アサルトリリィーPARASITEー   作:沼りぴょい

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笑いしか無かった


郭神琳お誕生日記念3歳D-1

 直線200m。帯広の────

 

「けい……競馬?」

 

「その前に、『ばんえい』というものがつきますけれど……これは些かシュールすぎますね……」

 

 ────ばんえい競馬場、第二Rにて、『郭神琳お誕生日記念』というものが行われる。調べたら普通に出てくるので皆も見よう。

 

「雨嘉さん、神琳さん、きちんと馬券は買えたかしら?」

 

「夢結様」

 

「いえ、それがまだ何を買えばいいのか迷ってしまって……」

 

「馬券受付終了はレースが始まる一分前よ。けど、やっぱり早めに買った方がいいわ」

 

「お姉様ー! わたし、買えましたよー!」

 

 にっこにこ笑顔で夢結に近づいていく梨璃。その後ろでは、悠斗に馬券の種類を教えて貰いながら買う少女達の姿がいた。

 

「俺は本当は普通の競馬────てかばんえい競馬とか俺も初めてだけど、まぁ今回は単勝だけでいいんじゃないか?」

 

 単勝馬券。それは、一着になる馬を予想する馬券である。

 

 今回、郭神琳お誕生日記念に出走するばんえい馬は10頭。

 

 ・グングニル

 ・ジョワユーズ

 ・ティルヴィング

 ・タンキエム

 ・マソレリック

 ・アステリオン

 ・ミョルニール

 ・ブリューナク

 ・ダインスレイフ

 ・アロンダイト

 

「あはは、なーんか知ってるような名前ばかりだナ!」

 

「つっこんだらダメだと思う、梅様」

 

「こればっかりは直感を信じるしかないのぉ……」

 

「ふぇぇ……何を買えばいいか悩んじゃいます~!」

 

「わたくしは既に決めましてよ?」

 

 やいのやいのとあれこれ騒ぐ少女達。その様子を見て、悠斗はアロンダイトの馬券を買うことに決めた。

 

 そもそも、ばんえい競馬とは競走馬がソリを引いて力や速さなどを競う競馬であり、ジョッキーはソリの上で鞭をシバいたりする。

 

「悠斗」

 

「わたくし達にも買い方を教えてくださいな」

 

「はいはい、えーっと、まず馬券には単勝やら複勝やらがあってな────」

 

 郭神琳お誕生日記念、出走。

 

「お、スタートしたな」

 

「みなさーん! 頑張ってくださーい!」

 

 ガシャン! とゲートが開き、勢いよく飛び出していく10頭。ジャラジャラと音を立てながらソリを引いていく。

 

「な、なんじゃ! わしが応援する馬が早くも最後尾に!」

 

 ぐろっぴが応援する馬────ミョルニール。早くも後ろからという競馬になってしまったが、まぁここまでなら何も問題は無い。

 

「流石ですわ! 流石わたくしが目をつけただけのことはありますわ!」

 

「よし、お前も着いていけ」

 

 先頭を走り、早くも第一障害を乗り越える────ジョワユーズが華麗にソリを引き、その後ろには鶴紗が応援するティルヴィングが追走。

 

 その後ろにグングニル、アステリオン、マソレリック、タンキエムがほぼ横一直線。先頭から二馬身ほど遅れて第一障害を乗り越える。

 

「お、お姉様!」

 

「安心なさい梨璃。まだ焦る場面ではないと悠斗も言っていたでしょう?」

 

 一馬身離れてアロンダイト、そこからさらに三馬身離れてダインスレイフとブリューナク、そして最後方にミョルニールといった競馬で進んでいく。

 

「あぁ!? 止まりましたわ!?」

 

 疲れからか、先頭を走るジョワユーズの足が止まった。騎手が鞭をしならせるも、中々進もうとしない。

 

「今だ! 抜け!!」

 

 そして、まるで梅の縮地のように走り去り、一気に先頭へと躍り出たタンキエム。そのまま第二障害まで進んで行った。

 

「いいゾ! そのまま逃げろタンキエム!」

 

「ティルヴィング、お前ならいけるっ……!」

 

「頑張って、アステリオン……!」

 

「そこです! 差しなさいマソレリック!」

 

「動きなさいジョワユーズ! 勝利は目の前ですわよ!」

 

「グングニルも頑張ってくださ~い!」

 

「お、お姉様────」

 

「そこよ! 差しなさいダインスレイフ! あなたならまだ行けるわ!」

 

「…………お姉様?」

 

「差せー!! 差せー!! アロンダイト差せー!!」

 

「悠斗くんの声が一番大きい!?」

 

「ミョルニール何をやっとるんじゃ!」

 

 馬券を握りしめ、思い思いに自分の夢へ声援を送る。

 

 そして、見事勝利したのは────

 

「いやー、まさかあそこからミョルニールが巻き返すとはな」

 

「えぇ! あの末脚! まさにミリアムさんのようなフェイズトランセンデンスでした!」

 

 ゴール前では多くのばんえい馬が足を止めた中、物凄い末脚を見せたミョルニールが一着、二着はダインスレイフ、そして三着はマソレリックだった。

 

「ミリアムさんのように、素晴らしい根性の持ち主でしたわね」

 

「うん、あれにはびっくり」

 

「四着、頑張った」

 

 こちらは比較的ぽわぽわしている組である。一方その頃────

 

「離しなさい梅……っ! 次の、次のレースは当ててみせるわ……っ!」

 

「よすんだ夢結!」

 

「止まってくださいお姉様!」

 

「ちょっとあなた達! ほわほわしてないで夢結様を止めなさい!」

 

 ルナトラ発動手前までいった。

 

「あ、そうそう。本来馬券を買うのは二十歳を超えてからだからな。未成年の皆はあくまで、見るのを楽しむだけにしとこうな」

 

「あの、これってわたくしの誕生日記念ですよね……?」

 




各リリィ応援馬紹介
梨璃→ブリューナク
夢結→ダインスレイフ
楓→ジョワユーズ
二水→グングニル
雨嘉→アステリオン
神琳→マソレリック
梅→タンキエム
ミリアム→ミョルニール
鶴紗→ティルヴィング
悠斗→アロンダイト

ついに出てきた結梨ちゃん!分岐ですが………?

  • 結梨ちゃん生存ルートに決まってんだろ!
  • ゲンサク、ダイジ
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