「とりあえず、そろそろ蛍を下ろしてやってくれ悠斗。蛍、顔真っ赤だゾ」
「ん? ……おっと、ごめん川端さん。つい」
(つい?)
(お姫様抱っこで助けるのがつい?)
「あ、ありがとうございます……」
悠斗の発言に少しだけ疑問を持った那須大串の皆さん。そんな中、悠斗はゆっくりと蛍のことを地面に下ろす。
「とりあえず、全員無事だな。間に合って良かった」
「……ね、ねぇ悠斗。あなた、今ルナティックレッドアイズが発動中だけど大丈夫なの……?」
そう悠斗に声をかける梓氣。その問いに対し悠斗は首肯で返した。
「あぁ、体調には何も問題は無いし、逆に絶好調だ。何も心配することは無い」
「……そ、そう。それならいいのよ」
心配してくれた梓氣の頭を撫でる悠斗。口調は素っ気ないが、髪がぴょこぴょこと跳ねているため、喜んでいることは確実である。
「みんなー! 無事ー!」
「お、増援が来たな」
そうこうしている間に、依奈が隊長を努める第三部隊が橋へ到着。
「梅! 無事!?」
「おう、悠斗のおかげで無事だったゾ」
「しかし、昊苺さんがこうでは第五部隊は作戦を中止すべきですね。他の人たちも消耗が激しい……」
確かに、梅とかは案外元気そうに受け答えしているが、腰は完全に地面に着いており、他のみんなも概ね同じ状態である。一際酷いのが、先程悠斗が助けた蛍だろうか。
「第五部隊がダメとなると……一番可能性があるのは第二部隊か」
「それと悠斗も……私たちは大丈夫よ。だから、悠斗は第二部隊に向かって」
「……いいのか?」
そういう依奈を悠斗はじっと見つめる。
「えぇ。それに、私達だってそんなに弱くないつもりよ。この戦いで三人レアスキルに覚醒した子もいるし」
「へぇ、さすがは依奈だな。それなら任せれることが出来る……死ぬなよ」
「えぇ、任せて」
べシッ、と依奈が悠斗の肩を叩くと、身を翻して跳躍しようとしたが────
「ま、待ってください!」
「ん?」
悠斗に制止の声が掛かる。呼び止めたのは、どこの部隊にも所属されていない、御台場女学校付属の中等科の生徒。
「あ、あの……ありがとう、ございます。助けてくれて」
「気にしないでいい。リリィを助けるのは俺の勝手な恩返しだからな。それに年上も年下も関係ない」
座っている少女の元に近づき、頭を撫でる悠斗。あまりにも自然に撫でられたので、その少女は頬を赤くした。
「一度、大きな戦闘を経験したリリィは、総じて一皮剥ける傾向がある。君、名前は?」
「梢・ウェスト……です」
「梢ちゃん、ね。君はきっと強くなれる……そうそう。もし仲良かったらでいいけど、
「え!? あのお二人と知り合い!?」
「それじゃ」
次に梢が瞬きした時には、悠斗は既に遠くに移動しており、声すらも届かないところにいた。
「うん、はいはい。了解」
「どうかしたの、天葉さん」
端末を片手に電話していた天葉に話しかけたのは天津麻嶺である。怪我こそは少ないが、かなりレアスキルを使用しているため、少し疲労が見えている。
「依奈から連絡。悠斗がこっちに向かってるって。どうやら第五部隊の代わりに私達が巣なしを討伐しないといけないみたい」
「……噂をすれば、みたいね」
「天葉!」
「うわ……流石に来るの早くない? いや、まぁたしかに私達も第五部隊の救援に行こうとしてたからかなり近くにはいたと思うけど……」
悠斗が移動し、依奈が電話し始めてからまだ一分しか経っていない。流石に来るのが早すぎである。到着し、全員無事か動画を確認した悠斗は────ピシャリと固まった。
「……おい、貞花はどこいった」
百合ヶ丘に所属しており、『制御不能のリリィ』として有名な近藤貞花。彼女は第二部隊にいたはずなのだが、姿が見当たらない。
「あの子は後輩を守るために一人でギカント級と渡り合ったから無理やり下がらせたわ」
「何やってんだアイツ……だから上に中々認められないんだよ」
相変わらずの彼女の行動に呆れてため息をついた悠斗。まぁそれも彼女らしいと無理やり納得することにした。
「俺が貞花の代わりにフォーメーションに入ろう。TZか?」
「いえ、悠斗はAZに入って頂戴。その方が殲滅力は高いわ」
「OK……なら、最終戦と行こうか」
終わりの時は近づく。
どうやら後輩を守るためにギカント級と一人で渡り合った化け物リリィがいるらしい。
ついに出てきた結梨ちゃん!分岐ですが………?
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結梨ちゃん生存ルートに決まってんだろ!
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ゲンサク、ダイジ