PSYCHO-PASS Shepherd of the Sun 作:キラトマト
「なぁ、ひさぎ。お前らの世界の本州ってこんなんなのか?」
僕は一応確認しておく。
「……違う。こんなにドローンとか飛んでない。それになんなのよ、潜在犯とか」
(やっぱりか……ってことはここはそもそも日本じゃないのか?)
「あの、すみません。宜野座さん、ここって日本なんですか?」
「何を言っているんだ君は……、ここは確かに日本だが。第一日本以外の国は、もう国として機能していない」
(国として機能していない?)
「失礼します。こちらが新しく配属された監視官でしょうか?」
すると、少々目つきのキツい男性が入ってくる。この人も一係なんだろうか?
「はい……そうですけど。あなたも一係所属なんですか?」
「はい、そうです。俺は東金朔夜。執行官です」
「あ、自己紹介ありがとうございます。東金さん」
(丁寧な口調な人だな。いい人そうだ)
「加賀美監視官。お言葉ですが、その端末で名前はわかると思いますが」
あぁ、そういうことか、どうりでみんな僕の名前がわかるなって思ったんだ。
そして、腕時計? のような端末で一係のメンバーを確認する。
(えぇっと、まだ会ってないのは……)と、探していると、残りの2人のデータを発見する。まぁ、1人はもう会ってるんだけど。今ここに来ていない最後の執行官は雛河翔というらしい。そして、病室であった常守さん、あの人も一係の監視官のようだ。
「……なんか、楽しみです」
僕はこの世界でいまだ一回も外に出ていない、ということで、ひさぎと一緒に外出しようと思う。ま、断られればそれまでなんだけど。
「なぁひさぎ、ちょっと外行かねーか?」
「潜在犯は外出できないし」
「監視官が同行すれば、行けるってよ」
「うそ、マジ?! じゃあ着いてきて!」
そんなこんなで先に目覚めていたひさぎに街案内をしてもらう僕。道中に腕の端末が鳴っていたが、どうせ大した用事ではないだろうということで僕は通話を切った。
「で、ここがメンタルケア施設。ってあれ……二係の」
そう言ってひさぎが指さす。二係? まぁ、そうか一係があるんなら当然二係とか三係もあるよな。
「あのー、二係の方ですか?」
僕はメンタルケア施設に集まっているひさぎが指差した三人組に声をかける。当然、彼らは誰? と言った感じでこちらを見ているが。
「まさか、君が噂の……」
三人組のうちの黒髪の男性が話しかけてくる。
「あぁ、ご存知でしたか」
「あの、もう行くけど、いい?」
と、女性の人が問う。
「あ、はい。問題ありません」
「あのさひさぎ、せっかくだし僕らも行ってみないか?」
「嫌よ、メンタルケアとかめんどくさいし」
「いいからいいから、いくぞ」
僕は無理やりひさぎと一緒に中に入る。そこには、
「薬じゃダメなんだ! この国は────」
受付の人に対して怒鳴っている老人がいた。
(ったく、どこの世界にもいるもんだな。迷惑客って)
そう思いながら僕はその老人を止めにかかる。
「その辺にしときなって、お爺さん。周り見てみ?」
そう言って肩に手をかけようとした瞬間、お爺さんが連れていたロボット犬が僕に飛び掛ってくる。
「うわっ!」
僕は避ける術もなく、そのまま倒れてしまう。
すると、さっきの女性の人が、銃のようなものをお爺さんに向ける。だが、弾丸が発射されることはなく、ロックされたようなカチャリという音が施設内に響くだけであった。
「なに?!」
そして、彼女にもロボット犬が飛びかかる。
「ひさぎッ!」
「了解!」
ひさぎは僕の命令をすんなりと返事をしてくれた。
そして、ひさぎはロボット犬に向けて、またもやあの銃を向ける。(さっき無理だったじゃないか)
そう思っているうちに銃の形がどんどん派手になっていき、変形が終わると、光の弾丸が打ち出される。しかし、その弾は貫通することなく、着弾すると、ロボット犬が破壊される。
「皆さん逃げてください!」
女性の人が施設内の人全員に呼びかける。
「う、うぁあああああ!」
すると、人々は一斉に悲鳴を上げて逃げていく。
「よし、逃げたわね。じゃあこのジジイ、どうする? サン」
「とりあえず外に出すか?」
「外にあなたの仲間もいるんでしょう?」
僕は女性に問いかける。
「あ、えぇ、そうね。とりあえず本部に連絡入れなきゃ……」
と、女性は腕の端末で連絡を取り始める。
「なぁひさぎ、今からどうする?」
「どうする、って、みんなが来るまで待っとかなきゃいけないんじゃないの?」
「うーん……やっぱそうか」
「っと、そうだ。今のうちにあの人たちの名前っと……」
えぇっと、あの女性の名前は青柳璃彩というらしい。
「青柳さん。到着までいくらかかりそうですか?」
「大体20分ぐらいで着くって言ってたけど……」
20分か……まぁお爺さんの身柄は蓮池さんと須郷さんによって抑えられてはいるけど……