灰まみれの蒼い公文書保存庫   作:イエローケーキ兵器設計局

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日時:二日目(朝)
場所:ゲヘナ学園42号棟101号室
会話相手:便利屋68の4人+藍田ヨル(風紀委員会員)


二日目(1)

 

 

 朝08:10。先生になってから初めての授業が20分後に始まる。

 こうして教壇に立つと後輩達の世話をしていた頃を思い出す。

 単騎運用される戦略兵器として再構成(人間からの変異)、試作された私と複数で運用する兵士として開発(情報体)された後輩達……

 おっと……回想に浸っている場合ではない。

 

 教材を用意しておく。

『4ゲージのバックショット、フレシェット……フラグ……』

「おはようございます、先生。」

『……ん?ああ、ヨルか。おはよう。』

「先生。これらは?」

『4ゲージ用の銃弾等を用意しないといけないからね。教材出しを手伝ってくれる?』

「わかりました。」

『じゃあ……12ゲージ用をもってきてくれるかな。』

「了解です。」

 スラグ弾を左に……こんなものか。

「持ってきました。」

『お、助かるよ。』『四人を呼んできてくれるかい。』

「了解です。」

 

 20分後……

『では、定刻となりましたので"戦闘理論Ⅰ"の講座を開始します。よろしくおねがいします。』

「よろしくおねがいします、先生。」

 風紀委員会のヨルがそう答え、

 

「よ、よろしくね……先生。」

 アルが少し怯えながら答える。

 

「よろしくね、先生。」

 ムツキが軽く言い、

 

「よろしくおねがいします。」

 カヨコがゆっくりと挨拶する。

 

「よろしくおねがいします……先生。」

 ハルカは相変わらず怯えている。

 

『では……バックショットの解説から。』

 12ゲージのバックショットを手に取る。

『ハルカ、バックショットのバックとはなんだと思う?』

「え、私ですか……?ええと……ええと……鹿……ですか?」

『そう、牡鹿。鹿撃ち用に使われていた散弾だ。』

「……ハルカは博識ね。」

『では、特徴を挙げてみてくれ。』

「ええと……近距離での殺傷能力が高い、弾丸が小さいので射程は短い、あとは……貫通力が低い?」

『そう。正解。』『じゃあ、アル、スラグ弾の使用用途は?』

「ドアの錠前破りね。」

『正解。カヨコ、他には?』

「確か、熊や猪といった大型の動物に対して使っていたはず……」

『そのとおり。』

「せんせーい、私はー?」

『ムツキさん、少し待ってくれるかなー?』

 笑いながら机の上に置いた4ゲージの散弾銃に手を置いたらすぐに閉口した。弾は抜いてあるし、安全装置もかかっているとはいえ使いたくはないのだが。

『じゃあ……ムツキ、フレシェット弾とはなんぞや?』

「え、えーと……矢のような子弾が多数入っていて、発射すると子弾がまとめて飛んでいく……感じ?」

『ふむ……フレシェットの意味は?』

「フランス語でダーツ、かな?」

『ふむふむ……よろしい。』『次は実技…10分後に射撃演習場へ。各自、武器を持ってくるように。』

「はーい」

 

(10分後)

 

『ハルカ、4ゲージの散弾銃は持ってきたかい?』

「はい、これです。」

 丸太のような、木の枝のような機関砲くらいの散弾銃……銃身だけで1m近くあるので室内では取り回しが悪かったりする……

 

『この散弾銃は今まで肩につけて撃つことを前提に設計されていましたが……ハルカ、撃ってみてどうだった?』

 

「反動が……肩が抜けます……」

『という悪評を頂いてしまうような代物でして。そこで……』

 新しい散弾銃をハルカに差し出す。

「軽いです……」

『うん、装薬から見直してみた。勿論今の状態でも元の銃弾は使えるよ。ポンプアクションだからね。』

『左側面のレバーを前に起こすと……』

「シールド…?」

 金網の貼られた傘のようになる散弾銃。

『そう。しっかり構えれば45mm弾くらいなら弾けるよ。アル、撃ってもらってもいい?』

「え?いいけど……」

 大きな音を立てて発砲するPSG-1から放たれた銃弾はハルカの構える散弾銃の傘に当たり、弾かれた。

「おお……」

『昨日、調べ物をしていてだな……どうもハルカが敵弾を受けながら周りが攻撃するようだね。そこで、思いついたんだ。』『シールドを張りながら射撃させてみてはどうかなと。まあ、あんまり長時間は持たないからここぞというときに使ってほしいな。威力そのものはかなり高いからさ。』

「へ、へえ……ありがたいわ!」

「ありがとうございます!」

「大丈夫かな……」

「なんとかなるよ…!うん!」

 

「構え方は……スリングで肩から吊るして脇で挟み、このメガネ……と、連携させて照準を表示、カートリッジをクリップごと入れるかバラで入れて……」

『安全装置を外し、スラグを使う時は2脚を立てて構える。』

「ハルカ、撃ちます!」

 ダーン!と大きな音が射撃演習場に響く。ここまで口径が大きいとゴム弾でもかなりの破壊力だ。

『フラグ弾を試そう。アル、ムツキ、カヨコ、ヨル、キルハウスへ。30分やる、攻撃に備えて築城してみろ。』

「え?」

「えー!?」

 一同揃って反応を返す。

『急げよー最高火力が襲いかかるぞー!』『ハルカ、フラグ弾とはなんぞや?』

「フラグ弾…フラグ弾…爆発性の弾丸…?」

『そう。破片を用いて加害する。まあ中途半端な口径では残念な効果しか得られなかったんだけどね。』

「は、はあ……」

『作戦と実力テストの内容を説明しますね。』

『攻撃側と防御側に分かれて攻城戦を行います。30分もあれば……まあ、バリケードキットもありますしある程度の築城はできるでしょう多分。……ハルカ、貴女はあのキルハウスを破壊するか、内部を一掃してください。ゴム弾以外でもまあ……良いでしょう。』

 

 防御側はハルカを気絶(=体力切れに)させるか30分間耐えれば勝ち……まあハルカが勝つでしょう……




次回に続く
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