アサルトリリィーPARASITEー   作:沼りぴょい

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二十一話

 そしていよいよ、戦技競技会が始まった。悠夏が一応所属していることになっている一年椿組は、二水の周りに集まっていた。

 

「まずはクラス対抗戦ですね。私達一年椿組は、二人一組で技を競います」

 

「なるほど、となると私のペアは」

 

「私よね、悠夏」

 

「えぇ、壱。私達の実力、見せてあげましょう?」

 

 アールヴヘイムのある意味最強な一年コンビの二人が手を組んだ。ある意味チートである。

 

 1種目目は、空中に浮かんでいるディスクみたいなやつを誰が一番早く取るかを競う種目だ。マギを介し、空を飛ぶ必要があるため、二人の相性が重要になってくる。

 

「いくわよ!」

 

「えぇ」

 

 壱がブリューナクを地面に向け、円を描くようにするとマギで包まれた空間が出来上がる。素早くその場を退き、すぐさま悠夏が入れ替わるようにその場に立つと、そのマギを使って空中へ上昇する。

 

 他のリリィよりも明らかに早いスピードで上昇していく悠夏。無事に一番最初にディスクみたいなやつを掴みきった。

 

「ふふっ、まぁ当然ね」

 

「流石はゆうと────じゃなくて! 悠夏さんです!」

 

「? りり、ゆうとはゆうとだよ?」

 

「結梨ちゃん!」

 

 予め、悠斗のことについては学院の方から悠夏として接するようにと出ていたので、結梨に注意を促した梨璃。結梨はどことなく納得出来ていない様子だが……。

 

「お疲れ様、壱」

 

「悠夏もお疲れ様、相変わらずいい腕をしてるわ」

 

 二人がハイタッチをしようと近づき、パンっ! と小気味いい音を響かせると、周囲から軽く拍手が湧いた。

 

 次の種目は、エキシビション。リリィが自身の実力を披露したり、工廠科が開発した次世代CHARMの発表を

 する場である。一年生からは同じクラスである、レアスキル『円環の御手』の使い手である六角汐里や、ルイセ・インゲルス。二年生からは長谷部冬佳が会場を湧かせた。

 

 そして、午後一番の競技は混成レギオンによる的棒落としである。勝利条件は、的を落とすか、棒を倒すかのシンプルなものである。

 

 悠夏はアールヴヘイムと一柳隊に所属しているが、今回は昔から所属しているアールヴヘイムからということで出場をしていた。

 

 チーム振り分けはこんな感じである。

 

 倉又雪陽

 森辰姫

 吉村・Thi・梅

 谷口聖

 黒川・ナディ・絆奈

 

 

 今川誉

 北川原伊紀

 白井夢結

 田中壱

 清家知世

 

 

 石上碧乙

 高須賀月詩

 楓・J・ヌーベル

 金箱弥宙

 竹腰千華

 

 

 山梨日羽梨

 村上常盤

 遠藤亜羅椰

 伊東閑

 郭神琳

 

 

 

 田村那岐

 ロザリンデ・フリーデグンデ・v・オットー

 浅野悠夏(悠斗)

 ミリアム・ヒルデガルデ・v・グロピウス

 遠野捺輝

 

 以上の25名である。

 

(……あら?)

 

 始まる前に、壱が悠夏の方向────正確にはミリアムの方を見たと思ったら、何やら面白い動きをしだした。

 

「……! ちびっ子には負けん……じゃと!? にゃろめー!!」

 

「こら、ミリアム。簡単に挑発に乗ってはダメよ」

 

 壱の見事な挑発に簡単に乗ってしまったミリアム。それを宥めるために悠夏がミリアムの頭を撫でる。その度にアホ毛がぴくぴくと揺れた。

 

「し、しかしのぅ悠夏。言っていいことと悪いことがこの世には会ってじゃな」

 

「大丈夫よ。それに、ちょったした嫉妬も含まれてるのよ? あれ」

 

「……ほほう」

 

 見事にミリアムを落ち着かせることが出来た悠夏。そんな悠夏に、三年生の那岐とロザリンデが近づいた。

 

「あまり作戦を決める時間はないけれど、守り役は悠夏さん1人でも大丈夫かしら?」

 

「私も手伝います?」

 

「いえ、大丈夫よお姉様方。私の強み……知らないわけじゃないでしょう?」

 

 競技の開始の合図を知らせるための銅鑼が鳴り響く。

 

「……!」

 

「私とお手合わせお願いします! 夢結様!」

 

「こんな時でもないと、構って貰えませんから!」

 

「倒しちゃったらごめんなさいですー!」

 

 と、アールヴヘイム一年組、弥宙、月詩、辰姫の三人が一斉に夢結の元へと走っていった。一応、この三人は敵チームなのだが、ここの連携は流石同じレギオンか。

 

「ちょっと! 抜け駆けしないでよ!」

 

 亜羅椰の声が響くも、夢結も三人に向かって慌てずに自身の型を構える。

 

「こら! 夢結は敬遠しなさいって言ったでしょ!」

 

「しょうのない子達ねー」

 

「いいなー」

 

 外部にいるアールヴヘイムの皆さんもこんな反応である。これには司令塔の依奈もガッカリ。

 

「「「いざ!」」」

 

 しかし、三人は呆気なく吹き飛ばされてしまった。

 

「もっと本気でいらっしゃい」

 

 ところ変わって、悠夏のチームの的と棒がある前、悠夏は複数の二年生によって囲まれていた。

 

「嬉しいですお姉様方。私にこんなにも熱いアプローチをして下さって」

 

「貴方はこうでもしないと倒せませんからね……もっとも、この人数でも勝てるとは思っていませんが」

 

 と、声を出したのは竹腰千華である。今悠夏の目の前にいるのは聖、千華、碧乙、誉、日羽梨、常盤の六人。夢結と梅以外の二年生全員集合である。

 

「あら、流石に分かっていますね、私の事」

 

「ですが、今日こそ倒させてもらいますね!」

 

「負けません……!」

 

 悠夏────もとい、悠斗が一番実力を出せる戦い方は圧倒的一対多の状況である。蛇腹剣である自身の特別CHARM、アロンダイトを振るい自身の意思で好きな刀身に分解させることの出来るその型は、まさに変幻自在。

 

「踊りましょう? 私のダンスは少々ハイテンポだけれど、着いてこれるかしら?」

 

 ガシャン! ガシャン! と音を立てながらアロンダイトが分離し、ふよふよ浮き初めた。

 

「っ! 総員! 戦闘準備!」

 

 

 

 

 

「へへっ、迂闊じゃのう!」

 

「隙だらけよ! グロピウスさん!」

 

「じゃからぁし!」

 

 ミリアムが思いっきりCHARMを振り上げ、壱のCHARMへと叩きつけた。

 

「私だって本当は、夢結様や悠夏に構って────御相手して欲しいけれど、今日はアンタで我慢してあげるわ!」

 

 一度二度切り結び、一度位置を入れ替えた後にもう一度火花が散る。

 

「なんの必殺! 『フェイズトランセンデンス!!』」

 

 ここでミリアムは壱に向けてレアスキル『フェイズトランセンデンス』を使用し、CHARMからマギのレーザーを放出。しかし、それは躱されてしまった。

 

「避けてしまえば皆同じよ!」

 

「へっへっへ、避けてくれてありがとうなのじゃ」

 

「なっ!」

 

 だがしかし、壱が避けたことで、丁度的と一直線になっていたため、そのレーザーは的を見事にぶち抜いた。これによって、悠夏達のチームの勝利が決まった。

 

「……あら、終わり?」

 

「グッ……相変わらずデタラメ……!」

 

「無念……!」

 

 そして、悠夏の所でもちょうど誉が地面に膝を着き、勝負の終了を告げた。二年生連合軍は全員、地面に膝を着いており、制服にも少なからず汚れがついているが、悠夏はそもそも息切れさえもしてなかった。

 

「……:あら」

 

 そして、フェイズトランセンデンスを撃ち、ガス欠となったミリアムは目を回しながら地面に倒れた。これが、試合に勝って勝負に負けたと言うやつか。

 

『救護班! 急げ!』

 

 アナウンス越しに、史房の声が響いた。




悠斗くんスペック~戦闘~

得意スタイルは圧倒的一対多。敵に囲まれているという状態が一番蛇腹剣アロンダイトの性質を引き出すことができる。もちろん、ちゃんと一対一でも強いため、ほとんど隙がない。なんなら本人は一対一の方が得意と言い出すため、誰がこんなの勝てるん?と百合ケ丘の生徒は常々思っている。

ついに出てきた結梨ちゃん!分岐ですが………?

  • 結梨ちゃん生存ルートに決まってんだろ!
  • ゲンサク、ダイジ
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