場所:海岸
会話相手:生徒など
前回のあらすじ
謎の兵士二人を尋問していたらリセッターが来襲した。
さて……と。どうやって追い返しましょうかね。
『対空砲型は多数配備が基本ですし……軽戦闘機型は火力不足ですし……』
「何を悩んでいるんです?先生。」
『ん?えーと……誰だっけ?』
「もうお忘れですか?」
『えーと……もう少しで思い出せそうなんだけれど……』
「私ですよ、藍田です、藍田ヨルです。ほら、トンプソンコンテンダーの!」
『ああ、思い出した。すまんね……それにしてもどうしてここに?封鎖しているはずでは?』
「ああ、そこはこれでも風紀委員会所属なんで。」
『そうだったね……』
「あの巨大なカマキリが来たから避難指示を出したんですよね。」
『ああ、うん。』
「……先生、もしかして一人でどうにかしようとしてました?」
『……?』
「よくいるんですよ。一人で抱え込んで自己解決しようとする人が。」
『ああ……わかるよ……うん……』
「先生は違いますか?もし違われていたら大変失礼な真似を……」
『まあ否定はできないかな……ちょっと言われるのは心外だったけれどさ。』
『そういえば、藍田。映画は好きか?』
「映画ですか?あまり見ませんね……」
『そうか……すまんな。じゃあ、ちょっと走ってくるわ。』
「あ、先生!海岸を南に進むと沿岸砲台がありまして。もしかしたら使えるかもしれません。」
『ふむ……砲兵はいるか?』
「……先輩達の方に当たってみます」
『よろしく頼む。』
近々、エデン条約なる条約が結ばれるとか結ばれないとか聞いた。二学校間の対立を緩和、解消する為の条約……上手くいくのだろうか?まあそれを部外者が心配するべきではない。
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「目標!海上高度300mを飛行する巨大カマキリ!距離およそ2.5km!角度…」
砲兵としての授業を受け練習をした先輩達が沿岸砲に登るなり測量、照準合わせ、装填動作を行っていく。
「弾種!43番榴弾!」
「委員長!射撃許可を!」
「……まだ、撃たない。3番砲台は?」
「あと10秒ほどください!装薬量に問題発生!」
『ひえー……』
「ん……?なんだ……?」
「無線に反応あり!接続します!……委員長、代わってください。」
「……わかった。」
ヒナ委員長が電話に変わって出る。
「……一年生の藍田さん……藍田さん居る?」
『え?あ、はい。私ですが。』
「代わってくれだって。先生から。」
『は、はあ……わかりました。』
『もしもし……』
「あー、藍田?聞こえてる?」
『はい、はっきりと。』
「それは良かった。」
『それで何のご要件が?』
「ああ……観測手に伝えてくれ。目標までの距離は2512m、指示をしたら発射するように。発射指示はこちらで出す。トリニティも撃つ予定だから先に撃つなよ?」
『……了解しました。伝えておきます。』
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さて、砲兵隊への連絡は終わりました。あとは……
『こっちこっち〜』
このデカブツを誘導するだけです。
藍田は「一人で抱え込んで自己解決しようとする人」について触れていた。確かに自分は抱え込みがちである。映画ならここで爆弾を抱えた機体が滑走路を走っていき、敵に体当たり、ちゃんちゃんとなるのがたまに見る展開である。まあそうもいかないのだけれど。
『試作機の調子は悪くなさそうですね。流石エンジニア部。』
私がこの地に降り立ったときに発生したARMSの残骸を基にある一機のARMSが試作された。
「あくまでも、戦闘は想定されておらず、飛行だけを可能とする装置であることを忘れないでください。」
『了解。』
「壊さずにきちんと持ち帰ってください。あくまでも観測任務用ですから。」
『……了解。』
「謎の間は何ですか!」
『はいはい。ユウカ、それはわかったから。』
「……。」
『壊さずに試作機は持ち帰る、誰も死なせない、神の杖は最終手段、これだけだろ?』
「はい。まさかエンジニア部が衛星兵器なんてものを開発していたなんて……」
『どうにも開発者は別っぽいけどな。じゃあ、行ってくるよ。』
『こちらグラスホッパー、ミレニアムコントロール、飛行許可を。』
「は、はい、こちらミレニアムコントロール。飛行許可を出します!」
『グラスホッパー、了解。』
(ある程度の飛行後)
「こちらミレニアムコントロール。グラスホッパー、管制をゲヘナコントロールに引き継ぎます。どうかご無事で。」
『グラスホッパー、了解。』
「こちらゲヘナコントロール。グラスホッパー、応答を求む。」
『こちらグラスホッパー。管制は慣れているのかい?』
「グラスホッパー、無駄話は避けたいが、これが初めてだ。」
『……なるほど。グラスホッパー、了解。』
「グラスホッパー、こちらゲヘナコントロール。目標まであと僅か。」
『グラスホッパー、了解。わざわざ老害の無駄話に付き合わせてしまって悪いね。』
「できればまたの機会に聞きたいものだ。」
『機会があれば考えておくよ。』
『こちらグラスホッパー。砲手、射撃位置についているな?』
3部隊が同時に発砲する。発電所に向かっていくハルペスを迎え撃つ為に。
『カウントダウン開始。』
10
9
8
7
6
5
4
3
2
1…
『……撃て!』
2箇所から飛んでくる白色と赤色、青色に緑色の光の粒。それは私の側を掠めてハルペスの羽根、その付け根に向かっていく。
『着弾、今!』
非常に鈍い音を立ててハルペスの羽根の付け根に食い込む砲弾。大口径砲6門の火力はとても大きい。そして、
『神の杖が順調に降下中。着弾予測では誰もいない所に落ちるが各自避難せよ。』
絶縁層を削り、ある程度ダメージを与えたとは思うがもしこれで破壊できなかったときの為にエンジニア部にお願いをして衛星兵器を動かしてもらっていた。
『着弾するぞー!』
『着弾、今!』
チタン製の徹甲弾がハルペスの胴体へと直撃、その衝撃でハルペスの羽根はもげて光の粒と化しながら崩れていく。胴体は重力によって地へと導かれていったが。
『作戦はひとまず成功!グラスホッパー、帰投する。』