一応基本的なユニバースは原作に準拠しているつもりです。
「らっ……ららら楽郎くん!私、っと…つ、付き合ってくだしゃひっ!」
これまでの状況を整理しよう。
本日は12/27。時節は冬休み。クリスマス前から年が明けて数日までの奴は長期休暇四天王(3つしか無くても四天王)の中でも最弱…
夕方にコンビニに買い物に行ったら、たまたま玲さんと出くわした。
登下校時のようにシャンフロの話題を少し話して、登下校時のようにいつもの交差点で別れる。
流石に年内にまた会える保証も無いので「良いお年を」を締めの言葉にして去ろうとしたら、これである。
どうしてこうなったかわかんないだろう、俺もわからん。
何?告白?
誰が誰に?
玲さんが、俺に??
まぁ待て俺。
落ち着け俺。
なにかの聞き間違いの可能性がまだ捨てきれない。
早とちりはピザの始まり。ここは冷静に玲さんの次の手をだな…
「…へ」
「…へ?」
「返事はっ、後日で結構ですからぁああぁあぁぁぁぁ………」
玲さん、猛ダッシュで戦線離脱。
…俺より足速いな。
「………おぇあ」
とりあえず、聞き間違いではなかったらしい。
…家、帰るか。
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現在、俺はリビングで正座している。
その目の前には仁王立ちの我が妹。
「私は目の前の人物に呆れ果てています」という雰囲気を隠そうともしない。
父さんも母さんもいなくて良かった。もし見られてたら俺の家庭内ヒエラルキーに響く。
「お兄ちゃん、ないわー」
帰宅直後に瑠美に見つかる(1 Combo!)
挙動不審を見抜かれる(2 Combo!)
洗いざらい吐かされる(3 Combo!)
KNOCK OUT!
3連打でラウンド取られるとかオトギニア・ユニオンにも無かったぞ畜生。どこのクソゲーですかね
「いやしかしだな瑠美、俺だぞ?才色兼備の高嶺の花が俺にだぞ?現実を疑う時間があったって良くない?」
「それは同意するけど、何の返答も返さないなんてダメもダメダメ。こんなんじゃその斎賀?さんも浮かばれないよ」
女心の理解度に関しては、如何にラブクロックを乗り越えた俺であっても本物には勝てない。所詮俺は1人のクソゲーマーよ…
「とにかく、斎賀さんには可及的速やかにちゃんと返事すること。YESでもNOでも、はっきりとね」
「へい」
「お兄ちゃんから聞く限りでも、斎賀さんあんまり我を通せないタイプっぽいし、告白するのに相当な勇気を出したはず」
なぜ1名からの伝聞だけでそこまで推測できるのか。教祖の影響かな?おのれペンシルゴン
「それに応えなきゃ人間失格でしょ」
「恥の多い人生であった」
「言っとくけど、もし女心を弄ぶような事したら…」
スルーしないで傷つくから。
「流石にそんな真似をする気はないが…したら?」
「トワ様にドヘタレ野郎を密告する」
「予告したら密告とは言わねぇだろ」
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恋愛ごとにおいてカッツォと同列の扱いをあのペンシルゴンに受けるのは末代までの恥、とにかく答えを出そう。
ひとまず自分の部屋に戻り、徐にVR釣りゲーを起動して竿を握って振る。引っ込めディプスロ。
「…………」
クソゲーに学べ。恋愛に重要なのは綿密なチャート構築である。勢いにまかせても待っているのはハッピーエンドではなくピザだけだ。
今から俺は名探偵だ。ミレィ氏のようなシャーロキアンではないが、このこんがらがった頭の中とかを解きほぐす為のロールプレイとテンションを作れ。
おっ当たり…なんだブラックバスか。リリースリリース
俺が考えるべき事柄を整理しよう。
・動機。なぜ玲さんは俺に告白をしたのか
・分析。俺は玲さんをどう思っているのか
・解答。俺は玲さんに何て返事するのか
まずは動機、『なぜ玲さんは俺に告白をしたのか』。
思いつく候補は3つ。
1.玲さんはいじめ等により無理やり言わせられている
2.第三者による俺を狙った奸計に玲さんがダシに使われている
3.玲さん個人の判断
1.に関してはあまり考えにくい。あの時の玲さんの反応的に嫌々言わされている感は薄いし、学校でもそういった噂は聞かない。
もしそういった噂が立っているのであれば、俺よりは噂に詳しそうな雑ピ共が俺と玲さんの関係を探ったりはしないだろう。それは玲さんを傷つける行為にほかならない。
というわけで1.は可能性が非常に低い。次。
ブルーギルが釣れた。川にお帰り
2.は…考えられなくはない。例えばペンシルゴンとかペンシルゴンとかペンシルゴンとか、大穴でサイガ-100。
俺が抱え込みまくっている情報(ユニーク)を吐き出させるため、俺が信頼を置く内通者を作ってしまおう、的な。
有り得そうではある。あるが…けどまぁ…多分無いだろうな。
サイガ-100との面識はジークヴルム戦で最後だが、あまり謀略や奸計を好むようには見えなかった。というかどっちかっていうと脳きn…やめとこう。
ペンシルゴンは…いくら何でも「恋愛」という一生に関わりかねない事柄を弄ぶような真似は…
真似は…
『外道に慣れた奴ら以外に』「恋愛」という一生に関わりかねない事柄を弄ぶような真似はしないだろう。よし。そもそもすぐ身近に邪教徒がいるし。
2.も多分無い。とすると残る候補は1つであり、それが自ずから俺が導き出した答えとなるが…
「マぁジでぇー…?」
とすると「なぜ」俺なのかも気になるのだが…まぁそれは本人に聞くしか無い。判断材料がなさ過ぎる。
仮に俺の言動が原因として、思い当たる節…岩巻さんにJGEのチケットを貰ったとき?
あの時、気になるかと思って「デートみたいだけど大丈夫?」とか口走ってしまったんだよなぁ。
それで玲さんが意識しだして…みたいな。
今思えば何を吐き出しやがったんだこの口は。
おっと脇道に逸れたな。閑話休題。
オオタナゴ…外来種ばっかだなこの川
動機にアタリがついたので、次は分析に移る。
『俺は玲さんをどう思っているのか』。
まぁ、友達、だよなぁ。
人間的に好感を持ってはいる。
優しい人で、心根が真っ直ぐだし、ゲームを健全に楽しんでいる。
リアル含め腕っぷしが強すぎたり、PKに無慈悲だったり、色々と豪快というか強引でちょっと怖かったりもするが、概ねいい人だ。
ただ、恋愛的に好意を持っているかと聞かれると……正直、考えたことも無いのでわからない。
特段今の関係に思うところも無いし、「リアルでも交友のあるゲーム友達」として何となくやっていくもんだと思っていた。
相手にとってはそうではなかったらしいが…
うごご………「友達」以外に答えが見つからん。保留だ保留。次!
…なんだこいつ。ノーザンパイク?これも外来種なのか…おお日本の原風景はとうの昔に失われてしまったというのか。
ラスト!
『俺は玲さんに何て返事するのか』。
ここが一番の悩みどころだ。
変な答え方をすればペンシルゴンとカッツォからの絶え間ない煽りが飛び、下手したら斎賀家から直々に制裁が下りかねない。
なんかこう…建物から出た途端に車から腕だけ出したヒットマンが撃ってくる感じで…カッツォを盾にしてやり過ごせないものか。
ふと時計を見てみれば時刻は19時半。もう1時間近く経ったのか。釣果は4匹。うーんなんとも
そろそろ晩飯だな…まぁ考え事は飯を食べながらでも出来る。
食後の俺に望みを託してログアウトするか。
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おのれ食前の俺。何も答えが出なかったぞ。
YESと答えるのは…緊張こそすれど容易い。しかし、そんな気安く答えて良い問題ではないのだ。
もしその後に斎賀姉(シャンフロやってない方)から「玲のどこに惚れたのですか?」とか聞かれて答えに詰まろうものなら俺の人生はそこで終わりかねない。
つまり俺は「玲さんのココに惚れました!」と即答出来るようななにかを持って応じねばならない。
これが本当に難しい。今までそこまで気を遣ってこなかった相手のどこに魅力を見い出せば正当性が得られるのか。
だってここで顔だのスタイルだの、浅い場所に言及すれば、身体目当てと取られても文句は言えない。玲さんが容姿端麗であるから尚更だ。
ええい消えよ脳内ディプスロ!「身体だけの関係、グッドだねぇ!」じゃねぇ!俺の今後と命に関わるんだよ!
かといって内面であってもありきたりな事を言っていては危険は拭えない。「優しいところです」とか言っても薄っぺらく聞こえるだろう。
取りうる最良の選択肢は「玲さんにしか無い内面の深いところにある特徴を見つける」事…だがそれが果たして好意に繋がるかどうかは不明瞭。
そもそも今の俺の考えは果たして正しいのか?我が身の為に無理矢理自分に言い聞かせて玲さんを好きになろうとするのは…玲さんに対して不誠実じゃない?
だがそうしなければ俺は―――
解きほぐした筈の脳が再び混乱しだしたので落ち着けるためにもとりあえず風呂に入る。
頼むぞ…風呂上がりの俺…!