アサルトリリィーPARASITEー   作:沼りぴょい

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お久しぶりです。ようやくまとまった時間が取れたのでこうして書いてます。就活に、卒業研究に、別サイトで書いてるオリジナル小説に………忙しい忙しい……


雨中の救出作戦~①

「こちら一柳隊所属、二川二水です。ただいま現場に到着しました」

 

 雨が降る戦場に、一人の少女の声が響く。彼女の名前は二川二水。レアスキル、『鷹の目』を持つ百合ケ丘女学院に籍を置くリリィである。

 

「これより、要請のあったエレンスゲ女学園に所属するリリィの救助捜索活動を開始します!」

 

 二水は一度言葉を切り、周囲を見やる。

 

「作戦地域は雨でよく見えない……じゃなくて雨天により視界不良。ケイブ反応もあり、一刻も早い救助が必要だと思いますっ。実際、悠斗さんが現在単独でエレンスゲの女学園の生徒を先行して捜索中です!」

 

 男で唯一のリリィである浅野悠斗は、自身の身体能力を生かし捜索中。夢結もその方が早く見つかる可能性を見出し許可した。

 

「っ!? 戦闘音あり! あちらは……梨璃さんと結梨ちゃん、夢結様の索敵範囲です! 二川二水、これより先頭地点に向かいます! 以上、通信終わりっ!」

 

 端末の電源を切り、本部との通信を途絶。二水は自身のCHARMであるグングニルを持ち、三人の元へ向かった。

 

「やぁぁぁぁ~!!」

 

 ビンク色の髪に、サイドテールをぴょこんと纏めた少女、梨璃がヒュージに向かって銃弾を三発当てた後、すぐ様ブレイドモードへと高速変形させ、スモール級のヒュージを粒子状へと霧散させた。

 

「こちらのヒュージは倒しました! お姉様と結梨ちゃんは────」

 

「わたしは大丈夫よ」

 

「わたしも大丈夫だよ!」

 

 振り返った先には既にヒュージを倒しきっていた、自身が姉と呼び、敬愛して止まない白井夢結と、悠斗の娘(悠斗は未認可)である結梨が服を整えていた。

 

「それより、梨璃、焦りは禁物よ。今も、かなり無理をしているように見えたわ」

 

「ごめんなさい、お姉様。エレンスゲ女学園のリリィがこの森で今も救助を待っていると思うと、いてもたってもいられなくて!」

 

「そうね……でも、あなたが怪我をしては元も子もないわ。この隊のリーダーは梨璃なのだから」

 

「はい……! ありがとうございます、お姉様!」

 

 戦闘中であるにも関わらず、二人の空気を醸し出そうとしている夢結と梨璃。その光景を見ていた結梨が「嬉しそうな匂い」と鼻をくんくんと動かしていると────

 

「ちょぉぉっと! お待ちになって!」

 

 邪魔者、若しくは・J・の者。楓・J(じょあん)・ヌーベルが乱入した。

 

「か、楓さんっ!?」

 

「わたくしに隠れて何をイチャイチャしてますのっ!? いくら夢結様とて、抜け駆けは許しませんわよ!」

 

 違う、そうじゃない。

 

「ふたりとも追いついたようね」

 

「無視ですのっ!?」

 

「どんまい、楓」

 

「結梨さん!?」

 

 まさかの結梨からの追撃に、心に少なくはないダメージを負った楓。胸を抑える仕草を大袈裟にした。

 

「あっ、待ってください! 梅様より通信です!」

 

「えっ、本当!?」

 

 二水が手にしていた端末に通信が入り、梨璃がそちらに近づく。

 

「もしもし、梅様ですかっ? そちらの様子はどうですか──?」

 

「おう、梨璃か。うんうん、通信は良好だゾ」

 

 一柳隊で、唯一夢結と同じ二年生である吉村・Thi(てぃ)・梅。

 

「エレンスゲ女学園のリリィはまだ見つかっとらんがの。悠斗からの連絡もまだじゃ」

 

「一応、争った形跡とヒュージの残骸は見つけた。近くにいると思う」

 

 その近くには、ミリアム・ヒルデガルド・v(ふぉん)・グロピウスと安藤鶴紗がおり、郭神琳(くぉしぇんりん)王雨嘉(わんゆーじあ)コンビは周囲の警戒を行っている。

 

「外征に来たエレンスゲのレギオンが消息を絶って5時間が経過。そろそろ救出してやらないと危ないな」

 

「こう視界が悪くては捜索もままならん。さらに手分けした探したいところじゃが……」

 

「これ以上、隊を分けるのは避けるべきだろう」

 

「同感。一人なのは悠斗だからこそできる芸当だし」

 

 悠斗の得意戦場は圧倒的一対多の状況である。そのことをよく知ってる鶴紗は改めて背筋をブルりと震わせた。

 

「皆さん! 雨嘉さんがヒュージを発見したようです!」

 

 その時、オッドアイの少女である神琳が通信中の三人へ警戒を促す。

 

「2時の方向、茂みの向こう。まだこちらには気づいていない……!」

 

 アステリオンを射撃モードにし、スコープ越しにヒュージの姿を視認した雨嘉。いつでも引き金を引ける準備は出来ている。

 

「梨璃、いったん通信を切る! 悠斗から通信が来たら教えてくれ!」

 

 そう言って梅は通信を切った。

 

「奇襲を仕掛けましょう。梅様、鶴紗さん、お願いいたします」

 

「おう。任せておけ」

 

「速攻で行く」

 

「わたくしと雨嘉さんで援護射撃を行います。射線には気をつけてください」

 

「うん、分かった」

 

「ヒュージの規模は不明です。要救助者もいることを念頭に、各員臨機応変に対応願います」

 

 司令塔としても優秀な神琳は、即座に指示を出した。

 

「戦闘開始です!」

 

 

 

 森を引き裂く影一つ。自身に内包されているマギを贅沢に使い、身体能力を強化させ、森を一陣の風となって移動する人物がいた。

 

(──―こっちか、ヒュージも近いな)

 

 浅野悠斗。単独行動中である。

 

「はぁ、はぁ、はぁ……急いで! ヒュージがすぐそこまで来てる……!」

 

 そしてようやく、救助者であるエレンスゲのリリィを遠目で視認。悠斗は更に強く踏み込み、スピードを上げた。

 

「っ、ダメ……さっきの戦闘で脚が──」

 

「っ……!?」

 

 負傷したリリィ二人の目の前に体力のヒュージが現れる。

 

「あ……ああ……っ! ヒュージが、あ、あんなに沢山……っ」

 

「っ、私たちはエレンスゲのリリィよ。このままでは終わらせない……!」

 

 まだ比較的無事なリリィが自身のCHARMを気丈に掲げ、ヒュージへと向けるがその足は震えている。

 

 そして、ヒュージが二人へと襲いかかる────

 

「いやぁぁぁぁぁ……っ!!」

 

 だがしかし、次の瞬間リリィは自身の体が何かに持ち上げられていることに気が付く。不思議に思い塞いでいた目をゆっくりと開けると、自分ともう一人のリリィを軽々しく抱えて────というか、片手ずつで二人をお姫様抱っこしていた悠斗が視界に入った。

 

「あ、浅野悠斗さんっ!?」

 

「? 知ってるのか? いや、まぁエレンスゲのリリィなら当然か……」

 

 ヒュージを一瞬で千切り、近くにある木に二人を優しく下ろした悠斗は、相棒であるアロンダイトを構える。

 

「とりあえず、二人はそこで大人しくしていてくれ。ヒュージは俺が殺る」

 

「っ……!? で、ですがあの数です! 流石に浅野さんでも────」

 

「────舐めるなよ」

 

 ガシャン、ガシャンと音を響かせ、アロンダイトの刀身が32つに分断され、ふよふよと悠斗の周りを浮く。

 

「この程度、俺にとってはピクニックのようなものだ。だから、安心して守られとけばいいんだよ」

 

 柄を指揮棒のように振ると、マギによって操作されている刀身が悠斗の思いのままに動く。

 

「行くぞヒュージ共。同士を傷つけた責任────てめぇの命で取らせてもらうからな」

 

 悠斗が柄を振り下ろすと、遅れてアロンダイトの刀身も動く。その刀身は、目の前にいたヒュージを寸分違わずに切りつけ、真っ二つにした。

 

「す、凄い……!」

 

「これが、男のリリィ……」

 

「こちら悠斗。要救助者二名の生存を確認……あぁ分かった。直ぐにそちらに合流をする」

 

 ポケットから端末を取り出した悠斗は、すぐ様二水に連絡を入れた。向こうはどうやら既に一度全員合流をしているようだった。

 

「大丈夫か? 立てるか?」

 

「……その、ごめんなさい。実はあの時立っているのでさえやっとで……」

 

「……なるほどな。少し失礼するぞ」

 

 悠斗は先程のように二人を片手でお姫様抱っこをする。いきなりの事態に二人は頬を紅く染めた。

 

「あ、あの……っ! 何もそこまで……!」

 

「いいから、怪我人は黙って運ばれてろって。もうこれ以上怪我とかさせないから。しっかり掴まっていろよ」

 

「あうう……」

 

 恥ずかしさと悠斗の男前なセリフについつい頬が赤くなってしまう。ついでに何故か嬉しい気持ちも湧き上がってきた。

 

「1回梨璃────一柳隊のみんなと合流するけどいいか? 俺はそちらの本部と連絡手段かなくてな」

 

「は、はい……その、大丈夫です……」

 

「私も、その、異論は無いです……」

 

「よし、じゃあ行くぞ」

 

 そして悠斗は、二人を抱えたまま大ジャンプをするのだった。

ついに出てきた結梨ちゃん!分岐ですが………?

  • 結梨ちゃん生存ルートに決まってんだろ!
  • ゲンサク、ダイジ
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