場所:ゲヘナ学園第一医務101号室
会話相手:妻
ハルカが眠る医務室に移動して暫く。
あのー……何故、私は膝枕をされているのでしょうか……
見上げると楽しそうに端末を操作していた。当方にイタズラする気はない。嫌な予感しかしないから。
彼女は私よりも2つ上の人間であった。かつて、は。
彼女は深紅の目をしていた。これは今も同じ。
頭をもたげると優しく、柔らかくしかし引き締まった太ももの上に戻される。タイトスカートの生地が柔らかい。スカートはプリーツスカートが至高だと思っていたが思ったより悪くないかも……
『あのー……寝ている生徒の前でこれはどうかと思うのですが……』
「うーん?」ニコニコ
『ウッ……すいません……』
「うん。」ニコニコ
頭を撫でられている。ずっと。前からそうであるべきだったように。
こうしていると昔を思い出す。私が彼女の部下だった頃とか。今じゃ立場は逆になっちゃったけど。
右目の下のバーコードをなぞる。くすぐったそうに微笑む彼女。頬を揉むと……
「だーめ。」
満更でもない様子。さらに顎を撫でておけば何とかなる。人間の頃からの経験則であるが。
(話が進まなくなるので中略……妻を30分くらい堪能した。)
それから時間が経ち、日暮れを迎えていた。私がCityを発ったのは夏だったから夏の夕暮れという訳か。……考えついておいてから嫌な予感しかしない。
「せーんせい、生徒さんからメッセージが届いてますよ。」
『勝手に端末を見るの辞めてくれる?というかどうやって開いたの?』
「開いてましたよ?」
『え?』
端末には「先生の奥様のようなのですぐに通しましたが……何か問題でもありました?」と疑問符を浮かべてそうな
『セキュリティーが甘過ぎるよ……』『えーと……メッセージは……と。』
メッセージの内容はトリニティ高等学校の正義実現委員会からであった。確か、海に行くとか言っていたはず……こちらにメッセージを送るという事は何かあったのだろうか。
『どれどれ……』
『海の上に少女二人が立っていて変な生物と格闘しているので助けてあげてほしい……はあ?』
「生徒さんのお願いですから行かないといけませんね、海。」
『しかし……ハルカは、ハルカはどうする。まだ目覚めていないんだぞ。』
「私が見ています。」
『火宮?』
「チナツで良いです。」
『風紀委員会が?』
「ゲヘナの生徒に起きた事はゲヘナが後始末しなくてはいけませんから。ハルカが起きたらお知らせします。」
『すまん。』
「いえ。トリニティのお仕事、頑張ってくださいね。」
途中から入って来て話を聞いていた火宮チナツに後を任せ、医務室を二人で後にした。