煽り合いの会話が難しい…ギブミー語彙力
帰宅して昼飯食って今。ただいまマイルーム。
「ふぅーーー………………」
椅子の背もたれに体重を預けて長く細い安堵のため息をつく。
「もう昼かぁ…」
色々と目まぐるしくて疲れた。
朝もはよから告白して俺と玲さんは…晴れて恋人となった。
そこまでは良しとしよう。
だが、問題はその後だ。
まず玲さんが気絶した。よほど嬉しかったらしい。流石に照れる。
慌てて背中を支えたら、通用口からあの斎賀姉…仙さんだっけ?が出てきて、手を握られながら背中を支えてる俺と恍惚の表情で気絶してる玲さんがガッツリ見られた。
この状況をどう説明するか迷ってる内に何故か風雲斎賀城に上げられ、一直線に玲さんの部屋に連行。
仙さんによる圧迫面接の後、「ここには12時頃まで誰も来ませんよ人を近づけさせないでおきますね(ニュアンス)」を言い渡された。
何もしねーよ!いくら付き合ったからって早速そういう行為に及ぶような奴は人間性がダメだろ!こちとら健全な男子高校生だぞ!言っちゃあなんだが下世話じゃない!?ここ由緒正しい良家ですよね!?
仕方がないので玲さんと…まぁ付き合ったので、これまではしてこなかった互いのプライベートに踏み込む話題で話してみた。
お互い、いつ好きになったとか…これはこれで恥ずかしかった。
話し出してみると新鮮な話題が多く、(薄々察してたが)京ティメットと親戚だったのを知って、京ティメットを話題に出したら玲さんからの視線が一瞬幕末末期勢並にドス黒くなった。独占欲ゥ…まあそういうところもいいと思うけど。
昼前まで話してたら解放された。帰り際の玲さんの表情は記憶から消しておこう。
物足りなさげに見えたのはきっと話し足りなかっただけだろう。そういうことにしてくれ。
さて、逃避はやめて現実を見ますか。
俺が何から逃避しているかと言うと、俺の端末に表示されているものだ。
『ペンシルゴン(コール音)』
30秒程放置してもコールの切れないペンシルゴンからの電話。
正直タイミングがタイミングなので出たくない。まだテンションは平静に戻りきっていないのだ。うっかりボロを出したら帰ってから瑠美を口止めした意味がない。
だがここで切れるまで放置すればペンシルゴンがキレるし瑠美もキレる。
覚悟を決めて…カフェインもキメよう。あ、エナジーカイザーしか無い。
「…何の用だ」
『この天音永遠様からの電話を1分無視しての第一声がそれとは、蛮族に電話って概念は早すぎたかな?』
「蛮族にだって話す相手を選ぶ権利はあるんだよなぁ。で、マジで何の用だよ。こっちは幕末の年越しイベに向けt『おめでとうございます』………何の、話かな?」
『沈黙は答えって知ってる?いやあ君も隅に置けないねぇ!』
「…っな!?」
『うーんその声が聞きたかった!』
何故!?誰が!?いつの間に!?
いや、そんなものはわかりきっている!
リビングの扉をぶち破る気持ちで開け放つ。
「瑠美ァアイ!!」
「うるっさ…何?」
「お前ペンシルゴンにチクりやがったな!」
「え?」
「俺は…俺は朝一番で玲さんに返事したのに…逆告白までして!なのに…お前…お前というやつは…!」
「…話してないけど」
「えっ」
「だから話してないって。私にだって分別はあるもん。トワ様から直に聞かれないでもしないと言わないよ」
直に聞かれたら兄の恋愛事情を赤の他人にバラすのかお前…いやそれよりも
「言って…ない?」
「だからそう言ってるじゃん」
震える手で持ったままの端末を耳に近づける
『ひっ…くっ…ふふふっ…自爆っ…やっばお腹痛い…死ぬ…っ!笑い死ぬっ…!』
「………スゥー…」
……………また俺、なんかやっちゃいました?
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楽郎は激怒した。必ずかの邪智暴虐のペンシルゴンを除かねばならぬと決意した。
『へぇ~ふぅ~ん逆告白かぁ~良いじゃん青春じゃんアオハルじゃーん!』
「………頼むから俺を殺してくれ」
『そこまで落ち込むことないじゃん。新たなる人生の門出でしょ?祝ってあげるよ盛大にさぁ!花束でも贈ろっか?』
「銀の食器と盗聴器発見器買ってくるわ」
『サンラク君の健康にもプライバシーにも興味ないから無用の備えだね』
「転ばぬ先の杖でお前をしばき回すんだよ…てか何でレイ氏の事知ってんだよ」
『そりゃあ玲ちゃんを焚き付けたのが私だからだよ』
楽郎は激怒し(ry
「…はぁ。でもそれにしたって不思議だな、なんでお前が玲さんの背中を押したりする?」
『声色から不信感が滲み出てるよ』
「隠してないから滲み出てるとは言わないな」
『そうだねぇ、ぶっちゃけると親切心かな?玲ちゃんこのままだとサンラク君に告白するのいつになるかわかったもんじゃないし』
「詳しいんだな、レイ氏の事」
『お?嫉妬か?男の嫉妬は見苦しいぞ?』
「これは探究心であり断じて嫉妬などではない」
『おねーさんは大人なのでそういうことにしてあげよう。詳しいのは玲ちゃんと言うよりは…斎賀家全体って感じかなぁ』
「110番に連絡して良いやつ?」
『ダメでーす。…んーまぁサンラク君は知っててもいいか。付き合ったんだし』
『斎賀家の女性ってなんでかわからないけど恋愛下手な性格をしてるらしくて、玲ちゃんのお母さんも仙さんもお見合いで結婚したんだってさ』
思ったより深い話が飛んできた。
第三者からお家事情が聞かされてるんだがこれ知らないままのほうが良かった情報では?
『モモちゃんも職場じゃ人気あるんだけどねー本人が全く興味ないのと、傍目から見た時の完璧超人っぷりが近寄りがたくてだーれも声をかけようとしないんだよね』
恋人の姉の恋愛事情が友人からバラされる。今俺はそこそこいたたまれない。
『だから一番恋愛に真摯に頑張ってる玲ちゃんは応援してあげようかなーって思って』
果たして感謝するべきなのか。
人生の時間は有限だ。それも学生の間となると特に。
別に俺はクソゲーできてりゃそれで良いと思ってるクチだが、いざ大学生になってから玲さんと付き合って、「実は中学時代から好きでした」と聞かされる。
その時俺は「高校時代に付き合っておけば、もっと長い時間を恋人として過ごせたのに」なんて悔やむのだろうか。
……ちょっと、するかもしれない。
「……一応、感謝しとこうかな。業腹だが」
『謝意は現物支給で頼むよ。そうだなぁカッツォ君も知らないサンラク君の素顔とか気になるかなぁ!』
「俺のプライバシーに興味ねーんじゃなかったのかー?おぉーん?」
『さいつよカリスマモデル様は有象無象の戯言に貸す耳は持ち合わせておりませーん』
「…鳥頭(小声)」
『何急に自己紹介して。暇なの?』
カッチーン(スイッチが入る音)
「ペンシルゴンテメーGH:C来いやぶっ飛ばしてやるァ!」
『ハッ上等!私のクロックファイアちゃんでハメ殺してあげるよ!』
「やれるもんならやってみやがれこの野郎!!!」
辛うじて勝った。そして俺は今後ペンシルゴンとGH:Cで戦う時は絶対にヒーローを使わない事を心に誓った。
書きたいことは書いたつもりなので満足しています
2021/04/16追記
満足できなかったようです
2021/05/11追記
ちょっと気になってた部分を修正しました。オチも前よりは良くなった気がします。
余談
・NPC絶滅RTA
「助けるNPC居なかったらヒロイックゲージ溜めるの無理ゲーになるんじゃない?」という思いつきと好奇心から行われた正真正銘のジェノサイド。最小の労力で最大の破壊を生み出す効率の極地。たとえ悪鬼羅刹が躊躇おうとも、ペンシルゴンは算盤を弾くのだ。
普段NPCは生かさず殺さずなペンシルゴンのスタイルとはかけ離れている意外性も合わさりサンラクサンを追い詰めた。
案の定ヴィラニックゲージが枯渇した事が敗因となり、ペンシルゴンが負けた。だが敗北の瞬間、世紀末と化したかつての摩天楼で奴は笑っていた。
ゲーム終了後
「感想は?」
「うーん、草の根分けて潰していくのと世紀末な風景から在りし日を想うと割と楽しかったけど、悲鳴も断末魔も無くなっちゃうのはイマイチだから…1回で十分かな?」
「信じられるか…こいつティーンの憧れなんだぜ…」
「サンラク君事故のフリしてNPC殺ってたの私見逃してないからね?」
「別に悪行働いたからってヒロイックゲージが減るわけじゃないからやろうと思えば出来るんだよな。意味はないけど」
「「はっはっは」」