アサルトリリィーPARASITEー   作:沼りぴょい

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今日がハグの日ということを知ったので、悠斗君にはたくさんの人とハグしてもらおうと思います。

まさかの二話構成となりました。


番外編 「ハグの日?」

「何年も前にはそんな日があったのか?」

 

「そうらしいです、兄さま。といっても、語呂合わせみたいなものですが」

 

 8月9日は『ハグの日』ということをアールヴヘイムの隊室にいた悠斗は、目の前に座っている樟美にそう教わった。

 

「ということで兄さま! ハグをしましょう!」

 

「何がというわけかは知らんが……別に、ハグくらい言われたらやるぞ? ほら、おいで樟美」

 

 両手を開き、樟美に向かって優しく微笑んだ悠斗のその笑顔に、樟美はクリーンヒットを喰らった。

 

「~~~っ! 悠斗兄さま!!」

 

「よいしょ。樟美は甘えん坊さんだな」

 

 勢いよく抱きついてきた樟美をしっかりと抱きしめ返し、そのまま片手は樟美の後頭部を撫でる。まさかの事態に樟美の顔は更に赤くなるも、今まで感じたことの無い幸福感に体中を包まれ、顔がだらしなくなる。そんな顔を見られないように樟美は顔をさらに悠斗の胸に押し付けた。

 

「やっほー、誰かいるー? ……ってあら、樟美と悠斗じゃない。二人してイチャついて何してるのかなー?」

 

「天葉様」

 

「そっ、天葉姉様!?」

 

 がチャリ、と開いたドアから出てきたのは現アールヴヘイムの主将である天野天葉だった。

 

「実は今日、ハグの日というらしいのでこうして樟美とハグしてます」

 

「ハグの日? そんなのあるの?」

 

「らしいですね」

 

 ハグの日というのは、HUGEが出てくる前にネット上で語呂合わせからそう呼ばれるようになった初めの頃なので、2054年の現在ではそもそもその言葉がのこっているかどうかすらも怪しかった。

 

「なるほど……じゃじゃあ悠斗。私ともハグしない?」

 

「樟美、ちょっと離れてな?」

 

 背中をポンポンと二回叩くと、渋々……本っ当に渋々悠斗から離れた。

 

「それではどうぞ」

 

「おっじゃましまーす!」

 

 天葉も樟美同様、勢いよく悠斗の懐に収まり、肩と腰に手を回されたことを確認する。その瞬間、天葉の体にも同じように言い表せない幸福感に襲われた。

 

「……ま、まずっ……これ、私耐えられ────」

 

「天葉様?」

 

「っ! だ、ダメっ悠斗……あんまり耳元で囁かないで……っ」

 

 悠斗と天葉の身長差は樟美よりもないが、その身長差のせいで悠斗の口が天葉の耳に近く、意図してなくても耳元で囁く構図になってしまった。

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

「んっ……ぜんっぜん大丈夫じゃ、ない……!」

 

 いつの間にやら、悠斗の腰に回していた手は肩まで伸びており、その顔は羞恥やら喜びやらが綯い交ぜになった紅さをしており、膝はガクガクと震えていた。

 

「──―あっ」

 

「っと、天葉様?」

 

 そして、完全に力が抜けた天葉は、膝がカクンと曲がり倒れ込みそうになったが、途端に悠斗が腰を支えた。

 

「天葉様、大丈────ってめっちゃ顔赤いですよ!?」

 

「ふふっ……幸せ……」

 

 慌てて天葉をソファへと座らせると、そのままガックリと横になった。こんな天葉は初めて見るため、樟美と悠斗が驚き顔を合わせると、またもや哀れな被害者────もとい、入室者が現れる。

 

「こんにちはー。誰かいる?」

 

「依奈様」

 

 番匠谷依奈。アールヴヘイムの司令塔であり、プリンセスの異名持つ実力者である。

 

「あら、悠斗と樟美じゃない。いたのね────ってええ!? ソラ!?」

 

 二人の姿を見て、近づいた依奈だったが、ソファに顔を赤くしたま倒れている天葉を見てビックリする。

 

「ソラ!?」

 

「……依奈、気をつけ……ガクッ」

 

「ソラ!? ソラ!? ちょっ、これどういう意味!?」

 

「実は────」

 

 悠斗とは、先程起こった出来事を依奈に話した。その反応は────

 

「え!? ハグ! 悠斗と!? したい!」

 

「────どうぞ」

 

 もちろん、悠斗とのハグをご所望した。特に断る理由はないため、悠斗はもう一度手を広げると依奈がやんわりと入ってきた。

 

「……! す、すご……何これ……!」

 

「依奈様、変な気分になったらすぐに言ってくださいね」

 

「! んんっ……それ、ダメぇ……!」

 

 またもや身長差で依奈の耳にクリティカルヒットした囁きは、確かに依奈の何かをゴリゴリと削り取っている。

 

 紅くなっているのが見なくても分かるくらいに顔に熱が溜まる。それを見られまいと悠斗の胸に顔を押し付けたが、うっかり悠斗の匂いを嗅いでしまった。

 

「あっ────」

 

「依奈様……?」

 

「……えへへ、ゆうとぉ……ちゅーしよう?」

 

「……………………ん?」

 

 随分と久しぶりに悠斗の思考が止まった。依奈の目には何やらハートマークが浮かんでおり、拒否らないことを肯定と見た依奈は、そのまま悠斗の唇に自身の唇を────

 

「だ、ダメです!」

 

「流石にそれは看過できないかなぁ!」

 

「あっ!」

 

 ────付ける前に、樟美とちゅーしよう? という言葉を聞いて復活した天葉が何とか依奈を引っ剥がした。

 

「ふぅ……危ない危ない。ここでキスとか絶対にさせるわけないじゃん」

 

「…………ハッ! 俺は今、なんか凄い光景を見たような…………!」

 

「忘れなさい悠斗。これは主将命令よ?」

 

「ウッス」

 

 天葉の笑顔なのに何故か冷たいその様子に、悠斗は即答することしか出来なかった。

 

 

 後編へ続く!




悠斗くんの秘密!

悠斗は何故か、リリィに『惚れられやすい体質』である。何故かは知らないが、彼はリリィに限定してすっごくモテる。悠斗に興味を持たない限り効果はないが、持ってしまったが最後、悠斗の元々の性格とその体質により一気に落とされてしまうリリィが続出する。

亜羅椰が悠斗に対し意識したのと、楓が『不思議な魅力がある』と言ったのはこの体質が原因。しかし、本人も周りにいるリリィにもこの体質のことは分かってはいないため、知らぬうちにリリィを堕としてしまう壮大な修羅場が発生する予定である。

なお、この体質の効果を存分に受けると、脳の枷が外され今回の依奈のように、悠斗に対する思いをつらつらと喋ってしまうため、これは楽しm――――ごほん、注意が必要である。

ついに出てきた結梨ちゃん!分岐ですが………?

  • 結梨ちゃん生存ルートに決まってんだろ!
  • ゲンサク、ダイジ
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