「……相変わらず、不気味な形をしているな」
だいぶHUGEの全貌が明らかになり、悠斗がポソりと呟く。そして次の瞬間、HUGEが飛んだ。
「と、飛びましたよあれ!」
「大丈夫だ。白井様が既に懐へ飛び込んでいる」
二水がHUGEを指さしているが、既に懐には夢結が飛び込み、一撃を与える。
「…………あのHUGE、レストアか?」
「損傷を受けたHUGEがネストに戻ってその傷を修復したHUGEの事ですね」
「その通り。よく知っているな二水さん」
「情報収集は基本ですから!」
と、一瞬胸を張ったものの、すぐさま不安な表情になった二水。
「で、ですが、レストアは様々な戦場を乗り越えたため、強い個体が多いと聞きますが、大丈夫でしょうか……」
「大丈夫だよ。何せ、白井様がいるしな」
その時、HUGEの後背部から爆発が二度ほど。
「…………っ!!!」
「悠斗さん……?」
急に立ち上がった悠斗を見上げる二水。悠斗の顔は、口を少しだけ開けており、手をわなわなと震わせていた。
一体何が見えたのか気になった二水は、レアスキル『鷹の目』を使い、HUGEを見たが────
「……っ! あれは────」
「……CHARMだ。かつて、リリィが使っていたものだ」
あのHUGEの背中には、アステリオンやブリューナク、グングニルなどなど、様々なCHARMがぶっ刺さっていた。
それを見た悠斗は、ギリっ! と歯を鳴らした。
「あいつ……どれだけのリリィを……っ!!」
悠斗にとって、リリィはとても大切な存在である。
天葉と依奈に救われ、また自分を受け入れてくれたリリィという存在に感謝をしている。
例え、顔を知らないリリィであろうと────リリィが殺されているのならば、悠斗が怒る理由は充分である。
だかしかし、それで理性をなくしてあのHUGEに襲いかかるなど言語道断。自身を押さえつけるように手で顔を覆い、ゆっくりと深呼吸をする。
「だ、大丈夫ですか……?」
「……ごめん、二水さん。見苦しいもの見せたな」
「いえ、それはいいんですけど……手が」
「手……? あ……」
見れば、悠斗の左手からは血がぽたぽたとと溢れ出ていた。
「心配ない、この程度なら
「治る…………? え?」
二水が手に目を向ければ、先程まで血が出ていたのにすっかりと治っていた。
(嘘……!
「二水さん」
グッ、グッ、と調子を確かめるように二度三度手を握りこんだ悠斗は、持ってきた悠斗専用CHARMである『アロンダイト』を握りこんだ。
「俺もちょっと行ってくる」
「は、はい! お気を付けて!」
そして悠斗は跳躍し、楓の胸に突っ込んだ梨璃の元へと向かった。
「梨璃さん! 何なさいますの!?」
「バカかお前は!」
「梨璃さん!」
数秒も経たずに梨璃の元へと合流した悠斗。周りには梅の姿もあった。
「おう悠斗」
「ごきげんよう梅様」
この事態なので、挨拶も簡潔にした二人。肝心の梨璃は、ボーッと楓の顔を見た。
「……私……今、夢結様を感じました」
「白井様を……?」
「何をおっしゃいますの!?」
「マギだわ」
コツコツと百由が近づいてくる。その後ろにはミリアムがミョルニルを持ったまま近づいてきた。
「CHARMを通じて、梨璃さんのマギと夢結のマギが触れ合って……」
「そんなCHARMの使い方、聞いたことありませんわ」
「じゃが、有り得るのう」
(……白井様)
遠目からは、夢結が苦しそうに息をしているのが見えた。
「……私、前に夢結様に助けて貰ったことがあるんです。今度は、私が夢結様を助けなくちゃ!」
「……フッ、いい意気込みだな、梨璃さん」
「悠斗くん……? わっ!」
その言葉を聞いて笑った悠斗は、梨璃に近づくとわしゃわしゃと頭を撫でた。
「俺だって、ある意味白井様に救われてるんだ……道は俺が切り開く。梨璃さんは、自分の気持ちを白井様にぶつけてこい!」
「っ! うん!」
「! 正気かおぬしら!」
飛んだ梨璃と悠斗を見て、ミリアムが叫んだ。
「後でお背中流させてもらいますわよ!」
次に、梨璃を追うように楓が飛ぶ。
「しょうがないな!」
そんな後輩を見て、今度は梅が飛んだ。
「……参りますか? 雨嘉さん」
「……、うん!」
それを見ていたオッドアイの少女、
「私もCHARM持ってくれば良かったかな」
「──―っ! わしもいけばいいんじゃろがぁ!」
ミリアムが、この空気に逆らえないようにやけくそ気味に叫んだ。
「わしもいけばいいんじゃろが!」←これ好き
主人公プロフィール更新
名前:浅野悠斗
年齢:15歳(今年で16)
レアスキル:ルナティックレッドアイズ
CHARM:蛇腹剣アロンダイト
所属レギオン:アールヴヘイム(スーパーサブ)
スキラー数値:92