第6話 邂逅
ドンビシャーン‼︎
それは突然起こった。大きな衝撃音とともに地響きがなった。思わず音源である正面のステージ上を見やる。すると、もくもくと土煙が舞い上がっている。あまりの衝撃に心臓を撫でられたような感覚がした。が、……土煙から何か聞こえる。パニックになりそうなのを抑えながら、耳を側立てる。
「……ちゃーん! ……ちゃーん‼︎ ケロちゃーん‼︎ ケロちゃーん‼︎」
ケロちゃん? まさか、と思った。仕切りに同じ名前を連呼している。こんな出会い方はしたくなかった。土煙が徐々に引いていき、そのシルエットが明らかになっていく。
「ケロちゃーん! ケロちゃーん‼︎ 死んじゃやだよー‼︎」
目に映ったのは、ぐったりとした獣に
「さ……くら?」
そう口に出したのは、右隣にいるましろだった。そう、かの少女の名は、木之本桜。カードキャプターさくらの主人公にして、今回のイベントの主役。だが、このステージのセンターには決して立つはずのない、創作物そのもの。
それは、作品世界の雰囲気とは似つかわしくない
「にゃーん」
ハッとした。猫のさくらだ。
「あなたが桜……さん、でしょうか?」
「は、はい」
それは、中性的で、性別の判別ができないような声だった。猫が喋るのを見たのは、これが初めてだ。とある作品で聞いたことがある。猫は9つの命を全うする。何度も生まれ直し、人間と接していれば、やがて人の言葉を理解し、操るようになると。そして、さくらこそ、9回目の命を授かった猫なのではないか。
「さくら……さん? いったいこれは……?」
「こっちです」
猫のさくらが視界から消え、上から人の顔が現れ、私の目を覗き込んでいた。
「キノです。えっとこの人で合ってるかな?」
「にゃーん」
「そっか」
よもぎいろのショートの髪に、整っていて穏やかな顔つき。その顔つきの持ち主が私の顔から離れ、姿勢を正した。なるほど状況を理解した。彼女は猫を胸の前に抱き抱えていた。つまるところ、言葉を発したのは、彼女の方だったのだ。その容姿は少年と
「何と言えばいいか……。とりあえずこの世界は、このままだと滅んでしまいます。あなたは、この終末をどう過ごしますか?」
その言葉に、頭がぐらついた。そしてその問いに咄嗟に答えることもできなかった。
「にゃーん」
「せっかく案内してくれたとこ悪いけれど、ボクは、本人の意思を尊重したい。これはボクにとって大切な確認事項なんだ」
何を言っているんだ。私の意思? そんなものわかるはず……。
「まあ、いきなりそんなこと言われても困りますよね。とりあえず、落ち着いて状況を整理しましょう」
私はカードキャプターさくらのイベントに来た。すると、創作物の神田空太と椎名ましろに出会った。そしてイベントの途中、世界から色が消え、周りの人達が動かなくなった。ふと右に視線をずらすと、すでにましろも動かなくなっている。そんな中、突如空から、ステージ上にケロちゃんに跨った木之本桜が降ってきた。そして、キノまで現れ……。会場には女の子の悲痛な泣き声が響く。
私は小さく口を開いた。
「終末なんてどうでもいい」
「どうでもいいんですか?」
「私はただ……」
「ただ?」
「目の前の女の子の涙を拭いに行きたい!」
私は席を立った。
「どうして?」
「大好きだから‼︎」
勢いよく走り出した。
「そっか、なら、いってらっしゃい」
かすかにその言葉を耳にしながら、前を向いて走る。詳しい状況は依然としてわからない。自分が知り得る限りの情報しかない。でも、
「さくらちゃん! さくらちゃん‼︎」
そうだ、私は木之本桜から、いろんなものをもらった。走りながら、思い返す。そして、思いを返すんだ。そう自分に言い聞かせて、ステージに身を乗り出し、
「さくらちゃん! 絶対大丈夫だよぉぉおおお‼︎」
力の限り叫ぶ。すると、一筋の光が、勢いよく飛び出した。木之本桜の下に向かって!
こんにちは。ここまで読んでくださった皆様ありがとうございます。楽しんでいただけてますでしょうか……。ところで、つい先日購入した「化物語」、まだ家に届きません。通学中、手持ちブタさんです さて、自分はアニメが好きなので、アニメの話でもしましょう。今期のアニメ、やはりなんといっても楽しみなのが、「美少年探偵団」!!これまた西尾維新先生の作品です。女性キャラクターが多い西尾先生の作品の中で、男性キャラクターを中心に描いたいわば挑戦的な作品のように思われます。自分は西尾先生特有の文法がとても好きです。西尾先生と男性キャラクターの集団。そして、再びのシャフトさんによる映像。どんな化学反応が起こるのかとても気になります。あとは「フルーツバスケット」。とうとうThe Finalまできましたね。透くんの、ふとした瞬間の夾への反応。ドキドキします。これもまた名言の多い作品です。きっとあなたの背中にも、梅干しはついていますよ。