が目指す進行方向の途中にある三池炭鉱内部にはイデ隊員達が炭鉱作業員と一緒に中にいるんだ。」

サコミズ「何だって!?」

ハヤタ「だから、怪獣を三池炭鉱の進行方向から別の方向に向かわせる必要がある。」

サコミズ「分かった!?」

【怪獣は炭坑に接近している。炭坑内にいるイデ達に危害が及ばないようアラシ隊員は地上から、他の隊員は『マッハビースト』に搭乗して奴を阻止する。】

 

炭坑を真っ直ぐと目指す地熱怪獣の接近を止める為に空の彼方から姿を現す2機の戦闘機。

サコミズ《此方サコミズ。有害巨大生物確認。》

ムラマツ「此方も確認したボーダー本部所属メディア対策室根付室長から有害巨大生物のコードネームを以後ゴロモスと名称する。》

アラシ《ゴロモス?また地底怪獣らしさがある良いネーミングだな。》

地上で移動している途中アラシはそう答える。

ムラマツ「先程一の谷博士からの連絡で政府の許可を貰いゴロモスへの攻撃許可が下りた。」

アラシ《良かった⋯⋯此れで怪獣保護団体に文句を言われずに済む。》

赤と銀の戦闘機マッハビーストと金と青のジェットモンガーが怪獣の顔近くへ通り過ぎ突然、空から通り過ぎるように現れた2機の戦闘機に地熱怪獣は一度前足を止めて視線を炭坑から戦闘機達へ移す。

サコミズ《よし!注意を逸らす事に成功したぞ!》

「「⋯⋯⋯。」」

珍しい地上の空に飛行する未知の金属の空飛ぶ生き物達に興味を持つ地熱怪獣だが……発達した嗅覚が常食である石炭の匂いに反応しその石炭の匂いが漂う三池炭鉱に視線を戻して本能に従い怪獣は再び炭鉱へ目指して前進する。その様子を見たアラシはすかさずムラマツに連絡する。

アラシ《駄目ですキャップ!怪獣はマッハビースト達の誘導に反応はしましたが、依然イデ達が潜っている炭鉱へ向かっています!》

怪獣と攻撃するより先に自衛隊や福岡県警と大牟田市警達が連携して怪獣が進行にある市街地に住む住民達を大急ぎに避難所へ避難させている中、市の住民達が避難する時間を稼ぐ意味でも怪獣を食い止める必要がある。

ムラマツ「サコミズ隊員。攻撃する前に相手の事を分析を忘れないでくれ。ゴロモスの能力は発電所を破壊して様子から見て高熱火炎の可能性が高い。充分気を付けてくれ。」

サコミズ《了解!?》

空中で旋回した2機の戦闘機は前進する地熱怪獣の頭部に狙いを定めて急降下しながら接近し

ムラマツ「これ以上炭鉱に近づけさせる訳にはいかない!?総員攻撃開始!!」

「「了解!?」」

キャップの掛け声と共に両機、主翼端にある主力武装の対怪獣攻撃用ミサイルを発射する。

「「っ!!」」

怪獣は空を飛ぶ2機の戦闘機から突然、放たれた対怪獣攻撃用ミサイルに驚くも、回避するには間に合わず全弾命中しゴロモスの頭から着弾による爆発が起きる。

「「っ!!」」

ゴロモスは怒り反撃の意を込めて口から高熱火炎を空を飛ぶマッハビーストやジェットモンガーに向かって放つ。

サコミズ《回避!?》

予想より高く炎が伸びていき2機の戦闘機は急いで左右に分かれて高熱火炎を避ける。

ハヤタ《キャップ。怪獣ゴロモスが放つ火炎はビルガメラーの火炎より飛距離があるようです。》

ムラマツ「あぁ。地底怪獣だからと言って油断は出来ない……相手は竹原発電所を短時間で破壊尽くした怪獣だ。気を付けて掛かろう!?」

サコミズ《キャップも充分気を付けて下さい。》

怪獣はビーストとモンガーの先制攻撃で進行を一度止めて飛び回る2機を敵と判断して上空に視線を向ける。

その間に、アラシは地上から攻撃を敢行する為に怪獣の元へ向かっていた。

アラシ「…流石に九州までボーダーに援護を要請するのは、難しいな……」マッハビースト内部から持ち出したブラックランチャーと小型4連装ロケットランチャーを担ぎながら必死に怪獣がいる所までアラシは1人走るのだった。

高熱火炎を回避されてはレーザー砲や対怪獣攻撃用ミサイルで激しく攻撃されるゴロモスは攻撃を貰いながら三池炭鉱にその足を目指していた。空中から地上の怪獣に対して絶えず攻撃し足止めをする2機の戦闘機だが地熱怪獣の足は止まらない。

ゴロモスは大きな咆哮を上げてマッハビースト目掛けて高熱火炎を放つ。顔を上へ向けていたゴロモスの近くに小型4連装ロケットランチャーとブラックランチャーを持ったアラシが駆け寄る。

アラシ「この距離から攻撃可能だな。」

アラシは射程距離内に接近して怪獣に向けて小型4連装ロケットランチャーを肩に担いでゴロモス目掛けて発射する。発射の際の反動に軽く足を踏ん張るアラシ。アラシの攻撃はゴロモスの顔に直撃し爆発、怪獣はその威力に怯み軽く後退する。

アラシ「よっしゃっ!!」

命中を確認し声を上げながら再び怪獣に狙いを定めてロケットランチャーを放つ。

アラシ(今回は怪獣が出現した際の調査だから装備らしい装備もこの小型4連装ロケットランチャーの予備の弾が殆ど無い。ロケットランチャーの弾が尽きるとしても少しでも怪獣にダメージを蓄積させてキャップ達を有利にさせるぞ。)

 

〔推奨BGM ウルトラ5つの誓い〕

大牟田市で怪獣との戦いが遂に始まった他所で三門市。

立ち話も何だから二人で話せる場所を探してイートインスペースがあるコンビニを見つけて二人で店に入りイートインスペースで購入したジュースを飲みながら拓也と夢想はいた。

暫し椅子に座りコンビニの窓から外の景色をぼぉーと眺めているもやがて

「それで……いったい何に悩んでいるんです?拓也君。」

無表情でありながら優しい口調で夢想は拓也に尋ねる。

鏡「悩みなんて俺は⋯⋯」

「そんな思い詰めた顔をしているなら、小さな子供でも気付いてしまうよ。それとも僕に話せない事かい?」

鏡「……五島市のあの怪獣災害についてです。」

観念したかのようにしょんぼりした顔で俯きながら小さくボソボソっとだが拓也は夢想に話し始める。普通の人ならもう一度を聞く程小さな声だったが剣持はレッドマンの並外れた聴覚でその声を正確に拾い上げる。

「僕と君が2回目の共闘をした怪獣災害だね。」

鏡「……はい。」

1回目は、東京タワーで勝てないジェリコ相手に自分達の出来る事を模索しながら共闘した。お互いを知らないからって酷い連携だったけどあの昆虫怪獣プレイターの昆虫災害が拓也との出会いだ。突然空から機械仕掛けの両翼を持って現れた彼に落下して下に激突する前に手を差し伸べられて咄嗟に掴んだんだよな。

コンビニ内は僕ら以外のお客が疎らにいるから直接的な表現はしないけど

鏡「あの怪獣災害……俺、始めて市街地で立ち回ったから俺の軽はずみな行動が結果として無駄に周囲に被害が増えて……どうしたら夢想のように失敗しないんでしょうか?」

肩を落とししょんぼりした顔の拓也が言う悩みは、パリの街を守れなかった時の僕と同じ悩みだった。立ち回りの結果……多く建造物を守れず破壊させてしまった………

「……君は、僕が失敗しない存在だと思っているなら其れは大きな間違いだよ。」

鏡「えっ?でも…剣持先輩は自分一人でやるべき事(怪獣退治)をしているじゃないですか。」

「その過程で、体当りされて踏ん張れずに物にぶつかり物は沢山壊すし、人に迷惑ばかりかける……調べたら分かると思うけど、頭でイメージした理想と現実の差に僕は良く自己嫌悪をするんだ。だから君が思うより僕は立派じゃない。寧ろ未熟者だよ……」

鏡「ならどうして続けているんですか?」

「この仕事が好きじゃない……でも僕達以外他に出来る人達はいない……そう考えて仕事しているつもりだ。」

鏡「………。」

「君は僕と少年が屋上の鳩小屋にいる鳩達を逃す時間を稼ぐ為に自分に出来る事をした。」

鏡「でも其れがかえって悪い結果になった……」

「確かに……あの日の行動に色々と反省すべき事はあると思う。でもそれを次に生かすのは他でもない君自身だ……。僕を見てごらん。」

剣持は苦笑い自分の頭に手を触れて包帯の感触を味わう。

「天使騒ぎの夜見ての通りの高い所から落ちたり蹴り入れられたり鋭利な爪で身体を引っ掻かれたりして知り合いの太刀風先輩に今は怪我が完治するまで仕事するなって言われてしまったよ。」

鏡「それはその太刀風先輩の言う通りだと思いますよ⋯⋯って違う……俺…コレからどうすれば良いんですか?」

「1回目の東京タワーの共闘の時、君はどうして僕を助けたんだ?」

鏡「それは……アンタは僕の同級生の友達で、もし俺が助けられる力があるのに助けなかったら……もしアンタを見殺しにしてしまったら、俺はその同級生に普通に向き合えない気がしたんです。」

「………。」

鏡「正直に言うと本当にあの災害は怖かった……こうして生きていたのが奇跡と感じるくらいに……身体の震えが時間が経ってから出ててきて暫く止まらない日々があったし……」

ジェリコの殺意や威圧感を思い出して震える拓也。

「⋯僕もだよ……あの災害は本当に生きて帰ってこられたのが奇跡と思うレベルの災害だったよ。怖いと思い震えながらも僕の命を救う為に一緒に協力してくれた事……普通に嬉しかったよ。」

ゆっくりを無表情なり笑みを見せる夢想は拓也の行動に勇気を感じて褒めてあげる。

鏡「夢想…」

「2回目の五島市での怪獣災害…確かに僕も君も満足な結果を残せなかった……それは本当だ。」

いざ共闘相手から手厳しい言葉を貰い申し訳なさ感じてしょんぼりして俯く拓也。

「でも僕も君に褒められる人間じゃない。自分がしてしまった過ちに自己嫌悪して苦しむも、次は待ってくれないから無理やり頭を切り替える。その途中、自分なりに出来る事を模索する……例え大局的な目線で其れが意味の無い事でも…自分の過ちを忘れない為に…」

宇宙人と戦いでパリの街を守れず、世界遺産を巻き込んで破壊して沢山の人の家と職場を守れなかった剣持はあのマキシボーン山の戦いの後パリ復興のボランティアに参加した。それで死んだ人は帰ってこないけど、高校生の自分なりの罪滅ぼしをしたつもりだ。結局自己満足にしかならないけど……いつまでも立ち止まり続けてはいけない。

「⋯⋯戦いでしてしまった過ちは⋯⋯次の戦いで取り戻すしかない…どのみち。」

鏡「⋯⋯。」

「ずっと自分を責め続けて許さずにいても自分がしてしまった過ちを無かった事には出来ない。嫌でも何処かで視線を前を向けて人は不器用でも前を向いて歩いていかないといけない……これは僕の経験談だよ。」

鏡「⋯⋯⋯俺、馬鹿だから分からないです。」

「心配しなくても、僕だって人の相談を聞くよりも人に相談する事が多い未熟者だよ。でも⋯⋯」

鏡「何ですか?」

「君も僕も気がついていないだけで人には恵まれていると思う。でも時には、自分自身で自身を見つめ直す時間が必要なんだ。」

鏡「⋯⋯⋯。」

「存在意義を見失った僕も周りに色々と言葉を貰い自分を見つめ直して己を戒めて強敵に挑んだ事がある。だから⋯⋯君の心の中で譲れない物が一つでもあるならそれを思いながら戦うんだ。心の中のその譲れない物の為に本気で戦うんだ。」

ゴリアテやキリエル人との戦いを思い出しながら言う夢想。ゴリアテの時はボーダーの皆が、キリエル人の時は風真探偵が助言をくれた。

鏡「心の中で譲れない物……」

夢想に言われて譲れない物を一つ一つ頭の中で思い出していく。

隼人さんや埠さんや孔明に鉄鬼が所属するヘリオンの皆、古寺を始めとしたボーダーの美人な女性がいる六頴館高等学校の皆、三門市の町内会の人達とご近所さん達……

鏡(俺は……自分がミラーマンだと分かって無意識に大切な物を蔑ろにしていたのか。)

拓也はゆっくりとジュースを飲み終えてゴミ箱に入れる。

鏡「⋯⋯すいません。少し1人で考えさせて下さい。」

過去の自分自身の行動や言動とかその根幹…自分がミラーマンの子供と知らなかった頃の自分と今の自分を見つめ直す必要が拓也はある。特別な力がなかった時の俺は身体一つで譲れない物の為に動く人間だったのに……今の俺は……モーレツに自分が情けなくて恥ずかしい。

鏡「それと⋯⋯ジュース。奢ってくれてありがとうございます。」

しっかりと向き直り夢想にお礼の言葉を伝えると共にコンビニのイートインスペースから立ち去る拓也。

「うん。待っているよ。拓也。」

夢想の優しい声に拓也は自分とは色々と違う人なんだなと当たり前の事をひしひしと感じながら何処か1人で考える場所は無いか人混みの中に消えていく。

「……。」

【ーーーーッ!?】

十数分前から何度も感じた怪獣の強くなる気配に無表情ながら眉間に皺を寄せる剣持。

(怪獣が出現したのに……僕が戦う事が駄目なのか。)

拓也に助言っぽい事を口にするも、やっぱり剣持は内心歯痒い気持ちとなる。

(夢想……。)

こんな事なら炎魔戦士の攻撃をもっとしっかりと見切って立ち回るべきだったと…ベムも悔しさを感じながら言う。

妬みや僻みを作る暇など無い⋯⋯そう感じる余裕は敵の強大さで一瞬で消える。遠くで怪獣と戦う人達の安否をただ心配するしか無いと考えながら剣持は悔しさや歯痒い気持ちを飲み込むように自身が購入したジュースを喉へ流し込む。今自分自身がやるべき事は傷を完治させる事。それだけなのだから⋯⋯そう自戒な気持ちを持っているとコンビニの自動ドアが開閉しお客が入ってくる。

「あっ。」

三雲「あっ。」

お客は夢想の知り合いで同期の訓練隊員の三雲修である。互いに視線を交わして⋯⋯久しぶりに再会する。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

一方 界境防衛機関ボーダー本部の会議室では…

城戸「では、我々が出動する必要は無いと……」

『お化け屋敷』から怪獣現出の報告を貰い出動要請があるかと上層部は考えていたが、一の谷博士から連絡があり出動しなくて良いと連絡を貰っていた。

一の谷《うむ。ムラマツキャップから貰った情報によると怪獣は地底を俊敏に移動し、地上戦闘を基本としたボーダー隊員達が不利になると考えている。そして何より今からボーダーの隊員達を九州へ出動させても現場に到着するまで時間が掛かる為、今回はお見送りさせて貰うとパリ本部の上層部の見解です。》

城戸「わかりました。……では怪獣の件については『お化け屋敷』の博士達にお任せいたします。」

一の谷《ご理解ありがとう御座います。城戸司令。皆さん。此処は我々、科学特別機動捜査隊の力だけで何とかします。では⋯⋯》

その返事と共に一の谷博士からの通信連絡は切れる。

個人的に出動要請がなかった事に安堵を覚えるボーダー上層部。

理由は至ってシンプル。ボーダーの専門は異次元から来た侵略者近界民やトリオン関係であり、幾らトリオン体がトリオンの攻撃以外で死なない傷つかないからっと言って積極的に組織の活動目的と関係無い事にボーダーの人間を使いたくない。昆虫災害の際に起きたアンチ・トリオンフィールドでトリオン体やトリガーを無効化されて怪我人は多数出た物の死傷者は一人も出なかったのは本当に奇跡だ。隊員達の親御さん達から大切な家族を預かっている為、本当に生命が危ない事には無理に関わらせたくないのが、ボーダーの上層部の考えだ。

 

 

かつて剣持夢想と香取葉子が最後に笑い合った公園にて

クレープの移動販売車から親子が仲良くクレープを買っていく光景を他所に拓也は公園に設置されたベンチに力無く座り途方に暮れていた。

剣持と会話した後1人で自分の事を考える場所を探していたら何気なくこの公園の前に来てしまい。自然とベンチに座って自問自答していた。

鏡(剣持先輩にあぁ⋯言った物の⋯⋯⋯心の中に譲れない物の為に本気で戦う……か。)

鏡(⋯⋯本当に俺自身に出来るのか?)

 

子供2「ガオ~。」

子供1「出たな!?公害怪獣ネオヘドロン!!スペクトルマンがやっつけてやる!?」

鏡「ん?」

ふと子供達の遊ぶ声が聞こえて拓也は視線を向けると。

子供1「スペクトルフラッシュ!!」

子供2「ぐぎゃああ〜〜……ねぇ、そろそろ、僕にスペクトルマン役に交代してよ。」

子供1「えぇ~やだよ。」

子供3「僕はバクラーが好きだからこのままで良いよ。」

スペクトルマンのお面を付けた子供が公害怪獣ネオヘドロンと白アリ怪獣バクラーのお面を付けた子供がスペクトルマンごっこして遊んでいる。

 

子供達のその様子を見つつもふと顔を上げて空を見上げながら、

拓也は一人で悩みながら静かに考える。

鏡(……俺は確かにレッドマンの仲間の言う通り……思い上がっていた……父親が人間以上の力を持つ存在で……その血と力を受け継いで正義と平和を愛するミラーマンの力に酔って偉そうに振り回さそうとして……過ぎた力に溺れて……ミラーマンとしての力を振るう前に、人間の鏡拓也として全力で尽くし⋯⋯努力しなければならなかった……)

拓也は真剣にミラーマンになるまでの日々を思い出す。

普通の人間だったけど……自分より身体能力が高いガイラット怪人達の危険な計画を止める為にエレキトリガーマンこと甲斐馬隼人さんや埠信玄さんやバトルファイター1になる鉄鬼と孔明と共に力を合わせて互いを信じて戦ってきたんだ……特別の力への渇望は勿論あった……味方と敵が人間以上の能力を持つからその中で普通の身体能力しか無いから本当にいつ戦いで死んでもおかしくなかった。それでも……俺はただ、自分に出来る事を全力で努力するしかなかったんだ。ヘリオンの対改造人間を想定した厳しい軍事訓練だって参加したし教官達に沢山、叱られたりもした。でもコレが意味があると信じてひたすら自分の中で変わりたいと

辛く苦しくても自分を改造人間から助けてくれた人と一緒に戦えると信じて必死に喰らいついた。例え改造人間に遅れを取ろうとも仲間達の力になりたい。悪い連中からこんな駄目人間な俺が出会った大切な奴らの幸せな未来を全力で守りたい。

其れが何だ?父親が人間じゃなく特別の力を持っているからって妙に高慢な天狗になって……自分自身の持っていた人として当たり前な物を蔑ろにしようとした。

鏡「………誰がどう見ても俺が愚か者って言うだろうな……」

公園にいる人達の声の中、静かに自らの愚かさを自由な空を見ながら悟る拓也。拓也のその目は……自分がミラーマンである前にがむしゃらに頑張っていた時の目に戻っていた。

ふと空を気分転換に眺めていると青と銀のマッハビーストの兄弟戦闘機アタックシューターが飛行機雲を作りながら飛び立つ姿が見える。

鏡「⋯⋯!?」

その姿が見えた瞬間、何処に怪獣が現れた事を悟る拓也。拓也は自衛隊の人間でも無いし、ボーダーの人間でもましてや『お化け屋敷』の人間でも無い⋯それでも⋯それでも⋯

鏡「⋯⋯行かないと」

拓也はベンチから起き上がり急ぎ走り出して公園から立ち去る。その時、拓也と何気なくすれ違ったジョージは足を止めて振り返る。

成川「⋯⋯。」

銀河連邦警察と別れたジョージは走る拓也の真剣な表情を見て無言で拓也の後を追う。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ゴロモスの無防備の背中に回ったジェットモンガーの対怪獣攻撃用ミサイルがポンポンと放たれゴロモスの背中が爆発するも、ゴロモスは首を動かし高熱火炎を放つ。マッハビーストより武装が多い分速度が遅いジェットモンガーは紙一重に火炎を避けて再び

サコミズ「駄目だ!?ゴロモスの足が止まらない。」

ムラマツ「それでもイデ達が救出されるまで我々は奴を足止めをしないといけない!?」

マッハビーストもジェットモンガーに続き怪獣の背中を機首のレーザー砲で攻撃する。

ゴロモスの背中にレーザーが直撃し爆発するも、ゴロモスは器用に尻尾を振るいマッハビーストを叩き潰そうとするが、別方向からサコミズ隊員達が操縦するジェットモンガーがゴロモスの注意を引いて、尻尾の挙動が一瞬ブレてその間にマッハビーストは移動する。怪獣の移動範囲と攻撃範囲を常に意識しながら立ち回る2機の戦闘機。未だに2機とも怪獣の攻撃を受けずに飛行しているのは、熟練したパイロットとしての腕と攻撃手段が限られた怪獣が対策を立てられない事……五島市の地底に現れたゴロンゴロよりは攻撃は通るようだが、それでもゴロンゴロよりずっと素早い為に一方的に攻撃を食らい続けずに回避される事もある。

 

 

三門市

鏡(……俺が、俺が……やらないといけない事!?俺がやるべき事!?俺じゃないと駄目な事!?)

公園から全力疾走して周りに視線を向けながら拓也は走る。

鏡(何処かで鏡を探して……ミラーマンに変身しないと。)

九州の三池に怪獣が出現した情報は忙しい中、ヘリオンの情報部から貰って怪獣の現在状況は理解した。本当にサンキュー!!

鏡(隼人さん達はガイラット関連の任務中……夢想の協力を要請するべきか………)

自分を怪獣がいる現地に送る超能力を持つエレキトリガーマンは自分を抜いた任務をしているから現地まで一気に向かう事は出来ない。自分より怪獣退治の経験があるレッドマンがもし協力してくれるなら怪獣退治が迅速に完了すると思う。

だが……

鏡(こんな事なら夢想の連絡先を貰っておけば良かった……)

連絡先を知っているだろう染井華の連絡先も知らない。わざわざ担任の家に行って聞くのも少し変だし。

鏡(兎に角、鏡!先ずは人や防犯カメラとかが無い鏡を探さないと)

??「鏡拓也か?」

鏡「っ!」

後ろから自分の名をフルネームで呼ぶ声がして拓也は急ぎ背後を振り向くと成川ジョージと遭遇する。

鏡「どうして、此処に!?」

成川「二枚目半のお前が真剣な顔をして走っているのを見掛けてな。気になって後を着いてきた。」

拓也は急ぎ周囲を確認してジョージの袖を掴み

鏡「二枚目半は余計だ!?っ!ちょっと此方に!」

二人で近くの暗い路地裏の奥へ向かう。

 

 

 

 

 

〔推奨BGM ジャック・シンドーとウルトラマングレート〕

路地裏の奥に向き合う両者。

鏡「レッドマンの仲間のあんたに……じゃなくて貴方に頼みがある!!俺を九州の三池にいる怪獣がいる所まで連れてってくれないか!?」

成川「……連れてってどうするつもりだ?怪獣を間近で見てSNSかYouTubeにでも動画を上げるのか?」

鏡「おい!?知ってて聞いているだろう!!ミラーマンに変身して怪獣と戦うんだよ!?」

鏡(ヤバい。ついっ反射的に突っ込んでしまった。)

成川「未熟者が出る幕では無い。」

反射的な俺の余計な一言を簡単に無視して厳しい一言だが正論だ。でもその相手の厳しい対応に素直に応じる訳にはいかない。

鏡「剣持先輩の奴は怪獣と戦っていけないんだろ!?でも俺なら怪獣と戦っても問題無いだろ!?」

成川「君に怪獣と戦う義務は無い……例え巨大な人型に変身する事が出来ても君は自衛隊や警察と違いただの民間人だ。」

鏡「怪獣から皆を守る力があるのに、俺は守っちゃいけないのか!?」

成川「君が戦うと余計な被害が出る場合がある。」

ジョージの口から出す言葉は、拓也にとっては殆ど正論で同時に俺を危険な目に合わせないようにする優しさが感じる。

鏡「貴方の言う通り……被害を無駄に出すであろう未熟者の俺なんかが行かなくても現場に問題無いのかも知れない。」

成川「分かっているなら、何故自ら危険な場所に進んで向かう。命が惜しくないのか?」

鏡「惜しいですよ!?ナメないで下さい!?俺は……滅茶苦茶自分の命が惜しい男です!?」ジョージの言葉に即答する拓也。

成川「なら「でも!?」……。」

鏡「俺、馬鹿だから放っておけないんですよ!?見て見ぬフリなんてもう出来ないんですよ!?」

是迄の自分の数多の不甲斐なさを思い出し悔し涙を流す拓也は言う。

鏡「俺は安全な場所で皆に守られたいんじゃない!!俺が……俺が…俺が!!皆の大切な物を守りたいんだ!?」

何時もヘリオンやボーダーの人達がガイラットの怪人や近界民から自分達を守ってくれる………でも、もう普通の人間じゃない。

情けない俺だって……侵略者達から勇敢に戦った父さんの血を受け継いだミラーマンなんだ。

鏡「義務が無いからとか面子とかの為じゃない!?ただ1人でも人の命を救えるなら救いたいし、父さんが愛し命懸けで戦い守った地球や世界だって俺も守りたいんだ!!お願いです!!全力全開で最後までやらせて下さい!?」

己の愚かさを認めてそれでも自分じゃない誰かを本当の意味で守りたいと思った拓也は、必死な表情でジョージに懇願する。

成川「……。」

そんな、拓也の嘘偽りの無い真っすぐな本心を聞いてジョージは内心、青二才と辛口評価を下すも……熱意は伝わり……

成川「⋯…知っていると思うが怪獣との戦いは命懸けだ。」

鏡「はい!?」

成川「現場に連れていく代わりに俺の指示に従う事が条件だ。」

拓也はジョージの言葉に目を輝かせる。

成川「返事は!?」

鏡「はい!?」

ジョージの条件に拓也は力強く返事の声を上げる。

その声を聞いたジョージは拓也の手を掴み三門市から姿を消す。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

〔推奨BGM 神々の戦い〕

巨大な影を作る地熱怪獣ゴロモスが有効射程距離に到達する。

自衛隊「撃てーー!?」

怪獣の進行方向の平地に自衛隊の戦車部隊が展開され怪獣の姿を確認した偵察部隊から報告を貰い戦車部隊の隊長が高らかな咆哮と聞き間違う程の大声を合図に配置された自衛隊の戦車の砲身から砲弾が勢い良く次々と放たれる。

無数の砲弾が雨の如く怪獣に降り注ぎ着弾すると共に爆発音と爆発を起こし、一面炎に包まれるも……その炎を掻い潜り姿を見せるゴロモス。その身体には損傷らしい損傷は見つからない。

偵察部隊《無傷!!あっ、目標未だ健在です!!》

自衛隊「次弾装填急げ!?」

再び戦車隊から砲弾が次々と放たれるも、ゴロモスは砲撃をまともに貰いながら高熱火炎を放とうとする。それを阻止する為に怪獣の目めがけてロケットランチャーの砲弾が飛来してゴロモスは反射的に瞼を閉じて防ぐ。

 

アラシ「くそっ!瞼も硬いぞこの地熱怪獣!?」

砲撃を防がれて悪態の言葉を吐きながら4連装ロケットランチャーを担ぎ怪獣から背を向け必死な表情で走るアラシ。

アラシ「畜生ーー!?やっぱり俺も戦闘機に乗せて貰えれば良かった!!イデ〜〜!剣持〜!黒野〜!ホシノチーフ!!」

 

自衛隊「全部隊攻撃中止!?下がれ!?」

アラシ「此処からなら⋯⋯チクショウ!!」

此処にいない仲間達の名を叫び出しながとにかく射程距離を取り為に走りながら再び目を狙おうとするもゴロモスは既に高熱火炎を首を動かし薙ぎ払うように放射する為に攻撃を辞めて回避に徹するアラシ。万能ジャケットや万能ヘルメットを始めとした装備を身に着けているも所詮は生身の鍛え上げられた人間。最終的に訓練生の時にした訓練で培った事をどこまで実戦で動けるかと不確かな運に左右される。

アラシ「あれは!?⋯⋯南無三!?」

怪獣が深く踏んだ足跡が塹壕のように出来た為に咄嗟にアラシは其処へ飛び込む。

飛び込むと同時に自分の真上ギリギリに高熱火炎が通り過ぎて戦車の爆発音と乗っている人間の悲鳴が次々と聞こえてくる。

アラシは震える身体を縮こませて怪獣の紅蓮の炎が吐き終わるのをひたすらに待つ。

アラシ「くっ野郎!?」

本音を言うなら高熱火炎の餌食になっている自衛隊の人達を助けに行きたいのに、自分の頭が彼らの生存は絶望的と言う。

炎が消えた事を知りアラシは急いで怪獣の足跡から出てくる

アラシ「っ!!?」

驚愕な目を見開いてアラシが見た物は戦車部隊は全滅は免れた物の後退する事が間に合わなかった戦車部隊の残骸だった。

アラシ「この野郎がぁっ!!?」

拳を震わせたアラシは怒りの声を上げて戦車部隊を蹴散らした元凶であるゴロモスに向けてロケットランチャー構えてを発射する。

マッハビーストとジェットモンガーが戦車部隊が立て直す時間を稼ぐ為に怪獣に対怪獣攻撃用ミサイルを怪獣が反撃不可能な距離から放ち続ける。その隙に戦車部隊で無事な人達は怪獣から離れる。

 

 

そんな激戦を繰り広げる戦場とも呼べる場所から離れた市街地に黒服を身に纏いサングラスを掛けた成川ジョージと私服姿の鏡拓也は出現した。

 

鏡「っ!!」

突然、三門市の路地裏から景色がガラッと変化し拓也な驚くもやがて仲間の超能力者の事を思い出して落ち着くが、視線を上げる遠くで暴れるゴロモスの巨大な姿が見えて無意識に身体が震える拓也。

成川「既に此処は住民の避難を終えて周囲に民間人の姿もなく瞬間移動先の付近の監視カメラは俺の念動力で停止させた。」

鏡(事前準備の段取りが上手いな。この人。)所属するヘリオンの先輩ヒーロー並みの用意周到さに感心する拓也

サングラスに反射したゴロモスの姿を見てジョージは言う。

成川「今更ながら名を名乗るのが遅れたな⋯⋯。地球人としての俺の名は成川ジョージだ。そしてコードネームはプリズムファイター。」

鏡「あっ、俺も今更ですけど鏡拓也と申します」

成川「宜しく拓也。俺を呼ぶ時は成川かジョージで頼む。」

拓也は、ジョージの地球人としての名前とコードネームを聞いてやはり本当の名前は別にあると悟るも、今は姿が見える怪獣の事に集中する。

成川「緊張はするなとは言わん。だが出来る限り無駄な力は抜く事をオススメする。」

鏡「は、はい!?」緊張しつつ気合いを込めて返事をする拓也。

成川「⋯⋯見た目から見て完全に地球産の怪獣だな⋯今のお前の総合力を見て勝てない相手ではなくて判断して問題ないようだな。」

ゴロモスの巨大な口が砲弾を放つ戦車に次々に噛み付き振り回し遠くへ投げている戦車もあればそのまま噛み潰して戦車達を破壊している。

鏡「っ!」

拓也は本当だったら、いの一番に怪獣に向かって駆け出したのに、ジョージの言う事を聞き彼からの指示があるまで待機を意識するもそれでも動こうと考えてしまう自分の気持ちを必死に抑える。

そんな待てと言われて待ち続ける拓也の気持ちを理解したジョージは拓也の方に視線を向けて冷静に尋ねる。

成川「拓也、落ち着いたか?」

鏡「いいえ!?」

緊張が抜けきれない拓也の正直な言葉にジョージは正直な奴と思いながらジョージは笑みを無意識に浮かべるも直ぐに真面目なへの口に戻り怪獣の方へ視線を戻しながら言う。

成川「怪獣との戦闘を許可する。テレパシーで後方からバックアップは任せて貰おう。全力で行け。」

鏡「はい!!」

ジョージの戦闘許可を貰った拓也は抑えていた気持ちを爆発させるかのように全速力で駆け出す。避難して無人となった街の道を拓也は走る。そして走っている途中⋯⋯拓也は住民が乗り捨てた自動車を見つけてそのバックミラーに向けて両腕を水平に伸ばしてから両手の先を合わせてミラー・アクションのポーズをする拓也。

鏡(ミラー・スパーク!!)

その動作をする拓也の全身が眩い光と共にスパークしてその状態でバック・ミラーの鏡面体に勢い良く飛び込むように吸い込まれる。

 

 

 

 

飛来するロケットランチャーの砲弾がゴロモスの眉間に直撃し爆発を上げその隙に至近距離に接近したマッハビーストは機体下部からナパーム弾がゴロモスの周辺に投下されて炎が上がる。

アラシ《此方アラシ!?さっきの砲撃で4連装ロケットランチャーの弾が切れました!?》

ムラマツ「此方もマッハビーストの主力武装の弾薬は全て尽きた。」

マッハビーストが格納した対怪獣攻撃用ミサイルは全てゴロモスに直撃させた物の怪獣は仕留め切れず虎の子のナパーム弾を至近距離から投下するも怪獣ゴロモスは驚異の生命力で三池炭鉱を目指す。

まだレーザー砲や電磁レールガンがあるから戦闘自体は可能でも効果があるか分からない。

それでもイデ達が戻ってくるまで怪獣を足止めしないといけない。

ムラマツはマッハビーストのレーザー砲を発射してゴロモスを攻撃する。

ムラマツ「此方のレーザーのエネルギーが切れるのが先か、怪獣が敗れるのが先か。」緊迫した顔でゴロモスを睨むムラマツ。

フジ「無茶だわ!?」

アラシ《それでも俺達がやるしかない!うおおおおおおおおお!!》

覚悟を決めたアラシは電磁レールガンをホルスターから引き抜きゴロモスに向けて連射する。青い光弾はゴロモスの頭部に直撃するも、効果があるのか分かりにくい。しかしアラシは雄叫びを上げながら電磁レールガン片手に全力で怪獣の周りを走る。

怪獣は炎を吐かずに前足を高く振り上げてアラシ目掛けて振り下ろすが、アラシは横転しつつ前足を回避して電磁レールガンで反撃する。

サンダース《随分と気合いが入っているじゃないか?アラシ。》

ふと通信機から聞こえてきた仲間の声に反応するアラシ。

アラシ「サンダース!」

何処からともなく対怪獣用攻撃ミサイルが飛来してゴロモスの背中に直撃し爆発して、ゴロモスとアラシは視線をその方向に向ける。九州の空に姿を見せるガスファイター1号とジェミニフライヤー。

アラシ「アタックシューターじゃないのかよ!?」

サンダース《ガスファイターやジェミニフライヤーも立派な『お化け屋敷』の戦闘機だろ。》

さっきのミサイル攻撃はジェミニフライヤーが発射してくれたらしい。

サンダース《アタックシューターは途中ジュリーが代わりに操縦してレンジャー・パイロット達を乗せて別件に向かったよ。》

アラシ《えっ?じゃあ、今もう一機の戦闘機を操縦しているのは?》

沖本《わしだが⋯⋯》

アラシ「ヒョーコリ・ドン・ガバの艦長!!何やっているんですか!?」

返事しにきたのは沖本 十次郎65歳。お化け屋敷の保有する大型戦艦の艦長をしている人物である。

加納《こりゃ活きの良い怪獣じゃわい。腕が鳴るのぅ。》

アラシ「⋯⋯もしかして、加納博士も乗っているのかよ!?」

聞こえてきた航空力学を専攻する高齢な科学者の声が聞こえて驚きの表情を見せるアラシ。

アラシ「アンタら何してんの!!」アラシのツッコミが空に飛ぶ

加納《いや戦闘機に乗る人間が不足していると聞いてのぅ。》

 

加納 月嵩(つきたか)年齢76専攻 航空力学

大戦中からプロペラ戦闘機の設計に携わっており、理論や数式よりも「人生の経験と長年のカン」で物事を決めてしまう。根っからの飛行機マニアで、この年になっても、エアレースの出場だけはかかさない。

 

沖本《ドン・ガバの出動許可が取れなかったのだ。文句を言うな。》

新手として現れたジェミニフライヤーにゴロモスが高熱火炎を放ち

加納《おおう。こりゃ凄いのぅ。まるで物語に出てくる宝の山を守るの竜顔負けだ。》

驚くも直ぐに楽しそうに笑みを浮かべて火炎を戦闘機の曲芸技で回避しながらゴロモスに向かって接近し

沖本《撃てーー!》

と無駄に声を張り上げて叫び対怪獣攻撃用ミサイルをゴロモスに放つ。

加納《年寄りの儂らが奴さんの注意を引き付けるから若い御主らは攻撃してくれ。》

攻撃されて怒るゴロモスはジェミニフライヤーの方に意識を割り

注意を引き付けられたその隙にガスファイター1号とマッハビーストにジェットモンガーがゴロモスに集中攻撃を放つ。

ゴロモスはその猛攻に苦しみを現すも、四方の空から多角攻撃する戦闘機、更に地上からアラシと残存する戦車部隊達の攻撃にどの連中から倒すべきか迷うゴロモス。

ゴロモスは高熱火炎を吐くのをやめて前足で破壊されて戦車の残骸を掴みジェットモンガーに向かって投擲する。

ハヤタ《サコミズ。回避だ!》

サコミズ《おう!》

投擲された戦車の残骸をギリギリ回避に成功するも、ゴロモスは回避した先に向けて別の戦車の残骸を投げてジェットモンガーに掠ってしまい火花と共に黒煙を上げる

サコミズ《しまった!!》

ハヤタ《ああああああああああ不時着します!?》

目に見えふらつきながらジェットモンガーは不時着していく様子を見て

アラシ「⋯⋯ハヤタの奴また墜落してやがるよ。」電磁レールガンで攻撃しながら呆れた事を言うアラシ。

加納《言っておる場合か。奴さん。滅茶苦茶怒って暴れておるぞ。こりゃあ手がつけられんわい。》

怪獣は散々邪魔したジェットモンガーにトドメを刺す為に向かおうとする。

ムラマツ《いかん!ハヤタ達がモンガーから逃げる時間を稼ぐぞ。》

ジェットモンガーは三池炭鉱の進行方向の途中に不時着しパラシュートで脱出した様子も無い。

アラシ「了解!」

急ぎゴロモスに向けて射撃しつつモンガーの方に走るアラシ。

ムラマツ《アラシ達を援護するぞ。》

サンダース《了解!》

巨体を動かしアラシの向かう先のモンガーの方へ目指すゴロモスだが空からマッハビーストを始め戦闘機の攻撃を貰い足を止める。

沖本《怪獣の奴、対怪獣用攻撃ミサイルを警戒しているようだな。》

ゴロモスはマッハビーストに警戒せずに、ガスファイター1号とジェミニフライヤーを警戒している様子だ。

サンダース《警戒して動きを止めてくれるなら警戒させてやろうぜ。》

アラシはモンガーの元へ到着していると、気を失っていたハヤタをサコミズが運んでいた。

アラシ「サコミズ隊員。ハヤタ隊員は気絶しているのか?」

サコミズ「あぁ。運ぶのを手伝ってくれ。」

二人でハヤタをモンガーから運ぼうとするが、モンガーの目前にゴロモスが近付いてくる。

アラシ「くっ。」

サコミズ達を守る為にアラシは電磁レールガンを放つもゴロモスには大した効果は無く。悔しげに怪獣を睨むアラシ。絶対絶命のその時、モンガーの窓の鏡面体から突然激しくも眩い光と共に出現した存在にゴロモスは殴られて吹き飛ばされる。

アラシ、サコミズ「っ!?」

自分達の真上に突然、守るように出現した存在を見上げた二人は驚きの表情を露わにして彼の名を呼ぶ。

アラシ「ミラーマン!?」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

吹き飛ばされたゴロモスは身体を転がり倒れるも直ぐに四肢をバタつかせながら起き上がり、モンガーの前に立つ存在に向けて吠える。眩い光と共にゴロモスの前に姿を現すミラーマンRB。

アラシ「どうして新ミラーマンが此処に⋯」

サコミズ「怪獣がミラーマンに意識を向けている間に我々は此処を急いで離れるぞ。」

アラシ「了解!」

気絶した隊員達を担ぎながら急ぎ離れていくハヤタを他所にミラーマンは怪獣に向かって構えて掛け声を出す。

「「オリョッ!!」」

成川(相手の動きを一つ一つ注意して挑め。)

頭の中から聞こえてきたジョージの助言を聞きながら敢然と怪獣に立ち向かう気でいるミラーマンRB。

ゴロモスも突然現れた新ミラーマンに驚くも、ミラーマンは素早く怪獣ゴロモスも首を両手で掴み上げ一気に放り投げてゴロモスをゴロゴロと横転させる。続いてミラーマンはゴロモスの長い尻尾を掴もうとするもゴロモスは一度ミラーマンの姿を確認してから素早く地底を掘り進めて潜る行動をする。新ミラーマンは直ぐに攻撃に動こうにも怪獣は完全に地底に移動を終えており。

直ぐに周囲の奇襲に警戒する新ミラーマン。何処から攻めてくるか分からず僅かに片足を動かすと、踏み締めた地面があっさりと崩れ陥没する。

「「っ!!」」

落とし穴に落ちたように下半身が地底に深く沈む新ミラーマン。必死に踏ん張り落とし穴から出よう藻掻く様子が『お化け屋敷』や自衛隊に見える中、新ミラーマンの態勢が崩れた事を見逃さずにゴロモスは土砂の中から地上へ姿を見せる。

鏡(コイツ!?俺の足元にトンネルを掘って落としやがった!!)

二足歩行のミラーマンと四足歩行のゴロモス……両者の身長と体格の差は圧倒的にミラーマンの方が有利の為にその様子はコモドドラゴンと人間のような戦いである。

だがゴロモスは素早くミラーマンの足元にトンネルを掘りミラーマンの地底に勢い良く落とし込み高低差を物理的に埋めて相手の下半身の動きを封じて攻撃をする為にゴロモスは新ミラーマンに向かって跳躍してくる。

「「オリョッ!!」」

鏡(その地味な外見でカエルみたいに跳ぶのかよ!!)

新ミラーマンに全体重を込めて伸し掛かるゴロモス。両腕で伸し掛かるゴロモスを受け止める新ミラーマン。体重が重かったゴロンゴロよりゴロモスは軽いが怪獣が伸し掛かる為に新ミラーマンの身動きは取れない。本来なら蹴りの一撃でも使って怪獣を追い払いたいが、下半身が埋まっており其れも出来ない。

必死に受け止めながら両腕の力だけで伸し掛かるゴロモスを勢い良く押し出して距離を稼ぐミラーマンRB。両腕で押しだされたゴロモスは転倒するも直ぐに起き上がり、ミラーマンRBに攻撃する為に再接近する。

迫るゴロモスの顔に向かって新ミラーマンは連続パンチを放つもゴロモスはその連撃に耐えて新ミラーマンの喉に噛み付こうと必死に歯を鳴らし跳び掛かる。

怪獣の上顎と下顎を両手で掴み必死に食い止める新ミラーマンの激しい攻防戦が繰り広げられる間…⋯山梨県……電光山の裾野にひっそりと建造された電光磁エネルギーを平和利用にする為の研究する施設……電光磁研究所。その研究所の汚水処理場の水が左右にモーセの如く独りでに割れて行き中から一機のスーパーロボットが姿を現す。

 

 

 

その頃⋯⋯三門市 コンビニのイートインスペースで拓也が座っていた席とは反対側の席に座る修は剣持に話しかけていた。

三雲「何だか剣持さんに会うの本当に久しぶりな感じがするよ。」

「奇遇だな⋯⋯俺も同じ事を考えていたよ。でも前みたいに剣持さんって呼ばなくて良いよ。剣持か⋯⋯夢想で頼む。」

始めて出会って会話したその時の疑問を口にする剣持。

三雲「そう?じゃあ剣持で良い?」

剣持のお願いを聞いて呼び捨てにする修。二人は同期のボーダー隊員で一緒に訓練をする仲だった⋯⋯親友とかそこまで親しい間柄ではない物の⋯⋯互い戦闘員として

「あぁ。それで頼む。歳が一つ違いだけど同期だし」

三雲「分かった。調子はどう?」

「⋯⋯兄さんみたいな事聞いてくるな⋯⋯修の方が歳下なのに⋯」

三雲「ごめん。変な事聞いて⋯⋯」

「いや、大丈夫。調子は⋯⋯やや良い方かな。」

三雲「そうなんだ⋯⋯」

修は剣持の包帯を巻いた頭に視線を向けながら答える。

「⋯⋯心配し過ぎだよ。」

三雲「⋯⋯そうかな〜」

疑問を覚える修だが本人が心配し過ぎと言っていたから怪我について聞くのやめて夢想の無表情を見る修。

「どうかしたのか?人の顔を気になるように見て⋯」

三雲「何か会った?」

「⋯⋯そんな顔しているか?俺。」

三雲「表情は相変わらず分からないけど⋯⋯心なしか何か悩み事を抱えている⋯⋯気が⋯する。」自信無さげに剣持に指摘する修から当たっているのか?それとも外れているのか?顔に冷や汗が流れている。

「⋯⋯あぁ。あった。」

不思議と隣を歩く修は根拠ないが、俺が抱えている悩みに気付いてくれたんだ。

(具体的に言い当てられていないのに⋯⋯何か嬉しいなぁ⋯⋯)

三雲(外れてなくて良かった⋯⋯)

「三雲こそボーダーはどうだ?」

三雲「最近中学の勉強が忙しいから言っていない⋯⋯剣持は?」

「俺も今日はボーダー本部を来たけど訓練はせず高校の勉強をしていたよ。」

三雲「⋯⋯そうか。」

「俺の方もここ暫く色々あった⋯⋯」

(本当に⋯⋯)色々と怪獣と戦ったり友人関係に色々あったり⋯宇宙から色々と来たり⋯⋯

三雲「変な事言っても良いかな?」

「何だ?」

三雲「気の所為かも知れないけど僕らボーダーに入隊したのに訓練隊員として訓練出来ていない気がするんだ。」

「心配するな。俺もそう思う。」

三雲「だよね。」

「⋯⋯⋯三雲が来る少し前、後輩⋯⋯みたいな同い年の知り合いと相談を受けていたんだ。」

三雲「そうなんだ⋯⋯」

 

「本人の前で最もらしい事を言っておきながら⋯⋯人生経験がたかだか15、6年しか生きていない俺が知り合いに何を伝えられるんだよ。」

無表情ながら自虐的に呟く夢想。

三雲「でもちゃんとその知り合いの相談事に乗ったのなら、それは剣持自身にとっても放っておけなかったんだろ。」

「 えっ?」

三雲「違うのかい?僕はそう感じたんだけど⋯⋯」

「⋯⋯最もらしい事は伝えたのは⋯本当だけど、俺はまだ人として未熟者だし⋯⋯何より、俺がしたような失敗を知り合いにはして欲しくなかったんだ。」

三雲「剣持はその知り合いとは仲良いの?」

「いや、その子とは学校が違う⋯⋯仲が良い悪い以前に相手の事を深く知らないのも本当なんだ⋯」

三雲(学校は違うんだ。どういう経由でその人と出会ったのだろう⋯⋯同じ町内なのかな⋯⋯)

修が少ない情報で自分なりに剣持の悩みについて考えるも、まさか剣持が敵の追撃から逃れる為に昆虫怪獣の巣のなった東京タワーから自分から落下している最中に、空からフライトスーツを鏡拓也に助けて貰い二人は出会ったとは欠片も思うまい。

「でも何もかも違う訳じゃなく、ある程度の共通点が俺と知り合いにはあってさ。悩みもある意味それに関する事なんだ。」

性別や年齢⋯⋯何より、種類は違うも地球を守る為の力と別の姿を持つ。でも違う点を言うなら当然だが沢山あり⋯⋯僕は実質選択肢の無い強制で⋯⋯拓也の場合は、自分の意思で選んでいる。その違いは単純なようで大きな差がある。僕は逃げられないし、やめられないけど⋯⋯拓也は何時でも辞められるし逃げられる。

三雲「なら多分大丈夫だよ⋯⋯。」

「そうか?」

三雲「僕達だって少しずつ会話を交わして一緒に行動とかしてお互いを知っただろう。互いに歩みよってそれを続ければ互いの事がもっと分かる。現に今の僕らがそうじゃないか。」

その言葉に剣持は思い詰めた顔で修と向き合って言う。

「⋯⋯⋯俺は、三雲に隠し事をしているぞ。そんな奴と本当に分かりあえると思うのか。」

どうして、俺はこんな暗に怪しいと思うような発言を修に言うんだ?俺は人に疑われるのを出来る限り避けないといけないのに⋯

三雲「⋯⋯僕にそれを隠す理由があるんだろ。なら僕は剣持に無理に聞かないよ。」

「何で⋯。」信じられない表情を見せる。

三雲「僕ら同期として入隊してお互いある程度分かりあったけど、まだ互いに入隊した理由については話していないだろ。」

「あっ。」

三雲「友達や仲間だから話せない事だってあるよ。その人の心の奥にある物を血の繋がった家族だからって安易に立ち入れば良い訳じゃない⋯⋯それに何もかも話さなくても人は人と絆を結べる⋯⋯⋯僕が君と友達になったように」

修は修なりの自分の意見を口にする。すると無表情の剣持の目は大きく見開き暫くお互いに無言になるも

「⋯⋯始めて会った時から思っていたんだが⋯⋯三雲。お前は面倒見が良いって言われないか?」

三雲「そうかな⋯⋯。」

「⋯⋯絶対にそうだ。お前は変わっているよ。」

三雲「それって褒めているの?それとも貶しているの?」

「褒めているんだよ。俺が人を褒めるなんて意外と少ないんだぞ⋯⋯なぁ、三雲。」不思議と口元に小さく笑みを作った剣持とベムの心は嬉しかった。

三雲「何?」

「お互いボーダーで頑張ろうな。大切な人達が住む三門市を異次元の侵略者の近界民から守ろう。」

三雲「うん。」

(僕は卑怯者だ⋯⋯⋯僕の隣に立つ彼は僕よりもずっと真面目に訓練している立派な人なのに⋯⋯彼と彼の大切な人達を守る為に嘘を言う⋯⋯本当に⋯僕は⋯⋯嫌な人間だ。)

レッドマンの身体能力⋯レッドマンの戦闘経験に技術⋯⋯怪獣達に使う全てがボーダーの訓練に遺憾なく発揮される。

(僕はズルをしているんだ⋯⋯⋯だから⋯⋯レッドマンにおんぶに抱っこじゃなくて⋯⋯僕は僕自身が強くならないと⋯⋯僕の自身の意思で⋯⋯僕自身の手で僕の大切な物を守る為に⋯⋯その為には⋯⋯どんな手段を使ってでも⋯⋯)

(⋯⋯⋯。)

脳裏に次々とまだ見ぬ強敵の幻影が駆け抜けて銀河連邦の偉大なヒーローの姿を過る。

三雲「?」

互いの気持ちを言い合ったほんの数秒だが⋯⋯自分を見て剣持の表情が曇ったように見えた気がした⋯⋯

 

場面は三門市から激闘が展開される九州に戻る。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ジリジリと迫るゴロモスの牙を全力で食い止めるミラーマンRB

は力の押し合いを続けながらショートニーブロウを素早く腕を交互に入れ替えてゴロモスの左右の横顔にダメージを与え続ける。

鏡(ぐっ!このまま殺られる訳にはいかない!!)

成川(手はいるか?)

狙撃銃⋯⋯ではなく拳を引いた状態でテレパシーを送るジョージ。

鏡(助かりますって言いたい所ですが⋯⋯これは、俺がミラーマンとして必要な戦いなんです。手は出さないで下さい。)

テレパシーに返事に意識を割りながらゴロモスの牙が迫るのを両腕で防ぐ。

鏡(落ち着け⋯⋯取っ組み合い有りの格闘訓練くらいヘリオンで充分過ぎるの受けただろ。鏡拓也。相手に押さえつけられそうになる対象法は色々あるが⋯⋯相手の力以上の力で押し返すか、力を意図的に抜いて相手を受け流して相手の無防備の首を絞め落とす⋯⋯)

「「オリョッ!」」

一旦両腕の力を勢い良く抜いてゴロモスは押し出される。

鏡(今だ!!)

ミラーマンRBは喉に迫る怪獣に対して身体を限界まで反らせて

噛み付き攻撃を回避すると、ゴロモスの首を両腕で掴みヘッドロックで一気に締め上げる。

首を締め上げられて必死に抵抗するゴロモス。

「「オリョッ!?」」

激しく暴れるゴロモスに苦戦しつつミラーマンRBは、落とし穴の底を思いっきり蹴り上げて跳躍し落とし穴から脱出する。

着地するとゴロモスの顎に膝蹴りを左右の足を交互に変えて連続で叩き込み怪獣にダメージを蓄積させつつ一際抵抗が激しくなった為にミラーマンRBは一気に放り投げ飛ばす。

「「ギャアオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」

投げられて倒れたゴロモスは素早く起き上がりミラーマンRBに対して敵意を剥き出しに吼える。

「「オリョッ!」」

ミラーマンRBはそんな地熱怪獣ゴロモスに対して素早く構えて闘志を燃やす。

ゴロモスとミラーマンRBは互いに素早く走り出しミラーマンRBは途中跳躍し素早く空中前転して突進する地熱怪獣の真上を通り過ぎ着地し、ミラーマンRBは怪獣の背後に回り込むとゴロモスの尻尾を素早く掴もうとするもゴロモスは逆に尻尾を掴んだミラーマンを振り回して逆に尻尾を薙ぎ払うように振るいミラーマンをダウンさせる。

ゴロモスは口から高熱火炎を吐き出しミラーマンRBに向かって放つ。

「「オリョッ!!」」

ミラーマンRBは素早く両手からディフェンスミラーを展開させて放たれ火炎を防御する。自身の至近距離に迫りくる高熱火炎はハッキリ言って普通に恐怖を感じるも、気持ちだけは怪獣に負けたくないと思い必死に耐えるミラーマンRB。

高熱火炎が防がれて埒が明かないのかゴロモスは再びカエルの如く跳躍しダイビングアタックをするもミラーマンRBは姿勢を低くしてその攻撃をやり過ごす。ゴロモスはミラーマンの頭上を通り過ぎるも、通り過ぎる瞬間自身の尻尾を使いミラーマンの首に尻尾を巻き付かせてゴロモスはミラーマンを仰向けに倒す。

「「オリョ〜」」

倒れたミラーマンに噛み付こうするゴロモスの顔をミラーマンに近付くも其れより早くミラーマンは起き上がりの蹴りの一撃を放ち怪獣の顔を蹴り上げ怪獣から直ぐに距離を取る。

ミラーマンは素早く走り地熱怪獣ゴロモスに全体重を乗せたタックルを叩き込むも、感じた手応えの硬さに参り逆にゴロモスの身体に弾かれ転がる。

鏡(前戦った怪獣と言いコイツも体重は前の怪獣程無いけど硬い……前の怪獣が重たい鋼鉄の塊ならコイツはまるで生きたダイヤモンドだ。)

怪獣にタックルした肩を痛めつつ冷静に怪獣を観察するミラーマンRB。身体は硬い物の動きは自分をメタメタに倒したバランスタイプの青い怪獣やレッドマンと連携して戦った一本角が生えた重たい怪獣に比べても全体的に素早いようだ。イモリやヤモリ…四足で這う蜥蜴を本当にそのまま大きくしたような怪獣だ。

鏡(コイツを俺だけの力で倒さないといけないのか……)

再びミラーマン目掛けて口から高熱火炎を放つゴロモス。

成川(拓也。戦いに集中しろ!?)

鏡(はい!)

聞こえてきたジョージのテレパシーに反応して拓也は気持ちを切り替えて放たれた火炎を避けつつ素早くミラーマンは怪獣の背中に乗りかかり怪獣の背中目掛けて手刀の連続攻撃を叩きつける。

鏡(コイツやっぱり硬い!?)

絶え間なくチョップを一方的に怪獣の背中に繰り出すも、怪獣にはダメージらしいダメージになっていない。ゴロモスは身体全体を激しく振るいミラーマンを振り落とす。

鏡(硬い背中部位が駄目なら背中以外を攻撃するだけだ!?)

振り落とされ倒れるミラーマンは怪獣に負けじとゴロモスの首を両手で掴んで一気に放り投げて体勢が崩れた怪獣の腹部目掛けてすかさずパンチの連続攻撃を放つ。

「「オリョ!!」」

起き上がりの高熱火炎を吐き出すゴロモスから素早く横転して離れるミラーマン。起き上がったゴロモスは高熱火炎を辞めて高速移動する。直ぐに拳を放つ素早い動きでゴロモスはミラーマンの後ろに回り込み背中に頭突きを叩き込みミラーマンは前のめりに倒れてしまう。起き上がり蹴りを放つミラーマンだが再びゴロモスは素早く後退して蹴りの一撃の範囲外に逃げて再び急接近して噛み付こうとする。ミラーマンは噛み付こうとするゴロモの喉を両腕で掴み無理やり四足歩行から二足歩行に怪獣を持ち上げた状態で無防備なゴロモスの腹目掛けて渾身のヤクザキックを叩き込みその一撃でゴロモスは勢い良く倒れ込むも倒れ込んだ見た目よりダメージが少ないのか直ぐに起き上がり再び俊敏さに翻弄されるミラーマン。こっちが接近するより素早く離脱されてヒット&ウェイでミラーマンを追い詰めるゴロモス。

「「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」

「「オリョッ!!」」

高らか吼えたゴロモスは新ミラーマン目掛けて高熱火炎を口から放ち新ミラーマンは、素早く横転からバク転をして更に空中前転してゴロモスの高熱火炎を次々とやり過ごす。怪獣の向きと完全に反対の方向に着地した新ミラーマンは再びゴロモスに接近して振り返ったゴロモス目掛けて拳を一気に抜き放ちゴロモスの顔をめり込ませる程の威力で殴り飛ばし頭が一瞬ブレたゴロモスに再度反対側から新ミラーマンは身体全体を使った回し蹴りで頬を蹴り更に脇を締めて追撃のショートブロウを連続にゴロモスの頬に叩き込み、ミラーマンの怒涛の攻撃の数々に脳を激しく揺らされても直ぐに頭を振るい意識を保とうとするゴロモス。

 

その僅かな間にミラーマンRBも追撃せずに相手に集中しつつ呼吸を気持ちを整えようとする⋯⋯

鏡(怖えぇぇっ!!怪獣怖えぇぇっ!?)

今のこの姿でも発汗は起きるのか分からないが、拓也の精神状態は既に冷や汗を含めて汗ダラダラである。フィクションのアニメやゲームとかと違い相手は自分の喉元に文字通りに牙を突き立てる凶暴な生き物で、まさに身の危機が常にある状態だ。コモドドラゴンとガチで格闘しないといけないのと同じで勝てる負ける以前に怪獣の動き一つ一つを警戒するし普通に怖いしビビる。

鏡(剣持夢想先輩って何時もこんな恐怖と戦っているのか⋯⋯てか怪獣怖えぇぇっ!超怖えぇぇっ!!)

普通に剣持先輩の精神面で人としての常軌を逸していないかと疑ってしまう。色々の意味で尊敬するぞぉ。

自分が追撃しない間、自衛隊の戦車部隊が怪獣に向けて集中砲火を放ち怪獣は避ける事なくその砲弾の雨を食らい耐えきっている。

鏡(本当に⋯⋯タフだな。)

再びゴロモスに迫るミラーマンは怪獣の噛み付き攻撃を一度下がってやり過ごしてから一気に踏み込み肉迫して

「「オリョッ!!」」

左右の拳で連続で素早く振るい叩き込んでから怪獣の脳天に向けて右肘を振り下ろし、更に膝蹴りでゴロモスの顎を蹴り上げると力をしっかりと込めた右ストレートをゴロモスの頬に打ち放つ。

頬が波打ち反対側まで衝撃が貫き怪獣が蹌踉めくも四肢を踏み締めて意識を無くさないようにミラーマンを睨むゴロモス。

頭部を中心に執拗に殴られ蹴られて少なくない次々とダメージを貰うゴロモスは負けじと両前足のダイヤモンドの爪を更に伸ばして反撃の一撃を放つ為に相手の内股目掛けて振り下ろしミラーマンの内股を傷付ける。

〔推奨BGM 苦戦〕

「「ッ!!」」

成川(拓也、急いで距離を取れ!!)

鏡(うな事言ったってよ!!)

怪獣の身体構造を知らない為予想外の一撃を不意に貰ってしまい想像以上の痛みに悶絶し後ろに倒れ込むミラーマン。倒れ込むも痛みに耐えながら何とか体勢を整えようとするも、ゴロモスは更に素早く動き急接近し遂にミラーマンの左足に鋭いダイヤモンドの牙で噛み付く。更に片足を噛み付いた状態でゴロモスは新ミラーマンの全身を顎の力だけで持ち上げて空中高くに放り投げる。

「「オリョッ〜〜!!」」

鏡(があぁっ!!)

成川(拓也。受け身を急いでしろ!?)

聞こえてくる指示は分かるのだが行動に移せない新ミラーマン。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「「オリョッ〜〜!!」」

放り投げられた新ミラーマンを雲を突き抜けて空中から来た金属製の両腕が偶然受け止めてゴロモスがいる地上へ戻ってきて新ミラーマンを地面にぞんざいに下ろす。

〔推奨挿入歌 空飛ぶマジンガーZ〕

アラシ「あ、アレは!?」

興奮した様子で『お化け屋敷』の面々は現れた存在の姿を見る。

カンフー《待たせたな皆!?ガーディアンAがパワーアップして帰ってきたぞ!?》

アラシ「その声はカンフーか!?」

『お化け屋敷』の保有した大型兵器スーパーロボットガーディアンAが地熱怪獣ゴロモスとミラーマンRBの前に新しくなった姿を現す。

無機質の得体のしれない新手が現れてゴロモスは一度怯むも勇猛果敢にゴロモスはガーディアンAに迫り体当たりを仕掛ける。

ガーディアンAは怪獣の体当たりを両腕で受け止めて膝蹴りをゴロモスの顔に叩き付け追撃にゴロモスの首を片手で掴み無理矢理持ち上げて一気にゴロモスの喉を殴り飛ばしその一撃で一気に吹き飛ぶゴロモス。

アラシ「しゃっ!いけぇ!?カンフー!!ガーディアンA!!」

ガーディアンAは走りながら起き上がったゴロモスの顔面に狙いを定めて拳を向ける。

カンフー《応よ!!唸れ!?バネ式では無い実用的なパンチロケット!!》

AI《エルボー・ロケット点火。》

ガーディアンAの肘部に新たに内蔵されたロケット推進機から一斉に青い高温の炎が噴射してそのロケット推進力によってパンチ力が増強しゴロモスの顔面を殴りつける。………バネ式と違い飛ばないパンチロケットである。パンチロケットを顔面に叩きつけられてダメージを負おい追い詰められたゴロモスは高熱火炎をガーディアンAに向けて放つもガーディアンAは避ける事も防ぐ事せずにゆっくりとゴロモスに向かって一歩一歩前進してくる。ゴロモスは自分が放つ高熱火炎が効果が無いと気付くもガーディアンAは背中のマッハロケットを噴射させ高く跳躍してゴロモスの頭目掛けてネオ電光磁合金製の拳を手刀にして振り下ろす。鈍い音と共にゴロモスはその重い一撃をまともに貰い地面に顎を叩き付ける。更にゴロモスの身体をガーディアンAは両腕で掴み一気に高く持ち上げてそのまま放り投げる。

放り投げられたゴロモスはのたうちながら何とか起き上がろうと身体を動かす。だがガーディアンAは既に必殺技の準備を完了していた。

ガーディアンAは両拳を握り締めた両腕を力強く上げると機体の胸部中心に黄色い電光磁エネルギーが一点集中し激しいスパークが発生する。そして……ゴロモスの瞳がドアップすると共にガーディアンAの必殺技が放たれる。

カンフー《電光磁ビーム!!》

守護神の胸部から黄色い太陽と見間違う電光磁エネルギーの光球が一直線に放たれてゴロモスの身体に直撃しゴロモスはその巨体を宙に飛ばし浮遊感を得るも重力に従い勢い良く落下してゴロゴロと転がり倒れるもタフなのか四肢を大地に着かせてカエルの要領で跳躍。

カンフー《仕留め切れなかった!!》

跳躍してガーディアンAの頭部に噛みつこうゴロモスを必死に押さえ込みながらゴロモスの腹を全力で殴るガーディアンAと怪獣との戦いを距離を離しながら見るミラーマンRB。

「「⋯⋯⋯⋯。」」

鏡(⋯何だ⋯⋯この違和感⋯)

ゴロモスはガーディアンAに投げ飛ばされて頭を足に踏み付けられて蹴り上げられても腹部に向けてゴロモスは全身を使った体当たりを叩き込むも逆に殴りつけて殴り飛ばされる様子を眺めながら違和感が大きく膨らんでいく。

さっきの科学特別機動捜査隊のロボットの巨大な光球攻撃は明らかに必殺技と呼べる強力な攻撃だった。怪獣は命中するよりも素早く後ろに跳躍しダメージを抑えようとしたが、結局命中して……相手の方が自分よりも圧倒的に強いのは、頼みの火炎放射も効果が無い事は対峙して分かっている筈だ。なのに⋯⋯何故⋯逃げない⋯何故引かない⋯⋯何故自分の縄張りに固執する⋯⋯何が怪獣を固執させているんだ。怪獣の必死さが自分にも伝わってきて⋯⋯言葉で説明し難い何か⋯⋯何かが怪獣を突き動かしていると言うのだ⋯⋯。

成川(どうした拓也?)

鏡(成川さん⋯⋯俺の、俺の気の所為なのかも知れないと思うのですが⋯⋯ロボットと対峙する怪獣の様子がおかしいんです…)

成川(⋯⋯どうしてそう思う…。)

鏡(向こうの怪獣はロボットの攻撃で俺が与えたダメージも含めて連戦……体力もスタミナも確実に減っている筈なのに…まるで何かを守るみたいにロボットに執拗に挑んでいるんです。)

ガーディアンAの拳を何度も貰いながらもそれでも尚もガーディアンAのコン・ポッドがある頭部を狙うゴロモス。その必死の姿に拓也は⋯⋯只の悪い怪獣には見えなくなっていた。

拓也の意見を聞いてジョージも怪獣の行動の一つ一つを注意して見ると、旗色が悪く野生動物なら縄張りを捨ててでも逃走をする程弱っているのに、傷付いたゴロモスは果敢にもガーディアンAの腹部に全身を使った体当たりをして後ろに押し出そうとする。だが押し負けてゴロモスはワザと力を抜いて

カンフー《まずっ!》

ガーディアンAは勢いの余り前のめりに倒れてしまう。倒れてくるより速くゴロモスは移動して無様に倒れたAの真後ろがガラ空きとなりゴロモスは急いで起き上がろうとAを攻撃しようとする。

「「オリョッ!?」」

ミラーマンは違和感を覚えるも先ずは目の前のロボットの操縦者を守る為に噛み付かれ痛む足の痛みに耐えながらゆっくり立ち上がり怪獣目掛けて走り出す。自分が此処で成さねばない事をする為に。

カンフー《コラッ!?後ろから攻撃するなんて卑怯だぞ!?》

カンフーは急いでゲームコントローラー型のリモコンで背中に装着したマッハロケットを点火させて低空ブースト飛行でゴロモスから距離を取るも、振り落とされたゴロモスだが、前を飛ぶガーディアンAを追いかけようとするも、自身の身体は逆に後ろに引っ張られる。ゴロモスは急いで背後に首を向けて理解する。自分の攻撃で傷付いたミラーマンRBが、自身の尻尾を両腕で必死に引っ張ってその腕力でゴロモスは前にちっとも進めない事を理解する。

「「オリョッ!?」」

鏡(地底怪獣っ!?俺はまだ生きているぞ!?)

怪獣に何か理由があるのは分かっていても此処で怪獣を野放しにしてはおけないと考えた拓也は闘志を燃やして駆け出す。

ダメージに入るか分からなくても怪獣の無防備な背中をタイミングを見計らい何度も蹴り入れるミラーマンRB。己の力を信じて

怪獣を全力で後ろへ引っ張る。こんな駄目な自分を信じて怪獣との戦いを任せて此処に連れてきてくれたプリズムファイターの信頼を裏切りたくない。

 

「「ミラーソード!!」」

怪獣の尻尾から手を離したミラーマンRBは右腕を光らせる右腕から両刃片手剣状の光の刃を形成して

成川(怪獣の放つ攻撃のタイミングを逃すな!?)

ミラーマンは近付いたゴロモスの顔目掛けてミラーソードを連続で振るうも、始めて出した技の為に、刃の切れ味が鋭くないのかゴロモスの顔の皮膚を薄く切る程度で、寧ろ鈍器のように打撃音と共にゴロモスはソードで殴打させる。

鏡(思った反応と何か違うけど畳み掛けろ!?)

怪獣の反撃する暇を与えずにミラーソードで打撃武器のように、ゴロモスの顔を連続で振るいその都度殴り飛ばすも、ゴロモスは怒り四発めの斬撃?打撃を貰うと前足を上げてミラーソードの持ち手であるミラーマンの右手首を不器用なり掴み上げて相手の動きを止めてそのままゴロモスはミラーマンの顎に頭突きを叩き込む。

「「オリョッ!!」」

顎を殴打され怯んだミラーマンRBの隙を逃さない怪獣はミラーソードを右前足の力で一気にガラスが割れる音と共にへし折られる。

鏡(割れたーー!?てか折れたーーー!?)

身体の方向転換を利用した尻尾で薙ぎ払う一撃をRBミラーマンの腹部目掛けて放ちミラーマンを後方へ吹き飛ばす。

ゴロモスは吹き飛ばされて後ろに倒れたミラーマンRBが起き上がるより速くゴロモスは地底を掘り進み、慌ててミラーマンも立ち上がるもゴロモスの姿は地上から姿を消す。

成川(大丈夫か!?拓也!?)

鏡(あぁ!?)

地底に潜行したゴロモスに警戒していると、ガーディアンAが地上へ戻ってきて足元を警戒する。

カンフー《何処に行った!》

成川(……奴は勝負をまだ捨てていない。気を抜くな…)

鏡(……それは分かっていますけど……)

怪獣が確実に追い詰められているのに逃げようとしない理由が気になってしまい戦いに集中出来ない拓也、

「「っ!!」」

足元の地面が激しく揺れてガーディアンAは急ぎマッハロケットで垂直に飛行して離脱。

鏡(ヤバっ、怪獣の掘るスピードが予想より早い!)

だがミラーマンRBは地面の感覚が薄くなる事を理解するも自重で地面の足場が崩れて落下、ゴロモスが掘った渓谷のような高低差のあるフィールドに土まみれになりながら沈む。

沈めたミラーマンRBの近くの横の岩盤の壁が不自然に盛り上がり中から姿を現したゴロモス。

「「ギャアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」

鋭い爪を伸ばした前足を振るう、迫る爪攻撃を横転してギリギリ回避するミラーマンRB。距離を取られても、ゴロモスはミラーマンRB目掛けて口から高熱火炎を放ち激しく燃え上がる高熱火炎の火攻めによってミラーマンRBは苦しむ。

鏡(この地底怪獣めっ!?土竜攻めの次は火攻めかよ!!)

「「ミラーナイフ!!」」

炎の海に苦しめながらミラーマンは素早く片手をゴロモスに向かって振るうナイフ状の光の刃がゴロモスに向かった連続で放たれるも、命中するより速く怪獣は地底に姿を消してミラーナイフは全て空振る。

外したミラーナイフに悔しさを感じながら新ミラーマンは片手と片膝を熱くなる地面に落とす。

鏡(くっ、内股と左足のダメージが……)

ガーディアンAが作戦区域に現着するより前にゴロモスに受けたダメージが思った以上に効いているようだ。

成川(拓也、急いでその火攻めから離脱しろ…二次元人はレッドマン達と違い飛行能力が無いんだ!?)

鏡(えっ!?この姿飛べないのか!!……空飛べないなら、どうしたら……)

ジョージから告げられた驚愕な事実を知り試しにレッドマンみたいに飛行する為に空中跳躍するも飛行は出来ずに重力に従い自由落下して膝を逆に痛めて疲労が蓄積し弱るミラーマンは俯き揺れる足元の地面を見る。

成川(飛行は出来ないがお前は鏡面体から別の鏡面体へ移動できる瞬間移動能力がある。此処まで来たのもその瞬間移動能力を使った為だ。その能力を利用するのだ……)

ジョージの助言に俯いた顔を上げるミラーマンRB。

鏡(この火攻めから抜け出す為にも出来る出来ないじゃない……やるしかない!?)

新ミラーマンは燃え盛る炎の奥にある周囲を急いで見渡して鏡面体を探す。

鏡(あった!)

拓也は何とか鏡面体を見つけ出すもその隙に新ミラーマンの背後から土砂を掻き分けて姿を現すゴロモスが新ミラーマンの背中に前足の爪を振り下ろす。

成川(後ろから来るぞ!!)

聞こえてきたジョージのテレパシーに拓也は反応し

鏡(ディフェンスミラーじゃあ間に合わない!?なら!?)

「「っ!ミラーソード!!」

背後から迫る爪に対して振り返ると同時に右腕からさっきより硬質化させた光の刃を形成しゴロモスの不意打ちの一撃を火花と共に防御する。攻撃を受け止めると対するゴロモスは両手足を使い新ミラーマンを押し切ろうと力を込める。

鏡(さっきの違い今度は簡単には折れないぞ!?)

ゴロモスは更に口を開きミラーソードを噛み砕こうと固く鋭い歯を立てる。

鏡(コラっ!?人のエネルギーで出した剣を食べるな!!)

その状態から新ミラーマンは膝蹴りをゴロモスの腹部に連続に放ち更に巴投げをしてゴロモスを投げ飛ばす。素早く怪獣と取っ組み合う為にミラーソードを一度しまい。投げ飛ばした怪獣を追い掛ける新ミラーマン。

投げ飛ばされたゴロモスは地面にゴロゴロと転がるも起き上がり

その背後からガーディアンAが着地する。

「「ッ!!」」

ガーディアンAはゴロモスの右前足と右後ろ足を両手で掴み上げて一気に勢い良くジャイアントスイングをする。

ガーディアンAは両手を離してゴロモスを背中からスライディングして……

カンフー《皆、今なら怪獣の腹が丸見えだぞ!射撃支援要請!!》

カンフーが搭乗するガーディアンAの射撃支援要請を貰ったマッハビーストとジェミニフライヤーとガスファイター1号は直ぐ様行動に移す。

ムラマツ「各隊員。攻撃をゴロモスの腹部に集中!!」

《了解!!》

ガーディアンAに投げ飛ばされて仰向けの状態になったゴロモス目掛けて空からマッハビーストとガスファイターにジェミニフライヤーが放つレーザー砲が次々と命中しゴロモスの身体を爆発させる。

「「ギャアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」

更に燃え盛る炎を諸共せずに3機の戦闘機は怪獣に向かって攻撃を放つ。

ムラマツ「っ!!」

激痛を覚えながらゴロモスは仰向けから四足歩行に戻り素早く地底を潜行し再び地上から姿を消す。

新ミラーマンとガーディアンAは怪獣が何処から出現しても良いように全方位を警戒して構える。

ガーディアンAを操縦するカンフーは赤外線システムを起動させて地底に潜むゴロモスの姿を探そうとするが

カンフー《くっ!周囲の火の海のせいでこの辺りの温度が軒並み高い⋯⋯⋯この方法で探すのは難しいか。》

「「っ!?」」

土を内側掘る音が近くで聞こえてきてガーディアンAとミラーマンはすかさずその方向に向けて

カンフー《電光磁ビーム!!》

ガーディアンAの胸部中央から黄色い光珠が一直線に放たれるも

ゴロモスはそれが命中するも地底から素早く跳び出てガーディアンAの頭部に飛び掛かる。飛び掛かった怪獣の体重に引っ張られてガーディアンAは俯向けに倒れて自身に迫るミラーマンRBの方向に顔を動かし倒す為素早くミラーマンRB目掛けてカエルの要領でゴロモスは空中高く跳躍してミラーマンは敢えて自身の左腕を前に差し出して怪獣の鋭い牙が左腕に噛み付く。

鏡(捕まえたぞ!?地底怪獣!?)

激痛に苦悶の表情し噛み付いた状態でゴロモスは自身の体温を更に高温にさせてミラーマンRBを苦しめるも、

「「ミラーソード!!」」

右手から形成した光エネルギーの両刃の片手剣を持ち自身の左腕を噛むゴロモス目掛けて下から一気右腕を斬り上げるようにミラーソードを振るい怪獣の腹を斜めに斬り上げる。

「「ギャアオオオオオオオオオオン!!」」

鏡(斬れた!?でも浅い!!)

皮膚を斬り裂く手応えと共に赤い高熱を帯びた鮮血がミラーマンとゴロモスも間に飛び散り煙を上げるも激痛でミラーマンの左腕から離れて地面に倒れて激しくのたうち回るゴロモスに狙いを定めて瞬時に右手に光エネルギーを集中させてミラーマンRBの黄色い目が光り輝き投げナイフを放つように右腕を力強く振るう。

「「ミラーナイフ!!?」」

ガンマンの要領で放ったミラーナイフは見事ゴロモスの右頬に命中し硬い皮膚を切り裂かれるもゴロモスは、諦めずに高熱火炎をミラーマンRBに向けて放射する。

「オリョ!」

鏡(更に光エネルギーを硬質するイメージで奴の皮膚を更に斬り裂く刃をイメージしないと!?)

右足で地面を蹴り距離を取りつつ瞬時に両手で光の幕ディフェンスミラーを展開して高熱火炎を防御するミラーマンRB。そして

同時に怪獣に明確なダメージを与える為に己の使える能力と怪獣の状態を考えて自分が勝つ為に頭を高速に思考させる。

片膝を立てた状態で炎が吐き終わるまで耐えるミラーマンRBだがこのままでは駄目だと拓也は考えて地を踏む左膝を立ち上がらせてディフェンスミラーを展開しながら⋯⋯一歩足を上げて先の大地を踏み⋯歩み寄る。そして更に一歩歩みを進める。その動作をゆっくりと⋯⋯だが、確実に続ける。

成川(よせ拓也!相手の攻撃が止む隙を狙え!?)

鏡(⋯⋯その為の進みなんですよ。成川さん⋯⋯)

ゆっくりと前を一歩ずつ歩きながら拓也は⋯⋯ミラーマンRBは進む。その気迫はゴロモスにも感じさせる程で無意識にゴロモスは後退しようと身体が反応するも、ゴロモスは己を律し踏ん張りながら炎を吐き続ける。

生物は追い詰められると逃走しようと一瞬でも頭に浮かぶ。だが拓也は、目の前の怪獣は尋常ではない負けられない下がらない何かがあると理解した。そして⋯⋯それは⋯⋯激しい高熱火炎に耐え続けてながら進む拓也も同じなのだ。

鏡(空気が熱い⋯⋯だが⋯こんな火炎が怖くて足を止められないんだよ⋯⋯俺だって⋯⋯負けていなられないんだよ⋯⋯)

遂にディフェンスミラーを持ったミラーマンRBはゴロモスの目前に迫る。そして同時に怪獣の口から炎を出す勢いが弱まりゴロモスが吐く高熱火炎を逆に跳ね返す。

「「っ!!」」

「「ミラーナイフ!?」」

咄嗟に火炎を口を閉じたゴロモスに向かって新ミラーマンは跳ね返った高熱火炎に紛れさせて投擲するようにミラーナイフを連続に放つ。

距離が至近距離もあって炎を切り裂き飛来した連続ミラーナイフを次々と貰いダメージを貰うゴロモス。接近戦をせずに顔をミラーナイフで傷付いたゴロモスと間合いを取りつつ並走し、拓也は静かにミラーナイフを放ちながらゴロモスのダイビングアタックを誘発させる間合いを維持する。

そして新ミラーマンは倒れたガーディアンAを場所に向かって走る。

だがゴロモスは新ミラーマンより素早く移動しつつ急接近する。

鏡(ヤバっ!?追い付かれる⋯⋯)

目論見を果たすより早く急接近されて焦るミラーマンだがその時、ジョージが教えてくれた鏡面体に瞬間移動能力を思い出している途中ゴロモスはダイビングアタックではない飛び掛かってきて目前に迫る中で

成川(変身する時と似た要領で鏡面体に飛び込め!?)

鏡(はい!?)

素早く変身ポーズの動作、ミラー・アクションを行い鏡面体⋯⋯

咄嗟に、眩い光と共に別の鏡面体に⋯⋯倒れたガーディアンAの眩い金属ボディーの鏡面体に吸い込まれるように飛び込み瞬間移動する事に成功する。

「「ッ!?」」

突然、姿を消した新ミラーマンに驚く『お化け屋敷』に飛び掛かり攻撃を空振ったゴロモスは地に足を着けて消えたミラーマンを必死に探す。

そして鏡面体から眩い光と共に姿を現す新ミラーマン。

鏡(実質ぶっつけ本番だったが、ギリギリ成功して良かった。成川さんに教えて貰えなかったらマズかった。)

怪獣との距離が出来ると共に目的地に到着しミラーマンの前に倒れていたガーディアンAはゆっくりと両腕を使い起き上がる。ゴロモスはミラーマンRBを倒したいのにガーディアンAが前に立つ塞がる為に怪獣は地底を潜行するか跳躍するか回り込むか考える。

「「ミラーナイフ!!」」

回り込ませる事も地底に潜らせる事もさせない為に、ミラーマンRBは怪獣のいる周囲に向けて牽制用にミラーナイフを次々と放つ。

カンフー《コラーー!?エースを壁代わりに使うな!?》

動こうとするガーディアンAの背後に隠れる為にゴロモスは自然と背後にいるミラーマンを狙う為にダイビングアタックを敢行する。

成川(拓也!怪獣が再び跳躍するぞ!)

鏡(はい!?⋯⋯全身の隅々までに流れる俺のエネルギーを形成する剣先の隅々まで集中する。)

静かに剣も無いのに居合いの動作の構えをしてミラーマンもジョージのテレパシーを貰い直ぐ様ガーディアンAから距離を取りガーディアンAを目標に助走をつけて一気に走る。

鏡(左足や内股、更に左腕⋯⋯恐らく次の一撃が俺の最後の攻撃だ!?)

「「ギャアオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」

鏡(成川さんの言った通り⋯⋯奴の攻撃動作が終わった瞬間が技を放つ好機⋯⋯奴の剣を先に抜かせる他、俺の攻撃が決まる事は無い。)

怪獣とミラーマンが同時に駆け出し、先に跳躍するゴロモスに対してミラーマンも跳躍しガーディアンAの両肩に一度着地してから更に再空中前転ジャンプ。カエルの要領で空中高く跳躍して前足と口を噛み付き為に何度も開閉させたゴロモスに⋯⋯⋯ミラーマンはガーディアンAの両肩を足場に跳躍した為激突せずにゴロモスより高く跳躍しゴロモスのダイビングアタックが完全に回避されると同時に⋯⋯背中が無防備になる。

鏡(今だ!?)

確実に来た狙い目に拓也は、ミラーマンはゴロモスに向け技を放つ。

「「ミラーソード!!」」背景は白で一瞬だけミラーマンとゴロモスが影絵になる。

怪獣の背中を居合いの動作の構えで抜刀するように右手で形成させた光エネルギーの両刃の片手剣で空中ですれ違い様に振り下ろすと共に深々と背中を斬り裂き赤い高熱の血が噴水の如く迸る中で先の攻撃以上の手応えを感じて不格好で地面に着地するミラーマンRBと空中で斬られ地面に傷付きながら勢い良く落とされる地熱怪獣ゴロモス。

成川(拓也!?)

「「ギャアオオオオオン!!」」

背中と腹から赤い高熱の血を流しながらゆっくりと起き上がるゴロモスは視線を不格好で倒れたミラーマンRBと殆ど無傷のガーディアンAに交互に向ける。

ミラーマンRBは何とか立ち上がるも、正直立っているのがやっとこせ⋯⋯それでも立ち上がるミラーマンを見てゴロモスは脅威と感じ取りガーディアンAとミラーマンRBに勝つのは難しいと考えて素早く地面を掘り進みその痛々しい姿を土砂と共に地上から消す。

鏡(⋯⋯⋯。)

ミラーマンRBはとっくに精神的にも肉体的にも極限状態でありながら怪獣を追い掛けようと行動するも

成川(もう良い⋯⋯深追いはするな。)

聞こえてきた成川ジョージのテレパシーに追いかけようとする気持ちがスッと消えて力無く膝を地面に着く。

成川(既に向こうはお前を脅威と感じたしダメージは充分過ぎる程与えた……後は『お化け屋敷』の面々に任せるべきだ……)

 

鏡(⋯⋯⋯⋯。)

俯いたミラーマンRBの視線の先には自身が斬り裂き流れた怪獣の赤い血があった。赤い血は高熱なのか煙を黙々と上げていて⋯⋯それを何ともいえない気持ちで見る拓也。

同時に両膝を地面についたミラーマンRBは張り詰めた緊張の糸が切れてしまいそのまま大きな音と共に力無く倒れ込んでしまい戦闘続行は無理と拓也とジョージは悟る。

倒れて更に左腕に激痛が走るのを必死に耐えながらミラーマンはミラー・アクションをして『お化け屋敷』とガーディアンAの前から姿を消す。

 

ムラマツ「怪獣が逃げた。私とサンダースはマッハビーストで空から探す。地上部隊の皆は、そのままイデ達がいる三池炭鉱に向かってくれ。」

ミラーマン達は怪獣を追わないが、『お化け屋敷』の面々は逃げた怪獣を追跡する追跡部隊とイデ達がいる炭鉱に向かう地上部隊で別れる。

 

三池炭鉱

【怪獣が地中に逃れた頃、安岡刑事はイデ隊員の救出に向かおうとしていた。】

安岡「『お化け屋敷』が相手しているとはいえ、いつこっちに怪獣が出るとも限らん。急がねば」

炭鉱員「刑事さん。危ないですから伏せて下さい。」

安岡「はい!」炭鉱員達の傍に集まり伏せて念の為に両耳を防ぐ。

炭鉱員「爆破します!」

炭鉱員や安岡達が用意した導火線付きダイナマイトが落盤箇所で的確に配置され導火線の火が本体に通ると共に大きな爆発を起こして落盤は見事に粉砕される。その爆破した際に飛び散った小石の幾つかが安岡の近くに転がる。

安岡「これで炭坑内部に入れますね。」土煙が風で晴れたのを確認して立ち上がる安岡。

炭鉱員「炭坑入口の落盤は、ダイナマイトで破壊しときましたが…」

其れでも現在の炭坑内部全体がどうなっているかまだ分かっていなかった。

安岡「博士、今助けにいくぞ…博士!必ず生きていろ!」

安岡は人生の中でかつてない程張り切っていた。冷静になれと頭が必死に言うも知り合いの安否が心配になり過ぎて居ても立ってもいられないのだ。

焦る気持ち隠さずに炭坑入り口から炭坑内を見て安全を確認する安岡。

安岡「ここから見える限りでは、岩石が道を塞いでいる様子はないな。」

 

安岡「うん?」

意気込みながら向かおうとしている途中、使われていないダイナマイトを見つける。

安岡「入り口の岩石を破壊したダイナマイトが、まだたくさんあるぞ」

安岡(コイツはもし怪獣と遭遇した際でも使えそうだ。)

安岡はダイナマイトを片手で持ち出して炭鉱員の一人に向かって言う。

安岡「このダイナマイト借りてくぜ!じゃあな!!」

炭鉱員「おい!ダイナマイトなど、何に使う気だ!それに炭坑内でも落盤があるかもしれんぞ」危険な代物であるダイナマイトを勝手に借りて行く安岡刑事に注意の言葉で呼び掛ける炭鉱員。

安岡「生きてろよ、博士!!」

だが既に闇へと続く炭坑内に安岡刑事はダイナマイトを持って入ってしまった。

炭坑内部にまだ怪獣がいる可能性がある為においそれと炭鉱員達は安岡の後を追い掛けられず……只無事に帰ってくるのを願うばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

イデ「う、うーん。ここは…」

ホシノ「三池炭鉱内部だ…気が付いたか?イデ。」

黒野「心配したぞ?」

目を開けると見知った二人の姿が見えてイデはゆっくりと二人の前で起き上がる。

イデ「あれ?二人共何で此処にいるの?」

黒野「人命救助任務の手伝いだ……」

ホシノ「向こうにはムラマツキャップに不死身の男の異名を持つサコミズ隊員を始め優秀な人達がいるから心配はしていない。」

イデ(僕を心配して付いて来てくれたのか……)何だか自分信頼されて無いなと考えてしょんぼりした表情をするイデ。

黒野「心配は半分して半分はしてないから安心しろ。」

イデ「何で分かったんですか!?」ビックリした表情を黒野に向けるイデ。

黒野「そんなしょんぼりした申し訳ない顔していたら大体自分が不甲斐ないと考えていると思っただけだ。任務遂行の確率を上げる為に援護しに来たと思ってくれれば良いんだよ。」

イデ「任務……あっ!?炭鉱員のスケザさんは!?」

イデは思い出したかのよつに周囲を必死に見回しているとホシノはある方向へ指を指して言う。

ホシノ「彼処で気絶しているよ。診た所目立った外傷は無い。」

スケザ「ううっ」

仰向けに気絶しているも無事のスケザの姿が見えてイデは安心したのか肩の力が少し抜けた。

黒野「彼には、色々と聞きたい事があるからね。」

イデ「⋯⋯僕達を此処まで運んでくれたんですか?」

黒野「まぁな…出入り口までまだ少し距離はあるが…」

「「ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!」」

炭坑内部に響き渡る怪獣の咆哮と共に激しい揺れが炭坑内部に発生して

〔推奨BGM 危機〕

黒野「⋯⋯俺、フラグのような事言ったか?」イデ隊員以上に気まずい顔で良く分からない事を言う黒野賢人隊員。

ホシノ「知らん。だが来るぞ。各自周囲120度を警戒しろ!!」

冷静にブラックランチャーを構えてスケザの前に集まり三人は武器を炭坑の壁に向けて掘り進む音が近付いてきて一番音が近い方向に向けて三人は武器を構える。

炭鉱の坑道の岩壁を粉々に砕きその巨大な姿を三人に見せるゴロモス。

ホシノ「地上から逃げて来たのか!?」

イデ「早いことスケザを連れて逃げなきゃ」

黒野「同感だが⋯⋯簡単じゃなさそうだ⋯⋯」

イデ「ま、まずい。こっちに近付いてくる!」

ホシノ「イデはスケザの救助を!?」

ホシノの一言に発破を掛けられてイデは急ぎスケザの元へ駆け寄る。

スケザ「う、うーっ」

イデ「おい、起きろ!」

スケザは目を開けるとイデの顔を見て続いて黒野とホシノ⋯⋯最後に怪獣の方に視線を向ける⋯⋯正確には怪獣の下にある

スケザ「ああ、俺のダイヤが⋯」

黒野、ホシノ(ダイヤ?一体何の事だ?)

スケザの一言は『お化け屋敷』の隊員達に疑問を残す。

スケザ「あー!俺のダイヤが!!」

イデ「よせ!?そんな物よりも自分の命が大事だろ!?」

スケザ「うるせぇ!?」

イデ「あーもう!?スケザはだいぶ参っているし、僕達もいつどうなるか分からない。一刻も早くここから出よう。」

黒野「イデ⋯この怪獣をどう見る?」

突然振られた怪獣の状態について質問にたじろぐイデ。

イデ「どうって⋯⋯そうだな⋯」

だがイデも『お化け屋敷』の一員。冷静に怪獣の状態を観察して答える。

イデ「さっき怪獣が出た位置とは違うな。それに傷も負ってるようだ。」

黒野「地上にいる皆が思ったよりも怪獣を弱らせてくれたようですね。」

ホシノ「なら我々が助かる確率が上がるな。」

しかしスケザは怪獣の方を見て急に激しく暴れ始める。彼のその目は血走って普通の様子にはとても見えなかった。救助と護衛をするイデを興奮状態で振り払う。

スケザ「俺を離せー!ダイヤを取られてたまるか!!」

イデ「バカ!そっちへ行くな!止まれ、食われちまうぞ!」

黒野「おい止まれ!?」

スケザ「うるせぇ!あんなバケモノに俺のダイヤを喰われてたまるかぁ!」

 

欲⋯⋯純粋過ぎる欲望がスケザから正常な判断を奪ってしまう。

傷付いたゴロモスは目の前に向かってくるスケザを、自分達を攻撃してきた人間の仲間と考えて迫る脅威に対し迎撃する。勿論、目の前のスケザは『お化け屋敷』の特殊兵器など持たない三池炭鉱に働く普通の炭鉱作業員でしかないのだが……怪獣ゴロモスにその違いが分かる筈も無く。ミラーマンの身体を傷付けた牙を持つ口を大きく開く。

ホシノ「いかん!?怪獣からスケザの奴を守れ!?」

ホシノチーフの言葉にイデは電磁レールガンを黒野は持参したブラックランチャーをゴロモスに向かって青い光弾を次々と発射しゴロモスにダメージを与えるも、ゴロモスは傷付きながら下がる事はせずに前に足を進める。

黒野「早くこっちに戻ってこい!!」

 

怪獣が近くにいるのも構わずにスケザは両腕で持ち上げて運んでいた大きな光るダイヤを見てニヤけながら悦に浸っていた。

スケザ「へへへ⋯俺のダイヤ⋯⋯大きいぜ⋯⋯」

その表情はとても人の話を聞いているようには見えない。宝石の輝きに魅入られている。こんな奴でも民間人だから助けないと苛立つ気持ちを我慢しつつ黒野はスケザを助ける為に怪獣ゴロモスへ接近しようするも…

黒野「クソッ!待ってろ!」

ホシノ「駄目だ!もう間に合わない!?」

黒野「だけど!?」

途中でホシノチーフに力強い手に片腕を握られて動きを止められる。そうこうしている内にゴロモスは口を大きく開きながらスケザに迫り

スケザ「ダイヤは⋯ダイヤは俺のモンだぁ⋯ヒィィ⋯ギャアアア!!」

怪獣ゴロモスはスケザの身体を鋭い牙で咥えて一気に持ち上げ噛み殺す。そのスケザの断末魔の叫びが炭坑内に響き渡り……ダイナマイトを持った安岡刑事にも聞こえてイデ達を心配し急いで走る。

黒野「くっ!!」

目を背けたくなる光景を間近で見る事になる三人。助けるべき人を守る事も救う事も出来ない自分に悔しさを覚えるも、怪獣ゴロモスは肉食では無いのか噛み殺したスケザの亡骸を唾を吐くように吐き捨て

ゴロモスは次の敵の『お化け屋敷』の面々に対して巨大な前足を振り上げて三人に向かって振り下ろす。

ホシノ「総員散開!!」

イデ、黒野「っ!!」

三人はバラけてゴロモスの一撃をやり過ごすも、ゴロモスは左右に分かれた隊員に視線を交互に移して狙いを決めようとする。

イデ「こんの!?」

勇猛果敢に電磁レールガンでゴロモスの顔を攻撃するイデ。

黒野「こんな狭い炭坑内じゃ巨大怪獣の攻撃を何時までも避け切れませんよ!!」

アクロバットで動き回りながらブラックランチャーで当てられそうな部位に狙いながら銃撃する黒野。イデもホシノの近くに合流して…

イデ「三人で怪獣を倒せますか?」

黒野「どう考えてもその前に怪獣に殺られる方が絶対に早いだろ!?うおっ!危なっ!」

迫る噛みつき攻撃をギリギリで回避してから怪獣の前足が地面を削りながら薙ぎ払う攻撃を必死に走ってやり過ごす黒野。

ホシノ「今の我々の装備は対怪獣に特化した装備を持参していない……このまま怪獣を攻撃しつつ炭坑から退避する。」

イデ、黒野「「了解!?」」

黒野「頼むから遠距離攻撃とか火炎を吐くなよ!?」

狭い炭坑内で炎なんて吐かれたら逃げられないし、炭坑内の空気が燃焼されて中にいる俺達が酸欠してしまう。

 

安岡「おーい、博士!皆、無事か!」

イデ、ホシノ「っ!!」

その時、後方から聞こえてきた声に黒野は何とも言えない苦虫を噛み潰したような顔をして言う。

黒野「おい嘘だろ!?こんな時に普通来るかよ!?」

安岡刑事にとってはスケザの救助に手伝いに来たのだろうが⋯⋯黒野達からしては怪獣がいる場所から退避しようとしたら、突然の援軍に完全に予想外で対応に困る。やがて自分達の前に姿を現す安岡刑事に三人は安岡を守る意味でも安岡に合流を目指す。

黒野「ちょっと刑事さん。今此処は、本当に怪獣危険地帯なんだから来ないでくれよ。」

イデ「ヤスおじさん!!」

退避をしつつイデ達三人は急いで安岡刑事に合流して刑事はスケザの姿が見えない事にまず気付いて三人に聞く。

安岡「スケザはどうした!?」

言い難そうな顔をする三人だが直ぐに三人は前に出て安岡に頭を下げて教える。

ホシノ「申し訳ない!我々の力不足で……スケザ作業員を救助出来なかった!!」

黒野「⋯⋯すまん!!スケザの奴大きなダイヤに気を取られて怪獣に殺られたよ。」

イデ「僕のせいだ!僕が急いでスケザを外へ連れだせばこんな事にはならなかった…ごめんおじさん!!」

頭を上げるホシノと違い恐る恐る頭を上げたイデと黒野の向けた視線の先に見えた血溜まりに倒れたスケザの亡骸を見て安岡は直ぐに状況を理解する。

安岡「そうか⋯⋯」

ホシノ「反省すべきは後だ!?」

黒野「こんな事なら対怪獣用ナパームでも持ってきたら良かった!!」

ホシノ「どのみち無い物の強請っていても仕方がない。それにこの狭い炭坑で対怪獣用ナパームを投擲したら爆発に巻き込まれる危険があるんだ。無い方が寧ろ我々が全滅せずに助かる。」

ゴロモスにブラックランチャーを撃ちながら会話するホシノと黒野達。

イデ「そうだ、このままじゃ、僕達もヤスおじさんも危険だ」

安岡「俺に考えがある。任せておけ」

黒野「何かこの状況を打破する名案でもあるんですか?」

安岡「怪獣は地上で『お化け屋敷』にミラーマンやガーディアンAと休む暇もなく連戦やっているはずだから、見た目で分かり難いがそうとう弱っているはずだ」

黒野「ミラーマン!?それにガーディアンAって…」安岡が教えてくれた情報に目を見開かせる黒野。詳しい事を聞こうとしたら

ホシノ「黒野、今はその事を考えるのは後にしろ。」

イデ「駄目だ。ヤスおじさん。無茶しちゃ、こっちもやられるよ!」

危険な事をするかも知れない安岡をイデは止めるも

安岡「怪獣風情に息子を殺されてたまるか!」

イデ「え!」

安岡の突然の一言に目を見開かせるイデ達。

安岡「怪獣め、今に見てろ!」

黒野(どうする⋯)

どうやら安岡刑事は俺達全員が助かるには目の前の怪獣をどうにかするしか方法は無いと考えているようだ。だがそれも強ち間違っていない。怪獣と自分達の進行スピードを考えると自分が全力で走った炭坑を出るより怪獣が此方に追い付く可能性がずっと高い。

イデ「何とかしないと⋯四人とも喰われてしまう!」

怪獣は安岡刑事の言う通り地上での連戦で体力が消耗しているのか息を整えて動いていない様子だ。だが逆に考えるなら

イデ「いつ我々に攻撃してくるかわからない、危険な状況だ」

安岡「こんな怪獣、俺がやっつけてやる!」

黒野「偉く自信がありますね。」

黒野(この刑事さんの妙な自信に満ちた顔……本当に何か勝機になる物を持っているのか?)

さっきからの発言も普通の拳銃しかない刑事が怪獣に向かっていうには流石に命知らずな発言な筈だ……なのにその発言をしている。拳銃以外の怪獣にダメージを与える物を持っている?何だソレは?

安岡「博士、このダイナマイトを使うんだ!」

イデ隊員に安岡刑事が見せた物に黒野とホシノは驚愕な表情をする。

ホシノ、黒野「っ!!」

黒野(ダイナマイト!!)

安岡「あんな奴、ダイナマイトでふきとばしてやる」

イデ「ちょ、ちょっと待った!」

危険な物を見せて怪獣に向かおうとする刑事を黒野とイデは慌てて止める。

安岡「博士、何か良い手があるのか?」

黒野「そうなのか?イデ。」

イデの一言に安岡と黒野はイデの方に向きながら聞く。

イデ「こいつに食わせて、腹の中で爆発させよう。その方が被害も少ないし」

黒野「このダイナマイトを怪獣用ナパーム代わりに使うのか?」

イデ「駄目かな?」

ホシノ「いや、運が良ければ、弱った怪獣を倒せるかも知れない。刑事さんもイデ隊員の案に乗ってくれますか?」

安岡「そうだな」

安岡「そうと決まれば、ダイナマイトをここに置き、俺達は逃げよう」

ホシノ「後退するぞ!」

黒野「おう!?イデ。この石炭の塊の所に置くぞ。」

イデ「そうですね。」

イデ達は安岡刑事が持ってきたダイナマイトを石炭の塊に置いてきて急いでその場を走り去る。

安岡「おっ!ダイナマイトを飲み込んだぞ」

ゴロモスは体力を回復させる為に石炭の山と一緒にダイナマイトを飲み込む。その様子を気配を殺して固唾を呑んで見守る四人。

イデ「今だ!」

ホシノ「総員、ダイナマイトの導火線に照準を合わせろ!?」

黒野「了解っ!?」

『お化け屋敷』の三人は持っている電磁レールガンをゴロモスが口を大きく開いたタイミングを見計らい一斉に発射して飲み込んだダイナマイト目掛けて青い光弾がゴロモスの口の中へ吸い込まれるように入って行く。

次の瞬間、

ホシノ「総員、伏せろ!?」ホシノチーフの号令にイデと黒野達は慌てて伏せる。

黒野「刑事さんも!?」

安岡「おわっ!」

黒野は近くにいた安岡を姿勢を低くさせ

「「ッ!!!!」」

ゴロモスの体内から大きな爆発音と衝撃波が聞こえてゴロモスの全身が物理的に震えて口から煙を漏らしながらゆっくりとイデ達へ視線を向けて前足を動かしてイデ達に向かって迫る。

イデ「この怪獣!まだ元気だよ!?」

自分が提案した作戦が失敗したと考えて慌てるイデは電磁レールガンを自分達に迫る怪獣に震えながら必死に向ける。

イデ「ヤスおじさんは僕が守る!!」

安岡「博士⋯⋯」

震える自分を鼓舞するように言うイデに安岡は自分の知っているイデが成長した事をヒシヒシと感じ取り…

黒野「⋯⋯イデ。」

ホシノ「⋯⋯」

イデ「僕が皆を守ってみせる!!」

ホシノと黒野はゆっくりとイデに近づき電磁レールガンをゴロモスから下ろさせる。

イデ「チーフ。黒野隊員!一体何を!?」

黒野「イデ。もう目の前の怪獣は……」

ホシノ「⋯⋯もう怪獣は⋯⋯倒している。」そう静かにホシノが言う。

イデ「え?」

四人の目前に近づいていた地熱怪獣ゴロモスの口の中から焼けた肉と鉄の臭いが漂い始めてグラグラと自分の身体のバランスも保てないのか大きな転倒音と共に横に力無く倒れてしまう。

「「ギャアオオオン〜〜」」

先程までの力強い鳴き声など何処にも無く弱り切った身体で最後の力を振り絞って鳴いた小さな声を最後に地熱怪獣ゴロモスはその瞼を閉じて動かなくなる。

【⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯】

 

呆然とその怪獣の最後を近くで見るイデ達。

【ガタッ】

「「警戒しろ!?」」

だが何処からか音が聞こえて四人は慌てて警戒して音が聞こえてきた方向へ視線を向けると視線の先にいた存在に戸惑いの表情をする事になる。

黒野「っ!?」

野生の熊と同じ大きさをした四足歩行の怪獣が居てその怪獣の特徴は自分達が倒した怪獣の特徴を幾つも共通点があった⋯

イデ「なんだ、この小さな怪獣は⋯?奴の子供⋯?」

突然現れた小さな怪獣は母親の死体に近づき鳴き声を鳴らして必死に身体を揺さぶるも母親はピクリとも動かない為に小さな怪獣は目から涙を流して静かに死体に寄り添う。四人はその行動を止めない。止めれる筈もない。

黒野「⋯⋯。」

ホシノ「そうか⋯⋯」

ある事実に気付いたホシノと黒野。

安岡「⋯ひょっとしたら⋯こいつは⋯子供を守ろうとしていたのか⋯」

自分達がした事実がどういう事なのか気付き動揺するイデと博士。

黒野「っ!」

黒野(何だ?怪獣の子供が姿を現した地底の奥に誰かいる!!)

黒野は奥に微弱に感じた人の気配に反応して警戒心を露わにする。

成川(拓也が言っていた怪獣の必死な理由とは⋯⋯こういう理由か)

ジョージは瞬間移動能力を使い拓也が気になった理由を知る為に地底に逃げたゴロモスを気配を隠して見ていたのだ。

怪獣の親が子を育て守る為に、人間社会を縄張りにしようと考えていたのか、

成川(怪獣の常食は恐らく石炭。自分の巣周辺の石炭を全て食べた尽くした為に空腹で地上に進出。子供の餌を確保する為にも石炭がある地域を縄張りにする必要があったのか⋯⋯)

成川「⋯⋯。」

ジョージは地底の奥から無言で親の怪獣の亡骸を見て……

成川(自分では絶対に勝てない相手にどんなに痛めつけられ傷つけられながら執念で挑み続けた理由………愛する家族の幸せを守る為⋯⋯)

ジョージは静かに背を向けて瞬間移動でその場から姿を消す。

黒野「っ!」

黒野(⋯気配が遠退いたのでなく忽然と消えた⋯⋯マスク・ザ・セブンみたいな超能力が使える奴なのか?)

相手の姿が地底の暗闇の為に見えなかった。だが黒野は確かに感じた⋯⋯普通の人間とは違う気配を…

イデ「⋯⋯。」

イデの心の中では仲間である黒野達と知り合いであるヤスおじさんを危険な怪獣から守れた喜びと怪獣の命を奪った為に、その怪獣の子供から親を奪ってしまったという罪悪感に苛まれていた。

自分がした事が間違いとは思わない⋯⋯守れた命もある……それでも⋯⋯それでも、心は晴れ晴れになる事はなく、ただどうしようもなく遣る瀬無い気持ちが募るのだ⋯⋯

ムラマツ「おーい!皆、無事だったか」

 

ムラマツ【怪獣の子供は母親の死体に寄り添っていたが、やがて一声鳴き、地底奥深くへと歩きだした。『お化け屋敷』が保護を考えて追いかけようとしたが、先程のダイナマイトの影響か地鳴りが始まり退去を余儀なくされた。その後、子供の姿を見た者は誰もいない。】

三池炭坑出入り口前にて

 

イデ「私達とヤスさんは、『お化け屋敷』のメンバーや救援隊として来てくれたSAFの人達と共に、炭坑の外に出てきた。」

怪獣との戦いが終わり空に夕陽が見える時間⋯⋯

意気揚々にまた誰もいない所に向けて何か言っていたイデだがその表情に明るさは無く只やるせなさを感じた表情をしていた。安岡とホシノはそんなイデの近くに近付いて

安岡「無事に出られて良かったな。博士」

イデ「あっ⋯⋯そうだね。」

安岡「博士、あの小怪獣、いつかまた現れるかな?」

イデ「⋯出来れば地上に現れないで欲しいな⋯⋯」

ホシノ「私もイデと同じだ。」

自分達の命が助かる為とはいえ⋯⋯やってしまった事に罪悪感を覚えてしまう三人。

黒野「⋯⋯罪悪感を感じるのは良いが、人間じゃない奴らからの恨みを買う⋯⋯これも俺達の仕事だよ。」

イデ「頭では分かっているよ⋯⋯でも⋯」

黒野「森で腹を空かせた熊や猿が人里に現れて人に怪我が起きて被害が増える前に警察や猟友会によって射殺されるケースがある。」

安岡「⋯⋯。」

黒野「皆、余り思い詰めるなよ⋯⋯違う見方をすれば俺達の行動で犠牲者がこれ以上増える事のないとプラスに考えた方が良いぜ。」

イデ「うん。黒野。」

黒野「どうした?」

イデ「ありがとう。」

フジ「イデ隊員達も安岡さんも無事で良かったわ」

ホシノ「あぁ。本当にこのメンバーが助かって良かった。」

ハヤタ「皆無事でよかった」

黒野「でも救助対象スケザの奴を救助出来なかった⋯⋯」

炭坑作業員「スケザが⋯⋯」

黒野「今度詳しい現場検証をする必要があるかも知れないが、状況証拠的に彼は炭鉱内に偶然発見したダイヤモンドを隠していた可能性がある。」

炭坑作業員「確かにスケザの奴⋯⋯2週間前くらいに急に炭鉱内で1人でいる事が増えていましたが⋯⋯」

どうやら、スケザが何か隠し事をしていた事は炭鉱作業員達の何人かは分かっていたようだ。だがその具体的な事まで分かっていなかったらしい。

 

ハヤタ「どうやら無事に終わったな。」

アラシ「さぁ、本部に戻りましょうか」

フジ「キャップ。皆さんもお疲れ様です。」

ムラマツ「安岡さん。イデの事で御協力頂いた事、感謝します。」

安岡「いえ、ある意味私も彼らに助けられた物ですからお相子ですよ。」

アラシ「イデ、黒野、お前にも俺達の攻撃を見せたかったぞ。ビーストとモンガーが上空から急降下して、奴の頭にミサイル攻撃。そこへこの俺が自衛隊の戦車部隊と共に地上から援護攻撃。うん、ありゃあ凄かった!」

黒野「へぇ〜〜。そういえば、安岡さんがミラーマンやガーディアンAが現れたって言っていたけど本当か?」

アラシ「あぁ。頼もしい俺達の仲間であるAがパワーアップして戻ってきたんだ。これで怪獣が現れても大丈夫だな。」

黒野「⋯⋯レッドマンも作戦区域に現れたのか?」

アラシ「えっ?」

サコミズ「いや、レッドマンは現れていないよ。」

黒野「そうですか⋯」

サコミズ「どうかしたのかい?」

黒野「何で今回はレッドマンが現れないのか⋯⋯少し気になっただけですよ。」

イデ「⋯ヤスおじさん⋯」

安岡「どうした?改まって⋯」

イデ「さっき、私を助けてくれた時、息子を殺されてたまるかなんて言ってたけど、あれ本気?」

地熱怪獣との決着の際に安岡が言った言葉にイデは凄く気になってしまい本人に思い切って尋ねる。

安岡「えっ?ああ、あれか⋯」

安岡は自分が言った言葉を思い出してバツが悪そうに頭をかく。

安岡「⋯⋯」

イデ「⋯⋯。」

二人の間に沈黙が生まれるも、安岡は意を決したようにイデに向き合い言う。

安岡「いや、俺はあくまでヤスさんだ。お前の親にはなれない。親の気持ちが分からない俺が、、親の真似事なんて出来ないよ」

イデ「おじさん⋯」

安岡なりのイデの付き合い方を口にして安岡は笑みを浮かべてイデの肩を軽く叩いて

安岡「ま、これからも仲良くやろうぜっ、博士!」

明るい表情で話を終えさせる。

安岡「博士、皆も、これからも頑張れよ、体だけは大切に」

イデ「ヤスおじさん、元気で⋯」

仲間達が見守る中でこうして二人は別れの言葉を交わすのだ。

ムラマツ「さぁ、本部に帰投するぞ。」

イデ「了解!」

黒野「ホシノチーフ。今回の報告書。どう書きましょう」

ホシノ「ふむ、私達は怪獣について聞き取り調査の後、人命救助に炭鉱の中へ入ったイデ隊員の後をひたすら追い掛けた事を書くしかないだろう。」

黒野「⋯⋯一応、傷付いた怪獣と戦闘した事も書こう。」

ホシノ「サコミズ隊員達はどうしたのですか?」

アラシ「ジェットモンガーが怪獣の攻撃を受けて不時着したから『お化け屋敷』に修理の為に出す予定らしい。」

黒野「でも彼ら帰る時はどうするつもりだ?」

アラシ「サンダースと加納博士と沖元艦長が科学センターに送迎するつもりだよ。」

ムラマツ「サコミズ隊員達は、当初の九州各地に報告された謎の怪電波の調査に残ったんだ。」

ホシノ「そうですか。分かりました。」

そうホシノ達はサコミズ隊員達についての話しを終える。

カンフー《じゃあ、お先に『お化け屋敷』基地にジェットモンガーを運びます。》

ガーディアンAからそう連絡が終えると背中のマッハロケットを噴射させて夕焼け空に飛び上がるガーディアンA。

黒野「ついにガーディアンAも空を飛んだか⋯⋯」

アラシ「何だか感慨深いなぁ⋯」

空を自由に飛ぶロボットを窓から見ながら二人は言うのだ。

〔推奨BGM 科特隊本部(G3)〕

マッハビーストに最後に搭乗するイデの後ろ姿を安岡は静かに見ていた。語る事を終えた二人は何も言わずに⋯⋯でも気持ちは互いに分かり合い。マッハビーストは垂直飛行をして空の彼方へ飛び去る。

安岡「またな⋯⋯イデ。」

飛び去った方向の飛行機雲を静かに眺めながら安岡は今回の怪獣災害についての報告をする為に自分のパトカーに乗り込み警察署に戻る。

夕焼けの空に舞うマッハビーストとジェットモンガーを両手に持ったガーディアンAをバックに⋯⋯

ナレーション【イデ隊員と安岡の思い出の地を後に、ビーストは帰途についた。イデの新しい思い出を乗せて。】

 

 

 

夕陽が照らす三門市⋯⋯剣持の自宅前にて

「⋯⋯。」

三雲と途中で別れて自宅に帰宅し無言で黙々と1人自分の自転車の整備する夢想は、取り敢えず一段落して拓也が怪獣を追い詰めた事を知る。自転車のタイヤに空気を入れて自転車の調子を確認し終えた夢想は、ふと⋯⋯華と分身体の事が気になり

「もうこんな時間だし分身に顔でも見せに行こうかな。」

と自転車の空気入れや工具箱を自宅にしまい、夢想は自転車に跨り市外の森へ走る。心なしか何時もより流れていく風が気持ち良く感じながら夢想は三門市の何時も景色を眺めつつ自転車を漕いでいた。

 

市外の森にて

人が立ち入らない森に三門市の烏の鳴き声が聞こえてきて

染井「⋯⋯はぁ!」

染井華の意識は覚醒し慌てて起き上がる。

染井(私、いつの間に仰向けで寝ていたの!?⋯⋯違う。気絶していたの?)

「気がついたのか。」

知っている声が聞こえてきて黙々と木製レイガストで1人素振りをしながら剣持分身体が華の方に視線を向ける。

染井「⋯⋯私、気絶していたの?」

「あぁ⋯どう気絶したか覚えているか?」

染井「⋯⋯ごめんなさい。覚えていないわ。」

良く自分が起き上がった場所を見ると折り畳まれたタオルが枕の役割をしていたようで⋯⋯

染井(彼が用意したのよね⋯⋯)

「反射的に致命傷は木製孤月で出来る限り防いでいたが、俺が発する戦う気迫や闘気に意識が耐えられずに飲み込まれて防御した状態で立ったまま意識を無くしたんだ。」

染井「戦う気迫や闘気って⋯⋯」

「格上の相手と対峙する時に感じるプレッシャーだよ。ボーダーのランク戦をやっているなら⋯⋯対峙したら怖いと思う隊員や隊長が無意識に出す物だ⋯手から光弾を出すとか光線を出す方じゃないぞ。」

染井「分かっているわよ。」

華はそう答えつつマシンボーン山で剣持君が自分を含めた民間人を助ける為に黒い角を生やした赤い蜥蜴に似た怪獣と対峙しようとした事を思い出す。言葉には余り出さない物の⋯⋯彼は何時も自分より強い相手に対してこんな押し潰さんとするプレッシャーの中で私を守ってくれていたんだ。同時に葉子達戦闘員がランク戦で部隊のエースと対峙する際に味わうプレッシャーを私は直に知り

染井「戦う人達は本当に⋯⋯凄いわね。」

日々トリオン兵と対峙するボーダーのB級A級の各ポジションの戦闘員達は本当に凄いと華は感心してしまう。

「異次元の侵略者達から日々大切な人や家族⋯友達⋯景色⋯日常⋯⋯街を守っているんだ。俺何かよりずっと凄い人達だよ⋯⋯」

染井「⋯⋯。」

そんな!剣持君だって⋯⋯て反射的に言おうと思ったのに⋯⋯無表情なのに何故だか悲しそうな表情をしているように見えて⋯⋯私は何も言えずに只剣持Xの横顔を眺める事しか出来なかった。

染井(目の前にいるのは剣持君であって剣持君じゃない宇宙人。頭では分かっているのに⋯⋯)

「⋯⋯もう夕方だし⋯⋯今日はもうトレーニングは終わりだからそろそろ家に帰れ。」

染井「えぇ。」

兜を外して鎧や籠手を外しながら片付けをする華。そんな黙々と帰る準備をする華の後ろ姿を見ながら剣持分身体は少し華の事で悩む。

染井「じゃあ、今日は本当にありがとう⋯⋯。」

「⋯⋯気にするな。」

無表情で淡白で素っ気ない言葉を言う剣持分身体と別れの言葉を言う華。

「染井さん。」

背中を向けようとする華を分身体は呼び止める。

染井「何?剣持X君。」

呼び止められた華は分身体と向き合い心無しかぎこちない表情をしている彼は言う。

「それ俺の呼び名か?⋯⋯分身でも普通に混乱するから剣持で頼む。」

などと言っていたが、直ぐに気を取り直して剣持分身体は華に言う。

「⋯最後の俺が振った木製レイガストを素早く木製孤月で防いだ貴方の動きは悪くなかったです。⋯⋯良い動きでした。」

そう淡々と言われて私は思わず⋯⋯目を少し見開く。何故なら今回の防御トレーニングで自分は防御を続ける事も出来ずに気絶して正直、やっぱり戦う事に向いていないのかな⋯⋯と思っていたから⋯だから目の前の彼に褒められるなんて想像もしていなかったから⋯少し驚いてしまった。

「⋯⋯なら今度は本体と防御や回避のトレーニングをしましょう。」

染井「そうね。今度は木製レイガストで打ち合いをして見ようかしら。」

何だかこの人に褒められるなんて変な感じがして思わず口元に笑みを浮かべてしまう。

「俺が君を褒めるのは珍しいか?」無表情で華に尋ねてくる剣持分身体。

染井「⋯⋯気にしないで。少し驚いただけよ。」

(驚く事か⋯⋯)

「だからまぁ、それを貴方に伝えたかった⋯」心なしか染井華から温かい目を向けられて分身体は彼女に背を向ける。

「寮まで送ろう。」

染井「えっ?」

「貴様に何か合ったら、分身体の俺と俺の本体で血と血で洗う死闘になるからな。」

染井「良いの?」

「何が?」

染井「私と一緒に移動していたら、ボーダーの人達に見られて葉子が勘繰る事になるわよ。」

そう華が答えると分身体は無表情で困った仕草をする。

「⋯⋯ならワープで近くまで送るで手を打とう。」

染井(普通に帰りたいんだけどな⋯⋯)眼鏡を光らせながら脳裏に夕陽をバックにジョギングする華と夢想本人の姿をイメージしながらも

染井(まぁ、でもここ最近、妙な吸血鬼の噂もあるって言うし⋯⋯剣持X君も私を純粋に心配しているんだな⋯⋯)

相手の心配する気持ちが分かる為に、華は拒否の言葉が言えない。こうして目の前の彼を見ると剣持君に負けない優しい心の持ち主なのだろう。

染井「だったら⋯⋯寮の近くのスーパーマーケットまで送ってくれる?」

「え?そんなんで良いのか?」

染井「自炊用の食材を切らしているの。どっち道帰る途中で寄る予定があったから。」

「⋯⋯⋯⋯分かった。レッドマン超能力ワープ。」

「おーい。分身。染井さんとのトレーニングはどうだ?」

分身の身体が真っ赤に発光する時、聞こえてくる剣持夢想の声に

染井「あっ。」

丁度、顔をチラ見えた夢想本人と目と目が合った華はそのまま分身と共に姿を文字通り消してしまう。

「えっ?染井さん?」

誰も居なくなった森の中心でポツンと自転車片手に突っ立ている夢想は事情は訳分からない表情をする。

(どうやら⋯⋯染井さんは分身の奴に寮近くのスーパーまでワープして貰ったようだ。てか俺の身体だ。勝手に出るな。)

(えぇ~〜〜元を正せば、あっちょっと!?)

冷静にベムがそう言い俺の意識を奥に押し込み自然と無表情となった剣持は話す相手がいなくなり自転車に跨りベルを鳴らしながら来た道を戻ろうと考えていると

鏡「こんな所で何してんすか?剣持先輩。痛つつ。」

成川「ベムか。どうしてこの森に?」

左腕と左足に真新しい包帯を巻かれた拓也と拓也の手当てを終えたジョージと遭遇する。

「⋯⋯拓也にプリズム先輩。」

思わぬ場所で集結する三人。

「九州に感じた怪獣の気配が感じなくなった⋯⋯拓也が倒したのか?」

自宅に帰る間に感じた鏡拓也の気配と怪獣の気配のぶつかり合いについての話しを切り出す剣持。

鏡「⋯⋯。」

成川「⋯⋯。」

そんな剣持の質問にゆっくりと一度俯くも一分、二分何かを言う事なく無言で首を左右に振り

「どういう事だ?」

鏡「⋯⋯⋯確かに成川さんに九州まで移動させてもらって怪獣相手に戦ったのは本当です。でも⋯⋯俺、自分1人の力ではアイツを追い詰める事は出来なかった⋯⋯」

成川「⋯⋯⋯。」

鏡「剣持先輩は何時もこんな大変な事を1人でしていたんですけね。俺が間違っていました。1人で何でも出来ると思っている内は大切な事が見えていない⋯⋯今回の戦いでそう⋯⋯実感しました。」

「続けるのかい?今回のような事⋯⋯確かに⋯⋯君の行動のお陰で助けられた生命だってある。でも⋯⋯義務や使命は無いんだよ⋯⋯。」

互いに向き合いながら言葉を交わす夢想と拓也。

「義務や使命は成川さんも言っていた通りありません。それでも⋯⋯俺は大切な物を守りたいんです。俺も大切な人達を守りたいんです。だから⋯⋯一緒に悪い怪獣や宇宙人から地球を守る為に力を貸して下さい。レッドマン。」

身体の各部に包帯を巻いて疲れた表情をした拓也は真剣な表情でベムに手を差し伸べる。

「⋯⋯⋯⋯。」

無言で剣持の姿は眩い深紅の発光と共にその姿をレッドマンに変えて差し伸べられた手を掴み。テレパシーで拓也の頭に言葉を送る。

(夢想と違い俺は弱い奴は嫌いだ。弱い奴はアッサリと死ぬ⋯⋯其処にいた事すら残らない程に⋯⋯簡単にくたばるなよ。)

(宜しく⋯⋯拓也。)

拓也はベムの辛辣な正論に冷や汗をかきながら

鏡「失望させないように善処するよ。宜しく。ベム。剣持夢想さん。」

 

互いの事はまだまだ分からない事だらけな前途多難だけど⋯⋯夢想と拓也は、根拠はないが、相手を信じる事にした。だって⋯⋯そうやって絆は繋がっていくのを、僕らはもう知っている筈だから⋯⋯

ジョージは静かに二人が握手をしている様子にサングラスごしに見ているも知っている気配を感じて視線を向ける。

太刀風、春日、ハザマ、謎の少年、謎の少女「「⋯⋯。」」

木々の枝に忍者の如く乗りベムに感知されないように生きた気配を完全に消しているのか蝶々や小鳥がヒーロー達の肩や頭に乗っていた。

成川(奴らと対峙する為の数は⋯⋯取り敢えず揃った⋯⋯だがやはり肝心なのは、練度に質。)

ジョージはヒーロー達から剣持達に視線を戻し

成川「いつまで握手をしている。二人とも。」

「イヤッ。」

鏡「すいません。成川さん。」

互いの手が離してジョージに向き直る二人。

成川「兎に角、二人は傷の完治に集中しろ。完治したら修行開始だ。」

レッドマンは剣持の姿に戻り肉体の細胞を急に活性化させたから

「俺はそれで良い⋯⋯どの道、ブラック・ミストでは俺の知らない手練れが増えたようだし。」

(身体中痛い〜〜!)

(痛いと思うのは、生きている証だ。我慢しろ。)

拓也に見せないように眉間に皺を寄せた表情でジョージの言葉に答える剣持。

鏡「俺もです。」

成川「ベムは自主鍛錬をするから問題ないとして剣持夢想は主に皇虎が担当する。」

鏡「俺は?」

成川「お前は誰かに師事される以前に先ずミラーマンとしての自己能力を把握しろ。」

割りとガチなトーンで助言するジョージ。

鏡「あっはい。すいません。」

 

拓也と夢想の様子を見て炎太郎は言う。

春日「二人とも大丈夫かな⋯⋯。」

太刀風「心配しなくても問題ないで御座る。」

気持ちを改めた拓也の戦いが今⋯⋯始まる⋯かも知れない⋯⋯

 

 

 

宇宙 地球と月の間にゾークロンの円盤内にて

ガバン「⋯⋯。」

円盤内部の巨大な空間で地球の情報を水を吸ったスポンジの如く学習するウルトラーVを眺める空の軍神。

ゴメル「クカカカカッ⋯⋯彼が気になりますか?ガバン。」

視線を後ろに向けなくても分かる特徴的な含み笑いに何の反応を見せずに自分の意見を口にするガバン。

ガバン「我々が知るゾークロンの細菌怪獣にしては随分と自我が強い個体だと思ってな⋯⋯」

ゴメル「私も興味深く調べてみたらどうやら、地球人がレトロウィルス対策の装置をあの個体に内蔵させた模様ですが、面白い反応を見せていますよ。内部の電子頭脳がまるで別次元の惑星エスメラルダの鋼鉄の武人のようですよ。クカカカカッ⋯⋯」

ガバン「そうか⋯⋯。」

ガバンは興味を失ったように踵を返してその場から去る。

ゴメル「クカカカカッ⋯⋯所で最近、この星にレッドスターの連続殺人犯が逃亡してきたのは、ご存知ですかね?」

ガバン「レッドスター?」

敵であらレッドマンの故郷の名前を聞きガバンの足は止め後ろを振り返る。

ゴメル「クカカカカッ⋯⋯お話をお聞きになりますか?」

愉快に嗤う事で身に纏う白いローブが小刻みに揺れて黄金の仮面の奥に妖しげに光る胡散臭い青い瞳が自身に興味はあるのか?っと暗に語っている。

ガバン(狩人が得意の"戯れ"か⋯⋯)

どうやら、目の前の狩人が何やら企んでいるようで⋯⋯しかも何時もなら自分1人で愉しむの筈がどうやらこの自分を巻き込ませたい様子だ。

ガバン(地球に居る銀河連邦の奴らも気になる⋯⋯)

本心が分からない奴の誘いに乗るのは些か危険だが⋯⋯

ガバン「あぁ。訊こう。」

ガバン(如何なる敵もこの空の軍神の陽熱拳で骨まで焼き尽くすのみ!!)

ガバンはゴメルと向き合い為に歩を進める。




次回『HORROR・OF・BLOOD・BATTLE・WAR』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。